JP3102122B2 - 車両用自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の油圧制御装置

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JP3102122B2
JP3102122B2 JP04037015A JP3701592A JP3102122B2 JP 3102122 B2 JP3102122 B2 JP 3102122B2 JP 04037015 A JP04037015 A JP 04037015A JP 3701592 A JP3701592 A JP 3701592A JP 3102122 B2 JP3102122 B2 JP 3102122B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両用自動変速機の油
圧制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ロックアップクラッチ付流体伝動装置を
有する自動変速機を備え、その自動変速機が複数の油圧
式摩擦係合装置の作動の組み合わせにより複数の前進ギ
ヤ段および後進ギヤ段が成立させられる形式の車両にお
いて、ロックアップクラッチの係合状態を切り換えるた
めのロックアップクラッチ切換弁と、そのロックアップ
クラッチ切換弁に供給してそれを切り換えるための信号
圧を発生する共通の電磁弁とを備えた油圧制御装置が知
られている。たとえば、トヨタ自動車株式会社製のA5
40型自動変速機の油圧制御回路がそれである(「トヨ
タA540E,A540H オートマチックトランスア
クスル油圧回路図 1989年モデル」1988トヨタ自動車
(株) 発行No. ATH009U)。このような、形式の
油圧制御回路では、自動変速機が第2速ギヤ段以上の前
進走行時において係合させられる油圧式摩擦係合装置に
係合圧が電磁弁の元圧として用いられているので、電磁
弁の故障が発生した場合でも、自動変速機の第1速ギヤ
段ではロックアップクラッチが確実に解放されて、車両
の再発進が可能とされる特徴がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来の油圧制御装置においては、前進走行中にシフト
レバーが後進走行レンジへ操作されたときに後進ギヤ段
の成立を阻止するためのリバースコントロール弁に、電
子制御装置により制御される前記電磁弁からの信号圧を
供給し、それによりそのリバースコントロール弁を阻止
位置に制御することが考えられる。ロックアップクラッ
チの係合制御に用いられる電磁弁をリバースコントロー
ル弁の制御にも共用することを可能とするのである。
【0004】しかしながら、電磁弁の元圧は、自動変速
機が第2速ギヤ段以上の前進走行時において係合させら
れる油圧式摩擦係合装置の係合圧であるため、シフトレ
バーが後進走行レンジへ操作されたときでも発生してい
る他の油圧をリバースコントロール弁を阻止位置に制御
するために電磁弁の元圧として用いることが必要であ
り、2種類の元圧を切り換えるためのリレー弁がさらに
必要となって、油圧制御装置の構成が複雑且つ大きくな
る欠点があった。特に、スペースの制約が多いFF駆動
用自動変速機では、かかる不都合が顕著となる。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、構成を複雑とし
たり寸法を大きくしたりすることなく、共通の電磁弁で
ロックアップクラッチの係合制御とリバースコントロー
ル弁の制御とを行うことができる車両用自動変速機の油
圧制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、ロックアップクラッ
チ付流体伝動装置を有する自動変速機を備え、その自動
変速機が複数の油圧式摩擦係合装置の作動の組み合わせ
により複数の前進ギヤ段および後進ギヤ段が成立させら
れる形式の車両において、前記ロックアップクラッチの
係合状態を切り換えるためのロックアップクラッチ切換
