JP3092025B2 - 制電性被覆材組成物 - Google Patents

制電性被覆材組成物

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JP3092025B2
JP3092025B2 JP03344475A JP34447591A JP3092025B2 JP 3092025 B2 JP3092025 B2 JP 3092025B2 JP 03344475 A JP03344475 A JP 03344475A JP 34447591 A JP34447591 A JP 34447591A JP 3092025 B2 JP3092025 B2 JP 3092025B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、耐摩耗性、耐薬品性、
耐久性、耐候性及び制電性に優れた架橋硬化被膜を形成
し得る被覆材組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】ポリメチルメタクリレ−ト樹脂、ポリカ
−ボネ−ト樹脂、ポリアリレ−ト樹脂等の合成樹脂成形
品は、ガラスと比べて軽量で耐衝撃性に優れているばか
りではなく、安価で成形加工が容易であるなどの種々の
利点を有しており、これらの利点を生かして多くの分野
で広く利用されている。例えば、自動車、バス、航空機
などのグレ−ジング、ヘッドランプレンズ、コ−ナ−レ
ンズ、フォグランプ等のレンズ類、眼鏡及び光学装置用
のレンズ類、自動車メ−タ−パネルなどに利用されてい
る。
【0003】しかしながら、これらの合成樹脂成形品
は、表面硬度が不十分なため、成形品の輸送中、部品の
取り付け時あるいは使用中に他の物体との接触、衝撃、
ひっかきなどによって表面が損傷を受けやすく、製品歩
留まりが底下したり、美観が損なわれ、短時間で使用不
能になったりするので表面の耐摩耗性を改良することが
強く要求されている。また、これらの合成樹脂成形品
は、電気絶縁性が高いため、摩擦、接触などによって静
電気が発生し、帯電するため、成形品表面に埃が付着し
やすくなり、これが傷付着の原因となり美観を損なうば
かりでなく、これらに近接した電子回路等にも誤動作な
どの悪影響を及ぼす。
【0004】このような合成樹脂成形品の欠点を改良す
る方法については、従来より種々なされており、例え
ば、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイルオキシ
基を有する多官能性単量体を主成分とした塗料組成物中
にイオン性の化合物、例えばアニオン系、カチオン系あ
るいは両性の界面活性剤を添加し、この塗料を合成樹脂
成形品表面に塗布し、紫外線を照射し硬化被膜を形成さ
せることで合成樹脂成形品の耐摩耗性と制電性を改善す
る方法が提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
方法の塗料組成物は以下の問題点を有している。一つに
は、耐摩耗性と制電性が両立し得ないという問題であ
る。界面活性剤の添加量が少ない場合は耐摩耗性は優れ
るが、制電性についての性能は不十分であり、逆に、添
加量が多い場合は制電性は優れるが、耐摩耗性は不十分
となる。また、界面活性剤の添加量を増やしていくと、
透明性、密着性も低下してくるため実用的な硬化膜の形
成は困難である。
【0006】二つめは耐久性の問題である。制電性効果
は半永久的に持続するのが望ましく、特に水を用いたく
り返しの洗浄や、過酷な環境下(温度、湿度)において
制電性効果が失活したり、透明性や密着性が低下したり
するのは好ましいことではない。上記開示の塗料組成物
は耐久性が不十分で、制電性の低下や透明性、密着性の
低下が認められるため耐久性に関し実用的レベルに達し
ていない。
【0007】本発明は、上述の背景のもとになされたも
のであり、その目的とするところは、基材表面に耐摩耗
性、耐薬品性、耐久性、耐侯性、基材との密着性に優
れ、恒久的な制電性を有する優れた架橋硬化被膜形成
しうる制電性被覆材組成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは耐摩耗性と
