JP3098555U - 爪切り - Google Patents
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Abstract
【課題】使用時はもちろんのこと、不使用時においても操作レバーの旋回動作を規制でき、しかも旋回規制構造を簡素化して爪切りの構成部品点数を増やさず、その分だけ製造コストが少なくて済む爪切りを提供する。
【解決手段】上下一対の刃体2・3を備えた爪切り本体1と、両刃体2・3を接近操作する操作レバー4とを備えている。操作レバー4と上側の刃体2との間に、縦軸8まわりの操作レバー4の旋回動作を規制する旋回規制構造を設ける。旋回規制構造は、上側の刃体2の上面に形成した突起15と、使用姿勢および折り畳み姿勢において突起15と対向する操作レバー4の上下面に形成した凹部16とで構成する。突起15は、上側の刃体2の壁面を上向きに塑性変形させて形成する。凹部16は、縦軸8との接当干渉を避ける逃げ溝9を利用して形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】上下一対の刃体2・3を備えた爪切り本体1と、両刃体2・3を接近操作する操作レバー4とを備えている。操作レバー4と上側の刃体2との間に、縦軸8まわりの操作レバー4の旋回動作を規制する旋回規制構造を設ける。旋回規制構造は、上側の刃体2の上面に形成した突起15と、使用姿勢および折り畳み姿勢において突起15と対向する操作レバー4の上下面に形成した凹部16とで構成する。突起15は、上側の刃体2の壁面を上向きに塑性変形させて形成する。凹部16は、縦軸8との接当干渉を避ける逃げ溝9を利用して形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は爪切りに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な爪切りは、ピンセット状に構成される上下の刃体と、両刃体の切刃どうしを接近操作する操作レバーなどで構成してある。操作レバーは、上下の刃体を上下に貫通する縦軸まわりに旋回操作でき、さらに、縦軸で支持される横軸まわりに起伏揺動できる。この種の爪切りにおいて、使用姿勢にした操作レバーが縦軸まわりに旋回移動するのを規制するために、操作レバーと上側の刃体との間に、互いに係合する旋回規制構造を設けることは公知である(特許文献1参照)。そこでは、支点突起が設けられる側の操作レバーの面壁に規制リブを設け、操作レバーと対向する上側の刃体の面壁に、先の規制リブと係合する溝を形成している。使用状態においては規制リブが溝内に嵌り込むので、操作レバーが縦軸まわりに旋回するのを規制できる。
【0003】
使用時における操作レバーの旋回動作を規制することに加え、不使用時における操作レバーの旋回動作をも規制できるようにした爪切りが提案されている(特許文献2参照)。そこでは、不使用時における操作レバーをレバー長手方向へスライド操作することにより、操作レバーに固定した押板の切欠が上側の刃体に通設したスリットの周縁壁に係合して、不使用姿勢を保持し、同時に操作レバーの旋回動作を規制できるようになっている。
【0004】
また、刃体によって切り取られた爪の破片が飛び散るのを防ぐため、爪切り本体の外側にケースを被せた爪切りが提案されている(特許文献3参照)。そこでは、爪切り本体のケースに対する前後動の限界を規制するために、下側の刃体の案内孔に、ケースの底壁に内向きに設けたストッパを係合させている。
【0005】
【特許文献1】
実公平6−30085号公報(第2頁右欄中段、第1図)
【特許文献2】
特開平11−113624号公報(段落番号0019、図2)
【特許文献3】
実公平7−29922号公報(第3頁左欄中段、第1図)
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
特許文献1の爪切りによれば、使用時における操作レバーの旋回動作を規制して、上下の刃体を適正に接近操作できる。しかし、操作レバーを折り畳んで上側の刃体に沿わせた状態においては、操作レバーが縦軸まわりに自由に旋回でき、しかも規制リブが操作レバーの上面に突出するので、ポケットやバッグに爪切りを収納した場合に、旋回した操作レバーや規制リブが引っ掛かって取り出しにくいことがある。操作レバーとは別に、規制リブを備えた装飾板が必要になるので、爪切りの構成部品点数が多くなり、その分だけ爪切りのコストが高く付く。規制リブを操作レバーと一体に形成することは不可能ではないが、加工コストが高く付く。
【0007】
特許文献2の爪切りによれば、使用時はもちろんのこと、不使用時における操作レバーの旋回動作も規制できるので、ポケットやバッグに爪切りを収納する場合でも、問題なく出し入れできる。しかし、操作レバーの縦軸の近傍にてこ支点が設けられているにもかかわらず、使用状態においては、押板に設けた溝(切欠)を支点にして、操作レバーがてこ作用を発揮する構造になっている。つまり、縦軸近傍のてこ支点より離れた位置にある押板の溝が、操作レバーのてこ支点になっており、その分だけ強い力で操作レバーを押し下げなければならず、操作しにくい。
【0008】
特許文献3の爪切りによれば、上下の両刃体間の側面がケースで覆われているため、切爪が飛び散ることを防止でき、さらに案内孔とストッパとの係合が爪切り本体のケースに対する前後動の限界を規制するので、爪切り本体がケースから抜け外れない。しかし、爪切り本体のケースに対する前後動はどの位置においても固定されないので、使用の最中に前後方向にぐらつくことがあって使い勝手が悪い。また不使用時には両刃体の刃先が、ケースよりも前方でむき出しになっているため、爪切りをポケットやバッグに収納した場合に、刃先が他物を傷つけるおそれがある。
【0009】
