JP3104759B2 - 燃料ガスの燃焼方法 - Google Patents
燃料ガスの燃焼方法Info
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Description
の小型の燃焼装置に好適な燃料ガスの燃焼方法に関す
る。
素酸化物(NOX )は、それ自体に毒性があり、酸性雨
や光化学スモッグの原因の一つと見られている。そこ
で、燃焼装置に使用するバーナには、NOX の発生量を
低減するための種々の対策が講じられている。
は、法的な規制がある産業用等の大型の燃焼装置に対す
るものであり、家庭用や小型業務用等の小型の燃焼装置
では、騒音等の問題があるため、その対策は必ずしも十
分とはいえない。
減させる方法として濃淡燃焼方式が知られている。これ
は、燃料濃厚なバーナの両側に燃料希薄なバーナを配置
して燃焼させるものである。
燃焼させる時は過剰空気により燃焼温度が低下し、NO
X の発生が少なくなる。また、燃料濃厚な混合気の燃焼
時においても、酸素量の不足などの効果により、これも
NOX の発生が少ない。燃料濃厚な混合気の炎は拡散炎
として構成され、燃料希薄な混合気の炎の余剰空気より
酸素が供給されて燃焼を完全化するものである。また、
大型の燃焼装置においては、乱流燃焼が可能であり、燃
焼時の高温となる滞留時間が短くなり、この効果が低N
OX 化に寄与している。従って、燃料希薄の混合気の燃
焼と燃料濃厚の混合気の燃焼はそれぞれNOX の発生が
少ない事から全体的にNOX の発生が少ない燃焼が得ら
れるのである。
型業務用の燃焼装置に使用しようとした場合、騒音の発
生や、燃焼室が極めて小さいことから完全燃焼ができ
ず、濃淡による低NOX 燃焼を適用しても大幅な低NO
X 化が実現できない。
酸化物の発生を抑制した燃料ガスの燃焼方法を提供する
ことを目的とする。
燃料ガスの燃焼方法は、燃料濃厚な燃料ガス及び燃料希
薄な燃料ガスの燃焼を併用する燃料ガスの燃焼方法であ
って、第1のバーナ部(1a、4a)を一定の間隔で配
列するとともに、これら第1のバーナ部の間隔内に第2
のバーナ部(1b、4b)を配列することにより、前記
第1及び第2のバーナ部を交互に配設するとともに、外
側部に前記第1のバーナ部を配置してバーナを形成し、
前記第1のバーナ部は円形状又は方形状の多数の炎孔
(2a)を規則的に形成して第1の炎孔群(A)とし、
前記第2のバーナ部は前記第1の炎孔群の炎孔より大き
い円形状又は方形状の炎孔(2b)を規則的に形成して
第2の炎孔群(B)とし、この第2の炎孔群はその全炎
孔面積を前記第1の炎孔群より大きく設定し、前記第1
の炎孔群には前記第2の炎孔群と分離して燃料濃厚な第
1の燃料ガスが供給され、前記第2の炎孔群には前記第
1の燃料ガスより燃料量を多くかつ空気の比率が高い燃
料希薄な第2の燃料ガスが前記第1の炎孔群と分離して
供給され、前記第1のバーナ部及び前記第2のバーナ部
には外側から冷却用空気を供給し、前記第1のバーナ部
及び前記第2のバーナ部に供給される全燃料ガス量より
全空気量を多くし、燃料濃厚な前記第1の燃料ガスの燃
焼による保炎によって燃料希薄な前記第2の燃料ガスの
燃焼を安定化させたことを特徴とする。
燃焼方法は、前記第1の炎孔群及び前記第2の炎孔群を
単一のセラミック板に形成したことを特徴とする。
濃厚な混合気が噴出して燃焼し、第2の炎孔群Bを構成
する炎孔2bからは燃料希薄な混合気が噴出して燃焼す
る。
剰に含まれていることから火炎温度が低くなり、NOX
の発生量を通常のブンゼンバーナの燃焼より大幅に低減
することが可能である(30ppm 以下)。
性が悪いのであるが、これらの火炎に隣接して上述した
燃料濃厚な混合気による安定した火炎が存在しているの
で、これらの安定した火炎が種火としての作用をして過
剰空気の火炎を安定化させるのであるが、燃料希薄な混
合気は大幅な低NOX 燃焼が可能なのに対して燃料濃厚
な混合気は内炎上方にて火炎温度が高温となるため、N
OX 発生量は希薄燃焼と比較して非常に多くなる。
群で燃焼させる燃料ガス量を、燃料濃厚な混合気を供給
する炎孔群で燃焼させる燃料ガス量よりも多くすること
で、そのガスの供給割合に応じて各炎孔群より発生する
NOX が減少することが見いだされた。
ス量の増大にともなって空気量が増大するため、火炎の
冷却効果により、NOX の発生量が低減される。
減少により燃焼量が低下するため、燃料濃厚な混合気の
火炎によるNOX の発生総量が減少する。
濃厚な混合気に供給するガス量は、例えば、1.5:1
〜5:1程度とすることが必要であり、この時のバーナ
