JP3100783B2 - ホスファチジルコリンおよびその製造方法 - Google Patents

ホスファチジルコリンおよびその製造方法

Info

Publication number
JP3100783B2
JP3100783B2 JP04277533A JP27753392A JP3100783B2 JP 3100783 B2 JP3100783 B2 JP 3100783B2 JP 04277533 A JP04277533 A JP 04277533A JP 27753392 A JP27753392 A JP 27753392A JP 3100783 B2 JP3100783 B2 JP 3100783B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
phosphatidylcholine
present
electric conductivity
glycerophosphocholine
solvent
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04277533A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH06128278A (ja
Inventor
均 奈良部
林 英 明 小
峯 夫 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
QP Corp
Original Assignee
QP Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by QP Corp filed Critical QP Corp
Priority to JP04277533A priority Critical patent/JP3100783B2/ja
Priority to EP93922065A priority patent/EP0665236B1/en
Priority to PCT/JP1993/001462 priority patent/WO1994009015A1/ja
Priority to DE69327539T priority patent/DE69327539T2/de
Priority to US08/411,672 priority patent/US5519159A/en
Publication of JPH06128278A publication Critical patent/JPH06128278A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3100783B2 publication Critical patent/JP3100783B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07FACYCLIC, CARBOCYCLIC OR HETEROCYCLIC COMPOUNDS CONTAINING ELEMENTS OTHER THAN CARBON, HYDROGEN, HALOGEN, OXYGEN, NITROGEN, SULFUR, SELENIUM OR TELLURIUM
    • C07F9/00Compounds containing elements of Groups 5 or 15 of the Periodic Table
    • C07F9/02Phosphorus compounds
    • C07F9/06Phosphorus compounds without P—C bonds
    • C07F9/08Esters of oxyacids of phosphorus
    • C07F9/09Esters of phosphoric acids
    • C07F9/10Phosphatides, e.g. lecithin
    • C07F9/103Extraction or purification by physical or chemical treatment of natural phosphatides; Preparation of compositions containing phosphatides of unknown structure

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Treatment Of Liquids With Adsorbents In General (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸化安定性に優れたホ
スファチジルコリンおよびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】一般にホスファチジルコリンは、その構
成脂肪酸としてオレイン酸、リノール酸、リノレン酸、
ドコサヘキサエン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸
を含むため、酸化されやすい性質を有しており、特に高
