JP3091930B2 - 磁性トナー - Google Patents

磁性トナー

Info

Publication number
JP3091930B2
JP3091930B2 JP04192676A JP19267692A JP3091930B2 JP 3091930 B2 JP3091930 B2 JP 3091930B2 JP 04192676 A JP04192676 A JP 04192676A JP 19267692 A JP19267692 A JP 19267692A JP 3091930 B2 JP3091930 B2 JP 3091930B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
toner
magnetic
magnetic material
image
present
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP04192676A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0619195A (ja
Inventor
善信 馬場
仁 板橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Canon Inc filed Critical Canon Inc
Priority to JP04192676A priority Critical patent/JP3091930B2/ja
Publication of JPH0619195A publication Critical patent/JPH0619195A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3091930B2 publication Critical patent/JP3091930B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Developing Agents For Electrophotography (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真法、静電記録法
等に用いられる磁性トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては多数の方法が
知られているが、一般には光導電性物質を利用し、種々
の手段により感光体上に電気的潜像を形成し、ついで該
潜像をトナーで現像を行って可視像とし、必要に応じ
て、紙などの転写材にトナー画像を転写した後、加熱、
圧力などにより定着し、複写物を得るものである。
【0003】近年、電子写真法を用いた機器は、従来の
複写機以外にプリンターやファクシミリなど多数になっ
てきている。特に小型のプリンターやファクシミリで
は、複写装置部分を小さくする必要があるため、1成分
トナーを用いた現像装置を使う場合が多い。1成分現像
方式は、2成分方式のようにガラスや鉄粉などのキャリ
ア粒子を用いないため、現像剤の重量が軽く、そのため
装置自体も軽くできる。
【0004】更に、2成分方式は2成分現像剤のキャリ
ア中のトナーの濃度を一定に保つ必要があるため、自動
的に濃度を検知し必要量のトナーを補給する装置が必要
である。よって、ここでも現像装置が大きく重くなる。
1成分方式の現像装置はこの様な装置が必要とならない
ため、やはり小さく軽くできる。
【0005】この様な1成分現像方式に用いる1成分現
像剤は、トナー中に磁性体を多量に含有したものがほと
んどである。
【0006】また、複写機においては、より高速、安定
化の方向が常に望まれている。特に中速機、高速機など
では2成分現像方式が主流である。これはある程度大き
な機械である場合、現像装置の大きさや重さの問題以上
に高速での長期使用に対する安定性が重視されるからで
ある。一般に、2成分現像剤のトナーはカーボンブラッ
クなどにより着色し、他はほとんどポリマーから成って
いる。そのためトナー粒子は軽く、また静電気力以外に
キャリア粒子に付着する力がないため、特に高速での現
像ではトナーの飛散を招き、長期の使用でレンズや原稿
ガラス、搬送部などの汚れを生じ画像の安定性を損なう
ことがある。そこでトナー中に磁性体を含有させトナー
の質量を大きくすると同時に磁性キャリア粒子に静電気
力のみならず磁気力によっても付着し得るようにする事
によってトナー飛散を防ぐ様にした現像剤が実用化され
ている。以上の様に、磁性体を含有するトナーはますま
す重要性を増している。
【0007】一方、プリンターはLED、LBPプリン
ターが主になっており、技術の方向として、より高解像
度の方向へ進んでいる。即ち、従来240、300dp
iであったものが400、600dpiとできる様にな
ってきた。それに伴って現像方式も高濃度でより高精細
のものでなければならなくなってきている。
【0008】また、中速の複写機は高機能化しており、
そのためデジタル化の方向に進んでいる。この方向は、
潜像をレーザーで形成する方法が主であるため、やはり
高解像度の方向に進んでいる。ここでもやはり現像に対
して高濃度でしかも高精細という厳しい要求がある。
【0009】さらに、高速複写機は、高速化、安定化だ
けでなく、高画質のプリンターから出力された画像を原
稿として複写する時、高解像的に忠実に再現し、またア
ナログの写真原稿を高階調に忠実に再現することが必要
になってきている。
【0010】このように信号に忠実、原稿に忠実、即
ち、潜像に忠実でしかも高濃度で現像をするトナーが必
要になってきている。
【0011】加えて、これら複写機、およびプリンター
はその普及に伴って、種々の環境下で使用されるために
環境安定性に優れなければならないという要求もある。
【0012】しかしながら、磁性体を含有するトナーを
用いて以上のような高度な要求を満足することは難し
い。
【0013】近年、高画質化のためトナーを小粒径化、
あるいは微粒径化する事が提案されている。
【0014】確かに、磁性体を含むトナーにおいて効果
的な方法であるが、このような方向はトナーが飛散し易
く、また、トナー粒径が小さくなるほど帯電量(q/
m)は粒径に反比例して急激に増加するため静電凝集力
が増加し、画像濃度や画質が期待どうりに出ない場合が
多い。帯電量の調節のためカーボンブラックなどの導電