全体のNOX 濃度は60ppm 以下とすることが可能であ
り、一例を挙げれば、2:1〜4:1程度である。
下回る場合、NOX の発生量が60ppm を上回り、ま
た、例えば、5:1を上回ると燃料希薄な混合気を供給
する炎孔群への混合気供給量が増大して騒音が大きくな
ると共に熱効率が低下して実用的ではない。また、通風
圧力損失が増大し、ファンモータへの負担増大やファン
音増大などの問題が生じる。燃料希薄な混合気による過
剰空気の燃焼は単独では火炎の安定性が悪いのである
が、これらの火炎に隣接して上述した燃料濃厚な混合気
による安定した火炎が種火としての作用をして過剰空気
の火炎を安定化する。従って、火炎のリフトや振動燃焼
を起さず、騒音の発生が抑制される。
して詳細に説明する。
法の一実施例を示している。1a、1bは夫々上側にス
リット状炎孔2a、2bを列設した縦型偏平な第1及び
第2のバーナ部であり、これらの複数を隣接して交互に
設置することによりバーナを構成し、これらバーナ部1
a、1bには、混合割合の異なった燃料ガスと空気の混
合気を供給している。即ち、バーナ部1a、1bの夫々
に第1、第2の炎孔群A、Bを構成している。これらの
夫々のバーナ部1a、1bへの混合気の供給方法や混合
方法等は従来のブンゼンバーナ等における適宜の方法の
適用が可能である。
料濃厚な混合気からなる第1の燃料ガスを供給し、バー
ナ部1bには燃料希薄な混合気である第2の燃料ガスを
独立して供給し、それぞれを燃焼させる。例えば、夫々
のバーナ部1a、1bに供給する混合気の空気比は、理
論空気量λ=1とすると、第1の燃料ガスである燃料濃
厚な混合気ではλ≒0.4、第2の燃料ガスである燃料
希薄な混合気ではλ≒1.2〜1.5となるようにす
る。また、バーナ部1a、1bに供給する燃料量の比
は、例えば、バーナ部1a:バーナ部1b=3:7程度
にバーナ部1b側に供給する燃料ガス量をバーナ部1a
に供給する燃料ガス量よりも多くする。
2aからは燃料濃厚な混合気が噴出して燃焼し、バーナ
部1bの炎孔2bからは燃料希薄な混合気が噴出して燃
焼する。
混合気による過剰空気の燃焼であるため、それ単独では
火炎3bのリフトや振動燃焼が発生したりして不安定に
なるおそれがある。一方、バーナ部1aにおける燃焼
は、燃料濃厚な混合気による燃焼であるため火炎3aは
安定している。しかしながら、これらの火炎3a、3b
は隣接して存在しているので、バーナ部1aの安定した
火炎3aが種火としての作用をして、バーナ部1bの燃
焼を安定化し、火炎3bのリフトや振動燃焼の発生を防
止する。
量の増大に比例して空気量が増えた過剰空気の燃焼であ
るから、過剰空気の冷却作用により火炎3bの温度が低
温に維持されてNOX の発生が低減され、バーナ部1a
における燃焼はガス量の減少により燃焼量が減少し、N
OX の発生総量が減少するため、バーナ全体の燃焼量に
対してのNOX の発生量も少ない。
方法を適用したバーナの他の実施例を示している。この
実施例のバーナは、燃料濃厚な混合気を燃焼させる第1
のバーナ部4aを両側に配設し、これらの第1のバーナ
部4a間に燃料希薄な混合気を燃焼させる第2のバーナ
部4bを設けている。このバーナにおいてはバーナ部4
aは上側にスリット状炎孔5aを設けた先端噴出部6を
細く形成して、側壁7との間に空間部を構成しており、
また、バーナ部4bは先端部にリボン8を設置して多数
の炎孔5bを形成している。図4に示すように、バーナ
部4aの先端噴出部6の横側には必要に応じて袖火炎孔
9を形成することができる。
を適用するバーナの他の実施例を示している。この実施
例のバーナは図3及び図4の構成におけるバーナ部4a
のスリット状炎孔5aに代えて、バーナ4bと同様に先
端部にリボン10を設置して多数の炎孔5aを形成する
と共に、袖火炎孔9、そして外側に間隔をおいて袖火形
成用の側壁7を構成したものである。
ニットとして複数のユニットを列設して所望燃焼量のバ
ーナを構成することもできるし、バーナ部4bが両側の
第1のバーナ部4aに挟まれる構成を維持した状態で、
図1及び図2に示した実施例のようにバーナ部4a、4
bの複数を交互に連続的に列設してバーナを構成するこ
ともできる。
を適用すると、図1及び図2に示した構成におけると同
様な上述した作用に加え、リボン8、10により構成し
た炎孔5a、5bにおける混合気の整流作用により騒音
の発生をより低減することができ、また、バーナ4aに
袖火11を形成するものにおいては、バーナ4aの火炎
12a自体、また、バーナ4bの火炎12bの安定化を
更に図ることができる。
バーナの他の実施例を示している。この実施例のバーナ