本考案の目的は、使用時はもちろんのこと、不使用時における操作レバーの旋回動作をも規制でき、従って、ポケットやバッグに収納する場合でも支障なく出し入れできる爪切りを提供することにある。本考案の目的は、旋回規制構造を備えていながらも、その構造を簡素化して爪切りの構成部品点数を増やさず、その分だけ製造コストが少なくて済む爪切りを提供することにある。本考案の目的は、切爪飛散防止用のケースを備えた爪切りにおいて、爪切り本体とケースとの前後方向の位置決めを図り、不使用時には刃先をケース内に収納して固定することができる爪切りを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本考案の爪切りは、図2に示すように上下一対の刃体2・3を備えた爪切り本体1と、両刃体2・3を接近操作する操作レバー4とを備えている。操作レバー4と爪切り本体1とは、爪切り本体1を上下に貫通する縦軸8と、縦軸8で支持される横軸10とを介して連結されている。操作レバー4は、縦軸8まわりに旋回でき、また横軸10まわりに起伏揺動できる。操作レバー4の揺動基端に、上側の刃体2と接当する支点突起5を設ける。操作レバー4と上側の刃体2との間に、操作レバー4の縦軸8まわりの旋回動作を規制する旋回規制構造を設ける。旋回規制構造は、上側の刃体2と操作レバー4との接当面に設けられて、互いに係合する突起15と凹部16とで構成する。これにより、使用姿勢と折り畳み姿勢のいずれの姿勢においても操作レバー4を旋回不能に姿勢保持できる。
【0011】
具体的には、上側の刃体2の上面に突起15を形成し、使用姿勢および折り畳み姿勢において突起15と対向する操作レバー4の上下面に凹部16を形成する。
【0012】
突起15は、上側の刃体2の壁面を上向きに塑性変形させて形成する。操作レバー4の揺動基端に、縦軸8との接当干渉を避ける逃げ溝9を利用して凹部16を形成する。
【0013】
別の旋回規制構造においては、操作レバー4の上下面に突起15を形成し、操作レバー4を使用姿勢および折り畳み姿勢にした状態において、前記突起15と対向する上側の刃体2の上面に凹部16を形成する。
【0014】
凹部16は上側の刃体2の壁面を下向きに塑性変形させて形成し、操作レバー4の揺動基端の上下面のそれぞれに突起15を形成する。
【0015】
爪切り本体1の前方を開放して少なくともその両側方を覆う切爪飛散防止用のケース13を備えた爪切りにおいては、上下の刃体2・3の両側縁に切欠30を設け、ケース13の側壁26の内側には、係合突起27を設ける。上下の両刃体2・3の前端及びこの切欠30が、係合突起27に係合することにより、爪切り本体1のケース13に対する前後方向の位置決めを図る。
【0016】
また、ケース13は、前方を開放する箱体であって、底壁24は前方に行くに従って天壁23と離れるように傾斜しており、天壁23と底壁24とはそれぞれ前端から中央部にかけて切り欠かれて左右両側壁26・26が外方に弾性拡開変形するよう構成されている。前記切欠30は、上下の刃体2・3の前方寄りの両側縁に前後二対ずつ設けることができる。
【0017】
ケース13を備えた爪切りにおいては、操作レバー4の縦軸8まわりの旋回動作を規制する上記の旋回規制構造を、操作レバー4と上側の刃体2又はケース13の天壁23との間に、設けることができる。この場合に旋回規制構造は、操作レバー4と上側の刃体2又はケース13の天壁23との接当面に設けられて、互いに係合する突起15と凹部16とで構成される。これによって使用姿勢と折り畳み姿勢のいずれの姿勢においても操作レバー4を旋回不能に姿勢保持できる。
【0018】
【考案の作用効果】
本考案の爪切りにおいては、上側の刃体2と操作レバー4との接当面に設けられて互いに係合する突起15と凹部16とで旋回規制構造を構成し、使用姿勢と折り畳み姿勢のいずれの姿勢においても突起15と凹部16とが係合する。これによって使用時はもちろんのこと、不使用時における操作レバー4の旋回動作をも規制でき、ポケットやバッグに収納する場合でも支障なく出し入れできる爪切りが得られる。
【0019】
上側の刃体2の上面に突起15を形成し、使用姿勢および折り畳み姿勢において突起15と対向する操作レバー4の上下面に凹部16を形成した爪切りによれば、使用姿勢と折り畳み姿勢のいずれの状態においても、突起15が凹部16内に収容されるので、突起15に他物が引っ掛かるのを防止でき、ポケットやバッグに収納した爪切りの出し入れをさらに円滑に行うことができる。
【0020】
上側の刃体2の壁面を上向きに塑性変形させて突起15を形成し、縦軸8との接当干渉を避ける逃げ溝9を利用して凹部16を形成した爪切りによれば、旋回規制構造を備えていながら爪切りの構成部品点数を増やさずに済み、その分だけ構造を簡素化して爪切りの製造コストを削減できる。
【0021】
操作レバー4の上下面に突起15を形成し、突起15と対向する上側の刃体2の上面に凹部16を形成した爪切りによれば、使用姿勢と折り畳み姿勢のいずれの姿勢においても突起15と凹部16とが係合して、使用時はもちろんのこと、不使用時における操作レバー4の旋回動作をも規制できる。刃体2の側に突起15を設けると、操作レバー4を旋回操作して姿勢を変更するときに、操作レバー4の側縁が突起15に接当干渉する可能性があるが、操作レバー4の側に突起15を設けると、そのように接当干渉することがなく、使い勝手のよい爪切りが得られる。
【0022】
上側の刃体2の壁面を下向きに塑性変形させて凹部16を形成し、操作レバー4の揺動基端の上下面のそれぞれに突起15を形成した爪切りによれば、旋回規制構造を備えていながら爪切りの構成部品点数を増やさずに済み、その分だけ構造を簡素化して爪切りの製造コストを削減できる。
【0023】
ケース13を備えた爪切りにおいて、上下の刃体2・3の両側縁に切欠30が設けられていると、切欠30とケース13の内側に設けられた係合突起27とが係合して爪切り本体1とケース13との前後方向の位置決めを図ることができ、使用時には刃の位置が前後にぐらつくことなく安定して使用することができる。また不使用時には刃先がケース13内に収納されて上下の刃体2・3の前端と係合突起27とが係合して固定されるので、刃先が他物を傷つけることがない。
【0024】
