JP3094198B2 - プレキャスト鉄筋コンクリート造部材及びそれを用いる構造体の構築方法 - Google Patents

プレキャスト鉄筋コンクリート造部材及びそれを用いる構造体の構築方法

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JP3094198B2 JP06023331A JP2333194A JP3094198B2 JP 3094198 B2 JP3094198 B2 JP 3094198B2 JP 06023331 A JP06023331 A JP 06023331A JP 2333194 A JP2333194 A JP 2333194A JP 3094198 B2 JP3094198 B2 JP 3094198B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ラーメンプレハブ構
造で使用するプレキャスト鉄筋コンクリート造部材及び
それを用いる構造体の構築方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のラーメンプレハブ構造では、図1
0(a)に示すように、クレーンにより単独のプレキャ
スト柱101を床版102の所定位置に載置し、その高
さ調整及び平面位置の調整を行った後に柱筋103の接
合を行い、サポート104等で水平方向を支持固定し
(図10(b))、隣接して立設するプレキャスト柱1
01間に単独のプレキャスト梁105を架設し(図10
(c))、その後柱梁接合部106の柱剪断補強の配
筋、梁主筋の溶接による接合等を行い、スラブ等と一緒
にこの柱梁接合部106のコンクリート打設を行ってい
た(図10(d))。
【0003】従来のプレキャスト柱101同士の接合
は、上下階の柱主筋103を接合用スリーブ107内に
て突合せ、スリーブ107内にグラウトを注入・充填す
ると共に、対向する柱断面のコンクリート部の接合空隙
部にもグラウトを注入してジョイント部の形成を図って
いた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のプレキ
ャスト柱101同士の接合部位は構造上応力の最も大き
くなる柱脚であったので、その接合に施工上の欠陥が生
ずると構造体全体にとって致命的となる虞れがあった。
さらに、柱脚におけるグラウト接合法は、地震時の繰り
返し荷重に対しては信頼性の点で不安の残る接合方法で
あった。
【0005】又、従来のプレキャスト柱101とプレキ
ャスト梁105の柱梁接合部106は鉄筋が錯綜するた
め梁主筋の現場溶接の作業性が悪く継手の欠陥が生じや
すかった。加えて梁主筋の二段配筋が必要な場合には、
その一部が柱梁接合部106内へのアンカー方式となる
ため、より以上に鉄筋が錯綜し、コンクリートの充填性
も悪くなり、構造上の欠陥が生じやすかった。この柱梁
接合部106も応力が大きい部位であるため、その欠陥
は構造体にとって致命的なものになる虞れがあった。
【0006】又従来のプレキャスト柱101の建方精度
調整は、高さ方向には床版102の現場打ちコンクリー
ト面へ石綿セメント板等の薄板を敷くことにより行わ
れ、その平面位置はプレキャスト柱101底部にバール
等をこじ入れて行われていたため十分な精度と作業能率
を高めるためには熟練した作業員が不可欠であった。
又、プレキャスト柱101底面及び柱主筋103接合用
スリーブ107へのグラウト注入・充填作業は厳密に行
わねばならず、細心の注意と高い技量を必要とし、熟練
工が欠かせない上、その品質管理も難しいものであっ
た。
【0007】又、高層あるいは超高層建築物を構築する
場合には、柱部材に高軸力がかかり、しかも剪断力に対
する高い靭性が要求されるため、柱断面には芯鉄筋の採
用等の特別な工夫が必要であった。
【0008】この発明は、上記課題を解決し、プレキャ
スト鉄筋コンクリート造部材の接合部の信頼性を高める
と同時に応力の大きな重要構造部位の欠陥が生じない、
部材同士の接合方法が容易で、建方精度調整に熟練工を
必要としない、又接合部のグラウト注入・充填作業が容
易で、その品質管理も容易であり、更に高軸力に耐え、
剪断力に対する高い靭性を有する柱部材を可能とするプ
