JP3093486B2 - 植物良否判別制御装置およびその良否判別のための面積集計方法 - Google Patents

植物良否判別制御装置およびその良否判別のための面積集計方法

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JP3093486B2
JP3093486B2 JP04287437A JP28743792A JP3093486B2 JP 3093486 B2 JP3093486 B2 JP 3093486B2 JP 04287437 A JP04287437 A JP 04287437A JP 28743792 A JP28743792 A JP 28743792A JP 3093486 B2 JP3093486 B2 JP 3093486B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、各種の苗等を生産する
ときに利用される植物良否判別制御装置およびその良否
判別のための面積集計方法に係わり、特に不良苗等を自
動的に判別して良苗の移植作業に有効な指標を与える技
術をもった植物良否判別制御装置およびその良否判別の
ための面積集計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、農業,園芸業などの分野では、苗
の生産と栽培とがそれぞれ分業化されつつある。そのう
ち、苗の生産者は、プラグトレイ内に所要数の種子や小
さな苗を植えて優良な苗に育て上げた後、これら各プラ
グトレイごとの生育苗を栽培者に供給している。これら
プラグトレイは、通常,300mm×600mm程度の大き
さの箱型のものであり、このプラグトレイ内には5×1
0本から20×25本程度の苗が植付けられている。
【0003】ところで、苗を専門に生産し、かつ、それ
ら生育苗を栽培者に供給する立場の苗生産者は、苗の品
質,実際に使用可能な苗の率,出荷苗中の生存率などに
ついて非常に関心が高く、また生産技術面や人的コスト
面等からも非常に重要なものである。
【0004】そこで、従来、苗生産者は、苗の品質を高
める観点から、ある期間経過後にプラグトレイ内の個々
の苗の生育状態を観察する。つまり、一般に、植物は、
種子が発芽し、双葉が広がり、または本葉が広がった状
態となってくるが、その中にも色の悪い苗,倒れている
苗,生育が遅れている苗,形状が不自然な苗など種々の
苗が存在する。
【0005】このため、苗生産者は、良苗,不良苗,苗
が育っていない空部の3通りの状態を判別し、品質の悪
い不良苗があれば、その品質の悪い不良苗を抜き取り、
この不良苗部分を良質な苗に植え変える一方、苗が育っ
ていない空部には別に用意した良質な苗を移植し、さら
に必要に応じて不良苗部分と空部に同時に良質な苗を移
植するなどして、1プラグトレイ内の均一な品質の苗群
を補償し、これによって生産者による苗品質の維持を図
っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、以上の
ような苗の検査作業は、人間による目視検査に頼ってい
るので、プラグトレイ内の苗1本づつついて品質検査を
行わなければならず、かつ、苗が混みあって生えている
場合には苗をかき分けながら判別する必要があり、その
結果、検査工程に相当な時間がかかり、多くの検査作業
者が必要となってコストの上昇を招く問題がある。
【0007】また、各苗どうしの間では、同一条件、同
一環境にて生育管理を行っているが、実際にはその生育
状態に微妙な差が生じ、それだけに検査工程の標準化が
難しく、相当な熟練,経験をもつものでなければ適切な
生育管理が行えない。特に、人間の視覚による検査工程
は、個人の主観的要素が強く働き、また時間,環境,更
には検査作業者の精神状態や疲労度に応じて検査基準が
大きく変化し、均一な品質の苗を生産することは非常に
難しい状況にある。
【0008】本発明は上記実情に鑑みてなされたもの
で、人間の目視検査に代えて良植物と空部を含む不良植
物とを自動的に判別し、かつ、不良植物の移植作業のた
めに適切な情報を提供し、ひいては均一な品質の植物を
速やかに生産する植物良否判別制御装置を提供すること
を目的とする。さらに、本発明の他の目的は、空部を含
む不良植物に対して良植物の移植作業を能率よく実施可
能とする植物良否判別制御装置を提供することにある。
【0009】さらに、本発明の他の目的は、故意に植物
の環境条件を変化させつつ、植物の挙動状態を表す特徴
的な画像をとらえて植物の良否を迅速に判別する植物良
否判別制御装置を提供することにある。
【0010】さらに、本発明の他の目的は、近隣の各セ
ル形トレイからはみ出して入ってくる植物を除外して植
物の有効な面積から植物の良否を適切に判別する植物良
否判別のための面積集計方法を提供することを目的とす
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1〜4に対応する
発明は上記課題を解決するために、トレイ内に植え付け
られている植物の良,不良等を判別する装置において、
【0012】前記トレイ内の植物の生育状態を撮影して
画像データを出力するカメラと、植物の生育状態を判別
するための判別基準データを格納する判別基準データ格
納手段と、前記カメラからの画像データと前記判別基準
データとを比較し、前記トレイ内の良植物,不良植物お
よび植物の生育していない空部を判別する植物判別手段
と、この植物判別手段によって判別された良植物,不良
植物および空部の判別結果データを読み出して表示装置
に表示する植物生育状態表示制御手段とを設けた植物良
否判別制御装置である。
【0013】さらに、以上のような構成に加えて、前記
植物判別手段による判別結果データのうち、不良植物お
よび空部の判別結果データの座標位置に応じた駆動制御
信号を出力する光源駆動制御手段と、トレイ上に所定の
距離を隔てて首振り可能に吊下し、前記光源駆動制御手
段からの駆動制御信号を受けてトレイ内の不良植物およ
び空部に相当する場所を所定の順序で照射する光源とを
設けるとか、或いは前記植物判別手段による判別結果デ
ータのうち、不良植物および空部の判別結果データの座