前記切欠30が、上下の刃体2・3の前方寄りの両側縁に前後二対ずつ設けられていると、使用時、切爪清掃時、不使用時のそれぞれの場合において爪切り本体1をケース13に対して前後方向に位置決めすることができる。その際に、ケース13が、前方を開放する箱体であって、底壁24が前方に行くに従って天壁23と離れるように傾斜していると、ケース13を握って操作レバー4を前方に押し出すことにより本体1を前方に移動させやすい。また、天壁23と底壁24とがそれぞれ前端から中央部にかけて切り欠かれていると、左右両側壁26・26が弾性的に外方に拡開変形し、上下の刃体2・3の両側縁が係合突起27を乗り越えて各固定位置間で爪切り本体1を移動させやすい。
【0025】
このようなケース13を備えた爪切りに、前記の操作レバー4の旋回規制構造が設けてあると、使用時の操作レバー4の旋回を防止するので使い勝手がさらによくなり、不使用時には他物への引っ掛かりをなくすことができる。
【0026】
【実施例】
(第1実施例)
本考案に係る爪切りの実施例を図1ないし図4に示す。図3において爪切りは、上下一対の刃体2・3を有する爪切り本体1と、両刃体2・3を接近操作する操作レバー4とからなる。両刃体2・3は、それぞれプレス加工と研削加工を経て形成してあり、一端上下に対向する切刃2a・3aを備えており、他端の接合面同士がスポット溶接によって分離不能に一体化してある。上下の切刃2a・3aは適当な隙間を間にして上下に対向している。
【0027】
操作レバー4は亜鉛ダイキャスト成形品からなり、前端(揺動基端)の下面側に三角形状の支点突起5を一体に備えており、支点突起5に連続する前端周面を丸めて上側の刃体2の上面と摺接する摺接面6を形成している。レバー後端には指掛部7が形成してある。レバー前端には、縦軸8との接当干渉を避ける逃げ溝9が形成され、さらに横軸10を装着するための水平のピン穴11が形成してある。
【0028】
操作レバー4と爪切り本体1とは、上下の切刃2a・3aの遊端寄りにおいて爪切り本体1を上下に貫通する縦軸8と、縦軸8で支持される横軸10を介して連結する。これにより、操作レバー4は縦軸8まわりに旋回移動でき、さらに横軸10まわりに起伏揺動して、使用姿勢(図1の状態)と折り畳み姿勢(図2の状態)とを切り換えることができる。縦軸8は頭付きの丸ピンからなり、その上端寄りに横軸10用のピン穴12が形成してある。横軸10は小径の金属ピンからなる。
【0029】
使用姿勢と折り畳み姿勢のいずれの姿勢においても操作レバー4を旋回不能に姿勢保持するために、操作レバー4と上側の刃体2との間に旋回規制構造を設ける。旋回規制構造は、上側の刃体2と操作レバー4との接当面に設けられて、互いに係合する突起15と凹部16とで構成する。操作レバー4の刃体2との接当面は、使用姿勢と折り畳み姿勢とで異なり、使用姿勢においては支点突起5の揺動基端側の傾斜面5aが刃体2と接当し(図1参照)、折り畳み姿勢においては支点突起5と対向する平坦面4aが刃体2と接当する(図2参照)。
【0030】
図3および図4に示すように、突起15は上側の刃体2の壁面を上向きに突出変形させて形成し、使用姿勢および折り畳み姿勢において突起15と対向する操作レバー4の上下面に凹部16を形成する。この実施例では、先に説明した逃げ溝9の上下の開口縁部を利用して凹部16とした。本来、逃げ溝9は、例えば図7に示すように縦軸8との接当干渉を避ける奥行き寸法があればよいが、逃げ溝9を利用して凹部16とするために、図2に示すように、従来の爪切りに比べてその奥行き寸法Wを拡大し、溝奥端が支点突起5の支点部分より後ろ側の傾斜面5bの途中まで開口するようにした。
【0031】
図3に示すように、突起15の塑性加工を容易にするために、その前後の壁面に捨穴17を打抜き形成する。これら捨穴17のうち、前側の捨穴17を縦軸8の挿通穴18として利用することにより、別途、挿通穴18を形成する手間を省いて、刃体2の加工工数を減らすことができる。下側の刃体3には、縦軸8の直径寸法よりやや大きめの挿通穴19が通設してある。
【0032】
上記のように、突起15を刃体2と一体に形成し、凹部16を逃げ溝9を利用して形成すると、旋回規制構造を付加しているにもかかわらず部品点数が増加するのを防止できるので、旋回規制構造を備えている爪切りを従来の爪切りと同程度のコストで製造できる。また、使用時はもちろんのこと、不使用時においても操作レバー4が縦軸8まわりに旋回するのを規制できるので、爪切りをポケットやバッグに収納する場合でも他物に引っ掛かることなく出し入れできる。この実施例の爪切りは、従来の爪切りと同様に使用する。
【0033】
図5は突起15の変形例を示す。そこでは、上側の刃体2の壁面を上向きに折り起こして、左右一対の突起15を形成した。この実施例によれば、突起15と凹部16の係合長さを大きくとることができるので、操作レバー4の旋回をさらに確実に防止できる。上下の凹部16は区分壁21によって区切られて独立した凹みとして形成してある。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同じ扱いとする。
【0034】
(第2実施例) 図6および図7は、本考案に係る爪切りの別の実施例を示す。そこでは、操作レバー4の上下面のそれぞれに突起15を形成し、両突起15と対向する上側の刃体2の上面に凹部16を形成する点が先の実施例と異なる。詳しくは、片方の突起15を、支点突起5の支点部分の近傍で、前側の傾斜面5aの幅方向中央部に形成し、他方の突起15を、レバーの前端寄りの平坦面4aの幅方向中央部に形成する。凹部16は上側の刃体2の壁面を下向きに塑性変形させて形成する。
【0035】
(第3実施例) 図8および図9は、本考案に係る爪切りのさらに別の実施例を示す。そこでは、操作レバー4の下面に突起15を、上面に凹部16をそれぞれ形成し、これら両者に対応する凹部16と突起15とを上側の刃体2の上面に形成する点が、先の実施例と異なる。詳しくは、操作レバー4の支点突起5の近傍に突起15を形成し、指掛部7の上面に凹部16を形成する。上側の刃体2の側には、上面の前端寄りに、操作レバー4の突起15に対応する凹部16を形成し、上下の刃体2・3の接合固定部分の上面に、指掛部7の凹部16に係合する突起15を設ける。両刃体2・3の接合固定部分に設けた突起15は、上下の刃体2・3をかしめ固定する締結具を兼ねることができ、その場合には、両刃体2・3をスポット溶接することは必ずしも要しない。
【0036】
(第4実施例)
