JP3092225B2 - 高吸水性セルロース材料の製造方法 - Google Patents

高吸水性セルロース材料の製造方法

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JP3092225B2 JP03205151A JP20515191A JP3092225B2 JP 3092225 B2 JP3092225 B2 JP 3092225B2 JP 03205151 A JP03205151 A JP 03205151A JP 20515191 A JP20515191 A JP 20515191A JP 3092225 B2 JP3092225 B2 JP 3092225B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高吸水性セルロース材料
の製造方法に関するものであり、特に塩水吸水能力に優
れた高吸水性セルロース誘導体材料の製造方法に関する
ものである。本発明で得られる高吸水性材料は多量の水
を吸水するばかりでなく、食塩水や尿などのようにイオ
ンを含んでいる水性溶液に対しても高い吸水能力を示す
ものであって、各種の衛生材料、農業資材、食品包装材
料、土木・建築材料などの広い分野において有用なもの
である。
【0002】
【従来の技術】水または食塩水など塩類を含んだ水溶液
の吸水材料としては、近年、高吸水性樹脂と呼ばれる一
群の高分子樹脂材料が知られ、実用に供されている。こ
れらの樹脂材料は、基本的には、水溶性高分子をわずか
に架橋し、水に対して不溶化した化学構造を有するもの
である。このような高吸水性材料としては、例えば澱粉
にアクリロニトリルをグラフト重合した後、これを加水
分解したもの、澱粉にアクリル酸金属塩をグラフト重合
したもの、アクリル酸を共重合性架橋剤とともに重合し
た架橋樹脂、メタクリル酸メチル−酢酸ビニル共重合体
の加水分解物など数多くのものが提案されており、これ
らのいくつかは実用化されている。
【0003】伝統的な吸水性材料として知られている
綿、パルプ、紙、布、スポンジなどは毛細管現象によっ
て吸水するものであるが、これに対し、上記の高吸水性
樹脂は吸水の原理が浸透圧であるため、毛細管現象より
もはるかに多量の水を吸収することができる。また、高
吸水性樹脂は、吸水状態で圧力がかかっても簡単に水を
再放出しないという優れた特徴を有している。このた
め、高吸水性樹脂の用途として、使い捨て紙おむつ、生
理用品などの衛生材料分野、土壌保水剤、育苗用シート
などの農業資材分野、食品鮮度保持材、脱水材などの食
品分野、トンネル掘削時の逸泥防止、建物の結露防止シ
ートなどの土木・建築材料として広範囲に使用されてい
る。
【0004】しかし、これら高吸水性樹脂は、食塩水や
尿など塩を含む溶液に対して、吸水の原動力である浸透
圧が減少するため、その吸水量が著しく低下するという
欠点を有している。上記の高吸水性樹脂の応用分野にお
いても、塩を含む溶液を対象にする場合が多いため、塩
の存在下でも高い吸水量を示す材料の開発が望まれてい
る。
【0005】従来の高吸水性樹脂の上記の欠点を解決す
るために、多糖類がポリアクリル酸ナトリウムなどの合
成高分子と異なり、塩水中でも分子が糸まり状となら
ず、比較的広がったコンフォメーションを保持している
という特性を利用することが試みられている。例えば多
糖類に親水性モノマーをグラフト重合する方法(特開昭
56-76419号、特開昭56-76481号)、多糖類そのものを架
橋する方法(特開昭56−5137号、特開昭58-79006号、特
開昭60-58443号)などが知られている。また多糖類とし
てセルロース誘導体(特にカルボキシメチルセルロース
を用いることが多い)を用いる方法(特開昭49−128987
号、特開昭50-85689号、特開昭54−163981号、特開昭56
-28755号、特開昭58−1701号、特開昭60-94401号、特開
昭61-89364号)も数多く検討されている。しかし何れの
方法によっても塩水吸収能力が十分改善されたとは言い
難い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、各種塩を含
