JP3101388U - 舗装構造体 - Google Patents

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Abstract


【課題】 溶融スラグを有効に利用した製品を提供する。
【解決手段】 溶融スラグ粒子の重量1に対して、多孔質性の水砕スラグ粒子を重量比で1.5〜9の割合で含有し、セメントを重量比で0.25〜2.5の割合で含有し、有機系接着剤を前記セメントに対して重量比で0.01〜0.1の割合で含有した配合とすることで、透水性、保水性、散水による高い冷却効果、適度な硬さ、といった優位性を有する舗装構造体102を低コストで得ることができる。
【選択図】 図3

Description

本考案は、家庭ゴミ等を焼却した後に焼却炉に残る残渣物を利用した舗装構造体に関する。
家庭等から出された可燃ゴミ(燃えるゴミ)は、自治体等が運営するゴミ焼却施設で焼却処理されている。ゴミの分別や焼却技術が進んできているとはいえ、焼却炉には、ゴミを焼却した後に生じる残渣物(残りかす)が残る。この残渣物に熱処理を加えた生成物は、溶融スラグと呼ばれ、シリカ(SiO)、石灰(CaO)、アルミナ(Al)および酸化鉄(Fe)を主成分としている。
溶融スラグは、主に埋め立て処分されている。溶融スラグは不可避に発生するものであり、効果的に再利用できる技術が求められている。溶融スラグをタイル等のセラミックス製品の骨材や混合材料として再利用する技術が知られている。
これに関連して、溶融スラグの再利用ではないが、高炉で生成される溶融状態のスラグを水で急冷することで得られる水砕スラグを利用した舗装用材料が公知である。(例えば特許文献1を参照)。
特許第3050793号公報
しかしながら、特許文献1に記載された技術において、水砕スラグの代わりに溶融スラグを用いても、強度の点で実用に耐えるものは得ることができない。これは、鉄鉱石を溶かした後の残り滓を原料とする水砕スラグと、可燃ゴミの焼却後の残り滓を原料とする溶融スラグとでは、微細な構造等が異なり、同じように利用できないことに起因する。見た目でも、水砕スラグは明灰色に近い色に見えるが、溶融スラグが暗褐色に近い色をしている点で違いがある。
また、溶融スラグを各種のセラミックス材料の原料として利用する研究が行われているが、廃棄物のさらにその残渣物のリサイクル製品であるにもかかわらず、高コストになるという問題があった。廃棄物等を利用したリサイクル製品は、低コストでなければ、実用にならないことは、よく知られているところであるが、溶融スラグを用いた製品は高コストになる傾向が大きく、そのため実用的な製品としての普及が遅れている。
また、効果的なリサイクルを進めるためには、リサイクル製品であるから低品質でよいということはなく、リサイクル製品であっても他の製品と差別化できる優れた性能が求められる。この点に関し、従来の溶融スラグを用いた製品には、リサイクル製品である、という点以外の利点はなかった。
本考案は、従来のアスファルトやコンクリートを用いたものに比較して、差別化できる有用で高い品質を有し、しかも低コストで得られる溶融スラグを用いた舗装構造体を提供することを目的とする。
本考案は、溶融スラグ粒子の重量1に対して、多孔質性の水砕スラグ粒子を重量比で1.5〜9の割合で含有し、セメントを溶融スラグ粒子の重量1に対して重量比で0.25〜2.5の割合で含有し、さらに有機系接着剤を前記セメントに対して重量比で0.01〜0.1の割合で含有している舗装構造体であることを特徴とする。
本考案の舗装構造体において、溶融スラグの密度は2.0g/cm〜2.3g/cmであり、水砕スラグの密度は1.7g/cm〜1.9g/cmである。また、本考案の舗装構造体は、1.0×10−2cm/sec以上の透水係数と250リットル/mの以上の保水性を有する。また、本考案の舗装構造体は、5%以下のSB係数を有する。
溶融スラグは、ガス化溶融炉等の高温処理が可能な焼却炉で生成された残渣物を1200℃〜1500℃で溶融し、その溶融物を水で冷却し、さらに粉砕することで得られる。溶融スラグは、暗褐色に近い色を示し、平均密度が2.0g/cm〜2.3g/cmであり、形状は平均径が0.01〜10mm程度の粒状である。
水砕スラグは、高炉で生成される溶融状態のスラグを水で急冷し、粉砕することで得られる。水砕スラグは、明灰色に近い色を示し、平均密度が1.7g/cm〜1.9g/cmであり、mm単位以下の無数の空孔を有した多孔質状(ポーラス状)の材質を有し、形状は平均径が0.01〜10mm程度の粒状である。