弁と、そのロックアップクラッチ切換弁に供給してそれ
を切り換えるための信号圧を発生する共通の電磁弁とを
備えた油圧制御装置であって、(a) 前記電磁弁からの信
号圧により、前進走行中にシフトレバーが後進走行レン
ジへ操作されたときに後進ギヤ段の成立を阻止する位置
に制御されるリバースコントロール弁と、(b) 前記自動
変速機が少なくとも第2速ギヤ段以上の前進ギヤ段であ
るときに第1信号元圧を発生する第1信号元圧発生手段
と、(c) 前記自動変速機が少なくとも後進ギヤ段である
状態で第2信号元圧を発生する第2信号元圧発生手段
と、(d) 前記複数の油圧式摩擦係合装置のいずれかの作
動タイミングを制御するために設けられ、前記自動変速
機が第2速ギヤ段以上の前進ギヤ段に切り換えられたこ
とに関連して作動させられるタイミング制御弁と、(e)
前記タイミング制御弁に設けられ、そのタイミング制御
弁の切り換え作動に応答して、前記自動変速機が第2速
ギヤ段以上の前進ギヤ段であるときには前記電磁弁に供
給される元圧として前記第1信号元圧を選択し、その自
動変速機が第2速ギヤ段以上の前進ギヤ段でない場合に
はその元圧として第2信号元圧を選択するポート切換手
段とを、含むことにある。
【0007】
【作用】このようにすれば、タイミング制御弁に設けら
れたポート切換手段によって、そのタイミング制御弁の
切り換え作動に応答して、自動変速機が第2速ギヤ段以
上の前進ギヤ段であるときには前記電磁弁に供給される
元圧として前記第1信号元圧が選択され、その自動変速
機がその第2速ギヤ段以上の前進ギヤ段でない場合には
その元圧として第2信号元圧が選択される。このため、
車両の前進走行時に切換制御されるロックアップクラッ
チ切換弁は、自動変速機が少なくとも第2速ギヤ段以上
の前進ギヤ段であるときに発生する第1信号元圧を元圧
として電磁弁から出力される信号圧により制御される。
また、リバースコントロール弁は、自動変速機が少なく
とも後進ギヤ段である状態で発生させられる第2信号元
圧を元圧として電磁弁から出力される信号圧により制御
される。
【0008】
【発明の効果】したがって、電磁弁の故障が発生した場
合でも自動変速機の第1速ギヤ段においてロックアップ
クラッチが確実に解放されて、車両の再発進が可能とさ
れる。また、車両の前進走行中にシフトレバーが誤って
後進レンジへ操作されたとしても、リバースコントロー
ル弁により後進ギヤ段の成立が阻止される。このよう
に、共通の電磁弁を用いてロックアップクラッチ切換弁
およびリバースコントロール弁が制御されるだけでな
く、第1信号元圧および第2信号元圧を選択するポート
切換手段は既設のタイミング制御弁に設けられているこ
とから、その選択のためのリレー弁を新設する必要がな
いので、油圧制御回路が簡単に構成され、装置寸法が大
きくなることが好適に抑制される。このため、特に、ス
ペースの制約が多いFF駆動用自動変速機では、好都合
である。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて詳
細に説明する。図1は、本発明の一実施例が適用された
車両用動力伝達装置の骨子図である。図において、エン
ジン10の動力はロックアップクラッチ付トルクコンバ
ータ12、3組の遊星歯車ユニットなどから構成された
有段式自動変速機14、および図示しない差動歯車装置
などを経て駆動輪へ伝達されるようになっている。
【0010】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16と連結されているポンプ翼車18
と、上記自動変速機14の入力軸20に固定され、ポン
プ翼車18からのオイルを受けて回転させられるタービ
ン翼車22と、一方向クラッチ24を介して非回転部材
であるハウジング26に固定されたステータ翼車28
と、ダンパ30を介して上記入力軸20に連結されたロ
ックアップクラッチ32とを備えている。トルクコンバ
ータ12内の係合側油室35よりも解放側油室33内の
油圧が高められると、ロックアップクラッチ32が非係
合状態とされるので、トルクコンバータ12の入出力回
