JP3102288B2 - 遠心鋳造用金型 - Google Patents
遠心鋳造用金型Info
- Publication number
- JP3102288B2 JP3102288B2 JP06321224A JP32122494A JP3102288B2 JP 3102288 B2 JP3102288 B2 JP 3102288B2 JP 06321224 A JP06321224 A JP 06321224A JP 32122494 A JP32122494 A JP 32122494A JP 3102288 B2 JP3102288 B2 JP 3102288B2
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- JP
- Japan
- Prior art keywords
- ring
- shaped
- mold
- inner diameter
- centrifugal casting
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- Molds, Cores, And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、長尺棒状体の先端に
大径部を有するチタンまたはチタン合金製鋳物、例えば
自動車のチタンまたはチタン合金製エンジンバルブを鋳
造するための遠心鋳造用金型に関するものである。
大径部を有するチタンまたはチタン合金製鋳物、例えば
自動車のチタンまたはチタン合金製エンジンバルブを鋳
造するための遠心鋳造用金型に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、チタンまたはチタン合金製エンジ
ンバルブ製造用金型として、図４の断面図に示されるよ
うに、内径口５を有し分割面８で上下に分割可能なリン
グ状金型１および内径口６を有し左右に分割可能なリン
グ状スペーサ２からなり、上記リング状金型１およびリ
ング状スペーサ２を交互に同心円状に積み重ねて固定し
てなる遠心鋳造用金型があることは知られている。
ンバルブ製造用金型として、図４の断面図に示されるよ
うに、内径口５を有し分割面８で上下に分割可能なリン
グ状金型１および内径口６を有し左右に分割可能なリン
グ状スペーサ２からなり、上記リング状金型１およびリ
ング状スペーサ２を交互に同心円状に積み重ねて固定し
てなる遠心鋳造用金型があることは知られている。
【０００３】上記リング状金型２には分割面８に沿って
キャビティ３が放射状に複数個設けられており、キャビ
ティ３はステム空間１３およびヘッド空間２３で構成さ
れている。このリング状金型２の内径口５およびリング
状スペーサ２の内径口６により湯道７が形成され、この
遠心鋳造用金型の湯道７を軸として回転させ、この回転
している遠心鋳造用金型の湯道７にチタンまたはチタン
合金溶湯を注入することによりエンジンバルブを鋳造し
ていた。遠心鋳造を完了した時点でリング状金型１およ
びリング状スペーサ２の固定を解放し、リング状スペー
サ２を引き抜いたのちリング状金型１を分解し、エンジ
ンバルブ鋳物を取り出す。この時、リング状スペーサ２
の左右両端に引っ掛け用の開口９を設けておき、開口９
に引っ張り金具（図示せず）を引っ掛けて左右両方に引
き抜くようにしておくとよい。
キャビティ３が放射状に複数個設けられており、キャビ
ティ３はステム空間１３およびヘッド空間２３で構成さ
れている。このリング状金型２の内径口５およびリング
状スペーサ２の内径口６により湯道７が形成され、この
遠心鋳造用金型の湯道７を軸として回転させ、この回転
している遠心鋳造用金型の湯道７にチタンまたはチタン
合金溶湯を注入することによりエンジンバルブを鋳造し
ていた。遠心鋳造を完了した時点でリング状金型１およ
びリング状スペーサ２の固定を解放し、リング状スペー
サ２を引き抜いたのちリング状金型１を分解し、エンジ
ンバルブ鋳物を取り出す。この時、リング状スペーサ２
の左右両端に引っ掛け用の開口９を設けておき、開口９
に引っ張り金具（図示せず）を引っ掛けて左右両方に引
き抜くようにしておくとよい。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】しかし、リング状金型
１に設けられているキャビティ３は、湯道７の近くに細
いステム空間１３が設けられており、湯道７から最も遠
方にヘッド空間２３が設けられているので、細いステム
空間１３を通してヘッド空間２３に十分に湯が迴らず、
ヘッド空間２３の鋳物部分に引け巣が生じてエンジンバ
ルブ鋳物の欠陥品が生じることが多かった。
１に設けられているキャビティ３は、湯道７の近くに細
いステム空間１３が設けられており、湯道７から最も遠