溶融スラグと水砕スラグとを比較すると、溶融スラグの方が材質的には脆い傾向を有している。
溶融スラグおよび水砕スラグは、必要とされるコストの大部分を、輸送コストが占めている。しかしながら、溶融スラグの原料は、地方自治体のゴミ焼却施設から入手できるので、入手先の場所が限られている水砕スラグの原料に比較して、原料の輸送費を低コストにできる。また、溶融スラグの場合は、全国のどこでも原料を入手できるので、処理施設を全国にくまなく設ければ、溶融スラグにした状態での輸送費も抑えることができる。このように、水砕スラグに比較して溶融スラグはより低コストにできるという極めて大きな優位性がある。
本考案では、溶融スラグと水砕スラグとを併用することで、低コスト、高強度、基準値以上の透水性および保水性を得ている。また、溶融スラグを用いることで、舗装構造体としての透水性と保水性を確保している。また、水砕スラグを併用することで強度を確保している。
本考案において、溶融スラグ粒子の重量1に対する水砕スラグの配合割合が1.5を下回ると、得られる舗装構造体の強度が低下し、溶融スラグ粒子の重量1に対する水砕スラグの配合割合が9を越えると、溶融スラグを用いる低コスト性のメリットが薄れる。また、溶融スラグ粒子の重量1に対するセメントの配合割合が0.25を下回ると、舗装構造体としての強度や一体性が低下し、溶融スラグ粒子の重量1に対するセメントの配合割合が2.5を越えると、舗装構造体の透水性、保水性および吸水性が低下する。なお、溶融スラグと併用する骨材として水砕スラグ以外の材料を用いることは、所望の品質が得られず、特に透水性、保水性および吸水性の低下を招くので好ましくない。
本考案の舗装構造体は、多孔質性に富む水砕スラグと溶融スラグを骨材として用いているので、最低でも1.0×10−2cm/sec程度、サンプル試験によれば6.7×10−2cm/secといった大きな透水係数が得られる。このため、雨水の浸透が良い。また、骨材が多孔質であるので、250リットル/m以上の高い保水性が得られる。したがって、降雨を舗装構造体自体で貯水する能力に優れている。そして、これらの機能により、いわゆる打ち水効果(打ち水の気化熱によって舗装面の温度を低下させる効果)が極めて高く現れる優位性がある。これにより、いわゆるヒートアイランド現象を大きく緩和することができる。
また、本考案の舗装構造体は、乾燥状態で水に浸けた場合に70mm以上の吸い上げ能力を示す。これは、保水能力に加えて、毛管現象により水分を吸い上げる能力が高いことを示している。この能力により、本考案の舗装構造体には、舗装構造体を設置する路床、
路盤からの水分の吸い上げ効果も得ることができ、路床、路盤に含まれる水分をも利用した舗装構造体表面の冷却作用を得ることができる。よって、舗装構造体を設置する路床、路盤の保水性が高い場合、打ち水効果をより長く維持することができる。また、路床、路盤に水分が含まれている場合、打ち水(散水)をしなくても、路床、路盤から水分を吸い上げ、表面の冷却効果を発揮させることができる。
また、透水性が高いので、激しい降雨があっても、舗装面から大地への雨水の適度な浸透が起こり、また高い吸水性および保水性があるので、下水や河川等に急激に雨水が流れ込む不都合を緩和する機能が高い。このような性質は、道路、遊歩道、公園あるいは広場といった場所における舗装構造として極めて有用となる。
透水係数は、一定圧力で試験体に加えた水の流入量と流出量とが等しくなった時おける浸透流量を単位面積、単位時間当たりで表した値であり、多孔質中における水の移動のし易さを表す指標である。この値が大きい程、水が浸透し易い性質であるといえる。
透水係数は、ダルシーの法則を用いた定水位透水試験、変水位透水試験、または圧密透水試験により求めることができる。
保水性とは、単位体積あたりに保持可能な水量である。保水性は、試料を24時間水に浸し、その後重量を測定することで求められる。
透水係数が大きくても保水性が低ければ、舗装構造体の保水能力が低く、打ち水効果を長時間維持することができない。また逆に、保水性が高くても透水係数が小さければ、降雨量が多い時に舗装構造体に浸透する雨水が少なく、舗装面から雨水が周囲に流れ出てしまい、下水や河川への負担が大きくなってしまう。本考案では、骨材が多孔質性なため、舗装構造体に適したバランスのよい透水係数と保水性が得られる。