は、多数の炎孔をセラミック板13により形成してい
る。即ち、このセラミック板13は、多数の炎孔を直線
状に列設して第1、第2の炎孔群A、Bを構成してお
り、これらの炎孔群A、Bを交互に列設している。第2
の炎孔群Bの炎孔14bは第1の炎孔群Aの炎孔14a
よりも径を小さくし、しかも数を多くした構成としてい
る。即ち、図示例では第2の炎孔群Bは、二列に配列さ
せた小径の多数の炎孔14bから構成している。そし
て、これらの第1、第2の炎孔群A、Bの炎孔14a、
14bには、図示を省略している混合気の配給機構によ
り混合比の異なった燃料ガスと空気の混合気を供給する
構成としている。
aに燃料濃厚な混合気を供給するとともに炎孔群Bの炎
孔14bに燃料希薄な混合気を供給して濃淡燃焼を行わ
せると、第2の炎孔群Bの炎孔14bによる燃焼は、上
述した過剰空気の燃焼であるとともに、小径の多数の炎
孔14bにより細分化された燃焼であるため、火炎15
bの温度がより低温に維持されてNOX の発生が更に低
減される。またこの火炎15bは、上述の実施例と同様
に、炎孔群Aの炎孔14aによる燃料濃厚な混合気の火
炎15aにより安定化されて、リフトや振動燃焼が発生
しにくい。
ラミック板13等により形成するものでは、図示はして
いないが、炎孔群A、Bの炎孔14a、14bは縦横に
隣接するように配設した構成とすることもできる。
部1a、1b、又は炎孔群A、Bの炎孔には、燃料濃厚
な混合気か、燃料希薄な混合気かを予め設定して供給す
るように構成しているが、必要に応じていずれをも供給
して燃焼を行えるように構成することもできる。
法の実施結果を示している。この実施結果は、図1に示
すようなバーナにおいて、燃料濃厚な混合気の混合比
を、λ=0.4〜0.7と設定するとともに、全体の空
気比が図中横軸に示す値となるように燃料希薄な混合気
の空気比を調節して燃焼させた場合のNOX の発生量を
表したものである。また、燃料希薄な混合気による燃焼
量と燃料濃厚な混合気による燃焼量の比は、7.5:
2.5としている。尚、表示の空気比は、バーナの外側
に冷却用空気を流した場合において、この冷却用空気を
含んだ値であり、括弧内の空気比がこの冷却用空気を含
まない値である。
用することにより、従来の一般的なブンゼンバーナと比
較してNOX の発生量が大幅に低減されていることがわ
かる。
いて、燃料希薄な混合気を供給するバーナ部または炎孔
群の火炎のリフト限界の一例を他のものと比較して示し
たものである。
バーナにおいて、一方側のバーナ部または炎孔群の炎孔
にのみ燃料希薄な混合気を供給し、他方側のバーナ部ま
たは炎孔群の燃料濃厚な混合気の火炎による保炎を行わ
ない場合、即ち本発明方法を適用しない場合におけるリ
フト限界を示すもので、この限界はλ=0.7程度であ
る。これに対してBは保炎機構を有する従来の一般的な
ブンゼンバーナにおけるリフト限界を示すもので、この
限界はλ=1.3程度である。そしてCは本発明を適用
した場合の上記一方側のバーナ部または炎孔群における
リフト限界を示すもので、λ=3.0程度である。
なブンゼンバーナと比較して、より高過剰空気の燃焼を
安定的に行うことができ、高過剰空気の燃焼によるNO
X の低減を図ることができる。
第1のバーナ、1b、4bのバーナを第2のバーナとし
て説明したが、1a、4aのバーナを第2のバーナ、1
b、4bのバーナを第1のバーナとしても同様の効果が
期待できる。
燃料濃厚な第1の燃料ガスと燃料希薄な第2の燃料ガス
とを同時に燃焼させるので、NOX の発生を大幅に低減
することができ、単独では火炎の安定性が悪い燃料希薄
な混合気による過剰空気の燃焼を、燃料濃厚な混合気の
燃焼による安定な火炎で保炎することができるととも
に、過剰空気の燃焼を安定させることができ、しかも、
騒音の発生を抑制することができる。
ーナを示す斜視図である。
である。
る。
である。
構成を表した斜視図である。
量を従来のブンゼンバーナと比較して示した図である。
混合気を供給するバーナ部または炎孔群の火炎のリフト
限界の比較例を示した図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 燃料濃厚な燃料ガス及び燃料希薄な燃料
ガスの燃焼を併用する燃料ガスの燃焼方法であって、 第1のバーナ部を一定の間隔で配列するとともに、これ
ら第1のバーナ部の間隔内に第2のバーナ部を配列する
ことにより、前記第1及び第2のバーナ部を交互に配設
するとともに、外側部に前記第1のバーナ部を配置して
バーナを形成し、 前記第1のバーナ部は円形状又は方形状の多数の炎孔を