制電性の両立及び耐久性の改善について鋭意検討したと
ころ、コロイダルシリカ、特定のオルガノアルコキシシ
ラン、重合性(メタ)アクリレ−ト、帯電防止剤及び活
性エネルギ−線感応触媒を特定の割合に配合した被覆材
組成物を合成樹脂成形品に塗布して活性エネルギ−線照
射により硬化させることにより、透明性、耐摩耗性、制
電性及び耐久性に優れた合成樹脂成形品が得られること
を見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち、本発明は、 (A)一次粒径が1〜200ミリミクロンのシリカ粒子
からなるコロイダルシリカ5〜50重量部、 (B) 一般式(R −Si−(OR 4−a
〔I〕 (式中R、Rは、炭素数1〜6の一価炭化水素基を
示し、同じでも異なっていてもよい。aは1〜3の整数
を示す。)で示されるオルガノアルコキシシラン1〜4
0重量部、 (C)1分子中に少なくとも1個のアクリロイルオキシ
基及び/又はメタクリロイルオキシ基を有する重合性単
量体20〜80重量部、 (D)アルキル四級アンモニウム塩、アルキル燐酸塩、
エチレンオキサイド鎖を有する多価アルコール、金属ア
ルコキサイド、アセチルアセトン金属錯体、チオシアン
酸金属塩、ハロゲン化金属、金属超微粒子、導電性半導
体超微粒子、導電性高分子、及びポリ(メタ)アクリル
酸及びその塩等の中から選ばれた少なくとも1種の制電
性付与剤1〜20重量部、及び (E)活性エネルギー線感応触媒0.1〜10重量部、
からなる(ただし、A、B、C、D及びEの合計量は1
00重量部である。)ことを特徴とする制電性被覆材組
成物である。
【0010】上記した制電性被覆材組成物を合成樹脂成
形品の表面に塗布し、活性エネルギー線を照射すること
により、膜厚1〜30μmの架橋硬化被膜を有する耐摩
耗性、耐薬品性、耐久性、耐侯性、制電性に優れた合成
樹脂成形品を得ることができる。本発明を詳しく説明す
る。まず、本発明の制電性被覆材組成物の各成分につい
て説明する。
【0011】(A)成分について (A)成分である、一次粒径が1〜200ミリミクロン
のシリカ粒子からなるコロイダルシリカは、一般に、分
散媒を用いた無水ケイ酸の超微粒子状コロイド溶液であ
る。また、分散媒を含有しない粉末状のコロイダルシリ
カも本発明に使用可能である。コロイダルシリカの分散
媒としては、水、メタノ−ル、エタノ−ル、イソ−プロ
ピルアルコ−ル、n−ブチルアルコ−ル、n−プロピル
アルコ−ルなどのアルコ−ル類;エチレングリコ−ルな
どの多価アルコ−ル類;エチルセロソルブ、ブチルセロ
ソルブなどの多価アルコ−ル誘導体;メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類;2−ヒド
ロキシエチルアクリレ−ト、2−ヒドロキシプロピルア
クリレ−ト、テトラヒドロフルフリルアクリレ−トなど
の重合性単量体類及び一般有機溶剤類があるが、本発明
においては、アルキル基の炭素数が1〜4のアルコ−ル
類が好ましい。
【0012】これらのコロイダルシリカは周知の方法で
製造され市販されているものを用いることができる。例
えば、日産化学(株)から市販されている水分散系コロ
イダルシリカ(商品名、スノーテックス)、メタノール
分散系コロイダルシリカ(商品名;メタノールシリカゾ
ル)、イソプロピルアルコール分散系コロイダルシリカ
(商品名;IPA−ST)などがあり、触媒化成(株)
から市販されているメタノール分散系コロイダルシリカ
(商品名;OSCAL1132)、イソ−プロピルアル
コール分散系コロイダルシリカ(商品名;OSCAL1
432)、粉末状コロイダルシリカ(商品名;OSCA
P)などを挙げることができる。粒径は1〜200ミリ
ミクロンのものを使用することが好ましく、特に5〜8
0ミリミクロンのものが好ましい。粒径が1ミリミクロ
ンに満たないものは分散状態が悪く品質の一定したもの
を得ることが困難であり、また、200ミリミクロンを
越えるものについては被膜の透明性が悪くなり濁りの大
きいものしか得られない。本発明のコロイダルシリカ
は、酸性又は塩基性形態で入手可能であるが、本発明の
被覆材組成物を製造する方法においては、酸性の形態を
使用することがより好ましい。
【0013】(A)成分は、硬化被膜の耐摩耗性と制電
