JP3105694B2 - マニピュレータ制御方法 - Google Patents

マニピュレータ制御方法

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JP3105694B2 JP05099586A JP9958693A JP3105694B2 JP 3105694 B2 JP3105694 B2 JP 3105694B2 JP 05099586 A JP05099586 A JP 05099586A JP 9958693 A JP9958693 A JP 9958693A JP 3105694 B2 JP3105694 B2 JP 3105694B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はマニピュレータ制御方
法、特に平衡位置を用いた制御法に関する。
【0002】
【従来の技術】マニピュレータを制御する場合、手先位
置(または姿勢)をある位置から別の位置に移したり、
ある経路に沿って動かしたりするための位置・軌道制御
と環境に存在する構造物から幾何学的・運動学的な拘束
をうけているときの制御の2種類に大別できる。前者に
は対象物までの到達運動などがある。後者における作業
として組み立て、研磨、ばり取り、ドアの開閉、クラン
クまわしなどがあり、手先効果器の位置だけでなくマニ
ピュレータが対象物に加える力の制御が必要なものが多
い。
【0003】このようなマニピュレータの制御技術は、
医療・福祉ロボットやHAロボットが人体や環境に対し
て危害を加えない高い安全性と信頼性を確保するために
必要である。そのための制御法としてインピーダンス制
御法とハイブリッド制御法が考えられてきた。
【0004】インピーダンス制御法とは手先効果器の外
力に対する機械インピーダンス(慣性、粘性、弾性の総
称)を作業遂行に都合のよいように設定することによっ
て、位置および力を制御する方法である。この方法はさ
らに受動インピーダンス法と能動インピーダンス法に分
けられる。受動インピーダンス法とは、ダンパやバネな
どの機械的要素のみによって手先効果器のインピーダン
スを望ましいものに設定する方式である。また能動イン
ピーダンス法とは、手先効果器の位置、速度、加速度、
力などの実測値をフィードバックしてアクチュエータを
駆動することにより、結果として得られる機械インピー
ダンスを望ましいものに設定する方式である。
【0005】他方、ハイブリッド制御法とは、位置(軌
道)を制御したい方向および力を制御したい方向を定
め、それぞれの方向の位置や力を測定し、それらをフィ
ードバックして目標値に追従させるための位置(軌道)
制御ループ及び力制御ループを備える方法である。
【0006】ここで、制御対象が機械的に弾性特性を有
している場合(バネや空気圧により駆動されるアクチュ
エータにより構成されたマニピュレータなど)や任意の
制御対象を用いてソフト的なローカルフィードバック制
御(ローカルなスティフネス制御)により弾性特性を実
現している場合、軌道と力を制御する1つの方法とし
て、平衡軌道(平衡位置の時系列)を制御する方式が考
えられる。フィードバック制御でも可能であるが、フィ
ードフォワード制御により行う方が望ましい。
【0007】以下、制御対象が機械的に弾性的な性質を
有している場合のもっとも簡単なバネ−マス系(バネの
先端に質量mの物体がついている系)を例にして平衡軌
道を用いた制御方法について説明する。図19に示すよ
うに弾性係数k(スティフネス)のバネの先端が位置x
e (平衡位置)で静止している場合を考える。
【0008】力制御の場合 まず、力を制御する場合について説明する。図20に示
すようにバネの先端が位置xで拘束されて静止している
状態を考え、このときのつり合いの式は以下のようにな
る。
【0009】
【数1】 fext は対象物に与える力である。fext はスティフネ
スk及び平衡位置xe を用いて調整することができる。
しかし、目標とするfext を実現するkとxe の組み合
わせは一意に決定されない。これを解決するための1つ
の方法として、スティフネスkをまず望ましい(または
任意の)値に設定してから残りの平衡軌道xe を決定す
る方法が考えられる。つまり、目標とする力fext が実
現するように平衡軌道を計画する方法である。
【0010】軌道制御の場合 次に軌道制御について説明する。バネ先端が位置x、平
衡位置がxe であるときを考える。このとき、図21に
示すようにバネの先端はxe の方向に力fが生成されx
e の方向に動く((1)式参照)。従って、平衡位置x
e を徐々にずらしてゆくことによってバネの先端の運動
を制御することができる。そして、この考え方は制御対
象として弾性的な性質を有する多関節マニピュレータを
用いた制御法に容易に拡張することができ、さらに運動
中に対しても拡張することができる。図22には多関節
