JP3097748B2 - 改良されたチタン‐アルミ合金 - Google Patents

改良されたチタン‐アルミ合金

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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明はチタン基合金に係り、より詳細には、高温で
高い強度を有するチタン−アルミ合金に係る。本発明の
合金は、エンジニアリング材料として有用であるくらい
充分な室温延性と破壊靭性も合わせもっている。
アルミニウム原子1個に対してチタン原子3個を含有
するアルミ化チタン化合物は、鉄もしくはニッケルを基
とする超合金または通常のチタン合金と比べて密度が低
くて強度が高いため技術的に極めて重要である。チタン
合金業界ではこの化合物をTi3Alと表示しており、本明
細書中でも以後三チタンアルミニウムとよぶことにす
る。一般に、三チタンアルミニウム合金はいくつかの機
械的性質のためにその有用性が限られている。いくつか
の限定的な性質とは、室温での延性が低いこと、破壊に
対する耐性が極めて低いこと、そして1200゜Fを越える
温度では治金学的安定性がないことである。したがっ
て、三チタンアルミニウム合金を鉄やニッケルを基とす
る超合金の代わりに使用するには、三チタンアルミニウ
ム合金の室温延性、破壊靭性および1200゜F以上での治
金学的安定性を改良しなければならない。
ガスタービンのさまざまな部品で作動温度はいろいろ
あるため、この種のエンジンで使われる合金の高温強度
と安定性に対する要求はますます増大している。たとえ
ば、タービンセクション内の部品は1600゜Fまでの温度
で作動させる必要があることがあるが、コンプレッサー
内の部品は1400゜Fで作動させることができ、またケー
シングやフローオーグメンター(流れ増大器)などのよ
うな部品では作動温度がさらに低い。現在知られている
三チタンアルミニウム合金は、低めの応力がかかる固定
部品用途において約1100゜Fまでの温度で作動すること
ができる工学材料として有用であるために必要となる機
械的性質を組合せて示す。したがって、アルミ化三チタ
ン合金の高温強度と安定性を改良することによって、こ
れらの合金をガスタービンをさらに多くの部品に使用す
ることができる。
チタン合金のミクロ組織と組成の変化によるそれらの
合金の変化の様子とは当業者でよく知られている。チタ
ン合金にアルミニウムを添加するとチタン合金の結晶形
態が変化する。アルミニウムの割合が少ないとアルミニ
ウムはチタンに溶けて固溶体を形成し、その結晶形態は
純粋なチタンの結晶形を保つ。すなわち、最密六方晶系
α相である。アルミニウムの割合が高くなって約25〜35
%となると、α−2といわれる秩序化された六方晶系の
結晶形を有する金属間化合物である三チタンアルミニウ
ムを形成する。本発明の三チタンアルミニウム合金は従
来技術の三チタンアルミニウム合金と比べて改良されて
いるのでこの応用分野で重要な材料である。さらに、本
発明のチタン−アルミ合金は従来技術の三チタンアルミ
ニウム合金の結晶形と異なる結晶形をもっている。
純粋なチタンの場合α相はおよそ1615゜Fで体心立方
晶形β相に変態する。低温のα相が高温のβ相に変態す
るこの温度は変態温度といわれている。α安定化剤とし
て知られているある種の元素はα相を安定化し、そのた
めそのような合金の変態温度は1615゜Fより高くなる。
ニオブなどのような他の元素は二相のα+β領域を安定
化する。チタン合金の場合、α相からβ相への変態は単
一の温度で起こるのではなく、α相とβ相が両方とも安
定なある範囲の温度で起こる。その結果、アルミ化チタ
ン合金では、β相安定化剤を添加すると、アルミニウム
の含有率に応じてα相またはα−2相と混合されたβ相
の二重相構造の形成を助長することができる。
ニオブおよびモリブデンやバナジウムなどのような他
のβ相安定化剤を限られた量で添加すると三チタンアル
ミニウム合金の室温延性とクリープ強度が改善されるこ
とが示されているが、そのような改善に付随して高温強
度の損失が伴う。アルミ化チタンに関する研究の多くは
ガスタービン向けの用途をねらったものである。ガスタ
ービン用のアルミ化チタンで望ましい性質の組合せは、
室温と高温での高強度および延性、高弾性率、クリープ
強度、および鍛造性である。したがって、ガスタービン
に使用する材料ではたくさんの性質のバランスが必要と
される。しかし、従来技術の三チタンアルミニウム合金
を使用する場合、強度と延性の間の望ましくない析衷案
が必要とされる。
破壊靭性は亀裂の拡大に対する抵抗性の目安であり、
インチの平方根×ksiの単位で測定され、ときに と省略することもある。従来技術の三チタンアルミニウ
ム合金の破壊靭性は10〜20ksi×インチの平方根の範囲
内である。この従来技術の三チタンアルミニウム合金の
破壊靭性は、現在ガスタービンの回転部材に使用されて
いる超合金の破壊靭性である よりずっと低い。したがって、三チタンアルミニウム合
金の破壊靭性を大幅に増大させることができれば極めて
望ましく、ガスタービン中の回転部材の要求条件に合致
するであろう。
ウィンター(Winter)の米国特許第3,411,901号に
は、原子%で26.6%のアルミニウム、9%のニオブ、0.