性の両立及び耐久性の改善について必須な成分である。
(A)成分を用いることで、(D)成分を比較的多量に
添加しても耐摩耗性、透明性、密着性を低下させること
なく優れた制電性を得ることが可能となる。また、耐温
水試験、耐湿試験後の制電性、透明性及び密着性の低下
が無く、耐久性の改善についても優れた効果をもたら
す。(A)成分を用いない場合、硬化被膜は濁りのある
ものしか得られず、耐温水試験、耐湿試験後の制電性が
大幅に低下するため実用的水準には達し得ない。
【0014】(A)成分の使用割合は、分散媒を含まな
いシリカ微粒子の含量として、被覆材組成物100重量
%中5〜50重量%、より好ましくは10〜40重量部
である。50重量%を越えて用いた場合、硬化被膜にク
ラックの発生が認められ、5%未満では、耐摩耗性、透
明性、制電性が不足する。
【0015】(B)成分について (B)成分である一般式〔I〕で示されるオルガノアル
コキシシランは、無機成分である(A)成分と有機成分
である(C)、(D)及び(E)成分の相溶性を向上さ
せ、また硬化被膜の透明性と耐久性を改善するものであ
る。(B)成分を用いない場合は、濁りのある被膜しか
得られず透明性に劣り、耐温水試験後、制電性、密着性
の低下や、濁りの増大が認められる。(B)成分はその
ままの状態で添加し被覆材組成物を調製してもよいし、
あるいは(B)成分と水と有効量の加水分散触媒、例え
ば塩酸の存在下、常温から還流温度までの温度で撹拌す
るなどの常法によって加水分解した状態で添加してもか
まわない。
【0016】(B)成分の具体例としては、メチルトリ
メトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルト
リメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−ブ
チルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシ
ラン、ビニルトリメトキシシラン、(aが1の化合
物)、ジメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメ
トキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニル
ジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチ
ルジエトキシシラン、フェニルメチルジエトキシシラ
ン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、ビニ
ルメチルジエトキシシラン(aが2の化合物)、トリメ
チルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリ
エチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン(a
が3の化合物)などを挙げることができる。一般式
〔I〕で示されるオルガノアルコキシシラン以外の、例
えば、aが0の化合物であるテトラメトキシシランを用
いた場合には、硬化被膜白濁し、透明性の良いものが得
られない。
【0017】(B)成分の使用割合は、被覆材組成物1
00重量%中1〜40重量%、より好ましくは5〜30
重量%である。40重量%を越えて用いた場合、耐摩耗
性、耐久性が低下し、1重量%未満では、透明な硬化
が得られない。
【0018】(C)成分について (C)成分の1分子中に少なくとも1個のアクリロイル
オキシ基及び/又はメタアクリロイルオキシ基を有する
重合性単量体は、周知な方法で製造され市販されている
ものであり、例えば、ポリオ−ルポリ(メタ)アクリレ
−ト、ポリエステルポリ(メタ)アクリレ−ト、エポキ
シポリ(メタ)アクリレ−ト、ウレタンポリ(メタ)ア
クリレ−ト、ポリエ−テルポリ(メタ)アクリレ−ト、
メラミンポリ(メタ)アクリレ−ト、アルキッドポリ
(メタ)アクリレ−ト、シリコンポリ(メタ)アクリレ
−ト等が挙げられ、「UV,EB硬化ハンドブック−原
料編−(高分子刊行会)」に記載の化合物などが使用可
能である。
【0019】上記した中でも、テトラヒドロフルフリル