図10ないし図13は、爪切り本体1と操作レバー4とのほかに、切爪飛散防止用のケース13を備えた爪切りに関する実施例を示す。図13に示すように、上下の刃体2・3のそれぞれ前方寄りの両側縁には、半円形の切欠30が、前側の切欠30a・30a、後ろ側の切欠30b・30bのそれぞれ二対ずつ設けられている。操作レバー4の平坦面4aの後端には、旋回規制構造として突起15が設けられている。突起15の前側面は図11に示すようになだらかに傾斜している。また、操作レバー4の傾斜面5aには突起15を設け、これに対応する凹部16を上側の刃体2に設ける。
【0037】
合成樹脂製のケース13は、前方を開放した略箱体であって、図13に示すように底壁24は前方に行くに従って天壁23と離れるように傾斜している。天壁23と底壁24とは、それぞれ前端から長手方向中央部にかけて大きく切り欠かれており、ケース13の左右両側壁26・26が外方に向かって弾性的に拡開変形するように構成されている。左右両側壁26・26の前端には、前記切欠30に係合し得るこれよりやや小径の半円柱状の係合突起27が上下にわたって設けてある。ケース13の後ろ側には、後端から中央方向に向かって上下に貫通する溝28が設けられている。これにより爪切り本体1の後端寄りにストラップ孔31を設けた場合に、ケース13のうえからストラップ孔31にキーホルダなどを通すことができる。溝28は同時に、操作レバー4の後端の突起15が係合する凹部16の役割も果たす。
【0038】
ケース13の係合突起27は、不使用時、使用時、切爪清掃時のそれぞれにおいて、図12に示すように、両刃体2・3の前端、両刃体2・3の前側の切欠30a、後ろ側の切欠30bにそれぞれ係合して爪切り本体1をケース13に対して各位置で固定する。ケース13の左右両側壁26・26を外方に弾性変形させることにより、爪切り本体1の両側縁は係合突起27を乗り越えて各位置間を移動することができる。不使用時には両刃体2・3の前端に係合突起27が係合することにより、両切刃2a・3aを完全にケース13内に収納して固定することができ、携帯の際に他物を傷つけることがない。また、使用時には前側の切欠30aと係合突起27とが係合し、使用時に前後方向にぐらつくことなく安定して爪切り作業を行うことができ、切爪の飛散も確実に防止できる。後ろ側の切欠30bと係合突起27とを係合させると、両刃体2・3内にたまった切爪を捨てる際に爪切り本体1がケース13に対して前後に移動することがなく、便利である。
【0039】
上記の構成の爪切りにおいて、操作レバー4を折り畳んだ状態においては、図11に示すようにケース13の溝28に、操作レバー4の突起15が係合しており、操作レバー4の旋回が規制される。この状態から、操作レバー4の後端を前方に押すと、操作レバー4の後端に設けられた突起15の前側の傾斜面が溝28の前端縁に乗り上がり、操作レバー4がケース13の天壁23から浮き上がって指でつかみやすくなる。操作レバー4を旋回移動した使用姿勢においては、図10に示すように傾斜面5a側の突起15が、上刃体2の上面に設けた凹部16に嵌り込み、使用時の旋回を規制する。
【0040】
上記の実施例以外に、図1で説明した凹部16は、逃げ溝9とは別に形成することができ、その場合の凹部16は、図5で説明した凹部16と同様に区分壁21を設けて形成することができる。図6で説明した突起15は、操作レバー4に別体のピンを打ち込んで形成することができる。係合突起27は、縦長に形成する以外に、上下の各刃体2・3の切欠30にそれぞれ係合するように上下の各位置に複数設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】操作レバーを使用姿勢にした状態での第1実施例の要部の縦断側面図
【図2】操作レバーを折り畳み姿勢にした状態での第1実施例の要部の縦断側面図
【図3】第1実施例の構成部材の分解斜視図
【図4】図2におけるA−A線断面図
【図5】第1実施例の突起の変形例を示す図4に相当する縦断正面図
【図6】第2実施例の要部の縦断側面図
【図7】第2実施例において操作レバーを折り畳み姿勢にした状態での要部の縦断側面図
【図8】第3実施例を示す縦断側面図
【図9】第3実施例の操作レバーを折り畳み姿勢にした状態での一部切り欠き縦断側面図
【図10】第4実施例を示す一部切り欠き縦断側面図
【図11】第4実施例の操作レバーを折り畳み姿勢にした状態での一部切り欠き側面図
【図12】第4実施例の要部の平面図
【図13】第4実施例の爪切りとケースとを示す斜視図
【符号の説明】
1 爪切り本体
2 上側の刃体
3 下側の刃体
4 操作レバー
5 支点突起
8 縦軸
9 逃げ溝
10 横軸
13 ケース
15 突起
16 凹部
27 係合突起
30 切欠
【考案の属する技術分野】
本考案は爪切りに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般的な爪切りは、ピンセット状に構成される上下の刃体と、両刃体の切刃どうしを接近操作する操作レバーなどで構成してある。操作レバーは、上下の刃体を上下に貫通する縦軸まわりに旋回操作でき、さらに、縦軸で支持される横軸まわりに起伏揺動できる。この種の爪切りにおいて、使用姿勢にした操作レバーが縦軸まわりに旋回移動するのを規制するために、操作レバーと上側の刃体との間に、互いに係合する旋回規制構造を設けることは公知である(特許文献1参照)。そこでは、支点突起が設けられる側の操作レバーの面壁に規制リブを設け、操作レバーと対向する上側の刃体の面壁に、先の規制リブと係合する溝を形成している。使用状態においては規制リブが溝内に嵌り込むので、操作レバーが縦軸まわりに旋回するのを規制できる。
【0003】
使用時における操作レバーの旋回動作を規制することに加え、不使用時における操作レバーの旋回動作をも規制できるようにした爪切りが提案されている(特許文献2参照)。そこでは、不使用時における操作レバーをレバー長手方向へスライド操作することにより、操作レバーに固定した押板の切欠が上側の刃体に通設したスリットの周縁壁に係合して、不使用姿勢を保持し、同時に操作レバーの旋回動作を規制できるようになっている。
【0004】