転速度比に応じた増幅率でトルクが伝達される。しか
し、解放側油室33よりも係合側油室35内の油圧が高
められると、ロックアップクラッチ32が係合状態とさ
れるので、トルクコンバータ12の入出力部材、すなわ
ちクランク軸16および入力軸20が直結状態とされ
る。
【0011】自動変速機14は、同軸上に配設された3
組のシングルピニオン型遊星歯車装置34,36,38
と、前記入力軸20と、遊星歯車装置38のリングギヤ
とともに回転する出力歯車39と前記差動歯車装置との
間で動力を伝達するカウンタ軸(出力軸)40とを備え
ている。それら遊星歯車装置34,36,38の構成要
素の一部は互いに一体的に連結されるだけでなく、3つ
のクラッチC0 ,C1 ,C2 によって互いに選択的に連
結されている。また、上記遊星歯車装置34,36,3
8の構成要素の一部は、4つのブレーキB0 ,B1 ,B
2 ,B3 によってハウジング26に選択的に連結される
とともに、さらに、構成要素の一部は3つの一方向クラ
ッチF0 ,F1 ,F2 によってその回転方向により相互
に若しくはハウジング26と係合させられるようになっ
ている。
【0012】上記クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキ
0 ,B1 ,B2 ,B3 は、例えば多板式のクラッチや
1本または巻付け方向が反対の2本のバンドを備えたバ
ンドブレーキ等にて構成され、それぞれ油圧アクチュエ
ータによって作動させられるようになっており、電子制
御装置42によりそれ等の油圧式摩擦係合装置の作動が
それぞれ制御されることにより、図2に示されているよ
うに変速比I(=入力軸20の回転速度/カウンタ軸4
0の回転速度)がそれぞれ異なる前進4段・後進1段の
変速段が得られる。上記図2において、「1st」,「2
nd」,「3rd」,「O/D(オーバドライブ)」は、それぞ
れ前進側の第1速ギヤ段,第2速ギヤ段,第3速ギヤ
段,第4速ギヤ段を表しており、上記変速比は第1変ギ
ヤ段から第4速ギヤ段に向かうに従って順次小さくな
る。なお、上記トルクコンバータ12および自動変速機
14は、軸線に対して対称的に構成されているため、第
1図においては入力軸20の回転軸線の下側およびカウ
ンタ軸40の回転軸線の上側を省略して示してある。な
お、上記電子制御装置42は、CPU、ROM、RA
M、図示しないインターフェースなどから成る所謂マイ
クロコンピュータであって、スロットル弁開度θth、エ
ンジン回転速度Ne (ポンプ翼車回転速度NP )、入力
軸回転速度Nin(タービン翼車回転速度NT )、出力軸
回転速度Nout 、シフトレバー58の操作位置Pshに基
づいて、上記の変速ギヤ段を自動的に切り換える変速制
御の他、変速ショックを緩和するアキュムレータ背圧制
御、ロックアップクラッチ32の係合状態を切り換える
ロックアップクラッチ係合制御、ロックアップクラッチ
32のスリップ制御などを実行する。
【0013】そして、上記ロックアップクラッチ32の
係合を制御するためおよび自動変速機14のギヤ段を制
御するための油圧制御回路44が設けられている。この
油圧制御回路44は、図3、図4、および図5に分割し
て示されているように、ソレノイドNo.1およびNo.2によ
りそれぞれオンオフ駆動される第1電磁弁48および第
2電磁弁50を備えており、それら第1電磁弁48およ
び第2電磁弁50の作動の組み合わせによって前記図2
に示すようにクラッチおよびブレーキが選択的に作動さ
せられて前記第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段のうちのい
ずれかが成立させられるようになっている。また、ソレ
ノイドNo.3により駆動される第3電磁弁52の作動によ
り、ロックアップクラッチ32が開放状態とされたり係
合状態とされたりするようになっている。また、リニア
ソレノイドSL.Uにより駆動されるリニアソレノイド弁5
4により、上記ロックアップクラッチ32の半係合領域
においてスリップ制御が実行されるようになっている。
