JP3104321B2 - 非水電解質リチウム二次電池およびその製造法 - Google Patents

非水電解質リチウム二次電池およびその製造法

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JP3104321B2 JP03222623A JP22262391A JP3104321B2 JP 3104321 B2 JP3104321 B2 JP 3104321B2 JP 03222623 A JP03222623 A JP 03222623A JP 22262391 A JP22262391 A JP 22262391A JP 3104321 B2 JP3104321 B2 JP 3104321B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はリチウムまたはリチウム
化合物を負極とする、高電圧で高エネルギー密度を有す
る非水電解質リチウム二次電池に関する。
【0002】
【従来の技術】リチウムまたはリチウム化合物を負極と
する非水電解質二次電池は、高電圧で高エネルギー密度
が期待され、近年、研究開発が活発に行われている。
【0003】これまで非水電解質二次電池の正極活物質
には、LiCoO2、LiMn24、V25、Cr
25、MnO2、TiS2、MoS2などの遷移金属の酸
化物およびカルコゲン化合物が知られている。これらの
正極活物質は層状構造もしくはトンネル構造を形成し、
リチウムイオンが自由に出入りできる結晶構造を持って
いる。とくに、LiCoO2やLiMn24は4V級の
電圧を示す非水電解質リチウム二次電池用正極活物質と
して注目されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような従
来の正極活物質はCo、Mn、V、Cr、Moなどの重
金属や硫黄を含有しており、これらの活物質を用いた非
水電解質二次電池が廃棄された場合、重金属による汚染
や硫黄酸化物の発生などの環境汚染を引き起こす可能性
がある。また、コスト的にみてもこれらの重金属は鉄に
比べ高価なものであり、電池が高価になってしまう。さ
らには、原料の供給面で不安のあるものもあり、世界情
勢の変化による供給不足、価格の高騰などの可能性も考
えられる。
【0005】本発明はこのような課題を解決するもの
で、低価格で安定に供給され環境汚染の心配がなく、な
おかつ高電圧、高エネルギー密度を有する非水電解質リ
チウム二次電池およびその製造法を提供することを目的
とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような課題
を解決するもので、正極、非水電解質および負極を主体
とする構成であって、正極活物質としてβ相リチウムフ
ェライトを主体とするものである。
【0007】また、酸化水酸化鉄、水酸化鉄、蓚酸鉄、
蓚酸鉄アンモニウムより選ばれる少なくとも1種の化合
物と、リチウム塩とを主体とする混合物を焼成して正極
活物質を調製するようにしたものである。
【0008】また、焼成温度が350℃〜500℃であ
り、酸化水酸化鉄、水酸化鉄、蓚酸鉄、蓚酸鉄アンモニ
ウムより選ばれる少なくとも1種の化合物と、リチウム
塩との混合比が、リチウムと鉄のモル比で0.8:1.