む水溶液に対しても吸水量の高いセルロース誘導体材料
を容易に、かつ低コストで製造し得る方法を提供しよう
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の高吸
水性セルロース材料の製造方法は、架橋されたセルロー
ス誘導体を、水及び水と相溶性のある有機溶媒の混合液
中で膨潤させて膨潤度が20g/g〜200g/gのゲ
ルとし、これに水と相溶性のある有機溶媒を添加して、
ゲルを脱膨潤させ、得られた混合液をろ過して架橋セル
ロース誘導体ゲルを溶媒から分離し、このゲル中の水分
を水と相溶性のある有機溶媒で置換した後、これを乾燥
することを特徴とするものである。
【0008】
【作用】本発明に使用されるセルロース誘導体として
は、カルボキシメチルセルロース(以後CMCと略す
る)アルカリ金属塩、カルボキシメチルヒドロキシエチ
ルセルロースアルカリ金属塩、カルボキシエチルセルロ
ースアルカリ金属塩、硫酸セルロースアルカリ金属塩な
ど電解質系の水溶性セルロース誘導体等が用いられる。
セルロース誘導体の架橋方法に格別の限定はないが、加
熱することによって架橋を行う方法(熱架橋)や、架橋
剤を反応させる方法などを用いることができる。
【0009】架橋剤としては、ホルムアルデヒド、およ
びグリオキザールなどのアルデヒド類;ジメチロールウ
レア、ジメチロールエチレンウレア、およびジメチロー
ルイミダゾリドンなどのN−メチロール化合物類;蓚
酸、マレイン酸、こはく酸、およびポリアクリル酸など
の多価カルボン酸類;エチレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、およびジエポキシブタンなどの多価エポキシ化合物
類;ジビニルスルホン、およびメチレンビスアクリルア
ミドなどのジビニル化合物類、ジクロロアセトン、ジク
ロロプロパノール、およびジクロロ酢酸などの多価ハロ
ゲン化合物類;エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリ
ンなどのハロヒドリン化合物類;並びに多価アジリジン
化合物類などを使用できる。
【0010】また本発明方法に用いられるセルロース誘
導体としては、原料セルロース誘導体に、水溶性単量体
をグラフト共重合させ、さらに必要に応じてこれに加水
分解及び架橋を施すことにより製造された吸水性セルロ
ース誘導体材料であってもよい。この場合のセルロース
誘導体としては上記水溶性セルロース誘導体のほか、メ
チルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチル
セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アセチル
セルロースなど非電解質系のセルロース誘導体も使用で
きる。
【0011】上記水溶性単量体としては、アクリル酸、
メタクリル酸およびこれらのアルカリ金属塩などのよう
にカルボキシル基を有する単量体、アクリルアミド、メ
タクリルアミド、アクリロニトリル、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチルなどのように加水分解によってカルボキシル
基を生じる基を含んだ単量体が使用できる。
【0012】架橋処理はグラフト重合の前でもよく、或
は後でもよく、或は、電解質系の水溶性セルロース誘導
体の場合と同様な方法によって架橋してもよいし、グラ
フト共重合の過程で前記単量体と共重合可能なジビニル
化合物、例えばN,N´- メチレンビスアクリルアミ
ド、N,N´- メチレンビスメタアクリルアミド、エチ
レングリコールジアクリレートなどの存在下でグラフト
共重合を行ってもよい。
【0013】架橋されたセルロース誘導体の形状は繊維
状、粉末状、粒子状、シート状などのいづれであっても
よく、それに格別の限定はない。しかし、繊維状のもの
を用いると、吸水速度に優れた繊維状高吸水性材料が得
られる。
【0014】水と相溶性のある有機溶媒として本発明方
法に用いられるものはメタノール、エタノール、イソプ
ロパノール、n−プロパノール、アセトン、メチルエチ
ルケトン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニ
トリルなどの少なくとも1種からなるものをあげること
ができる。
【0015】本発明方法において、架橋されたセルロー
ス誘導体の膨潤は、水と上記水と相溶性のある有機溶媒
の混合物を添加して行う。このとき、架橋セルロース誘
導体の膨潤度が20〜200g/gになるようにする必
要がある。
【0016】ここで「膨潤度」とは被膨潤材料が保持し
ている混合溶媒の重量であって、具体的には後に記載さ
れる方法で測定される。膨潤度は様々な因子によって決
定されるが、主な因子は、水と有機溶媒の混合割合、添
加量、及び架橋密度などである。これらの因子を適当に
調節することによって、上記膨潤度を有するゲルとする
ことができる。
【0017】架橋されたセルロース誘導体は、水を含ま
ない上記有機溶媒中では膨潤しない。しかし上記有機溶
媒に水を混合して有機溶媒濃度を下げていくと、ある濃
度で急激に膨潤を起こす性質がある。この現象は「ゲル
の体積相転移」としてよく知られている現象であるが、
本発明方法の上記膨潤工程においては、この体積相転移
を起こす有機溶媒濃度、またはそれよりやや低い有機溶
媒濃度を用いることが好ましい。この好適有機溶媒濃度
は、架橋されたセルロース誘導体の種類および有機溶媒
の種類によって異なり、一概には規定できないが、一般
には20〜60重量%である。
【0018】有機溶媒濃度が高すぎると、先に述べたよ
うに架橋されたセルロース誘導体の膨潤度が低下するの
で好ましくない。逆にそれが低すぎると、後述する脱膨
潤に必要となる有機溶媒の量が増大し、それに伴って製
造コストが著しく増大するので好ましくないし、また得
られる吸水性材料が樹脂状物になって吸水速度が遅くな
るという不都合を生ずる。
【0019】また混合溶媒の添加量も架橋されたセルロ
ース誘導体の種類、有機溶媒の種類、有機溶媒濃度、及
び架橋密度によって変えるべきものであるが、一般的に
は架橋セルロース誘導体に対し、20〜400kg/k
gの割合で添加すればよい。この添加量が少ないと、ゲ
ルの膨潤度が小さくなりすぎて、高吸水性材料を得るこ
とが出来ず、また高すぎると、有機溶媒のコストが増大
するので好ましくない。
【0020】本発明方法の出発原料として用いられる架
橋セルロース誘導体の架橋密度は、水と有機溶媒の混合
割合、及び添加量を調節した時、上記膨潤度になるよう
に調節すればよい。
【0021】膨潤したゲルは、水と相溶性のある上記溶
媒を添加することによって脱膨潤し、ゲルが保持してい
た大部分の溶媒を放出する。次に、この混合液をろ過し
て、架橋セルロース誘導体ゲルを溶媒から分離する。上
記脱膨潤に用いられる溶媒の種類は、膨潤に用いた有機
溶媒と同一種類でも、或いは異なっていてもよい。この
脱膨潤操作には、ゲルの乾燥に要する熱エネルギーを少
なくする効果もあるが、その主な目的は、乾燥を行う前
にゲルから大部分の水を除去することである。この操作
を行わず、膨潤したゲルをそのまま加熱して乾燥する
と、水の作用によってゲル粒子同士が付着して固い樹脂
状物となり、乾燥されたセルロース材料は高い吸水量を
示さないようになる。
【0022】ろ過されたゲルは、まだいくらかの水分を
含んでいるので、水と相溶性のある上記有機溶媒で洗浄
するか、または浸漬したのち、これをろ過することによ
って、ゲル中の水分を有機溶媒で置換することができ、
これを乾燥して高吸水性セルロース材料を得ることがで
きる。
【0023】セルロース誘導体系吸水性材料について
は、先に例示したように多くの研究がなされ、かつ報告
されているが、純水または人工尿液の吸水量の値におい
ては、架橋ポリアクリル酸ナトリウム系高吸水性樹脂に
比較してあまり大きい値は報告されていない。しかし多
くの水溶性セルロース誘導体は塩水中でも高い粘度を保
持しているので、潜在的には高い塩水吸水能力を示すこ
との可能な材料であると考えられる。
【0024】本発明方法によって優れた高吸水性材料が
得られる理由については、未だ十分に明かではないが、
下記のように考えられる。すなわち、その最も重要な点
は、架橋されたセルロース誘導体を、水及び水と相溶性
のある有機溶媒の混合物中で膨潤させることであり、こ
れによって分子間の水素結合の切断などが起こり、網目