性微粉末を外添する事が考えられるが、環境依存性が大
きくなり、特に高温高湿環境下では画像濃度の低下や濃
度ムラを生じる。
【0015】また、トナーの粒径を小さくするとトナー
1粒の着色力が従来よりもかなり影響してくる。即ち、
トナー1粒が紙等の上に乗った時、その厚み分で紙を被
覆していることになり、厚みが薄ければ薄いほど画像濃
度が落ちることになる。そこで、磁性体を多く混入する
ことにより着色力を増し、かかる問題点を解決する事が
考えられるが、トナーの磁気凝集力が大きくなるためト
ナー粒子が凝集し易くなり画質の低下を招く。他にカー
ボンブラックの内添による着色力のアップは、先の外添
と同様、高温高湿環境下での画像濃度の低下などを招き
問題である。
【0016】更に、トナーの粒径が小さくなるとトナー
同士の凝集力が大きくなりトナー担持体にトナーを担持
したときにトナーの搬送性が悪くなる恐れがある。そこ
で、トナー間の凝集力を下げ、トナー1個1個をばらば
らにして、潜像に忠実に現像する目的で針状磁性体を用
いるとトナーの凝集力は下がり、またトナーの搬送性は
向上する反面、通常の針状磁性体では磁性体自身の凝集
により、結着樹脂との分散性が悪くなり、ひいては部分
的な帯電不良を生じ、画像に悪影響を及ぼす。特公昭5
9−7379号公報では、コバルト置換四三化鉄粉から
なり、その軸比が1〜5である磁性粉を用いたトナーの
残留磁化が10〜20emu/g、保磁力が150〜4
50エルステッドなる磁性トナーが提案されている。こ
れは、磁性体の結着樹脂中への分散性が向上し、トナー
の搬送性も向上するというものである。しかし、トナー
の残留磁化が高いために、現像時にトナーの磁気凝集力
が大きく高画質な画像を得るのは難しい。
【0017】一方、磁性体の結着樹脂中への分散性を向
上させるために、磁性体の有機物質への相溶を高めるこ
とを目的として磁性体の表面を各種物質で処理する方法
も提案されている。例えば、特開昭53−137148
号公報では脂肪酸及びその誘導体、特開昭53−811
25号公報では高分子材料、特開昭54−127329
号公報ではシランカップリング剤、特開昭55−280
19号公報ではチタンカップリング剤で処理する方法が
開示されている。これらは、相溶性を向上させる点では
優れているが、従来の磁性トナーにおいて、このような
処理を施した磁性体を用いると、磁性体の分極が大きく
なり電荷の放出が疎外され、また磁性体のトナー表面へ
の出現が少ないために結果的にトナーが帯電過剰とな
り、画像上に飛び散り、ガサツキが生じる場合がある。
また現像スリーブへの鏡映力が強くなり濃度低下を引き
起こしたり、スリーブへのトナーコートにムラを生じる
恐れもある。この現象は、特に低湿下や、高速機におい
て顕著となり、画像欠陥を生じることは避けられない。
このことを解決する手段としては磁性体の添加量を増加
させることによりトナー表面の磁性体量を増し、トナー
の体積抵抗を下げることで帯電量をコントロールするこ
とが考えられるが、これは磁気力の増加につながり忠実
な潜像再現性が難しくなってくる。従って、このような
磁性体を用いると分散性が向上し帯電性は安定化する
が、更なる高精細な現像を達成するにはさらに磁気力を
小さくしてトナーの磁気凝集力を減少させ、トナー担持
体上でのトナーの穂を低くすることが好ましい。
【0018】以上のように、小型化、軽量化、飛散など
に非常に有効である磁性体を含有するトナーにおいて、
更に、長時間の作動における高解像性、高階調性などを
実現する潜像に忠実な現像をするトナーはいまだ十分な
ものが得られていない。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
問題点を解決した磁性トナーを提供することである。
【0020】即ち、本発明の目的は、あらゆる環境下或
いは長時間の作動において、原稿に忠実、信号に忠実、
即ち潜像に忠実な現像をする磁性トナーを提供すること
である。
【0021】更に本発明の目的は、高解像性、高細線再
現性である磁性トナーを提供することである。
【0022】更に本発明の目的は、高階調性である磁性
トナーを提供することである。
【0023】更に本発明の目的は、高画像濃度の磁性ト
ナーを提供することである。
【0024】更に本発明の目的は、飛散のない磁性トナ
ーを提供することである。
【0025】更に本発明の目的は、製造効率の良い磁性
トナーを提供することである。
【0026】更に本発明の目的は、孫コピー性に優れた
磁性トナーを提供することである。
【0027】更に本発明の目的は、耐久性に優れた磁性
トナーを提供することである。
【0028】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明者らは、
磁性体を含有する磁性トナーについて鋭意検討した結
果、トナー中の磁性体の分散を向上させ、トナー性能を
大幅に向上させ得る以下の本発明を完成した。
【0029】即ち、本発明(1)は、長軸と短軸の比
(軸比)が2〜4であり、比表面積が10〜20m2
gである針状の磁性体と結着樹脂とを少なくとも含有す
る磁性トナーにおいて、該磁性体には嵩密度を高める為
の処理が施され、該磁性体のトナー中の含有量をWt
(重量%)、トナーの重量平均粒径をDt(μm)とし
たとき、 200/(軸比×Dt)+19≦Wt≦200/(軸比
×Dt)+31 Dt≦9 を満足することを特徴とする磁性トナーである。また、
本発明(2)は、長軸と短軸の比が2〜4であり、比表
面積が10〜20m2 /gである針状の磁性体と結着樹
脂とを少なくとも含有する磁性トナーにおいて、該磁性
体の表面には疎水化処理が施されていることを特徴とす
る磁性トナーである。
【0030】本発明の磁性トナーは、あらゆる環境下で
トナー担持体上でのトナー搬送に優れ、しかも高精細、
高階調のために、十分小さな磁気凝集力、静電凝集力、
十分な着色力を長時間の使用において発揮する。
【0031】これは、磁性体を含有するトナーにおいて
は、トナーの環境特性、搬送性、画像性能が磁性体の性
質に左右され、特に磁性体の形状、大きさによりトナー
担持体上でのトナーの穂立ちの形、大きさ、密度が依存
するためである。即ち、本発明の磁性トナーは、長軸及
び短軸の比(軸比)が2〜4であり、かつその比表面積
が10〜20m2 /gである針状磁性体の嵩密度を高め
た磁性体を用いることで、トナー中の磁性体の分散性を
更に高めると同時に、トナー表面近傍に針状磁性体が適