8%のケイ素、残部がチタンという組成に近いアルミ化
チタン合金が延性と強度の最適の組合せを有することが
示されている。また、ウィンター(Winter)は、アルミ
とニオブの含有率をこの最適な組成より増大すると硬さ
と強さが低下するのが見出されるとも教示している。本
明細書中では時として、たとえば上記の合金をTi−26.6
Al−9Nb−0.8Siとして示すように合金を省略して記載し
ている。本明細書中で示す合金の組成はすべて原子%で
表わす。
ブラックバーン(Blackburn)らの米国特許第4,292,0
77号には、25〜27%のアルミニウムと12〜16%のニオブ
を含有する三チタンアルミニウム合金である種の機械的
性質が最適化されることが示されている。また、ニオブ
の含有率を16%より高くすることは、このレベルを越え
てもクリープ強度に改善はほとんど見られないため望ま
しくないことも、ブラックバーン(Blackburn)によっ
て示されている。アルミ化三チタン合金中のニオブを増
大させると密度が増加してしまうので、ニオブを16%よ
り多くするとクリープ強度/密度の比が悪くなる。破壊
靭性要件の低いガスタービン部材の製造に有効であると
思われ、産業界で認識されている三チタンアルミニウム
合金は、ブラックバーン(Blackburn)らの合金から誘
導され、Ti−24Al−11Nbの組成を有する。
ブラックバーン(Blackburn)らの米国特許第4,716,0
20号は、上記特許第4,292,077号の改良であり、同様な
合金ではあるが0.5〜4%のモリブデンが添加され、ニ
オブの添加量が多少低めで7〜15.5%である合金を開示
している。ニオブの一部の代わりに、0.5〜3.5%のバナ
ジウムを添加することができる。この組成のもので産業
界で認識されている参照合金はTi−25Al−10Nb−3V−1M
oである。米国特許第4,716,020号が教示しているのは、
モリブデンが、米国特許第4,292,077号の基本的なTi−N
b−Al合金の高温強度とクリープ強度とを改善するのに
特にユニークな添加元素であるということである。しか
し、Ti−Al−Nb−V−Mo合金の強度は増大したが、それ
に付随して、室温での破壊に対する合金の抵抗性がTi−
24Al−11Nb合金と比べて望ましくない程に低下してしま
うのである。
ウィンター(Winter)もブラックバーン(Blackbur
n)らも、16原子%までの限られた量でニオブを添加す
るとアルミ合金の性質が最適化されるということを見出
した。その後、ブラックバーン(Blackburn)らは、上
記米国特許第4,716,020号においてTi−Al−Nb合金の高
温強度およびクリープ破壊特性を改善した。ただし、ニ
オブの含有率をかえたのではなく、モリブデンを添加し
たのである。
ウィンター(Winter)およびブラックバーン(Blackb
urn)らの発見とは逆に、本発明者らは、ニオブの含有
率を16原子%よりかなり高くすることによって、アルミ
化チタン合金の高温強度と破壊靭性がこれらの従来技術
の合金の程度を上回って改良されることを発見した。
本発明の合金は三チタンアルミニウム合金に典型的な
チタン含有率とアルミニウム含有率を有している。一
方、三チタンアルミニウム合金はその通常の低温相構造
としてα−2結晶形をもっていることが知られている。
本発明の合金は、また、β相を安定化させるニオブの含
有率が、ウィンター(Winter)の合金やブラックバーン
(Blackburn)らの合金に比べてかなり大きくなってい
る。イオブはβ相安定化剤であるから、三チタンアルミ
ニウム合金中にニオブが存在すると三チタンアルミニウ
ム合金の低温α−2相中にいくらかのβ相が維持される
ことが予想されよう。たとえば、ブラックバーン(Blac
kburn)らのニオブを含有する三チタンアルミニウム合
金中の好ましいミクロ組織は、β相の円盤と混合した針
状のα−2相によって特徴付けられるウィドマンステッ
テン(Widmanstatten)組織である。驚いたことには、
本発明の合金でニオブが実質的に16原子%を越えても、
α−2相の量が低下してβ相の量が増加することはなか
った。その代わりに本発明の合金では、三チタンアルミ
ニウム合金中に存在することが知られている六方晶系α
−2結晶形または体心立方β結晶形ではなく、秩序化さ
れた斜方晶系の結晶形を有する新しいミクロ組織が発見
された。本発明の合金中にはβ相、秩序化されたβ相ま
たはα−2相が存在してもよいが、本発明の合金におけ
る特性の改良の主要な原因は斜方晶形相の存在であると
考えられる。秩序化された斜方晶系相は金属間化合物Ti
2AlNbを形成すると思われる。
したがって、本発明のひとつの目的は、容積分率でそ
のミクロ組織の少なくとも25%を構成する実質的な部分
が斜方晶系の結晶形であるアルミ化チタン合金を提供す
ることである。
また、本発明のもうひとつ別の目的は、16原子%より
かなり高いニオブが添加されており、かつ1500゜Fまで
の高温で卓越した引張強さをもち、一方有用な工学材料
を形成することができる程充分な室温での延性および良
好な破壊靭性は保持しているようなアルミ化チタン合金
を提供することである。
発明の概要 以上の目的およびその他の目的は、約18〜30原子%の
アルミニウムと約18〜34原子%のニオブを含有し残部が
本質的にチタンからなるチタン基合金を提供することに
よって達成される。「残部が本質的にチタンからなる」
という用語の意味は、チタンが、含有率においてその合
金中に存在する他のいかなる元素より大きい主要な元素
であり、上記の原子%の残りの原子%を占めるというこ
とである。しかし、本発明の合金の強度、延性および破
壊靭性を達成する上で障害とならない他の元素が不純物
として、すなわち障害とならない程度で存在していても
よい。不純物量として、酸素、炭素および窒素は各々0.
6原子%未満であるべきであり、タングステンは1.5原子
%未満であるべきである。
約18〜30%のアルミニウムと約18〜34%のニオブを含
有し残部が本質的にチタンからなる本発明の合金は、少
なくとも1500゜Fまでの温度での高い降伏強さと良好な
破壊靭性とをもっている。本明細書中で使用する「高い
降伏強さ」という用語は、この合金が従来技術の三チタ
ンアルミニウム合金の降伏強さと少なくとも同じくらい
高い降伏強さをもっているという意味である。もっと
も、従来技術の三チタンアルミニウム合金の高い降伏強
さは約1110゜Fまでの温度で達成されるのみである。本
明細書中で「良好な破壊靭性」という用語は、本発明の
合金が従来技術の三チタンアルミニウム合金のもつ10〜
20ksi×インチの平方根という破壊靭性に少なくとも匹
敵する破壊靭性を有するという意味である。
本発明のさらに好ましい合金は、約18〜25.5%のアル
ミニウムと約20〜34%のニオブを含有し残部が本質的に
チタンからなり、少なくとも1500゜Fまでの温度での高
い降伏強さと卓越した破壊靭性とを有する。本明細書中
で使用する「卓越した破壊靭性」という用語は、本発明
の合金が従来技術の三チタンアルミニウム合金のもつ10
〜20ksi×インチの平方根という破壊靭性と少なくとも
同じくらい高く、さらにはそれより高い破壊靭性を有す
るということを意味する。
本発明の別の好ましい合金は、約23〜30%のアルミニ
ウムと約18〜28%のニオブを含有し残部が本質的にチタ
ンからなり、少なくとも1500゜Fまでの温度での卓越し
た降伏強さと良好な破壊靭性とを有する。本明細書中で
使用する「卓越した降伏強さ」という用語は、本発明の
合金が従来技術の三チタンアルミニウム合金の降伏強さ
と少なくとも同じくらい高く、さらにはそれより高い降
状強さを有するということを意味する。
本発明のさらに別の好ましい合金は、約21〜26%のア
ルミニウムと約19.5〜28%のニオブを含有し残部が本質
的にチタンからなり、破壊靭性と少なくとも1500゜Fま
での温度での高い降状高さとの卓越した組合せを有す
る。本明細書中で使用する「破壊靭性と高い降伏強さの
卓越した組合せ」という用語は、本発明の合金が従来技
術の三チタンアルミニウム合金と少なくとも同じくらい
高く、さらにはそれより高い破壊靭性と降伏強さの組合
せを有するという意味である。
本発明者は、驚くべきことに、本発明のチタン−アル
ミ合金中のニオブ含有率を約18〜34%にすると高温強度
が高まることを発見した。この強度の増大は室温での延
性を損うことがなく、さらにニオブを含有する従来技術
の三チタンアルミニウム合金よりも破壊靭性が増大す
る。本発明の合金では、降伏強さと密度との比が、ニオ
ブを含有する従来技術の三チタンアルミニウム合金と比
べて約50%以上も大きく増大している。
以下の説明は、添付の図面を参照するとより明瞭に理
解できるであろう。
発明の詳細な説明 本発明のチタン−アルミ合金は1500゜F以上までの高
温で110ksi以上までの卓越した降伏強さを示す。また、
本発明の合金は室温延性と良好な破壊靭性とを維持して
いるので有用なエンジニアリング材料を構成することが
できる。本発明の合金は第1〜4図に示されており、そ
のチタン、アルミニウムおよびニオブの原子%は第1〜
4図に示した三元組成図の斜線を付けた領域にほぼ相当
する。当業界での検索のためには、本発明の合金は第1
図に示した三元組成図で斜線を付けた領域の外側の境界
を指示して記載することができる。第2〜4図に示した
三元組成図の斜線を付けた領域で示される合金は第1図
の三元組成図の斜線領域内にある。第1図の三元組成図
の外側の境界は、アルミニウムが約18〜30%、ニオブが
約18〜34%、残部が本質的にチタンである。しかし、特
許請求の範囲に記載されている組成物は第1〜4図に示
されている合金含有率に基づいている。
本発明の合金の破壊靭性は、第2図に示した三元組成
図の斜線を付けた領域にほぼ相当する組成物によって特
に改良される。降伏強さは、第3図の三元組成図で斜線
を付けた領域にほぼ相当する組成物によって特に改良さ
れる。また、第4図の三元組成図で斜線を付けた領域に
ほぼ相当する組成物によると、降伏強さと破壊靭性の両
方が改良される。
実施例 製造した一連とアルミ化チタン合金の組成を下記表I
にまとめて示す。
表Iでサンプル1〜17は本発明の合金の範囲を決定す
るために調合した組成を有する。サンプル番号18と19
は、参照(比較用)合金としてブラックバーン(Blackb
urn)らの米国特許第4,292,077号の組成物から調製し
た。サンプル番号1〜11を有する合金を非消耗性アーク
融解し、溶融紡糸法により急速に凝固してリボンとし
た。このリボンを1785゜Fで熱間静水圧プレス法により
締固めてシリンダーとした。1830゜Fで熱間ダイ鍛造を
実施してシリンダーの高さを約6:1に減らしてディスク
にした。サンプル番号12〜17は非消耗性アーク融解して
平らなボタンとし、1830゜Fで熱間ダイ鍛造してボタン
を約3:1に減らしてディスクにした。
鍛造したディスクを機械加工して長方形のブランクと
し、ゲッターを用いてアルゴンを充填した熱処理用石英
管の内部のチタン管内に封入した。このゲッター管はイ
ットリウムをゲッターとして収容している。イットリウ
ムは酸素と窒素に対する親和性が大きいので、アルゴン
でパージした管中に残存する酸素と窒素によってチタン
ブランクが汚染されるのを最小にする。
これらのブランクを2段階でアニールした。第一段階
のアニーリングはβ−1相線(transus)のすぐ上の温
度で行なった。このβ−1相線は、チタンまたはチタン
合金のミクロ組織が低温のαまたはα−2相から高温の
β相へと変態する温度である。β−1相線温度はチタン
合金の組成に応じて変化する。したがって、この第一段
階のアニーリングは、実施例の合金1〜17から調製した
サンプルの組成に応じてその組成物のβ−1相線温度の
すぐ上の温度で実施した。このβ−1相線温度より上で
の第一段階のアニーリングは2050から2280゜Fまでで1
〜2時間の範囲であった。いくつかのブランクは1830゜
Fでβ−1相線より低い第一段階アニーリングを行なっ
て、より細かい結晶粒度にした。第二段階のアニーリン
グは1600゜Fで2〜4時間であった。
各ブランクに対して使用した個々のアニーリング時間
と温度を以下の表II〜VIIIに示す。次に、アニーリング
したブランクを機械加工して、3×4×25mmの三点曲げ
試験棒、ビッカース硬さ試験用の小片、および25×2.5
×2.5mmの破壊靭性試験用ノッチ付き棒にした。また、
合金907のブランクからは、一組の1.5×3×25mmの四点
曲げ試験棒も機械加工により調製した。
従来技術による参照合金は、表I中でサンプル番号18
および19として示した組成を有するインゴットを購買し
て用意した。インゴットを、これらの合金の機械的性質
を最適にすることが知られている鍛造および圧延パラメ
ーターを用いて加工処理して5×55×220mmの板にし
た。これらの板を2125゜Fで1時間熱処理し、ファンで
冷却し、1400゜Fに1時間再加熱した後炉冷した。こう
して熱処理した板から電極放電加工によりブランクを調
製した。ブランクを切削加工して、ゲージ幅0.08イン
チ、ゲージ長0.25インチ、厚み0.06インチの平らな引張
試験片を作製した。ビッカース硬さ試験用の小片も機械
加工によりブランクから作製した。さらに、3×4×25
mmの三点曲げ試験棒も機械加工によりブランクから作製
した。
本発明のサンプル合金から調製したブランクの高温強
度を、従来技術の参照合金から調製したブランクと比較
するために2つの方法を使用した。第一の方法は、ダイ
ヤモンドによるピラミッド形の跡を見るビッカース硬さ
(VHN)を室温から1830゜Fまでの温度において決定する
ことであった。第二の方法は、曲げ試験用の大きさに機
械加工した試験棒に対して室温から1700゜Fまでで曲げ
試験を実施することであった。
押込み硬さは材料の降伏強さの指標になることが、ハ
ースト(W.Hirst)とハウス(M.G.J.W.Howse)によっ
て、王立科学アカデミー会報(Proceedings of the Roy
al Society A.)第311巻、第429〜444頁(1969年)の
「くさびによる材料の押込み(The Indentation of mat
erials by Wedges)」において示されているので、ビッ
カース硬さを測定した。また、チャン(S.S.Chiang)、
マーシャル(D.B.Marshall)およびエバンス(A.G.Evan
s)は、応用物理誌(Journal of Applied Physics)の
第53巻、第298〜311頁(1982年)の「弾性/塑性押込み
に対する固体の応答I。応力および残留応力(The Resp
onse of Solids to Elastic/Plastic Indentation,I.St
resses and Residual Stresses)」において、押込み硬
さと降伏強さとの関連を支持する実験データを示してい
る。
押込み硬さと降伏強さとの関連を決定するために、サ
ンプル18の組成物から調製したブランクに対してビッカ
ースのダイヤモンドピラミッド硬さ試験と引張試験を実
施した。サンプル18は、表Iに合金989として示した従
来技術の参照合金のひとつである。引張試験とビッカー
ス硬さ試験は72゜Fから1500゜Fまでの温度範囲に亘って
実施した。引張試験の結果を表IIに、ビッカース硬さ試
験の結果を表IIIに示す。
ビッカース硬さ試験は、合金989から調製した試片に
対して、押込み荷重が1000グラムのピラミッド状ダイヤ
モンド圧子を用いて実施した。引張降伏強さ試験は、イ
ンストロン(INSTRON)引張試験機で、1984年のASTM規
格年報(Annual Book of ASTM standars)の第03.01
巻、第130−150頁、ASTM規格E8、「金属材料の引張試験
標準法(Standard Methods of Tension Testing of Met
allic Materials)」で推奨されている歪み速度を用い
て実施した。
第5図のグラフは、縦座標に引張降伏強さとビッカー
ス硬さ数の比をプロットし、横座標に試験した温度範囲
をプロットしたものである。第5図のグラフは、チタン
−アルミ合金における引張降伏強さとビッカース硬さ数
の間の線形関係を示している。この線形関係は、引張降
伏強さが定数0.314にビッカース硬さ数を掛けた値に等
しいと説明することができる。すなわち、Yを降伏強さ
とし、VHNをビッカース硬さ数として式に表わすと、引
張降伏強さとビッカース硬さとの線形関係はY=0.314
×VHNとなる。
次に、表Iの合金529から調製したブランクに対して
室温から1830゜Fまでのビッカース硬さを測定し、合金9
89から導かれたのと同じ比例定数0.314を使用して降伏
強さを求めた。このようにして、合金529と参照合金989
の降伏強さを、ビッカース硬さ試験に基づいて室温から
1500゜F以上の温度に亘って比較することができた。こ
の比較の結果を第6図に示す。なお、比較のために、ブ
ラックバーン(Blackburn)らの米国特許第4,716,020号
の表Iの第3欄に開示されている合金Ti−25Al−10Nb−
3V−1Moの高温での降伏強さも第6図に示した。この第
6図の比較から明らかなように、本発明の合金では、ニ
オブを含有する従来技術の三チタンアルミニウム合金と
比べて、さらにはニオブ、バナジウムおよびモリブデン
を含有する改良された三チタンアルミニウム合金と比べ
ても改良された低温および高温での強さが得られる。
本発明の合金の高温強度を評価するのに使用した第二
の方法は三点曲げ試験である。サンプル番号2、3およ
び5に関して上記したのと同様に加工した三点曲げ試験
棒を真空中で1200〜1800゜Fの温度で試験した。三点曲
げ試験は、米国陸軍省規格MIL−STD−1942A(提案)
「高性能セラミックスの室温における曲げ強さ(Flexur
al Strength of High Performance Ceramics at Ambien
t Temperatures)」に従って実施した。また、サンプル
17から調製したブランクに対して、上記で引用した米国
陸軍省の規格に従って四点曲げ試験を実施した。0.2%
外側繊維降伏強さと破断時の外側繊維歪みの推定値を求
めた。この0.2%外側繊維降伏強さは外側の繊維の塑性
歪みが0.2%であるような応力である。外側繊維歪みは
延性の尺度であり、破断時に曲げ試験片の外側繊維表面
が受ける塑性変形の量である。達成することができた最
大の歪みは、装着した試験棒に対する干渉が生起する前
の曲げの量に制限があるため約5〜6%であった。
この曲げ試験の較正は、従来技術の参照合金989から
調製した試験棒に対して曲げ試験を行ない、これらの結
果を合金989に対して行なった一軸引張試験(表IIに示
した)と比較することによって行なった。0.2%引張降
伏強さYTと0.2%曲げ降伏強さYBの比を温度の関数とし
てプロットしたのが第7図である。この実験データは線
形関係YT=0.67×YBで良く一致した。
表Iのサンプル2、3、5および17の組成物から調製
したブランクで得られた曲げ試験結果を下記表IVとVに
示す。上で確立された線形関係YT=0.67×YBを使用する
ことにより、表IVとVに示したそれぞれの曲げ試験に対
して引張降伏強さを計算した。
表IVはβ−1相線温度より高温で熱処理したブランク
で得られた降伏強さ試験結果を示し、一方、表Vはβ−
1相線温度より低温で熱処理したサンプルの試験結果を
示している。表IVと表Vを比較すると分かるように、本
発明の合金の降伏強さは一般にβ−1相線温度より高温
で熱処理することによって改良される。また、表IVと表
IIを比較すると、本発明の合金の引張降伏強さはニオブ
を含有する従来技術の三チタンアルミニウム合金と比べ
て200%も改良されることが分かる。
標準的な金属組織学的方法を用いて本発明の合金のミ
クロ組織を検査した。表Iで5〜11の番号を付けたサン
プルから調製したブランクから得た金属組織学的試験片
を1800から2190゜Fまでの範囲の温度で約2時間熱処理
して、本発明の合金が低温相からβ相などのような高温
相へと変態する温度範囲を決定した。また、番号5〜11
のサンプルから調製したこれらの試験片をこれらの温度
で熱処理して、本発明の合金をその相変態温度より高温
に加熱した後冷却する場合にいかなるミクロ組織が発達
するかを決定した。このような加熱と冷却により発達す
るミクロ組織は変態ミクロ組織といわれる。
表Iで1〜4および12〜17の番号を付けたサンプルか
ら調製したブランクから得た試験片を70〜100時間の範
囲の時間に亘り1200から2000゜Fまでの範囲の温度で熱
処理した。このように70〜100時間もの長期に亘って熱
処理したのは、本発明の合金のミクロ組織の安定性を測
定するためであった。
次に、番号1〜17のサンプルから得た試験片を金属組
織学的に検査して、熱処理によっていかなる金属組織学
的な変化が生起したかを調べた。酸素による汚染を防ぐ
ためにサンプルはすべて熱処理の間カプセルに封入し
た。金属組織学的な検査結果を下記表VIに示す。
これらの試験片の金属組織学的検査により、ミクロ組
織の中には、安定であるか、または番号1〜4および12
〜17のサンプルから得た試験片に対して行なった長期の
アニーリングの後でも多少の再結晶を示すだけのものが
あることが示された。これらの安定なミクロ組織は、表
VI中でミクロ組織の欄にタイプ1、2または3と示し
た。別の合金では、共析晶相、結晶粒界相または非常に
鋭い針状の相にみえるものが析出した。これは表VIでタ
イプ4のミクロ組織として示した。さらにその他のサン
プル合金は、平行なラメラ相およびウィドマンステッテ
ン分解を示し、下記ではタイプ5のミクロ組織として特
徴付けた。
番号1〜5のサンプルと従来技術のサンプル合金19か
ら調製したノッチ付き試験棒に対して破壊靭性の測定を
行なった。いくつかのサンプルは下記表VIIIに示されて
いるように1200゜Fから2000゜Fまでの温度でさらに100
時間の熱処理を行なった。この試験は、1981年米国ペン
シルベニア州フィラデルフィアのアメリカ材料試験協会
(American Society for Testing and Materials)編、
ASTM規格1981年版第10部、金属−機械的、破壊および腐
蝕試験、疲労、腐蝕および摩耗、温度の影響(Metals−
Mechanical,Fracture and Corrosion testing;Fatigue:
Erosion and Wear;Effect of Temperature)、第588〜6
18頁にあるASTM標準法E399−81すなわち金属材料の平面
歪み破壊靭性の標準試験法(Standard Test Method for
Plane−Strain Fracture Toughness of Metallic Mate
rials)に従って三点曲げにより室温で実施した。しか
し、試験棒は疲労による予備亀裂を示さなかったので、
ここではKQとして表示した破壊靭性は相対値として示
す。この測定値により、本発明の合金を表Iで合金番号
996としたサンプル合金19と比較してランク付けするた
めの破壊靭性が推定できる。アニーリングした試験棒に
対する破壊靭性試験結果を以下の表VIIに示し、さらに1
00時間の時効化処理をした試験棒の結果を表VIIIに示
す。
表VIIは、本発明の合金の中には従来技術の合金996の
破壊靭性に匹敵するものがいくつかあり、さらにはそれ
を越えるものさえあることを示している。表VIIIは、少
なくとも1800゜Fまでの温度で100時間までの長期間に亘
って加熱した本発明の合金で破壊靭性の損失は極めて少
ないことを示している。
本発明の合金の密度を、あるサンプルの空気中におけ
る重量とシリコーン中における重量とを比較することに
よって決定した。密度8.88g/cm3のニッケルサンプルを
標準として使用した。この密度は、下記表IXで示されて
いるいろいろな組成に対して5.0g/cm3から6.0g/cm3まで
変化していた。
ブラックバーン(Blackburn)らの合金Ti−24Al−11N
b及びTi−25Al−10Nb−3V−1Moの密度はそれぞれ4.7お
よび4.64g/cm3であることが知られている。本発明の合
金の密度に関して補正した強度を、各々の合金の降伏強
さをその密度で割ることによって求めた。この補正した
強度をブラックバーン(Blackburn)らの合金の補正し
た強度と比較することができる。第8図は、本発明の合
金と従来技術の三チタンアルミニウム合金との、密度で
補正した強度の比較を示している。降伏強さ/密度比の
増大は改良点と考えられる。というのは、この材料を使
用すると、より重い材料から作製した部品と同じ強度ま
たは耐力能を与える軽量の部品を作製することができる
からである。ガスタービンの場合、密度の小さい部品を
用いると、回転部品における遠心応力が少なくなると共
にそのガスタービンの全重量が低下する。
第8図を参照すると分かるように、本発明の合金はニ
オブを含有する従来技術の三チタンアルミニウム合金と
比べて降伏強さ/密度の比が少なくとも50%改良されて
いる。また、本発明の合金の中にはニオブ、バナジウム
およびモリブデンを含有する従来技術の三チタンアルミ
ニウム合金と比べても改良された降伏強さ/密度の比が
得られるものがある。
上記および図面に示した機械的特性とミクロ組織のラ
ンク付けに関する以下の議論によって、本発明の合金を
定義するチタン、アルミニウムおよびニオブの組成範囲
の臨界的意義を明らかにしよう。第6図は、室温で、さ
らに重要なことには少なくとも1500゜Fまでの温度で本
発明の合金の方が高い強度をもつことを示している。本
発明の新規な合金の強度は、従来技術によるブラックバ
ーン(Blackburn)らのTi−Al−Nb合金およびTi−Al−N
b−V−Mo合金よりも改良されている。この改良の結
果、ブラックバーン(Blackburn)らの三チタンアルミ
ニウム合金では1110゜Fまでに限定されていた作動可能
温度範囲が、本発明の合金では少なくとも1500゜Fまで
の温度に改善される。
また、表IVに示した曲げ試験した降伏強さおよび計算
した引張降伏強さも、本発明の合金の改良された強度と
温度範囲を立証している。たとえば、合金629の引張降
伏強さは1500゜Fで110ksiと推定される。これを、表II
に示したように室温で97.8ksi、1470゜Fで52.5ksiの範
囲にある従来技術の参照合金989の引張降伏強さと比較
してみるとよい。合金629の1500゜Fにおける推定された
引張降伏強さは、低温と高温での参照合金989の降伏強
さよりかなり高い。これは従来のTi−Al−Nb合金と比べ
て強度面での大きな増大であり、その結果本発明の合金
の有用な温度範囲はほとんど400゜Fも上昇する。さら
に、これは有用な強度の増大である。すなわち、本発明
の合金の室温における破壊靭性は従来技術のTi−Al−Nb
合金に匹敵するからである。
表IVとVからは、本発明の合金の外側繊維歪みが従来
技術の三チタンアルミニウム合金の延性に匹敵すること
が分かる。
高温での良好な延性は、本発明の合金が直ちに熱間鍛
造できることを示している。実際、上記実施例で製造し
たブランクは優れた熱間鍛造性を有することが立証され
た。通常の方法でチタン合金のシリンダーをディスクに
熱間鍛造するには、そのシリンダーをニッケル合金鍛造
用リングに挿入して鍛造されたディスクのエッジがクラ
ッキングを起こすのを防ぐ。ニッケル合金鍛造用リング
を使用しないでいくつかのサンプル合金からブランクを
製造してみたところ、熱間鍛造中にエッジのクラッキン
グは起こらなかった。このような新規でユニークな熱間
鍛造特性によってガスタービンエンジン部品の製造が容
易になる。
表VIのミクロ組織のランクは5つの別々のタイプに分
けた。タイプ1のミクロ組織は、斜方晶系のβ相が本発
明の他の合金より多くのβ相を含有する微細で二相にな
った等軸または針状の組織として分布していることで特
徴付けた。そのβ相は約25%までの量で存在し、一方、
斜方晶系相は存在するすべての相の少なくとも約50%の
容積分率で存在していた。タイプ2のミクロ組織はβ相
をほとんどまたはまったく含有せず、針状の度合が強く
なっており、タイプ1の組織ほどには微細ではなかっ
た。タイプ3のミクロ組織は際立って針状であり、サイ
ズはタイプ2の組織とほぼ同等である。タイプ2のミク
ロ組織の場合、斜方晶系相はその組織内に存在するすべ
ての相の少なくとも約75%の容積分率で存在していた。
タイプ3の組織はβ相を含有していなかったが、単相の
斜方晶系または、主として斜方晶系である混合α−2/斜
方晶系組織を呈していた。これらのタイプ1〜3の組織
は本発明の合金の特徴である。タイプ1〜3のミクロ組
織と表Iに示したような組成を有する合金を表VIに示し
た。
本発明で定義した組成物以外の合金はその微細組織中
で望ましい斜方晶系相(これが良好な破壊靭性と高温で
の卓越した強度を本発明の合金に与える)を示さない。
たとえば、合金662、921、922および924はタイプ4のミ
クロ組織を示した。タイプ4のミクロ組織は、金属組織
学的検査では決定できない相を含有していた。この未決
定の相は針状組織として存在していた。すなわち、おそ
らくは共析領域にある2つの相のパッチ、鋭い針様の相
または微細な析出である。タイプ4のミクロ組織を有す
る合金は、本発明の組成物中の濃度より高いアルミニウ
ムとニオブを組合せてもっている。合金662、921、922
および924の組成は表Iに示してある。
合金550は、表Iに示した本発明の合金より低い濃度
のアルミニウムとニオブを有している。合金550は、タ
イプ1〜3のミクロ組織より粗くて鋭いタイプ5のミク
ロ組織で特徴付けられる。タイプ5のミクロ組織はウィ
ドマンステッテン組織であり、本発明の組成物の組織と
比較して木ずり様組織の間隔が粗く、従来技術によるニ
オブ含量が低めのTi−Al−Nb合金で観察されたミクロ組
織の方に似ている。また、合金550は、ウィドマンステ
ッテン変換した粒子内に微細で平行な木ずり成長の領域
も含んでいた。これらの領域は一般に脆性の機械的挙動
と関連している。
したがって、本発明の合金の組成は、ニオブを含有す
る従来の三チタンアルミニウム合金より微細な望ましい
ミクロ組織内の新しい斜方晶系相を生ずるチタン、アル
ミニウムおよびニオブの臨界的な範囲を定義している。
ミクロ組織のランク付けにより、本発明の合金は少な
くとも1500゜Fまでの高温の不活性ガスに長期間さらす
間安定のままでいることが示された。このような温度の
空気または燃焼ガス中で長期に使用するには保護コーテ
ィングが必要となる。しかしながら、これらの合金の作
動温度範囲を1500゜Fまで拡大したことは、ブラックバ
ーン(Blackburn)らの合金の1110゜Fという作動範囲
(限界)と比べて大きな改善である。
本発明の合金のミクロ組織と機械的性質とを比較した
ところ、タイプ1〜3の組織は各々がある種の機械的性
質の改良の特徴を表わしている。破壊靭性が最良である
が降伏強さは多少低めである合金はタイプ1のミクロ組
織をもつ。これらの合金組成は第2図の三元状態図に斜
線を付けて示した。降伏強さが最高であるが破壊靭性は
多少低めである合金はタイプ2のミクロ組織で特徴付け
られる。これらの合金組成は第3図の三元状態図で斜線
を付けて示した。高い降伏強さと容認できる程度の破壊
靭性とを組合せて有する合金はタイプ3のミクロ組織に
よって特徴付けられる。これらの合金組成は第4図の三
元状態図に斜線を引いて示した。
表VIIとVIIIに示されているように、破壊靭性KQは従
来技術のTi−Al−Nb合金に匹敵するかまたはそれより優
れている。一般に、本発明の合金の降伏強さが増大する
と破壊靭性は低下する。しかし、従来のTi−Al−Nb合金
より大きく優れた強度がみられる場合破壊靭性は少なく
とも同等である。降伏強さがニオブを含有する従来の三
チタンアルミニウム合金よりほんの少しだけ高い場合、
本発明の合金の破壊靭性は極めて高くなっている。本発
明の合金では もの高い破壊靭性がみられたことは注意しておくべきで
ある。これは、従来のアルミ化三チタンの という破壊靭性より大幅に改善されている。その結果、
本発明の合金は、ガスタービンにおいて、ニオブを含有
する従来の三チタンアルミニウム合金より多くの可能な
用途を有することになる。
表VIIIに示した破壊靭性の測定値は、また、本発明の
合金の組織上の安定性も立証している。100時間までの
長期間に亘って少なくとも1800゜Fまでの温度に加熱し
たノッチ付きの試験棒では、表VIIIで長期間に亘って高
温にさらして試験した合金で破壊靭性の損失がほとんど
ないことが示された。これは、本発明の合金では長期間
に亘って高温にさらされたときこの合金のミクロ組織
が、大量の脆性相や析出物の形成を伴うことなくかなり
安定のままであるということを示している。
第8図は本発明の合金の密度で補正した強度が改良さ
れていることを示している。合金529、629及び649は、
密度で補正した強度が従来技術のTi−Al−Nb合金より50
%以上改善されている。さらに、合金629と649の密度で
補正した強度は、1300゜Fまでの温度、さらにそれ以上
の温度で従来技術のTi−Al−Nb−V−Mo合金より大幅に
改善されている。すでに説明した通り、従来技術のTi−
Al−Nb−V−Mo合金の降伏強さのデータは、ブラックバ
ーン(Blackburn)らの米国特許第4,716,020号の開示か
らとったものである。この米国特許第4,716,020号に
は、Ti−Al−Nb−V−Mo合金の1200゜Fまでの降伏強さ
が示されているだけであるが、この温度を越えると降伏
強さは急激に落ちるものと予測される。単独の添加剤の
ニオブを含有する本発明のTi3Al合金は、密度で補正し
た降伏強さが、3種の添加剤、すなわちニオブ、バナジ
ウムおよびモリブデンを含有するブラックバーン(Blac
kburn)らの米国特許第4,716,020号の三チタンアルミニ
ウムに匹敵するか、またはそれを越えているという点に
注意しておくことが肝要である。
以上の実施例で使用したアニーリングの時間と温度
は、本発明の合金の特性に関する最初の知識に基づいて
選択したものである。ミクロ組織の拡散動力学および加
工熱処理に対するその作用についてさらに研究すれば、
本発明の合金の機械的特性がさらに改良されることは充
分に期待できる。これは他のチタン−アルミ合金ですで
に立証されている。すなわち、各種の溶体化、冷却およ
び熱間鍛造アニーリング技術が開発されているからであ
る。
当業者には明らかなように、特許請求の範囲によって
のみ規定される本発明の範囲から逸脱することなく本発
明の合金に追加の変更をなすことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の合金の組成範囲のチタン、アルミニ
ウムおよびニオブの濃度をプロットした三軸図である。 第2図は、特に破壊靭性を改良する本発明の合金の組成
範囲のチタン、アルミニウムおよびニオブの濃度をプロ
ットした三軸図である。 第3図は、特に降伏強さを改良する本発明の合金の組成
範囲のチタン、アルミニウムおよびニオブの濃度をプロ
ットした三軸図である。 第4図は、破壊靭性と降伏強さを改良する本発明の合金
の組成範囲のチタン、アルミニウムおよびニオブの濃度
をプロットした三軸図である。 第5図は、参照サンプル合金989に対して0.2%引張降伏
強さとビッカース硬さとの比を室温から1470゜Fまで示
したグラフである。 第6図は、室温から1600゜Fまでのサンプル合金529の推
定降伏強さを参照サンプル合金989と比較して示すグラ
フである。 第7図は、参照サンプル合金989の0.2%引張降伏強さと
参照サンプル合金989の0.2%曲げ降伏応力との比を室温
から1470゜Fまで示したグラフである。 第8図は、降伏強さと密度との比について、本発明の合
金をブラックバーン(Blackburn)らの合金と比較して
示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭56−20138(JP,A) 特開 平1−96344(JP,A) 米国特許2940845(US,A) 米国特許3411901(US,A) 欧州特許出願公開2225989(EP,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 14/00,21/00,30/00 F02C 7/00

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原子%で、18〜30%のアルミニウムおよび
    18〜34%のニオブを含み、残部が本質的にチタンからな
    るチタン−アルミ合金であって、少なくとも1500゜Fま
    での温度での高い降伏強さと良好な破壊靭性を有するチ
    タン−アルミ合金。
  2. 【請求項2】原子%で、18〜25.5%のアルミニウムおよ
    び20〜34%のニオブを含み、残部が本質的にチタンから
    なるチタン−アルミ合金であって、少なくとも1500゜F
    までの温度での高い降伏強さと卓越した破壊靭性を有す
    るチタン−アルミ合金。
  3. 【請求項3】原子%で、23〜30%のアルミニウムおよび
    18〜28%のニオブを含み、残部が本質的にチタンからな
    るチタン−アルミ合金であって、少なくとも1500゜Fま
    での温度での卓越した降伏強さと良好な破壊靭性を有す
    るチタン−アルミ合金。
  4. 【請求項4】原子%で、21〜26%のアルミニウムおよび
    19.5〜28%のニオブを含み、残部が本質的にチタンから
    なるチタン−アルミ合金であって、少なくとも1500゜F
    までの温度での高い降伏強さと破壊靭性との卓越した組
    合せを有するチタン−アルミ合金。
  5. 【請求項5】1700゜F〜2000゜Fの温度で鍛造可能であ
    る、請求項1乃至4のいずれかに記載のチタン−アルミ
    合金。
  6. 【請求項6】さらに、前記合金のミクロ組織内に存在す
    るすべての相の少なくとも50%(容積分率)が斜方晶系
    の相であることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれ
    かに記載のチタン−アルミ合金。
  7. 【請求項7】原子%で、18〜30%のアルミニウムおよび
    18〜34%のニオブを含み、残部が本質的にチタンからな
    る合金で形成されたガスタービンエンジン用部品。
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