また、本考案の舗装構造体は、骨材の粒子自体に細かい空隙が存在している材料を用いているので、直射熱が分散され、いわゆる照り返しがきつくなく、また舗装面の温度がコンクリートやアスファルトのように高温にならないという優位性がある。また、溶融スラグおよび水砕スラグは、角張った形状を有しているので、舗装構造体の表面に細かい程度な凹凸形状が形成され、それにより、濡れても滑りにくい、水がはねにくい、適度な摩擦があり歩きやすい、といった優位性が得られる。
さらに本考案の舗装構造体は、上述のように骨材が角張った形状であり、しかもその粒自体が多孔質状であり、さらにその多孔質構造を構成する空隙が不定形かつ大きさが多様であるので、衝撃を吸収する能力に優れている。具体的には、弾性反発試験によるSB係数が3〜5%と比較的ソフトな硬さを有している。ちなみに、コンクリート舗装のSB値は15%程度であり、アスファルト舗装のSB値は7%程度である。この性質は、優れた歩行感覚や、公園や広場といった場所での安全性の確保といった観点からみて優れた性質となる。
SB値とは、直径25.4mm、重さ66.7gの鋼球を1mの高より自由落下させた際における試料表面からの剛球の跳ね返りの高さを%で表した値である。SB値は、試料の材質が硬質であれば大きくなり、弾性が大きければ小さな値となる。SB値が小さい程、衝撃の吸収性に優れているといえる。
本考案の舗装構造体は、特殊混和剤として有機系接着剤を用いている。この有機系接着剤は、舗装構造体の収縮を抑える収縮抑制剤として機能する。収縮が起こると、クラックが発生し、舗装構造体の強度が低下する。有機系接着剤によって収縮を抑制することで、クラックの発生を抑制し、舗装構造体の強度を確保する。
有機系接着剤としては、例えば変性エチレン酢酸ビニル系の接着剤を利用することができる。有機系接着剤としては、モルタルの接着性を増強する目的に販売されている増強剤を利用することができる。
有機系接着剤のセメントに対する配合量が1重量%を下回ると、収縮抑制剤としての効果が小さくなり好ましくない。また、セメントに対するその配合量が10重量%超えると、得られる舗装構造体の透水性が低下し、本考案の製品が有する優位性が低下するので好ましくない。なお、セメントに対する有機系接着剤のより好ましい配合割合は、3〜8重量%である。
本考案の舗装構造体は、原料を現場で混練し、舗装する場所に直接流し込んで得ることも、あるいは工場等でブロック形状(あるいは所定の形状)に成形して得ることもできる。後者の場合、工場等で製造した舗装構造体を通常のブロックやタイルと同じように舗装材料として利用すればよい。
本考案によれば、骨材として溶融スラグと水砕スラグとを併用し、収縮抑制剤として有機系接着剤を用いたので、コンクリート舗装やアスファルト舗装に比較して遜色のない強度を有し、また特別な材料や舗装工程を必要とせず低コストであり、さらに透水性および保水性を有しているので環境にやさしく、さらにコンクリート舗装やアスファルト舗装に比較して衝撃吸収性に優れた舗装構造体が提供される。本考案の舗装構造体は、廃棄物を利用しているにもかかわらず、アスファルトやコンクリートを用いたものに比較して、優位な特徴を有し、しかも低コストで得ることができる。
1.実施形態の製造例
以下、本考案の舗装構造体の製造方法の一例を具体的に説明する。本実施形態では、骨材として、水砕スラグと溶融スラグを用い、バインダーとしてポルトランドセメントを用い、収縮抑制剤として機能する特殊混和剤として変性エチレン酢酸ビニル系の接着剤を用いた。他に、好みの色を付けるための顔料および水道水を用いた。
溶融スラグは、可燃ごみを焼却するガス化溶融炉で得られる最終残渣物を1400℃に加熱して溶融させ、それを水で急冷し、粉砕することで得た。得られた溶融スラグは、平均密度が2.1g/cm、平均径が8mm、80重量%以上が2〜15mm程度の径を有する粒状であった。
この溶融スラグは、シリカ(SiO)を33重量%、石灰(CaO)を23重量%、アルミナ(Al)を17重量%、酸化鉄(Fe)を7重量%含んでいた。また、環境への悪影響が懸念される微量含有物を測定したところ、カドミウム、鉛、砒素、セレンの含有量は0.01(mg/リットル)未満、六価クロムの含有量は0.05(mg/リットル)未満、総水銀の含有量は0.0005(mg/リットル)未満であり、厚生省の通知にある基準を満たしていることが確認された。下記表1に溶融スラグと高炉水砕スラグとの成分を比較したものを示す。
