JP3091885B2 - 高温型二次電池及び電池モジュール - Google Patents

高温型二次電池及び電池モジュール

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JP3091885B2
JP3091885B2 JP03165521A JP16552191A JP3091885B2 JP 3091885 B2 JP3091885 B2 JP 3091885B2 JP 03165521 A JP03165521 A JP 03165521A JP 16552191 A JP16552191 A JP 16552191A JP 3091885 B2 JP3091885 B2 JP 3091885B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電力貯蔵用や電気自動車
バッテリ等に用いられる高温型二次電池及びそれらを用
いて組み立てた電池モジュールに関する。
【0002】
【従来の技術】本発明でいう高温型二次電池とは、作動
温度が常温より高く、その作動温度で液体の金属陰極、
固体の電解質、及び一部または全部が液体の陽極を有す
る、繰返し充放電が可能な電池である。そのような電池
の一例としてナトリウム−硫黄電池がある。ナトリウム
−硫黄電池は、陽極と陰極は、それぞれ一般に金属製の
陽極容器と陰極容器に収納され、外部に電流を取り出す
陽極端子と陰極端子がそれらに設けられている。陰極の
活物質は金属ナトリウムであり、電池作動温度では液体
である。陽極の活物質には硫黄が用いられるが、電子伝
導性が無いために集電材であるフェルト状のグラファイ
トに含浸した形で用いられる。陽極容器と陰極容器は、
絶縁物で絶縁されており、一般には電池は密閉構造にな
っている。さらに電池内部において、陽極と陰極は固体
電解質で隔てられている。固体電解質は、陰極で形成さ
れる金属イオンの良伝導体であるが、電子伝導性が極め
て小さいことが必要で、一般にはベータアルミナ等が用
いられる。固体電解質は一般には電池反応を生じる面積
を広く取るために下端を閉じた管状に形成され、活物質
をその外側と内側に分離するように作られている。
【0003】こうした高温型二次電池は、単電池で用い
られることは少なく、多くは電池を複数本組み合わせた
モジュールの形で使われる。モジュールは単電池を直
列、並列に接続し、使用する目的に見合った電圧、電流
値によって充放電を行うように組み立てられる。電池が
高温で作動するために、電池モジュールは全体または一
部ずつが保温設備の中に置かれ、運転される。従来例と
して特開平1−253173号公報が挙げられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような高温型二次
電池においては、常温における電池内への電流流れ込み
に起因する転極によって、固体電解質にデントライト生
成等の電気化学的劣化を生じ、ひいては固体電解質の破
損を引き起こし、最悪の場合はモジュール全体が運転不
能になるという問題があった。
【0005】常温での電池内への電流の流れ込みは、モ
ジュール組立時において単電池間に短絡が起こった場合
や、モジュール内の電池の結線、モジュールに付随する
計測線の結線等を確認するために電圧をかけた場合に生
じる。上記従来例はこの点についての考慮がなされてい
ない。前者については、電池同志の絶縁が不完全な場合
に起こる。図5には直列に接続された電池を示した。各
々の電池14、15、16は、絶縁材台座13を介して
保温容器を兼ねた金属製の設置台17の上に置かれてい
る。電池相互間は接続線12によって直列に接続されて
いる。この場合何らかの原因で電池14及び電池16の
2本の電池の絶縁材台座13の絶縁が不完全になり、電
池14、16と設置台17との間に導通があると、電池
15と電池16は短絡する。これを回路図として書く
と、図6のようになる。このような場合、電池15の陰
極の電位が陽極よりも高くなったとき(転極)逆充電が
生じる。その際には電池内の固体電解質にナトリウムデ
ンドライトが生成して固体電解質が破損したり、軽微な
場合でも固体電解質の強度が低下することから、運転温
度まで熱する際に他の電池構成材料との熱膨張差によっ