0〜1.2:1.0であるようにしたものである。
【0009】
【作用】この構成によれば、酸化水酸化鉄、水酸化鉄、
蓚酸鉄、蓚酸鉄アンモニウムより選ばれる少なくとも1
種の化合物と、リチウム塩との混合物を焼成して得られ
る化合物はリチウムと鉄の複合酸化物である。鉄は非常
に豊富に存在する元素であるので、供給面での心配はな
く、コスト的にも非常に低価格である。また、環境汚染
などの問題もなく、コストおよび環境保護の面で最適の
非水電解質二次電池用正極活物質である。仕込組成がリ
チウムと鉄のモル比で0.8:1.0〜1.2:1.0
である場合、おもにリチウムフェライト(LiFe
2)が生成する。LiFeO2は結晶構造的にα、β、
γの3つの相の存在が確認されているが、焼成温度が3
50℃〜500℃である場合の生成物は、主にβ相が生
成される。
【0010】LiFeO2の各相について電極特性を調
べたところ、可逆的にリチウムの吸蔵、放出を行うこと
がわかった。その中でもβ相が最も高容量であり、また
充放電サイクル特性も良好であった。これはβ相が最も
リチウムの出入りしやすい結晶構造であるためと考えら
れる。β相LiFeO2はα相もしくはγ相のLiFe
2を合成した後、400℃付近で熱処理することによ
り得られるが、非常に長い熱処理時間を要する。しか
し、酸化水酸化鉄、水酸化鉄、蓚酸第一鉄、蓚酸鉄(II
I)アンモニウムより選ばれる少なくとも1種の化合物
と、リチウム塩との混合物を焼成することにより短時間
で容易にβ相LiFeO2を得ることができる。 この
ように、β相LiFeO2を正極活物質として用いるこ
とにより、低価格で安定に供給され、環境汚染の心配が
なく、なおかつ高電圧、高エネルギー密度を有する非水
電解質リチウム二次電池を得ることができることとな
る。
【0011】
【実施例】以下に本発明の一実施例の非水電解質リチウ
ム二次電池およびその製造法を説明する。
【0012】(実施例1)本実施例では、出発原料とし
てLi2CO3(炭酸リチウム)とFeO(OH)(酸化
水酸化鉄)を用いた場合の焼成物を正極活物質に用い、
負極活物質にリチウムを用いた構成の電池について説明
する。
【0013】まず、Li2CO3とFeO(OH)をリチ
ウムと鉄がモル比で1:1となるように混合し加圧成型
したものを、大気中400℃で40時間焼成した。この
焼成物を活物質aとする。比較例としてLi2CO3とF
23(酸化鉄(III))をリチウムと鉄がモル比で
1:1となるように混合し加圧成型したものを、大気中
680℃で2時間仮焼した後、粉砕、加圧成型し大気中
1000℃で5時間焼成して得られた焼成物を活物質
b、Li2CO3とFe23をリチウムと鉄がモル比で
1:1となるように混合し加圧成型したものを、大気中
600℃で6日間焼成することにより得られた焼成物を
活物質cとして用いた。X線回折の結果、活物質aは主
にβ相リチウムフェライト(LiFeO2)からなり、
活物質bはα相LiFeO2、活物質cはγ相LiFe
2であることを確認した。
【0014】つぎに、上記のようにして得られた活物質
を用いて正極を作製した。まず、活物質と、導電剤であ
るアセチレンブラックと、結着剤としてのポリフッ化エ
チレン樹脂を重量比で7:2:1となるように混合し、
充分に乾燥したものを正極合剤とした。この正極合剤
0.15gを2ton/cm2で直径17.5mmのペレット
状に加圧成型し正極とした。
【0015】上記のようにして作製した電極を用いて製
造した電池の構成を図1に示す。正極1をケース2内に
置き、正極1上にセパレータ3としての多孔性ポリプロ
ピレンフィルムを置いた。負極4としては、厚さ0.8
mm、直径17.5mmのリチウム板をポリプロピレン
製ガスケット5および負極集電体6を付けた封口板7に
圧着した。非水電解質として、1mol/lの過塩素酸リチ
ウムを溶解したプロピレンカーボネートを用いた。これ
をセパレータ3、正極1および負極4の上にそれぞれ加
えた後、電池を封口した。
【0016】以上、活物質a、b、cのそれぞれを正極
活物質として用いた電池を用いて充放電特性の比較を行
った。充放電の条件は、2mAの定電流で電圧範囲3.