そして、リニアソレノイドSL.Nにより駆動されるリニア
ソレノイド弁56により、クラッチC1 のアキュムレー
タAC1の背圧、クラッチC2 のアキュムレータAC2の背
圧、ブレーキB0 のアキュムレータABOの背圧、ブレー
キB2 のアキュムレータAB2の背圧がそれぞれ制御され
るようになっている。
【0014】図3、図4、および図5において、エンジ
ン10により回転駆動されるポンプ60により圧送され
た作動油は、リリーフ弁形式の第1調圧弁62により、
スロットル開度検知弁64から供給されるスロットル圧
th、カットバック弁66から供給されるカットバック
圧Pcb、およびシフトレバー58に連動するマニュアル
弁68から供給されるRレンジ圧PR に基づいて調圧さ
れ、第1ライン圧Pl1が発生させられる。この第1ライ
ン圧Pl1は、油圧式摩擦係合装置の係合圧として用いら
れ、マニュアル弁68、第2電磁弁50により制御され
る1−2シフト弁70および3−4シフト弁74、第1
電磁弁48により制御される2−3シフト弁72、シフ
トレバー58がSレンジ以下のレンジへ操作されたこと
に関連して切り換えられるSシフト弁76、Sレンジ以
下の第2速ギヤ段を成立させる際にブレーキB2 の成立
後にブレーキB1 を成立させるためにブレーキB2 内の
係合油圧が高められると切り換えられるB1オリフィス
制御弁78、ブレーキB3 を滑らかに係合させるために
供給圧を調圧するローコーストモジュレータ弁80、ブ
レーキB1 を滑らかに係合させるために供給圧を調圧す
るセカンドコーストモジュレータ弁82などを通して、
各クラッチC0 ,C1 ,C2 、ブレーキB0 ,B1 ,B
2 ,B3 へ供給される。リバースコントロール弁84
は、シフトレバー58が前進走行中にRレンジへ誤操作
された場合に後進ギヤ段の成立を阻止するために、クラ
ッチC2 およびブレーキB3 を解放させる側へ優先的に
それぞれ切り換えるためのものである。
【0015】マニュアル弁68は、シフトレバー58と
連動して切り換えられるものであり、シフトレバー58
がRレンジ、Dレンジ、Sレンジ、Lレンジへ操作され
るのに応じて、Rレンジ圧PR 、Dレンジ圧PD 、Sレ
ンジ圧PS 、Lレンジ圧PL が発生させられる。このう
ち、Dレンジ圧PD はDレンジ以下の前進走行レンジに
おいて発生させられ、Sレンジ圧PS はSレンジ以下の
走行レンジにおいて発生させられ、Lレンジ圧PL はL
レンジにおける走行時にのみ発生させられる。
【0016】上記第1調圧弁62から流出した作動油
は、第2調圧弁86によりスロットル圧Pthに応じて調
圧され、第2ライン圧Pl2が発生させられる。この第2
ライン圧Pl2は、ロックアップクラッチ32を作動させ
るためにロックアップクラッチ切換弁88へ供給され
る。このロックアップクラッチ切換弁88は、第3電磁
弁52からの信号圧に従って、上記第2ライン圧Pl2
トルクコンバータ12内の解放側油室33に作用させ且
つ係合側油室35内の作動油をオイルクーラ90を介し
てドレンさせるクラッチ解放側位置(図のOFF側位
置)と、第2ライン圧Pl2を係合側油室35作用させ且
つ解放側油室33内の作動油をスリップ制御弁92を通
してドレンさせるクラッチ係合側位置(図のON側位
置)とに切り換えられる。
【0017】上記スリップ制御弁92は、変速ショック
を緩和するために自動変速機14の変速期間内となる
と、或いは燃費をよくするために係合領域と解放領域と
の間に設けられたスリップ領域内に車両状態が入ると、
リニアソレノイド弁54からの信号圧に応じて解放側油
室33と係合側油室35との差圧を制御することによ
り、ロックアップクラッチ32のスリップ量を所定量に
制御する。
【0018】ソレノイドモジュレータ弁94は、第1ラ
イン圧Pl1を一定のモジュレータ圧Pm に調圧し、リニ
アソレノイド弁54および56へ供給される。また、モ
ジュレータPm はB1オリフィス制御弁78を介して第
3電磁弁52にも供給される。アキュムレータ制御弁9
6は、第1ライン圧Pl1を元圧としてそれを上記リニア
