JP3092201B2 - 低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物

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JP3092201B2 JP10337391A JP10337391A JP3092201B2 JP 3092201 B2 JP3092201 B2 JP 3092201B2 JP 10337391 A JP10337391 A JP 10337391A JP 10337391 A JP10337391 A JP 10337391A JP 3092201 B2 JP3092201 B2 JP 3092201B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は低収縮性不飽和ポリエス
テル樹脂組成物に関し、更に詳しくは常温又は中温成形
時の低収縮性に優れた低収縮性不飽和ポリエステル樹脂
組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】不飽和ポリエステル樹脂にガラス繊維等
の繊維補強材を含有させ、ベンゾイルペルオキシド、メ
チルエチルケトンペルオキシドまたはt−ブチルペルオ
キシベンゾエート等の有機ペルオキシドを硬化触媒とし
て用いて硬化させた繊維強化プラスチック(以下FRP
と略記する)は優れた機械的強度、耐薬品性、耐熱性及
び耐水性を有するため、浴槽、浄化槽、水タンクパネル
等の住宅関連製品、自動車部品、電気部品及び工業機材
等広範な分野に使用されている。そして、これらFRP
成形品はハンドレイアップ法やスプレイアップ法等の接
触圧成形法、比較的低圧の圧縮成形機や圧入機を用いて
不飽和ポリエステル樹脂の硬化時の発熱を利用して成形
するコールドプレス法やレジンインジェクション法等の
常温又は中温成形並びにシートモールディングコンパウ
ンド(以下SMCと略記する)やバルクモールディング
コンパウンド(以下BMCと略記する)等の成形材料を
圧縮成形機や射出成形機を用いて成形する加熱成形等様
々な成形法により得られている。
【0003】一方、ポルトランドセメントの代りに不飽
和ポリエステル樹脂を結合材として使用し、これに炭酸
カルシウム等の無機充填材及び、又は砂、砂利等を主成
分とする骨材を混合したレジンモルタル又はレジンコン
クリートは、セメントモルタル又はコンクリートと比較
して耐薬品性、耐水性、耐酸性、電気絶縁性及び硬化性
が優れ、更に軽量であるため、土木用、化学工業用等に
広く使用されている。そして、レジンモルタル及びレジ
ンコンクリートは一般に常温成形により得られている。
しかし、不飽和ポリエステル樹脂は一般に硬化時に大き
な収縮を示し、これに伴って成形品の寸法精度が不良と
なるばかりでなく、成形品にクラック、反り、波打ち及
び補強用に使用したガラス繊維の浮き出し等による表面
の悪化現象が発生しやすい等の欠点を有している。
【0004】これらの欠点を改良する目的で、不飽和ポ
リエステル樹脂にポリスチレン、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリ酢酸ビニル、飽和ポリエステル等の熱可塑性樹
脂を低収縮化剤として配合することが広く行われてい
る。しかしながら、これらの方法は何れも熱可塑性樹脂
の熱膨張により不飽和ポリエステル樹脂の硬化収縮を相
殺しようという考え方に基づいたものであるため、加熱
成形以外の成形法には殆ど有効でないのが現状である。
又、ポリ酢酸ビニルのような未硬化の不飽和ポリエステ
ル樹脂と一液を為すいわゆる相溶系低収縮化剤の場合、
前記の熱膨張による低収縮化効果に加えて、硬化時に低
収縮化剤が相分離するために起こる体積増加による効果
も相俟って、加熱成形分野においては高い低収縮化効果
が期待できる。しかし、常温又は中温で一般的に使用さ
れる不飽和ポリエステル樹脂に対しては、相溶性が高す
ぎるために硬化時に相分離が起こらず、結果的に前記成
形法においては後者の効果も殆ど期待できないのが現状
である。
【0005】そこで、本発明者らは特公昭63−309
56号公報、特公昭63−40447号公報、特開昭6
0−141754号公報及び特開昭60−141755
号公報において、スチレンとアクリル酸又はメタクリル
酸のアルキルエステルとからなるA−B型ブロック共重
合体が常温成形用の低収縮化剤として有効であることを
提案している。しかし、この低収縮化剤を不飽和ポリエ
ステル樹脂に配合して不飽和ポリエステル樹脂組成物と
した場合、その粘度上昇が激しいために成形時の作業性
が悪く、又常温成形に用いられる不飽和ポリエステル樹
脂に対して汎用性がないため、使用される用途が限られ
ていた。
【0006】一方、本発明者らは特開昭57−1641
14号公報において、酸基を有するスチレンと酢酸ビニ
ルとからなるA−B型ブロック共重合体がSMC及びB
MC等の加熱成形用の低収縮化剤として有効であること
を提案している。該公報で開示している酸基を有するブ
ロック共重合体を製造する際に使用されるエチレン性不
