JP3089928B2 - 液圧ブレーキ装置 - Google Patents

液圧ブレーキ装置

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JP3089928B2
JP3089928B2 JP05355366A JP35536693A JP3089928B2 JP 3089928 B2 JP3089928 B2 JP 3089928B2 JP 05355366 A JP05355366 A JP 05355366A JP 35536693 A JP35536693 A JP 35536693A JP 3089928 B2 JP3089928 B2 JP 3089928B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液圧ブレーキ装置に関
するものであり、特に、制動時にディスクロータからブ
レーキパッドに与えられる連れ回りトルクを利用してサ
ーボ液圧を発生させ、このサーボ液圧によりブレーキシ
リンダの液圧を高めてディスクブレーキの制動力を増強
する形式の液圧ブレーキ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】特開昭57─30647号公報には、
(a) ブレーキ操作部材の操作に応じた液圧を発生させる
ブレーキ操作対応液圧発生装置と、(b) ブレーキパッド
を支持するパッド支持部材および液圧の供給によってブ
レーキパッドをディスクロータに押し付けるブレーキシ
リンダを備え、ディスクロータ近傍の固定部材にディス
クロータの回転方向に回動可能に取り付けられたブレー
キ作動装置と、(c) そのパッド支持部材の連れ回りに基
づいてサーボ液圧を発生させるサーボ液圧発生装置と、
(d) ブレーキ操作対応液圧発生装置に接続された第一液
圧室と、ブレーキ作動装置に接続された第二液圧室と、
サーボ液圧発生装置に接続された第三液圧室とを備え、
第一液圧室,第二液圧室および第三液圧室の間の連通・
遮断によって、第二液圧室の液圧を第一液圧室の液圧以
上で、第一液圧室の液圧に応じた高さに制御する液圧制
御弁とを含む液圧ブレーキ装置が記載されている。
【0003】この液圧ブレーキ装置によれば、ディスク
ロータにブレーキパッドが押し付けられることによって
パッド支持部材に連れ回りトルクが生じ、それに基づい
てサーボ液圧発生装置にサーボ液圧が発生させられる。
連れ回りトルクがある程度大きくなれば、サーボ液圧は
ブレーキ操作対応液圧発生装置の液圧より高くなる。そ
のため、液圧制御弁において、ブレーキ操作対応液圧発
生装置,ブレーキ作動装置およびサーボ液圧発生装置の
間の連通・遮断が制御されることによって、ブレーキ作
動装置の液圧が、ブレーキ操作対応液圧発生装置の液圧
以上で、ブレーキ操作対応液圧発生装置の液圧に応じた
大きさに制御されることになる。
【0004】ブレーキ操作部材が操作されたまま車両が
停止すると、ディスクロータからパッド支持部材に与え
られる連れ回りトルクが低下し、あるいは逆向きの連れ
回りトルクが作用し、サーボ液圧発生装置の液圧が低下
し、場合によっては大気圧以下になる。車両が制動さ
れ、停止させられた場合には揺れ返しが起きる。減速中
は車輪の移動が抑制されるのに対し、車体は慣性力によ
って前進を継続しようとするため、車体と車輪との間に
設けられているサスペンション等弾性部材が弾性変形さ
せられる。そして、車両が停止し、車体の慣性力が消滅
すると、上記弾性力によって車体が後方へ引き戻され、
揺れ返しが起きるのである。その結果、車輪に停止前と
は逆向きの回転トルクが生じ、逆向きの連れ回りトルク
が作用する。また、上り勾配の路面上で車両が停止した
場合にも逆向きの連れ回りトルクが生じる。
【0005】サーボ液圧発生装置の液圧が低下し、ある
いは大気圧以下になれば、ブレーキ作動装置の液圧の方
が高くなり、作動液がサーボ液圧発生装置に流出する。
一方、ブレーキ操作部材は操作状態に保たれるため、ブ
レーキ操作対応液圧発生装置(第一液圧室)の液圧は高
く維持される。したがって、ブレーキ作動装置(第二液
圧室)の液圧がブレーキ操作対応液圧発生装置(第一液
圧室)の液圧より低くなり、ブレーキ操作対応液圧発生
装置からブレーキ液が流出してブレーキ操作部材の操作
ストロークの急増が起き、運転者に違和感を抱かせる不
都合が生じる。
【0006】これを防止するために、前記液圧制御弁
は、第二液圧室の液圧を第一液圧室の液圧に応じた高さ
に制御する本来の機能(第二液圧室液圧制御機能と略称
する)に加えて、ブレーキ操作部材の操作ストロークの
急増を抑制する機能(ストローク急増抑制機能と略称す
る)をも果たすようにされている。第二液圧室と第三液
圧室との間に、第二液圧室液圧制御用の開閉弁と直列に
ストローク急増抑制用の開閉弁が設けられ、第三液圧室
の液圧が低下すればこの開閉弁が閉じてブレーキ作動装
置からサーボ液圧発生装置へのブレーキ液の流出が防止
されるようになっているのである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この開閉弁
は、サーボ液圧発生装置および第三液圧室の液圧が低下
し、ブレーキ作動装置からある程度のブレーキ液が流出
して第二液圧室の液圧が低下し、ブレーキ操作対応液圧
発生装置および第一液圧室の液圧より低くなって始めて
閉じるようにされているため、ブレーキ操作部材の操作
ストロークの急増を完全に防止することはできず、未だ
運転者に違和感を抱かせることを避け得なかった。本願
の第一および第二の発明は、このブレーキ操作部材のス
ロトークの急増を一層低減もしくは完全に防止するこ
と、あるいはストローク急増問題の解決を容易にするこ
とを課題としてなされたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】そして、第一発明の要旨
は、上記(a) ブレーキ操作対応液圧発生装置,(b) ブレ
ーキ作動装置,(c) サーボ液圧発生装置,(d) 液圧制御
弁とを備えた液圧ブレーキ装置において、液圧制御弁を
サーボ液圧発生装置の液圧がブレーキ作動装置の液圧よ
り低い状態において後者から前者へのブレーキ液の流れ
を許容しないものとするとともに、その液圧制御弁をバ
イパスしてブレーキ作動装置とサーボ液圧発生装置とを
接続するバイパス通路を設け、そのバイパス通路の途中
に前記ブレーキ操作対応液圧発生装置とブレーキ作動装
置とのいずれか一方の液圧が設定値より低い場合に開状
態となり、設定値より高い場合に閉状態となる開閉弁を
設けたことにある。
【0009】ここで、ブレーキ作動装置のパッド支持部
材は、制動時に連れ回りトルクを受ける部材であって、
キャリパがディスクロータの両側にブレーキシリンダを
備えたオポーズド型である場合には、通常は、ブレーキ
パッドがキャリパに支持されているため、キャリパがパ
ッド支持部材となる。また、キャリパがディスクロータ
の片側にのみブレーキシリンダを備え、ディスクロータ
の軸方向に移動可能な浮動型である場合には、通常、ブ
レーキパッドがそのキャリパを支持するマウンティング
ブラケットに支持されているため、マウンティングブラ
ケットがパッド支持部材となる。
【0010】また、第二発明の要旨は、第一発明の構成
要素に加えて、サーボ液圧発生装置と第三液圧室とを接
続する液通路の途中にサーボ液圧発生装置から第三液圧
室への作動液の流れを許容するが、逆向きの流れを阻止
する逆止弁を設けたことである。
【0011】
【0012】
【作用】第一発明の液圧ブレーキ装置においては、開閉
弁は、ブレーキ操作部材が操作されたまま車両が停止す
る以前から閉じられた状態にある。開閉弁がブレーキ作
動装置とサーボ液圧発生装置とを液圧制御弁をバイパス
して接続するバイパス通路に設けられているため、液圧
制御弁によるブレーキ作動装置の液圧制御は、開閉弁が
開状態にあっても閉状態にあっても関係なく行われる。
そのため、車両が停止する以前に開閉弁を閉状態とし、
バイパス通路を遮断しておくことが可能なのである。
【0013】ブレーキ操作部材が操作された状態を保っ
たまま車両が停止すると、前述のように、パッド支持部
材の連れ回りトルクが低下したり、あるいは逆向きにな