Figure 0003101388
表1から分かるように、溶融スラグの主要成分は、高炉水砕スラグと類似性が高く、高炉水砕スラグと混合して骨材として用いる場合の適合性に優れている。
水砕スラグは、高炉で得られた溶融状態の最終残渣物を水で急冷し、粉砕することで得た。この水砕スラグは、平均密度が1.8g/cm、平均径が7mm、80重量%以上が2〜10mm程度の径を有する粒状であった。この水砕スラグは、シリカ(SiO)を34重量%、石灰(CaO)を42重量%、アルミナ(Al)を13重量%、酸化鉄(Fe)を0.4重量%含んでいた。
セメントは、市販のポルトランドセメントである、特殊混和剤は、変性エチレン酢酸ビニル系の有機系接着剤である山宗化学株式会社から販売されているトマックエバー200(商品名)またはタイトメント(商品名)を水で2倍に薄めたものを用いた。このトマックエバー200(商品名)またはタイトメント(商品名)は、モルタルの接着増強剤として市販されている。
顔料は、薄い茶色を付与するための粉末(または粒状)の顔料を用いた。顔料は、市販されているものの中から適当なものを採用することができる。以上説明した材料を用い、下記表2に示す配合で試料を製造した。なお、下記表2の配合において、特殊混和剤(有機系接着剤)のセメントに対する割合は4重量%となる。
Figure 0003101388
図1は、試料の製造に利用する枠型の概要を示す斜視図である。図2は、枠型に表2の配合の混練物を流し込み、固化させた状態を示す斜視図である。図3は、得られた試料の概要を示す斜視図である。
以下、製造手順を説明する。まず、通常のコンクリートを練るのに用いる容積100リットルのミキサーを1.5回転/秒の回転速度で回転させた状態で、溶融スラグおよび水砕スラグ、セメント、顔料をこの順に投入し、1分30秒空練り(水を入れない状態での練り)を行った。その後、特殊混和剤と水を加えて3分の本練りを行って、流動性のある混練物を得た。
上記混練物を10cm×50cm×50cmの木製の枠型101に流し込み、表面をならした後、72時間の養生を行なって硬化させて図2の試料102を得、さらに、枠101をはずして図3に示す試料102を得た。ここでは、試料として板状のものを製造する例を説明したが、実際の施工においては、舗装を行う場所に直接混練物を流し込み、直接舗装構造体を作ってもよい。
なお、上記表1の配合割合にはある程度の幅があり、溶融スラグ粒子が10〜40kg、水砕スラグ粒子が60〜90kg、セメントが10〜25kg、特殊混和剤がセメントに対して1〜10重量%の範囲で配合の調整が可能である。
2.実施形態の品質
得られた試料102のSB値は、3.2%であり、透水係数は6.7×10−2cm/secであった。本考案者らによる試験によると、コンクリート舗装のSB値が15%、アスファルト舗装のSB値が7%であったので、試料102の硬さは、コンクリート舗装の1/4以下、アスファルト舗装の1/2程度である。また、試料102の曲げ強度は、64.7kgf/cmであった。路面の舗装に用いる透水性コンクリートの曲げ強度が25kgf/cm程度であるので、試料102の強度は十分に実用になる値であるといえる。
また、気温:32℃、湿度:67%、天候:晴れ、風力:微風の条件下において、直射日光が当たった状態で3リットルの散水を行った場合に、下記表3のデータを得た。
Figure 0003101388
アスファルト舗装は、通常の道路の路面に使用されるものを試料と同じ寸法で製造したものである。コンクリートブロックは、側溝等の蓋に利用されるセメント板であり、100cm×30cm×4cm(厚さ)の寸法を有している。
表3を見れば分かるように、本考案を利用した試料は、高い打ち水効果を示す。このうち水効果は、散水後60分経過しても上記温度よりも数度温度が高くなる程度の維持力を有していた。これは、試料の保水性が高いためである。なお、表3において、コンクリートブロックに打ち水効果が見られないのは、散水した水の滲み込みが極めて弱く、蒸発による冷却効果が長く維持できないためであると考えられる。また、表3から本考案を利用した試料は、散水前の状態においても直射日光下であまり高温にならないことが分かる。