レキャスト鉄筋コンクリート造部材及びそれを用いる構
築方法を提供することを目的としている。又、この発明
は、プレキャスト鉄筋コンクリート造部材を用いるラー
メンプレハブ構造の高層あるいは超高層建築物を可能と
することも目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、柱頭、柱脚、梁端部及び柱
梁接合部を一体とするプレキャスト鉄筋コンクリート造
部材において、前記柱頭、前記柱脚及び前記柱梁接合部
より構成される柱部材は、その中心部に鋼管ジョイント
部を突設する鋼管芯柱を一本通しで埋設し、この鋼管ジ
ョイント部の下端部には、充填材料打設用の開口部を穿
設し、鋼管ジョイント部端部には鋼管芯柱接続金具を備
えることを特徴としている。
【0010】請求項2記載の発明のプレキャスト鉄筋コ
ンクリート造部材は、鋼管芯柱が、前記柱部材に施工時
に作用する鉛直荷重を負担し得る必要断面を備えること
を特徴としている。
【0011】請求項3記載の発明のプレキャスト鉄筋コ
ンクリート造部材は、前記鋼管芯柱が、前記柱部材の構
造補強材としての必要断面を備えることを特徴としてい
る。
【0012】請求項4記載の発明のプレキャスト鉄筋コ
ンクリート造部材を用いる構造体の構築方法は、プレキ
ャスト鉄筋コンクリート造部材を接続する構造体の構築
方法であって、前記柱部材の対向する鋼管ジョイント部
を突き合わせて柱部材の高さと平面位置の調整を行い、
鋼管芯柱接続金具を用いて上下の鋼管芯柱を連結固定
し、この鋼管ジョイント部を含有する柱中間部の柱主筋
の継手処理及び剪断補強筋の配筋を行い、柱型枠を装着
した後、柱部材の上部に開設する鋼管芯柱上端部より充
填材料を投入し、前記開口部より柱型枠内部にこの充填
材料を流出させて柱中間部の後打部分を構築するととも
に、鋼管芯柱内部を充填することを特徴としている。
【0013】
【作用】請求項1記載の発明では、柱頭部より下方に突
設する鋼管芯柱の鋼管ジョイント部と柱脚部より上方に
突設する他の鋼管ジョイント部とを突合せ、鋼管芯柱接
続金具により相互を連結する。鋼管芯柱を接続するだけ
で高さ調整が終了し、その平面位置も固定されるため、
建入調整が容易である。接続した鋼管芯柱は充填材料打
設用の管路となり、途中に穿設される開口部より柱中間
部への充填材料の注入を行う。
【0014】請求項2記載の鋼管芯柱は、柱部材に施工
時に作用する鉛直荷重、即ち柱・梁・スラブ等の構造体
の自重と作業荷重の合計鉛直荷重を全て負担し得る。
【0015】又、請求項3記載の鋼管芯柱は、柱部材の
構造補強材として作用するので、建物完成後の軸力や剪
断力も負担する。
【0016】又、請求項4記載の発明は、上下の鋼管芯
柱を連結固定し、鋼管ジョイント部を含有する柱中間部
の柱主筋の継手処理及び剪断補強筋の配筋を行い、柱型
枠を装着した後、鋼管芯柱を利用して柱型枠内部及び鋼
管芯柱内部に充填材料を流入し後打部分を構築する。
【0017】
【実施例】次に、この発明のプレキャスト鉄筋コンクリ
ート造部材の一実施例を添付図面に基づき説明する。図
1は柱主筋の一部を省略したプレキャスト鉄筋コンクリ
ート造部材の正面図、図2は同平面図である。図1に示
すプレキャスト鉄筋コンクリート造部材1はラーメンプ
レハブ構造体で使用する標準タイプの分割部材で、下層
階の柱頭2と上層階の柱脚3、その中央部水平方向に突
設する複数の梁材端部4及びこれらの柱梁接合部5(パ
ネルゾーン)により構成される。
【0018】柱脚3、柱梁接合部5、柱頭2が鉛直方向
に連続する柱部材6の中心部には、鋼管芯柱7が埋設さ
れる。鋼管芯柱7は柱頭2より下方に突設する下方鋼管
ジョイント部8と柱脚3より上方に突設する上方鋼管ジ
ョイント部9とを有し、上方鋼管ジョイント部9には鋼
管芯柱接続金具10を固着する。又、下方鋼管ジョイン
ト部8の鋼管側面には充填材料打設用の開口部11を穿
設する。
【0019】柱脚3及び柱頭2は各層の柱内法階高H0
の略1/4〜1/3程度の高さを有し、それらの端部よ
り鋼管芯柱7の各鋼管ジョイント部を各層の柱内法階高
0のほぼ中央部まで突出する。各々の鋼管ジョイント
部の長さは対向する他のプレキャスト鉄筋コンクリート