標位置に応じた駆動制御信号を出力する座標光源駆動制
御手段と、トレイ上に所定の距離を隔ててトレイ内の各
プラグトレイに対応する個別光源を有し、座標光源駆動
制御手段からの駆動制御信号を受けてトレイ内の全部の
不良植物および空部に相当するプラグトレイ場所を照射
する座標光源とを設けたものである。
【0014】さらに、必要に応じて植物判別手段による
判別結果データから不良植物と空部の数を計数し、トレ
イ内に移植するために必要な植物本数のデータを出力す
る植物本数データ出力手段を設けたものである。
【0015】次に、請求項5に対応する発明は、トレイ
内に植え付けられている植物の良,不良等を判別する装
置において、トレイ内の植物の生育状態を撮影して画像
データを出力するカメラと、植物の生育状態を検査する
ための判別基準データを格納する判別基準データ格納手
段と、前記カメラからの画像データと前記判別基準デー
タとを比較し、トレイ内の良植物,不良植物および植物
の生育していない空部を判別する植物判別手段と、この
植物判別手段によって判別された判別結果データのう
ち、不良植物および空部の判別結果データの座標位置に
応じた駆動制御信号を出力するアーム駆動制御部と、こ
のアーム駆動制御部から駆動制御信号を受けてトレイ内
の不良植物および空部に相当する場所に識別体を付する
ハンド機構とを設けた植物良否判別制御装置である。
【0016】さらに、請求項6に対応する発明は、植物
が植え付けられている少くとも1つ以上のトレイが収納
され、かつ、その一部の面が少くとも光透過面を有する
温・湿度調節容器と、この温・湿度調節容器に取り付け
られ、当該温・湿度調節容器内の温・湿度を調節する温
・湿度調節器と、前記温・湿度調節容器内の苗トレイ内
の植物の生育状態を撮影して画像データを出力するカメ
ラと、前記温・湿度調節容器上に所定の距離を隔てて吊
下された光源と、前記温・湿度調節器と前記光源とを選
択的に制御しながら前記温・湿度調節容器内の環境条件
を複数段階にわたって変化させつつ前記植物の挙動的な
画像変化を前記カメラから取り込む環境条件設定手段
と、この環境条件設定手段によって取り込んだ変化画像
または当該画像面積から前記植物の良,不良,空部を判
別する植物良否判別手段とを設けた植物良否判別制御装
置である。
【0017】さらに、請求項7,8に対応する発明は、
カメラを用いて植物が生育しているトレイ内の複数のセ
ル形トレイを含む植物画像を取り込んで植物良否判別の
ための面積集計を行う方法において、前記複数のセル形
トレイを含む植物画像から植物画像のみを取り出し、こ
の植物画像と予め用意した有効領域とのつながりの有無
を判断し、当該有効領域とつながりを有する植物画像の
面積を集計するか、或いは植物画像をセル形トレイ画像
または既に用意したセル形トレイ画像を用いて分断し、
この分断した各セル形トレイの植物画像について予め用
意した有効領域とのつながりの有無を判断し、当該有効
領域とつながりを有する植物画像の面積を集計する植物
良否判別のための面積集計方法である。
【0018】
【作用】従って、請求項1〜4に対応する発明は以上の
ような手段を講じたことにより、植物判別手段によって
判別された判別結果データに基づいて表示装置に良植
物,不良植物および植物の生育していない空部を画像化
して表示するので、トレイ内の植物の生育状況が容易に
モニタでき、そのモニタ結果に応じて品質等の観点から
迅速に必要な処置を講じることができる。
【0019】また、トレイ上に首振り可能なスポット光
源を設置し、植物判別手段による判別結果データの中か
ら不良植物および空部のデータを読み出して座標位置変
換を行った後前記光源を首振り制御すれば、トレイ内の
不良植物部分および空部を順次照射でき、その結果、植
物生産作業者はその照射部分にそって順次良植物を移植
することができ、しかも、光源として色違いの個別光源
をもっていれば、不良植物部分と空部との場所に色分け
照射することが可能となり、不良植物部分と空部とを容
易、かつ、迅速に把握でき、不良植物部分の場合には植
物の抜き取り後に良植物に植え替え、また空部の場合に
は良植物を速かに移植できる。
【0020】また、前記光源に代えて、トレイ上に所定
の距離を隔ててトレイ内の各プラグトレイに対応する個
別光源をもつ座標光源を設置すれば、植物判別手段によ
る判別結果データの中から不良植物および空部のデータ
を読み出して座標位置変換を行った後前記個別光源を選
択的に点灯すれば、トレイ内の不良植物部分および空部
の場所を照射でき、不良植物部分と空部とが一瞬にして
識別可能となる。
【0021】さらに、必要に応じて植物判別手段による
判別結果データから不良植物と空部の数を計数し、トレ
イ内に移植するために必要な植物本数のデータを表示装
置に表示するとか、或いは音声にて出力すれば、トレイ
内に移植するために必要な植物本数を迅速に用意でき、
植物移植作業の準備を効率的に行うことができる。
【0022】次に、請求項5に対応する発明は、アーム
駆動制御部が植物判別手段による判別結果データの中か
ら不良植物および空部の判別結果データの座標位置に応
じた駆動制御信号を出力すれば、トレイ内の不良植物お
よび空部に相当する場所に識別体を付すことができ、そ
れを目印に良植物の移植作業を進めることができる。
【0023】さらに、請求項6に対応する発明は、環境
条件設定手段にて温・湿度調節器および光源を制御して
温・湿度調節容器内部の環境条件を種々変化させ、その
ときの植物の挙動的な画像変化を取り込み、当該植物の
形や面積などから良植物、不良植物を判定するので、不
良になりつつある植物を予測先行的に把握できるばかり
でなく、環境条件を強制的に変えて迅速に植物の良否を
判定できる。
【0024】さらに、請求項7,8に対応する発明は、
セル形トレイ画像による植物画像の分断、有効領域によ
る植物画像のつながり有無を判断し、有効領域につなが
る植物画像だけを選択して画像面積を集計することによ
り、隣接するセル形トレイからはみ出して入ってくる他
の植物画像面積を集計から除外し、各セル形トレイ内に
存在する有効な植物だけの面積から良植物、不良植物、