ソレノイド弁56からの信号圧に応じて調圧し、背圧P
b を発生させる。この背圧Pb は、アキュムレータAC1
の背圧室、アキュムレータAC2の背圧室、アキュムレー
タABOの背圧室、アキュムレータAB2の背圧室へそれぞ
れ供給されるようになっている。
【0019】上記B1オリフィス制御弁78は、図6に
詳しく示すように、Sレンジ以下の第2速ギヤ段を成立
させる際に、Sレンジ圧PS により切り換えられるSシ
フト弁76からセカンドコーストモジュレータ弁82お
よび2−3シフト弁72を介してブレーキB1 へ供給さ
れる作動油圧PB1S を、ブレーキB2 の成立後に通過さ
せるためのものであり、ブレーキB2 の係合後にブレー
キB1 を係合させるタイミング制御弁として機能してい
る。第2速ギヤ段以上の前進走行ギヤ段において係合さ
せられるブレーキB2 を作動させるためのB2圧P
B2は、1−2シフト弁70から出力され、絞り100を
介してブレーキB2 およびそのアキュムレータAB2に供
給される。この供給過程において、絞り100の上流側
および下流側の差圧が小さくなるとB1オリフィス制御
弁78が切り換えられるのである。
【0020】すなわち、図6に詳しく示すように、B1
オリフィス制御弁78は、上記B2圧PB2を導く油路に
おいて絞り100の上流側に接続された上流側ポート1
02と、その絞り100の下流側に接続された油室10
4と、ブレーキB1 へ供給されるべきSシフト弁76か
らの作動油圧PB1S が入力される入力ポート106と、
その作動油圧PB1S をブレーキB1 へ向かって出力する
出力ポート108と、それら入力ポート106と出力ポ
ート108との間を開閉するスプール弁子110と、油
室104内に収容されてスプール弁子110を開弁方向
へ付勢するスプリング112とを備えている。このよう
にスプール弁子110の両端面には絞り100の上流側
および下流側の油圧が作用させられるので、その絞り1
00の上流側および下流側の油圧差に基づく閉弁方向の
推力がスプリング112の開弁方向の推力より大きい場
合にはスプール弁子110がその閉位置に位置させられ
るが、反対に小さくなるとスプール弁子110がその開
位置に位置させられるようになる。したがって、1−2
シフト弁70からB2圧PB2が出力された直後では、入
力ポート106と出力ポート108との間が閉じられて
いるので、専らブレーキB2 に作動油が供給されてブレ
ーキB2 が先に係合させられるが、ブレーキB2 内の圧
が高まって絞り100の上流側および下流側に油圧差が
小さくなると、入力ポート106と出力ポート108と
の間が開かれてブレーキB1 が係合させられるのであ
る。
【0021】上記B1オリフィス制御弁78には、スプ
ール弁子110に当接可能に設けられたプランジャ11
4と、このプランジャ114の端面に作用させるための
Rレンジ圧PR が供給されるRレンジ圧ポート116
と、プランジャ114の位置にしたがってRレンジ圧P
R およびB2圧PB2のいずれかを選択して第3電磁弁5
2の元圧としてそれへ出力する選択出力ポート118と
を更に備えている。それらプランジャ114、Rレンジ
圧ポート116、選択出力ポート118、および前記上
流側ポート102は、B1オリフィス制御弁78の作動
に関連して第3電磁弁52の元圧をB2圧PB2およびR
レンジ圧PR の何れかに切り換えるためのポート切換手
段120を構成している。このため、スプール弁子11
0が開位置にあるときは、上記プランジャ114は図6
の左側に示す上側位置に位置させられるので、第3電磁
弁52の元圧としてB2圧PB2が選択される。しかし、
スプール弁子110が閉位置にあるときは、上記プラン
ジャ114は図6の右側に示す下側位置に位置させられ
るので、第3電磁弁52の元圧としてRレンジ圧PR
選択される。
【0022】したがって、車両の前進走行時において自
動変速機14が第2速ギヤ段以上のギヤ段である場合に
は、B1オリフィス制御弁78のスプール弁子110が
開位置に位置させられると同時にプランジャ114が上