度に存在するために、特にトナー粒径が小さい場合、静
電的な凝集が大きくならず、環境安定性に優れ、更にト
ナー担持体上でのトナーの穂立ちの高さが高くならず、
また大きさ、形、密度が均一になるためであると考えら
れる。
【0032】本発明で重要なことは、針状磁性体の長軸
及び短軸の比が2〜4であり、軸比が2未満であると、
トナー担持体上での搬送性が問題となり、均一な画像が
得られなくなる。一方、軸比が4を越えると結着樹脂と
の分散性が悪くなり、トナーの帯電量が部分的に下がり
すぎ、トナー担持体上でトナーのコーティングが不均一
となり、これも均一な画像が得られない。
【0033】また、本発明において磁性体の軸比と密接
な関係にある磁性体の比表面積は、10〜20m2 /g
が好ましい。比表面積が10m2 /g未満であると、針
状磁性体の粒度が荒くなり、トナー表面近傍にある磁性
体がまばらに存在する様になり、帯電量が上がり、がさ
ついた画像しか得られない。一方、比表面積が20m2
/gを越えると、逆にトナー表面近傍の磁性体が増えす
ぎて帯電量が減少し、環境依存性も大きくなり、また、
トナー担持体上でトナーのコーティングが不均一とな
り、均一な画像が得られない。
【0034】また、針状磁性体の最大径は、0.35μ
m以下が好ましく、更に好ましくは、0.30μm以下
である。針状磁性体の最大径が0.35μmを越える
と、トナー表面近傍にある磁性体がまばらに存在する様
になり、帯電量が上がり、がさついた画像が得られ易
く、着色力も低下する。
【0035】本発明において、磁性体の最大径及び軸比
は、透過型電子顕微鏡により得られた1万倍の磁性体の
写真を4倍に拡大し、4万倍の写真とした後、ランダム
に250個の磁性体を選び、その径を実測し平均最大径
及び軸比を求めた。また、比表面積はBET法で測定し
た値である。
【0036】また、本発明(1)は重量平均粒径(D
t)が9μm以下の磁性トナーについて、トナー中の磁
性体の含有量Wt(重量%)は以下の範囲を満足するも
のである。
【0037】200/(軸比×Dt)+19≦Wt≦2
00/(軸比×Dt)+31 好ましくは7μm以下の磁性トナーであり、そのとき 200/(軸比×Dt)+21≦Wt≦200/(軸比
×Dt)+29 である。
【0038】上記範囲未満であると、トナーの着色力、
搬送性が不十分となり、画像濃度が低くなったり、濃度
ムラ等を生じ、均一な画像が得られない。また、上記範
囲を超えるとトナーの残留磁化が大きくなり、トナー現
像時にトナーの磁気凝集がほぐれず画像上にトナー塊等
を生じ、良好な画像が得られない。本発明において、ト
ナーの残留磁化(σr)は10emu/g未満が好まし
い。
【0039】また、保磁力(Hc)も画像性と関係す
る。Hcの範囲としては、50〜350エルステッドが
良い。理由は明確ではないが、Hcが50エルステッド
未満であると、バックグラウンドの汚れが生じ易くな
る。Hcが350エルステッドよりも大きいと凝集性が
悪くなり、コーティングが良好でなくなり画像濃度ムラ
など画質が悪化する場合がある。尚、磁性体の磁気特性
は、東英工業社製のものを用い、測定磁場1kエルステ
ッドで測定した。
【0040】本発明(1)におけるもう1つの特徴とし
て、含有される磁性体の嵩密度を高めることにある。
【0041】磁性体の嵩密度を高める処理としては、磁
性体を解砕処理することが挙げられる。磁性体を解砕処
理するために使用される手段としては、例えば、粉体を
解砕処理するための高速回転子を具備した機械式粉砕機
または粉体を分散或いは解砕するための荷重ローラーを
具備しているフレッドミルの如き加圧分散機などが例示
される。
【0042】磁性体の嵩密度を高める処理の程度として
は、処理の前後で、磁性体の嵩密度を30%以上高くす
ることが望ましい。嵩密度の向上が30%未満では、本
発明(1)の効果が十分には得られない。また、上記処
理後の磁性体の嵩密度の絶対値は、磁性体の形状、特に
軸比、または最大径の長さ等により異なるために一概に
はいえないが、0.5g/cm3 以上であることが好ま
しい。磁性体の嵩密度が0.5g/cm3 未満ではトナ
ー中での分散を均一にすることが難しく、環境の影響を
受けたり、トナー担持体上でのトナーの穂立ちを均一に
する効果が十分に得られず、画質の均一性を損ねるなど
の不都合を生じる。
【0043】尚、本発明(1)における磁性体の嵩密度
は、JIS(日本工業規格)K−5101に沿って測定
した値である。
【0044】環境特性の一つの目安としてトナーの帯電
量を測定た。ここで、本発明におけるトナーの摩擦帯電
量の測定法を図1を用いて詳述する。
【0045】図1は摩擦帯電量測定装置の説明図であ
る。底に400メッシュ(キャリア粒子の通過しない大
きさに適宜変更可能)の導電性スクリーン13のある金
属製の測定容器12に摩擦帯電量を測定しようとする現
像剤担持体上の磁気ブラシ(トナーと磁性粒子の混合
物)を入れ金属製のふた14をする。この時の測定容器
12全体の重量を秤りW1 (g)とする。次に、吸引機
11(測定容器12と接する部分は少なくとも絶縁体)
において、吸引口17から吸引し風量調節弁16を調整
して真空計15の圧力を70mmHgとする。この状態
で十分(約1分間)吸引を行いトナーを吸引除去する。
この時の電位計19の電位V(ボルト)とする。ここで
18はコンデンサーであり容量をC(μF)とする。ま
た、吸引後の測定容器全体の重量を秤りW2 (g)とす
る。この摩擦帯電量Q(μc/g)は下式のごとく計算
される。
【0046】 Q(μc/g)=(C×V)/(W1 −W2 ) 暴露環境は低温低湿(15℃/10RH%)、常温常湿
(23℃/60RH%)、高温高湿(32.5℃/90
RH%)であり、測定は常温常湿環境で行った。この
際、キャリアには、EFV200/300(パウダーテ
ック社製)を用い、トナー濃度2wt%で測定した。混
合時間は約2分とした。このときの測定値の絶対値が5
〜50μc/gが良い。5μc/g未満であると、画像
の先鋭さが悪くなり、バックグラウンドの汚れを生じ
る。さらに、高温高湿環境下では、画像濃度の低下など
が問題となってくる。50μc/gより大きいと、静電
凝集力が大きくなり画質が低下し細線再現性などが不十
分となる。特に、低温低湿環境下ではトナー担持体との
鏡映力が必要以上に大きくなるため、画像濃度の低下な
どが生じる。
【0047】本発明のトナーの粒径は、コールターカウ