て固体電解質の破壊をもたらす。
【0006】後者については、前述のようにモジュール
が保温容器に入った密閉構造であるため、メガーテスト
等の、電池同志の結線や電池の電圧電流を測定する計測
線の結線を確認する場合は、運転前に常温で行う必要が
あることから生じる。一方、これらの結線の確認をしな
いで運転を行う場合、もし結線に不具合が生じていたと
きには、それが判明するのは活物質が溶融する温度以上
であり、そこから再度温度を下げて常温で不具合を補修
しなければならないため、正常な運転までに非常に時間
がかかってしまうという問題がある。しかし通常は固体
電解質を保護するために、時間がかかることを前提に入
れて常温での結線の確認を行わないで温度を上げること
が行われており、常温で電池及びその固体電解質に悪影
響を与えず、これらの結線を確認する手法はなかった。
【0007】本発明の目的は、電池及び固体電解質に悪
影響を与える、常温での電池内への電流の流れ込みを防
ぎ、複数本の電池間の短絡に強く、常温で結線の確認等
電気的な検査を行うことが可能な高温型二次電池及び電
池モジュールを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
本発明は、動作温度で液体の陽極活物質及び集電材を備
えた陽極と、この陽極を収納する陽極容器と、動作温度
で液体金属の陰極活物質を備えた陰極と、陰極をを収納
し該陰極と接触する陰極容器と、前記陽極容器と該陰極
容器とを絶縁する絶縁物と、前記陽極と陰極とを隔てる
固体電解質とを備えた高温型二次電池において、前記陽
極容器と陰極容器の間を、室温では室温における電池の
内部抵抗よりも低い抵抗値を有し、電池作動温度ではそ
の温度での電池の内部抵抗よりも高い抵抗値を有する接
続手段で接続したことを特徴とするものである。ここ
で、高温型二次電池は、陽極活物質が硫黄及び/または
多硫化ナトリウムであり、陰極活物質がナトリウムであ
り、固体電解質がβ−アルミナ及び/またはβ”−アル
ミナから構成されるナトリウム−硫黄電池であるものが
挙げられる。また、接続手段の抵抗が、室温において電
池の室温の内部抵抗の1/100以下であり、且つ電池
作動温度ではその温度での電池の内部抵抗の100倍以
上であるものがよい。また、接続手段は熱スイッチ又は
正特性(PTC)サーミスタ等が挙げられる。
【0009】また本発明は、複数本の高温型二次電池
と、この複数本の電池を収納するモジュール容器と、前
記電池の温度を高める昇温手段とを備えて、充放電を行
う電池モジュールにおいて、高温型二次電池は前記のい
ずれかであることを特徴とするものである。
【0010】
【作用】上記のように単電池の陽極容器と陰極容器の間
に、室温では室温における電池の内部抵抗よりも低い抵
抗を有し、かつ電池作動温度ではその温度での電池の内
部抵抗よりも高い抵抗を有する物質または素子すなわち
接続手段を、電池と並列になるように接続してモジュー
ルを組み立てた場合、常温において結線の確認等でモジ
ュールに電圧がかかった時は、外部からモジュールにか
かる電圧に起因する電流は、室温での電池の内部抵抗に
比べて上記物質または素子の抵抗が低いことから、それ
ぞれの単電池を経由しないで上記接続手段を経由して流
れる。そのため電池には、固体電解質に悪影響を及ぼす
電流は流れ込まない。またこれらの電池を組み合わせた
モジュールの直列部分で短絡が起きた場合も、各々の単
電池で閉回路が形成されるため、他の電池に電流が流れ
込むことがなく、従って転極による電池の逆充電も起こ
らない。
【0011】一方、電池作動温度では、電池の内部抵抗
に比べて、上記接続手段の抵抗が高いことから、上記接
続手段は開いたスイッチのようになる。この場合、電流
は電池を経由して流れ、モジュールは接続手段が付いて
いないモジュールと同様の動作を示す。
【0012】以上のような作用によって、本発明の電池
及び電池を用いたモジュールでは、電池作動温度での電
池の動作を損なうことなく、電池の電気化学的破壊を引
き起こす、常温での電池内への電流の流れ込みを防止す
ることができる。
【0013】なお、この作用を確実なものにして、さら
に高温型二次電池の特長である電池効率の良さを損なわ