純度に精製された場合は、不純物として存在し、かつ保
護層的な働きをしていた中性脂質や蛋白質などから分離
されて空気中の酸素に直接さらされる状態になるので、
一段と酸化されやすくなる。このため、通常、冷暗所や
不活性ガスの雰囲気下で保存したり、ビタミンEなどの
酸化防止剤を添加したり、あるいは水素添加を行って不
飽和結合を飽和結合に変換させたりして、保存中などに
酸化が進行しないような努力がなされている。ところ
で、高純度に精製されたホスファチジルコリンは化粧品
や医薬品などへ使用される場合が多く、この場合、通常
リポソーム、乳化材などとして使用されている。このよ
うな用途で用いる場合、無機塩や遊離アミノ酸などの不
純物が少ないほどより良い製品が得られることが知られ
ている(例えば、特開昭64−3115号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、冷暗所や不
活性ガスの雰囲気下での保存は、製造したホスファチジ
ルコリン自体を保存する上では有効であるが、化粧品や
医薬品などの製品とした場合は、このような状態下での
保存は実用的でなく、不可能に近い。また、酸化防止剤
の添加は、化粧品、医薬品、食品などへの用途を考える
と好ましくなく、添加できない場合もある。さらに、水
素添加処理は、このための工程をわざわざ設けなくては
ならない。また、ホスファチジルコリンが酸化されてし
まうと、せっかく得られたリポソームや乳化物などの安
定性も低下するようになり、またその酸化物は身体など
への毒性の問題も生じてくる。したがって、精製された
ホスファチジルコリンは、製造後、直ちに冷暗所に保存
し、できるだけ早く所望製品の製造に用い、得られた製
品も短期間のうちに使用してしまうのが一般的であっ
た。このような状況下にあって、ホスファチジルコリン
自体が酸化安定性に優れているものの開発が強く望まれ
ているのが現状である。よって、本発明は、このような
要望に答えうる酸化安定性に優れたホスファチジルコリ
ンを提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成しようと種々研究を重ねて本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、ホスファチジルコリンを
構成する分子種のうち、ステアロイル‐リノレオイル‐
グリセロホスホコリン(SLPC)とステアロイル‐オ
レオイル‐グリセロホスホコリン(SOPC)との合計
重量に対する、パルミトイル‐リノレオイル‐グリセロ
ホスホコリン(PLPC)とパルミトイル‐オレオイル
‐グリセロホスホコリン(POPC)との合計重量の比
が4.5以下であり、かつ、該ホスファチジルコリンの
5%蒸留水懸濁液における電気伝導度が100μS/cm
以下であることを特徴とするホスファチジルコリンを提
供するものである。
【0005】本発明の対象物質であるホスファチジルコ
リンは、通常、下記の構造式で表わされるものである。 (式中、RおよびRはアシル基を表わす。)
【0006】本発明において分子種とは、結合するアシ
ル基の組合せによって生じる個々の化合物をいう。した
がって、ホスファチジルコリンを構成する分子種とは、
対象となるホスファチジルコリンにおいて、上記式にお
けるR、Rのアシル基が特定されて構造が決定され
た個々のホスファチジルコリンのことをう。本発明にお
いてSLPCとは、上記構造式においてアシル基R
ステアリン酸残基であり、アシル基Rがリノレン酸残
基であるホスファチジルコリンをいう。また、SOPC
とは、上記構造式においてアシル基Rがステアリン酸
残基であり、アシル基Rがオレイン酸残基であるホス
ファチジルコリンをいう。また、PLPCとは、上記構
造式においてアシル基Rがパルミチン酸残基であり、
アシル基Rがリノレン酸残基であるホスファチジルコ
リンをいう。さらにまた、POPCとは、上記構造式に
おいてアシル基Rがパルミチン酸残基であり、アシル
基Rがオレイン酸残基であるホスファチジルコリンを
いう。
【0007】本発明によれば、本発明のホスファチジル
コリンは、まず、(PLPCの重量+POPCの重量)
/(SLPC重量+SOPC重量)の比が、4.5以下
のものである。この重量比がこの値、すなわち4.5よ
り大きくなると酸化安定性のあるホスファチジルコリン
が得難くなる。
【0008】また、本発明によれば、本発明のホスファ
チジルコリンは、該ホスファチジルコリンの5%蒸留水
懸濁液における電気伝導度が100μS/cm以下のもの
である。なお、電気伝導度の値は、本発明においてはす
べて25℃における測定値である。この電気伝導度が1
00μS/cmより大きくなると酸化安定性のあるホスフ
ァチジルコリンが得難くなる。
【0009】このように、本発明のホスファチジルコリ
ンは、(PLPC+POPC)/(SLPC+SOP
C)の重量比が4.5以下であり、かつ上記条件下での
電気伝導度が100μS/cm以下であることを特徴とす
るものである。後述の試験例における保存中の過酸化物
価の経時変化の結果から明らかなように、上記した分子
種の重量比並びに電気伝導度の両特性を有することが酸
化安定性の観点から必須である。
【0010】なお、本発明のホスファチジルコリンは、