また、刃体によって切り取られた爪の破片が飛び散るのを防ぐため、爪切り本体の外側にケースを被せた爪切りが提案されている(特許文献3参照)。そこでは、爪切り本体のケースに対する前後動の限界を規制するために、下側の刃体の案内孔に、ケースの底壁に内向きに設けたストッパを係合させている。
【0005】
【特許文献1】
実公平6−30085号公報(第2頁右欄中段、第1図)
【特許文献2】
特開平11−113624号公報(段落番号0019、図2)
【特許文献3】
実公平7−29922号公報(第3頁左欄中段、第1図)
【0006】
【考案が解決しようとする課題】
特許文献1の爪切りによれば、使用時における操作レバーの旋回動作を規制して、上下の刃体を適正に接近操作できる。しかし、操作レバーを折り畳んで上側の刃体に沿わせた状態においては、操作レバーが縦軸まわりに自由に旋回でき、しかも規制リブが操作レバーの上面に突出するので、ポケットやバッグに爪切りを収納した場合に、旋回した操作レバーや規制リブが引っ掛かって取り出しにくいことがある。操作レバーとは別に、規制リブを備えた装飾板が必要になるので、爪切りの構成部品点数が多くなり、その分だけ爪切りのコストが高く付く。規制リブを操作レバーと一体に形成することは不可能ではないが、加工コストが高く付く。
【0007】
特許文献2の爪切りによれば、使用時はもちろんのこと、不使用時における操作レバーの旋回動作も規制できるので、ポケットやバッグに爪切りを収納する場合でも、問題なく出し入れできる。しかし、操作レバーの縦軸の近傍にてこ支点が設けられているにもかかわらず、使用状態においては、押板に設けた溝(切欠)を支点にして、操作レバーがてこ作用を発揮する構造になっている。つまり、縦軸近傍のてこ支点より離れた位置にある押板の溝が、操作レバーのてこ支点になっており、その分だけ強い力で操作レバーを押し下げなければならず、操作しにくい。
【0008】
特許文献3の爪切りによれば、上下の両刃体間の側面がケースで覆われているため、切爪が飛び散ることを防止でき、さらに案内孔とストッパとの係合が爪切り本体のケースに対する前後動の限界を規制するので、爪切り本体がケースから抜け外れない。しかし、爪切り本体のケースに対する前後動はどの位置においても固定されないので、使用の最中に前後方向にぐらつくことがあって使い勝手が悪い。また不使用時には両刃体の刃先が、ケースよりも前方でむき出しになっているため、爪切りをポケットやバッグに収納した場合に、刃先が他物を傷つけるおそれがある。
【0009】
本考案の目的は、使用時はもちろんのこと、不使用時における操作レバーの旋回動作をも規制でき、従って、ポケットやバッグに収納する場合でも支障なく出し入れできる爪切りを提供することにある。本考案の目的は、旋回規制構造を備えていながらも、その構造を簡素化して爪切りの構成部品点数を増やさず、その分だけ製造コストが少なくて済む爪切りを提供することにある。本考案の目的は、切爪飛散防止用のケースを備えた爪切りにおいて、爪切り本体とケースとの前後方向の位置決めを図り、不使用時には刃先をケース内に収納して固定することができる爪切りを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本考案の爪切りは、図2に示すように上下一対の刃体2・3を備えた爪切り本体1と、両刃体2・3を接近操作する操作レバー4とを備えている。操作レバー4と爪切り本体1とは、爪切り本体1を上下に貫通する縦軸8と、縦軸8で支持される横軸10とを介して連結されている。操作レバー4は、縦軸8まわりに旋回でき、また横軸10まわりに起伏揺動できる。操作レバー4の揺動基端に、上側の刃体2と接当する支点突起5を設ける。操作レバー4と上側の刃体2との間に、操作レバー4の縦軸8まわりの旋回動作を規制する旋回規制構造を設ける。旋回規制構造は、上側の刃体2と操作レバー4との接当面に設けられて、互いに係合する突起15と凹部16とで構成する。これにより、使用姿勢と折り畳み姿勢のいずれの姿勢においても操作レバー4を旋回不能に姿勢保持できる。
【0011】
具体的には、上側の刃体2の上面に突起15を形成し、使用姿勢および折り畳み姿勢において突起15と対向する操作レバー4の上下面に凹部16を形成する。
【0012】
突起15は、上側の刃体2の壁面を上向きに塑性変形させて形成する。操作レバー4の揺動基端に、縦軸8との接当干渉を避ける逃げ溝9を利用して凹部16を形成する。
【0013】
別の旋回規制構造においては、操作レバー4の上下面に突起15を形成し、操作レバー4を使用姿勢および折り畳み姿勢にした状態において、前記突起15と対向する上側の刃体2の上面に凹部16を形成する。
【0014】
凹部16は上側の刃体2の壁面を下向きに塑性変形させて形成し、操作レバー4の揺動基端の上下面のそれぞれに突起15を形成する。
【0015】
爪切り本体1の前方を開放して少なくともその両側方を覆う切爪飛散防止用のケース13を備えた爪切りにおいては、上下の刃体2・3の両側縁に切欠30を設け、ケース13の側壁26の内側には、係合突起27を設ける。上下の両刃体2・3の前端及びこの切欠30が、係合突起27に係合することにより、爪切り本体1のケース13に対する前後方向の位置決めを図る。
【0016】
また、ケース13は、前方を開放する箱体であって、底壁24は前方に行くに従って天壁23と離れるように傾斜しており、天壁23と底壁24とはそれぞれ前端から中央部にかけて切り欠かれて左右両側壁26・26が外方に弾性拡開変形するよう構成されている。前記切欠30は、上下の刃体2・3の前方寄りの両側縁に前後二対ずつ設けることができる。
【0017】
ケース13を備えた爪切りにおいては、操作レバー4の縦軸8まわりの旋回動作を規制する上記の旋回規制構造を、操作レバー4と上側の刃体2又はケース13の天壁23との間に、設けることができる。この場合に旋回規制構造は、操作レバー4と上側の刃体2又はケース13の天壁23との接当面に設けられて、互いに係合する突起15と凹部16とで構成される。これによって使用姿勢と折り畳み姿勢のいずれの姿勢においても操作レバー4を旋回不能に姿勢保持できる。
【0018】
【考案の作用効果】