ンター社製TA−II型機により測定した。アパーチャ
ーとして50μmのものを用い、粒度は体積分布から求
めた重量基準の平均径を出した。
【0048】本発明における磁性体としては、鉄、亜
鉛、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガ
ン、アルミニウム、珪素などの元素を含む金属酸化物な
どがある。
【0049】本発明の磁性体の製法は、従来知られてい
る方法でよい。このような磁性体の中から軸比の小さい
針状磁性体の合成例について記述する。
【0050】(合成例1)クエン酸ナトリウムを添加し
た硫酸第一鉄の水溶液に炭酸アンモニウム溶液を加え、
温度75℃において炭酸第一鉄の生成を行い、その溶液
に酸素を通じ粒子を得た。生成粒子をろ過、乾燥、粉砕
した。これを還元処理して軸比4の磁性体を得た。
【0051】得られた磁性体は、粒子最大径0.26μ
m、BET18.7m2 /g、σs(飽和磁化)60.
3emu/g、Hc275エルステッド、σr27.9
emu/g、嵩密度0.22g/cm3 であった。
【0052】(合成例2)クエン酸ナトリウムを添加し
た硫酸第一鉄の水溶液に炭酸アンモニウム溶液を加え、
温度75℃において炭酸第一鉄の生成を行い、その溶液
に酸素を通じ粒子を得た。生成粒子をろ過、乾燥、粉砕
した。これを還元処理して軸比3の磁性体を得た。
【0053】得られた磁性体は、粒子最大径0.25μ
m、BET14.6m2 /g、σs62.1emu/
g、Hc257エルステッド、σr23.0emu/g
であった。
【0054】本発明(2)の特徴である磁性体表面疎水
化処理剤としては、一般に用いられるカップリング剤な
ら何でもよいが、好ましくはシラン系カップリング剤及
びチタン系カップリング剤等がある。以下に本発明
(2)に用いられる疎水化処理剤の例を挙げる。
【0055】シラン系カップリング剤としては下記化合
物を挙げることができるが、本発明(2)においてはこ
れに限るものではない。
【0056】例えば、メチルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビ
ニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタ
クリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)
−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカ
プトプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポ
リシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどがある。
【0057】チタン系カップリング剤としては下記化合
物を挙げることができるが、本発明(2)においてはこ
れに限るものではない。
【0058】例えば、イソプロピルトリイソステアロイ
ルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスル
フォニルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチル
パイロフォスフェート)チタネート、テトライソプロピ
ルビス(ジオクチルフォスファイト)チタネート、テト
ラオクチルビス(ジトリデシルフォスファイト)チタネ
ート、イソプロピルトリオクタノイルチタネート、イソ
プロピルジメタクリルイソステアロイルチタネート、イ
ソプロピルイソステアロイルジアクリルチタネート、イ
ソプロピルトリ(ジオクチルフォスフェート)チタネー
ト、イソプロピルトリクシルフェニルチタネート、イソ
プロピルトリ(N−アミノエチル−アミノエチル)チタ
ネート、ジクミルフェニルオキシアセテートチタネー
ト、ジイソステアロイルエチレンチタネート、ビス(ジ
オクチルパイロフォスフェート)エチレンチタネート、
ビス(ジオクチルパイロフォスフェート)オキシアセテ
ートチタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチ
ル−1−ブチル)ビス(ジ−トリデシル)フォスファイ
トチタネートなどがある。
【0059】本発明(2)に用いられる磁性体を疎水化
処理する方法としては、従来公知の方法が用いられる。
その例としては、シラン系カップリング剤またはチタン
系カップリング剤をトルエンまたはキシレン等の溶媒に
溶解し、その中に磁性体を徐々に加えつつ、混合撹拌
し、次に溶媒をろ過等により除去することで磁性体表面
に疎水性の処理剤膜を形成する。また、乾式でのミキサ
ーによる混合で磁性体表面に吸着させる方法や、トナー
製造時に磁性体とそれら処理剤とを混合して混練により
磁性体表面に付着させる方法でもよい。
【0060】疎水化処理剤の磁性体に対する処理量とし
ては、0.01〜10wt%であり、好ましくは0.1
〜8wt%であり、更に好ましくは、0.3〜5wt%
である。
【0061】本発明に使用する磁性トナーの結着樹脂と
しては、ポリスチレン、ポリp−クロルスチレン、ポリ
ビニルトルエン、スチレン−pクロルスチレン共重合
体、スチレンビニル−トルエン共重合体等のスチレン及
びその置換体の単独重合体及びそれらの共重合体;スチ
レン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル
酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸n−ブチル共
重合体等のスチレンとアクリル酸エステルとの共重合
体;スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル
酸n−ブチル共重合体等のスチレンとメタクリル酸エス
テルとの共重合体;スチレンとアクリル酸エステル及び
メタクリル酸エステルとの多元共重合体;その他スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチ
ルエーテル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、
スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ア
クリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイ
ン酸エステル共重合体等のスチレンと他のビニル系重合
性単量体とのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリ
レート、ポリブチルメタクリレート、ポリ酢酸ビニル、
ポリエステル、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニル
ブチラール、ポリアクリル酸、フェノール樹脂、脂肪族
または脂環族炭化水素樹脂、石油樹脂、塩素化パラフィ
ン、等が単独または混合して使用できる。
【0062】特に圧力定着方式に供せられるトナー用の
結着樹脂として、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリ
プロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン
−アクリル酸エステル共重合体、高級脂肪酸、ポリアミ
ド樹脂、ポリエステル樹脂等が単独または混合して使用
できる。
【0063】上記の結着樹脂として用いる重合体、共重
合体、あるいはポリマーブレンドは、スチレンに代表さ
れるビニル芳香族系またはアクリル系のモノマーを40
wt%以上の量で含有すると、より望ましい結果が得ら
れる。
【0064】トナーには、任意の適当な顔料や染料が着
色剤として使用できる。例えば、疎水化されたカーボン
ブラック、フタロシアニンブルー、群青、キナクリド
ン、ベンジジンイエロー等公知の染顔料がある。
【0065】本発明に用いられる磁性体を含有するトナ
ーの製法としては従来知られた方法でよい。すなわち、
結着樹脂、荷電制御剤、着色剤、磁性体、他添加剤をヘ
ンシェルミキサー等であらかじめ粉体混合し、次いで、
これを150℃位に熱したロールミルで約30分間混練
し、混練物を得、冷却後、粉砕、必要に応じて分級しト
ナー組成物を得る。
【0066】この際、必要に応じて、流動性付与剤、潤
滑剤、研磨剤、クリーニング助剤、抵抗調節剤、荷電制
御剤などを内添あるいは外添する。
【0067】また、2成分現像剤とする場合、キャリア
粒子として、従来知られているものを用いることができ
る。
【0068】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、これは本発明をなんら限定するものではない。なお
以下の配合における%はすべてwt%である。
【0069】実施例で用いた磁性体を表1に示す。
【0070】
【表1】 実施例1 磁性体1をフレッドミルで解砕処理して嵩密度を処理前
の0.22g/cm3から0.54g/cm3 に高め
た。 ・スチレン−アクリル系共重合体 61.0% ・負荷電性制御剤 0.5% ・磁性体1(上記処理済み) 37.5% ・離型剤 1.0% 上記処方量を粉体混合し、これを140℃に設定した2
本ロールミルで約30分間熱混練し、冷却後、粗粉砕、
微粉砕(ジェットミル)した。さらに、エルボウジェッ
ト分級器により、微粉、粗粉をカットし、トナー組成物
を得た。得られたトナーの粒度は、重量平均粒径6.5
μmであった。ここで、29.3<Wt=37.5wt
%<41.2で本発明(1)の磁性体の含有量の条件を
満たしている。
【0071】トナーの磁気特性を測定したところ、σs
=22.6emu/g、σr=10.5emu/g、H
c=267エルステッドであった。
【0072】これに負帯電性コロイダルシリカを0.8
%外添し現像剤とした。このトナーの帯電量は、−2
2.4μc/gであった。これを、キヤノン製レーザー
ビームプリンターLBP−SXを改造し、現像バイアス
1800VPP,周波数2000Hzの現像条件で、ま
た、300dpiから800dpiへ高微細潜像化した
機械で評価した。
【0073】その結果、トナー担持体上でのトナーの穂
が短く、さらに均一であり、搬送性も良好であった。し
たがって、潜像を忠実に現像するため、細線再現性が非
常に優れていることがわかった。また、網点も非常に良
く再現し、階調性が非常に良かった。また、ベタ黒画像
の画像濃度も1.4以上あり、しかも濃度ムラがなく均
一であった。
【0074】さらに環境特性について評価した。低温低
湿から高温高湿環境までの帯電量測定の結果を表2に示
す。表2より環境依存もあまりなく、良好な結果が得ら
れた。
【0075】比較例1 実施例1の磁性体を嵩密度を高める処理を施さずに用い
る以外、実施例1と同様にしてトナーを作製した。得ら
れたトナーは、重量平均粒径6.2μmであった。この
時、本発明(1)の磁性体の含有量の条件29.8<W
t=37.5wt%<41.7を満たしている。
【0076】このトナーの磁気特性を測定したところ、
σs=22.2emu/g、σr=10.1emu/
g、Hc=266エルステッドであった。実施例1と同
様にして、外添したトナーの帯電量の環境依存性を評価
したところ、表2に示す如く、実施例1に比較して環境
依存性が劣っていた。
【0077】比較例2 実施例1の磁性体1の代わりに磁性体4を用いた以外は
実施例1と同様にトナー化した。その時の磁性体の処理
前後の嵩密度は各々0.46g/cm3 ,0.95g/
cm3 であった。得られたトナーの粒度は重量平均粒径
6.7μmであった。この時、Wt=37.5wt%で
あり、本発明(1)の磁性体含有量の条件48.9<W
t<60.9を満たしていなかった。また、トナーの磁
気特性は、σs=24.5emu/g、σr=1.5e
mu/g、Hc=49エルステッドであった。これに実
施例1と同様に外添したトナーの帯電量は、−49.2
μc/gであった。
【0078】これを実施例1と同様に評価した。その結
果、トナー担持体上でトナーのコート不良が起こり、潜
像に忠実とはいえなかった。各環境下での帯電量測定の
結果を表2に示す。
【0079】比較例3 実施例1の磁性体1の代わりに磁性体5を用いた以外は
実施例1と同様にトナーを作製した。この磁性体の処理
前後の嵩密度は各々0.19g/cm3 ,0.39g/
cm3 であった。得られたトナーの粒度は重量平均粒径
6.8μmであった。この時、Wt=37.5wt%で
あり、本発明(1)の磁性体含有量の条件23.6≦W
t≦35.5を満たしていなかった。また、トナーの磁
気特性は、σs=24.2emu/g、σr=12.8
emu/g、Hc=312エルステッドであった。これ
に実施例1と同様に外添したトナーの帯電量は、−5.