このような特性を有するものである限り純品でなくても
よく、例えは、従来ホスファチジルコリンを天然物から
抽出した場合に通常含有される中性脂質類やコレステロ
ール、その他混入が予想される微量の他のリン脂質など
を含んでいてもよい。ただし、ホスファチジルコリンが
主成分であるので、全成分中ホスファチジルコリンを少
なくとも70%以上含むことが好ましい。
【0011】本発明のホスファチジルコリンは、一般的
には以下のようにして製造する。まず、ホスファチジル
コリンを含有する脂質組成物を用意する。このような脂
質組成物としては、植物種子、卵黄、脳、内臓、菌体な
どといった公知のリン脂質含有物から常法により抽出す
ることによって得られたもの、あるいは種々の合成法に
よって得られたものを挙げることができる。例えば、乾
燥・粉砕したリン脂質含有物にジクロロメタン、アルコ
ールなどの有機溶媒を加えて攪拌し、固形物を除去して
液相部を得、これをアセトンなどで洗浄したのち溶媒を
除去すればホスファチジルコリンを含有した脂質組成物
を得ることができる。この脂質組成物は、ホスファチジ
ルコリンのみからなるものであっても、ホスファチジル
コリン以外の脂質を含んだものであってもよい。
【0012】次いで、このようにして得られた脂質組成
物をカラムクロマトグラフィーを用いて処理し、本発明
のホスファチジルコリン画分を分画・分取すればよい。
以下、カラムクロマトグラフィーとして液体カラムクロ
マトグラフィーを用いて本発明のホスファチジルコリン
を分画・分取する典型的な方法を説明する。上記のよう
にして得られる脂質組成物は、通常ホスファチジルコリ
ンを5%以上含有しているのが好ましいが、より好まし
くはクロマトグラフィーで処理するに先立ち所望する最
終製品に応じてホスファチジルコリンの含有量を調整し
ておくとよい。例えば、高純度のものを得るには脂質組
成物中のホスファチジルコリン含有量を20%以上とす
るのが好ましい。
【0013】液体カラムクロマトグラフィーの手法は従
来法によればよいが、医薬品、化粧品、食品などへの使
用を目的としている場合は移動相溶媒としては人体に安
全な溶媒を用いた方がよい。ここでは充填剤としてシリ
カゲルを、また移動相溶媒としてアルコールと水を用い
る場合を例として説明する。シリカゲルについてはその
種類は特に限定されないが、四塩化珪素または珪酸ナト
リウムから得られるもので珪酸が三次元的に重合したシ
リカゲルを用いることが望ましい。このようなシリカゲ
ルとしては全多孔シリカと称されるもので、直径10〜
2000オングストロームの大きさの微細孔を有したも
のが好ましい。具体的には、粒径3〜50μmの全多孔
球状シリカゲル、粒径5〜350μmの全多孔破砕状シ
リカゲルなどが挙げられる。移動相溶媒に用いるアルコ
ールとしては、移動相溶媒として使用可能であれば特に
限定はされないが、ホスファチジルコリンの溶解性を考
えると、炭素数4以下のアルコールと水との混合溶媒が
好ましい。具体的には、メタノール、エタノール、プロ
パノール、ブタノールの他、これらの構造異性体であっ
てもよい。なお、人体への安全性を考慮する場合はエタ
ノールを使用すればよい。アルコールと水との混合割合
は、アルコール対水の容量比が99:1〜50:50程
度が好ましい。これによりアルコールが多くても、少な
くても本発明のホスファチジルコリンが得難い傾向とな
るからである。
【0014】カラムから溶出してくるホスファチジルコ
リンの検出は、紫外線吸収法、超音波測定法など、従来
公知の方法で行えばよく、検出の結果得られたホスファ
チジルコリン画分のクロマトグラムの極大値を示した点
以降の部分を採取(分画・分取)した後、溶媒を常法に
より除去すれば本発明のホスファチジルコリンを得るこ
とができる。なお、極大点以降で、ホスファチジルコリ
ンが検出されている部分であれば、どの部分を分取して
もかまわない。
【0015】また、こうして得られた本発明のホスファ
チジルコリンのそれ自体の含有量、すなわち純度をより
高めるためには、上記クロマトグラフィーの工程を繰り
返すか、あるいはアルコールやアセトンなどの有機溶媒
を用いて常法により精製すればよい。こうして得られた
本発明のホスファチジルコリンは、後述の試験例の結果
から明らかなように、それ自体優れた酸化安定性を有す
るものである。
【0016】
【実施例および試験例】以下、本発明を実施例および試
験例により更に詳しく説明する。なお、本発明において
特記のない限り%および比はいずれも重量基準である。実施例1 下記の組成の精製卵黄リン脂質(ホスファチジルコリン
含量約80%)150gを92容量%のエタノール水溶
液300mlに溶解して試料とし、下記の条件下で高速液
体カラムクロマトグラフィーを行った。 (リン脂質の組成、単位は%) ホスファチジルコリン 81.6 ホスファチジルエタノールアミン 16.3 コレステロール 1.1 スフィンゴ脂質 0.8 リゾリン脂質 0.2 (条 件) カラム:内径50mm×長さ1000mm 充填剤:シリカゲル(粒径40〜60μmの全多孔球状
シリカゲル) 移動相:エタノール/水=92/8 V/V、150ml/mi
n . 検 出:紫外線吸収(λ=204nm) リン脂質の溶出順序は、最初にホスファチジルエタノー