0V〜4.6Vの電圧規制とした。(表1)にそれぞれ
の電池の初期放電容量と50サイクル目の放電容量を示
す。活物質aを用いた電池を電池A、活物質bを用いた
電池を電池B、活物質cを用いた電池を電池Cとし、サ
ンプル数nはそれぞれ50個とした。
【0017】
【表1】
【0018】(表1)に示すように初期放電容量は電池
Aでは14.91mAh、電池Bでは5.98mAh、
電池Cでは9.03mAhであり、電池Aが最も初期放
電容量が大きいことがわかった。また、サイクル特性に
ついても50サイクル目の放電容量は電池Aが14.6
8mAh、電池Bが4.41mAh、電池Cが7.46
mAhで、電池Aの容量維持率が最も優れていた。以上
の結果から、活物質aが最も優れた特性を有しており、
正極活物質としては、Li2CO3とFe23を出発原料
とし、おもにβ相LiFeO2を含む焼成物を用いるこ
とが望ましい。
【0019】なお、本実施例では負極にリチウムを用い
た場合について説明したが、負極に炭素材料やリチウム
ーアルミニウム合金などのリチウムを可逆的に出し入れ
することのできるリチウム化合物を用いた場合でも、同
様の効果が得られる。
【0020】(実施例2)本実施例では、出発原料とし
てLi2CO3(炭酸リチウム)とFe(OH)3(水酸
化第二鉄)を用いた場合の焼成物を正極活物質に用い、
負極活物質にリチウムを用いた構成について説明する。
【0021】まず、Li2CO3とFe(OH)3をリチ
ウムと鉄がモル比で1:1となるように混合し加圧成型
したものを、大気中400℃で40時間焼成した。この
焼成物を活物質dとする。比較例としてLi2CO3とF
23を用い実施例1と同様の方法で焼成して得られた
活物質b、cを用いた。X線回折の結果、活物質aは主
にβ相LiFeO2から成ることを確認した。活物質b
はα相LiFeO2、活物質cはγ相LiFeO2であ
る。
【0022】つぎに、上記のようにして得られた活物質
を用いて実施例1と同様の方法で正極、および電池を作
製した。
【0023】さらに、活物質d、b、cをそれぞれ正極
活物質として用いた電池について充放電特性の比較を行
った。充放電の条件は、2mAの定電流で電圧範囲3.
0V〜4.6Vの電圧規制とした。(表2)にそれぞれ
の電池の初期容量と50サイクル目の放電容量を示す。
活物質dを用いた電池を電池D、活物質bを用いた電池
を電池B、活物質cを用いた電池を電池Cとし、サンプ
ル数nはそれぞれ50個とした。
【0024】
【表2】
【0025】(表2)に示すように、初期容量は電池D
では12.15mAh、電池Bでは5.98mAh、電
池Cでは9.03mAhであり、電池Dが最も初期容量
が大きいことがわかった。また、サイクル特性について
も50サイクル目の放電容量は電池Dが11.83mA
h、電池Bが4.41mAh、電池Cが7.46mAh
で、電池Dの放電容量維持率が最も優れている。以上の
結果から、活物質dが最も優れた特性を有しており、正
極活物質としては、Li2CO3とFe(OH) 3を出発
原料とし主にβ相LiFeO2を含む焼成物を用いるこ
とが望ましい。
【0026】なお、本実施例では負極にリチウムを用い
た場合について説明したが、負極に炭素材料やリチウム
ーアルミニウム合金などのリチウムを可逆的に出し入れ
することのできるリチウム化合物を用いた構成であって
も、同様の効果が得られる。
【0027】また、水酸化第二鉄の代わりに水酸化第一
鉄を用いても同様のことが得られる。
【0028】(実施例3)本実施例では、出発原料とし
てLi2CO3(炭酸リチウム)とFeC24・2H2
(蓚酸第一鉄二水和物)を用いた場合の焼成物を正極活
物質に用い、負極活物質にリチウムを用いた構成の電池
について説明する。
【0029】まず、Li2CO3とFeC24・H2Oを
リチウムと鉄がモル比で1:1となるように混合し加圧
成型したものを、大気中400℃で40時間焼成した。
この焼成物を活物質eとする。比較例としてLi2CO3
とFe23を用い実施例1と同様の方法で焼成して得ら
れた活物質b、cを用いた。X線回折の結果、活物質e