飽和カルボン酸はアクリル酸やメタクリル酸等の共役型
エチレン性不飽和単量体であるため、実質的にスチレン
との共重合性を有するのみで、酢酸ビニル単量体に基づ
く構成単位からなるセグメントに酸基を導入することは
困難であった。こゝで言う共役型エチレン性不飽和単量
体とは、アルフレイ・プライスのQ値が0.2以上で示
されるエチレン性不飽和単量体のことである。結果的に
該ブロック共重合体を不飽和ポリエステル樹脂に配合し
て不飽和ポリエステル樹脂組成物とした場合、その粘度
上昇が激しいために常温成形時の作業性が悪く、又常温
成形用の低収縮化剤として全く効果がなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来、常温又は中温成
形分野において、不飽和ポリエステル樹脂用の汎用性の
ある低収縮化剤は存在せず、結果的に満足できる寸法精
度及び表面性を備えた成形物は得られていなかった。従
って、常温又は中温成形分野において汎用性の高い低収
縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物が望まれていた。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記に鑑み提
案されたもので、不飽和ポリエステル樹脂組成物に一方
の特定のセグメントに酸基を有するブロック共重合体を
配合することにより、そのブロック共重合体と不飽和ポ
リエステル樹脂組成物との相溶性が良好で、且つ前記ブ
ロック共重合体と不飽和ポリエステル樹脂組成物との混
合物の粘度が低く、更には常温又は中温成形時の収縮が
極めて小さい成形品を与えることのできる低収縮性不飽
和ポリエステル樹脂組成物を提供することを目的とする
ものである。
【0009】即ち、本発明は、不飽和ポリエステル、該
不飽和ポリエステルと共重合が可能なエチレン性不飽和
単量体及びA−B型ブロック共重合体からなる低収縮性
不飽和ポリエステル樹脂組成物において、A−B型ブロ
ック共重合体は前記不飽和ポリエステルと前記不飽和単
量体との総重量100重量部に対して3〜18重量部で
あり、前記A−B型ブロック共重合体におけるAセグメ
ントは、酢酸ビニル単量体と、該単量体と共重合が可能
なアルフレイ・プライスのQ値が0.2未満である非共
役型エチレン性不飽和カルボン酸とからなる単量体混合
物に基づき、且つその非共役型エチレン性不飽和カルボ
ン酸に基づく重合部分が酢酸ビニル単量体に基づく重合
部分の0.5〜5重量%である重合体部分であり、前記
A−B型ブロック共重合体におけるBセグメントは、ス
チレン単量体に基づく重合体部分であり、A−Bブロッ
ク共重合体中のAセグメントの割合は5〜50重量%、
Bセグメントの割合は95〜50重量%であり、且つA
−B型ブロック共重合体の数平均分子量が10,000
〜100,000であることを特徴とする低収縮性不飽
和ポリエステル樹脂組成物に関するものである。
【0010】本発明における好適な不飽和ポリエステル
は、通常の不飽和ポリエステルアルキドであり、α、β
−不飽和二塩基酸又はその無水物と飽和二塩基酸又はそ
の無水物との混合物と多価アルコール類との通常の縮合
反応により製造される。そして、低反応性の不飽和ポリ
エステルから高反応性の不飽和ポリエステルまで特に限
定されない。然し、低収縮化効果をより安定に働かせる
ためには、中反応性から高反応性の不飽和ポリエステル
が好ましい。従って、30〜100モル%、好ましくは
50〜100モル%のα、β−不飽和二塩基酸と70〜
0モル%、好ましくは50〜0モル%の飽和二塩基酸の
混合物を多価アルコール類と反応させて製造される不飽
和ポリエステルが好ましい。
【0011】こゝで、α、β−不飽和二塩基酸又はその
無水物としては、例えばマレイン酸又はその無水物、フ
マル酸、メサコン酸、テトラコン酸、イタコン酸又はそ
の無水物若しくはこれらのアルキルエステル類等が挙げ
られる。又、飽和二塩基酸又はその無水物としては、例
えば無水フタル酸、オルトフタル酸、イソフタル酸、テ
レフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ハロゲン化無水フ
タル酸、ヘット酸、アジピン酸、コハク酸、セバシン酸
若しくはこれらのアルキルエステル類等が挙げられる。
更に、前記二塩基酸との縮合反応によりエステルを形成
する多価アルコール類としては、例えばエチレングリコ
ール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、
ネオペンチルグリコール、1,3−プロパンジオール、
1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、
1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、シクロヘキサンジメタノール、2,2,4−トリメ
チル−1,3−ペンタンジオール等のジオール類、水素
化ビスフェノール、ビスフェノールAにプロピレンオキ