空部を適切に判別するものである。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照し
て説明する。
【0026】図1は本発明に係わる苗判別制御装置の一
実施例を示す構成図である。同図において11は苗を植
付ける苗トレイであって、この苗トレイ11内には複数
のプラグトレイが整然と配列され、それぞれのプラグト
レイにはそれぞれ所要本数の苗が植付けられている。こ
の苗トレイ11内には生育状態のよい良苗12、生育状
態が悪い不良苗13、さらには生育状態が非常に悪い空
部14等が混在している。なお、図示されていないが、
必要に応じて複数の苗トレイ11が整然と配置されてい
るものである。
【0027】前記苗トレイ11上に位置する天井などに
はカラーカメラ15が吊下されている。このカラーカメ
ラ15は、苗トレイ11内の苗の生育状況を光学的に取
り込んでカラー画像データとして出力する。このカラー
カメラ15は、苗トレイ11単位ごとに配置され、或い
は複数の苗トレイ11,…が整然と配列されている場合
には各列ごとに1台だけ、或いは各列ごとに所要台数で
分担監視し、得られたカラー画像データは苗判別制御部
16に送出される。
【0028】この苗判別制御部16は、カラーカメラ1
5からのカラー画像データをコンピュータを用いて画像
処理することにより苗トレイ11内の苗の生育状態につ
いて例えばプラグトレイごとに良苗,不良苗および空部
の3通りに判別する。
【0029】17は苗判別制御部16の判別結果データ
をモニタ表示する表示装置、18は苗トレイ11上に所
定の距離を隔てて天井などにモータ19を介して首振り
可能に吊下されている光源である。この光源17は、カ
ラーカメラ15とは別体的に固定され、または一体的に
摺動可能に設けられ、苗トレイ11の各プラグトレイの
範囲内でスポット光を照射する。20はスピーカなどの
音声発生装置である。前記苗判別制御部16は、例えば
第2図に示すような機能ブロックで構成されている。す
なわち、苗判別制御部16は、カラーカメラ15から取
り込んだカラー画像データを格納するフレームメモリ等
のカラー画像データ格納手段21aと、例えば苗トレイ
11内の各プラグトレイ内の苗の色,葉の枚数,葉面
積,葉の長さ,葉の方向の他、必要に応じて苗丈,葉の
光沢,葉の厚み,葉面温度等の判別基準データを格納す
る判別基準データ格納手段22と、苗の生育状態を判別
する苗判別手段23とが設けられている。
【0030】この苗判別手段23は、予め定めた所定の
プログラムデータに基づいてカラー画像データ格納手段
21aから所定の順序で苗トレイ11内の各プラグトレ
イ単位のカラー画像データを読み出し、このカラー画像
データと当該プログラムデータで予め定めた必要な数の
判別基準データとを比較参照しながら、1個の判別基準
データごと、或いは複数の判別基準データごとに良苗,
不良苗および空部の3通りに判別し、その判別結果のデ
ータをバッフアメモリなどの中間データ格納手段21b
に格納する。
【0031】この中間データ格納手段21bを設けた理
由は、判別基準データが多いとき、その中の1個の判別
基準データごと、或いは2個以上の判別基準データごと
の判断結果を一時的に保存格納するためである。従っ
て、この場合には同一の苗トレイ11の同一プラグトレ
イごとの複数回の判断結果のデータをに基づき、総合
的,例えば多数決の原理等を適用しながら最終的な判別
結果データを得、画像メモリなどの判別結果データ格納
手段21cに格納する。このとき、この判別結果データ
格納手段21bには出力しやすいデータ例えば図形化お
よび色分けされたデータ(苗トレイ図)等により記憶す
る。
【0032】24は良苗,不良苗および空部の苗判別結
果データを出力する苗判別出力制御手段であって、判別
結果データをどのように出力するかに応じてその構成が
異なる。すなわち、この苗判別出力制御手段24は、例
えば判別結果データ格納手段21cに格納されている良
苗,不良苗および空部の3通りの判別結果である苗トレ
イ図の画像データを読み出して表示装置17に表示する
表示制御手段24aの他、同じく判別結果データ格納手
段21cの苗トレイ図の中から不良苗および空部のデー
タを読み出して苗トレイ11の座標位置データに変換す
る座標変換手段24bおよびこの座標変換手段24bか
らの座標位置変換データに基づいてモータ19を介して
スポット光源18を首振り駆動制御する光源駆動制御手
段24cが設けられている。
【0033】なお、この座標変換手段24bおよび光源
駆動制御手段24cは、スポット光源18が色違いの複
数の個別光源または色フイルタをもっているとき、不良
苗および空部のデータに応じて個別光源または色フイル
タを選択し、苗トレイ11内の不良苗および空部ごとに
色分けして照射することができる。また、スポット光源
18が3色違いの個別光源または色フイルタをもつと
き、良苗と不良苗と空部とに分けて色分けされた光を照
射してもよい。
【0034】また、苗判別出力制御手段24には、必要
に応じて判別結果データ格納手段21cの苗トレイ図の
中の不良苗および空部を計数する計数手段24dおよび
計数値データをアナログ信号その他所要とする信号に変
換信号変換および電力増幅等を行った後、音声発生装置
20から出力する音声変換出力手段24eが設けられて
いる。次に、以上のように構成された装置の動作を説明
する。
【0035】先ず、カラーカメラ15は苗トレイ11内
の苗生育状態を撮影してカラー画像データを出力する
と、苗判別手段23では、プログラムデータに基づいて
カラーカメラ15のカラー画像データを取り込んで所定
の順序でカラー画像データ格納手段21aに格納する。
【0036】ここで、苗判別手段23は、カラー画像デ
ータ格納手段21aから所定の順序で苗トレイ11内の
プラグトレイ単位のカラー画像データを読み出し、この
カラー画像データと判別基準データ格納手段22の判別
基準データと比較参照し、良苗12、不良苗13および
空部14の3通りに判別する。この苗判別にあたって
は、カラー画像データの中から良苗,不良苗の差の特長
を有効に利用するもので、例えば苗の色の場合には緑色