本考案の爪切りにおいては、上側の刃体2と操作レバー4との接当面に設けられて互いに係合する突起15と凹部16とで旋回規制構造を構成し、使用姿勢と折り畳み姿勢のいずれの姿勢においても突起15と凹部16とが係合する。これによって使用時はもちろんのこと、不使用時における操作レバー4の旋回動作をも規制でき、ポケットやバッグに収納する場合でも支障なく出し入れできる爪切りが得られる。
【0019】
上側の刃体2の上面に突起15を形成し、使用姿勢および折り畳み姿勢において突起15と対向する操作レバー4の上下面に凹部16を形成した爪切りによれば、使用姿勢と折り畳み姿勢のいずれの状態においても、突起15が凹部16内に収容されるので、突起15に他物が引っ掛かるのを防止でき、ポケットやバッグに収納した爪切りの出し入れをさらに円滑に行うことができる。
【0020】
上側の刃体2の壁面を上向きに塑性変形させて突起15を形成し、縦軸8との接当干渉を避ける逃げ溝9を利用して凹部16を形成した爪切りによれば、旋回規制構造を備えていながら爪切りの構成部品点数を増やさずに済み、その分だけ構造を簡素化して爪切りの製造コストを削減できる。
【0021】
操作レバー4の上下面に突起15を形成し、突起15と対向する上側の刃体2の上面に凹部16を形成した爪切りによれば、使用姿勢と折り畳み姿勢のいずれの姿勢においても突起15と凹部16とが係合して、使用時はもちろんのこと、不使用時における操作レバー4の旋回動作をも規制できる。刃体2の側に突起15を設けると、操作レバー4を旋回操作して姿勢を変更するときに、操作レバー4の側縁が突起15に接当干渉する可能性があるが、操作レバー4の側に突起15を設けると、そのように接当干渉することがなく、使い勝手のよい爪切りが得られる。
【0022】
上側の刃体2の壁面を下向きに塑性変形させて凹部16を形成し、操作レバー4の揺動基端の上下面のそれぞれに突起15を形成した爪切りによれば、旋回規制構造を備えていながら爪切りの構成部品点数を増やさずに済み、その分だけ構造を簡素化して爪切りの製造コストを削減できる。
【0023】
ケース13を備えた爪切りにおいて、上下の刃体2・3の両側縁に切欠30が設けられていると、切欠30とケース13の内側に設けられた係合突起27とが係合して爪切り本体1とケース13との前後方向の位置決めを図ることができ、使用時には刃の位置が前後にぐらつくことなく安定して使用することができる。また不使用時には刃先がケース13内に収納されて上下の刃体2・3の前端と係合突起27とが係合して固定されるので、刃先が他物を傷つけることがない。
【0024】
前記切欠30が、上下の刃体2・3の前方寄りの両側縁に前後二対ずつ設けられていると、使用時、切爪清掃時、不使用時のそれぞれの場合において爪切り本体1をケース13に対して前後方向に位置決めすることができる。その際に、ケース13が、前方を開放する箱体であって、底壁24が前方に行くに従って天壁23と離れるように傾斜していると、ケース13を握って操作レバー4を前方に押し出すことにより本体1を前方に移動させやすい。また、天壁23と底壁24とがそれぞれ前端から中央部にかけて切り欠かれていると、左右両側壁26・26が弾性的に外方に拡開変形し、上下の刃体2・3の両側縁が係合突起27を乗り越えて各固定位置間で爪切り本体1を移動させやすい。
【0025】
このようなケース13を備えた爪切りに、前記の操作レバー4の旋回規制構造が設けてあると、使用時の操作レバー4の旋回を防止するので使い勝手がさらによくなり、不使用時には他物への引っ掛かりをなくすことができる。
【0026】
【実施例】
(第1実施例)
本考案に係る爪切りの実施例を図1ないし図4に示す。図3において爪切りは、上下一対の刃体2・3を有する爪切り本体1と、両刃体2・3を接近操作する操作レバー4とからなる。両刃体2・3は、それぞれプレス加工と研削加工を経て形成してあり、一端上下に対向する切刃2a・3aを備えており、他端の接合面同士がスポット溶接によって分離不能に一体化してある。上下の切刃2a・3aは適当な隙間を間にして上下に対向している。
【0027】
操作レバー4は亜鉛ダイキャスト成形品からなり、前端(揺動基端)の下面側に三角形状の支点突起5を一体に備えており、支点突起5に連続する前端周面を丸めて上側の刃体2の上面と摺接する摺接面6を形成している。レバー後端には指掛部7が形成してある。レバー前端には、縦軸8との接当干渉を避ける逃げ溝9が形成され、さらに横軸10を装着するための水平のピン穴11が形成してある。
【0028】
操作レバー4と爪切り本体1とは、上下の切刃2a・3aの遊端寄りにおいて爪切り本体1を上下に貫通する縦軸8と、縦軸8で支持される横軸10を介して連結する。これにより、操作レバー4は縦軸8まわりに旋回移動でき、さらに横軸10まわりに起伏揺動して、使用姿勢(図1の状態)と折り畳み姿勢(図2の状態)とを切り換えることができる。縦軸8は頭付きの丸ピンからなり、その上端寄りに横軸10用のピン穴12が形成してある。横軸10は小径の金属ピンからなる。
【0029】
使用姿勢と折り畳み姿勢のいずれの姿勢においても操作レバー4を旋回不能に姿勢保持するために、操作レバー4と上側の刃体2との間に旋回規制構造を設ける。旋回規制構造は、上側の刃体2と操作レバー4との接当面に設けられて、互いに係合する突起15と凹部16とで構成する。操作レバー4の刃体2との接当面は、使用姿勢と折り畳み姿勢とで異なり、使用姿勢においては支点突起5の揺動基端側の傾斜面5aが刃体2と接当し(図1参照)、折り畳み姿勢においては支点突起5と対向する平坦面4aが刃体2と接当する(図2参照)。
【0030】
図3および図4に示すように、突起15は上側の刃体2の壁面を上向きに突出変形させて形成し、使用姿勢および折り畳み姿勢において突起15と対向する操作レバー4の上下面に凹部16を形成する。この実施例では、先に説明した逃げ溝9の上下の開口縁部を利用して凹部16とした。本来、逃げ溝9は、例えば図7に示すように縦軸8との接当干渉を避ける奥行き寸法があればよいが、逃げ溝9を利用して凹部16とするために、図2に示すように、従来の爪切りに比べてその奥行き寸法Wを拡大し、溝奥端が支点突起5の支点部分より後ろ側の傾斜面5bの途中まで開口するようにした。