9μc/gであった。
【0080】これを実施例1と同様に評価した。その結
果、潜像に忠実とは言えず、細線再現性が劣っていた。
各環境下での帯電量測定の結果を表2に示す。
【0081】比較例4 実施例1の磁性体1の代わりに磁性体6を用いた以外は
実施例1と同様にトナーを作製した。この磁性体の処理
前後の嵩密度は各々0.28g/cm3 ,0.68g/
cm3 であった。得られたトナーの粒度は重量平均粒径
6.5μmであった。この時、本発明(1)の磁性体含
有量の条件34.4<Wt=37.5wt%<46.3
を満たしている。また、トナーの磁気特性は、σs=2
2.4emu/g、σr=7.7emu/g、Hc=2
10エルステッドであった。これに実施例1と同様に外
添したトナーの帯電量は、−45.5μc/gであっ
た。
【0082】これを実施例1と同様に評価した。その結
果、静電凝集力が大きく、特に細線再現性が不十分であ
った。各環境下での帯電量測定の結果を表2に示す。
【0083】比較例5 ・スチレン−アクリル系共重合体 48.0% ・負荷電性制御剤 0.5% ・磁性体1(解砕処理せず) 50.5% ・離型剤 1.0% 上記処方量で実施例1と同様にトナーを作製した。得ら
れたトナーの粒度は、重量平均粒径6.6μmであり、
粉砕性には優れていた。この時、Wt=50.5wt%
であり、本発明(1)の磁性体の含有量条件29.2≦
Wt≦41.0を満たしていなかった。また、トナーの
σs=30.3emu/g、σr=14.0emu/
g、Hc=272エルステッドであった。
【0084】実施例1と同様に負帯電性コロイダルシリ
カを0.8%外添したトナーの帯電量は、−7.7μc
/gであった。
【0085】これを実施例1と同様に評価した。その結
果、特に細線再現性は、実施例1に比べ潜像に忠実とは
いえず、トナー塊による尾引きを生じていた。各環境下
での帯電量測定の結果を表2に示す。
【0086】実施例2 磁性体2をフレッドミルで解砕処理して嵩密度を処理前
の0.25g/cm3から0.56g/cm3 に高め
た。 ・スチレン−アクリル系共重合体 64.0% ・正荷電性制御剤 1.2% ・磁性体2(上記処理済み) 33.3% ・離型剤 1.5% 上記処方量で実施例1と同様にしてトナーを作製した。
得られたトナーの粒度は、重量平均粒径5.2μmであ
った。ここで、28.7<Wt=33.3wt%<4
0.6で本発明(1)の磁性体の含有量の条件を満たし
ている。
【0087】この時、トナーのσs=22.2emu/
g、σr=9.0emu/g、Hc=265エルステッ
ドであった。また、流動性付与剤として正帯電性コロイ
ダルシリカを1.2%外添した。このトナーの帯電量
は、+25.8μc/gであった。
【0088】これを、キヤノン製デジタル複写機NP−
9330を現像バイアス1800VPP,周波数2000
Hzの現像条件で300dpiから600dpiとした
機械で評価した。その結果、特に細線再現性が良好であ
り、階調性、画像濃度ともに良好で、非常に潜像に忠実
であった。また、環境特性も良好であった。各環境下で
の帯電量測定の結果を表2に示す。
【0089】実施例3 磁性体3をフレッドミルで解砕処理して嵩密度を処理前
の0.36g/cm3から0.77g/cm3 に高め
た。 ・ポリエステル 53.1% ・負荷電性制御剤 0.8% ・磁性体3(上記処理済み) 44.4% ・離型剤 1.7% 上記処方量で実施例1と同様にトナー化した。トナー化
の際、粉砕効率が良好であった。得られたトナーの粒度
は、重量平均粒径6.0μmであった。この時、本発明
(1)の磁性体の含有量の条件35.7<Wt=44.