のとき良苗、黄色や白色の部分が多いとき不良苗と判別
し、また葉の枚数については枚数が多いとき良苗、良苗
と同一の発育期間で枚数が所要枚数より少ないとき不良
苗と判別する。さらに、葉の長さの場合には、葉が長い
とき良苗、葉が短いか変形しているとき不良苗と判別
し、葉面積の場合には葉面積が大きいとき良苗、葉面積
が小さいとき不良苗と判別する。その他、葉の方向、葉
の光沢、葉の厚み、葉面温度、苗丈などの判別基準デー
タに基づいても同様に判別可能である。
【0037】以上のようにして各プラグトレイごとに良
苗12か不良苗13か或いは空部14を判別するが、個
別判別基準データに基づく判別結果の場合には中間デー
タ格納手段21bに一時格納し、全部の判別基準データ
について判別した後に総合的に判断して判別結果データ
格納手段21cに格納する。また、プログラムデータに
基づいて全部の判別基準データを用いて判別する場合に
はその判別結果データを判別結果データ格納手段21c
に格納する。このとき、苗判別手段23は、後続処理に
とって適切なデータに変換して画像メモリである判別結
果データ格納手段21cに格納することになる。
【0038】そして、苗判別手段23において1つの苗
トレイ11の苗判別が終了すると、その判別終了信号ま
たはオペレータ(苗生産作業者)の指示に基づき、表示
制御手段24aが判別結果データ格納手段21cから判
別結果データを読み出して表示装置17に表示する。従
って、苗生産作業者は表示装置17の表示内容から苗ト
レイ内全体の苗の生育状態を迅速に判断でき、どの場所
の苗が不良苗であるか、また空部がどの部分にあるのか
を容易に把握できる。
【0039】また、判別結果データ格納手段21cには
苗トレイ11の各プラグトレイ位置と一定の関係をもっ
て判別結果データが格納されているので、座標変換手段
24bでは、所定の順序で判別結果データを見ながら不
良苗と空部の判別結果データを読み出して座標位置デー
タに変換して後続の光源駆動制御手段24cに送出す
る。ここで、光源駆動制御手段24cは、座標位置デー
タに基づいて駆動制御信号をモータ19に送り、スポッ
ト光源18の首振り制御を実施し、所定方向から所要の
速度で順次苗トレイ11内の不良苗および空部に相当す
る場所を順次照射する。このとき、所要の速度とは苗生
産作業者が不良苗および空部に良苗を移植するに必要な
時間間隔を意味する。
【0040】このとき、スポット光源18が複数の色違
い個別光源または色フイルタをもっているとき、座標変
換手段24bおよび光源駆動制御手段24cでは、不良
苗および空部の判別結果データから個別光源または色フ
イルタの選択信号および苗トレイ11の各プラグトレイ
の座標位置データを取り出し、苗トレイ11内の不良苗
および空部を色分け照射するようにすれば、苗生産作業
者はその照射場所の照射色に応じて不良苗の場合には順
次不良苗の抜き取りおよび良苗の植替えを行い、良苗の
場合には順次良苗を移植すればよく、作業の能率向上に
大きく貢献する。
【0041】また、本発明装置においては、計数手段2
4dにて判別結果データのうち不良苗および空部に相当
するデータ部分を計数した後、この計数値データに基づ
いて音声変換出力手段24eにて苗の移植本数を音声発
生手段20から出力すれば、生産作業者は苗トレイ11
内に移植すべき苗本数を知ることができる。このこと
は、生産作業者は音声発生手段20から出力される苗本
数以上の良苗を別途準備し、不良苗を抜き取り、その苗
抜き取り場所と空部に準備した良苗を迅速に移植でき
る。
【0042】なお、計数手段24dにて得られた計数値
データを座標変換手段24bに送り、ここで不良苗およ
び空部の計数値と良苗本数とを比較し、良苗本数が苗ト
レイ11上で過半数を割るとき、逆に良苗部分をスポツ
ト光源18にて順次照射するようにしてもよい。また、
苗の生育の良否を判定する構成であるが、苗以外の一般
的な植物の良否判定にも容易に適用できるものである。
【0043】従って、以上のような実施例の構成によれ
ば、苗判別手段23にて各プラグトレイごとの苗のカラ
ー画像データと判別基準データとを比較し、苗の良,不
良の判別を行った後、画像化して表示装置17に表示し
たので、苗トレイ11内の苗の生育状態を容易に把握で
き、また平均的生育からのバラツキなどがよく把握で
き、それに応じて品質を考慮しつつ必要な処置を講じる
ことができる。
【0044】しかも、苗判別手段23の判別結果データ
に基づいて苗トレイ11の不良苗および空部の相当場所
に光または色違い光を照射するので、苗トレイ11の次
の良苗を植えるべき場所を適切なアドバイスでき、これ
によって苗の移植を迅速に行うことができる。
【0045】また、不良苗および空部に植えるべき苗本
数を音声にて出力することにより、苗生産作業者の苗の
準備を迅速に行え、作業準備および作業量を把握する意
味からも望ましい。
【0046】次に、図3は本発明の他の実施例を示す構
成図である。この実施例においては、苗トレイ11上に
位置する天井などに、前記モータ19およびスポット光
源18の代えて座標光源18Aを固定または昇降可能に
吊下してなる構成である。この座標光源18Aは、例え
ば苗トレイ11の各プラグトレイごと、またはエリア単
位ごとに1対1で個別光源例えば小さい発光ダイオード
ランプやレーザ光ダイオード等が用いられる。
【0047】そして、座標変換手段24bにおいて不良
苗および空部に相当する座標位置データが得られたなら
ば、光源駆動制御手段24cは、その座標位置データに
基づいて座標光源18Aの対応する座標位置の個別光源
にオン信号を送出すれば、苗トレイ11内の全部の不良
苗および空部に相当する場所を照射でき、各個別光源ご
とに色違いの光源をもっていれば、不良苗と空部にわけ
て色分けして照射できる。
【0048】また、図4は本発明装置の他の実施例を示
す構成図である。この実施例では、苗判別制御部16の
他、苗トレイ11の不良苗および空部に相当する座標位
置に係わるデータに基づいてアーム31およびマニピュ
レータハンド32等の関節部分に装着されるサーボモー
タ等をフィードバック制御しながらずれ量を補正し、ア
ーム31およびマニピュレータハンド32に所定の動作