方にヘッド空間２３が設けられているので、細いステム
空間１３を通してヘッド空間２３に十分に湯が迴らず、
ヘッド空間２３の鋳物部分に引け巣が生じてエンジンバ
ルブ鋳物の欠陥品が生じることが多かった。
【０００５】さらに、ステムおよびヘッドからなるエン
ジンバルブ鋳物を湯道７の残留溶湯による鋳塊から分離
しやすくするために、図４に示されるように、リング状
金型１のステム空間３の湯道７に最も近い所に堰４を設
ける場合もあるが、このような堰４のあるキャビティ３
を設けたリング状金型３を用いた場合には、エンジンバ
ルブ鋳物の欠陥品発生率は一層増加した。
ジンバルブ鋳物を湯道７の残留溶湯による鋳塊から分離
しやすくするために、図４に示されるように、リング状
金型１のステム空間３の湯道７に最も近い所に堰４を設
ける場合もあるが、このような堰４のあるキャビティ３
を設けたリング状金型３を用いた場合には、エンジンバ
ルブ鋳物の欠陥品発生率は一層増加した。
【０００６】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
かかるエンジンバルブヘッドの鋳込み不良の発生を防止
するべく研究を行った結果、図１〜図３に示される如
く、リング状金型１の内径口５の内径をリング状スペー
サ２の内径口の内径よりも大きくし、湯道７にリング状
スペーサとリング状スペーサの間に湯溜り１１を形成す
るように組立ててなる遠心鋳造用金型を用いてエンジン
バルブを遠心鋳造すると、エンジンバルブのヘッドに鋳
造欠陥が発生せず、常に健全な鋳物が得られるという研
究結果が得られたのである。
かかるエンジンバルブヘッドの鋳込み不良の発生を防止
するべく研究を行った結果、図１〜図３に示される如
く、リング状金型１の内径口５の内径をリング状スペー
サ２の内径口の内径よりも大きくし、湯道７にリング状
スペーサとリング状スペーサの間に湯溜り１１を形成す
るように組立ててなる遠心鋳造用金型を用いてエンジン
バルブを遠心鋳造すると、エンジンバルブのヘッドに鋳
造欠陥が発生せず、常に健全な鋳物が得られるという研
究結果が得られたのである。
【０００７】この発明は、かかる研究結果に基づいてな
されたものであって、内径口５を有し、かつステム空間
１３およびヘッド空間２３からなるキャビティ３をもっ
た上下に分割可能なリング状金型１、並びに内径口６を
有し、かつ左右に分割可能なリング状スペーサ２からな
り、上記リング状金型１をリング状スペーサ２で挟むよ
うに交互に同心円状に積み重ねて固定してなる遠心鋳造
用金型において、上記リング状金型１の内径口５の内径
を、上記リング状スペーサ２の内径口６の内径よりも大
きくした遠心鋳造用金型に特徴を有するものである。
されたものであって、内径口５を有し、かつステム空間
１３およびヘッド空間２３からなるキャビティ３をもっ
た上下に分割可能なリング状金型１、並びに内径口６を
有し、かつ左右に分割可能なリング状スペーサ２からな
り、上記リング状金型１をリング状スペーサ２で挟むよ
うに交互に同心円状に積み重ねて固定してなる遠心鋳造
用金型において、上記リング状金型１の内径口５の内径
を、上記リング状スペーサ２の内径口６の内径よりも大
きくした遠心鋳造用金型に特徴を有するものである。
【０００８】また、この発明の遠心鋳造用金型には、図
２に示されるように、ステム空間１３の内径口５に面す
る端部に堰４が設けられていてもよい。
２に示されるように、ステム空間１３の内径口５に面す
る端部に堰４が設けられていてもよい。
【０００９】
【作用】この発明の遠心鋳造用金型は、回転円板１０の
上に、左右に分割可能なリング状スペーサ２を載置し、
その上に上下に分割可能なリング状金型１を載置し、さ
らにリング状スペーサ２およびリング状金型１を積み重
ね、最後にリング状スペーサ２を載置し、その上に必要
に応じて湯口金型１２を載置してボルト等の固定手段
（図示せず）により回転円板１０に固定して組立てる。
この時のリング状スペーサ２とリング状金型１の組合せ
個数は何ら制限されるものではない。この場合、リング
状金型１とリング状スペーサ２とは同心円状に積み重ね
られるので、湯道７のリング状金型１の部分は太くなっ
て湯溜り１１を形成し、この湯溜り１１を有する湯道７
に溶湯を注入し、遠心鋳造鋳型を回転させると、湯溜り
１１の溶湯は押湯の働きをし、キャビティ３のすみずみ
まで湯が送り込まれ、鋳物欠陥の発生が防止されるもの
と考えられる。
上に、左右に分割可能なリング状スペーサ２を載置し、
その上に上下に分割可能なリング状金型１を載置し、さ
らにリング状スペーサ２およびリング状金型１を積み重
ね、最後にリング状スペーサ２を載置し、その上に必要
に応じて湯口金型１２を載置してボルト等の固定手段
（図示せず）により回転円板１０に固定して組立てる。
この時のリング状スペーサ２とリング状金型１の組合せ