アクリレ−ト、ジシクロペンタニルアクリレ−ト、ヘキ
サメチレンジアクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパント
リ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルトリ
(メタ)アクリレ−ト、トリス〔(メタ)アクリロキシ
エチル〕イソシアヌレ−ト、ジトリメチロ−ルプロパン
テトラ(メタ)アクリレ−ト、ペンタエリスリト−ルテ
トラアクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルペンタ(メ
タ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルヘキサ(メ
タ)アクリレ−ト、2塩基酸と3価又は4価アルコ−ル
と(メタ)アクリル酸とから合成されるポリエステル、
テトラ、ペンタ又はヘキサ(メタ)アクリレ−ト、ポリ
イソシアネ−トとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレ
−トとから合成されるウレタンジ、トリ、テトラ、ペン
タ、ヘキサ(メタ)アクリレ−ト等を用いるのが好まし
い。これらの単量体は1種を単独で用いてもよいし2種
以上を併用して用いてもよい。上記した中でも、ペンタ
エリスリト−ルトリアクリレ−ト、ジペンタエリスリト
−ルペンタアクリレ−ト、ジペンタエリスリト−ルヘキ
サアクリレ−トは、上述した効果と空気硬化性に優れる
ため特に好ましいものである。
【0020】この(C)成分は、他の(A)成分及び
(B)成分と相互作用を奏しつつ、主に硬化被膜に耐摩
耗性や強靱性、可撓性を付与し、硬化被膜のクラック発
生防止や密着性を改善する。また、これらラジカル重合
性単量体を用いることで、生産性の良い紫外線硬化型
覆材組成物とすることができる。(C)成分を用いない
場合は、十分な密着性が得られないばかりでなく、耐温
水試験等の耐久試験においてクラック発生が認められる
ため、より実用的な硬化被膜の形成は困難である。
【0021】(C)成分の使用割合は、被覆材組成物1
00重量%中20〜80重量%、より好ましくは30〜
60重量%である。80重量%を越えて用いた場合、制
電性が低下し、20重量部%未満では、耐摩耗性、耐久
性、基材との密着性が低下する。
【0022】(D)成分について、 (D)成分の制電性付与剤は、(A),(B),(C)
成分と併用することにより、透明で耐摩耗性、制電性に
優れる硬化被膜を与えるものであり、アルキル四級アン
モニウム塩、アルキル燐酸塩、エチレンオキサイド鎖を
有する多価アルコール、金属アルコキサイド、アセチル
アセトン金属錯体、チオシアン酸金属塩、ハロゲン化金
属、金属超微粒子、導電性半導体超微粒子、導電性高分
子、及びポリ(メタ)アクリル酸及びその塩等の中から
選ばれる、少なくとも1種であり、2種以上を併用して
もよい。
【0023】(D)成分の具体例としては、ドデシルト
リメチルアンモニウムクロライド、メタクリロイルオキ
シエチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミドプ
ロピルトリメチルアンモニウムクロライド等のアルキル
四級アンモニウム塩;ビス(β−メタクリロキシエチ
ル)ホスフェ−トの3級アミン塩、トリス(β−メタク
ロロキシエチル)ホスフェ−ト等のアルキル3級アミン
塩などのアルキル燐酸塩;ポリエチレングリコ−ルのモ
ノ(メタ)アクリレ−ト、トリメチロ−ルプロパンのポ
リエチレンオキサイド(n=5〜10)付加物、ペンタ
エリスリト−ルのポリエチレンオキサイド(n=5〜1
0)付加物、グリセリンのポリエチレンオキサイド(n
=5〜10)付加物などのエチレンオキサイド鎖を有す
る多価アルコ−ル;テトライソプロポキシチタン、トリ
エチルオキシバナジウム、テトラブチルオキシジルコニ
ウムなどの金属アルコキサイド;アセチルアセトンイン
ジウム、アセチルアセトンバナジウム、アセチルアセト
ンアルミニウムなどのアセチルアセトン金属錯体;チオ
シアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウムなどのチオ
シアン酸金属塩;塩化第二錫、塩化インジウムなどのハ
ロゲン化金属;銅、ニッケル、鉄などの金属の超微粒
子;ITOなどのインジウム錫酸化物;カドミウム錫酸
化物、酸化亜鉛などの導電性半導体超微粒子;ポリアセ
チレン、ポリビニルカルバゾ−ル、ポリアニリンなどの
導電性高分子;ポリアクリル酸、ポリアクリル酸亜鉛
塩、ポリアクリル酸N−メチルジエタノ−ルアミン塩な
どのポリ(メタ)アクリル酸及びその塩等を挙げること
ができる。
【0024】上記した中でも、メタクリロイルオキシエ
チルアンモニウムクロライド、ビス(β−メタクリロキ
シエチルホスフェ−トのN−メチルジエタノ−ルアミン
塩、グリセリンのポリエチレンオキサイド(n=5〜1
0)付加物、テトライソプロポキシチタン、アセチルア
セトンインジウム、チオシアン酸ナトリウム、塩化第二
錫、ITO、ポリビニルカルバゾ−ル、ポリアクリル酸
の亜鉛塩等を用いるのが好ましい。
【0025】(D)成分の使用割合は、被覆材組成物1
00重量%中1〜20重量%、より好ましくは5〜10
重量%である。20重量%を越えて用いた場合、耐摩耗
性、耐久性が低下し、1重量部%未満では十分な制電性
が得られない。
【0026】(E)成分について (E)成分である活性エネルギ−線感応触媒としては、
ベンゾイン、ベンゾインモノメチルエ−テル、ベンゾイ
ンモノイソプロピルエ−テル、アセトイン、ベンジル、
ベンゾフェノン、p−メトキシベンゾフェノン、ジエト
キシアセトフェノン、ベンジルジメチルケタ−ル、2,
2−ジエトキシアセトフェノン、2、2−ジメトキシ−
2−フェニルアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトン、メチルフェニルグリオキシレ−
ト、エチルフェニルグリオキシレ−ト、2−ヒドロキシ
−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2−
メチル−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフ
ォリノ−1−プロパン等のカルボニル化合物、テトラメ
チルチウラムモノスルフィド、テトラメチルチウラムジ
スルフィドなどの硫黄化合物、2,4,6−トリメチル
ベンゾイルフェニルフォスフィンオキサイドなどのアシ
ルフフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。
これらは1種又は2種以上の混合して使用される。これ
らの中でも、ベンゾフェノン、ベンゾインモノイソプロ
ピルエ−テル、メチルフェニルグリオキシレ−ト、2−
ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−
オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、
ベンジルジメチルケタ−ルを用いるのがより好ましい。
【0027】(E)成分の使用割合は、被覆材組成物1
00重量%中0.1〜10重量%、より好ましくは3〜
7重量%である。0.1重量部%未満では、硬化性が不
十分で、耐摩耗性、耐久性に優れる硬化被膜が得られ
ず、10重量%を越えて用いた場合、硬化被膜の着色を
招き、耐久性も低下する。
【0028】本発明の被覆材組成物は、上記(A),
(B),(C),(D)及び(E)の各成分からなる
が、必要に応じて、有機溶剤、酸化防止剤、黄変防止
剤、ブル−イング剤、顔料、レベリング剤、消泡剤、増
粘剤、沈澱防止剤、帯電防止剤、防曇剤等の各種の添加
剤が含まれていてもよい。有機溶剤は、基材の種類によ
り選択して用いるのがよい。すなわち、基材としてポリ
カ−ボネ−トを使用する場合には、イソブタノ−ルなど
のアルコ−ル系溶剤、酢酸n−ブチル、酢酸ジエチレン
グリコ−ルなどのエステル系溶剤、エチルセロソルブな
どのセロソルブ系溶剤の3種を組み合わせて用いるのが
よい。溶剤の使用量は被覆材組成物100重量部に対し
て20〜800重量部を用いるのがよい。
【0029】本発明の被覆材組成物を基材に塗布するに
は、ハケ塗り、スプレ−コ−ト、ディップコ−ト、スピ
ンコ−ト、カ−テンコ−トなどの方法が用いられるが、
被覆材組成物の塗布作業性、被覆の平滑性、均一性、硬