を与えるアーム駆動制御部33を設けた構成である。
【0049】すなわち、この装置は、アーム駆動制御部
33が苗判別制御部16からの不良苗および空部に相当
する座標位置に係わるデータに基づいてアーム31およ
びマニピュレータハンド32等を操作し、苗トレイ11
の不良苗および空部の場所に小旗,布,色砂等の識別体
を付すことにより、苗生産作業者による不良苗および空
部に対する良苗の植え替えを円滑に行う構成である。
【0050】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではない。不良苗および空部の苗本数は音声変換出力
手段24eを介して音声発生装置20から出力するよう
にしたが、例えば苗判別手段23にて不良苗および空部
の苗本数を把握し、判別結果データ格納手段21cの所
定のエリア格納すれば、表示装置17に表示することが
できる。
【0051】次に、図5は請求項6に係わる発明の一実
施例を示す図である。なお、同図において図1と同一機
能または同一部分には同一符号を付し、その詳しい説明
は省略し、以下、特に異なる部分について説明する。
【0052】すなわち、この苗判別制御装置は、温度ま
たは温湿度調節箱41が設置され、当該調節箱41内に
は少くとも1つ以上の苗トレイ11が収納されている。
この調節箱41の少くとも苗トレイ11の苗植え付け側
となる面には光源18からの光を照射可能な材料,例え
ばガラスや透明プラスチック材料によって覆われてい
る。なお、この調節箱41上に位置する天井などにはカ
メラ15および光源18が吊下されている。
【0053】また、この調節箱41には任意の取り付け
手段により温度調節器または加湿・除湿等の温・湿度調
節器42(以下、温・湿度調節器42と総称する)が取
り付けられ、この温・湿度調節器42によって調節箱4
1内の温度または温・湿度が調節されるようになってい
る。
【0054】さらに、苗判別制御部16は、例えば図6
に示すような機能構成を有する。すなわち、比較参照す
るための基準画像を記憶する基準画像記憶手段43と、
種々の条件設定を行って環境条件を作り出して苗の画像
データを取り込んで苗の良否判別を行う苗判別制御手段
44と、この苗判別制御手段44の条件設定に基づいて
所要とする制御信号を光源18および温・湿度調節器4
2に与える光源制御出力手段45および温・湿度制御出
力手段46と、これら光源18および温・湿度調節器4
2によって調節箱41内を所要とする環境状態に設定し
た後、カメラ15からの画像信号を取り込んでデータ処
理に必要なデータに変換するカメラ画像入力手段47
と、このカメラ画像入力手段47から取り込んだ画像デ
ータを適宜にデータ処理して記憶する画像データ格納手
段48とによって構成されている。
【0055】前記苗判別制御手段44は、複数の条件設
定手段44a〜44cの他、カメラ画像入力手段47か
らのデータから本来の苗画像を抽出する苗画像抽出手段
44d、前記格納手段43,48の画像を比較しながら
苗の良否を判別する苗良否判別手段44e等の機能をも
っている。次に、請求項6に係わる発明の実施例の動作
について説明する。
【0056】この装置は、概略的には前述と同様の動作
を行うものであって、真上のカラーカメラ15で苗トレ
イ11の生育過程にある苗の生育状態の画像を取り込ん
だ後、苗判別制御部16にて苗トレイ11,苗および土
などを含んだ画像の中から苗だけの画像を選択する。通
常、例えば苗は緑色、その他の色は黒か茶色系統なの
で、画像中から緑色の画像を抽出し、苗を選択する。そ
して、この苗画像から1本づつの苗画像に分け、良苗1
2、不良苗13、空部14に判別し、表示装置17に表
示する。ところで、この装置では、次のような条件の下
に苗の画像を取り込んで判別するものである。
【0057】先ず、判別を容易にするために、基準画像
格納手段43に比較参照用として図7の(ab)、(b
b)、(cb)の画像または画像面積データを格納して
おく。
【0058】この状態において苗判別制御手段44は、
第1条件設定手段44aを実行する。この第1条件と
は、温・湿度調節箱41内を例えば低温である5°C前
後に設定する。すなわち、苗判別制御手段44は、温・
湿度制御出力手段46および光源制御出力手段45を介
して温・湿度調節器42に目標温度を設定し、かつ、光
源18を消灯することにより、苗の発芽,生育温度より
も低い例えば5°C前後に設定する。勿論、光源18の
消灯により、温・湿度調節箱41内は光が当たらない暗
い状態になっている。
【0059】このとき、苗は図7(aa)に示すように
双葉が立上りの状態となる。ここで、カラーカメラ15
では図7(aa)の苗の画像を取り込んでカメラ画像入
力手段47にて苗画像を取り込むことにより、例えば図
7(ab)のような苗画像を得る。そこで、苗判別制御
手段44の第1条件設定手段44aは、以上のような条
件設定を行った後、カメラ画像入力手段47から苗画像
を取り込んだ後、苗画像抽出手段44dにて図7(a
b)から苗画像だけを抽出し、画像データ格納手段48
に格納する。このとき、苗画像データまたは苗面積デー
タを格納する。
【0060】次に、苗判別制御部16は第2条件設定手
段44bを実行する。この条件設定は、第1条件設定後
の苗に、光源制御出力手段45を介して光源18から光
を照射し、図7(ba)のように双葉を広げる。しかる
後、同様にカラーカメラ15からカメラ画像入力手段1
7を介して苗画像を取り込む。このとき、通常、苗は図
7(bb)のような状態の苗画像となっているはずであ
る。そこで、同様に苗画像抽出手段44dにて図7(b
b)の中から苗画像データのみ、或いは画像面積データ
のみを抽出し、画像データ格納手段48に格納する。
【0061】引き続き、苗判別制御手段44は第3条件
設定手段44cを実行する。この条件設定は、第2条件
設定後、温・湿度制御出力手段46を介して温・湿度調
節器42に目標温度を設定し、当該温・湿度調節器42
にて温・湿度調節箱41内の苗の温度を例えば5°C前
後から急激に例えば30°C前後に上昇させる。その結
果、苗は図7(ca)のごとき急激な温度変化によって