ったりするため、サーボ液圧発生装置の液圧が低下し、
場合によっては大気圧以下になるのであるが、その時点
には、ブレーキ作動装置とサーボ液圧発生装置とを接続
するバイパス通路が遮断されているのであり、ブレーキ
作動装置の作動液がバイパス通路を経てサーボ液圧発生
装置へ流出することが回避される。
【0014】一方、液圧制御弁においては、ブレーキ操
作部材の操作力が一定であれば、ブレーキ作動装置の液
圧が保持され、ブレーキ作動装置とサーボ液圧発生装置
とが連通させられることはない。したがって、ブレーキ
作動装置の作動液が、液圧制御弁を経てサーボ液圧発生
装置に流出することも回避される。
【0015】そして、ブレーキ操作部材の操作力が低下
させられることによってサーボ液圧発生装置の液圧が低
下させられた場合には、ブレーキ作動装置の作動液、あ
るいは液圧制御弁を経て流入するブレーキ操作力対応液
圧発生装置の作動液が、バイパス通路および開閉弁を経
てサーボ液圧発生装置に供給されるため、サーボ液圧発
生装置において作動液不足が生じることが良好に回避さ
れる。
【0016】第二発明の液圧ブレーキ装置においては、
サーボ液圧発生装置の液圧が液圧制御弁の第三液圧室の
液圧より低くなった場合に、第三液圧室からサーボ液圧
発生装置へ作動液が流れることが逆止弁によって阻止さ
れる。例えば、停車中にブレーキ操作部材の操作力が増
加させられることによって液圧制御弁が第二液圧室と第
三液圧室とを連通させる状態になっても、作動液がサー
ボ液圧発生装置に供給されることが阻止されるのであ
る。
【0017】一方、サーボ液圧発生装置にサーボ液圧が
発生させられれば、サーボ液圧発生装置の作動液は、逆
止弁を経て第三液圧室に供給され、第三液圧室の液圧が
上昇させられるため、液圧制御弁において、第三液圧室
と第二液圧室とが連通させられれば、第二液圧室の液圧
が上昇させられ、ブレーキ作動装置の液圧が上昇させら
れる。
【0018】
【0019】
【発明の効果】以上のように、第一発明によれば、ブレ
ーキ操作部材が操作されたまま車両が停止した場合に、
ブレーキ作動装置からバイパス通路を経てサーボ液圧発
生装置に作動液が流れることを防止し得る。また、ブレ
ーキ操作部材の操作力が一定であれば、ブレーキ作動装
置の作動液が液圧制御弁を経てサーボ液圧発生装置に流
出させられることもない。したがって、停車中、ブレー
キ操作部材の操作力が一定に保たれていれば、ブレーキ
操作部材のストロークの急増は発生せず、運転者に違和
感を与えることがない。また、停車時にブレーキ作動装
置の液圧の低下が防止されるため、制動力不足になるこ
とも回避できる。
【0020】また、第二発明によれば、液圧制御弁の第
三液圧室からサーボ液圧発生装置へのブレーキ液の流れ
を防止できるため、停車中にブレーキ操作部材の操作力
が増されることがあっても、ブレーキ操作部材のストロ
ークが急増することがなくなり、運転者に違和感を与え
ることを回避し得る。
【0021】
【0022】
【実施例】以下、第一発明および第二発明に共通の一実
施例である液圧ブレーキ装置を図面に基づいて詳細に説
明する。図1において、10はブレーキ操作部材として
のブレーキペダルであり、12はブレーキペダル10の
踏力に応じた液圧を発生させるブレーキ操作対応液圧発
生装置としてのマスタシリンダである。16,17は、
前輪,後輪の回転を抑制するブレーキを作動させるホイ
ールシリンダを備えたキャリパである。
【0023】まず、前輪側に設けられたキャリパ16に
ついて説明する。図7および図8において、18は前輪
のディスクロータである。ディスクロータ(以下、単に
ロータという)18は図示しないボルトによりアクスル
ハブ19に相対回転不能に固定されている。アクスルハ
ブ19の中心からはスピンドル20が一体的に延び出さ
せられており、固定部材たるステアリングナックル22
に相対回転可能に保持されている。したがって、ロータ
18はスピンドル20およびアクスルハブ19と一体的
に軸線Lのまわりに回転する。
【0024】このロータ18を跨ぐ状態でキャリパ16
が配設されている。キャリパ16はいわゆるオポーズド
型であり、ロータ18を間に挟んで2対のホイールシリ
ンダ(以下、単にシリンダと略称する)24,26を備
えており、それぞれにピストン28,30が液密かつ摺
動可能に嵌合されている。2個のピストン28とロータ
18との間にはインナパッド32が配設され、2個のピ
ストン30とロータ18との間にはアウタパッド34が
配設されている。これらインナパッド32およびアウタ
パッド34はそれらの各裏板36,38において、キャ
リパ16によりロータ18の軸方向に移動可能に支持さ
れている。また、裏板36,38にはキャリパ16に固
定の一対のパッドピン40が挿通されており、両パッド
32,34のロータ半径方向の移動が防止されている。
【0025】各シリンダ24,26の液圧室41,42
は、図1に示すように制御弁44を介してマスタシリン
ダ12と液通路50,52によって接続されるととも
に、液通路52,54によってキャリパ16に隣接して
設けられた図2に示すサーボ液圧発生装置46のサーボ
液圧発生室48と接続されている。各液圧室41,42
にブレーキ液が供給されることによりピストン28,3
0がロータ18に向かって前進させられ、両パッド3
2,34がロータ18に押し付けられる。また、マスタ
シリンダ12と制御弁44とを接続する液通路50の途
中には、液圧室41,42の液圧の急増を抑制する液圧
急増抑制手段としてのストロークシミュレータ56が取
り付けられている。
【0026】後輪側に設けられたキャリパ17は、後輪
と一体的に回転するロータ58を跨いで配設されてい
る。キャリパ17はキャリパ16とほぼ同様なものであ
るため、詳細な説明を省略するが、キャリパ17が備え
ているシリンダは一対で、液圧室も一対である。液圧室
は、プロポーショニングバルブ60を介して液通路52
に接続されており、シリンダには、マスタシリンダ12
の液圧あるいはサーボ液圧発生装置46の液圧が減圧さ
れた液圧が供給されることになる。このように、キャリ
パ17のシリンダが、サーボ液圧発生装置46に連通さ
せられるようにされているため、後輪側には専用のサー
ボ液圧発生装置を設ける必要がない。
【0027】キャリパ16は、図1に示すように、2本
のリンク70によりステアリングナックル22に連結さ
れている。キャリパ16の、軸線L(図7参照)から偏
心しかつ周方向に隔たった2箇所にはそれぞれ、図8に
示すようにロータ18の半径方向に延びる切欠71が形
成されており、また、ステアリングナックル16には2
個の突部73(図7には一方の突部のみが示されてい
る)が形成されている。これら突部73は、軸線Lから
偏心するとともに、互にロータ18の周方向に隔たった
位置においてそれぞれロータ18の半径方向外向きに延
びている。
【0028】2本のリンク70はそれぞれその一端部に
おいて切欠71内に挿入されるとともに、ピン75によ
り軸線Lと平行な軸線まわりに回動可能に連結されてい
る。また、各リンク70の他端部は図7に示すようにヨ
ーク状を成し、突部73を挟んでピン76により軸線L
と平行な軸線まわりに回動可能に連結されている。2本
のリンク70をそれぞれステアリングナックル22に連
結するピン76は軸線Lを中心とする一円弧上に位置
し、キャリパ16に連結する2本のピン75は軸線Lを
中心とし上記一円弧より半径の大きい別の一円弧上に位
置している。また、各リンク70はそれぞれロータ18
のほぼ半径方向に延びている。したがって、キャリパ1
6は2本ずつのリンク70,ピン75,76により、ほ
ぼロータ18の周方向に回動可能にステアリングナック
ル22に取り付けられているのである。それに対して、
後輪のキャリパ17は、ロータ54の周方向の移動が阻
止された状態で非回転部材に固定されている。
【0029】前記サーボ液圧発生装置46は、図2乃至
図5に示すようにサーボシリンダ78およびサーボシリ
ンダ駆動部材80(以下、駆動部材80と略称する)を
有している。サーボシリンダ78のシリンダハウジング
82は、図2に示すように円筒状部材84と、その長手
方向の一端部に螺合されたキャップ86とを有する。図
5および図6に示すように、円筒状部材84の軸方向の