側位置に位置させられるので、B2圧PB2が第3電磁弁
52の元圧として選択される。これにより、第3電磁弁
52の故障が発生した場合では、自動変速機14の第1
速ギヤ段や後進ギヤ段においてロックアップクラッチ3
2が確実に解放されて、車両の再発進が可能とされる。
【0023】しかし、シフトレバー58がRレンジ、す
なわち後進走行レンジへ操作された場合には、Rレンジ
圧PR がRレンジ圧ポート116へ供給される一方、B
2圧PB2が1−2シフト弁70から出力されなくなり、
上流側ポート102は大気圧とされる。このため、プラ
ンジャ114はRレンジ圧PR に基づく推力によりスプ
リング112の付勢力に抗して下側へ移動させられるの
で、Rレンジ圧ポート116と選択出力ポート118と
が連通し、Rレンジ圧PR が第3電磁弁52の元圧とし
て選択される。これにより、車両の前進走行中におい
て、シフトレバー58がRレンジへ操作されたことが電
子制御装置42により判断されると、その電子制御装置
42により第3電磁弁52がオン状態とされて、リバー
スコントロール弁84の油室122へ第3電磁弁52の
出力圧Psol3が供給される。図7は、シフトレバー58
の操作位置とB1オリフィス制御弁78の選択出力ポー
ト118の圧との関係を示している。なお、図におい
て、D1 、D2 、D3 、D4 は、Dレンジにおける第1
速ギヤ段、第2速ギヤ段、第3速ギヤ段、第4速ギヤ段
をそれぞれ示している。
【0024】リバースコントロール弁84は、図4に示
すように、Rレンジ圧PR が供給されるRレンジ圧ポー
ト124と、そのRレンジ圧PR を後進ギヤ段を成立さ
せるためのクラッチC2 およびブレーキB3 へ供給する
出力ポート126と、それらRレンジ圧ポート124と
出力ポート126との間を開閉するスプール弁子128
と、そのスプール弁子128よりも大径であってそれに
当接するプランジャ130と、それらスプール弁子12
8とプランジャ130の間に介挿されたスプリング13
2と、スプール弁子128とプランジャ130の間に設
けられてDレンジ圧PD が導かれる油室134と、プラ
ンジャ130の端面に作用させるC2圧PC2が導かれる
油室136とを備えている。このため、通常は、プラン
ジャ130の位置に拘わらずスプール弁子128は図4
の下側に示す位置に位置させられて、Rレンジ圧ポート
124と出力ポート126とが連通させられ、Rレンジ
圧の発生に伴って後進ギヤ段が成立し得る状態とされ
る。しかし、油室122へ第3電磁弁52の出力圧P
sol3が供給されると、スプール弁子128は図4の上側
に示す位置に位置させられて、出力ポート126はドレ
ンポート138に連通させられ、クラッチC2 およびブ
レーキB3 の係合および自動変速機14の後進ギヤ段の
成立が阻止されるのである。
【0025】上述のように、本実施例によれば、タイミ
ング制御弁として機能するB1オリフィス制御弁78に
設けられたポート切換手段120によって、そのB1オ
リフィス制御弁78の切り換え作動に応答して、自動変
速機14が第2速ギヤ段以上の前進ギヤ段であるときに
は第3電磁弁52に供給される元圧としてB2圧P
B2(第1信号元圧)が選択され、その自動変速機14が
後進ギヤ段である場合にはその元圧としてRレンジ圧P
R (第2信号元圧)が選択される。このため、車両の前
進走行時に切換制御されるロックアップクラッチ切換弁
88は、自動変速機14が第2速ギヤ段以上の前進ギヤ
段であるときに発生するB2圧PB2を元圧として第3電
磁弁52から出力される信号圧Psol3により制御され
る。また、リバースコントロール弁84は、自動変速機
14が後進ギヤ段である状態で発生させられるRレンジ
圧PR を元圧として第3電磁弁52から出力される信号
圧Psol3により制御される。本実施例では、B2圧PB2
を発生させる1−2シフト弁70が第1信号元圧発生手
段として機能し、Rレンジ圧PR を発生させるマニュア
ル弁68が第2信号元圧発生手段として機能している。
【0026】したがって、第3電磁弁52の故障が発生
した場合でも第1速ギヤ段ではロックアップクラッチ3