ないために、室温での上記接続手段の抵抗値が、室温で
の電池の内部抵抗の1/100以下であり、かつ電池作
動温度ではその温度での電池の内部抵抗の100倍以上
であることが望ましい。その理由は、室温でのその抵抗
値が、室温での電池の内部抵抗の1/100より高い場
合には、電池に流れ込む電流の割合が高くなり、外部か
らかかる電圧または電池短絡の規模によっては、電池内
に固体電解質に電気化学的悪影響を及ぼす量の電流が流
れることがあるからである。また電池作動温度におい
て、上記接続手段の抵抗が電池の内部抵抗の100倍よ
り小さいと、上記接続手段に流れ込む電流が無視できな
くなり、モジュールの抵抗損が増大して電池効率が低下
しモジュール性能を落すためである。
【0014】
【実施例】図3は本発明にかかるナトリウム−硫黄電池
の断面図を示す。陽極10、陰極5はそれぞれ一般に金
属製の陽極容器9、陰極容器6に収納され、外部に電流
を取り出す陽極端子8、陰極端子4がそれらについてい
る。陰極の活物質は金属ナトリウムであり、電池作動温
度では液体である。陽極の活物質には硫黄が用いられる
が、電子伝導性が無いために集電材であるフェルト状の
グラファイトに含浸した形で用いられる。陽極容器9と
陰極容器4は絶縁物7で絶縁されており、一般には電池
は密閉構造になっている。さらに電池内部において陽極
10と陰極5は固体電解質11で隔てられている。固体
電解質11は陰極で形成される金属イオンの良伝導体で
あるが、電子伝導性が極めて小さいことが必要で、一般
にはベータアルミナ等が用いられる。固体電解質11は
一般には電池反応を生じる面積を広く取るために下端を
閉じた管状に形成され、活物質をその外側と内側に分離
するように作られている。2が本発明に係る接続手段
で、該接続手段2は陽極容器9と陰極容器6の間を接続
するとともに、室温では室温における電池の内部抵抗よ
りも低い抵抗値を有し、電池作動温度ではその温度での
電池の内部抵抗よりも高い抵抗値を有する性質をもって
いる。
【0015】上記のように単電池の陽極容器9と陰極容
器6の間に、室温では室温における電池の内部抵抗より
も低い抵抗を有し、かつ電池作動温度ではその温度での
電池の内部抵抗よりも高い抵抗を有する接続手段2を、
電池と並列になるように接続して図4に示すような電池
モジュールを組み立てた場合を説明する。図4におい
て、複数本の当該電池1が絶縁材台座13の上に載置さ
れてモジュール容器19内に収納されている。該容器1
9の内面には断熱材20を介してヒータ線21が配設さ
れている。22は排気筒、23はブロアを示す。
【0016】常温において結線の確認等でモジュールに
電圧がかかった状態の回路図を図1に示す。ここで上記
接続手段2は、その働きから閉じたスイッチとして記し
ている。この場合、外部からモジュールにかかる電圧3
に起因する電流は、室温での電池1の内部抵抗に比べて
上記接続手段2の抵抗が低いことから、それぞれの単電
池を経由しないで上記接続手段2を経由して流れる。そ
のため電池1には、固体電解質11に悪影響を及ぼす電
流は流れ込まない。また、これらの電池を組み合わせた
モジュールの直列部分で短絡が起きた場合も、各々の単
電池で閉回路が形成されるため、他の電池に電流が流れ
込むことがなく、従って転極による電池の逆充電も起こ
らない。
【0017】一方、電池作動温度での電池モジュールの
回路図を図2に示す。電池1の内部抵抗に比べて、接続
手段2の抵抗が高いことから、接続手段2は開いたスイ
ッチとして記してある。この場合、電流は電池1を経由
して流れ、モジュールは接続手段2が付いていないモジ
ュールと同様の動作を示す。
【0018】尚、本実施例では、電池に付加する接続手
段2の配置を、電池の外側に電池と並列に並べている
が、それら接続手段2が電池活物質に対して耐食性があ
り、また陰極活物質イオンの導体でなければ、電池内部
に組み込むこと、または電池の構成物の一つとすること
も可能である。例えばそのような接続手段を、陽極容器
と陰極容器の間の絶縁物として用いることが可能であ
る。以下に実施例を挙げて具体的に説明する。
【0019】(実施例1)500Whの容量をもつナト
リウム−硫黄電池を80本作成し、それぞれの陰極容器
と陽極容器の間に、室温で導通があり300℃では導通