規則的に形成して第1の炎孔群とし、 前記第2のバーナ部は前記第1の炎孔群の炎孔より大き
い円形状又は方形状の炎孔を規則的に形成して第2の炎
孔群とし、この第2の炎孔群はその全炎孔面積を前記第
1の炎孔群より大きく設定し、 前記第1の炎孔群には前記第2の炎孔群と分離して燃料
濃厚な第1の燃料ガスが供給され、 前記第2の炎孔群には前記第1の燃料ガスより燃料量を
多くかつ空気の比率が高い燃料希薄な第2の燃料ガスが
前記第1の炎孔群と分離して供給され、 前記第1のバーナ部及び前記第2のバーナ部には外側か
ら冷却用空気を供給し、前記第1のバーナ部及び前記第
2のバーナ部に供給される全燃料ガス量より全空気量を
多くし、 燃料濃厚な前記第1の燃料ガスの燃焼による保炎によっ
て燃料希薄な前記第2の燃料ガスの燃焼を安定化させた
ことを特徴とする燃料ガスの燃焼方法。 - 【請求項2】 前記第1の炎孔群及び前記第2の炎孔群
を単一のセラミック板に形成したことを特徴とする請求
項1記載の燃料ガスの燃焼方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03190918A JP3104759B2 (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | 燃料ガスの燃焼方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP03190918A JP3104759B2 (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | 燃料ガスの燃焼方法 |
Related Child Applications (2)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP12738897A Division JP3362635B2 (ja) | 1997-05-16 | 1997-05-16 | バーナ装置 |
JP13539798A Division JP3369107B2 (ja) | 1998-05-18 | 1998-05-18 | 燃焼装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH05322113A JPH05322113A (ja) | 1993-12-07 |
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Family
ID=16265871
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP03190918A Expired - Lifetime JP3104759B2 (ja) | 1991-07-05 | 1991-07-05 | 燃料ガスの燃焼方法 |
Country Status (1)
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---|---|
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Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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DE3875676T2 (de) * | 1987-08-31 | 1993-03-18 | Nippon Steel Corp | Verfahren zur herstellung von kornorientierten stahlblechen mit metallglanz und ausgezeichneter stanzbarkeit. |
JP2852597B2 (ja) * | 1993-12-27 | 1999-02-03 | リンナイ株式会社 | 点火装置 |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH02115627U (ja) * | 1989-02-23 | 1990-09-17 |
-
1991
- 1991-07-05 JP JP03190918A patent/JP3104759B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05322113A (ja) | 1993-12-07 |
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