は主にβ相LiFeO2からなることを確認した。活物
質bはα相LiFeO2、活物質cはγ相LiFeO2
ある。
【0030】つぎに、以上のようにして得られた活物質
を用いて実施例1と同様の方法で正極、および電池を作
製した。
【0031】また、活物質e、b、cをそれぞれ正極活
物質として用いた電池を用いて充放電特性の比較を行っ
た。充放電の条件は、2mAの定電流で電圧範囲3.0
V〜4.6Vの電圧規制とした。(表3)にそれぞれの
電池の初期放電容量と50サイクル目の放電容量を示
す。活物質e用いた電池を電池E、活物質bを用いた電
池を電池B、活物質cを用いた電池を電池Cとし、サン
プル数nはそれぞれ50個とした。
【0032】
【表3】
【0033】(表3)に示すように初期容量は電池Eで
は13.26mAh、電池Bでは5.98mAh、電池
Cでは9.03mAhであり、電池Eが最も初期容量が
大きいことがわかった。また、充放電サイクル特性につ
いても50サイクル目の放電容量は電池Eが12.93
mAh、電池Bが4.41mAh、電池Cが7.46m
Ahで、電池Eの容量維持率が最も優れている。以上の
結果から、活物質eが最も優れた特性を有しており、正
極活物質としては、Li2CO3とFeC24・2H2
を出発原料とし、おもにβ相LiFeO2を含む焼成物
を用いることが望ましい。
【0034】なお、本実施例では負極にリチウムを用い
た構成の電池につて説明したが、負極に炭素材料やリチ
ウムーアルミニウム合金などのリチウムを可逆的に出し
入れすることのできるリチウム化合物を用いた構成であ
っても、同様の効果が得られる。
【0035】また、蓚酸第一鉄の代わりに蓚酸第二鉄を
用いても同様の効果が得られる。 (実施例4)本実施例では、出発原料としてLi2CO3
(炭酸リチウム)とFe(NH43(C243・3H2
O(蓚酸鉄(III)アンモニウム三水和物)を用いた場
合の焼成物を正極活物質に用い、負極活物質にリチウム
を用いた構成の電池について説明する。
【0036】まず、Li2CO3とFe(NH43(C2
43・3H2Oをリチウムと鉄がモル比で1:1とな
るように混合し加圧成型したものを、大気中400℃で
40時間焼成した。この焼成物を活物質fとする。比較
例としてLi2CO3とFe23を用い実施例1と同様の
方法で焼成して得られた活物質b、cを用いた。X線回
折の結果、活物質fは主にβ相LiFeO2からなるこ
とを確認した。活物質bはα相LiFeO2、活物質c
はγ相LiFeO2である。
【0037】つぎに、以上のようにして得られた活物質
を用いて実施例1と同様の方法で正極、及び電池を作製
した。
【0038】さらに、活物質f、b、cをそれぞれ正極
活物質として用いた電池を用いて充放電特性の比較を行
った。充放電の条件は、2mAの定電流で電圧範囲3.
0V〜4.6Vの電圧規制とした。(表4)にそれぞれ
の電池の初期放電容量と50サイクル目の放電容量を示
す。活物質fを用いた電池を電池F、活物質bを用いた
電池を電池B、活物質cを用いた電池を電池Cとし、サ
ンプル数nはそれぞれ50個とした。
【0039】
【表4】
【0040】(表4)に示すように初期放電容量は電池
Fでは13.84mAh、電池Bでは5.98mAh、
電池Cでは9.03mAhであり、電池Fが最も初期容
量が大きいことがわかった。また、サイクル特性につい
ても50サイクル目の放電容量は電池Fが13.01m
Ah、電池Bが4.41mAh、電池Cが7.46mA
hで、電池Fの容量維持率が最も優れている。以上の結
果から、活物質fが最も優れた特性を有しており、正極
活物質としては、Li2CO3とFe(NH43(C
243・3H2Oを出発原料とし主にβ相LiFeO2
を含む焼成物を用いることが望ましい。
【0041】なお、本実施例では負極にリチウムを用い
た構成について説明したが、負極に炭素材料やリチウム
ーアルミニウム合金などのリチウムを可逆的に出し入れ
することのできるリチウム化合物を用いた構成であって
も、同様の効果が得られる。
【0042】(実施例5)本実施例ではα相LiFeO
2を400℃で長時間焼成することによって得られたβ
相LiFeO2を正極活物質に用い、リチウムを負極活
物質に用いた構成について説明する。
【0043】α相LiFeO2にはLi2CO3とFe2
3を用いて実施例1と同様の方法で焼成して得られた活
物質bを用い、これを大気中400℃で150時間焼成
することによりβ相LiFeO2を得た。これを活物質
gとする。なお、焼成時間を40時間とした場合には焼
成時間が短くβ相LiFeO2は得られなかった。
【0044】つぎに、以上のようにして得られた活物質
を用いて実施例1と同様の方法で正極、および電池を作
製した。また、実施例1と同様の方法で焼成して得られ
た活物質b,cについても、同様に正極、および電池を
作製した。活物質bはα相LiFeO2、活物質cはγ
相LiFeO2である。
【0045】上記の活物質g、b、cをそれぞれ正極活
物質として用いた電池について充放電特性の比較を行っ
た。充放電の条件は、2mAの定電流で電圧範囲3.0
V〜4.6Vの電圧規制とした。(表4)にそれぞれの
電池の初期容量と50サイクル目の放電容量を示す。活
物質gを用いた電池を電池G、活物質bを用いた電池を
電池B、活物質cを用いた電池を電池Cとし、サンプル
数nはそれぞれ50個とした。
【0046】
【表5】
【0047】(表5)に示すように初期容量は電池Fで
は10.53mAh、電池Bでは5.98mAh、電池
Cでは9.03mAhであり、電池Gが最も初期容量が
大きいことがわかった。また、サイクル特性についても
50サイクル目の放電容量は電池Gが9.85mAh、
電池Bが4.41mAh、電池Cが7.46mAhで、
電池Gの容量維持率が最も優れている。以上の結果か
ら、活物質gが最も優れた特性を有しており、α相Li
FeO2を400℃で長時間焼成することによって得ら
れたβ相LiFeO2を用いても、α相およびγ相Li
FeO2を用いた場合よりも優れた特性を有することが
わかる。しかし、酸化水酸化鉄、水酸化鉄、蓚酸第一
鉄、蓚酸鉄(III)アンモニウム、より選ばれる少なく
とも1種の化合物と、リチウム塩との混合物を焼成して
得られる、おもにβ相LiFeO2を含む焼成物を正極
活物質として用いた場合よりもやや特性が劣る。このこ
とから、正極活物質としては、酸化水酸化鉄、水酸化
鉄、蓚酸第一鉄、蓚酸鉄(III)アンモニウム、より選
ばれる少なくとも1種の化合物と、リチウム塩との混合
物を焼成して得られる焼成物を用いることが望ましい。
【0048】なお、本実施例では負極にリチウムを用い
た構成につて説明したが、負極に炭素材料やリチウムー
アルミニウム合金などのリチウムを可逆的に出し入れす
ることのできるリチウム化合物を用いた構成でも、同様
の効果が得られる。
【0049】以上、実施例1から実施例5に出発原料と
して酸化水酸化鉄、水酸化鉄、蓚酸第一鉄、蓚酸鉄(II
I)アンモニウムを用いた場合、およびα相LiFeO2
を400℃で長時間焼成することによって得られた、お
もにβ相LiFeO2を含む焼成物を正極活物質として
用いた電池について説明した。これらの結果より、特性
としては、酸化水酸化鉄を用いた場合が最も優れてお
り、以下、蓚酸鉄(III)アンモニウム、蓚酸第一鉄、
水酸化鉄を用いた場合の順であり、いずれもα相LiF
eO2を400℃で150時間焼成することによって得
られたものよりも優れた特性を示すことがわかる。
【0050】(実施例6)本実施例では、焼成温度、お
よびリチウムと鉄の混合比を種々に変化させた場合の生
成物の電極特性について説明する。電極特性は実施例1
と同様の方法で作製したリチウム二次電池の初期放電容
量の変化について調べた。
【0051】リチウム源としてLi2CO3を、鉄源とし
てFeO(OH)を用いた。まず、混合比をリチウムと
鉄のモル比で1.0:1.0とし、200℃から600
℃の範囲内の温度で焼成した場合の生成物を正極活物質
とした場合の初期容量を調べた。リチウム電池は実施例
1と同様の方法で作製した。焼成温度と初期容量の関係
を図2に示す。この結果よりリチウムと鉄の混合比がモ