ルアミン(PE)、次にホスファチジルコリン(PC)
であるので、カラムからの溶出液の紫外線吸収を測定し
ながら、ホスファチジルコリン画分の極大点から分取を
始め、紫外線吸収による検出が終了する時点までの部分
を分取した(図1参照)。分取液より溶媒成分を除去
し、さらに真空乾燥機で乾燥させ、本発明のホスファチ
ジルコリン98.1gを得た。
【0017】なお、得られた本発明のホスファチジルコ
リンについて、TLC−FID法(油化学、第32巻、
第10号、1983年、566頁〜573頁、社団法人
日本油化学協会発行)の展開条件を以下のように変更
した方法により計測したところ、ホスファチジルコリン
の純度は99.9%であった。 (展開条件) ロッド :クロマトロッドS−III (株式会社 ヤトロ
ン製) 展開溶媒: 1次展開 クロロホルム/メタノール/水(70/3
0/3V/V)8cm 2次展開 n−ヘキサン/ジエチルエーテル/蟻酸
(90/10/0.1V/V)10cm また、こうして得られたホスファチジルコリンを構成し
ているPLPC,POPC,SLPCおよびSOPCの
4つの分子種の組成については、下記の測定条件下での
高速液体カラムクロマトグラフィーによりRI検出チャ
ートを得、計測したところ、その結果は後述の表1に示
す通りであった。なお、こうして得られた分子種の組成
の数値に基づき、(PLPC+POPC)/(SLPC
+SOPC)の重量比を求め、その結果を後述の表2に
示した。 (測定条件) 充填剤:オクタデシルシリカゲル(内径4.6mm×長さ
250mm) 移動相:メチルアルコール/1mMリン酸カリウム緩衝
液(pH7.4、93/7V/V)1.5ml/min. 検 出:示差屈折計(RI) 試料量:500μg
【0018】更にまた、得られた本発明のホスファチジ
ルコリンの電気伝導度については、下記の方法により計
測した。サンプル1.5gに蒸留水を加えて全体を30
gにした後、ホモゲナイザーにより分散させて5%蒸留
水懸濁液を調製した。このホスファチジルコリン懸濁液
を電気伝導度計((株)堀場製作所製:商品名「導電率
計DS−14」)を用いて計測した。その結果は後述の
表2に示す通りであった。
【0019】実施例2 下記の組成の卵黄リン脂質(ホスファチジルコリン含量
約60%)250gを無水エタノールに溶解し、全量を
500mlとしたものを試料とした。 (リン脂質の組成、単位は%) ホスファチジルコリン 62.4 ホスファチジルエタノールアミン 11.8 中性脂質類 24.3 スフィンゴ脂質 0.7 リゾリン脂質 0.8 実施例1と同じ条件下で高速液体カラムクロマトグラフ
ィーを行い、クロマトグラムにおけるホスファチジルコ
リン画分の極大点から分取を始め、紫外線吸収による検
出が終了する時点までの部分を分取した。
【0020】得られた溶液を真空乾燥機で乾燥させ、本
発明のホスファチジルコリン102.7gを得、純度と
組成を実施例1のTLC−FID法により測定したとこ
ろ、結果は以下の通りであった。 (本発明のホスファチジルコリンの組成) ホスファチジルコリン 74.9 中性脂質類 24.6 スフィンゴ脂質 0.3 リゾリン脂質 0.2 また、得られたホスファチジルコリンについて、これを
構成している4つの分子種の組成並びに電気伝導度の特
性に関しては実施例1の場合と同様に計測したところ、
それぞれ後述の表1および表2に示すような結果が得ら
れた。
【0021】後述の試験例において本発明のホスファチ
ジルコリンに対して対照として用いるホスファチジルコ
リンのサンプル1〜7をそれぞれ以下の通りに調製ある
いは用意した。なお、得られた対照のホスファチジルコ
リンについて、これを構成している4つの分子種の組成
並びに電気伝導度の特性に関しては、実施例1の場合と
同様に計測し、その結果を後述の表1および表2におい
てそれぞれ示した。
【0022】対照サンプル1 実施例1と同じ卵黄リン脂質を同じ条件でクロマトグラ
フィーに付した。予め薄層クロマトグラフィーでホスフ
ァチジルコリン画分にホスファチジルエタノールアミン
がオーバーラップする部分を確認しておき、ホスファチ
ジルエタノールアミンが溶出し終った時点(ホスファチ
ジルコリン画分の極大値より前)より分取を始め、紫外
線吸収によるホスファチジルコリンの検出が終了する時
点までの部分を分取した。分取液より溶媒成分を除去
し、得られた沈殿物を真空乾燥機で乾燥させ、ホスファ
チジルコリン110.4g(純度98.2%:測定法は
実施例1に準ずる。以下同様)を得た。
【0023】対照サンプル2 特公昭60−16号公報で記載の方法を用い、ホスファ
チジルコリンの精製を行った。すなわち、実施例1で用
いたのと同じ精製卵黄リン脂質5gにメタノール50ml
を加えて溶解させた。これに硫酸マグネシウム0.5g
を蒸留水3mlに溶解したものを加え、攪拌・静置後、上
清部分のみを回収し、溶媒を減圧除去し、精製ホスファ
チジルコリン(純度97.2%)を得た。
【0024】対照サンプル3 塩化カリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化
マグネシウムおよび塩化鉄が各々10mM濃度で含まれ
ている電気伝導度調整液を調製した。別途、実施例1で