構造が不可逆的に変形し、分子の網目の間に水を取り込
みやすいゲル構造が形成される。これを水と相溶性のあ
る有機溶媒で脱膨潤し、さらにゲル中に残存する水分を
有機溶媒で置換して乾燥することによって、膨潤によっ
て形成された網目構造が保存されて、高い吸水量が発現
すると考えられる。そのため、膨潤工程においてゲルの
膨潤度を20g/g以上にしないと、網目構造の変形が
十分でなく、高い吸水量は得られないと考えられる。ま
た膨潤を水のみで行うと、脱膨潤が不完全になりやす
く、残存する水分の影響で水素結合が再形成され、網目
構造を変形させた効果が減少するばかりか、得られる吸
水性材料が樹脂状物になるので、高い吸水性能は得られ
ない。
【0025】この現象は水素結合による分子間の相互作
用システムが発達したセルロース誘導体系特有の現象と
考えられる。例えば架橋ポリアクリル酸ナトリウム系高
吸水性樹脂の場合、水素結合による分子間の相互作用が
小さいので、本発明の方法で処理してもその吸水性能に
は何等変化がない。
【0026】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明
するが、もとより本発明の範囲は、これらの実施例によ
って限定されるものではない。なお、実施例、比較例中
の吸水量及び膨潤度は以下に述べる方法により測定され
た。
【0027】(1)人工尿液吸水量測定方法 供試材料1gを、大きさ10cm角の250メッシュナ
イロンワイヤー製の袋に封入し、これを下記組成の人工
尿液中に10分間浸漬して吸液させた。これを引き上げ
て吊り下げ、10分間液切りを行った後、その重量を測
定し、試料1g当たり吸収した人工尿液の重量をもって
当該供試材料の吸水量を表示することにした。人工尿組成 成分 重量% 尿素 2.00 NaCl 0.80 MgSO4・7H2O 0.08 CaCl2・2H2O 0.03 純水 97.09
【0028】(2)膨潤度測定方法 供試材料0.5gを、ビーカーにとり、水および水と相
溶性のある有機溶媒の混合液を膨潤の条件に応じて添加
し、供試材料を膨潤させてゲル化させた。このゲルを大
きさ10cm角の250メッシュナイロンワイヤー製の
袋に封入し、吊り下げて10分間液を切り、重量を測定
し、試料1g当たり吸収した混合液の重量をもって膨潤
度を表示した。
【0029】実施例1 絶乾重量20gの針葉樹クラフトパルプ(NBKP)を家庭用
ミキサーで離解して綿状物とした。この綿状物を反応容
器に入れ、これにイソプロパノール312g、水40
g、及び水酸化ナトリウム5.93gを混合し、一時間
攪拌してアルカリセルロースとした。これにモノクロロ
酢酸ナトリウム17.3gを添加し、30分間攪拌し、
さらに30分間放置した。次に反応容器に還流冷却器を
取り付け、これに混合液を入れ、これをオイルバスで3
時間還流加熱した。反応生成物をガラスフィルターでろ
過し、70重量%メタノール水溶液で十分洗浄後、10
0%メタノールで2回洗浄し、真空乾燥器で乾燥して、
繊維状のCMCナトリウム塩30g(置換度1.0)を
得た。
【0030】この繊維状のCMCナトリウム塩30gを
反応容器に入れ、これにイソプロパノール600ml、
水120ml、濃度50g/lのエピクロルヒドリンを
含むイソプロパノール溶液18ml、および濃度40g
/lのNaOHを含む水溶液9. 7mlを混合した。反
応容器に還流冷却器を取り付け、混合液をオイルバス上
で1時間還流加熱した。反応生成混合物をガラスフィル
ターでろ過し、70重量%メタノール水溶液で十分洗浄
後、100%メタノールで2回洗浄し、真空乾燥器で乾
燥して、繊維状の架橋CMCを得た。
【0031】この繊維状の架橋CMC3gを500ml
ビーカーにとり、55重量%メタノール水溶液200g
を加えて攪拌後、混合物を1時間静置して架橋CMCを
膨潤させた。この膨潤条件における架橋CMCの膨潤度
を測定したところ、50g/gであった。このゲルにア
セトン200gを添加してゲルを脱膨潤させた後、ろ過
してゲルを分離した。このゲルをアセトン100g中に
分散させ、室温で6時間放置して、ゲル中の水分をアセ
トンで置換した後、ゲルをろ過し、乾燥して、繊維状の
高吸水性材料を得た。その人工尿液吸水量を測定し、そ
の結果を表1に示す。