軽いしおれ状態となるはずである。そこで、この状態に
おいてカラーカメラ15にて苗画像を取り込んでカメラ
画像入力手段17に導入し、苗画像抽出手段44dにて
図7(cb)の画像から苗画像を抽出し、画像データ格
納手段48に格納する。なお、以上のような第1条件〜
第3条件の湿度は60%前後の状態に保つように設定す
る。図7において11は苗トレイ、51は胚軸、52は
双葉である。
【0062】従って、以上のような条件設定を行うと、
3通りの苗画像が得られるだけでなく、良苗の場合には
図7(ab)、(bb)、(cb)のように変化する苗
画像が得られる。一方、葉の小さい不良苗の場合には図
7(ab)、(bb)との画像の大きさの変化が良苗よ
りも非常に小さくなる。また、胚軸長が短い不良苗や倒
れた不良苗は図7(ca)、(cb)のような軽いしお
れで垂れ下がる空間が少ないために、葉が地面上にの
り、図7(ca)のように垂れ下がることができない。
よって、図7(bb)、(ca)、(cb)への画像
(葉面積)の減少変化が良苗よりも非常に小さくなる。
【0063】そこで、苗判別制御手段44の苗良否判別
手段44eでは、プログラムデータに基づいて所定の順
序または一括して画像データ格納手段48から苗画像デ
ータを取り出して表示装置17に表示し判別するとか、
或いは所定の順序で画像データ格納手段48から苗画像
データをと取り出して基準画像格納手段43の基準画像
または画像面積と比較しながら、良苗,不良苗を判別す
る。このとき、苗画像データが全くなければ、空部であ
ることはいうまでもない。
【0064】なお、図7(ba)の状態で葉が重なる密
度で生えている苗であっても、図7(aa)、(ca)
の状態で苗の入力画が1つづつに区別され、1本づつ判
別することができる。
【0065】また、苗判別制御手段44では、例えば図
8に示すような苗の場合には、双葉の縦横の長さの比か
ら長い方を長軸53とし、1本の苗の双葉の2本の長軸
53の交点54を計算により求めることができる。
【0066】従って、このような実施例の構成によれ
ば、例えば3つの条件設定を行って苗面積の変化を生起
し、その苗面積の変化から苗が倒れているかどうか、胚
軸長の短い不良苗であるかを区別することができる。ま
た、双葉が重なり合うほどの密度で生えている苗であっ
ても、図7(ab)または図7(cb)の状態ではの重
なりは消え、1個体づつの苗に区別することができる。
また、図7(ab)、(ba)、(bb)、そして図7
(cb)の変化途中で重なりのない状態で図8のように
入力し、長軸53が求められ、交点54が求められる。
この交点54付近には胚軸が存在し、苗の場所を特定す
ることができる。
【0067】なお、この装置は、3つの環境条件を設定
したが、2つまたは4つ以上の環境条件を設定しながら
苗の良否を判定してもよい。また、本装置は苗の良否判
別について述べたが、苗以外の一般的な植物の生育状態
の良否判定についても容易に適用できるものである。
【0068】次に、請求項7および請求項8に係わる発
明の実施例について説明する。この装置は、苗を含む植
物画像の解析を行ってその植物の生育状態を判定するこ
とにある。一般的な画像処理においては、ある画像の面
積率,円形度,縦横比,長さ,角度等を求めることによ
り、画像解析を行い、得られた画像データから良植物か
不良植物かを判定したり、クラス分けを行う。しかも、
トレイ内部に多数の植物が規則正しく育っている場合、
このようなトレイ内部の植物を上部位置に設置するカメ
ラ15で全画像として取り込んだ後、これら画像からセ
ル形トレイ例えばプラグトレイまたはトレイ小枠ごとに
切り取って植物の抽出を行う。そして、セル形トレイ内
の植物画像の面積の集計を行った後、その面積の大きさ
により、植物の生育状況の判定を行うことが考えられ
る。
【0069】しかし、植物の生育状態によって、植物の
大きさがセル形トレイの大きさより十分に大きく成長し
ている場合がある。従って、この場合にはセル形トレイ
の中に育っている植物の葉の一部が隣のセル形トレイの
中へはみ出して入っていく。また、植物の生育状態に応
じて軸が曲がった場合などでは、本来植物が育っている
セル形トレイを越えて近隣のセル形トレイにはみ出して
いくことが多くなり、時には殆んどの部分が隣のセル形
トレイへはみ出すことがある。
【0070】このように植物がセル形トレイからはみ出
して成長している場合、そのセル形トレイ内の画像の集
計を行うと、実際の植物の面積よりも大き過ぎたり、小
さ過ぎたりという問題がある。従って、植物の画像面積
の集計に際し、セル形トレイ内で生育している植物外の
画像を集計に含ませてしまうと問題が出てくる。
【0071】そこで、本発明方法は、セル形トレイ内に
生育している植物の面積の集計に際し、近隣枠からはみ
出して入ってくる植物の画像分を面積集計から除去する
ことにあり、特に苗判別制御部16の画像処理を改良し
たことにある。以下、本発明方法について図9および図
10を参照して具体的に説明する。
【0072】この苗判別制御部16は図9に示すような
機能ブロックからなっている。すなわち、この方法は、
トレイ11の真上に設置されているカラーカメラ15に
よって映し取ったトレイ11を含む植物画像を取り込ん
だ後(画像取込手段61)、画像格納手段62に記憶す
る。この画像格納手段62に記憶されている画像は複数
のセル形トレイ枠からなるトレイ11、植物、土などを
含んだものとなっている。
【0073】そこで、予め画像格納手段62に記憶さ
れ、或いはカメラ15を介して取り込んで画像格納手段
62に記憶されている画像から図10(a)のトレイ1
1の画像を求めた後、このトレイ11の画像データおよ
び色彩データを用いて、トレイ11、植物および土など
を含む画像の中から図10(b)に示すように植物だけ
の画像を抽出する(植物画像抽出手段63)。なお、色
彩データに関しては、例えば苗は緑色、その他は黒か茶
色系統なので、画像の中から緑色データを抽出すれば、
苗,つまり植物の画像だけを選択できる。
【0074】さらに、図10(b)の植物だけの画像か
ら図10(a)のセル形トレイ画像を引き算することに
より、各セル形トレイによって分断された植物画像を取
