JP3093947B2 - 受信確認機能付受信機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、送信機から無線送信さ
れた信号の受信確認を表示により行う受信確認機能付受
信機に関する。

【０００２】

【従来の技術】図４には、一従来例に係るシステムの構
成が示されている。この図に示されるシステムは、それ
ぞれアンテナ２又は３を有する送信機１及び受信機５か
ら構成されている。

【０００３】送信機１は、例えば携帯可能に構成された
カード状の送信機であり、使用者の操作等に応じてその
アンテナ２から制御信号を無線送信する。アンテナ３
は、送信機１からアンテナ２を介して無線送信される制
御信号を受信するためのアンテナであり、同軸ケーブル
４を介して受信機５に接続されている。受信機５は、受
信回路６、制御回路７及び表示用ランプ８から構成され
ており、同軸ケーブル４を介してアンテナ３から供給さ
れる受信信号は受信回路６にて受信、復調され、復調さ
れた信号は制御回路７に供給される。制御回路７は、復
調された信号が正しい制御信号であるか否かを判定し、
正しい制御信号であると判定した場合に表示用ランプ８
を点灯させる。従って、送信機１の使用者は、表示用ラ
ンプ８が点灯しているか否かを監視することにより、受
信確認を得ることができる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アンテ
ナ３と受信機５が別室に配置されていたり、或いは同軸
ケーブル４が非常に長くアンテナ３と受信機５が例えば
１０ｍ以上といった大きな距離をおいて配置されている
場合には、送信機１の使用者は表示用ランプ８が確かに
点灯しているか否かを見ることができない。すなわち、
図４に示される構成は、送信機１を携帯している使用者
が常に表示用ランプ８を見ることができる位置にいなけ
れば、受信確認を得ることができないという問題点を有
している。

【０００５】本発明は、このような問題点を解決するこ
とを課題としてなされたものであり、受信確認機能の一
部を受信機のアナテナ近傍に配設することにより、送信
機の使用者が受信機の近傍にいなくても受信確認を得る
ことができるようにすることを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】このような目的を達成す
るために、本発明に係る受信確認機能付受信機は、送信
機から無線送信される信号を受信するアンテナエレメン
ト及びアンテナエレメントに近接配置された表示部材を
有するアンテナと、アンテナと隔離配置され、アンテナ
エレメントにより受信された信号が所定の信号である場
合に表示部材により所定の表示を行わせる受信機と、を
備えることを特徴とする。

【０００７】また、本発明に係る受信確認機能付受信機
は、表示部材が、直流電源の供給に応じ発光する発光素
子であり、受信機が、直流電源を供給するための電源部
と、表示部材により上記表示を行わせる際アンテナと受
信機とを接続するケーブルを介し表示部材に電源部から
直流電源を供給させる手段と、アンテナエレメントによ
り受信された信号と上記直流電源とを分離する手段と、
を備えることを特徴とする。

【０００８】

【作用】本発明においては、受信確認のための表示部材
がアンテナエレメントに近接配置される。アンテナエレ
メントにより受信された信号が所定の信号である場合、
受信機は、この表示部材により所定の表示を行わせる。
従って、送信機の使用者が受信機から離れた位置にいた
としても、アンテナの近傍にいさえすれば表示部材から
受信確認を得ることが可能になる。

【０００９】また、本発明においては、この表示部材が
ＬＥＤ等の発光素子によって構成される。受信機側で
は、表示部材への直流電源の供給によって所定の表示を
行わせる。その際、アンテナと受信機とを接続するケー
ブルを直流電源の供給に利用することができるため、回
路構成は簡素なもので足りる。また、このケーブルと受
信回路との間にコンデンサ等の部材を設けることによ
り、アンテナエレメントにより受信された信号と直流電
源とを分離できるため、受信回路等の動作に支障も生じ
ない。

【００１０】

【実施例】以下、本発明の好適な実施例について図面に
基づき説明する。

【００１１】図１には、本発明の一実施例に係る受信確
認機能付受信機の構成が示されている。この図に示され
る受信機は、アンテナ１０及び受信機２０から構成され
ている。