また、上記表2の配合において、セメントと特殊混和剤との合計配合量を変えずに両者の配合比を変えた場合における特殊混和剤の配合割合と曲げ強度との相関について調べた結果を以下に示す。図4は、セメントに対する特殊混和剤の配合割合(重量%)と得られた舗装構造体の曲げ強度との相関関係を示す線図である。図4において、横軸は、セメントに対する特殊混和剤の配合割合(重量%)であり、縦軸は、曲げ強度の値(N/mm)である。なお、図4に示すデータにおいて、セメントと特殊混和剤以外の材料の配合割合は全て表2に記載された値と同じである。
図4から明らかなように、セメントに対する特殊混和剤の配合割合が4重量%である場合に最も高い曲げ強度が得られる。おおよその概算であるが、実用上好ましい曲げ強度の範囲を最高値の95%以上の範囲と定義すると、対応する図4の横軸の範囲は、誤差を含めて約3重量%〜約8重量%の範囲となる。つまりセメントに対して、3〜8重量%程度の有機系接着剤を配合した場合に実用上好ましい曲げ強度を得ることができる。
ちなみに、セメントに対する有機系接着剤の配合割合が3〜8重量%程度の範囲というのは、透水性や保水性を確保する観点から見ても好ましいことである。なぜなら、有機系接着剤の配合割合が増えると、本考案の優位性の一つである材質のミクロな多孔質性が損なわれる傾向が大きくなるが、上述の有機系接着剤の配合割合の範囲であれば、その悪影響を最低限に抑えることができるからである。こうして、有機系接着剤をセメントに対して3〜8重量%配合することで、高強度、高透水性および高保水性を同時に確保することができる。
また、得られた試料102の吸水性を確認する試験を行ったところ、以下に説明するように優れた吸水性能が確認された。まず、試料102を10cm×10cm×30cmの直方体に切断加工し、吸水性確認用試料を得、さらにそれを平均湿度64%、平均温度24℃の室内で24時間放置し、自然乾燥させた。そして5cmの深さに水道水を張った容器を用意し、そこに乾燥させた吸水性確認用試料を縦にしてその先端を静かに沈め、30分放置した。その後、試料に吸い上げられた水の高さを目視で確認した。試料を5本製作し、試験を行ったところ、吸い上げ高は、77mm〜82mmの範囲内に収まり、その平均値は、78mmであった。
本考案の舗装構造体は、溶融スラグと水砕スラグの有効な再利用を図ることができる点で産業上有用である。また、本考案の舗装構造体は、歩行者や自然環境に優しいので、遊歩道の舗装、道路の舗装、公園の舗装、各種広場の舗装への利用に適している。
試料の製造に用いる枠型を示す斜視図。 枠型内で硬化させられた試料を示す斜視図。 得られた試料を示す斜視図。 セメントに対する有機系接着剤の配合割合と得られる舗装構造体の曲げ強度との関係を示す線図。
符号の説明
101…枠型、102…試料。

Claims (7)

  1. 溶融スラグ粒子の重量1に対して、
    多孔質性の水砕スラグ粒子を重量比で1.5〜9の割合で含有し、
    セメントを重量比で0.25〜2.5の割合で含有し、
    有機系接着剤を前記セメントに対して重量比で0.01〜0.1の割合で含有していることを特徴とする舗装構造体。
  2. 前記溶融スラグ粒子の密度が2.0g/cm〜2.3g/cmであり、
    前記水砕スラグ粒子の密度が1.7g/cm〜1.9g/cmであることを特徴とする請求項1に記載の舗装構造体。
  3. 1.0×10−2cm/sec以上の透水係数と250リットル/m以上の保水性を有することを特徴とする請求項1または2に記載の舗装構造体。
  4. 5%以下のSB係数を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の舗装構造体。
  5. 前記有機系接着剤を前記セメントに対して重量比で0.03〜0.08の割合で含有していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の舗装構造体。
  6. ブロック形状を有していることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の舗装構造体。
  7. 乾燥状態で水に浸けた場合に70mm以上の吸い上げ能力を示すことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の舗装構造体。
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