4wt%<47.6を満たしている。トナーのσs=2
6.0emu/g、σr=8.0emu/g、Hc=2
00エルステッドであった。これに負帯電性コロイダル
シリカを0.9%外添した。このトナーの帯電量は、−
18.8μc/gであった。また、環境特性にも優れて
いた。
【0090】これを、キヤノン製複写機NP−8582
において、現像バイアス1800VPP,周波数2000
Hzの現像条件で、また、感光ドラムに対する現像スリ
ーブの周速比を1:1.2とした改造機を用いて評価し
た。得られた画像は、細線再現性、階調性が非常に良好
であり、高速機にもかかわらず、飛び散り、画像乱れ等
もなく高品質なものであった。各環境下での帯電量測定
の結果を表2に示す。
【0091】
【表2】 実施例4 まず、磁性体7 100gに対し、メチルトリメトキシ
シラン1.5gをトルエン100mlに溶解した溶液を
加え、約3時間撹拌し、ろ過乾燥してシラン系カップリ
ング剤による疎水化処理された磁性体を得た。 ・スチレン−アクリル系共重合体 67.0% ・負荷電性制御剤 0.5% ・磁性体7(上記疎水化処理済み) 31.5% ・離型剤 1.0% 上記処方量を粉体混合し、これを140℃に設定した2
本ロールミルで約30分間熱混練し、冷却後、粗粉砕、
微粉砕(ジェットミル)した。さらに、エルボウジェッ
ト分級器により、微粉、粗粉をカットし、トナー組成物
を得た。得られたトナーの粒度は、重量平均粒径8.1
μmであった。この時、本発明(1)の磁性体の含有量
の条件27.1<31.5wt%<39.2を満たして
いる。
【0092】また、トナーの磁気特性を測定したとこ
ろ、σs=18.9emu/g、σr=6.8emu/
g、Hc=249エルステッドであった。
【0093】これに負帯電性コロイダルシリカを0.8
%外添し現像剤とした。このトナーの帯電量は、−23
μc/gであった。これを、実施例1と同様にキヤノン
製レーザービームプリンターLBPSX改造機を用いて
評価した。
【0094】その結果、トナー担持体上でのトナーの穂
が短く、さらに均一であり、搬送性も良好であった。し
たがって、潜像を忠実に現像するため、細線再現性が非
常に優れていることがわかった。また、網点も非常に良
く再現し、階調性が非常に良かった。さらに、ベタ黒画
像の画像濃度も1.4以上あり、しかも濃度ムラがなく
均一で複数枚の複写においても良好な画像が得られた。
【0095】比較例6 実施例4の磁性体を表面処理をしないで用いる以外は実
施例4と同様にトナーを作製した。得られたトナーの粒
度は重量平均粒径8.3μmであった。この時、本発明
(1)の磁性体の含有量の条件27.0<31.5wt
%<39.0を満たしている。また、トナーの磁気特性
は、σs=18.8emu/g、σr=6.8emu/
g、Hc=247エルステッドであった。これに実施例
4と同様に外添したトナーの帯電量は、−18.0μc
/gであった。
【0096】これを実施例4と同様に評価した。その結
果、潜像忠実性には優れており、階調性も良好であった
が、特に、低温低湿下において、初期は画像濃度も高
く、良好な結果を示したが多数枚の複写で次第に濃度が
低下した。
【0097】実施例5 実施例4と同様にして実施例2で用いた嵩密度を高めた
磁性体2を疎水化処理した。 ・スチレン−アクリル系共重合体 66.8% ・正荷電性制御剤 1.2% ・磁性体2(嵩密度アップ及び疎水化処理済み) 30.5% ・離型剤 1.5% 上記処方量で実施例4と同様にしてトナーを作製した。
得られたトナーの粒度は、重量平均粒径6.8μmであ
った。この時、本発明(1)の磁性体の含有量の条件2
6.4<Wt=30.5wt%<38.3を満たしてい
る。また、トナーのσs=19.0emu/g、σr=
8.0emu/g、Hc=265エルステッドであっ
た。また、流動性付与剤として正帯電性コロイダルシリ
カを1.0%外添した。このトナーの帯電量は、+1
1.5μc/gであった。これを、キヤノン製デジタル
複写機NP−9330を現像バイアス1800VPP,周
波数2000Hzの現像条件で、300dpiから60
0dpiとした機械で評価した。その結果、特に細線再
現性が良好であり、階調性、画像濃度ともに良好で、非
常に潜像に忠実であった。また、複数枚の複写に対して
も良好な画像が得られた。
【0098】実施例6 実施例4と同様にして実施例3で嵩密度を高めた磁性体
3を疎水化処理した。 ・ポリエステル 62.5% ・負荷電性制御剤 0.8% ・磁性体3(疎水化処理済み) 35.0% ・離型剤 1.7% 上記処方量で実施例4と同様にしてトナーを作製した。
トナー化の際、粉砕効率が良好であった。得られたトナ
ーの粒度は、重量平均粒径8.8μmであった。この
時、本発明(1)の磁性体の含有量の条件30.4<W
t=35wt%<42.3を満たしている。また、トナ
ーのσs=20.1emu/g、σr=5.8emu/
g、Hc=193エルステッドであった。これに負帯電
性コロイダルシリカを0.6%外添した。このトナーの
帯電量は、−18.6μc/gであった。
【0099】これを、実施例3と同様にキヤノン製複写
機NP−8582改造機を用いて評価した。その結果、
細線再現性、階調性が非常に良好であり、高速機にもか
かわらず飛び散りや画像乱れ等もなく高品質なもので、
耐久性に優れた画像が得られた。
【0100】実施例7 表面処理剤をイソプロピルジメタクリルイソステアロイ
ルチタネート2.5gに変え磁性体7を実施例4と同様
に表面処理した。 ・スチレン−アクリル系共重合体 65.2% ・負荷電性制御剤 0.5% ・磁性体7(上記表面処理済み) 33.3% ・離型剤 1.0% 上記処方量で実施例4と同様にトナーの作製を行なっ
た。得られたトナーの粒度は、重量平均粒径8.2μm
であった。この時、本発明(1)の磁性体の含有量の条
件27.0<Wt=33.3wt%<39.1を満たし
ている。また、流動性付与剤として負帯電性コロイダル
シリカを0.8%外添した。このトナーの帯電量は、−
24μc/gであった。
【0101】これを、実施例4と同様に評価した。その
結果、細線再現性、階調性、画像濃度とも非常に良好
で、非常に潜像に忠実であった。また、複数枚の複写に
おいても良好な画像が得られた。
【0102】実施例8 表面処理剤をビス(ジオクチルパイロフォスフェート)
エチレンチタネート4.0gに変え実施例2で用いた磁
性体2を実施例4と同様に処理した。 ・低分子量ポリエステル 67.0% ・負荷電性制御剤 4.0% ・磁性体2(上記表面処理済み) 29.0% 上記処方量を粉体混合し、これを100℃に設定した3
本ロールミルで約30分間熱混練し、冷却後、粗粉砕、
微粉砕(ジェットミル)した。さらに、エルボウジェッ
ト分級器により、微粉、粗粉をカットし、トナー組成物
を得た。得られたトナーの粒度は、重量平均粒径8.5
μmであった。この時、本発明(1)の磁性体の含有量
の条件24.9<29.0wt%<36.8を満たして
いる。また、これに負帯電性コロイダルシリカを0.8
%外添し、さらにフェライトコートキャリアとトナー濃
度が7%となるようにターブラーミキサーで混合し現像