【００１２】アンテナ１０は、図４に示される送信機１
からアンテナ２を介して無線送信される信号を受信すべ
く、アンテナエレメント９を有している。このアンテナ
エレメント９は、同軸ケーブル１１を介し、アンテナ１
０と隔離配置された受信機２０、特にその受信回路１４
に接続されている。受信回路１４は、同軸ケーブル１１
を介して供給される交流の信号を受信、復調し、その結
果を制御回路１５に供給する。制御回路１５は、復調さ
れた信号が正しい制御信号か否かを判定し、正しい制御
信号である場合、制御対象機器２１に対し必要な制御信
号を供給する一方で、電源部１９を起動する。電源部１
９は、アンテナエレメント９に付設された表示用ＬＥＤ
１６を発光させるのに必要な直流電圧を出力する直流電
源である。電源部１９が起動すると、この電源部１９か
ら出力される直流電圧は電源供給線１８を介し同軸ケー
ブル１１の芯線１２とシールド線１７の間に印加され
る。表示用ＬＥＤ１６は芯線１２とシールド線１７の間
に接続されており、電源供給線１８や同軸ケーブル１１
を介し電源部１９から直流電圧が印加されるとこれに応
じて発光する。また、電源供給線１８と受信回路１４の
間は、コンデンサ１３によって直流的に分離されている
ため、電源部１９から出力される直流電圧が受信回路１
４の受信入力端子に印加されることはない。

【００１３】従って、本実施例においては、送信機１の
使用者が受信機２０と離れた位置にいる場合であって
も、アンテナ１０の表示用ＬＥＤ１６を見ることができ
る位置にさえいれば、すなわちアンテナ３を見通せる位
置にいれば、送信機１から送信した信号の受信確認を視
覚的に得ることができる。また、表示用ＬＥＤ１６を点
灯させるための直流電圧は受信信号伝送用の同軸ケーブ
ル１１を利用して表示用ＬＥＤ１６に印加することがで
きるから、配線の複雑化、配線本数の増大等は生じな
い。更に、受信回路１４の先端にコンデンサ１３が設け
られているため受信回路１４の動作に支障が生じること
もない。

【００１４】図２には、アンテナ１０を複数個（図では
ｎ個）配設した場合の回路構成の一例が示されている。
アンテナ１０を複数個設ける場合には、同軸ケーブル１
１をこれに対応して複数本配設する必要があり、さら
に、コンデンサ１３や受信回路１４を同様に複数個設け
る必要がある。これは、仮にコンデンサ１３や受信回路
１４を１個にすると、各アンテナ１０により受信された
信号が他のアンテナ１０に影響を与えるためである。す
なわち、コンデンサ１３や受信回路１４を各アンテナ１
０毎に分離して設けることにより、正常な受信動作を維
持できる。

【００１５】また、いずれかの受信回路１４により正し
い制御信号がされた場合、制御回路１５は、制御対象機
器２１に制御信号を供給する一方で、正しい制御信号を
受信したアンテナ１０のＬＥＤ１６のみを発光させる
か、若しくは全てのＬＥＤ１６を発光させる。いずれの
動作を実行するかは、この図の装置の用途等に応じて決
定すればよい。

【００１６】図３は、図２の構成を遊園地のゴンドラア
トラクションに応用した場合の配置を示している。この
図に示されるように、アトラクション用のゴンドラ２２
は、所定経路を巡回するよう、チェーン２３等により駆
動される。チェーン２３を駆動するためのチェーン駆動
装置２４は機械室２５に配設される。図２の構成をこの
様な用途に適用する場合、受信機２０を機械室２５に配
設すると共に、各アンテナ１０をチェーン近傍の所定箇
所に所定個数配設する。この場合、受信機２０を構成す
る制御回路１５が制御対象機器２１とするのはチェーン
駆動装置２４である。