ル比で0.8:1.0から1.2:1.0の範囲でよい
特性を示すことがわかる。X線回折の結果、この混合比
の範囲での生成物は主にβ相LiFeO2であった。つ
ぎに、焼成温度を400℃とし、混合比をリチウムと鉄
のモル比で0.5:1.0から1.5:1.0の範囲で
変化させた場合の、生成物を正極活物質とした構成の初
期容量の変化を調べた。リチウムと鉄の混合比と初期放
電容量の関係を図3に示す。これより焼成温度は350
℃から500℃の範囲の温度で良い特性を示すことがわ
かる。この場合においても、350℃から500℃の範
囲の焼成温度での生成物は主にβ相LiFeO2であっ
た。
【0052】以上の結果からもわかるように、リチウム
と鉄の混合比がモル比で0.8:1.0から1.2:
1.0の範囲であり、また焼成温度は350℃から50
0℃の範囲の温度である合成条件により合成したLiF
eO2を正極活物質として用いることが望ましい。
【0053】なお、本実施例では出発原料として、Li
2CO3とFeO(OH)を用いた場合について説明した
が、鉄源として水酸化鉄、蓚酸鉄、蓚酸鉄アンモニウム
のいずれを用いた場合でも同様の効果が得られる。
【0054】また、実施例1〜実施例6にリチウム塩と
して炭酸リチウムを用いた構成について説明したが、水
酸化リチウムなどのリチウム塩を用いた場合でも同様の
効果が得られる。
【0055】
【発明の効果】以上の実施例の説明からも明らかなよう
に、正極、非水電解質、負極からなるリチウム二次電池
において、正極活物質として、β相リチウムフェライト
(LiFeO2)を主体とすることにより、低価格で安
定に供給され、環境汚染の心配がなく、なおかつ高電
圧、高エネルギー密度を有する非水電解質リチウム二次
電池を容易に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の非水電解質リチウム二次電
池の縦断面図
【図2】同活物質の焼成温度とそれお用いた電池の放電
容量の関係を示す図
【図3】同活物質の出発源料のリチウムと鉄の混合比と
電池の放電容量の関係を示す図
【符号の説明】
1 正極 2 ケース 3 セパレータ 4 負極 5 ガスケット 6 負極集電体 7 封口板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 美藤 靖彦 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 豊口 吉徳 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−203370(JP,A) 特開 平1−119520(JP,A) 特開 昭63−211564(JP,A) 特開 平4−264370(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 4/58 H01M 4/02 - 4/04 H01M 10/40 C01G 49/00 - 49/08 JICSTファイル(JOIS)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極と、非水電解質と、負極とを主体とす
    る構成であって、正極活物質としてβ相リチウムフェラ
    イトを主体とする非水電解質リチウム二次電池。
  2. 【請求項2】酸化水酸化鉄、水酸化鉄、蓚酸鉄、蓚酸鉄
    アンモニウム、より選ばれる少なくとも1種の化合物
    と、リチウム塩とを主体とする混合物を焼成して正極活
    物質を調製する非水電解質リチウム二次電池の製造法。
  3. 【請求項3】焼成温度が350℃〜500℃であり、酸
    化水酸化鉄、水酸化鉄、蓚酸鉄、蓚酸鉄アンモニウム、
    より選ばれる少なくとも1種の化合物と、リチウム塩と
    の混合比が、リチウムと鉄のモル比で0.8:1.0〜
    1.2:1.0である請求項2記載の非水電解質リチウ
    ム二次電池の製造法。
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