がない、バイメタルを用いた熱スイッチを銀ろうで接合
した。このような電池を8本直列10並列に配して40
kWhの電池モジュールを作成した。それぞれの直列の
接続を調べるためにテスターで直列の8本の電池の両端
に電圧をかけて、導通があることを確認し、さらに電池
電圧の測定を行う計測線間の絶縁が良好であるか調べる
ために、300Vの電圧によってメガーテストを行っ
た。それを各々の直列の10組について繰り返した。毎
時5℃の速度で温度を上げて、330℃においてモジュ
ールの運転を行った。昇温過程で破損する電池は1本も
なく、300Aの電流で充電8時間、放電8時間を繰返
し、250サイクルの充放電を行った後も、全ての電池
が健全な特性を維持しており、電池の平均効率、すなわ
ち充電電気量に対する放電電気量の割合も87%と良好
であった。モジュールから取り出した電池を分解して、
固体電解質のベータアルミナを調べたところ、ナトリウ
ムに接触していた部分は若干灰白色に変色していたが、
そのほかの異常は観察されなかった。
【0020】(実施例2)実施例1と同様に、ただし熱
スイッチの代わりに室温で約5Ω、300℃で約1kΩ
の正特性サーミスタを陽極容器−陰極容器間に銀ろう付
けして、ナトリウム−硫黄電池を60本作成した。この
電池の内部抵抗は20℃において300Ω、300℃に
おいて4mΩであった。これを実施例1と同様に6本直
列10並列でモジュールに組立て、実施例1と同様にし
て直列の結線の接続の確認、及び電池電圧計測線の結線
の確認を行った。この電池モジュールについて実施例1
と同じ条件で試験を行った結果、試験終了時の電池の特
性は健全であり、電池の平均効率は80%であった。
【0021】(比較例1)実施例1と同様に、ただし熱
スイッチの付加は行わないナトリウム−硫黄電池を80
本作成し、実施例1と同様に8本直列10並列の電池モ
ジュールを作成した。これを実施例1と同様にして、テ
スターによる直列の結線の接続の確認、及びメガーテス
トによる電池電圧計測線の結線の確認を行った。このモ
ジュールを毎時3℃の速度で昇温していく過程におい
て、23本の電池が約110℃付近で破損して電池電圧
が0Vとなり、モジュール全体の運転が不可能になっ
た。モジュールを降温した後、未破損の電池を分解して
調べてみたところ、固体電解質の陽極側に多数のナトリ
ウムデンドライトが確認された。また、軽微な破損の電
池について分解を行ったところ、クラック起点はナトリ
ウムデンドライトの部分に相当しており、このことから
室温で電池に電圧をかけることによって、ナトリウムイ
オンが固体電解質と陽極の界面で集電材のグラファイト
フェルトから電子を受取り、金属として固体電解質中に
析出したことによって、固体電解質の強度が低下し、陽
極の硫黄が溶融する際に発生する応力に抗しきれずに破
損が生じたと考えられる。このように実施例1や実施例
2のような対策を施さずに常温で電池モジュールに電圧
をかけると、固体電解質の電気化学的劣化に起因する電
池破損によって、モジュール全体の運転も不可能になる
ことがある。
【0022】(実施例3)実施例1と同様にバイメタル
の熱スイッチつきのナトリウム−硫黄電池を40本作成
し、8本直列5並列の電池モジュールを組み立てた。た
だしそのうち、1直列の8本の並びについては、両端の
2本の陽極端子間を結線し故意に短絡させた。このモジ
ュールについて、実施例1と同様にテスターによる導通
試験及びメガーテストを行い、昇温し120Aの電流で
通電実験を行った。短絡させた1つの並びは充放電が不
可能で、モジュール全体の電池効率はその分だけ落ちた
が、それが他の直列の並びに悪影響を及ぼすことはな
く、250サイクルの通電の後でも、他の電池は良好な
特性を維持していた。また、このモジュールを降温後、
故意に短絡させた結線を外して再度モジュールに組立
て、これを昇温、通電した結果、先に短絡によって充放
電ができなかった直列の8本についても、今度はそれ以
外の電池と同様に充放電でき、良好な特性を示した。 (比較例2)実施例3と同様に、ただし熱スイッチなし
のナトリウム−硫黄電池40本を用いて8本直列5並列
の電池モジュールを組み立て、そのうち1直列の8本の
並びについては、両端の2本の陽極端子間を結線し故意