造部材51より突出する他の鋼管ジョイント部と突き合
わせた時に、柱内法寸法が設計柱内法階高H0となるよ
うに調整しておく。柱主筋12は柱部材6の端部より突
出し、その突出長さは他のプレキャスト鉄筋コンクリー
ト造部材51より突出する柱主筋52との継手の種類
(重ね継手、溶接継手、機械式継手等)により所要の長
さに定め、その配置も継手の種類に適合したものとす
る。なお、この実施例では重ね継手を採用する。
【0020】梁材端部4は該当する各梁内法スパンの約
1/4の長さとし、梁主筋13を柱主筋12と同様に所
要長さだけ突出する。床版には半プレキャストスラブを
設置し、現場打ちコンクリートを打設するので図1及び
図2に示すように床版部に該当する梁頂部の鉄筋は露出
させておく。このように構成することで、柱梁接合部5
における現場での作業(鉄筋の接合、配筋、コンクリー
ト打設等)をなくす。又、柱梁接合部5での梁主筋13
を通し配筋とすることができるので、二段配筋でも無理
なく配筋でき、接合部内での鉄筋の混雑を緩和し、コン
クリートの充填性も良くなる。
【0021】次に鋼管芯柱7の各柱部材ジョイント部で
の詳細を図3及び図4に基づき説明する。図3は柱部材
ジョイント部の拡大正面図で、図4のIII−III断面図、
図4は図3のIV−IV断面を示す断面図である。柱頭2よ
り下方に突設する下方鋼管ジョイント部8は下層のプレ
キャスト鉄筋コンクリート造部材51の柱脚53の上方
鋼管ジョイント部59に当接する。この上方鋼管ジョイ
ント部59の上端には、鋼管芯柱57の外周面にその内
面を密着するソケット状の鋼管からなる鋼管芯柱接続金
具60が固着する。従って、下方鋼管ジョイント部8は
鋼管芯柱接続金具60に挿入するだけで所定の階高及び
平面の中心位置が得られ、その後の調整は平面上の向き
及び建入の微調整を行うだけになる。なお、微調整完了
後に鋼管芯柱接続金具60と下方鋼管ジョイント部8を
溶接して固定する。
【0022】上記の鋼管芯柱接続金具60は溶接により
固定する方式であるが、ボルト締め方式とするものでも
よい。この実施例を図5及び図6に基づき説明する。図
5は他の実施例の柱部材ジョイント部の拡大正面図で、
図6のV−V断面図、図6は図5のVI−VI断面を示す断
面図である。なお、図5及び図6に示す構成部材の内、
図1乃至図4で説明したものと同様なものは同一符号を
付して説明を省略する。上方鋼管ジョイント部59の上
端内側からは、その外面を鋼管芯柱57に密着固定され
た内管70aが突設し、外側には放射状の板材70bが
複数枚突設する。一方下方鋼管ジョイント部8の下端外
側にはこれに対応する放射状の板材70cが複数枚突設
する。下方鋼管ジョイント部8と内管70aを嵌合し、
板材70b,70cをそれぞれ一直線上で突き合わせる
よう平面位置を調整した後、添接板70d及びボルトナ
ット70eをもって相互の鋼管芯柱7,57を接合して
固定する。
【0023】以上説明した鋼管芯柱の部材断面は、その
使用目的により肉厚、断面形状等の断面性能を決定す
る。即ち、施工時における柱部材の位置決めを行う接合
部材として用いる場合、あるいはプレキャスト鉄筋コン
クリート造部材の建方支保工部材として用いる場合に
は、鋼管芯柱に施工時に作用する荷重を負担し得るだけ
の断面性能とする。施工時に作用する荷重とは負担すべ
き柱・梁・スラブ等の構造体の自重と作業荷重の鉛直荷
重の合計であり、作業時の水平荷重に対しては別途サポ
ート等の仮設部材により支持する。
【0024】又、鋼管芯柱を柱部材の構造補強材として
用いる場合、即ち完成後の軸力や剪断力をも負担し得る
構造部材として用いる場合には、応力に対して十分な断
面性能を有すると共にその接合方法も十分強固なものに
する。一般的に鋼管はコンクリートに比べて強度及び靭
性の高い構造材であるので、柱の中心部に埋設すること
により高軸力に耐えしかも剪断力に対して高い靭性を有
する柱が得られる。従って、鉄筋コンクリート造の高層
あるいは超高層建築物を構築することが可能になる。な
お、鋼管芯柱の断面形状は円形に限らず、角形等の任意
形状が可能である。
【0025】このような鋼管芯柱は、その内部の管路を
利用して、グラウト又は生コンクリート等の充填材料を