【0031】
図3に示すように、突起15の塑性加工を容易にするために、その前後の壁面に捨穴17を打抜き形成する。これら捨穴17のうち、前側の捨穴17を縦軸8の挿通穴18として利用することにより、別途、挿通穴18を形成する手間を省いて、刃体2の加工工数を減らすことができる。下側の刃体3には、縦軸8の直径寸法よりやや大きめの挿通穴19が通設してある。
【0032】
上記のように、突起15を刃体2と一体に形成し、凹部16を逃げ溝9を利用して形成すると、旋回規制構造を付加しているにもかかわらず部品点数が増加するのを防止できるので、旋回規制構造を備えている爪切りを従来の爪切りと同程度のコストで製造できる。また、使用時はもちろんのこと、不使用時においても操作レバー4が縦軸8まわりに旋回するのを規制できるので、爪切りをポケットやバッグに収納する場合でも他物に引っ掛かることなく出し入れできる。この実施例の爪切りは、従来の爪切りと同様に使用する。
【0033】
図5は突起15の変形例を示す。そこでは、上側の刃体2の壁面を上向きに折り起こして、左右一対の突起15を形成した。この実施例によれば、突起15と凹部16の係合長さを大きくとることができるので、操作レバー4の旋回をさらに確実に防止できる。上下の凹部16は区分壁21によって区切られて独立した凹みとして形成してある。他は先の実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。以下の実施例においても同じ扱いとする。
【0034】
(第2実施例) 図6および図7は、本考案に係る爪切りの別の実施例を示す。そこでは、操作レバー4の上下面のそれぞれに突起15を形成し、両突起15と対向する上側の刃体2の上面に凹部16を形成する点が先の実施例と異なる。詳しくは、片方の突起15を、支点突起5の支点部分の近傍で、前側の傾斜面5aの幅方向中央部に形成し、他方の突起15を、レバーの前端寄りの平坦面4aの幅方向中央部に形成する。凹部16は上側の刃体2の壁面を下向きに塑性変形させて形成する。
【0035】
(第3実施例) 図8および図9は、本考案に係る爪切りのさらに別の実施例を示す。そこでは、操作レバー4の下面に突起15を、上面に凹部16をそれぞれ形成し、これら両者に対応する凹部16と突起15とを上側の刃体2の上面に形成する点が、先の実施例と異なる。詳しくは、操作レバー4の支点突起5の近傍に突起15を形成し、指掛部7の上面に凹部16を形成する。上側の刃体2の側には、上面の前端寄りに、操作レバー4の突起15に対応する凹部16を形成し、上下の刃体2・3の接合固定部分の上面に、指掛部7の凹部16に係合する突起15を設ける。両刃体2・3の接合固定部分に設けた突起15は、上下の刃体2・3をかしめ固定する締結具を兼ねることができ、その場合には、両刃体2・3をスポット溶接することは必ずしも要しない。
【0036】
(第4実施例)
図10ないし図13は、爪切り本体1と操作レバー4とのほかに、切爪飛散防止用のケース13を備えた爪切りに関する実施例を示す。図13に示すように、上下の刃体2・3のそれぞれ前方寄りの両側縁には、半円形の切欠30が、前側の切欠30a・30a、後ろ側の切欠30b・30bのそれぞれ二対ずつ設けられている。操作レバー4の平坦面4aの後端には、旋回規制構造として突起15が設けられている。突起15の前側面は図11に示すようになだらかに傾斜している。また、操作レバー4の傾斜面5aには突起15を設け、これに対応する凹部16を上側の刃体2に設ける。
【0037】
合成樹脂製のケース13は、前方を開放した略箱体であって、図13に示すように底壁24は前方に行くに従って天壁23と離れるように傾斜している。天壁23と底壁24とは、それぞれ前端から長手方向中央部にかけて大きく切り欠かれており、ケース13の左右両側壁26・26が外方に向かって弾性的に拡開変形するように構成されている。左右両側壁26・26の前端には、前記切欠30に係合し得るこれよりやや小径の半円柱状の係合突起27が上下にわたって設けてある。ケース13の後ろ側には、後端から中央方向に向かって上下に貫通する溝28が設けられている。これにより爪切り本体1の後端寄りにストラップ孔31を設けた場合に、ケース13のうえからストラップ孔31にキーホルダなどを通すことができる。溝28は同時に、操作レバー4の後端の突起15が係合する凹部16の役割も果たす。
【0038】
ケース13の係合突起27は、不使用時、使用時、切爪清掃時のそれぞれにおいて、図12に示すように、両刃体2・3の前端、両刃体2・3の前側の切欠30a、後ろ側の切欠30bにそれぞれ係合して爪切り本体1をケース13に対して各位置で固定する。ケース13の左右両側壁26・26を外方に弾性変形させることにより、爪切り本体1の両側縁は係合突起27を乗り越えて各位置間を移動することができる。不使用時には両刃体2・3の前端に係合突起27が係合することにより、両切刃2a・3aを完全にケース13内に収納して固定することができ、携帯の際に他物を傷つけることがない。また、使用時には前側の切欠30aと係合突起27とが係合し、使用時に前後方向にぐらつくことなく安定して爪切り作業を行うことができ、切爪の飛散も確実に防止できる。後ろ側の切欠30bと係合突起27とを係合させると、両刃体2・3内にたまった切爪を捨てる際に爪切り本体1がケース13に対して前後に移動することがなく、便利である。
【0039】
上記の構成の爪切りにおいて、操作レバー4を折り畳んだ状態においては、図11に示すようにケース13の溝28に、操作レバー4の突起15が係合しており、操作レバー4の旋回が規制される。この状態から、操作レバー4の後端を前方に押すと、操作レバー4の後端に設けられた突起15の前側の傾斜面が溝28の前端縁に乗り上がり、操作レバー4がケース13の天壁23から浮き上がって指でつかみやすくなる。操作レバー4を旋回移動した使用姿勢においては、図10に示すように傾斜面5a側の突起15が、上刃体2の上面に設けた凹部16に嵌り込み、使用時の旋回を規制する。
【0040】
上記の実施例以外に、図1で説明した凹部16は、逃げ溝9とは別に形成することができ、その場合の凹部16は、図5で説明した凹部16と同様に区分壁21を設けて形成することができる。図6で説明した突起15は、操作レバー4に別体のピンを打ち込んで形成することができる。係合突起27は、縦長に形成する以外に、上下の各刃体2・3の切欠30にそれぞれ係合するように上下の各位置に複数設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】操作レバーを使用姿勢にした状態での第1実施例の要部の縦断側面図
【図2】操作レバーを折り畳み姿勢にした状態での第1実施例の要部の縦断側面図
【図3】第1実施例の構成部材の分解斜視図
【図4】図2におけるA−A線断面図
【図5】第1実施例の突起の変形例を示す図4に相当する縦断正面図
【図6】第2実施例の要部の縦断側面図
【図7】第2実施例において操作レバーを折り畳み姿勢にした状態での要部の縦断側面図
【図8】第3実施例を示す縦断側面図
【図9】第3実施例の操作レバーを折り畳み姿勢にした状態での一部切り欠き縦断側面図
【図10】第4実施例を示す一部切り欠き縦断側面図
【図11】第4実施例の操作レバーを折り畳み姿勢にした状態での一部切り欠き側面図
【図12】第4実施例の要部の平面図
【図13】第4実施例の爪切りとケースとを示す斜視図
【符号の説明】
1 爪切り本体
2 上側の刃体
3 下側の刃体
4 操作レバー
5 支点突起
8 縦軸
9 逃げ溝
10 横軸
13 ケース
15 突起
16 凹部
27 係合突起
30 切欠
Claims (8)
- 上下一対の刃体2・3を備えた爪切り本体1と、両刃体2・3を接近操作する操作レバー4とを備えており、
操作レバー4と爪切り本体1とは、爪切り本体1を上下に貫通する縦軸8と、縦軸8で支持される横軸10とを介して連結されて、操作レバー4が縦軸8まわりに旋回でき、かつ横軸10まわりに起伏揺動でき、
操作レバー4の揺動基端に、上側の刃体2と接当する支点突起5が設けられており、
操作レバー4と上側の刃体2との間に、操作レバー4の縦軸8まわりの旋回動作を規制する旋回規制構造が設けてある爪切りであって、
旋回規制構造が、上側の刃体2と操作レバー4との接当面に設けられて、互いに係合する突起15と凹部16とで構成されており、
使用姿勢と折り畳み姿勢のいずれの姿勢においても操作レバー4を旋回不能に姿勢保持できることを特徴とする爪切り。 - 上側の刃体2の上面に突起15が形成され、使用姿勢および折り畳み姿勢において突起15と対向する操作レバー4の上下面に凹部16が形成されている請求項1記載の爪切り。
- 突起15が、上側の刃体2の壁面を上向きに塑性変形させて形成されており、
操作レバー4の揺動基端に、縦軸8との接当干渉を避ける逃げ溝9を利用して凹部16が形成されている請求項2記載の爪切り。 - 操作レバー4の上下面に突起15が形成され、操作レバー4を使用姿勢および折り畳み姿勢にした状態において、前記突起15と対向する上側の刃体2の上面に凹部16が形成されている請求項1記載の爪切り。
- 凹部16が、上側の刃体2の壁面を下向きに塑性変形させて形成されており、
操作レバー4の揺動基端の上下面のそれぞれに突起15が形成されている請求項4記載の爪切り。 - 上下一対の刃体2・3を備えた爪切り本体1と、両刃体2・3を接近操作する操作レバー4と、爪切り本体1の前方を開放して少なくともその両側方を覆う切爪飛散防止用のケース13とを備えており、
操作レバー4と爪切り本体1とは、爪切り本体1を上下に貫通する縦軸8と、縦軸8で支持される横軸10とを介して連結されて、操作レバー4が縦軸8まわりに旋回でき、かつ横軸10まわりに起伏揺動でき、
操作レバー4の揺動基端に、上側の刃体2と接当する支点突起5が設けられており、
上下の刃体2・3の両側縁に切欠30を有し、上下の刃体2・3の前端及び前記切欠30が、前記ケース13の両側壁26の内側に設けられた係合突起27に係合することにより爪切り本体1のケース13に対する前後方向の位置決めを図ることを特徴とする爪切り。 - 前記ケース13は、前方を開放する箱体であって、底壁24は前方に行くに従って天壁23と離れるように傾斜しており、
天壁23と底壁24とはそれぞれ前端から中央部にかけて切り欠かれて左右両側壁26・26が外方に弾性拡開変形するよう構成されており、
前記切欠30は、上下の刃体2・3の前方寄りの両側縁に前後二対ずつ設けられており、
前記係合突起27は、ケース13の両側壁26の内側前端に設けられている請求項6記載の爪切り。 - 操作レバー4と上側の刃体2又はケース13の天壁23との間に、操作レバー4の縦軸8まわりの旋回動作を規制する旋回規制構造が設けてあり、
旋回規制構造が、操作レバー4と上側の刃体2又はケース13の天壁23との接当面に設けられて、互いに係合する突起15と凹部16とで構成されており、使用姿勢と折り畳み姿勢のいずれの姿勢においても操作レバー4を旋回不能に姿勢保持できることを特徴とする請求項6記載の爪切り。
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Cited By (2)
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JP2020130650A (ja) * | 2019-02-20 | 2020-08-31 | 株式会社ソルクス・デザイン | 爪切り具 |
CN111671222A (zh) * | 2018-11-09 | 2020-09-18 | 朴圣薰 | 一种便于弯腰困难的人使用的脚趾甲刀 |
-
2003
- 2003-06-13 JP JP2003003493U patent/JP3098555U/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN111671222A (zh) * | 2018-11-09 | 2020-09-18 | 朴圣薰 | 一种便于弯腰困难的人使用的脚趾甲刀 |
JP2020130650A (ja) * | 2019-02-20 | 2020-08-31 | 株式会社ソルクス・デザイン | 爪切り具 |
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