個数は何ら制限されるものではない。この場合、リング
状金型１とリング状スペーサ２とは同心円状に積み重ね
られるので、湯道７のリング状金型１の部分は太くなっ
て湯溜り１１を形成し、この湯溜り１１を有する湯道７
に溶湯を注入し、遠心鋳造鋳型を回転させると、湯溜り
１１の溶湯は押湯の働きをし、キャビティ３のすみずみ
まで湯が送り込まれ、鋳物欠陥の発生が防止されるもの
と考えられる。
【００１０】この発明の遠心鋳造用金型のスペーサ２の
内径口６にはテーパ６′が設けられている方が好ましい
が、図３に示されるようにテーパがなくてもよい。
内径口６にはテーパ６′が設けられている方が好ましい
が、図３に示されるようにテーパがなくてもよい。
【００１１】
実施例１ 中心部の内径口径が３００mmの寸法を有し、分割面８を
境にして上下に分割可能でありかつ半円状に分割可能で
ある構造を有し、さらに内部に内径：８mmの棒状ステム
空間１３および内径：３０mmのヘッド空間２３からなる
キャビテイ３を放射状に４０個形成した厚さ：４０mmの
ベリリウム銅製リング状金型１を２組用意した。
境にして上下に分割可能でありかつ半円状に分割可能で
ある構造を有し、さらに内部に内径：８mmの棒状ステム
空間１３および内径：３０mmのヘッド空間２３からなる
キャビテイ３を放射状に４０個形成した厚さ：４０mmの
ベリリウム銅製リング状金型１を２組用意した。
【００１２】このベリリウム銅製リング状金型１のキャ
ビティ３の棒状ステム空間１３の内径口５との境界に
は、図２に示されるごとく、直径：６mmの堰４が設けら
れている。
ビティ３の棒状ステム空間１３の内径口５との境界に
は、図２に示されるごとく、直径：６mmの堰４が設けら
れている。
【００１３】さらに、中心部の内径口径が２７５mmの寸
法を有し、厚さ：２５mmの純銅製リング状スペーサ２を
３個用意した。この純銅製リング状スペーサ２の内径口
６にはテーパ６′が設けられている。
法を有し、厚さ：２５mmの純銅製リング状スペーサ２を
３個用意した。この純銅製リング状スペーサ２の内径口
６にはテーパ６′が設けられている。
【００１４】これらリング状金型１およびリング状スペ
ーサ２を同心円状に図２に示される如く積み重ねて遠心
鋳造用金型を作製した。この遠心鋳造用金型は内径口径
の大きなベリリウム銅製リング状金型１と内径口径の小
さな純銅製リング状スペーサ２が積み重ねられているの
で、この発明の遠心鋳造用金型の湯道７には湯溜り１１
が形成されている。
ーサ２を同心円状に図２に示される如く積み重ねて遠心
鋳造用金型を作製した。この遠心鋳造用金型は内径口径
の大きなベリリウム銅製リング状金型１と内径口径の小
さな純銅製リング状スペーサ２が積み重ねられているの
で、この発明の遠心鋳造用金型の湯道７には湯溜り１１
が形成されている。
【００１５】この遠心鋳造用金型を回転円板１０に固定
し、回転数：５００r.p.m で回転させながら温度：１８
００℃のチタン合金溶湯（成分組成：Ｔｉ−６％Ａｌ−
４％Ｖ）を湯溜り１１を有する湯道７に注入し、同時に
８０個のチタン合金製エンジンバルブを作製したとこ
ろ、鋳込み不良による欠陥のあるチタン合金製エンジン
バルブは全く見られなかった。
し、回転数：５００r.p.m で回転させながら温度：１８
００℃のチタン合金溶湯（成分組成：Ｔｉ−６％Ａｌ−
４％Ｖ）を湯溜り１１を有する湯道７に注入し、同時に
８０個のチタン合金製エンジンバルブを作製したとこ
ろ、鋳込み不良による欠陥のあるチタン合金製エンジン
バルブは全く見られなかった。
【００１６】従来例１ ベリリウム銅製リング状金型の内径口径および純銅製リ
ング状スペーサの内径口径が共に３００mmの金型および
スペーサを積み重ね、湯溜りのない円柱状の湯道７を有
する以外は実施例１と同一の形状構造および寸法を有す
る遠心鋳造用金型を用意し、この従来の遠心鋳造用金型
を回転円板１０に固定し、以下実施例１と同一条件でチ
タン合金溶湯を鋳込み、チタン合金製エンジンバルブを
同時に８０個作製したところ、２３個のエンジンバルブ
に鋳込み不良による欠陥が見られた。
ング状スペーサの内径口径が共に３００mmの金型および
スペーサを積み重ね、湯溜りのない円柱状の湯道７を有
する以外は実施例１と同一の形状構造および寸法を有す
る遠心鋳造用金型を用意し、この従来の遠心鋳造用金型
を回転円板１０に固定し、以下実施例１と同一条件でチ
タン合金溶湯を鋳込み、チタン合金製エンジンバルブを
同時に８０個作製したところ、２３個のエンジンバルブ
に鋳込み不良による欠陥が見られた。
【００１７】
【発明の効果】上述のように、この発明の遠心鋳造用金
型には湯溜りを有する湯道を有するので、鋳込み不良に
よる鋳物欠陥は全く見られず、鋳物の歩留りが大幅に改
善され、チタン合金製エンジンバルブのコスト削減に大
いに貢献しうるものである。