得する(セル形トレイ分断画像取得手段64)。しかる
後、この分断された植物画像に対し、予め画像格納手段
62その他の記憶手段に記憶されるセル形トレイごとに
定める有効領域(図10(c)では有効円)を当ては
め、この有効領域と分断された植物画像とが重なり合う
か否かを判断する(有効領域つながり判断手段65)。
その結果、各セル形トレイごとに分断された画像中、例
えば図10(d)に示すように2列目1行目の場所には
植物が生えていないが、隣接するセル形トレイからの植
物のはみ出しにより、画像A,B,Cが存在する。これ
らの画像A,B,Cは隣接するセル形トレイからはみ出
しているが、有効領域につながらない。
【0075】そこで、植物画像面積集計手段66では、
各セル形トレイごとに有効領域につながっている画像の
みの面積を集計し、この面積の値から良植物、不良植
物、空部の判別を行う。そして、この判別結果を表示装
置17に例えば良植物…緑色、不良植物…黄色、空部…
赤色等の色分け表示または良,不良または空部の文字表
示を行うものである。
【0076】従って、以上のような実施例の方法は、セ
ル形トレイ画像による分断、有効領域による植物画像の
つながり有無を判断し、有効領域につながる植物画像だ
けを選択して画像面積を集計するようにしたので、隣接
するセル形トレイからはみ出して入ってくる他の植物画
像面積を集計から除外することができ、各セル形トレイ
内に存在する有効な植物だけの面積から良植物、不良植
物、空部を適切に判別できる。特に、隣接するセル形ト
レイからはみ出して入ってくる他の植物画像面積を集計
から除外することにより、不良植物、空部などの画像面
積の小さな部分が引き立つ結果、良植物との面積差を明
確にすることができる。
【0077】なお、上記実施例では、有効領域の大きさ
を固定として考えているが、有効領域の大きさを任意に
変更可能とし、植物の生育段階やはみ出し量などに応じ
て柔軟に対応し、本来の植物画像の面積誤差を小さくす
ることができる。また、有効領域は円形としたが、例え
ば楕円、棒、三角形など種々の形状とすることができ
る。この場合にも植物の育ち方に一定の規則がある時や
一定の方向にそろっているものなどを集計する時、その
生育状況に合わせて有効領域の形状等を使用すれば、植
物画像の面積誤差を小さくできる。その他、本発明はそ
の要旨を逸脱しない範囲で種々変更して実施できる。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、次
のような種々の効果を奏する。請求項1の発明は、トレ
イ内の植物全体の生育状態が容易に把握可能であり、そ
の生育状態に応じて適切な処置を講じることができる。
また、トレイ内の不良植物および空部の場所を指示する
ので、その指示に従って良植物の植替え処置を迅速に行
うことが可能であり、作業の能率向上に寄与する。
【0079】
【0080】次に、請求項2の発明は、トレイ内の不良
植物および空部にわけて色分け照射するので、作業者
切な指示を与えることができ、また不良植物と空部と
の場所を容易に発見でき、同様に作業の能率向上に寄与
する。次に、請求項3の発明では、トレイ内の全部の不
良植物および空部の場所を同時に照射するので、同様に
適切な指示に従って良植物迅速に移植できる。さら
に、請求項4の発明においては、不良植物および空部の
植物本数を出力するので、速やかに植物本数の確保およ
び作業準備を進めることができる。
【0081】さらに、請求項5の発明は、トレイ内の不
良植物および空部の場所に自動的に識別体を付するの
で、植物生産作業者による不良植物および空部に対する
良植物の植替えを円滑に行うことができる。さらに、
求項6の発明は、積極的に環境条件を変えつつ植物の挙
動的画像変化から良否を判定するので、迅速に植物の良
否を判定できる。
【0082】さらに、請求項7,8の発明は、各セル形
トレイ内に存在する植物だけを抽出して植物画像の面積
を適切に集計でき、これにより植物の良否を高精度に判
定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる苗判別制御装置の一実施例を示
す構成図。
【図2】図1に示す苗判別制御部の機能ブロックを示す
図。
【図3】本発明に係わる苗判別制御装置の他の実施例を
示す構成図。
【図4】本発明に係わる苗判別制御装置の同じく他の実
施例を示す構成図。
【図5】本発明に係わる苗判別制御装置の同じく他の実
施例を示す構成図。
【図6】図5に示す苗判別制御部の機能ブロックを示す
図。
【図7】苗の状態図および苗を上から見た画像を示す
図。
【図8】苗の幾何学的状態を示す図。
【図9】請求項7に係わる植物の良否判定のための面積
集計方法を実現する一実施例としての機能ブロック図。
【図10】面積集計方法を説明する模式図。
【符号の説明】
11…苗トレイ、12…良苗、13…不良苗、14…空
部、15…カラーカメラ、16…苗判別制御部、17…
表示装置、18…光源、20…音声発生装置、21c…
判別結果データ格納手段、22…判別基準データ格納手
段、23…苗判別手段、24…苗判別出力制御手段、2
4a…表示制御手段、24a…座標変換手段、24c…
光源駆動制御手段、24d…計数手段、24e…音声変
換出力手段、33…アーム駆動制御部、41…温・湿度
調節箱、42…温・湿度調節器、43…基準画像格納手
段、44…苗判別制御手段、44a〜44c…条件設定
手段、44d…苗画像抽出手段、44e…苗良否判別手
段、48…画像データ格納手段、61…画像取込手段、
63…植物画像抽出手段、64…セル形トレイ分断画像
取得手段、65…有効領域つながり判断手段、66…植
物画像面積集計手段。
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 21/84 G01B 11/28 G06T 1/00

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トレイ内に植え付けられている植物の
    良,不良等を判別する装置において、 前記トレイ内の複数の植物の生育状態を撮影して画像デ