流し込み、途中に穿設される開口部より柱中間部への注
入も行う。開口部の大きさ及び配置、個数は充填材料の
材質により異なるが、断面性能の減少も考慮して適切に
決定する。
【0026】ところで、以上説明したプレキャスト鉄筋
コンクリート造部材は標準タイプの分割部材であるが、
最上階に該当する部分では図7のようになる。図7は最
上階のプレキャスト鉄筋コンクリート造部材の正面図で
ある。このプレキャスト鉄筋コンクリート造部材81
は、柱頭82と最上階の複数の梁材端部84及び柱梁接
合部85を一体に構成し、柱部材86の中心部には鋼管
芯柱87を埋設する。鋼管芯柱87は柱梁接合部85の
上面にその端部を開設し、柱頭82の下面より下方鋼管
ジョイント部88を突設する。この下方鋼管ジョイント
部88の鋼管側面にも充填材料打設用の開口部91を穿
設する。各部材の構成の詳細は図1乃至図6と同様であ
るので説明は省略する。
【0027】また、最下階に該当する部分では、図8に
示すようになる。図8は最下階の基礎部分の正面図であ
る。柱頭2より下方に突設する下方鋼管ジョイント部8
は柱脚53の上方鋼管ジョイント部59に当接する。こ
の上鋼管方ジョイント部59の上端には、鋼管芯柱57
の外周面にその内面を密着するソケット状の鋼管からな
る鋼管芯柱接続金具60が固着する。
【0028】プレキャスト鉄筋コンクリート造部材は、
標準タイプにおける柱脚部分に相当する柱脚53を従来
工法の現場打ち工法により構築する方法でもよく、又柱
脚部分のみプレキャスト部材化し、基礎200及び基礎
梁202は従来工法による工法でもよい。
【0029】次に、プレキャスト鉄筋コンクリート造部
材を用いる構造体の構築方法を図9に基づき説明する。
図9は構造体構築方法の説明図である。接続しようとす
るプレキャスト鉄筋コンクリート造部材1はクレーンに
より吊り上げられ、既に構築されている下層床版14上
の所定の柱脚53上で下降し(図9(a))、各々の柱
部材の対向する下方鋼管ジョイント部8と上方鋼管ジョ
イント部59とを突き合わせる。鋼管芯柱接続金具60
は差込み方式であるので鋼管ジョイント部の突合せだけ
で相互が連結し、高さ調整も不要となる。又、その平面
位置もほぼ固定されるため、微調整を行うだけで建入調
整が完了する。プレキャスト鉄筋コンクリート造部材1
の周囲をサポート15で支持固定した後、鋼管芯柱接続
金具60を用いて、上の鋼管芯柱7と下の鋼管芯柱57
を連結固定し、次いで柱中間部の柱主筋12,52の継
手処理及び剪断補強筋の配筋を行う(図9(b))。
【0030】鋼管ジョイント部を含有する柱中間部16
に図示しない柱型枠を装着した後、上方鋼管ジョイント
部9より充填材料を投入し、開口部より柱型枠内部に充
填材料を流出させて柱中間部16の後打部分を構築する
とともに鋼管芯柱7,57内部を充填する。なお、柱型
枠には予め空気孔を設けておき、十分に充填材料が回り
込むようにする。なお、開口部を柱中間部16の頂部付
近に設けることで、充填材料の打設後の沈下を容易に補
充することもできる。
【0031】上記の手順でプレキャスト鉄筋コンクリー
ト造部材1の建方を完了した後、梁材端部4に接続する
梁中央部プレキャスト材17、更には図示しない半プレ
キャストスラブの設置及び配筋を行い、現場打ちコンク
リートの打設により構造体を構築する。なお、梁中央部
及びスラブはプレキャスト部材によらず在来工法によっ
てもよい。
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、この発明のプレキ
ャスト鉄筋コンクリート造部材は、柱部材の中心部に鋼
管芯柱を埋設し、その突設する鋼管ジョイント部には鋼
管芯柱接続金具を備えるので、鋼管芯柱を連結するだけ
で所定の階高及び平面の中心位置が得られる。従って柱
部材同士の接合方法が容易になると同時に、建方精度調
整も容易で特に熟練工を必要せずに柱部材を接続するこ
とができる。又、鋼管芯柱に充填材料打設用の開口部を
穿設するので、接合部のグラウト注入・充填作業が容易
になり、しかも充填材料の打設後の沈下を容易に補充す
ることもできるので品質管理が容易になる。
【0033】又柱頭、柱脚、梁端部及び柱梁接合部を一
体とし、部材同士の接合部位を応力の小さい箇所にする