マニピュレータの力制御の場合が示されており、また図
23には軌道制御の場合が示されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】上記のように非常に簡
単な制御対象で運動方程式が正確に求められる場合には
簡単な計算で平衡位置xe が決定できる。しかし、一般
に制御対象の正確な運動方程式は得られないので、平衡
位置xe を決定する問題は簡単ではない。
【0012】ここで、仮想軌道を事前に計画することが
できれば、フィードフォワードで制御することが可能と
なる。しかし、一般にこの計画は困難である。その主な
理由は、 (ア)機械的に弾性特性が実現されている場合、マニピ
ュレータの手先効果器のスティフネスが姿勢に依存して
変化する (イ)制御対象の運動学方程式や運動方程式を利用した
インピーダンス制御法では精度良く手先のインピーダン
スを制御することができる。しかしながら制御対象の正
確な運動学方程式や動力学方程式を得ることは一般に困
難である。このため、精度よくインピーダンス制御でき
ない。また、フィードバックループのディレイタイムが
大きい場合にも正確なインピーダンス制御は期待できな
い 等である。このように手先のスティフネスが複雑に変化
する場合、平衡軌道を決定する問題は困難になってしま
う。従来手法では平衡軌道が特に事前に計画されている
場合が多い。例えば、平衡軌道xe を力の作用する面に
対して平行に一定の深さで計画するなどである。このよ
うな方策をとった場合、図24に示すように3つの姿勢
での手先のスティフネスがk1 、k2 、k3 とそれぞれ
異なるとき、実現される力も5(N)、10(N)、8
(N)と異なってしまう。したがって、このような方法
では正確な力制御が期待できない。
【0013】また、力センサにより測定された実測値を
フィードバックして力を制御する方法もある。しかし、
力センサーにより計測された実測値には多くのノイズ
(センサにより生じるノイズや接触による不安定さから
生じる振動等)が含まれているためにフィードバック制
御だけでは安定な力制御が困難である。
【0014】本発明は上記従来技術の有する課題に鑑み
なされたものであり、その目的は多関節マニピュレータ
の制御に際し、平衡位置を計画してフィードフォワード
制御により精度良く制御することが可能なマニピュレー
タ制御方法を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載のマニピュレータ制御方法は、制御量
として平衡位置を与えることによりマニピュレータの位
置及び力を所望の値に制御するマニピュレータ制御方法
であって、前記平衡位置の時系列データを学習により平
衡軌道データとして獲得し、この平衡軌道データを制御
量として与えることによりマニピュレータをフィードフ
ォワード制御することを特徴とする。
【0016】また、上記目的を達成するために、請求項
2記載のマニピュレータ制御方法は、請求項1記載のマ
ニピュレータ制御方法において、前記学習をフィードバ
ック誤差学習法、直接逆モデリング法、順逆モデリング
法のいずれかの方法により行うことを特徴とする。
【0017】
【作用】本発明のマニピュレータ制御方法は、制御対象
であるマニピュレータが弾性的な性質を有しており、ま
たその姿勢がある状態変数(または制御変数)で制御で
きることが前提である。ここで、制御対象が弾性的な性
質を有しているとは、ある姿勢で静止している状態(平
衡状態)から強制的にその姿勢を変化させたときもとの
姿勢に戻ろうとする力が生成されるものをいう。この性
質は機械的な要素により実現されている場合(受動的イ
ンピーダンス制御法)だけでなく、ネガティブフィード
バックループにより構成された制御系(能動的インピー
ダンス制御法)で実現されていてもよい。
【0018】本発明のマニピュレータ制御方法の制御ス
キームは、図1に示されるように平衡軌道を計画する平
衡軌道計画器ETP10、及び平衡軌道を制御変数とす
る制御対象12からなる。フィードバック制御では一般
にループ時間が無視できないため、制御の性能がこのル
ープ時間に大きく左右される。このためフィードフォワ
ード制御が望まれる。そこで、目標とする軌道や力が正
確に実現できる平衡軌道を計画することができるETP
10が使用される。このETP10はフィードフォワー
ド項としての役割を果たす。
【0019】一方、学習はETP10の内部状態(内部
変数)を修正してゆくことにより行う。ETPの出力x
e が
【数2】 として表されるものとする。x,dx/dt,d2 x/
dt2 ,fd はETPへの入力であり、wは内部変数で
ある。その内部変数w の修正量Δwは、直接逆モデリン
グ、順逆モデリング、フィードバック誤差学習等の学習
則を用いることにより計算可能である。n+1回目の学
習後の内部変数w(n+1)
【数3】 となる。
【0020】例えば、2リンクマニピュレータを用いて
拘束面(xの位置)に対して10(N)の力を作用させ
る場合、まず、上記の学習則を用いてETP10を学習
する。この結果、図2に示すような平衡軌道xe が計算
され、面上のどの位置でも目標とする10(N)の力が
実現されることになる。図2にはマニピュレータの各姿
勢におけるスティフネスkも同時に示されており、この
ようにスティフネスが変化しても平衡位置を適宜フィー
ドフォワード制御により変化させ、一定の力を得ること
ができる。
【0021】なお、本発明のETP10の学習則にはフ
ィードバック誤差学習法、直接逆モデリング法、順逆モ
デリング法を用いることができる。図3,4,5にはこ
れら学習則の概念図がそれぞれ示されている。フィード
バック誤差学習法はフィードバックコントローラからの
出力を誤差信号として学習が行われるものであり、学習
と制御を同時に行うことができるため、制御対象のダイ
ナミクスの変化に対しても追従することができる。直接
逆モデリング法は適当な制御入力に対する実現軌道を獲
得すべきモデルに入力し、このときの出力と制御入力と
の誤差により学習が進められるものである。また、順逆
モデリング法は、まず制御入力と実現軌道により事前に
順モデルを学習し、目標軌道と実現軌道との誤差を獲得
したこの順モデルを用いて逆伝播させることにより逆モ
デルの出力誤差を与えて逆モデルを学習するものであ
る。
【0022】本発明におけるETP10は、これらの方
法を用いて学習することにより制御変数としての平衡移
動データを獲得し、マニピュレータをフィードフォワー
ド制御する。
【0023】
【実施例】以下、図面を用いながら本発明のマニピュレ
ータ制御方法の好適な実施例について説明する。なお、
学習則としてはフィードバック誤差学習を例にとり説明
する。
【0024】図6には本実施例の学習スキームが示され
ている。ETP10を省いたスキームは、よく知られて
いるフィードバック制御法であり、フィードバック制御
器FC14により制御対象12をある程度制御できる。
しかしながら、前述したようにフィードバック制御では
一般的にループ時間が無視できないため、制御の性質が
このループ時間に大きく左右される。そこで、目標とす
る軌道や力が正確に実現できる平衡軌道を計画すること
ができるETP10を学習により獲得する。
【0025】学習則はフィードバック誤差学習法を適用
する。つまり、FC14により計算された値xfcをET
P10の出力誤差として用い、 ETP10の内部状態
(内部変数)を修正してゆくことにより学習を行う。E
TP10の出力xe は内部変数wを用いた(2)式とし
て表され場合、学習により内部変数wが修正される。内
部変数wの修正量は、次式で与えられる(フィードバッ
ク誤差学習法)。
【0026】
【数4】 そして、n+1回目の学習後の内部変数w(n+1)
(3)式により更新される。なお、フィードバック誤差
学習法の詳細な説明は、例えばKawato,M.,Furukawa,K.,
Suzuki,R.(1987) A hierarchical neural-network mode
l for control and lea-rning of voluntary movement.
Biological Cybernetics 57:169-185 に示されている。
【0027】学習後、理想的には目標軌道・力と実現さ
れた軌道・力が一致し、フィードフォワード制御に完全
に移行する。すなわち、ETP10からの平衡軌道デー
タxe により制御対象12(マニピュレータ)が制御さ
れる。しかし、学習後でも予期できない外乱などが生じ
たとき、フィードバック制御器14により安定な応答が
保償される。このとき、ETP10はフィードフォワー
ド項としての役割をはたし、FC14は安定な制御を行
う働きとETP10を学習させるための評価器としての
役割を果たす。
【0028】図7には本実施例の学習スキームのフロー
チャートが示されている。まず、目標軌道xd と力fd
を計画し(S101)、これらxd ,fd をETP10
に入力してETP10の出力を計算する(S102)。
計算は(2)式に従って行われる。
【0029】そして、軌道及び力の実測値を用いてFC
14の出力を計算し(S103)、このFC14の出力
を用いてETP10の内部変数wが修正される(S10
4)。修正は(3)式及び(4)式に従って行われる。
最後に、ETP10の出力とFC14の出力とを合計
し、制御対象12へ入力する(S105)。このような
修正作業を複数回繰り返して目標軌道・力と実現された
軌道・力が一致した場合には学習は終了し(S10
6)、前述したようにフィードフォワード制御に移行す
る。
【0030】図8には本発明の制御方法が適用されるマ
ニピュレータ制御システムの一例が示されている。この
制御システムは、ホストコンピュータ100、画像処理
装置102、カメラ104,106、ソフトアーム10
8、ロボットコントローラ110、及びサーボバルブユ
ニット112を含んで構成される。図9にはソフトアー
ム108の構成図が示されている。ソフトアーム108
は空気圧で圧縮するゴム性のアクチュエータであり、ゴ
ム性のチューブの上に繊維コードを網状に編み上げ、両
端を金具で固定して構成される。空気圧サーボ系が指令
値に従って空気圧を制御することにより動作し、位置制
御と力制御を同時に行うことができる。
【0031】このようなソフトアームの如く機械的な要
素によりスティフネスが実現されている場合、図6及び
図7に示されたフィードバック誤差学習法は図10に示
されるスキームで行われる。ここで、ETP10には目
標軌道xd と目標力fd が入力され、平衡軌道xνが計
算される。力制御(拘束運動)を行う場合、ETP10
には拘束される面上での位置、速度、加速度と目標とす
る力などが入力される。一方、軌道制御(自由運動)を
行う場合、ETP10には目標とする軌道の位置、速
度、加速度などが入力される。ここで、ETP10はニ
ューラルネットワークモデル、テーブル、ルール、数式
等で構成される。ETP10に多層神経回路モデルを用
いた場合には、フィードバック誤差学習とバックプロパ
ゲーション学習則との組み合わせにより学習できる。
【0032】また、FC14は通常よく用いられるフィ
ードバック制御器であり、制御則にはPID制御器等が
用いられる。力制御(拘束運動)を行う場合、フィード
バック制御則には、力に関するPI制御則等が用いられ
る。
【0033】
【数5】 軌道制御(自由運動)を行う場合、フィードバック制御
則には、位置に関するPID制御則等が用いられる。
【0034】
【数6】 また、逆運動学モデル器IKM16は作業座標から関節
角などの座標系に座標変換する。逆静力学モデル器IS
M18は目標とする姿勢を決定するための制御入力を計
算する。ISM18、IKM16もETP10と同様に
ニューラルネットモデル、テーブル、ルール、数式など
で構成される。ETP10と同様に、ISM18やIK
M16に多層神経回路モデルを用いた場合、フィードバ
ック誤差学習とバックプロパゲーション学習則との組み
合わせにより学習できる。
【0035】このように、制御対象が弾性的な性質を有
する場合に本実施例の制御スキームは有効であり、以
下、本実施例の制御スキームを粘弾性特性をもつ2関節
型マニピュレータに適用した結果について示す。
【0036】図12には人の腕のモデルである2関節6
筋モデル(片山正純、川人光男:“並列階層制御神経回
路モデルにより予測される人腕の仮想軌道と剛楕円
体”、電子情報通信学会、1991年)が示されてお
り、単関節筋(肩関節に2筋と肘関節に2筋)と多関節
筋(二頭筋と三頭筋)を用いて2関節アームとしてモデ
ル化したものである。なお、ETP10、ISM18、
IKM16には多層神経回路モデルを用いた。学習は上
記で説明した学習法(フィードバック誤差学習+バック
プロパゲーション)を用いて行った。
【0037】図16及び図17にはこのモデルを用いて
軌道と力の制御実験を計算機シミュレーションにより行
った結果が示されている。シミュレーションに必要な腕
に関するパラメータ、筋に関するパラメータ、及びモー
メントアームはそれぞれ図13、図14、図15に示さ
れており、k0 、b0 は筋のもつ固有の弾性、粘性であ
り、θは関節角、Mはリンクの重さ、Lはリンクの長
さ、Iは慣性モーメントである(前述の“並列階層制御
神経回路モデルにより予測される人腕の仮想軌道と剛楕
円体”参照)。本シミュレーションにおける制御内容
は、図16に示されるように、まず、手先が壁に向かっ
て軌道制御され、次に、壁に接触してから力制御され、
最後に、壁から離れて軌道制御されるものである。図1
6にはこの時の平衡軌道xe 、目標軌道、及び実際の軌
道が示されており、図17には目標力fd と実現された
力fext が示されている。図16と図17から手先の軌
道と力が精度良く制御されていることが確認できた。
【0038】さらに、図12の人腕のモデルを用いて軌
道制御実験を計算機シミュレーションにより行った。こ
の時の平衡軌道、目標軌道、実際の軌道が図18に示さ
れている。この結果から軌道制御も可能であることが確
認された。
【0039】一方、このように機械的な要素によりステ
ィフネスが実現されている場合ではなく、手先のインピ
ーダンスが下位フィードバック制御ループにより制御さ
れている場合(インピーダンス制御)にも本発明の手法
は適用できる。図11には制御対象がスティフネス制御
される場合が示されている。ETP10とFC14は図
10と同様である。
【0040】図11において、τは関節トルク、KとB
は弾性係数と粘性係数(ダンピング)を表す。KとBは
タスク遂行に適した値に設定され、下位フィードバック
制御ループにより以下のようにインピーダンス制御され
ている。
【0041】
【数7】 (7)式の場合はスティフネスと粘性が制御されてい
る。制御対象12としては、通常FA等に用いられる多
関節型マニピュレータ等が制御対象として考えられる。
【0042】このように、本実施例では、通常の学習制
御とは違い、トルク、力、モータやバルブへの指令を直
接学習するのではなく、仮想軌道を学習することにより
マニピュレータをフィードフォワード制御するものであ
り、力のみならず軌道をも正確、かつ迅速に制御するこ
とができる。
【0043】なお、本実施例では仮想軌道の学習法とし
てはフイードバック誤差学習法を用いたが、もちろん、
直接逆モデリング、順逆モデリングなどの学習則を用い
ることが可能であることは言うまでもない。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のマニピュ
レータ制御方法によれば、学習により平衡位置(軌道)
が計画されるので制御の性能が向上する効果がある。ま
た、学習により獲得された平衡位置を制御対象に供給す
ることによりフィードフォワード制御が可能となり、力
だけでなく軌道(位置)も同時に制御することができる
効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のマニピュレータ制御方法における制御
スキームを示す説明図である。
【図2】本発明のマニピュレータ制御方法の作用説明図
である。
【図3】フィードバック誤差学習法の概念図である。
【図4】直接逆モデリング学習法の概念図である。
【図5】順逆モデリング学習法の概念図である。
【図6】本発明の一実施例におけるフィードバック誤差
学習法を用いた制御スキームを示す説明図である。
【図7】同実施例における学習フローチャートである。
【図8】同実施例における制御システム構成図である。
【図9】同実施例におけるソフトアームの構成図であ
る。
【図10】制御対象が機械的に弾性特性を有する場合の
制御スキームを示す説明図である。
【図11】制御対象がスティフネス制御されている場合
の制御スキームを示す説明図である。
【図12】人の腕のモデルである2関節6筋モデルの説
明図である。
【図13】同モデルにおける筋のパラメータを示す図で
ある。
【図14】同モデルにおけるアームのパラメータを示す
図である。
【図15】同モデルにおけるモーメントアームを示す図
である。
【図16】手先軌道と平衡軌道のシミュレーション結果
を示す図である。
【図17】目標力と実際の力のシミュレーション結果を
示す図である。
【図18】軌道制御のシミュレーション結果を示す図で
ある。
【図19】制御対象をバネ−マス系とした場合の説明図
である。
【図20】図19においてバネの先端が拘束された状態
を示す説明図である。
【図21】バネーマス系における軌道制御の場合の説明
図である。
【図22】多関節マニピュレータの力制御の説明図であ
る。
【図23】多関節マニピュレータの軌道制御の説明図で
ある。
【図24】スティフネスの変化による力の変化を示す図
である。
【符号の説明】
10 ETP(平衡軌道計画器) 12 制御対象 14 フィードバック制御器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 川人 光男 京都府相楽郡精華町大字乾谷小字三平谷 5番地 株式会社エイ・ティ・アール人 間情報通信研究所内 (56)参考文献 特開 平6−19508(JP,A) 特開 平6−289918(JP,A) 特開 平6−79666(JP,A) 特開 平6−149308(JP,A) 特開 平4−340601(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25J 3/00 - 3/04 B25J 9/10 - 9/22 B25J 13/00 - 13/08 B25J 19/02 - 19/06 G05B 19/18 - 19/46 G05B 11/32,13/02 G05D 3/12

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御量として平衡位置を与えることによ
    りマニピュレータの位置及び力を所望の値に制御するマ
    ニピュレータ制御方法であって、 前記平衡位置の時系列データを学習により平衡軌道デー
    タとして獲得し、この平衡軌道データを制御量として与
    えることによりマニピュレータをフィードフォワード制
    御することを特徴とするマニピュレータ制御方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のマニピュレータ制御方法
    において、 前記学習はフィードバック誤差学習法、直接逆モデリン
    グ法、順逆モデリング法のいずれかの方法により行うこ
    とを特徴とするマニピュレータ制御方法。
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