に短絡させた。このモジュールについて実施例1と同様
に、テスターによる導通試験及びメガーテストを行っ
た。このモジュールは昇温の過程において、短絡させた
8本の電池の並びで陰極側から2番目の電池が破損し、
運転が不可能になった。モジュールを降温後、短絡させ
た並びにあった残り7本の電池について、1本ずつ昇温
し単電池として試験したところ、そのうち3本が昇温中
に破損した。また残りの4本も、明確な原因はわからな
いが、充電状態における電池の開路電圧が1.8V程度
と低くなっており、再びモジュールに組み込んで昇温中
に全数が破損した。
【0023】(実施例4)実施例2と同様に電池にサー
ミスタを付加して電池を製作した。ただし用いたサーミ
スタは3種類あって、それぞれ抵抗値は(i)25℃:
5Ω、300℃:10kΩ、(ii)25℃:100m
Ω、300℃:10mΩ、(iii)25℃:1Ω、30
0℃:100Ωであり、それぞれ10本ずつ計30本製
作した。また電池の、サーミスタを含まない内部抵抗
は、25℃で250Ω、300℃で4mΩであった。こ
れらの電池を(i)、(ii)、(iii)それぞれのサー
ミスタごとに5本直列2並列のモジュールに組んだ。そ
れぞれの直列の接続を調べるためにテスターで5本の電
池の両端に電圧をかけ、さらに電池電圧の測定を行う計
測線間の絶縁が良好であるか調べるために、1kVの電
圧によってメガーテストを行った。それを各々の直列の
組について繰り返した。
【0024】これら3つのモジュールについて通電実験
を行うため、毎時5℃の速度で昇温したところ、(i)
のサーミスタをつけた電池を使って作成したモジュール
では、約110℃で1本の電池が破損して、1直列の運
転が不能になった。また(ii)のサーミスタを用いて作
成した電池のモジュールでは、昇温中の異常はなかった
が、電池運転時の効率が55%と非常に悪くなり、モジ
ュールとしての使用に困難をきたした。一方、(iii)
のサーミスタを組み入れた電池を用いて作成した電池モ
ジュールでは、昇温中の電池異常もなく、また電池効率
も85%と高い割合で、250サイクルの充放電の繰返
しによっても電池特性に異常は認められなかった。
【0025】(i)、(ii)のサーミスタの電池のモジ
ュールでの異常は、次のように考えることができる。す
なわち(i)のサーミスタの電池のモジュールでは、常
温で結線等の試験を行う際、電池の内部抵抗に比べてサ
ーミスタの抵抗値が十分大きくないので、外部からかけ
た電圧による電流が電池の方にも流れ込んで、固体電解
質を電気化学的に劣化させてしまい、破損にいたる電池
が生じたと考えられる。また(ii)のサーミスタの電池
のモジュールでは、電池運転温度において、電池の内部
抵抗に比べてサーミスタの抵抗値が十分に大きくないた
め、サーミスタに流れ込む電流が発生し、それが熱エネ
ルギーロスとして電池モジュールの効率を落したと考え
られる。このように、電池に付加するサーミスタの抵抗
値は、常温では電池の内部抵抗の1/100以下、電池
動作温度では電池の内部抵抗の100倍以上であること
が望ましい。
【0026】(実施例5)陽極に塩化ニッケルを、電解
液に塩化アルミニウム−塩化ナトリウムを用いた、50
0Whの容量のナトリウム−塩化ニッケル電池に、実施
例1と同様にして、室温で導通があり250℃で導通が
ない熱スイッチを付加したものを20本作成した。これ
を4本直列5並列のモジュールに組立て、実施例1と同
様に結線の確認をして、毎時5℃の速度で250℃まで
昇温し、50Aで充電充放電試験を行った。昇温過程で
破損する電池は1本もなく、100サイクルの充放電を
行った後も、個々の電池の特性には異常は見られなかっ
た。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、ナトリウム−硫黄電池
等の高温型二次電池モジュールの、電池及び固体電解質
に悪影響を与える、常温での電池内への電流の流れ込み
を防ぐことができるので、複数本の電池間の短絡に強
く、常温で結線の確認等電気的な検査を行うことが可能
な高温型二次電池及び電池モジュールが得られる。
【0028】本発明の実施例においては、電池に付加す
る接続手段として、熱スイッチ及びサーミスタのみが示