得られたホスファチジルコリン1.5gに蒸留水を加え
て全体を30gにした後、ホモゲナイザーにより分散さ
せてホスファチジルコリンの5%蒸留水懸濁液を調製し
た。このホスファチジルコリン懸濁液に電気伝導度調整
液0.3mlを添加した後、凍結乾燥して電気伝導度が調
整されたホスファチジルコリンを製造した。
【0025】対照サンプル4 電気伝導度調整液を0.5ml添加した以外は対照サンプ
ル3の場合と同様にして電気伝導度が調整されたホスフ
ァチジルコリンを製造した。
【0026】対照サンプル5 電気伝導度調整液を1ml添加した以外は対照サンプル3
の場合と同様にして電気伝導度が調整されたホスファチ
ジルコリンを製造した。
【0027】対照サンプル6 市販の精製卵黄ホスファチジルコリン(日本油脂(株)
製、商品名「CoatsomeNC-10S 」、純度約99%)を用
意した。
【0028】対照サンプル7 対照サンプル6の場合とはメーカーの異なる市販の精製
卵黄ホスファチジルコリン(SIGMA 社製、商品名「L‐
α‐ホスファチジルコリン Type XI-E」、純度約99
%)を用意した。
【0029】 表 1 ホスファチジル PLPC POPC SLPC SOPC コリン 実施例1 1.05 2.00 0.50 0.45 実施例2 1.30 2.55 0.70 0.55 対照サンプル1 1.05 1.85 0.25 0.25 対照サンプル2 1.60 1.90 0.35 0.25 対照サンプル6 1.60 2.05 0.45 0.25対照サンプル7 1.65 2.75 0.45 0.45 註1:表中の数値は各分子種のチャート上の高さ(cm)
を示す。 註2:なお、対照サンプル3,4および5は、実施例1
のものと同一の分子種組成を有する。
【0030】試験例 実施例1および2で得られた本発明のホスファチジルコ
リン並びに対照サンプル1〜7のホスファチジルコリン
に関して、保存期間中の過酸化物価(POV)の経時変
化を下記の条件・方法により計測した。その結果を下記
の表2に示す。 (保存条件)各サンプルをシャーレに取り、蓋をせずに
20℃、暗所条件の恒温器内に静置した。 (POV測定)昭和47年1月30日、社団法人 日本
油化学協会発行の基準油脂分析試験法、2.4.12-71 の第
1頁〜2頁の方法にしたがった。表2の結果より、重量
比および電気伝導度の両方の特性を満たしたもの、すな
わち本発明のホスファチジルコリンに相当するもののみ
が、著しく酸化安定性の高いホスファチジルコリンであ
ることがわかる。
【0031】
【表1】
【0032】なお、従来公知のホスファチジルコリンで
あって、本発明のホスファチジルコリンと同様の分子種
重量比特性を有するものの例を以下、参考例1および2
において示す。
【0033】参考例1 LIPIDS,Vol.2,No.3,217-224(1967) に記載の方法により
卵黄ホスファチジルコリンを調製した。(なお、このよ
うに調製されたホスファチジルコリンは、American Oil
Chemists' Society 発行の Lecithins(1985)の第125
頁に記載の卵黄ホスファチジルコリンの分子種の表によ
れば、(PLPC+POPC)/(SLPC+SOP
C)=2.9の値を有するものである。)調製した試料
について電気伝導度の特性に関して実施例1の場合と同
様に計測したところ、270μS/cmであった。
【0034】参考例2 J.Biol.Chem.,Vol.188,471-476(1950)に記載の方法によ
り卵黄ホスファチジルコリンを調製した。(なお、この
ように調製されたホスファチジルコリンは、上記 Lecit
hinsの第125頁の表によれば上記重量比が2.1のも
のである。)調製した試料について電気伝導度の特性に
関して実施例1の場合と同様に計測したところ、390
μS/cmであった。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明のホスファチジル
コリンは特別な処置を施さなくても、それ自体が酸化安
定性に優れたものであって、従来のホスファチジルコリ
ン利用上の根本的な問題を解決したものである。したが
って、本発明のホスファチジルコリンを用いることによ
り、ホスファチジルコリン自体の保存も容易となり、ひ
いてはこれを利用する医薬品、化粧品、食品などの製造
・保存も容易となり、さらには、ホスファチジルコリン
が酸化されにくいことから安全な医薬、化粧品、食品な
どを製造することが期待できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1における溶出液の紫外線吸収
クロマトグラムを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭63−112589(JP,A) 特開 昭62−263109(JP,A) 特開 平3−227399(JP,A) 特開 平2−174787(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C07F 9/10

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ホスファチジルコリンを構成する分子種の