【００１７】ゴンドラアトラクションを実施するに際し
ては、例えばゴンドラ２２の乗客が私物を落とした場合
に、遊園地係員がゴンドラ２２を停止させ落下物を収拾
するサービスを行うのが一般的である。また、ゴンドラ
２２等に運行上の危険が発見された場合には、ゴンドラ
２２を緊急停止させる必要がある。さらに、ゴンドラア
トラクションを維持するためには、所定の頻度でメンテ
ナンスを行う必要がある。これらの処置を実行可能にす
るためには、遊園地係員が必要に応じゴンドラ２２を停
止／再始動させることができなければならず、また、ゴ
ンドラ２２の速度を（例えば通常の半分の速度に）調整
できるのが好ましい。

【００１８】ここに、本実施例における送信機（例えば
発信カード）１を遊園地係員に携帯させるようにすれ
ば、この係員が必要に応じて（例えばゴンドラ乗降口で
乗客から依頼を受けるのに応じ、あるいはゴンドラ２２
等の運行上の危険を発見するのに応じ、さらにはその日
の通常営業が終了しメンテナンスをしようとする際
に）、ゴンドラ２２を停止させることができる。すなわ
ち、ゴンドラ２２を停止させる必要がある場合、遊園地
係員はゴンドラ２２を停止させる旨の指令を与えるべく
送信機１を操作する。この操作により、送信機１から
は、無線免許の不要な微弱電波や赤外線等により制御信
号が送信される。送信された制御信号がアンテナ１０に
より受信されると、受信機２０中の制御回路１５がチェ
ーン駆動装置２４に制御信号を与え、ゴンドラ２２を停
止させる。ゴンドラ２２を再び駆動できる状態あるいは
駆動する必要がある状態に至った場合には、遊園地係員
はゴンドラ２２を再始動させる旨の指令を与えるべく送
信機１を操作する。この操作により送信された制御信号
がアンテナ１０により受信されると、受信機２０中の制
御回路１５がチェーン駆動装置２４に制御信号を与え、
ゴンドラ２２を再始動させる。さらに、メンテナンスの
際等のようにゴンドラ２２の速度を落とす必要がある際
にも、同様の操作にて目的を達成できる。

【００１９】これらの操作に当たって、遊園地係員は、
アンテナ１０による受信確認を視覚的に得ることができ
る。すなわち、本実施例では各アンテナ１０にそれぞれ
ＬＥＤ１６が設けられているため、遊園地係員は、自分
が発した指令が確かに受信されたことを即座にかつ理解
しやすい形で知ることができる。

【００２０】なお、以上の説明では、ゴンドラアトラク
ションの実使用時を例として説明を行ったが、本発明の
利点は実使用時以外でも得ることができる。例えば、図
３に示されるような装置配置を組み上げる際に、アンテ
ナ１０と受信機２０の間が確かに接続されているかの確
認に使用することもできる。さらに、受信した制御信号
が停止指令なのか、始動指令なのか、それとも速度半減
指令なのかに応じ、各ＬＥＤ１６による表示のさせかた
を変えるようにしてもよい。例えば、受信した制御信号
の内容に応じて各ＬＥＤ１６の発光時間、点滅の有無、
その周期等を変えるようにする。このような制御は、制
御回路１５により電源部１９の起動制御として実現でき
る。また、アンテナ１０毎に複数個のＬＥＤ１６を設け
るようにすれば、受信した制御信号の内容に応じ、発光
するＬＥＤ１６の個数を変えることができる。さらに、
アンテナ１０毎に複数個のＬＥＤ１６を設けかつ各ＬＥ
Ｄ１６の発光色を異なる色とすれば、受信した制御信号
の内容に応じ、異なる色で表示を実行できる。