シド等の付加したグリコール類の他、例えばトリメチロ
ールプロパン等のトリオール類等が挙げられる。
【0012】上記した不飽和ポリエステルと共重合が可
能なエチレン性不飽和単量体としては、例えばスチレ
ン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ビニル
トルエンのようなアルケニル芳香族単量体、アクリル酸
又はメタクリル酸のアルキルエステル、酢酸ビニル等を
例示できるが、これらの中でも特にスチレンが好まし
い。上記した不飽和ポリエステルと、エチレン性不飽和
単量体との配合割合は、通常不飽和ポリエステル30〜
70重量部、不飽和単量体70〜30重量部である。
【0013】本発明における特定のA−B型ブロック共
重合体において、Aセグメントは、酢酸ビニル単量体
と、これと共重合が可能なアルフレイ・プライスのQ値
が0.2未満である非共役型エチレン性不飽和カルボン
酸とからなる単量体混合物に基づく重合体部分である。
上記した酢酸ビニル単量体と共重合が可能なアルフレイ
・プライスのQ値が0.2未満である非共役型エチレン
性不飽和カルボン酸としては、例えばクロトン酸が挙げ
られる。このクロトン酸は、Aセグメントに酸基を導入
する作用に加え、重合時に水素引き抜き反応を受け、酢
酸ビニル単量体の重合成長反応を停止させ易い単量体で
あるという性質を有する。従ってクロトン酸を用いれば
Aセグメントの分子量、結果的にA−B型ブロック共重
合体の分子量を低くし、このA−B型ブロック共重合体
を配合して得られる不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘
度を低く押えることができる。そして、前記非共役型エ
チレン性不飽和カルボン酸に基づく重合体部分の割合
は、酢酸ビニル単量体に基づく重合体部分に対して0.
5〜5重量%であり、好ましくは1〜3重量%である。
0.5重量%未満の場合、又は5重量%を越える場合に
は、このA−B型ブロック共重合体の低収縮化効果が低
下し、常温又は中温成形用の不飽和ポリエステル樹脂の
低収縮化剤として汎用性がなくなる。
【0014】ところで、A−B型ブロック共重合体中の
Aセグメントの構成割合が比較的高い場合には、得られ
るブロック共重合体の軟化点が低く、乾燥中又は保存中
のケーキングが懸念されることがある。この場合には、
ブロック共重合体の軟化点を上げるために、A−B型ブ
ロック共重合体のAセグメントを構成する単量体とし
て、酢酸ビニル単量体と、これと共重合が可能なアルフ
レイ・プライスのQ値が0.2未満である非共役型エチ
レン性不飽和カルボン酸以外にフマル酸ジエステルを使
用することもできる。フマル酸ジエステルとしては、フ
マル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジイソプ
ロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジシクロヘキシ
ル、フマル酸ジ(2−エチルヘキシル)等を挙げること
ができ、これら群の1種又は2種以上より選択される。
そして、前記フマル酸ジエステルの構成割合は、Aセグ
メントを構成する単量体の総重量に対して30重量%以
下に制限される。30重量%を越える場合には、このA
−B型ブロック共重合体と不飽和ポリエステル樹脂との
相溶性が不良となる上、このA−B型ブロック共重合体
を配合して得られる不飽和ポリエステル樹脂組成物から
作成される成形品の寸法精度が不十分となる。
【0015】本発明における特定のA−B型ブロック共
重合体において、Bセグメントは、スチレン単量体に基
づく重合体部分である。又、レジンモルタルやレジンコ
ンクリートといった不飽和ポリエステル樹脂を結合材と
し、無機充填材及び、又は骨材を混合した不飽和ポリエ
ステル樹脂組成物として使用する分野では、低収縮化剤
として配合するA−B型ブロック共重合体のBセグメン
トを構成する単量体として、スチレン以外にアクリル酸
又はメタクリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルを
使用することによって、更に低収縮化効果を向上させる
ことが可能になる。アクリル酸又はメタクリル酸の炭素
数1〜4のアルキルエステルとしては、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−
ブチル等を挙げることができ、これら群の1種又は2種
以上より選択される。そして、前記アクリル酸又はメタ
クリル酸の炭素数1〜4のアルキルエステルの構成割合
は、Bセグメントを構成する単量体の総重量に対して3
0重量%以下に制限される。30重量%を越える場合に
は、このA−B型ブロック共重合体を配合して得られる
不飽和ポリエステル樹脂組成物から作製される成形品の
機械的強度が不十分となる。
【0016】これらAセグメントとBセグメントからな
る特定のA−B型ブロック共重合体において、Aセグメ
ントの割合は5〜50重量%であり、好ましくは10〜
30重量%である。そして、Bセグメントの割合は95