    うち、ステアロイル‐リノレオイル‐グリセロホスホコ
    リン(SLPC)とステアロイル‐オレオイル‐グリセ
    ロホスホコリン(SOPC)との合計重量に対する、パ
    ルミトイル‐リノレオイル‐グリセロホスホコリン(P
    LPC)とパルミトイル‐オレオイル‐グリセロホスホ
    コリン(POPC)との合計重量の比が4.5以下であ
    り、かつ、該ホスファチジルコリンの5%蒸留水懸濁液
    における電気伝導度が100μS/cm以下であることを
    特徴とするホスファチジルコリン。
  2. 【請求項2】ホスファチジルコリンを含有する脂質組成
    物を液体カラムクロマトグラフィーを用いて処理するに
    際して移動相溶媒として炭素数4以下のアルコールと水
    との混合溶媒を用い、かつ、得られるクロマトグラムの
    うちホスファチジルコリン画分の極大点以降を分取する
    ことを特徴とする請求項1のホスファチジルコリンの製
    造方法。
JP04277533A 1992-10-15 1992-10-15 ホスファチジルコリンおよびその製造方法 Expired - Fee Related JP3100783B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04277533A JP3100783B2 (ja) 1992-10-15 1992-10-15 ホスファチジルコリンおよびその製造方法
EP93922065A EP0665236B1 (en) 1992-10-15 1993-10-12 Phosphatidylcholine and process for producing the same
PCT/JP1993/001462 WO1994009015A1 (en) 1992-10-15 1993-10-12 Phosphatidylcholine and process for producing the same
DE69327539T DE69327539T2 (de) 1992-10-15 1993-10-12 Phosphatidylcholin und verfahren zu ihrer herstellung
US08/411,672 US5519159A (en) 1992-10-15 1993-10-12 Phosphatidylcholine with high oxidative stability and process for its preparation

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04277533A JP3100783B2 (ja) 1992-10-15 1992-10-15 ホスファチジルコリンおよびその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH06128278A JPH06128278A (ja) 1994-05-10
JP3100783B2 true JP3100783B2 (ja) 2000-10-23

Family

ID=17584892

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04277533A Expired - Fee Related JP3100783B2 (ja) 1992-10-15 1992-10-15 ホスファチジルコリンおよびその製造方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US5519159A (ja)
EP (1) EP0665236B1 (ja)
JP (1) JP3100783B2 (ja)
DE (1) DE69327539T2 (ja)
WO (1) WO1994009015A1 (ja)

Families Citing this family (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE69725969T2 (de) * 1996-11-13 2004-09-02 Q.P. Corp. Phospholipid-zusammensetzung
US6814318B2 (en) 1999-08-18 2004-11-09 The Procter & Gamble Company Disposable cartridge for electrostatic spray device
US7078046B1 (en) 1999-08-18 2006-07-18 The Procter & Gamble Company Electrostatically-sprayable topical compositions having insulating external phase and conductive internal phase
US7712687B2 (en) * 1999-08-18 2010-05-11 The Procter & Gamble Company Electrostatic spray device