2が確実に解放されて、車両の再発進が可能とされる。
また、車両の前進走行中にシフトレバー58が誤ってR
レンジへ操作されたとしても、電子制御装置42により
第3電磁弁52からの信号圧Psol3がリバースコントロ
ール弁84に供給されることにより後進ギヤ段の成立が
阻止される。このように、共通の第3電磁弁52を用い
てロックアップクラッチ切換弁88およびリバースコン
トロール弁84が制御されるだけでなく、B2圧PB2
よびRレンジ圧PR を選択するポート切換手段120は
従来の油圧回路にあるB1オリフィス制御弁78に設け
られていることから、その選択のためのリレー弁を新設
する必要がないので、油圧制御回路が簡単に構成され、
装置寸法が大きくなることが好適に抑制されるのであ
る。
【0027】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の説明において前述の実施例と共通の部分には
同一の符号を付して説明を省略する。
【0028】図8、図9、図10において、リバースコ
ントロール弁84は、前述の実施例と同様に構成されて
いるが油室136は大気に解放されている。また、本実
施例のB1オリフィス制御弁78は、図11に示すよう
に構成されている。すなわち、本実施例のB1オリフィ
ス制御弁78は、前述の実施例と同様に、入力ポート1
06および出力ポート108の間を開閉するスプール弁
子110を備えており、このスプール弁子110は、上
流側ポート102と油室104との圧力差に基づいて発
生する推力とスプリング112の推力とにより作動させ
られるようになっている。
【0029】しかし、B1オリフィス制御弁78に設け
られたポート切換手段120は前述の実施例と異なって
いる。すなわち、ソレノイドモジュレータ弁94により
調圧された一定のモジュレータ圧Pm が供給されるモジ
ュレータ圧ポート140が新たに設けられており、プラ
ンジャ114は、その上側位置において上流側ポート1
02を選択出力ポート118に連通させることによりB
2圧PB2(第1信号元圧)を第3電磁弁52の元圧とし
て出力させ、その下側位置においてモジュレータ圧ポー
ト140を選択出力ポート118に連通させることによ
りモジュレータ圧Pm (第2信号元圧)を第3電磁弁5
2の元圧として出力させる。本実施例では、ソレノイド
モジュレータ弁94が第2信号元圧発生手段として機能
しているのである。
【0030】これにより、電子制御装置42により車両
の前進走行中にシフトレバー58が後進レンジへ操作さ
れたと判断された場合には、モジュレータ圧Pm を元圧
とする信号圧Psol3によりリバースコントロール弁84
が後進阻止側に切り換えられるので、前述の実施例と同
様の作用効果が得られる。しかも、本実施例によれば、
高い圧力に設定されているRレンジ圧PR に替えてそれ
よりも比較的低いモジュレータ圧Pm を第3電磁弁52
の元圧として用いるので、第3電磁弁52の耐圧構造を
変更しなくてもよい利点がある。
【0031】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0032】たとえば、前述の実施例においては、第3
電磁弁52の第1信号元圧としてB2圧PB2が用いられ
ているが、自動変速機14がその第2速ギヤ段以上の前
進ギヤ段であるときに切り換えられるポート切換手段1
20を通して第3電磁弁52へその元圧として供給され
るため、自動変速機14が少なくとも第2速ギヤ段以上
の前進ギヤ段であるときに発生させられる圧、たとえば
ライン圧Pl1が用いられてもよいのである。
【0033】また、前述の実施例においては、第3電磁
弁52の第2信号元圧としてRレンジ圧PR やモジュレ
ータ圧Pm が用いられているが、自動変速機14が少な
くともその後進ギヤ段が選択されたときに発生させれれ
る圧、たとえば、ライン圧Pl1が用いられてもよいので
ある。
【0034】なお、上述したのはあくまでも本発明の一
実施例であり、本発明はその主旨を逸脱しない範囲にお