【0032】実施例2 実施例1と同じ方法で得られた繊維状の架橋CMC3g
を、500mlビーカーにとり、25重量%イソプロパ
ノール水溶液200gを加えて攪拌後、混合物を1時間
静置して膨潤させた。この膨潤条件における架橋CMC
の膨潤度を測定したところ、63g/gであった。この
ゲルにイソプロパノール200gを添加してゲルを脱膨
潤させた後、ろ過してゲルを分離した。このゲルをイソ
プロパノール100g中に分散させ、室温で6時間放置
して、ゲル中の水分をイソプロパノールで置換した後、
ゲルをろ過し、乾燥して、繊維状の高吸水性材料を得
た。その人工尿液吸水量を表1に示す。
【0033】実施例3 市販の粉末状CMCナトリウム塩(置換度0.8)30
gに、イソプロパノール260g、水78g、水酸化ナ
トリウム2g、およびエチレンオキサイド22gを混合
し、この混合物をオートクレーブに仕込み、70℃で2
時間反応させた。次に得られた反応混合物を酢酸で中和
した後、ろ過して反応溶媒の大部分を除き、60℃で4
時間乾燥し、さらに温度を150℃に上げて、2時間加
熱して、架橋されたカルボキシメチルヒドロキシエチル
セルロースナトリウム塩を調製した。
【0034】この架橋されたカルボキシメチルヒドロキ
シエチルセルロースナトリウム塩3gを、500mlビ
ーカーにとり、これに35重量%アセトン水溶液400
gを加えて攪拌後、混合物を1時間静置して膨潤させ
た。この膨潤条件における架橋されたカルボキシメチル
ヒドロキシエチルセルロースナトリウム塩の膨潤度を測
定したところ、110g/gであった。このゲルにアセ
トン400gを添加してゲルを脱膨潤させた後、ろ過し
てゲルを分離した。このゲルをアセトン100g中に分
散させ、室温で6時間放置して、ゲル中の水分をアセト
ンで置換した。次にゲルをろ過し、乾燥した後、粉砕し
て、高吸水性材料を得た。その人工尿液吸水量を表1に
示す。
【0035】実施例4 絶乾重量7gの針葉樹クラフトパルプ(NBKP)に、0. 1
%硝酸154g、アクリロニトリル14gを加え、よく
混合した。これにグラフト重合開始剤として硝酸第二セ
リウムアンモニウム370mgを添加し、室温で一時間
グラフト重合を行った。反応生成物を水で十分洗浄し、
ろ過して脱水後、3%水酸化ナトリウム水溶液1000
mlを加えて、100℃で2時間加熱することにより、
グラフト共重合パルプに加水分解を施した。この反応生
成物をろ過により分離し、76重量%メタノール水溶液
で洗浄後、真空乾燥して、グラフト共重合パルプの加水
分解生成物を得た。
【0036】次にこの加水分解生成物5gにイソプロパ
ノール50ml、水10ml、および水酸化ナトリウム
1.5gを加え、室温で1時間攪拌した後、これにモノ
クロロ酢酸ナトリウム4.4gを加え、更にこの混合液
を40℃で3時間加熱して前記加水分解生成物にカルボ
キシメチル化を施し、70重量%メタノール水溶液で洗
浄後、真空乾燥した。カルボキシメチル化されたグラフ
ト共重合パルプの加水分解生成物が得られた。このカル
ボキシメチル化されたグラフト共重合パルプの加水分解
生成物に実施例1と同じ操作を行って繊維状の高吸水性
材料を得た。ただしこのカルボキシメチル化されたグラ
フト共重合パルプの加水分解生成物を膨潤させたときの
膨潤度は65g/gであった。この高吸水性材料の人工
尿液吸水量を表1に示す。
【0037】比較例1〜3 実施例1、実施例3、および実施例4と同一の操作を行
い、但し、水および水と相溶性のある有機溶媒の混合物
で膨潤させる前の試料を、それぞれ比較例1、比較例
2、比較例3とした。これらの人工尿液吸水量を表1に
示す。
【0038】比較例4〜7 比較例4〜7において、それぞれ実施例1〜4と同じ操
作を行った。但し、水および有機溶媒の混合物の添加量
を30gに減らし、膨潤度を小さく抑えた。それぞれの
製品の人工尿液吸水量を表1に示す。
【0039】比較例8 比較例8において、実施例1と同じ操作を行った。ただ
し、架橋CMCを膨潤させる溶媒として、55重量%メ
タノール水溶液に代えて、65重量%メタノール水溶液
を用い、それによって架橋CMCの膨潤度を小さく抑え
た。得られた製品の人工尿液吸水量を表1に示す。
【0040】比較例9 比較例9において、実施例2と同じ操作を行った。ただ
し、架橋CMCを膨潤させる溶媒として、25重量%イ
ソプロパノール水溶液に代えて、65重量%イソプロパ
ノール水溶液を用いて、膨潤度を小さく抑えた。その人
工尿液吸水量を表1に示す。
【0041】比較例10 比較例10において、実施例3と同じ操作を行った。た
だし、架橋されたカルボキシメチルヒドロキシエチルセ
ルロースナトリウム塩を膨潤させる溶媒として、35重
量%アセトン水溶液に代えて、65重量%アセトン水溶
液を用いて、膨潤度を小さく抑えた。その人工尿液吸水
量を表1に示す。
【0042】比較例11 比較例11において、実施例4と同じ操作を行った。た
だし、カルボキシメチル化されたグラフト共重合パルプ
の加水分解物を膨潤させる溶媒として、55重量%メタ
ノール水溶液に代えて、65重量%メタノール水溶液を
用いて、膨潤度を小さく抑えた。その人工尿液吸水量を
表1に示す。
【0043】比較例12〜15 比較例12〜15においてそれぞれ実施例1〜4と同じ
操作を行った。但し、実施例1〜4において、膨潤させ
たゲルを、そのまま105℃の乾燥機中で乾燥させて調
製した。その人工尿液吸水量を表1に示す。
【0044】比較例16および17 比較例16において、反応容器内で、アクリル酸75g
に、水201g、および水酸化ナトリウム31.2gを
加え、アクリル酸のカルボキシル基の74.9%を中和
した。次に、この混合物に、架橋剤としてN,N´- メ
チレンビスアクリルアミド0. 05g、および重合開始
剤として過硫酸カリウム0. 26gを加えて溶解した。
【0045】別のフラスコにシクロヘキサン375gを
入れ、これに、界面活性剤としてソルビタンモノステア
レート4. 5gを溶解させた後、前記部分中和済みのア
クリル酸水溶液を添加し、窒素ガスを吹き込みながら混
合物を攪拌して、油中水滴型の懸濁液を形成させた。つ
いで混合物を65℃に昇温して重合させた。冷却後、得
られたポリマー粒子をデカンテーションで分離し、80
℃の真空乾燥器中で乾燥して、架橋ポリアクリル酸ナト
リウム系高吸水性樹脂(比較例16)を得た。その人工
尿液吸水量を表1に示す。
【0046】比較例17において上記架橋ポリアクリル
酸ナトリウム系高吸水性樹脂3gを、500mlビーカ
ーにとり、35重量%メタノール水溶液200gを加え
て攪拌後、混合物を1時間静置して膨潤させた。この膨
潤条件における架橋ポリアクリル酸ナトリウム系高吸水
性樹脂の膨潤度を測定したところ、66g/gであっ
た。このゲルにアセトン200gを添加してゲルを脱膨
潤させた後、ろ過してゲルを分離した。このゲルをアセ
トン100g中に分散させ、室温で6時間放置して、ゲ
ル中の水分をアセトンで置換した後、ゲルをろ過し、乾
燥した(比較例17)。その人工尿液吸水量を表1に示
す。
【0047】
【表1】
【0048】
【発明の効果】本発明方法によって得られた高吸水性材
料は、純水はもちろん塩水中でも素早く膨潤し、高い吸
水量を示すので、広い分野で好適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平5−31362(JP,A) 特開 平1−113406(JP,A) 特開 平1−130726(JP,A) 特表 平4−504978(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B01J 20/30 B01J 20/22 - 20/26

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 架橋されたセルロース誘導体を、水及び
    水と相溶性のある有機溶媒との混合液中で膨潤させて膨
    潤度が20g/g〜200g/gのゲルとし、 これに、水と相溶性のある有機溶媒を添加して、ゲルを
    脱膨潤させ、 得られた混合液をろ過して架橋セルロース誘導体ゲルを
    溶媒から分離し、 このゲル中の水分を水と相溶性のある有機溶媒で置換し
    た後、これを乾燥する、 ことを特徴とする塩水吸水能力に優れた高吸水性セルロ
    ース材料の製造方法。
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