ので、柱梁接合部における現場での作業がなくなり、梁
の二段配筋が無理なくでき、接合部の信頼性が高くなる
同時に重要構造部位に欠陥が生じにくくなる。
【0034】又、鋼管芯柱の部材断面は、その使用目的
に応じて選択できるので施工時に作用する荷重を負担し
得るだけの断面性能に限定することもできるし、柱部材
の構造補強材としての断面性能をもたせることも可能で
ある。鋼管を柱の中心部に埋設することにより高軸力に
耐えしかも剪断力に対して高い靭性を有する柱を得るこ
とができるので、鉄筋コンクリート造の高層あるいは超
高層建築物を構築することが可能になる。
【0035】以上のようなプレキャスト鉄筋コンクリー
ト造部材を接続する構築方法は、構造上、施工上、安全
上、品質管理上優れており、特に高層あるいは超高層鉄
筋コンクリート造建築物の構築に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】柱主筋の一部を省略したプレキャスト鉄筋コン
クリート造部材の正面図である。
【図2】プレキャスト鉄筋コンクリート造部材の平面図
である。
【図3】柱部材ジョイント部の拡大正面図で、図4のII
I−III断面図である。
【図4】図3のIV−IV断面を示す断面図である。
【図5】他の実施例の柱部材ジョイント部の拡大正面図
で、図6のV−V断面図である。
【図6】図5のVI−VI断面を示す断面図である。
【図7】柱主筋の一部を省略した最上階のプレキャスト
鉄筋コンクリート造部材の正面図である。
【図8】最下階の基礎部分の正面図である。
【図9】プレキャスト鉄筋コンクリート造部材を用いる
構造体の構築方法の説明図である。
【図10】従来のプレキャスト鉄筋コンクリート造部材
を用いる構造体の構築方法の説明図である。
【符号の説明】
1 プレキャスト鉄筋コンクリート造部材 2 柱頭 3 柱脚 4 梁材端部 5 柱梁接合部 7 鋼管芯柱 8 下方鋼管ジョイント部 9 上方鋼管ジョイント部 10 鋼管芯柱接続金具 11 開口部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 柱頭、柱脚、梁端部及び柱梁接合部を一
    体とするプレキャスト鉄筋コンクリート造部材におい
    て、前記柱頭、前記柱脚及び前記柱梁接合部より構成さ
    れる柱部材は、その中心部に鋼管ジョイント部を突設す
    る鋼管芯柱を一本通しで埋設し、この鋼管ジョイント部
    の下端部には、充填材料打設用の開口部を穿設し、鋼管
    ジョイント部端部には鋼管芯柱接続金具を備えることを
    特徴とするプレキャスト鉄筋コンクリート造部材。
  2. 【請求項2】 前記請求項1記載のプレキャスト鉄筋コ
    ンクリート造部材において、前記鋼管芯柱は、前記柱部
    材に施工時に作用する鉛直荷重を負担し得る必要断面を
    備えることを特徴とするプレキャスト鉄筋コンクリート
    造部材。
  3. 【請求項3】 前記請求項1記載のプレキャスト鉄筋コ
    ンクリート造部材において、前記鋼管芯柱は、前記柱部
    材の構造補強材としての必要断面を備えることを特徴と
    するプレキャスト鉄筋コンクリート造部材。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のプレキャスト鉄筋コンク
    リート造部材を接続する構造体の構築方法であって、前
    記柱部材の対向する鋼管ジョイント部を突き合わせて柱
    部材の高さと平面位置の調整を行い、鋼管芯柱接続金具
    を用いて上下の鋼管芯柱を連結固定し、この鋼管ジョイ
    ント部を含有する柱中間部の柱主筋の継手処理及び剪断
    補強筋の配筋を行い、柱型枠を装着した後、柱部材の上
    部に開設する鋼管芯柱上端部より充填材料を投入し、前
    記開口部より柱型枠内部にこの充填材料を流出させて柱
    中間部の後打部分を構築するとともに、鋼管芯柱内部を
    充填することを特徴とするプレキャスト鉄筋コンクリー
    ト造部材を用いる構造体の構築方法。
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