型には湯溜りを有する湯道を有するので、鋳込み不良に
よる鋳物欠陥は全く見られず、鋳物の歩留りが大幅に改
善され、チタン合金製エンジンバルブのコスト削減に大
いに貢献しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の遠心鋳造用金型の断面図である。
【図２】この発明の遠心鋳造用金型の断面図である。
【図３】この発明の遠心鋳造用金型の断面図である。
【図４】従来の遠心鋳造用金型の断面図である。
１ リング状金型 ２ リング状スペーサ ３ キャビティ ４ 堰 ５ 内径口 ６ 内径口 ７ 湯道 ８ 分割面 ９ 開口 １０ 回転円板 １１ 湯溜り １２ 湯口金型 １３ ステム空間 ２３ ヘッド空間
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平３−281034（ＪＰ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B22D 13/10 B22C 9/06 B22D 13/00 B22D 13/06
Claims (2)
- 【請求項１】 内径口を有しかつステム空間およびヘッ
ド空間からなるキャビティをもった上下に分割可能なリ
ング状金型と、 内径口を有しかつ左右に分割可能なリング状スペーサと
からなり、上記リング状金型をリング状スペーサで挟む
ように交互に同心円状に積み重ねて固定してなる遠心鋳
造用金型において、 上記リング状金型の内径口の内径を上記リング状スペー
サの内径口の内径よりも大きくしたことを特徴とする遠
心鋳造用金型。 - 【請求項２】 上記ステム空間の内径口に面する端部に
堰が設けられていることを特徴とする請求項１記載の遠
心鋳造用金型。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06321224A JP3102288B2 (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 遠心鋳造用金型 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP06321224A JP3102288B2 (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 遠心鋳造用金型 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08155619A JPH08155619A (ja) | 1996-06-18 |
| JP3102288B2 true JP3102288B2 (ja) | 2000-10-23 |
Family
ID=18130199
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP06321224A Expired - Fee Related JP3102288B2 (ja) | 1994-11-30 | 1994-11-30 | 遠心鋳造用金型 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3102288B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CZ2011806A3 (cs) * | 2011-12-09 | 2013-01-23 | Zkl Hanusovice A.S. | Kokila pro tvarové odstredivé lití mosazných polotovaru klecí valivých lozisek s predlitými kapsami |
| JP2014042917A (ja) * | 2012-08-24 | 2014-03-13 | Showa Denko Kk | 鋳物製品の製造方法 |
| US9364890B2 (en) * | 2013-03-11 | 2016-06-14 | Ati Properties, Inc. | Enhanced techniques for centrifugal casting of molten materials |
-
1994
- 1994-11-30 JP JP06321224A patent/JP3102288B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH08155619A (ja) | 1996-06-18 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20000725 |
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