化被膜の基材に対する密着性向上の点から、適当な有機
溶剤を添加して塗布するのが好ましい。
【0030】本発明の被覆材組成物は、基材に塗布した
後の活性エネルギ−線照射により、架橋し、硬化被膜を
形成する。活性エネルギ−線照射により硬化する際に
は、被覆材組成物を基材上に膜厚1〜30μm、好まし
くは、2〜10μmになるように塗布し、高圧水銀ラン
プ、メタルハライドランプ等を用いて、100〜400
nmの紫外線を1000〜5000mJ/cm2となる
ように照射する。照射する雰囲気は、空気でもよいし、
窒素、アルゴン等の不活性ガス中でもよい。
【0031】本発明の被覆材組成物は、基材たる各種合
成樹脂成形品の表面の改質に使用できるが、この合成樹
脂成形品としては、従来から耐摩耗性や帯電防止等の改
善の要望のある各種の熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙
げられる。具体的には、ポリメチルメタクリル樹脂、ポ
リカ−ボネ−ト樹脂、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、
AS樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアリレ−ト樹脂、ポリ
メタクリルイミド樹脂、ポリアリルジグリコ−ルカ−ボ
ネ−ト樹脂などが挙げられる。なかんずく、ポリメチル
メタクリル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、ポリスチレン
樹脂、ポリメタクリルイミド樹脂は、透明性に優れかつ
耐摩耗性改良要求が強いため、本発明の制電性被覆材組
成物を適用するのに特に有効である。また合成樹脂成形
品とは、これらの樹脂からなるシ−ト状成形品、フィル
ム状成形品、各種射出成形品などである。
【0032】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げ本発明を更に
詳しく説明する。なお、実施例中の「部」はすべて「重
量部」を意味する。また実施例中の測定評価は次のよう
な方法で行った。 (1)硬化被膜の外観被覆材 組成物の塗布、硬化後の外観を目視評価した。表
面が平滑で、透明であるものを〇とし、一部、クモリが
あるものを△とし、白化やクモリが観察されるものを×
とした。
【0033】(2)耐摩耗性 ♯000のスチ−ルウ−ルを直径25mmの円筒先端に
装着し、水平に置かれたサンプル面に接触させ、1Kg
の荷重で50回往復摩耗した後、拡散透過率(ヘイズ
値)を測定し、耐摩耗性の判定を行った。耐摩耗性の判
定基準は次の通りである。 ○…増加ヘイズ値=0〜0.5 :ほとんど傷はつい
ていない。 △…増加ヘイズ値=0.5〜3.0:少し傷がつく。 ×…増加ヘイズ値=3.0以上 :ひどく傷がつく。
【0034】(3)密着性 硬化被膜に1mm間隔で基材まで達するクロスカットを
入れ、1mm2の碁盤目を100個作り、その上にセロ
テ−プを貼り付け急激にはがし、剥離した碁盤目を数え
た。剥離が全く無いものを○、剥離の数が1〜50個の
ものを△、剥離の数が51〜100個のものを×とし
た。 (4)表面抵抗値 塗装サンプルを20℃、湿度65%の雰囲気に24時間
放置した後、この雰囲気下で、表面抵抗測定器(アドバ
ンテスト社製、ハイメグオ−ムメ−タ−、TR−860
1,印加電圧500V)を用い、JIS K6911に
準拠して測定した。
【0035】(5)耐湿性 塗装サンプルを60℃、湿度95%の雰囲気に240時
間放置した後、硬化被膜の外観、表面抵抗値、密着性の
変化を評価した。 (6)耐光性 サンシャインカーボンウエザオメーター(スガ試験機
製、WEL−SUN−HC−B型)耐候試験機を用い
て、ブラックパネル温度63±3℃、降雨なし、連続照
射の条件で試験した。500時間後の硬化被膜の外観、
表面抵抗値、密着性の変化を評価した。
【0036】実施例1〜8、比較例1〜7 表1及び2に示す被覆材組成物を調整した。この被覆材
組成物を、ポリメチルメタクリル樹脂射出成形板〔商品
名、アクリペットVH001、色調クリヤー、三菱レイ
ヨン(株)製、100×100×3mm厚〕に浸漬法に
て塗布し、40℃で10分放置し、溶剤を乾燥した。次
に、高圧水銀灯にて1000mJ/cm(波長320
〜380nmの紫外線での積算UVエネルギー)の紫外
線を照射し、硬化後の膜厚が4〜5μmの硬化被膜を形
成した。得られた被覆アクリルを用いて、各種の測
定、及び試験を行った。得られた結果を表1及び表2に
示した。なお、比較例1は、実施例1〜8、比較例2〜
7に使用したのと同様のポリメチルメタクリル樹脂射出
成形板の評価を行った。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】なお、表中の化合物の記号は次の通りであ
る。 DPHA:ジペンタエリスリト−ルペンタアクリレ−ト B−1:ジメチルジメトキシシラン B−2:トリメチルメトキシシラン B−3:メチルトリメトキシシラン D−1:メタクリロイルオキシエチルアンモニウムクロ
ライド D−2:ビス(β−メタクリロキシエチル)フォスフェ
−トとN−メチルジエタ ノ−ルアミンからなる塩 D−3:テトライソプロポキシチタン D−4:チオシアン酸ナトリウム D−5:グリセリンのトリ(ノナエチレングリコ−ル)
付加物 BIP:ベンゾインイソプロピルエ−テル BNP:ベンゾフェノン
【0040】
【発明の効果】本発明の被覆材組成物は、前記した
(A)、(B)、(C)、(D)及び(E)成分を組み
合わせたので、これを合成樹脂成形品に塗布後、活性エ
ネルギ−線照射することにより、恒久的制電性、耐摩耗
性を有し、透明性、基材との密着性、耐薬品性、耐候性
に優れた硬化被膜を形成することができ、特にポリメチ
ルメタクリル樹脂、ポリカ−ボネ−ト樹脂、ポリメタク
リルイミド樹脂等の透明性が要求される成形品の表面処
理に有効に適用することができる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI // C08F 2/44 C08F 299/02 299/02 G02B 1/10 Z (72)発明者 河口 貴司 愛知県名古屋市東区砂田橋四丁目1番60 号 三菱レイヨン株式会社商品開発研究 所内 (56)参考文献 特開 平8−309790(JP,A) 特開 昭63−280790(JP,A) 特開 昭56−118769(JP,A) 特開 昭52−139680(JP,A) 特開 平6−136355(JP,A) 特開 平4−309568(JP,A) 特開 平3−275705(JP,A) 特開 昭64−62316(JP,A) 特開 平5−179160(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C09D 5/00 C09D 1/00 C09D 4/06 C09D 183/04 G02B 1/10 C08F 2/44 C08F 299/02

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)一次粒径が1〜200ミリミクロン
    のシリカ粒子からなるコロイダルシリカ5〜50重量
    部、 (B)一般式 (R1a−Si−(OR24-a 〔I〕 (式中R1、R2は、炭素数1〜6の一価炭化水素基を示
    し、同じでも異なっていてもよい。aは1〜3の整数を
    示す。)で示されるオルガノアルコキシシラン1〜40
    重量部、 (C)1分子中に少なくとも1個のアクリロイルオキシ
    基及び/又はメタクリロイルオキシ基を有する重合性単
    量体20〜80重量部、 (D)アルキル四級アンモニウム塩、アルキル燐酸塩、
    エチレンオキサイド鎖を有する多価アルコ−ル、金属ア
    ルコキサイド、アセチルアセトン金属錯体、チオシアン
    酸金属塩、ハロゲン化金属、金属超微粒子、導電性半導
    体超微粒子、導電性高分子、及びポリ(メタ)アクリル
    酸及びその塩等の中から選ばれた少なくとも1種の制電
    性付与剤1〜20重量部、及び (E)活性エネルギ−線感応触媒0.1〜10重量部、 からなる(ただし、A、B、C、D及びEの合計量は1
    00重量部である。)ことを特徴とする制電性被覆材組
    成物。
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