    ータを出力するカメラと、 予め植物の生育状態を判別するための判別基準データが
    格納されている判別基準データ格納手段と、 前記カメラからの画像データと前記判別基準データとを
    比較し、前記トレイ内に植え付けられている複数の植物
    の中から、良植物,不良植物および植物の生育していな
    い空部を判別する植物判別手段と、 この植物判別手段によって判別された判別結果データの
    うち、前記不良植物および前記空部の判別結果データの
    座標位置に応じた駆動制御信号を出力する光源駆動制御
    手段と、 前記トレイ上に所定の距離を隔てて首振り可能に吊下さ
    れ、前記光源駆動制御手段からの駆動制御信号を受けて
    前記トレイ内の前記不良植物および前記空部に相当する
    場所を所定の順序で照射する光源と、 を備えたことを特徴とする植物良否判別制御装置。
  2. 【請求項2】 光源駆動制御手段は、前記光源が2色の
    個別光源からなるとき、前記不良植物と空部との判別結
    果データに基づいて前記不良植物部分と前記空部部分と
    を色分け照射することを特徴とする請求項1に記載の
    物良否判別制御装置。
  3. 【請求項3】 トレイ内に植え付けられている植物の
    良,不良等を判別する装置において、 前記トレイ内の複数の植物の生育状態を撮影して画像デ
    ータを出力するカメラと、 予め植物の生育状態を判別するための判別基準データが
    格納されている判別基準データ格納手段と、 前記カメラからの画像データと前記判別基準データとを
    比較し、前記トレイ内に植え付けられている複数の植物
    の中から、良植物,不良植物および植物の生育していな
    い空部を判別する植物判別手段と、この 植物判別手段によって判別された判別結果データの
    うち、前記不良植物および前記空部の判別結果データの
    座標位置に応じた駆動制御信号を出力する座標光源駆動
    制御手段と、前記トレイ上に所定の距離を隔てて当該ト
    レイ内の各プラグトレイごとに個別光源を有し、前記座
    標光源駆動制御手段からの駆動制御信号を受けて前記ト
    レイ内の全部の前記不良植物および前記空部に相当する
    場所を照射する座標光源と、 を備えたことを特徴とする植物良否判別制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または請求項3に記載の植物良
    否判別制御装置において、 前記植物判別手段によって判別された判別結果データか
    ら不良植物と空部の数を計数し、前記トレイ内に移植す
    るために必要な植物の本数データを出力する植物本数デ
    ータ出力手段を付加したことを特徴とする植物良否判別
    制御装置。
  5. 【請求項5】 トレイ内に植え付けられている植物の
    良,不良等を判別する装置において、 前記トレイ内の植物の生育状態を撮影して画像データを
    出力するカメラと、 予め植物の生育状態を判別するための判別基準データが
    格納されている判別基準データ格納手段と、 前記カメラからの画像データと前記判別基準データとを
    比較し、前記トレイ内の良植物,不良植物および植物の
    生育していない空部を判別する植物判別手段と、 前記植物判別手段によって判別された判別結果データの
    うち、前記不良植物および前記空部の判別結果データの
    座標位置に応じた駆動制御信号を出力するアーム駆動制
    御部と、 このアーム駆動制御部から駆動制御信号を受けて前記ト
    レイ内の前記不良植物および前記空部に相当する場所に
    識別体を付するハンド機構とを備えたことを特徴とする
    植物良否判別制御装置。
  6. 【請求項6】 トレイ内に植え付けられている植物の
    良,不良等を判別する装置において、 植物が植え付けられている少くとも1つ以上のトレイが
    収納され、かつ、その一部の面が少くとも光透過面を有
    する温・湿度調節容器と、 この温・湿度調節容器に取り付けられ、当該温・湿度調
    節容器内の温・湿度を調節する温・湿度調節器と、 前記温・湿度調節容器内のトレイ内の植物の生育状態を
    撮影して画像データを出力するカメラと、 前記温・湿度調節容器上に所定の距離を隔てて吊下され
    た光源と、 前記温・湿度調節器と前記光源とを選択的に制御しなが
    ら前記温・湿度調節容器内の環境条件を変化させつつ前
    記植物の挙動的な画像変化を前記カメラから取り込む環
    境条件設定手段と、 この環境条件設定手段によって取り込んだ変化画像また
    は当該画像面積から前記植物の良,不良,空部を判別す
    る植物良否判別手段とを備えたことを特徴とする植物良
    否判別制御装置。
  7. 【請求項7】 カメラを用いて植物が生育しているトレ
    イ内の複数のセル形トレイを含む植物画像を取り込んで
    植物良否判別のための面積集計を行う方法において、 前記複数のセル形トレイを含む植物画像から植物画像の
    みを取り出し、この植物画像と予め用意した有効領域と
    のつながりの有無を判断し、当該有効領域とつながりを
    有する植物画像の面積を集計することを特徴とする植物
    良否判別のための面積集計を行う方法。
  8. 【請求項8】 カメラを用いて植物が生育しているトレ
    イ内の複数のセル形トレイを含む植物画像を取り込んで
    植物良否判別のための面積集計を行う方法において、 前記複数のセル形トレイを含む植物画像から植物画像の
    みを取り出した後、この取り出した植物画像をセル形ト
    レイ画像または既に用意したセル形トレイ画像を用いて
    分断し、この分断した各セル形トレイの植物画像につい
    て予め用意した有効領域とのつながりの有無を判断し、
    当該有効領域とつながりを有する植物画像の面積を集計
    することを特徴とする植物良否判別のための面積集計を
    行う方法。
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