US6318647B1 (en) 1999-08-18 2001-11-20 The Procter & Gamble Company Disposable cartridge for use in a hand-held electrostatic sprayer apparatus
US7152817B2 (en) * 1999-08-18 2006-12-26 The Procter & Gamble Company Electrostatic spray device
US6311903B1 (en) 1999-08-18 2001-11-06 The Procter & Gamble Company Hand-held electrostatic sprayer apparatus
US6682004B2 (en) 1999-08-18 2004-01-27 The Procter & Gamble Company Electrostatic spray device
US6558682B2 (en) 1999-08-18 2003-05-06 The Procter & Gamble Company Discontinuous films from skin care compositions
USD433193S (en) * 1999-08-18 2000-10-31 The Procter & Gamble Company Sprayer
US6514504B1 (en) 1999-08-18 2003-02-04 The Procter & Gamble Company Discontinuous films from skin care compositions
US6531142B1 (en) 1999-08-18 2003-03-11 The Procter & Gamble Company Stable, electrostatically sprayable topical compositions
DE102011103948A1 (de) * 2011-06-06 2012-12-06 B. Braun Melsungen Ag Biopassivierende Beschichtung von Gefäßprothesen mit Nitrocarbonsäuren enthaltenden Phospholipiden
US9925229B1 (en) * 2015-10-15 2018-03-27 Paleo Life, Llc Anti-aging composition method
CN109851630B (zh) * 2017-11-30 2021-11-30 江苏曼氏生物科技股份有限公司 一种高含量磷脂酰乙醇胺的制备方法
CN111685191A (zh) * 2020-06-11 2020-09-22 蜜儿乐儿乳业(上海)有限公司 一种脂质组合物

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE3445949A1 (de) * 1984-12-17 1986-06-19 A. Nattermann & Cie GmbH, 5000 Köln Verfahren zur isolierung eines begleitphospholipid-freien phosphatidylcholins
DE3445950A1 (de) * 1984-12-17 1986-06-19 A. Nattermann & Cie GmbH, 5000 Köln Verfahren zur isolierung von lysophosphatidylcholin-freiem phosphatidylcholin aus ei-pulver
EP0259495B1 (en) * 1986-02-10 1991-04-17 Q.P. Corporation Process for producing egg yolk lecithin containing a reduced amount of pe and/or containing substantially no impurities
JPS62263109A (ja) * 1986-05-06 1987-11-16 Pola Chem Ind Inc リン脂質を安定に配合する方法
JPS63112589A (ja) * 1986-10-29 1988-05-17 Nippon Oil & Fats Co Ltd ホスフアチジルコリンの分離精製方法
JP2793317B2 (ja) * 1990-01-31 1998-09-03 株式会社ワイエムシィ ホスファチジルコリン或いはホスファチジルエタノールアミンの分離方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH06128278A (ja) 1994-05-10
EP0665236A4 (en) 1996-03-27
WO1994009015A1 (en) 1994-04-28
EP0665236A1 (en) 1995-08-02
US5519159A (en) 1996-05-21
EP0665236B1 (en) 2000-01-05
DE69327539T2 (de) 2001-01-04