いて種々変更が加えられ得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例が適用された車両用自動変速
機の構成例を示す図である。
【図2】図1の自動変速機の変速作動を説明する図表で
ある。
【図3】図1の自動変速機を制御する油圧制御回路を図
4および図5とともに示す図である。
【図4】図1の自動変速機を制御する油圧制御回路を図
3および図5とともに示す図である。
【図5】図1の自動変速機を制御する油圧制御回路を図
3および図4とともに示す図である。
【図6】図4のB1オリフィス制御弁の構成を詳しく示
す図である。
【図7】図6のB1オリフィス制御弁の作動を説明する
図表である。
【図8】本発明の他の実施例における油圧制御回路を図
9および図10とともに示す図であって、図3に対応す
る図である。
【図9】本発明の他の実施例における油圧制御回路を図
8および図10とともに示す図であって、図4に対応す
る図である。
【図10】本発明の他の実施例における油圧制御回路を
図8および図9とともに示す図であって、図5に対応す
る図である。
【図11】図9のB1オリフィス制御弁の構成を詳しく
示す図である。
【符号の説明】
14 自動変速機 32 ロックアップクラッチ 52 第3電磁弁(電磁弁) 68 マニュアル弁(第2信号元圧発生手段) 70 1−2シフト弁(第1信号元圧発生手段) 78 B1オリフィス制御弁(タイミング制御弁) 84 リバースコントロール弁 88 ロックアップクラッチ切換弁 94 ソレノイドモジュレータ弁(第2信号元圧発生手
段) 120 ポート切換手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 茨木 隆次 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自 動車株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−212667(JP,A) 特開 平2−296063(JP,A) 特開 平2−138562(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ロックアップクラッチ付流体伝動装置を
    有する自動変速機を備え、該自動変速機が複数の油圧式
    摩擦係合装置の作動の組み合わせにより複数の前進ギヤ
    段および後進ギヤ段が成立させられる形式の車両におい
    て、前記ロックアップクラッチの係合状態を切り換える
    ためのロックアップクラッチ切換弁と、該ロックアップ
    クラッチ切換弁に供給してそれを切り換えるための信号
    圧を発生する共通の電磁弁とを備えた油圧制御装置であ
    って、 前記電磁弁からの信号圧により、前進走行中にシフトレ
    バーが後進走行レンジへ操作されたときに後進ギヤ段の
    成立を阻止する位置に制御されるリバースコントロール
    弁と、 前記自動変速機が少なくとも第2速ギヤ段以上の前進ギ
    ヤ段であるときに第1信号元圧を発生する第1信号元圧
    発生手段と、 前記自動変速機が少なくとも後進ギヤ段である状態で第
    2信号元圧を発生する第2信号元圧発生手段と、 前記複数の油圧式摩擦係合装置のいずれかの作動タイミ
    ングを制御するために設けられ、前記自動変速機が第2
    速ギヤ段以上の前進ギヤ段に切り換えられたことに関連
    して作動させられるタイミング制御弁と、 前記タイミング制御弁に設けられ、該タイミング制御弁
    の切り換え作動に応答して、前記自動変速機が第2速ギ
    ヤ段以上の前進ギヤ段であるときには前記電磁弁に供給
    される元圧として前記第1信号元圧を選択し、該自動変
    速機が第2速ギヤ段以上の前進ギヤ段でない場合には該
    元圧として第2信号元圧を選択するポート切換手段と
    を、含むことを特徴とする車両用自動変速機の油圧制御
    装置。
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