【００２１】さらに、本発明は、ゴンドラアトラクショ
ンへの応用に限定されるものではない。例えば、病院や
銀行等のように公共性が高い反面個人情報を取り扱って
おり守秘性が要求される施設では、関係者以外が立ち入
るべきでないドアが必要に応じて設けられており、また
緊急車両等専用の車庫・駐車場ゲートも設けられてい
る。これらのドアやゲートの運用に当たっては、本実施
例の送信機１を関係者にのみ携帯させ、送信機１からの
無線による指令（制御信号の送信）に応じて受信機２０
を介し制御対象機器２１（ここではドアやゲートの駆動
装置）を制御するようにすればよい。このような用途で
も、制御信号の受信をＬＥＤ１６にて確認できるように
することが、円滑な運用に役立つ。

【００２２】また、近年では、老人や病人の状況を遠隔
地にいるあるいは外出中の近親者が知ることができるよ
う、電話回線等を介した自動通報システムが開発されて
いる。本実施例の装置は、この種のシステムにも適用で
きる。すなわち、各家庭にアンテナ１０や受信回路１４
を配設しておく一方で、制御回路１５を公共機関等に配
設し、受信回路１４を電話回線等を介し制御回路１５に
接続しておく。送信機１の携帯者が当該送信機１を操作
し、これに応じ、制御回路１５に接続された制御対象機
器２１（ここでは自動通報装置）を制御するようにすれ
ば、上述の自動通報を実現できる。また、送信機１の携
帯者は、自分が確かに操作したことやその結果が確かに
受信されたことを、ＬＥＤ１６の発光にて知ることがで
きる。

【００２３】本実施例の装置は、その他にも、構内車両
交通を管理するシステム、病院のナースコールシステ
ム、トンネル内作業員からの緊急コールシステム等のよ
うに、比較的単純な情報を無線により集約し装置制御や
通信を実行する各種のシステムに、広く適用できる。

【００２４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
受信機からの制御によって表示を行う表示部材をアンテ
ナエレメントに近接配置しておくようにしたため、送信
機の使用者が受信機から離れた位置に或いは別室にいる
ような場合であっても、表示部材の表示を見ることによ
り受信確認を得ることができる。

【００２５】また、本発明によれば、表示部材を発光素
子により構成し、アンテナと受信機とを接続するケーブ
ルを介する直流電源供給によりこの発光素子を発光させ
るようにしたため、アンテナと受信機の間に電源供給戦
を配設する必要がなく、装置構成が簡素なもので足り
る。また、アンテナエレメントにより受信された信号と
直流電源とを分離するコンデンサ等の部材を設けるよう
にしたため、受信機の他の機能、例えば受信、復調等の
機能に影響がでることもない。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例に係る受信確認機能付受信
機の構成を示すブロック図である。

【図２】 アンテナを複数個に増設した構成を示すブロ
ック図である。

【図３】 本実施例をゴンドラアトラクションに応用し
た場合の装置配置を示す概念図である。

【図４】 一従来例に係るシステムの構成を示すブロッ
ク図である。

【符号の説明】

１ 送信機、２，１０ アンテナ、９ アンテナエレメ
ント、１１ 同軸ケーブル、１３ コンデンサ、１４
受信回路、１５ 制御回路、１６ 表示用ＬＥＤ、１８
電源供給線、１９ 電源部、２０ 受信機、２１ 制
御対象機器、２２ ゴンドラ、２３ チェーン、２４
チェーン駆動装置、２５ 機械室。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H04B 1/16 H01Q 1/24

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 送信機から無線送信される信号を受信す
   るアンテナエレメント及びアンテナエレメントに近接配
   置された表示部材を有するアンテナと、 アンテナと隔離配置され、アンテナエレメントにより受
   信された信号が所定の信号である場合に表示部材により
   所定の表示を行わせる受信機とを備え、 表 示部材が、直流電源の供給に応じ発光する発光素子で
   あり、 受信機が、直流電源を供給するための電源部と、表示部
   材により上記表示を行わせる際アンテナと受信機とを接
   続するケーブルを介し表示部材に電源部から直流電源を
   供給させる手段と、アンテナエレメントにより受信され
   た信号と上記直流電源とを分離する手段と、を備えるこ
   とを特徴とする受信確認機能付受信機。