〜50重量%であり、好ましくは90〜70重量%であ
る。Aセグメントの割合が5重量%未満の場合には、A
−B型ブロック共重合体と不飽和ポリエステル樹脂との
相溶性が不良となり、このA−B型ブロック共重合体を
配合して得られる不飽和ポリエステル樹脂組成物から作
製される成形品の表面性が悪化する。又、50重量%を
越える場合には、このA−B型ブロック共重合体を配合
して得られる不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度が高
くなり過ぎ、作業性が著しく悪く、実用上使用困難とな
る。
【0017】又、A−B型ブロック共重合体の数平均分
子量は、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィーで
測定し、スチレン換算の数平均分子量で10,000〜
100,000であり、好ましくは30,000〜6
0,000である。10,000未満の場合には、この
A−B型ブロック共重合体を配合して得られる不飽和ポ
リエステル樹脂組成物から作製される成形品の寸法精度
が不十分になる傾向があり、100,000を越える場
合には、このA−B型ブロック共重合体を配合して得ら
れる不飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度が高く、作業
性が悪くなる傾向がある。更に、A−B型ブロック共重
合体は、不飽和ポリエステルと、これと共重合が可能な
エチレン性不飽和単量体との総重量100重量部に対し
て3〜18重量部の範囲、好ましくは6〜12重量部の
範囲で使用することができる。3重量部未満の場合に
は、A−B型ブロック共重合体を配合して得られる不飽
和ポリエステル樹脂組成物から作製される成形品の寸法
精度が不十分であり、18重量部を越える場合には、不
飽和ポリエステル樹脂組成物の粘度が高くなり過ぎ、作
業性が著しく悪く、実用上使用困難となる。
【0018】本発明におけるA−B型ブロック共重合体
は、前記A又はBセグメントを構成する単量体若しくは
単量体混合物をポリメリックペルオキシド(特開昭53
−149918号公報記載)を用い、公知の製造プロセ
ス(特公昭60−3327号公報記載)で塊状重合法、
懸濁重合法又は乳化重合法等の任意の重合法によって容
易に製造することができるが、工業的には懸濁重合法が
最も好ましい。この際、懸濁剤としては、部分鹸化ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメ
タクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース等
の親水性有機高分子、第三リン酸カルシウム、硫酸バリ
ウム、炭酸カルシウム等の難溶性無機塩が一般的に用い
られるが、これらに限定されるものではない。そして、
A又はBセグメントを構成する単量体若しくは単量体混
合物の第一段重合反応により生じた重合体は、分子内に
ペルオキシ結合を有するものであり、中間体として反応
系から取り出して次のブロック共重合体製造の原料にす
ることもできるし、反応系から取り出すことなく引き続
いてブロック共重合させることもできる。
【0019】本発明に用いる前記のポリメリックペルオ
キシドは、例えば次式(1)、(2)、(3)
【化1】
【化2】
【化3】 等で示されるポリメリックペルオキシドである。
【0020】これらポリメリックペルオキシドをA−B
型ブロック共重合体を合成するための重合開始剤として
使用する際の使用量は、前記A又はBセグメントを構成
する単量体若しくは単量体混合物100重量部に対して
0.1〜10重量部であることが好ましい。又、上記し
た重合の重合温度は、第一段重合反応については40〜
80℃、第二段重合反応については60〜100℃であ
り、且つ第一段重合反応における重合温度は第二段重合
反応における重合温度より低いことが好ましい。更に、
Aセグメント又はBセグメントを構成する単量体混合物
の仕込み方法には一括仕込み、分割仕込み又は連続仕込
み等があり、特に制限されるものではないが、単量体の
組み合わせにより適宜選択されることが好ましい。そし
て、重合時間は使用する単量体の種類やその使用量によ
って異なるが、第一段重合反応及び第二段重合反応いず
れも1〜10時間の範囲であることが好ましい。
【0021】ところで、A−B型ブロック共重合体の製
造時に各単量体の単独重合体又は単量体混合物による任
意共重合体が副生することもあるが、本発明中の不飽和
ポリエステル樹脂の低収縮化剤として使用する際には、
特に精製する必要なくそのまま用いることができる。前
記した製造法に従って合成した全重合物中に占めるブロ
ック共重合体の割合、即ちブロック率は、上記した単独
重合体及び任意共重合体のような非ブロック共重合体を
適当な溶出液を用いて分別抽出により分離した後の抽出
残分の全重合物中に占める重量比より求めることができ
る。又、抽出残分であるA−B型ブロック共重合体中の
AセグメントとBセグメントの構成割合は例えば核磁気
共鳴分光分析により求めることができる。即ち、Aセグ