DE69327539D1 (de) 2000-02-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3100783B2 (ja) ホスファチジルコリンおよびその製造方法
JP3782457B2 (ja) 分別植物油
DE69011739T2 (de) Verfahren zur Herstellung von Phosphatidsäure.
Panganamala et al. Positions of double bonds in the monounsaturated alk-1-enyl groups from the plasmalogens of human heart and brain
FI68158C (fi) Foerfarande foer avskiljning av olja och/eller fosfatidyletanolamin fraon alkoholloesliga fosfatidylkolinprodukter innehaollande dessa
JPS5942655B2 (ja) 油含有高純度ホスフアチジルコリンの製造方法
US8236978B2 (en) Process for producing sphingomyelin and plasmalogen-form glycerophospholipid
JPH064653B2 (ja) ホスフアチジルコリンの単離方法
WO2016148282A1 (ja) 脂質組成物及びその製造方法
US3544605A (en) Process for obtaining highly purified phosphatidylcholine and the product of this process
CA2164124A1 (en) Process for obtaining highly purified phosphatidylcholine
Eto et al. FATTY ACID COMPOSITION OF CHOLESTEROL ESTERS IN BRAINS OF PATIENTS WITH SCHILDER'S DISEASE, GM1‐GANGLIOSIDOSIS AND TAY‐SACHS DISEASE, AND ITS POSSIBLE RELATIONSHIP TO THE β‐POSITION FATTY ACIDS OF LECITHIN 1
EP0885896B1 (en) Phospholipid composition
Ruggieri et al. Lipid composition of Yoshida ascites hepatoma and of livers and blood plasma from host and normal rats
JPH0517918B2 (ja)
Odutuga et al. Fatty acid composition of neutral lipids and phospholipids of enamel and dentine from rat incisors and molars
Carballeira et al. 2-Hydroxy fatty acids from marine sponges 2. The phospholipid fatty acids of the Caribbean sponges Verongula gigantea and Aplysina archeri
EP0115981A1 (fr) Procédé de fractionnement des phosphatides
JP3531876B2 (ja) ドコサヘキサエン酸を含むリン脂質組成物の取得方法
JP2006265104A (ja) 皮膚外用剤用リン脂質誘導体、皮膚外用剤、リポソームおよび脂肪乳剤
JP2942302B2 (ja) ホスファチジルアスコルベート、その製造方法、乳化剤、過酸化脂質抑制剤及び化粧料
Baer et al. SYNTHESIS OF ENANTIOMERIC MIXED-ACID GLYCEROLPHOSPHATIDES: I. l-α-(α′-STEAROYL, β-OLEOYL) CEPHALIN AND l-α-(α′-OLEOYL, β-STEAROYL) CEPHALIN
JPH06228170A (ja) ホスファチジルクロマノール誘導体、その製造方法、抗酸化剤及び乳化剤
JPH01160988A (ja) ドコサヘキサエノイルジアシルグリセロールの製造法
Singleton et al. Computation of conversion factors to determine the phospholipid content in peanut oils

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090818

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120818

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees