JP3097222B2 - 高周波ウエルダー加工用シート - Google Patents

高周波ウエルダー加工用シート

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JP3097222B2 JP03252627A JP25262791A JP3097222B2 JP 3097222 B2 JP3097222 B2 JP 3097222B2 JP 03252627 A JP03252627 A JP 03252627A JP 25262791 A JP25262791 A JP 25262791A JP 3097222 B2 JP3097222 B2 JP 3097222B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高周波ウエルダー加工
用シートに関し、特に、環境汚染の問題のないシートに
関する。
【0002】
【従来の技術】従来、玩具、文房具、雨具、袋物、雑貨
類等の製造をはじめ、日用品の包装などに、高周波ウエ
ルダー加工を利用したものが広く使用されている。
【0003】この高周波ウエルダー加工は、熱可塑性樹
脂のシートを溶着溶断、あるいは型押しする技術であっ
て、熱可塑性樹脂に高周波エネルギを与え、樹脂の分子
を運動させて得た熱を利用するものであり、従来はポリ
塩化ビニルからなるシートを用いたものがほとんどであ
る。
【0004】この高周波ウエルダー加工は、上述のよう
に分子自体に高周波エネルギを加えるものであり、分子
の構造により高周波ウエルダー適性が左右される。すな
わち、樹脂を構成する分子が極性を有することが必要で
あり、この極性の強さにより、溶着溶断、あるいは型押
しが可能か否かが左右されるのである。
【0005】従来高周波ウエルダー加工に供されるシー
トのほとんどがポリ塩化ビニルである理由は、ポリ塩化
ビニル樹脂自体が廉価であり、その物性、すなわち透明
性、柔軟性、表面強度、光沢性、印刷適性などに優れる
とともに、高周波ウエルダー加工適性がきわめて優れて
いるためである。
【0006】高周波ウエルダー加工による溶着の具体的
な方法は、溶着しようとする素材同士の溶着部分に、電
極の一方となる所望の形状の刃を当てるとともに反対側
にもう一方の電極となる平板を配置し、この刃と平板間
に高周波数(通常107 〜108 Hz)の電圧を印加す
る。すると、樹脂の分子が運動し、発熱し、刃と平板間
の部分が溶着するのである。そして、刃の形状および刃
を当てる圧力を加減し、溶着した部分の端部を薄く成形
することにより、該部分を切断可能とするものである
(溶断)。この方法によれば、手帳カバーの如き平らな
製品はもちろん、歯磨きセットを収納するためのケース
の如き、立体的な形状の製品も、容易に製造できる。ま
た、型押しは、型押しすべき素材を上述同様に刃(型)
と平板間に配置し、同様に高周波電圧を印加するもので
ある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、環境
問題が大きな社会問題となってきて、ポリ塩化ビニルの
使用が問題視されはじめている。すなわち、ポリ塩化ビ
ニルは分子中に塩素を含み、このポリ塩化ビニルを素材
とする製品を廃棄、焼却する際、塩素ガスが発生するた
め、大気を汚染するのである。発生した塩素ガスは、大
気中の水分等と反応して、塩酸を生じ、これが酸性雨の
一因になっているといわれている。
【0008】従って、環境汚染を起こすことがなく、し
かも従来の高周波ウエルダー加工設備をそのまま使用で
きる、ポリ塩化ビニルの代替材料の出現が切望されてい
るのである。
【0009】そこで本発明者らは、ポリ塩化ビニルの代
替となる素材を求めるため、各種樹脂からなるシートを
高周波ウエルダー加工し、その適性を検討した。
【0010】表1は、各種樹脂の高周波ウエルダーによ
る溶着性、溶断性、型押し性を評価した結果である。ま
た、樹脂の特性を表2に示す。
【0011】
【表1】
【0012】
【表2】
【0013】上記表から分かるように、EVA、EMM
A、E−EA−MAHは極性が大きく高周波ウエルダー
適性があり、諸物性も比較的良好であり、ポリ塩化ビニ
ルの代替材料として好適な素材であることを本発明者ら
は知見した。
【0014】しかしながら、これら材料を実際の製造に
直ちに使用することができないことも、同時に判明し
た。
【0015】すなわち、上記EVA、EMMA、E−E
A−MAHの各樹脂は、シート同士の自己粘着性(ブロ
ッキング性)が大きく、素材の取り扱いがきわめて困難
なのである。高周波ウエルダー加工に限らず、本発明の
ような複数のシートを所定形状に加工する際、シートは
ロール状または枚葉状で準備され、加工手段(装置)に
供給されるが、上記樹脂は重ねられるとブロッキングし
てしまうため、粘着部分を剥がすことが必要になる。
【0016】しかし、実際問題としてはこのような粘着
した素材の剥離を行うことは不経済であるばかりでな
く、シートを傷める原因ともなるので、採用できない。
また、ブロッキングした素材を剥がして加工できたとし
ても、製造された製品もなお、ブロッキングするので、
製品の取り扱いも容易でない。従って、上記した素材を
そのままポリ塩化ビニルの代替として用いることは、実
質的に不可能である。
【0017】そこで本発明は、上記したようなシート時
あるいは製品となった後の取り扱いが容易である、高周
波ウエルダー加工用シートを提供することを目的とする
ものである。
【0018】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、炭
素、水素、および酸素から構成され、かつ、大きな極性
を有する樹脂からなる基材の少なくとも片面に、耐ブロ
ッキング性に優れた、薄いプラスチックフィルムからな
る表面改質層設けたことを特徴とする、高周波ウエルダ
ー加工用シートを提供することにより、環境汚染を起こ
すことなく、しかも透明性、柔軟性、表面強度、光沢性
印刷適性などといった物性に優れた、高周波ウエルダー
加工適性を有する、ポリ塩化ビニルの代替材料を提供す
るものである。
【0019】
【作用】上述した本発明のシートは、使用する樹脂が塩
素等の燃焼時に有害ガスの原因となる原子を有しておら
ず、環境を汚染しない。また、表面改質層は、シート自
体のブロッキングを防止する。この表面改質層は薄く形
成され、溶断時にはさらに薄く延ばされ、容易に切断で
きるようになる。
【0020】
【実施例】次に、図面に基づいて本発明をさらに説明す
る。図1は本発明のシートの一実施例を示す断面図、図
2は他の実施例を示す断面図である。
【0021】本発明で用いる基材1は、炭素、水素、お
よび酸素から構成され、かつ、大きな極性を有する樹脂
である。この基材1に用いられる樹脂の極性が大きいほ
ど、より実際的には誘電率および誘電力率の積が大きい
ほど、高周波ウエルダー時の発熱が大きく、溶着が容易
になる。
【0022】好ましい樹脂としては、エチレン−メチル
メタアクリレ−ト共重合体、エチレン−エチルアクリレ
−ト−無水マレイン酸共重合体が上げられる。この基材
1はシートの主たる構造物であり、その厚さは製造する
製品によっても異なるが、200〜400μm程度とす
ることが一般的である。また、基材1は全体の80〜9
0%の厚さを占めることが好ましい。
【0023】基材1の少なくとも片面には、表面改質層
2を形成する。表面改質層2は、前述のように基材1と
して使用される樹脂が耐ブロッキング性に劣り、単独で
使用できないため形成するものであって、耐ブロッキン
グ性に優れた樹脂からなるフィルムが選定される。この
表面改質層も、極性を有して高周波ウエルダー加工によ
り発熱する材料であることが好ましい。
【0024】また、シートの表面物性はこの表面改質層
2に左右されることとなるので、表面強度、光沢性等を
考慮して選定する必要がある。
【0025】好ましい材料としては、ポリアミド、非晶
質ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
ビニルアルコールが上げられる。この厚さは、5〜25
μm程度とすることが好ましい。
【0026】表面改質層2は、図1のように少なくとも
基材1の片面に形成することが必要であり、図2のよう
に表面改質層2を基材1の両面に形成すれば、ブロッキ
ングの問題は完全に解消される。図2のように両面に表
面改質層2を形成する場合、両者は同一の樹脂フィルム
であっても、異種の樹脂フィルムであってもよい。
【0027】基材1と表面改質層2の積層は、通常のフ
ィルムの積層同様、接着剤を介在させるドライラミネー
ト法、熱板により押圧する熱ラミネート法、一方の樹脂
を他のフィルム上に押し出して積層する押し出しラミネ
ート法、両者の間に熱接着性樹脂を押し出し積層するサ
ンドラミネート法等が適用できる。また、使用する樹脂
の両者が押し出し適性を有する場合は、両者を同時に押
し出し積層する、共押し出し法が適用できる。この方法
によれば、シートの製造がきわめて容易であり、好まし
い。
【0028】基材1、表面改質層2からなる本発明のシ
ートには、必要に応じて、印刷層3等の、必要な層を任
意の位置に形成することができる。また、箔押し加工、
エンボス加工等の表面加工を施すことができる。さら
に、基材1、表面改質層2自体に着色顔料を加えて着色
したり、添加剤(例えば帯電防止剤、スリップ剤、ブロ
ッキング防止剤)を加えることも可能である。
【0029】上述のようにして得られた本発明のシート
は、従来既存の高周波ウエルダー加工設備で、従来同様
にして種々の製品に加工することができる。
【0030】<実施例1>基材となる樹脂としてエチレ
ン−エチルアクリレート−無水マレイン酸共重合体(E
−EA−MAH、商品名:アドテックス(登録商標)E
T−184、昭和電工(株)製)を、表面改質層として
ポリアミド(Ny、商品名:CM1021−XFS、東
レ(株)製)を、共押し出し法により押し出し、Ny
(15μm)/E−EA−MAH(300μm)/Ny
(15μm)構成からなる本発明のシートを得た。
【0031】このシートは、重ねてもブロッキングを全
く起こさず、取り扱いが容易であった。また、このシー
ト2枚を重ね、高周波ウエルダー装置として山本ビニタ
ー機:VM−5000Mを用い、40.46MHz、電
源出力5KW、約1秒の条件で高周波ウエルダー加工を
行ったところ、十分な溶着状態が得られ、溶断も可能で
あった。
【0032】<実施例2>表面改質層として無延伸ポリ
アミド(商品名:レイファンNO、東レ合成フィルム
(株)製)からなる厚さ20μmのフィルムを準備し
た。このフィルムを巻き出しロールから巻き出し、この
フィルム上に基材となる樹脂としてエチレン−エチルア
クリレート−無水マレイン酸共重合体(E−EA−MA
H、商品名:アドテックス(登録商標)ET−184、
昭和電工(株)製)を300μmの厚さに押し出し、圧
着して、Ny(20μm)/E−EA−MAH(300
μm)の構成からなる本発明のシートを得た。
【0033】このシートも、実施例同様耐ブロッキング
性に優れるとともに、高周波ウエルダー加工適性も十分
であった。
【0034】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によるシート
は、廃棄、焼却しても有害ガスを発生することがなく、
環境を汚染することがない。そして、シートはブロッキ
ングせず取り扱いが容易で、従来の高周波ウエルダー設
備をそのまま使用して従来ポリ塩化ビニルで製造されて
いた各種の製品を、容易に製造することができるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す断面図である。
【図2】本発明の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…基材 2…表面改質層 3…印刷層
フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−327935(JP,A) 特開 平2−150348(JP,A) 特開 昭55−69455(JP,A) 特開 昭54−4681(JP,A) 特開 昭49−37984(JP,A) 特開 昭56−120343(JP,A) 特開 昭60−198223(JP,A) 実開 昭62−63136(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン−メチルメタアクリレ−ト共重合
    体、エチレン−エチルアクリレ−ト−無水マレイン酸共
    重合体のいずれかからなる基材の少なくとも片面にポリ
    アミド、非晶質ポリエステル、ポリエチレン、ポリビニ
    ルアルコールのいずれかから選ばれる樹脂からなる薄い
    プラスチックの表面改質層を設けた高周波ウエルダー加
    用シート。
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