されているが、他の物質または素子であっても、常温で
電池の内部抵抗に比べて十分小さく、かつ電池作動温度
で電池の内部抵抗に比べて十分小さいものであれば、同
様に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電池を用いたモジュールに、常温で外
部から電圧をかけた際の回路図である。
【図2】本発明の電池を用いたモジュールの、電池作動
温度での回路図である。
【図3】本発明のナトリウム−硫黄電池の構造を示した
図である。
【図4】本発明の電池モジュールの斜視図である。
【図5】電池同志の絶縁が不完全な場合に、直列に接続
された電池に起こる短絡を示した図である。
【図6】電池同志の絶縁が不完全な場合に、直列に接続
された電池に起こる短絡を示した回路図である。
【符号の説明】
1 電池 2 接続手段 3 外部からかけた電圧 4 陰極端子 5 陰極 6 陰極容器 7 絶縁材 8 陽極端子 9 陽極容器 10 陽極 11 固体電解質 12 接続線 13 絶縁材台座 14 電池 15 電池 16 電池 17 設置台 18 外部抵抗
フロントページの続き (72)発明者 小山 哲雄 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 中澤 哲夫 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (72)発明者 西村 成興 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所 日立研究所内 (56)参考文献 特開 昭62−210841(JP,A) 特開 昭62−221826(JP,A) 特開 平1−122575(JP,A) 実開 昭57−40254(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 10/39 H01M 10/42 - 10/44

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 動作温度で液体の陽極活物質及び集電材
    を備えた陽極と、この陽極を収納する陽極容器と、動作
    温度で液体金属の陰極活物質を備えた陰極と、陰極をを
    収納し該陰極と接触する陰極容器と、前記陽極容器と該
    陰極容器とを絶縁する絶縁物と、前記陽極と陰極とを隔
    てる固体電解質とを備えた高温型二次電池において、 前記陽極容器と陰極容器の間を、室温では室温における
    電池の内部抵抗よりも低い抵抗値を有し、電池作動温度
    ではその温度での電池の内部抵抗よりも高い抵抗値を有
    する接続手段で接続したことを特徴とする高温型二次電
    池。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の高温型二次電池におい
    て、陽極活物質が硫黄及び/または多硫化ナトリウムで
    あり、陰極活物質がナトリウムであり、固体電解質がβ
    −アルミナ及び/またはβ”−アルミナから構成される
    ナトリウム−硫黄電池である高温型二次電池。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の高温型二次電池
    において、接続手段の抵抗が、室温において電池の室温
    の内部抵抗の1/100以下であり、且つ電池作動温度
    ではその温度での電池の内部抵抗の100倍以上である
    高温型二次電池。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の高温型
    二次電池において、接続手段は熱スイッチ又は正特性
    (PTC)サーミスタである高温型二次電池。
  5. 【請求項5】 複数本の高温型二次電池と、この複数本
    の電池を収納するモジュール容器と、前記電池の温度を
    高める昇温手段とを備えて、充放電を行う電池モジュー
    ルにおいて、高温型二次電池は請求項1〜4のいずれか
    に記載のものであることを特徴とする電池モジュール。
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