剤とした。このトナーの帯電量は、−21.8μc/g
であった。
【0103】これを、キヤノン製デジタルカラー複写機
CLC−500を現像バイアス1800VPP,周波数2
000Hzの現像条件とした改造機にいれ、評価した。
その結果、長時間の現像でも飛散、カブリがなく、画像
ムラのない非常に良好な画像が得られた。特に低温低湿
下においてガサツキもなく、文字画像の細線再現性が特
に良く、シャープであった。また、ベタ黒画像も均一で
画像濃度も十分であった。
【0104】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の磁性トナ
ーでは、トナー中に磁性体が均一に分散し、且つトナー
表面付近に適度に存在する為、静電的な凝集が弱くな
り、トナー担持体上でのトナーの穂が均一になり、安定
した画像が得られる。したがって、原稿に忠実、信号に
忠実、すなわち潜像に忠実な現像が可能となり、高解像
度、高細線再現性に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のトナーの摩擦帯電量を測定するための
装置を模式的に示した概略図である。
【符号の説明】
11 吸引器 12 測定容器 13 導電性スクリーン 14 フタ 15 真空計 16 風量調節弁 17 吸引口 18 コンデンサー 19 電位計

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 長軸と短軸の比(軸比)が2〜4であ
    り、比表面積が10〜20m2 /gである針状の磁性体
    と結着樹脂とを少なくとも含有する磁性トナーにおい
    て、該磁性体には嵩密度を高める為の処理が施され、該
    磁性体のトナー中の含有量をWt(重量%)、トナーの
    重量平均粒径をDt(μm)としたとき、 200/(軸比×Dt)+19≦Wt≦200/(軸比
    ×Dt)+31 Dt≦9 を満足することを特徴とする磁性トナー。
  2. 【請求項2】 磁性体の嵩密度が0.5g/cm3 以上
    に処理されていることを特徴とする請求項1記載の磁性
    トナー。
  3. 【請求項3】 長軸と短軸の比が2〜4であり、比表面
    積が10〜20m2/gである針状の磁性体と結着樹脂
    とを少なくとも含有する磁性トナーにおいて、該磁性体
    の表面には疎水化処理が施されていることを特徴とする
    磁性トナー。
  4. 【請求項4】 磁性体の表面がシラン系カップリング剤
    により疎水化処理されていることを特徴とする請求項3
    記載の磁性トナー。
  5. 【請求項5】 磁性体の表面がチタン系カップリング剤
    により疎水化処理されていることを特徴とする請求項3
    記載の磁性トナー。
JP04192676A 1992-06-29 1992-06-29 磁性トナー Expired - Fee Related JP3091930B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04192676A JP3091930B2 (ja) 1992-06-29 1992-06-29 磁性トナー

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP04192676A JP3091930B2 (ja) 1992-06-29 1992-06-29 磁性トナー

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0619195A JPH0619195A (ja) 1994-01-28
JP3091930B2 true JP3091930B2 (ja) 2000-09-25

Family

ID=16295195

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP04192676A Expired - Fee Related JP3091930B2 (ja) 1992-06-29 1992-06-29 磁性トナー

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3091930B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004102154A (ja) 2002-09-12 2004-04-02 Hitachi Printing Solutions Ltd 電子写真用トナー及び画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0619195A (ja) 1994-01-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5348829A (en) Monocomponent-type developer for developing electrostatic image and image forming method
US4935325A (en) Toner and image forming method using magnetic material with specific tap density and linseed oil absorption
JP3091930B2 (ja) 磁性トナー
JP3108827B2 (ja) 静電荷像現像用現像剤
JPH06332237A (ja) 二成分現像剤
JPH04184354A (ja) 磁性トナー
JP3168366B2 (ja) 二成分系現像剤
JP2810527B2 (ja) 画像形成方法及び画像形成装置
JPH0822138A (ja) 非磁性一成分現像剤及びこれを用いた現像方法
JP2872504B2 (ja) 静電荷像現像用一成分系現像剤及び画像形成方法
JP3598570B2 (ja) 静電荷像現像剤
JP3295783B2 (ja) 静電荷像現像用現像剤
JP3237385B2 (ja) 磁性トナー
JP3066160B2 (ja) 正帯電性トナー
JP3058480B2 (ja) 磁性トナー
JP2604617B2 (ja) 負帯電性トナー組成物
JP3950572B2 (ja) 電子写真用トナー
JP2645500B2 (ja) トナー組成物
JP2750184B2 (ja) 静電潜像現像用磁性トナー
JP3020287B2 (ja) 現像方法
JPH0769641B2 (ja) 画像形成方法
JPH04367867A (ja) 磁性トナー
JP3086968B2 (ja) 磁性トナー
JP3108847B2 (ja) 二成分系現像剤及び画像形成方法
JP3041010B2 (ja) 電子写真用磁性トナー、電子写真用磁性トナーの製造方法および画像形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20000613

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees