JP3090342U - ボトルアダプタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビンやペットボトルから中の飲料など
を、他の容器に取り分ける際に、こぼさず正確に、しか
も効率よく迅速に、そして腕への負担が少なくなるよう
に、注ぎ口に取り付けるボトルアダプタを提供する。 【解決手段】 ペットボトル（１０）の注ぎ口（１１）
の内外に跨って取り付けることにより中の液体（２０）
を注ぎ易くするボトルアダプタ（１）であって、管に屈
曲自在の蛇腹が形成された蛇腹ストロー（１ａ）と、前
記蛇腹ストロー（１ａ）をヘアピン形状にして弾力的な
挟持力を維持する弾力的形状維持手段（８）と、を備え
た。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、ビンまたはペットボトルなどの液体容器の注ぎ口に取り付けて、そ の液体容器から液体を連続的かつ円滑に注ぎ出せるようにしたボトルアダプタに 関する。

【０００２】

【従来の技術】

図３および図４は前記ボトルアダプタを取り付けていない、従来からある通常 のボトル１０から、その中の飲料（以下、「液体」とも称す）２０をコップ３０ に注いでいる様子の説明図である。図３は飲料２０の残りが少ない場合を示し、 図４はボトル１０の容積の限度近くまで飲料２０が充満している場合を示してい る。

【０００３】 従来からある周知のビンまたはペットボトルなどの液体容器（以下、「ボトル 」とも称す）は、正しい据え置き状態（図示せず）で注ぎ口が頂上に位置するの で、内容物である液体が充満した状態で蓋を開けても、その液体が注ぎ口からこ ぼれることはない。そして、液体を注ぎ出す場合は、図３および図４に示すよう に、そのボトル１０の注ぎ口１１の少なくとも一部が内容物である飲料２０の液 面２１よりも低くなるように傾ける。

【０００４】 ここで、液体２０の充満したボトル１０を傾けて、そのボトル１０から注ぎ出 される液体２０の体積を補充するように吸入される空気の流れ（矢印Ｄ）と、前 記注ぎ出される液体２０が、ボトル１０のくびれた口元、すなわちボトルネック １２でぶつかり合って発生する大きな気泡１３により周期的な波打ち振動と飛沫 １４を生じる。

【０００５】 これらの現象をさらに詳しく解明する。ここで、ボトル１０の傾き角度を時計 の短針に例えれば、図示せぬ正しい据え置き状態を１２時、図３に示すように、 ボトル１０に残存する液体２０の量がわずかであれば、注ぎ口１１が内容物の液 面２１よりも低くなるように、注ぎ口１１が真横に開口する３時の角度を超えて 、４時ぐらいの角度まで大きく傾ける。

【０００６】 このとき、一つしかない注ぎ口１１の低い方を液体２０が排出される流れ（矢 印Ｅ）があり、同じ注ぎ口１１の高い方を空気が吸入される流れ（矢印Ｃ）があ る。すなわち、ボトル１０はある程度の剛性を有するので変形しないものと仮定 すれば、そのボトル１０の容積は一定不変なので、矢印Ｅに沿って排出する液体 ２０と同一の体積の空気が矢印Ｃに沿ってボトル１０内に吸入されることにより 、ボトル１０内の気圧は大気圧と均衡を保つ。逆説的には、ボトル１０から抜け た液体２０の体積分だけボトル１０内の気圧が低下するので、ボトル１０外の大 気圧で押された空気が、ボトル１０内の気圧が大気圧と均衡を保つまでボトル１ ０内に吸入される。

【０００７】 図３に示す状況では、一つの注ぎ口１１の低い方を液体が排出（矢印Ｅ）され 、同じ注ぎ口の高い方を空気が吸入（矢印Ｃ）され、互いに秩序ある対面通行を するので、両者が衝突することもなく流れは静かで乱れも無い。従って、注ぎ出 す液体２０の飛沫１４などを不用意に跳ねたり、こぼしたりすることもない。

【０００８】 図４に示す状況では、順番が前後するものの、ボトル１０の口元、すなわちボ トルネック１２にまで充満した液体２０を、コップ３０などに流量を加減しなが ら注ぎ出すため、１２時の位置に据え置かれたボトル１０を２時ぐらいの角度に まで、わずかづつ傾ける。

【０００９】 このとき、一つの注ぎ口１１の低い側から高い側までの大半を液体２０が占有 するようにして排出される流れ（矢印Ｆ）がある。そして、前述したように同じ 注ぎ口１１の高い側を空気が吸入される流れ（矢印Ｄ）もある。しかし、図４に 示すようにボトルネック１２の内側突起にかかる高さまで液面が達し、しかも一 つの注ぎ口１１の大半を液体２０が占有し、空気が吸入され難いように塞いでい るところを、液体２０で満たされたボトルネック１２の内側突起の下を、空気が 大きな泡１３となってかいくぐり、トッポン・トッポンと周期的な波動音を発生 しながら、空気がボトル１０の外から中へと断続的に吸入され、その吸入された 空気と引き換えに同一体積の液体２０が排出される。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

このように、トッポン・トッポンと周期的な波動音に同期して断続的に流出（ 矢印Ｆ）される液体２０は、同じ注ぎ口１１の狭い断面を吸入（矢印Ｄ）される 空気と互いに正面衝突して流れが乱れ、注ぎ出される液体（矢印Ｆ）の飛沫（注 ぎはね）１４などが不用意に跳ねたり、こぼれたりすることがある。例えば、ボ トル１０の飲料２０を、コップ３０などに流量を加減しながら、こぼさずにうま く注ぎ出すことが難しいのである。

【００１１】 具体的には次のような事態を招く欠点があった。 ボトル１０から他の容器（コップ）３０にうつしかえるときには注意をしない と勢いよく液体２０が飛び出すので、注ぎはね１４があり、テーブルや床を汚し たり、無駄にすることも多かった。

【００１２】 正確に必要量を取り分けるのには、注意力を要するので、大人でも両手を使う （図示せず）必要があり、片手で必要量を取り分けることが困難であった。そし て、同じ理由により、小さい子供やお年寄りや身体の不自由な人が、無駄なく正 確に他の容器３０にうつしかえることは容易でなかった。

【００１３】 また、注ぐときの音がトッポン、トッポンと耳ざわりに感じる場合もあった。 本考案は、これらの欠点を除くためになされたものであり、ビンまたはボトル １０から液体２０を連続的かつ円滑に注ぎ出せるようにしたものである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、ボトル（１０）の中から注ぎ出される液体（２０）と入れ 替わりの空気をボトル（１０）内に吸入（Ａ）させる通気管を構成し、ボトル（ １０）の注ぎ口（１１）の内外に跨って取り付けるボトルアダプタ（１）であっ て、前記通気管の外観をＵ字形、Ｊ字形、６字形、９字形またはα字形に曲げて 弾性的に形状維持し、前記通気管どうしの近接部分により弾性的挟持力を有する クリップ構造を形成した。

【００１５】 また、請求項２の考案は、ペットボトル（１０）の注ぎ口（１１）の内外に跨 って取り付けることにより中の液体（２０）を注ぎ易くするボトルアダプタ（１ ）であって、管に屈曲自在の蛇腹が形成された蛇腹ストロー（１ａ）と、前記蛇 腹ストロー（１ａ）をヘアピン形状にして弾力的な挟持力を維持する弾力的形状 維持手段（８）と、を備えた。

【００１６】

【作用】

このように、弾性的挟持力の有るクリップ構造の蛇腹ストロー１ａなどから構 成される通気管がボトル１０の注ぎ口１１の一端で内外を跨るように取り付ける ことにより、ボトル１０内から注ぎ出される液体２０の体積を補充するように吸 入される空気の流れ（矢印Ａ）と、前記注ぎ出される（矢印Ｂ）液体２０が、ボ トル１０の口元、すなわちボトルネック１２の内面でぶつかることなく、秩序あ る側面通行する。従って、図４に示したように両者がぶつかり合って発生する大 きな気泡１３による周期的な波打ち振動と飛沫１４を発生しないので、ボトル１ ０から液体２０を連続的かつ円滑に注ぎ出せる。

【００１７】

【考案の実施の形態】

以下、図面に沿って、本考案による一実施例について説明する。 図１は本考案の一実施形態を示すボトルアダプタ１を、ボトル１０の注ぎ口１ １の一端において、内外を跨ぐように取り付けて、飲料２０をコップ３０に注い でいる様子の説明図である。なお、ボトル１０だけは一部を断裁している。

【００１８】 ボトルアダプタ１は主要構成部である蛇腹ストロー１ａなどでなる通気管をＪ 字形のヘアピン形状に屈曲させ、シリコーンゴムなどを材料とする８字形の止め 輪８により、弾力的な挟持力を維持するように固定したものである。使い方は簡 単であり、図１に示すようにボトルアダプタ１を取り付けたボトル１０に充満さ れている飲料２０をコップ３０に注ぐ際に、その注ぎ口１１の少なくとも一部が 飲料２０の液面２１よりも低くなるように傾ける。要するに、通常と同程度の傾 け加減により飲料２０をコップ３０に注げばよい。

【００１９】 ここで、飲料２０の充満したボトル１０を傾けると、そのボトル１０から注ぎ 出される飲料２０の体積を補充するように吸入される矢印Ａで示す空気の流れと 、矢印Ｂで示すように注ぎ出される飲料２０が、ボトルネック１２の内面でぶつ かり合ったならば、図４に示したように大きな気泡１３が断続的に発生すること により、周期的な波打ち振動と飛沫１４を生じるところである。

【００２０】 しかし、弾性的挟持力の有るクリップ構造の通気管がボトル１０の注ぎ口１１ の一端で内外を跨ぐように取り付けられることにより、ボトル１０内から注ぎ出 される液体２０の体積を補充するように吸入される空気の流れ（矢印Ａ）と、前 記注ぎ出される（矢印Ｂ）液体２０が、ボトル１０の口元、すなわちボトルネッ ク１２の内面でぶつかることなく、秩序ある側面通行する。従って、図４に示し たように両者がぶつかり合って発生する大きな気泡１３による周期的な波打ち振 動と飛沫１４を発生しないので、ボトル１０から液体２０を連続的かつ円滑に注 ぎ出せる。

【００２１】 図２は本考案のボトルアダプタの形状に関する各種バリエーションを示す断面 図である。図２において、（ａ）はＵ字形クリップ構造のボトルアダプタ２であ り、利用者が弾性力に抗しながら矢印Ｇ方向に端末部を開かせてボトル１０の注 ぎ口１１の一端を矢印Ｈ方向の弾性力により挟持する。（ｂ）はＪ字形クリップ 構造のボトルアダプタ３であり、同様に矢印Ｋ方向に端末部を開かせて矢印Ｌ方 向の弾性力により挟持する。（ｃ）は６字形または９字形のクリップ構造のボト ルアダプタ４であり、同様に矢印Ｍ方向に端末部を開かせて矢印Ｎ方向の弾性力 により挟持する。（ｄ）はα字形クリップ構造のボトルアダプタ５であり、同様 に矢印Ｐ方向に端末部を開かせて矢印Ｑ方向の弾性力により挟持する。

【００２２】 このように、図２（ａ）〜（ｄ）に示した各種バリエーションにおいて、弾性 的挟持力（矢印Ｈ，Ｌ，Ｎ，Ｑ）の有るクリップ構造のボトルアダプタ２〜５は 、ボトル１０の注ぎ口１１の一端を弾性的に挟持することにより固定される。そ して、図１に沿って説明したボトルアダプタ１と同様の作用効果を奏する。

【００２３】 また、ボトルアダプタ２〜５は、全体の形状および構造が弾性的挟持力の有る クリップ構造をなす通気管であれば、その材料はプラスチックに限定しない。従 って、図１に示したボトルアダプタ１のように蛇腹ストロー１ａを用いる必要は なく、初めから通気管の外観をＵ字形にしたボトルアダプタ２、Ｊ字形にしたボ トルアダプタ３、６字形にしたボトルアダプタ４、９字形にしたボトルアダプタ ４またはα字形にしたボトルアダプタ５などのように曲がった状態で弾性的に形 状維持し、前記通気管どうしの近接部分により矢印Ｈ，Ｌ，Ｎ，Ｑで示す弾性的 挟持力を有するクリップ構造を形成するように製造すればよい。

【００２４】 なお、本考案のボトルアダプタは使い捨てのストローのように手軽な利用を想 定しており、実用性のみならず、おやつの際に子供たちが喜ぶジュースの配り方 などを想定し、ボトルアダプタの色や柄を含んだデザイン面での工夫を施すなど して、ペットボトル飲料の販売促進効果をねらった付属品として用いてもよい。

【００２５】

【考案の効果】

本考案は上述したように構成されているので、ボトルから液体を連続的かつ円 滑に注ぎ出せる。 すなわち、注ぎ出される液体の飛沫などが不用意に跳ねたり、こぼれたりしな い。例えば、ボトルの飲料を、コップなどに流量を加減しながら、こぼさずにう まく注ぎ出すことができる。

【００２６】 具体的には次のような改善がみられる。 まず、ボトルから他の容器にうつしかえるときに、連続的かつ静かに液体が注 ぎ出されるので、はねがなく、テーブルや床を汚さず、無駄もない。

【００２７】 また、正確に必要量を取り分けるのに、それ程の注意力を要しないので、ボト ルの中に入っている飲料を他の容器に無駄なく正確にそして迅速に取り分けるこ とができる。

【００２８】 そして、小さい子供やお年寄りや身体の不自由な人にも、今までより効率的か つ少ない力で他の容器に取り分けることができる。

【００２９】 また、注ぐときの音がトッポン、トッポンと耳ざわりに感じられることもなく なる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の一実施形態を示すボトルアダプタを
ペットボトルの注ぎ口の一端に取り付けて、飲料をコッ
プに注いでいる様子の説明図である。

【図２】 本考案の一実施形態を示すボトルアダプタの
クリップ構造の形状に関する各種バリエーションを示す
断面図であり、（ａ）はＵ字形クリップ構造 （ｂ）はＪ字形クリップ構造 （ｃ）は６字形または９字形のクリップ構造 （ｄ）はα字形クリップ構造のものである。

【図３】 ボトルアダプタを取り付けていない、従来か
らある通常のボトルにより、残り少ない飲料をコップに
注いでいる様子の説明図である。

【図４】 ボトルアダプタを取り付けていない、従来か
らある通常のボトルに充満している飲料をコップに注い
でいる様子の説明図である。

【符号の説明】

１〜５ ボトルアダプタ １ａ 蛇腹ストロー ８ 止め輪 １０ ビンやペットボトルなどのボトル １１ 注ぎ口 １２ ボトルネック １３ 気泡 １４ 飛沫 ２０ 飲料などの液体 ２１ 液面 ３０ コップ

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ボトル（１０）の中から注ぎ出される液
   体（２０）と入れ替わりの空気をボトル（１０）内に吸
   入（Ａ）させる通気管を構成し、ボトル（１０）の注ぎ
   口（１１）の内外に跨って取り付けるボトルアダプタ
   （１）であって、 前記通気管の外観をＵ字形、Ｊ字形、６字形、９字形ま
   たはα字形に曲げて弾性的に形状維持し、前記通気管ど
   うしの近接部分により弾性的挟持力を有するクリップ構
   造を形成したことを特徴とするボトルアダプタ。
2. 【請求項２】 ペットボトル（１０）の注ぎ口（１１）
   の内外に跨って取り付けることにより中の液体（２０）
   を注ぎ易くするボトルアダプタ（１）であって、 管に屈曲自在の蛇腹が形成された蛇腹ストロー（１ａ）
   と、前記蛇腹ストロー（１ａ）をヘアピン形状にして弾
   力的な挟持力を維持する弾力的形状維持手段（８）と、
   を備えたことを特徴とするボトルアダプタ。