メントを構成する酢酸ビニルを主要成分とする単量体の
指標となるシグナルの面積、即ち積分値とBセグメント
を構成するスチレンを主要成分とする単量体の指標とな
るシグナルの面積、即ち積分値との比率を重量比に換算
することによって求めることができる。更に、A−B型
ブロック共重合体中のAセグメントを構成するアルフレ
イ・プライスのQ値が0.2未満である非共役型エチレ
ン性不飽和カルボン酸に基づく重合体部分の酢酸ビニル
単量体に基づく重合体部分に対する重量比も例えば核磁
気共鳴分光分析により求めることができる。即ち、前記
非共役型エチレン性不飽和カルボン酸の指標となるシグ
ナルの面積、即ち積分値の酢酸ビニル単量体の指標とな
るシグナルの面積、即ち積分値に対する比率を重量比に
換算することによって求めることができる。
【0022】以上詳述した本発明の低収縮性不飽和ポリ
エステル樹脂組成物は、例えばケトンペルオキシド、ジ
アシルペルオキシド、ジアルキルペルオキシド、ヒドロ
ペルオキシド、ペルオキシエステル、ペルオキシケター
ル等の公知の硬化触媒を使用し、必要に応じてナフテン
酸コバルト、オクテン酸コバルト等の有機金属類、脂肪
族又は芳香族アミン類等の硬化促進剤を用いてそのまま
で種々の用途に使用することができるが、FRPとする
場合には、その補強材として例えばガラス繊維、ポリエ
ステル繊維、炭素繊維等が用いられる。又、レジンモル
タル組成物又はレジンコンクリート組成物として使用す
る場合には、微粉末(例えば炭酸カルシウム、水酸化ア
ルミニウム、ガラス質粉末、タルク、クレー、カオリ
ン、石粉、木粉等の無機質或いは有機質微粉末)、骨材
(例えば砂、砂利、砕石、珪石、寒水石等の無機質粒状
物質)等を適宜配合することもできる。
【0023】このようにして得られた低収縮性不飽和ポ
リエステル樹脂組成物は、ハンドレイアップ法、スプレ
イアップ法、レジンインジェクション法等の成形法、又
はレジンモルタル、レジンコンクリート等で一般に適用
される10〜17℃程度の常温又は中温成形条件下で有
効に低収縮化効果を発揮することができるが、該組成物
は十分な硬化温度を伴えばその低収縮化効果が更に大き
くなることは明らかであり、常温又は中温成形後に更に
温度を上げて後硬化をすることもできる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の低収縮性
不飽和ポリエステル樹脂組成物は、低収縮化剤である前
述のA−B型ブロック共重合体と不飽和ポリエステル樹
脂との相溶性が良好で、且つ低収縮化剤と不飽和ポリエ
ステル樹脂との混合物の粘度が低く、該組成物が低収縮
化効果を発揮するに当たって、必ずしも高い硬化温度を
必要としないという特徴を有しており、更に該組成物か
ら表面性が大きく改善された成形品を作製することがで
きる。
【0025】
【実施例】以下、参考例、実施例及び比較例により本発
明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。尚、これらの例において、部及
び%は特に断わらない限り夫々重量部及び重量%を表
す。
【0026】本発明の低収縮性不飽和ポリエステル樹脂
組成物中のA−B型ブロック共重合体の製造。 共重合体製造例 1 温度計、撹拌機及びコンデンサーを備えたガラス製反応
器に水300部、1.0%ポリビニルアルコール水溶液
15部及び10%第三リン酸カルシウム水溶液15部を
仕込んだ。次に前記式(1)で示されるポリメリックペ
ルオキシド(以下P・POと略記する)0.51部を前
記水溶液に室温下1時間分散させた後、酢酸ビニル(以
下VAcと略記する)10部とクロトン酸(以下CrA
と略記する)0.2部の混合物を仕込み、反応器内を窒
素で置換しながら、撹拌下60℃で3時間重合(第一段
重合反応)させた。その後、室温まで冷却し、反応器に
スチレン(以下Stと略記する)90部を加え、室温下
1時間含浸操作を行なった後、撹拌下80℃で7時間、
続いて90℃で30分間重合(第二段重合反応)を行っ
た。室温まで冷却した後、得られた重合物を5%塩酸1
00g、続いて水で洗浄し濾別後、真空乾燥して白色パ
ール状の重合物92部を得た。こうして得られた重合物
の一部をソックスレー抽出器により、初めてシクロヘキ
サンを溶出液として24時間、次にメタノールを溶出液
として24時間抽出した。シクロヘキサン抽出による重
量減少量をポリスチレン(以下PStと略記する)の含
有量とし、メタノール抽出による重量減少量をVAcと
CrAの共重合体の含有量とし、抽出残分を該A−B型
ブロック共重合体の含有量とした。こうしてブロック率
を求めた所77%であった。そして、抽出残分の数平均
分子量をゲルパーミュエーションクロマトグラフィー
(以下GPCと略記する)により測定したところ、PS
t換算で41,000であった。又、抽出残分の核磁気
共鳴分光分析を行ない、VAc構成単位中のアセチルプ
ロトンに相当するシグナル(化学シフトδ=2.06p
pm)の面積とCrA構成単位中のカルボキシルプロト
ンに相当するシグナル(化学シフトδ=11.53pp
m)の面積の和、即ち夫々の積分値の和とSt構成単位
中のベンゼン環プロトンに相当するシグナル(化学シフ
トδ=6.0〜7.2ppm)の面積、即ち積分値との
比率から該A−B型ブロック共重合体中のAセグメント
とBセグメントの構成割合(以下A/Bと略記する)を
求めたところ、およそ10/90であった。更に、VA
c構成単位中のアセチルプロトンに相当するシグナルの
面積、即ち積分値とCrA構成単位中のカルボキシルプ
ロトンに相当するシグナルの面積、即ち積分値との比率
から該A−B型ブロック共重合体中のAセグメントを構
成するCrAに基づく重合体部分のVAcに基づく重合
体部分に対する重量比(以下CrA重量比と略記する)
を求めたところ、およそ2%であった。その結果を表1
に示す。
【表1】
【0027】共重合体製造例 2〜10 P・PO、VAc、CrA及びStの仕込み量を表1に
示すように代えた。(共重合体製造例7,8では夫々第
一段重合において更にフマル酸ジイソプロピル(以下D
IPFと略記する)、フマル酸ジエチル(以下DEFと
略記する)を、共重合体製造例9,10では夫々第二段
重合において更にメタクリル酸メチル(以下MMAと略
記する)、アクリル酸ブチル(以下BAと略記する)を
使用する)以外は全て共重合体製造例1と同様にして本
発明の低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物に含まれ
るA−B型ブロック共重合体を製造し、白色パール状の
重合物を得た。この重合物について共重合体製造例1と
同様にしてA−B型ブロック共重合体のブロック率、数
平均分子量、A−B型ブロック共重合体中のAセグメン
トとBセグメントの構成割合、即ちA/B及びAセグメ
ントを構成するCrAに基づく重合体部分のCrAを除
くVAcを主要成分とする単量体に基づく重合体部分に
対する重量比、即ちCrA重量比を求めた。その結果を
表1に示す。
【0028】本発明外共重合体製造例 1〜4 製造例1はAセグメントが小、製造例2はAセグメント
が大、3,4はクロトン酸と酢酸ビニルとの比が範囲外
である以外、共重合体製造例1と全く同様に処理し、同
様に各種の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0029】尚、共重合体製造例1〜10、本発明外共
重合体製造例1〜4で得られたA−B型ブロック共重合
体は、夫々固形分が30%となるようにStに分散させ
た分散液として次に記載する各実施例、比較例に供し
た。前記A−B型ブロック共重合体のSt分散液の粘度
を表1に示す。尚、共重合体製造例3,7,8は何れも
A/Bが50/50とAセグメントの構成割合が高い。
このうち製造例3の場合には、得られたA−B型ブロッ
ク共重合体の軟化点が低いため、乾燥中及び保存中のケ
ーキングが起こり、Stへの分散工程がやや困難となっ
た。又、DIPF、PEFを含有する共重合体製造例7
及び8の場合には、乾燥中及び保存中のケーキングは全
く起こらなかった。
【0030】比較用低収縮化剤の調製 (A)PSt 三菱モンサント化成(株)製のPSt(ダイヤレックス
HF−77)を固形分が30%となるようにStに溶解
(粘度−990センチポイズ)し、比較用低収縮化剤
(A)とした。 (B)酸基含有ポリVAc ユニオンカーバイド(株)製の酸基含有ポリVAcのS
t40%溶液(ベークライトLP−40A)を固形部が
30%となるようにStで調製(粘度−280センチポ
イズ)し、比較用低収縮化剤(B)とした。 (C)St−MMAブロック共重合体 日本油脂(株)製のSt−MMAブロック共重合体のS
t30%分散液(モディパーMS10B−30、粘度−
1800センチポイズ)を比較用低収縮化剤(C)とし
た。 (D)酸基含有St−VAcブロック共重合体 日本油脂(株)製の酸基含有St−VAcブロック共重
合体のSt30%分散液(モディパーSV10A−3
0、粘度−3800センチポイズ)を比較用低収縮化剤
(D)とした。
【0031】不飽和ポリエステル樹脂の製造例 1 フマル酸660部、オルトフタル酸440部、プロピレ
ングリコール700部及びエチレングリコール300部
を通常の方法でエステル化し、得られた不飽和ポリエス
テルをStで希釈して固形分が57%となるように調製
し、酸価が21.4、粘度が145センチポイズの不飽
和ポリエステル樹脂を得た。
【0032】不飽和ポリエステル樹脂の製造例 2 フマル酸770部、オルトフタル酸330部、プロピレ
ングリコール600部及びジエチレングリコール400
部を通常の方法でエステル化し、得られた不飽和ポリエ
ステルをStで希釈して固形分が57%となるように調
製し、酸価が22.0、粘度が130センチポイズの不
飽和ポリエステル樹脂を得た。
【0033】不飽和ポリエステル樹脂の製造例 3 フマル酸770部、オルトフタル酸330部、プロピレ
ングリコール1000部を通常の方法でエステル化して
得られた不飽和ポリエステルを、更にエポキシ処理して
得た末端エポキシ変性不飽和ポリエステルをStで希釈
して固形分が57%となるように調製し、酸価が21.
9、粘度が380センチポイズの不飽和ポリエステル樹
脂を得た。
【0034】本発明の低収縮性不飽和ポリエステル樹脂
組成物の硬化 実施例 1 本発明の低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物、即ち
共重合体製造例1で得られたAセグメント中に酸基を有
するA−B型ブロック共重合体のSt分散液と不飽和ポ
リエステル樹脂製造例1で得られた不飽和ポリエステル
樹脂とを硬化触媒パーメックN(日本油脂(株)製、メ
チルエチルケトンペルオキシド)及び硬化促進剤ナフテ
ン酸コバルトの共存下混合した。そして、この混合樹脂
組成物の比重、粘度を夫々ピクノメーター、B型粘度計
(東京計器(株)製BM型粘度計)を用いて測定した。
次いでこれを体積約20mlの試験管に注入し、試験管
の上部を密栓した後、25℃の水浴中に静置して硬化を
進めた。そして、硬化終了後、試験管から硬化物を取り
出し、硬化物の比重を固体比重計(島津製作所(株)製
SGM−SH200-11 )により測定して、次式により
硬化物の体積収縮率を求めた。 体積収縮率(%)=(1−(樹脂組成物の比重/硬化物
の比重))×100 尚、注入から硬化の段階で試験管に注入された該組成物
の温度変化を測定したが、水浴による除熱効果が大きく
温度上昇は見られなかった。結果を表2に示す。
【表2】
【0035】実施例 2〜24 実施例1におけるAセグメント中に酸基を有するA−B
型ブロック共重合体のSt分散液の代りに、共重合体製
造例1〜10で得られたA−B型ブロック共重合体のS
t分散液を不飽和ポリエステル樹脂製造例1〜3で得ら
れた不飽和ポリエステル樹脂と組み合わせて用いる以外
は実施例1に準じて試験を行い、結果を表2に示した。
【0036】比較例 1〜8 実施例1におけるA−B型ブロック共重合体のSt分散
液の代りに、本発明外共重合体製造例1〜4で得られた
A−B型ブロック共重合体のSt分散液を用いた以外は
実施例1に準じて試験を行い、結果を表3に示した。
【表3】
【0037】比較例9〜20 実施例1におけるA−B型ブロック共重合体のSt分散
液の代りに前記(A)〜(D)の比較用低収縮化剤を用
いる以外は実施例1に準じて試験を行い、結果を表4に
示した。
【表4】
【0038】比較例 21 実施例1におけるA−B型ブロック共重合体のSt分散
液を用いないこと以外は実施例1に準じて試験を行い、
結果を表4に示した。
【0039】本発明の低収縮性不飽和ポリエステル樹脂
組成物をレジンコンクリート組成物に用いた例 実施例 25 不飽和ポリエステル樹脂製造例1で得られた不飽和ポリ
エステル樹脂80部と本発明組成物用共重合体製造例1
で得られたA−B型ブロック共重合体のSt分散液20
部とをラボミキサー(ハイシェアミキサー)で20分間
混合した後、パーメックN1.0部、ナフテン酸コバル
トの6%St溶液0.3部を加えて混合した。次いで、
そこに炭酸カルシウム100部及び川砂(最大粒径5m
m)300部を混合してレジンコクリート組成物を得
た。この組成物を縦1000mm×横100mm×高さ
50mmの金型に注入して室温で2時間硬化させ、養生
7日後の表面状態を観察すると共に、次式により成形物
の成形収縮率を求めた。 成形収縮率(%)=((金型縦寸法)−(成形物の縦寸
法))/(金型縦寸法)×100 その結果を表5に示す。
【表5】
【0040】実施例 26〜36 本発明組成物用共重合体製造例1〜10で得られたA−
B型ブロック共重合体のSt分散液を不飽和ポリエステ
ル樹脂製造例1〜3で得られた不飽和ポリエステル樹脂
と組み合せて用いる以外は実施例25に準じて試験を行
い、結果を表5に示した。
【0041】比較例 22〜23 本発明組成物外共重合体製造例3,4で得られたA−B
型ブロック共重合体のSt分散液と不飽和ポリエステル
樹脂製造例1,2で得られた不飽和ポリエステル樹脂を
組み合せて実施例25に準じて試験を行い、結果を表5
に示した。
【0042】比較例 24〜27 A−B型ブロック共重合体を用いず前記(A)〜(D)
の比較用低収縮化剤を用い、不飽和ポリエステル樹脂製
造例2の不飽和ポリエステル樹脂を用い実施例25に準
じて試験を行ない、結果を表5に示した。
【0043】比較例 28 A−B型ブロック共重合体のSt分散液を用いず、他の
低収縮化剤も用いず、不飽和ポリエステル樹脂製造例2
の不飽和ポリエステル樹脂を用い実施例25に準じて試
験を行ない、結果を表5に示した。
【0044】本発明の低収縮性不飽和ポリエステル樹脂
組成物をレジンモルタル組成物に用いた例 実施例 37 不飽和ポリエステル樹脂製造例2により得られた不飽和
ポリエステル樹脂80部と、本発明組成物用共重合体製
造例2で得られたA−B型ブロック共重合体のSt分散
液20部とを、ラボミキサーで20分間混合した後、パ
ーメックN1.0部、ナフテン酸コバルトの6%St溶
液0.3部を加えて混合した。次いで、そこに骨剤と充
填材の混合物(珪砂3号が2、珪砂4号が1、珪砂7号
が1、炭酸カルシウムが1の重量割合)100部を加え
て混合し、レジンモルタル組成物を得た。この組成物を
常温で2時間硬化させ、養生7日後の硬化物を観察し
た。この結果、硬化物には亀裂、反り等の変形が認めら
れず、表面状態も良好であっった。
【0045】比較例 29〜32 実施例37におけるA−B型ブロック共重合体のSt分
散液の代りに、(A)〜(D)の比較用低収縮化剤を用
いる以外は実施例37に準じて試験を行なった。その結
果、(A)を用いた場合、硬化物表面がPStの分離に
基づく粘着性を示し、(B)を用いた場合には、低収縮
化剤が有効に作用しなかったために、硬化物に亀裂、反
り等の変形が認められた。又、(C)又は(D)を用い
た場合、レジンモルタル組成物の粘度が非常に高くな
り、作業性が非常に悪い上、低収縮化剤が有効に作用し
なかったために、硬化物に亀裂、反り等の変形が認めら
れた。
【0046】以上の実施例と比較例を対比すれば明らか
なように、本発明における特定のA−B型ブロック共重
合体を常温成形用の低収縮化剤として用いた場合、不飽
和ポリエステル樹脂組成物の粘度が低いため作業性が良
好で、汎用の低収縮化剤を用いた場合と比較して収縮防
止効果が高く、又、より広範な不飽和ポリエステル樹脂
に対して低収縮効果が認められた。更に、本発明の低収
縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物を用いて得られるレ
ジンコンクリート及びレジンモルタル組成物から作製さ
れる成形品は、比較例品と比べて表面状態及び成形収縮
率において一段と優れているのは明らかである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 67/06 - 67/07

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 不飽和ポリエステル、該不飽和ポリエス
    テルと共重合が可能なエチレン性不飽和単量体及びA−
    B型ブロック共重合体からなる低収縮性不飽和ポリエス
    テル樹脂組成物において、A−B型ブロック共重合体は
    前記不飽和ポリエステルと前記不飽和単量体との総重量
    100重量部に対して3〜18重量部であり、前記A−
    B型ブロック共重合体におけるAセグメントは、酢酸ビ
    ニル単量体と、該単量体と共重合が可能なアルフレイ・
    プライスのQ値が0.2未満である非共役型エチレン性
    不飽和カルボン酸とからなる単量体混合物に基づき、且
    つその非共役型エチレン性不飽和カルボン酸に基づく重
    合部分が酢酸ビニル単量体に基づく重合部分の0.5〜
    5重量%である重合体部分であり、前記A−B型ブロッ
    ク共重合体におけるBセグメントは、スチレン単量体に
    基づく重合体部分であり、A−Bブロック共重合体中の
    Aセグメントの割合は5〜50重量%、Bセグメントの
    割合は95〜50重量%であり、且つA−B型ブロック
    共重合体の数平均分子量が10,000〜100,00
    0であることを特徴とする低収縮性不飽和ポリエステル
    樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1の低収縮性不飽和ポリエステル
    樹脂組成物において、A−B型ブロック共重合体におけ
    るAセグメントが、酢酸ビニル単量体と、該単量体と共
    重合が可能なアルフレイ・プライスのQ値が0.2未満
    である非共役型エチレン性不飽和カルボン酸に、更にフ
    マル酸ジエステルが加えられた単量体混合物に基づく重
    合体部分である低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成
    物。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2の低収縮性不飽和
    ポリエステル樹脂組成物において、A−B型ブロック共
    重合体におけるBセグメントが、スチレン単量体に、更
    にアクリル酸又はメタクリル酸の炭素数1〜4のアルキ
    ルエステルが加えられた単量体混合物に基づく重合体部
    分である低収縮性不飽和ポリエステル樹脂組成物。
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