中間部には、上方(ロータ18の半径方向外向き)に突
出させられた突部88と、手前側(ロータ18の回転軸
線に平行な方向)に突出させられた取付け部90と、下
方(ロータ18の半径方向内向き)に突出させられた取
付け部92とが設けられており、シリンダハウジング8
2は取付け部90,92において、ステアリングナック
ル16に設けられた図示しない取付け部に、その中心線
がロータ18の回転軸線を中心とする円に接する方向に
延びる姿勢で固定されている。
【0030】上記円筒状部材84内には第一ピストン1
00および第二ピストン102がそれぞれカップシール
104,106によりシールされて液密かつ摺動可能に
嵌合されており、それらピストン100,102の間に
前記サーボ液圧発生室48が形成されている。このサー
ボ液圧発生室48は、前記取付け部90に形成されたサ
ーボ液圧ポート107において制御弁44に接続されて
いる。
【0031】第一,第二ピストン100,102はサー
ボ液圧発生室48内に配設されたスプリング108によ
り互に離間する向きに付勢されている。第一ピストン1
00はキャリパ16側に位置し、第二ピストン102は
キャリパ16から離れた側に位置し、スプリング108
による第一ピストン100の移動は、円筒状部材84の
開口端に形成された半径方向内向きのフランジ部110
により規制され、第二ピストン102の移動は、キャッ
プ86に設けられた半径方向内向きのフランジ部112
により規制されている。また、第一,第二ピストン10
0,102のサーボ液圧発生室48側に臨む側とは反対
側の各端面にはそれぞれ、係合突部114,116が同
心に形成されており、第一,第二ピストン100,10
2がいずれもフランジ部110,112に当接する状態
では、係合突部114,116はそれぞれ、フランジ部
110,112に形成された開口118,120内に位
置している。
【0032】前記駆動部材80は、前記シリンダハウジ
ング82の円筒状部材84の直径より広い幅の板状の背
板部124と、その背板部124の長手方向の一端部か
らロータ18の中心側へ延び出させられるとともにロー
タ18の板面に平行な板状の取付け部126と、他端部
からロータ18の中心側へ延び出させられ、ロータ18
の回転軸線に平行な板状の腕部128とを有し、全体と
してコの字形を成している。駆動部材80は、シリンダ
ハウジング82をロータ18の外周側から跨いだ状態で
配設され、取付け部126に形成された長穴129にお
いて、前記リンク70から延び出させられたアーム13
0(図1参照)にピン132により軸線Lに平行な軸線
まわりに回動可能に連結されている。取付け部126と
腕部128とはそれぞれ、第一ピストン100と第二ピ
ストン102とに対向させられており、その対向する端
面134,136に各々作用部としての係合突部13
8,140が突設されている。係合突部138は係合突
部140より短くされている。その理由は後に説明す
る。
【0033】また、背板部124にはシリンダハウジン
グ82の中心線と平行に延びる長穴142が形成され、
この長穴142を通って2本のボルト144がシリンダ
ハウジング82に突設された前記突部88に螺合されて
おり、これら長穴140およびボルト142によって駆
動部材80の移動が案内される。
【0034】制御弁44について説明する。図9乃至1
1に示すように、制御弁44は、液圧制御弁150と開
閉弁152とを備えている。液圧制御弁150と開閉弁
152とは同一のバルブハウジング154内に構成さ
れ、これらは、液圧制御弁150における弁子を兼ねた
ピストン156と開閉弁152における開弁部材を兼ね
たピストン158とが互いに直交する方向に延びた姿勢
で、それぞれ設けられている。
【0035】バルブハウジング154には、マスタシリ
ンダ12と連通する第一ポート160,キャリパ16の
シリンダ24,26の各液圧室41,42と連通する第
二ポート162およびサーボシリンダ78のサーボ液圧
ポート107に連通する第三ポート164およびリザー
バ165に連通する第四ポート166がそれぞれ形成さ
れている。また、バルブハウジング154には、第一ポ
ート160と第二ポート162とを、液圧制御弁150
をバイパスして接続するバイパス通路168,第二ポー
ト162と第三ポート164とを、液圧制御弁150を
バイパスして接続するバイパス通路170が形成されて
おり、バイパス通路168の途中には、逆止弁172が
設けられ、バイパス通路170の途中に、上記開閉弁1
52と共に逆止弁174が設けられている。また、第三
ポート164と第四ポート166とを接続する液通路1
76が形成され、この液通路176の途中には、逆止弁
178が設けられている。
【0036】逆止弁172は、マスタシリンダ12の液
圧が液圧室41,42の液圧より高い場合には、マスタ
シリンダ12から液圧室41,42へのブレーキ液の移
動を許容するが、液圧室41,42の液圧がマスタシリ
ンダ12の液圧より高くなれば閉状態になり、ブレーキ
液の移動を阻止するものである。したがって、ブレーキ
ペダル10の操作開始初期には、ブレーキ液がマスタシ
リンダ12から液圧制御弁150を経て液圧室41,4
2へ供給されるとともにバイパス通路168,逆止弁1
72を経ても供給され、ブレーキの効き遅れが回避され
ることになる。
【0037】逆止弁174は、キャリパ液圧室41,4
2からサーボ液圧室ポート107へのブレーキ液の流れ
は許容するが、逆向きの流れは阻止するものである。ま
た、逆止弁178は、リザーバ165からサーボ液圧室
ポート107へのブレーキ液の流れは許容するが、逆向
きの流れは阻止するものであり、サーボ液圧発生室48
が大気圧以下の場合には、リザーバ165からサーボ液
圧発生室48にブレーキ液が供給されることになる。
【0038】バルブハウジング154には、さらに、円
筒状の嵌合穴180とその嵌合穴180の底部に連通さ
せられる第一液圧室181とが形成されており、この第
一液圧室181は液通路168を介して第一ポート16
0に接続されている。
【0039】また、嵌合穴180には前記液圧制御弁1
50のハウジングを構成する補助ハウジング182が嵌
合され、ねじ部材184によって固定されている。補助
ハウジング182は中央部にシリンダボア186が形成
された円筒部材であり、それぞれ半径方向に形成された
貫通孔により第二液圧室194および第三液圧室196
が形成されている。第二液圧室194は液通路198を
介して第二ポート162に接続され、第三液圧室196
は液通路200を介して第三ポート164に接続されて
いる。
【0040】液通路200の途中には、図10に示すよ
うに、逆止弁202が設けられている。逆止弁202
は、第三ポート164から第三液圧室196へのブレー
キ液の流れは許容するが、逆向きの流れは阻止するもの
である。つまり、サーボ液圧発生室48にサーボ液圧が
発生させられた場合には、サーボ液圧発生室48のブレ
ーキ液が逆止弁202を経て第三液圧室196に供給さ
れ、第三液圧室196の液圧が高められるようにされて
いるのである。後述するように、液圧制御弁150が第
三液圧室196と第二液圧室194とを連通させる増圧
状態にある場合には、第三液圧室196のブレーキ液が
液圧制御弁150を経てキャリパ液圧室41,42に供
給され、キャリパ液圧が高められる。しかし、第三液圧
室196からサーボ液圧発生室48へのブレーキ液の供
給は逆止弁202によって阻止されるため、サーボ液圧
発生室48の液圧が低い場合には、液圧制御弁150が
増圧状態にあっても、キャリパ液圧室41,42から液
圧制御弁150を経てサーボ液圧発生室48へブレーキ
液が供給されることはない。
【0041】上記補助ハウジング182のシリンダボア
186は大径孔部と小径部孔部とを有する段付孔であ
り、大径孔部と小径孔部との内周面にそれぞれ円環溝状
の液通路206,208が形成されている。また、小径
孔部の大径孔部とは反対側の開口部には移動限度規定部
材212が配設されている。上記シリンダボア186に
嵌合されている前記ピストン156も大径部216およ
び小径部218を備えた段付ピストンであり、大径部2
16が大径孔部に、小径部218が小径孔部にそれぞれ
嵌合されている。ピストン156の小径部218の中心
部には中心孔220が形成されており、また、大径部2
16と小径部218との段部および小径部218の外周
面にはそれぞれ円環溝状の液通路222,224が形成
されている。
【0042】移動限度規定部材212の中心部には軸部
232が設けられており、軸部232が、ピストン15
6の上記中心穴220に嵌入させられている。軸部23
2は段付き形状をなしており、その段部と中心穴220
の底面との間にはスプリング236が配設されている。
スプリング236は、ピストン156を後退方向(図の
右方向)に付勢するものである。ピストン156の前進
端は、移動限度規定部材212によって規定される。移
動限度規定部材212には複数個の貫通孔237が形成
され、その貫通孔237がねじ部材184の六角形断面
の工具係合穴239に連通させられている。そのため、
ピストン156と移動限度規定部材212との間の空間
は大気に開放されていることになる。
【0043】ピストン156とシリンダボア186との
液密は、両者のクリアランスを数ミクロン以下ときわめ
て小さくすることによって保持されており、シール部材
が省略されてピストン156の摺動抵抗の軽減が図られ
ている。つまり、ピストン156を移動させるために
は、スプリング236のセット荷重と摺動抵抗との和に
相当する力が必要であるが、本実施例においては、後者
の力が小さいのである。したがって、ピストン156
は、第一液圧室181の液圧(マスタシリンダ液圧Pm
)がほぼスプリング236のセット荷重に対応する大
きさになれば、移動させられることになる。
【0044】なお、ピストン156とシリンダボア18
6との液密が不十分でブレーキ液の漏れを十分に防止で
きない場合には、例えば、ねじ部材184,238およ
び移動限度規定部材212を一体化してプラグとすると
ともにそのプラグとハウジング154との間にシール部
材を設け、かつ、ピストン156とプラグとの間の空間
を液通路により第四ポート166に連通させればよい。
【0045】一方、ピストン156の大径部216には
液通路240,242が形成されている。液通路24
0,242は前述の第一液圧室181に連通させられ、
マスタシリンダ12の液圧Pm が作用させられるように
なっている。
【0046】バイパス通路170の途中に設けられた開
閉弁152は、図11に示すように、ピストン158,
付勢手段としてのスプリング252等を備えたものであ
る。ピストン158とシリンダボア256との間のクリ
アランスは数ミクロン以下ときわめて小さくされてお
り、シール部材無しで液密を保持し得るようにされてい
る。シリンダボア256の一端はねじ穴258に連通さ
せられており、このねじ穴258がプラグ260により
閉塞されている。このプラグ260の内部に形成された
空間はプラグ260の貫通孔262により大気に連通さ
せられて大気圧室264とされており、この大気圧室2
64内にピストン158の大径の頭部266が収容され
ている。この頭部266とプラグ260との間に前記ス
プリング252が配設され、ピストン158を液圧室2
74側へ付勢している。液圧室274は液通路276に
より第一ポート160に連通させられており、ピストン
158がマスタシリンダ液圧Pm を受けるようにされて
いる。
【0047】なお、ピストン158も前記ピストン15
6と同様に、液圧室274の液圧(マスタシリンダ液圧
Pm )がほぼスプリング252のセット荷重に対応する
大きさP0 (図17参照)になれば、移動させられる。
また、ピストン158とシリンダボア256との液密が
不十分である場合には、プラグ260を貫通孔262の
無いものとするとともに、プラグ260とハウング15
4との間にシール部材を設け、かつ、液通路により第一
ポート160に連通させればよい。
【0048】ピストン158の中間部には円環溝状の液
通路288が形成されている。図示の原位置において
は、液通路288がバイパス通路170と合致する位置
にあってバイパス通路170を連通状態に保っている。
液圧室274の液圧がスプリング252のセット荷重よ
り高くなると、ピストン158がスプリング252の付
勢力に抗して大気圧室264側へ移動させられ、液通路
288がバイパス通路170から外れ、バイパス通路1
70が遮断状態となる。スプリング252のセット荷重
は低く設定される。例えば、キャリパ16に実質的な制
動効果が発生し、サーボ液圧発生装置46にサーボ液圧
が発生し始めるまでにバイパス通路170が遮断される
ようにされるのであり、ここでは、図17に示すように
サーボ液圧が発生し始めるよりかなり低いマスタシリン
ダ液圧P0 でバイパス通路170が遮断されるものとす
る。
【0049】図1の液通路50の途中に設けられたスト
ロークシミュレータ56は、図12に示すように、有底
円筒状のハウジング320を備えている。ハウジング3
20にはシリンダボア322が形成され、シリンダボア
322内にはピストン324,ストッパ326,スプリ
ング328等が配設されている。また、ハウジング32
0の開口330には、セット荷重調節装置332が取り
付けられており、底部334には、ポート336,33
7が形成されている。ポート336にはマスタシリンダ
12が接続され、ポート337はエアブリーダ338に
よって閉じられている。
【0050】ピストン324の底部334側の端面は、
外周部が突出させられて環状の突部340が形成されて
いる。突部340と底部334との間には液圧室342
が形成され、ポート336と連通させられている。液圧
室342にはマスタシリンダ12の液圧が供給されるた
め、液圧室342の液圧はマスタシリンダ12の液圧P
m と同じになる。ピストン324とストッパ326との
間には第一大気圧室344が形成され、ピストン324
の外周面に取り付けられたOリング346によって、液
圧室342と遮断されている。
【0051】また、ピストン324のストッパ326側
の端面は、外周部が環状に突出させられてリテーナ35
0とされている。それに対して、ストッパ326は、大
径部と小径部とを備えた段付き形状を成しており、その
段部とリテーナ350との間にスプリング328が配設
されている。スプリング328は、ピストン324を底
部334に押しつける方向に付勢しており、ピストン3
24の突部340が底部334に当接することによって
原位置(以下、後退端位置と称する)が規定される。
【0052】ストッパ326のピストン324とは反対
側の端面の中央部には嵌合孔356が形成され、嵌合孔
356には球形の伝達部材358が嵌合されている。セ
ット荷重調節装置332は、内周部に雌ねじを備え、か
つ、周方向に軸方向に延びた複数個の貫通孔364を備
えたカバー366と、カバー366に螺合された調整ね
じ368とを含むものである。調整ねじ368の端面は
伝達部材358に当接させられ、調整ねじ368の移動
が伝達部材358を介してストッパ326に伝達される
ようにされている。
【0053】ストッパ326とセット荷重調節装置33
2との間には第二大気圧室370が形成され、貫通孔3
64を経て大気に開放されている。また、ストッパ32
6には、軸方向に延びた貫通孔372が複数個設けられ
ており、第一大気圧室344と第二大気圧室370とが
連通させられている。
【0054】調整ねじ368を回転させることによって
図における右方向に移動させれば、それに伴って、スト
ッパ326が右方向に移動させられ、ストッパ326と
ピストン324との間が狭められる。スプリング328
が圧縮され、セット荷重が大きくなるとともにピストン
324の移動可能量が減少する。逆に、調整ねじ368
を上述とは逆方向に回転させることによって左方向に移
動させれば、スプリング328の付勢力によって、スト
ッパ326が左方向に移動させられる。スプリング32
8は伸長を許容され、セット荷重が小さくなるとともに
ピストン324の移動可能量が増大する。
【0055】液圧室342の液圧がスプリング328の
セット荷重より小さい間はピストン324は後退端位置
(右端位置)に保たれるが、液圧室342の液圧がスプ
リング328のセット荷重より大きくなればピストン3
24の前進(左方向への移動)が開始される。ピストン
324はブレーキペダル10のストロークに応じて前進
させられるが、その移動量は、踏力が同じ場合には、ば
ね定数が大きいほど少なく、ばね定数が小さいほど多
い。スプリング328のセット荷重は、後述するよう
に、ブレーキペダル10の踏力の増加に伴ってマスタシ
リンダ12液圧が増加し、さらに、液圧制御弁150の
第二液圧室194のブレーキ液が液通路50(マスタシ
リンダ12側)に逆流することによって液圧室342の
液圧が急激に高められる場合に、ピストン324の前進
が開始される程度の値に設定されている。
【0056】以上のように構成された液圧ブレーキ装置
における作動を説明する。なお、図14乃至図16は液
圧制御弁150の構造を簡略化して作動を示す図であ
る。ここでは、前輪側キャリパ16の液圧室41,42
に液圧が供給される状況について説明し、後輪側のキャ
リパ17の液圧室に供給される状況についての説明は省
略する。車両走行中はロータ18が車輪と共に回転し、
サーボ液圧発生装置46は、サーボシリンダ78の第
一,第二ピストン100,102が図2に示すようにい
ずれもフランジ部110,112に当接するとともに、
駆動部材80の係合突部138,140が第一,第二ピ
ストン100,102の係合突部114,116に近接
する中立状態にあり、サーボ液圧発生室48にはサーボ
液圧が発生していない。また、図14に示すように、液
圧制御弁150においてピストン156は、スプリング
236の付勢力により原位置(後退端位置)にあり、キ
ャリパ16のシリンダ24,26をマスタシリンダ12
に連通させている。液圧制御弁150は連通状態にある
のである。一方、開閉弁152においては、液通路28
8がバイパス通路170に合致して開状態にあり、バイ
パス通路170は連通させられている。ストロークシミ
ュレータ56のピストン324は後退端位置にある。
【0057】運転者によりブレーキペダル10の踏込み
操作が行われれば、液圧制御弁150において、マスタ
シリンダ12からブレーキ液が第一ポート160,第一
液圧室181,液通路240,242,206,22
2,第二液圧室194,液通路198,第二ポート16
2を経てキャリパ16のシリンダ24,26へ供給され
る。また、シリンダ24,26には、バイパス通路16
8および逆止弁172を経てもマスタシリンダ12のブ
レーキ液が供給される。このように、本実施例において
は、バイパス通路168および逆止弁172が設けられ
ているため、踏込み操作開始初期に、シリンダ24,2
6に供給されるブレーキ液が十分な流量で流れ、ブレー
キの効き遅れが小さくなる。この段階ではマスタシリン
ダ12の液圧Pm とシリンダ24,26の液圧Pw(以
下、キャリパ液圧Pw と称する)とは等しい(Pm =P
w)。
【0058】開閉弁152において、マスタシリンダ液
圧Pm が設定値P0 より小さい間は、ピストン158は
図中の原位置に保たれ、バイパス通路170は連通状態
にあってサーボ液圧Ps も図17に示すようにほぼマス
タシリンダ液圧Pm とともに上昇するが、設定値P0
非常に小さいため、ブレーキペダル10の踏込力がごく
小さいうちに液圧室274の液圧が設定値P0 より高く
なり、ピストン158がスプリング252の付勢力に抗
して移動させられる。液通路288がバイパス通路17
0から外れ、バイパス通路170が遮断されるのであ
り、したがって、図17に示すようにサーボ液圧Ps の
増大が止まる。ストロークシミュレータ56において、
液圧室342の液圧がスプリング328のセット荷重よ
り小さい間は、ピストン324は前進せず、後退端位置
に保たれる。
【0059】シリンダ24,26にそれぞれキャリパ液
圧Pw が供給されれば、両ピストン28,30によりパ
ッド32,34がロータ18の両側の摩擦面に押し付け
られ、制動が行われる。このとき、キャリパ16にロー
タ18の回転方向(図1に実線の矢印で示す方向)の連
れ回りトルクが作用し、一対のリンク70がロータ18
の軸線Lから偏心した位置において軸線Lに直角な平面
内で小角度回動する。前述のように、一対のリンク70
はほぼロータ18の半径方向に延びているため、その位
置からリンク70が小角度回動すればキャリパ16がほ
ぼロータ18の軸線Lまわりに回動することとなる。す
なわち、図13に示すように、実線で示す回動前と、二
点鎖線で示す角度α回動後とにおいて、キャリパ16の
前端部とロータ18の外周面との隙間tおよびキャリパ
16の後端部とロータ18の外周面との隙間cに殆ど差
が生じないのである。このようにキャリパ16がほぼロ
ータ18の周方向に移動させられることによって、前端
部がロータ18の外周面に接触したり、後端部がホイー
ルディスクに接触したりすることが良好に回避される。
【0060】車両前進中は、ロータ18が図1において
実線の矢印で示す方向に回転し、連れ回りトルクにより
キャリパ16はロータ18の回転方向と同じ正方向に回
動する。このキャリパ16の回動に伴って駆動部材80
に引張力が加えられて車両前進方向に移動させられ、第
二ピストン102がスプリング108の付勢力に抗して
第一ピストン100側に移動させられ、サーボ液圧発生
室48の容積が減少させられてサーボ液圧Ps が発生さ
せられる。図3は、第二ピストン102が最も第一ピス
トン100側に移動させられた状態を示している。この
状態において、サーボ液圧発生室48の容積が最も減少
させられ、最大のサーボ液圧Ps が発生させられること
になる。第二ピストン102は、実際には、キャリパ1
6の回動に基づく駆動部材80の引張力に釣り合うサー
ボ液圧が発生させられる位置まで移動させられることに
なる。
【0061】このサーボ液圧Ps はサーボ液圧ポート1
07を経て制御弁44の第三ポート164に供給され、
さらに逆止弁202を経て第三液圧室196へ供給され
る。なお、リンク70のキャリパ16への接続端部はリ
ンク70の回動時にロータ18の半径方向に僅かに移動
し、それに伴ってアーム130も移動するが、アーム1
30は駆動部材80の取付け部126に長穴129およ
びピン132によって連結されているため、駆動部材8
0はアーム130の移動を許容しつつロータ18の回転
軸線を中心とする円に接する方向に移動する。
【0062】一方、液圧制御弁150において、マスタ
シリンダ液圧Pm が大きくなり、式 Pm ・Ar >F0 +f ・・・(1) が成立すれば、ピストン156の前進が開始される。A
r は、図14に示すように、ピストン156の小径部2
18の断面積であり,F0 はスプリング236のセット
荷重であり、fはピストン156の摩擦抵抗である。ま
た、後述するAhは大径部216の断面積であり、F1
は液通路206と液通路222との連通が遮断される瞬
間のスプリング236の付勢力、F2 は液通路224が
第二液圧室196と連通を開始する瞬間のスプリング2
36の付勢力である。ピストン156がスプリング23
6の付勢力に抗して図15に示すように僅かに前進すれ
ば、第一ポート160と第二ポート162との連通が遮
断される。すなわち、シリンダ24,26にマスタシリ
ンダ液圧Pm もサーボ液圧Ps も供給されない遮断状態
となるのである。この遮断状態は、式 F1 −f≦Pm ・Ah −Pw(Ah −Ar)≦F2 +f・・・(2) が成立する間保たれる。
【0063】さらにブレーキペダル10が踏み込まれて
マスタシリンダ液圧Pm が増大し、式 Pm ・Ah >Pw(Ah −Ar)+F2 +f・・・(3) が成立すれば、図16に示すようにピストン156がさ
らに前進して第二ポート162と第三ポート164とを
連通させる増圧状態となる。したがって、第三ポート1
64から供給されるサーボ液圧Ps が液通路200,逆
止弁202,第三液圧室196,液通路224,20
8,222,第二液圧室194,第二ポート162を経
てキャリパ16のシリンダ24,26へ供給され、両パ
ッド32,34のロータ18への押圧力が増大させられ
る。
【0064】サーボ液圧Ps の供給により、式 Pw(Ah −Ar)+F2 >Pm ・Ah +f・・・(4) が成立すれば、ピストン156が後退して第二ポート1
62が第三ポート164から遮断されて再び遮断状態と
なる。キャリパ液圧Pw がマスタシリンダ液圧Pm 以上
で、かつ、マスタシリンダ液圧Pm にほぼ比例した高さ
に制御されるのである。
【0065】つまり、液圧制御弁150において、
(1)式が成立する以前、すなわち、マスタシリンダの
液圧Pm が{(F0 +f)/Ar}(図17における液
圧P1 )以下の場合には、ピストン156は後退端位置
にあり、第一ポート160と第二ポート162とを連通
させる第一状態にある。第二液圧室194の液圧が第一
液圧室181の液圧に等しい状態、すなわち、キャリパ
液圧Pw がマスタシリンダ液圧Pm に等しい状態に保た
れることになる。この状態においては、マスタシリンダ
液圧Pm ,キャリパ液圧Pw ,サーボ液圧Ps の関係は
図17のグラフにおいて、細線で囲まれた領域に示す通
りとなる。ただし、図17においては煩雑さを避けるた
めに、スプリング236の付勢力の変化の影響および摩
擦抵抗fに基づくヒステリシスは省略されている。
【0066】マスタシリンダの液圧Pm が設定値P1
り高くなり、(1)式が成立すれば、ピストン156が
前進を開始し、やがて第二ポート162と第三ポート1
64との間を連通させる第二状態となり、その後、両ポ
ート間を遮断してキャリパ液圧Pw を、図17に示すよ
うに、マスタシリンダの液圧Pm より高く、かつ、マス
タシリンダの液圧Pm に応じた高さに制御する。キャリ
パ液圧Pw は、ピストン156の小径部218の断面積
Arおよび大径部216の断面積Ahの面積によって決
まる勾配で上昇させられ、マスタシリンダ液圧Pm の増
加量ΔPm に対して大きいキャリパ液圧Pw の増加量Δ
Pw が得られることになる。
【0067】第一状態から第二状態への移行は、サーボ
液圧Ps がマスタシリンダ液圧Pmより高くなった後に
行われる。上述のように、サーボ液圧Ps は、キャリパ
液圧Pw によってパッド32,34がロータ18の摩擦
面に押し付けられることによってキャリパ16が回動さ
せられ、駆動部材80に引張力が加えられることによっ
てサーボ液圧発生室48の容積が減少させられて発生さ
せられる。キャリパ液圧Pw が小さく、キャリパ16の
連れ回りトルクが小さいと、サーボ液圧発生室48には
液圧は発生しない。したがって、設定値P1 はサーボ液
圧発生室48においてマスタシリンダ液圧Pm より大き
な液圧Ps1が発生させられるようになった後のキャリパ
液圧(この時点においては、キャリパ液圧とマスタシリ
ンダ液圧とは等しい)に設定されるのである。
【0068】前述の逆止弁202は、第三ポート164
の液圧が第三液圧室196の液圧より高い場合、すなわ
ち、サーボ液圧発生装置46にサーボ液圧Ps が発生さ
せられている場合には、第三ポート164から第三液圧
室196へのブレーキ液の移動を許容するものであるた
め、液圧制御弁150が第二状態に移行する時点には、
第三液圧室196にはサーボ液圧Ps が供給されてい
る。
【0069】サーボ液圧発生装置46における第一,第
二ピストン100,102の断面積は、サーボ液圧発生
室48にマスタシリンダ液圧Pm より高いサーボ液圧P
s が発生し得るように決定される。また、逆止弁178
はサーボ液圧室48からリザーバ165へのブレーキ液
の流れは阻止するものであるため、サーボ液圧室48の
ブレーキ液がリザーバ165へ流出することはない。
【0070】液圧制御弁150が第一状態から第二状態
に移行すると、上述のように、第二液圧室194にはサ
ーボ液圧発生室48からブレーキ液が供給されるため、
第二液圧室194の液圧が急激に高くなる。その結果、
式(4)が成立し、ピストン156が後退させられ、第
一液圧室181のブレーキ液が液通路50側に逆流す
る。その結果、ストロークシミュレータ56において、
液圧室342の液圧がスプリング328のセット荷重に
対応する液圧より大きくなり、ピストン324が前進さ
せられる。ストロークシミュレータ56によって逆流す
るブレーキ液の一部が吸収されるのであり、それによっ
て、図18に示すように、液圧制御弁150の第一状態
から第二状態への移行時におけるマスタシリンダ液圧P
m の急激な増加量が少なくなる。
【0071】図18は、ブレーキペダル10の踏力を一
定の速度で増加させた場合における時間とマスタシリン
ダ液圧Pm との関係を示したものである。従来の液圧ブ
レーキ装置においては、ストロークシミュレータ56が
設けられていなかったため、液圧制御弁150が第一状
態から第二状態に移行する場合に、マスタシリンダ液圧
が実線で示すように急増するという問題があったが、ス
トロークシミュレータ56を設けることによって急増量
が破線あるいは一点鎖線で示すように小さくなる。
【0072】そして、上述のように、液圧制御弁150
においては、第二液圧室194の液圧がマスタシリンダ
液圧Pm に応じて制御されるため、図19に示すよう
に、キャリパ液圧Pw の急増も抑制される。したがっ
て、液圧制御弁150の上述の移行時における制動力の
増加量が少なくて済み、制動力のコントロール性が改善
される。つまり、ブレーキペダル10の踏力が比較的小
さい場合における制動力のコントロール性が良好になる
のである。
【0073】ストロークシミュレータ56のピストン3
24は、ブレーキペダル10のストロークに伴って前進
させられる。もし、ストロークシミュレータ56が設け
られていなければ、液圧制御弁150が第一状態から第
二状態に移行すると、第一液圧室181と第二液圧室1
94との間の遮断によってブレーキペダル10のストロ
ークの増加が阻止されるため、図20に示すように、踏
力が増加してもストロークが殆ど増加せず、ブレーキフ
ィーリングが悪くなり、また、制動力のコントロール性
が悪いという問題があった。それに対して、本実施例に
おいては、ストロークシミュレータ56が設けられてい
るため、第一液圧室181と第二液圧室194との連通
が遮断されても、ブレーキペダル10の踏力に応じたス
トロークの増加が許容され、ブレーキフィーリング低下
の抑制と、制動力のコントロール性の改善とを図ること
ができる。図18〜20から、スプリング328のセッ
ト荷重が小さい場合には、大きい場合より第二液圧室1
94の液圧の急増抑制効果が大きくなり、ばね定数が小
さい場合には、大きい場合より踏み心地がソフトになる
ことが明らかである。
【0074】ブレーキペダル10の踏込みが緩められれ
ばマスタシリンダ液圧Pm が減少し、液圧制御弁150
においては、ピストン156が後退し、キャリパ液圧P
w がほぼPw(Ah −Ar)+F=Pm ・Ah の関係を保ち
つつ減少する。ただし、FはF0 ,F1 ,F2 等スプリ
ング236の付勢力を表す。そして、Pm ・Ar <F0
−fが成立すればピストン156が後退端位置に復帰す
る。
【0075】また、開閉弁152においては、マスタシ
リンダ液圧Pm が設定値P0 より低くなると、ピストン
158がスプリング252の付勢力によって図における
下方に移動させられる。液通路288がバイパス通路1
70に合致し、バイパス通路170を連通させる。
【0076】一方、サーボシリンダ78においては、キ
ャリパ液圧Pw が低下してキャリパ16の連れ回りトル
クが減少するにつれて、サーボ液圧Ps が低下する。そ
して、スプリング108の付勢力に基づくキャリパ16
の逆向きの回転トルクが連れ回りトルクに打ち勝つに到
れば、スプリング108の付勢力により第二ピストン1
02がフランジ部112に当接する位置に復帰させられ
るとともに、駆動部材80が、係合突部138が第一ピ
ストン100の係合突部114に近接する位置に復帰さ
せられ、キャリパ16およびリンク70が図1に破線で
示す矢印の方向に回動し、原位置に復帰する。
【0077】なお,第二ピストン102が上記のように
復帰させられる際には、サーボ液圧発生室48の容積が
増大するが、この容積の増大は、開閉弁152が開かれ
た後であれば、キャリパ液圧室41,42のブレーキ液
がバイパス通路170,開閉弁152,逆止弁174を
経て流入することにより許容される。そして、開閉弁1
52が閉じている間、あるいは開閉弁152が開いてい
てもブレーキ液の流量が不足する場合には、リザーバ1
65のブレーキ液が第四ポート166および逆止弁17
8を経て流入することにより許容される。このように、
ブレーキペダル10の踏み込みが緩められた場合には、
開閉弁152が開状態に切り換えられるため、キャリパ
液圧室41,42からバイパス通路170を経てサーボ
液圧発生室48へのブレーキ液の供給が許容される。ま
た、リザーバ165のブレーキ液も必要に応じてサーボ
液圧発生室48に供給される。このように、サーボ液圧
発生室48にはキャリパ液圧室41,42からとリザー
バ165からとの両方からブレーキ液が供給されるた
め、ザーボ液圧発生室48へのブレーキ液の供給が速や
かに行われる。
【0078】しかし、第三液圧室196とサーボ液圧発
生室48とを接続する液通路200の途中には逆止弁2
02が設けられているため、キャリパ液圧室41,42
のブレーキ液が液圧制御弁150を経てサーボ液圧発生
室48に供給されることはない。
【0079】ストロークシミュレータ56においては、
マスタシリンダ液圧Pm の減少に伴ってブレーキ液をマ
スタシリンダ12に戻しつつピストン324が後退端位
置に戻る。
【0080】また、ブレーキペダル10が踏み込まれた
まま停止した場合、すなわち、パッド32,34がディ
スクロータ18に押しつけられたままディスクロータ1
8の回転が停止する場合には、サーボ液圧発生室48の
液圧が低下し、場合によっては大気圧以下となる。車両
は制動力によって減速させられ、停止させられるが、停
止時には揺れ返しが生じる。減速中は車体の慣性力によ
って、車体と車輪との間に設けられたサスペンション等
弾性部材が弾性変形させられているが、停止によって車
体の慣性力が消滅すれば、この弾性変形が復元して車体
を車輪に対してそれまでとは逆の方向に相対移動させ、
中立点を越えて車体を移動させるのである。その結果、
車輪にはそれまでとは逆の方向(図1において破線の矢
印で示す方向)に回転させるトルクが作用してサーボ液
圧発生室48の液圧を低下させ、この逆方向の回転トル
クが車輪のころがり抵抗に打ち勝つ大きさであれば車輪
が実際に逆方向に回転して、キャリパ16およびサーボ
液圧発生装置46の駆動部材80を逆方向に回動させ
る。それに伴って、第二ピストン102がスプリング1
08により押し戻されてサーボ液圧発生室48の液圧が
大気圧以下になるのである。車両が上り勾配の路面上で
停止した場合にも、車輪にはそれまでとは逆向きの回転
トルクが作用し、サーボ液圧発生室48の液圧が大気圧
以下となる。
【0081】この場合には、ブレーキペダル10が踏み
込まれたままであるため、マスタシリンダ液圧Pm は低
下しない。そのため、開閉弁152において、ピストン
158が図における上方に移動させられたままであり、
バイパス通路170は遮断された状態が保たれる。ま
た、液圧制御弁150においては、ブレーキペダル10
が一定の踏力で踏み込まれていれば、キャリパ液圧Pw
が低下しないため、現状が維持される。液圧制御弁15
0が、第二液圧室194が第一液圧室181からも第三
液圧室196からも遮断された保持状態に保たれるので
ある。
【0082】本実施例においては、サーボ液圧発生室4
8の液圧が大気圧以下になっても、液圧室41,42の
ブレーキ液がバイパス通路170あるいは液圧制御弁1
50を経てサーボ液圧発生室48に流出することが回避
され、キャリパ液圧Pw が低下することが回避される。
また、バイパス通路170が遮断されているため、マス
タシリンダ12からサーボ液圧発生室48へブレーキ液
が流出することも防止される。したがって、ブレーキペ
ダル10が一定の踏力で踏み込まれた状態が保たれたま
ま停止した場合に、ブレーキペダル10の入り込みが回
避され、それによる運転者の違和感を無くすことができ
る。また、停止時にキャリパ液圧室41,42の液圧が
保持されるため、制動力不足になることが回避される。
【0083】さらに、本実施例においては、第三ポート
164と第三液圧室196とを接続する液通路200の
途中に逆止弁202が設けられている。そのため、停止
時あるいは停止中に運転者がブレーキペダル10を踏み
増すことによってピストン156が前進させられ、液圧
制御弁150が、第二液圧室194と第三液圧室196
とを連通させる増圧状態に切り換えられても、第三液圧
室196のブレーキ液がサーボ液圧発生室48に流出す
ることが防止され、液圧室41,42の作動液が液圧制
御弁150を経てサーボ液圧発生室48に流出すること
が回避される。したがって、停止時にブレーキペダル1
0の踏力が増大させられてもブレーキペダル10の入り
込みが回避される。
【0084】また、本実施例においては、ブレーキペダ
ル10が踏み込まれたまま停車させられた後に、図示し
ないシフトレバーのポジションがD(前進)からR(後
退)に切り換えられた場合におけるサーボ液圧発生装置
46におけるガタツキの発生が回避される。
【0085】サーボ液圧発生室48にリザーバ165が
接続されていない場合に、ブレーキペダル10が踏み込
まれたまま停車させられれば、サーボ液圧発生装置46
において第一ピストン100と第二ピストン102とが
近接した状態、すなわち、図3に示す状態に近い状態に
ある。この状態において、シフトレバーのポジションが
DからRに切り換えられ、後退方向に駆動力が作動すれ
ば、駆動部材80が図1に破線の矢印で示す方向に引っ
張られる。そのため、もし、サーボ液圧発生室48にリ
ザーバ165が接続されておらず、ブレーキ液が供給さ
れない場合には、第一ピストン100と第二ピストン1
02とが近接した状態に保たれ、係合突部110が第一
ピストン100に衝突して異音を発生させ、その衝撃で
第一ピストン100と第二ピストン102とが一体的に
移動して係合突部140に衝突して再び異音を発生させ
るのである。
【0086】それに対して、本実施例においては、サー
ボ液圧発生室48にリザーバ165が連通させられてい
るため、停止時にサーボ液圧発生室48の液圧が大気圧
以下になると、直ちにリザーバ165からブレーキ液が
供給され、第一ピストン100と第二ピストン102と
が、図2に示す状態に復帰する。したがって、シフトレ
バーのポジションがDからRに切り換えられることによ
って駆動部材80が破線に示す逆方向に引っ張られて
も、係合突部110が第一ピストン100に衝突する異
音は殆ど発生せず、また、第一ピストン100も第二ピ
ストン102もフランジ110,112に当接している
ため、これらが移動して突部140,110に衝突する
こともないのである。
【0087】次に、制動途中にブレーキペダル10の踏
み込みを解除しないで、踏力の増減が繰り返される場合
について説明する。ただし、踏力は開閉弁152が開状
態に切り換えられるほど小さくはされないものとする。
【0088】ブレーキペダル10の踏力が増大させられ
るのに伴って、液圧制御弁150の作用によりサーボ液
圧発生室48からブレーキ液が供給されて液圧室41,
42の液圧が上昇させられ、駆動部材80の引張力が大
きくなる。第一ピストン100と第二ピストン102と
の間は狭められ、それに応じてサーボ液圧発生室48の
サーボ液圧が増大させられる。つまり、踏力(キャリパ
液圧)の増大に応じてキャリパ液圧とサーボ液圧とが増
大し、サーボ液圧発生室48の容積が減少するのであ
る。
【0089】一方、踏力が減少させられれば、液圧制御
弁150の作用で液圧室41,42のブレーキ液がマス
タシリンダ12へ還流させられてキャリパ液圧が低下
し、駆動部材80の引張力が小さくなってサーボ液圧発
生室48の液圧も低くなる。やがて、第一ピストン10
0と第二ピストン102とがスプリング108の付勢力
によって離間させられ、液圧が大気圧以下になってリザ
ーバ165からブレーキ液が吸入される。そのため、再
び、踏力が増大させられる場合に、サーボ液圧発生室4
8にはサーボ液圧が支障なく発生させられる。
【0090】それに対して、サーボ液圧発生室48にリ
ザーバ165が接続されていない場合には、サーボ液圧
が発生させられなくなる可能性がある。踏力が増加させ
られる場合には、本実施例における場合と同様にサーボ
液圧が発生させられるが、ブレーキ液が液圧室41,4
2に供給されることによってサーボ液圧発生室48の容
積が減少する。そして、次に踏力が減少させられること
によって駆動部材80の引張力が減少させられても、開
閉弁152が閉じたままであるためサーボ液圧室48へ
はブレーキ液が供給されない。したがって、踏力が繰り
返し増減させられるにつれてサーボ液圧発生室48のブ
レーキ液が減少し、やがて、踏力に応じてサーボ液圧が
発生させられなくなる可能性があるのである。
【0091】次に、車両後退中にブレーキペダルが踏み
込まれた場合について説明する。車両後退中はロータ1
8が、図1において破線の矢印で示す方向に回転する。
したがって、運転者によりブレーキペダルが踏み込まれ
れば、連れ回りトルクによりキャリパ16はロータ18
の回転方向と同じである逆方向に回動し、キャリパ16
の回動に伴って駆動部材80が車両後退方向に移動し、
第一ピストン100を第二ピストン102側に移動させ
る。そのため、サーボ液圧発生室48の容積が減少して
サーボ液圧Ps が発生させられる。図4は、車両の後退
方向の制動時に最大のサーボ液圧が発生させられた状態
を示している。
【0092】車両後退時に発生するサーボ液圧Ps は、
車両前進時に発生するサーボ液圧Ps に比較して低くな
る。車両前進時における駆動部材80の移動限度は、腕
部128の端面136がキャップ86の端面に当接する
前に第一ピストン100と第二ピストン102とが互に
当接することにより規定され、車両後退時における駆動
部材80の移動限度は取付け部126の端面134が円
筒状部材84の端面に当接することにより規定される。
係合突部140と係合突部138との長さがそのように
決定されているのであり、車両後退中の制動時における
サーボ液圧発生室48の容積減少量の方が車両前進時よ
り少なくなり、車両後退時に発生するサーボ液圧Pw の
最大値が車両前進時における最大値より低く制限される
のである。車両後退時には、車両前進時ほど大きなブレ
ーキ力は必要ないのが普通であるため、このように、車
両前進時と後退時とでサーボ液圧Ps が変わるようにす
ることにより制動を良好に行うことができる。なお、液
圧制御弁150,開閉弁152の作動は、車両前進時と
同様であるため、説明を省略する。
【0093】以上のように、本実施例においては、開閉
弁152によって、ブレーキペダル10が一定の踏力で
踏み込まれたまま車両が停止した場合のブレーキペダル
10の入り込みが完全に防止され、運転者の違和感が除
かれる。また、開閉弁152が液圧制御弁150をバイ
パスするバイパス通路170の途中に設けられているた
め、開閉弁152が閉状態にあっても液圧制御弁150
による液圧制御には差し支えがない。
【0094】また、開閉弁152においてピストン15
8とシリンダボア254との間にはカップシールやOリ
ング等シール部材が介在されていないため、ピストン1
58の摺動抵抗が小さく、ピストン158をマスタシリ
ンダ液圧Pm が小さい時期に移動させることができる。
【0095】さらに、逆止弁202が設けられてサーボ
液圧発生室48へのブレーキ液の供給が阻止されている
ため、停止時に、ブレーキペダル10が踏み増されて液
圧制御弁150が増圧状態になっても、ブレーキペダル
10の入り込みが生じず、運転者の違和感が除かれる。
【0096】また、第四ポート166および逆止弁17
8により、サーボ液圧発生室48の液圧が大気圧以下に
なった場合にリザーバ165からブレーキ液が供給され
るようになっているため、停車後にブレーキペダル10
を踏み込んだままシストレバーのポジションがDからR
に切り換えられた場合におけるサーボ液圧発生装置46
のガタツキが小さくなり、また、ブレーキペダル10の
踏込みを解除することなく踏力の増減が繰り返された場
合にサーボ液圧が発生しなくなることを良好に回避し得
る。
【0097】また、ストロークシミュレータ56が設け
られているため、液圧制御弁150が第一状態から第二
状態に移行する際における第二液圧室194の液圧の急
増を抑制することができる。その結果、キャリパ液圧P
w の急増を抑制することができ、制動力のコントロール
性を改善することができる。特に、液圧制御弁150が
第一状態から第二状態に移行する際のマスタシリンダ液
圧の設定値P1 が低く設定されているため、液圧制御弁
150が第一状態から第二状態に移行する際にキャリパ
液圧Pw が急増すれば車両の減速度が急増し、乗り心地
が悪くなるのであるが、本発明に従えば、この不都合を
良好に回避することができる。また、低μ路走行中の制
動時に第二状態に移行しても、制動力の急増が少なくて
済み、車輪のスリップの急増を回避し得る。
【0098】また、液圧制御弁150が第一状態から第
二状態に移行した後にも、ブレーキペダル10の踏力の
増加に伴うストロークの増加が許容されるため、ブレー
キフィーリングが良くなり、コントロール性を改善する
ことができる。
【0099】さらに、ストロークシミュレータ56にお
いて、スプリング228のセット荷重の調節が容易にさ
れているため、第一状態から第二状態への移行時におけ
る第二液圧室194の液圧増大量を容易に調節すること
ができる。
【0100】また、バイパス通路168および逆止弁1
72が設けられているため、ブレーキペダル10の踏込
み操作開始初期におけるブレーキの効き遅れを抑制する
ことができる。
【0101】さらに、キャリパ16をロータ18の軸線
Lから偏心した位置においてステアリングナックル16
に連結しながら、ほぼロータ18の軸線Lまわりに回動
させ得るため、キャリパの傾きを回避することができ、
キャリパ16のロータ18あるいはホイールディスクへ
の接触を回避しつつロータ18の直径を大きくすること
ができる。
【0102】また、1つのサーボ液圧発生装置46が車
両前進時と後退時のいずれにおいてもサーボ液圧を発生
し得るため、従来のようにキャリパ16の前後に1つず
つサーボ液圧発生装置を設ける場合に比較してディスク
ブレーキ全体の構造が簡単となり、装置を小形化し得
る。装置コストの低減効果も得られる。
【0103】なお、上記実施例の開閉弁152において
は、液圧室274にマスタシリンダの液圧Pm が供給さ
れ、ピストン158がマスタシリンダ12の液圧Pm が
設定値P0 以上になると移動させられるようにされてい
たが、マスタシリンダ液圧Pm でなく、キャリパ液圧P
w が供給され、キャリパ液圧Pw が設定値以上になった
ら閉状態に切り換わるようにしてもよい。
【0104】また、液圧制御弁150とサーボ液圧発生
装置46との間に逆止弁202を設けるとともに、サー
ボ液圧発生装置46に逆止弁178を経てリザーバ16
5を接続すれば、バイパス通路170,開閉弁152お
よび逆止弁174を省略して、停車時におけるブレーキ
ペダル10の入り込み防止、停車中の踏増しによるブレ
ーキペダル10の入り込み防止、サーボ液圧室48への
ブレーキ液の補給等を行い得る。
【0105】また、制御弁44を図21に示す制御弁4
00に変えれば、ストロークシミュレータ56が不要に
なり、その分液圧ブレーキ装置の構造を簡単にすること
ができる。なお、制御弁400において、制御弁44と
同様の部材には同じ符号を付けて説明を省略し、開閉弁
402についてのみの説明をする。開閉弁402は、ハ
ウジング404に形成されたシリンダボア410に液密
かつ摺動可能に嵌合されたピストン412,スプリング
414等を備えている。
【0106】シリンダボア410の両端はねじ穴416
とシリンダボア418とに連通しており、ねじ穴416
はプラグ424によって閉塞され、プラグ424の内部
に形成された大気圧室426は貫通孔430によって大
気に開放されている。シリンダボア418にはピストン
432が液密かつ摺動可能に嵌合されている。シリンダ
ボア418のシリンダボア410と連通する部分とピス
トン432とによって形成された大気圧室434は、通
路436によって大気に開放されており、シリンダボア
418の反対側の部分とピストン432とによって形成
された液圧室438には、マスタシリンダ12と連通す
る液通路272が連通させられている。
【0107】ピストン412の頭部442が大気圧室4
26内に位置し、ピストン412の反対側の端部は大気
圧室434内へ突出してピストン432に当接による係
合が可能とされている。ピストン412の頭部442と
プラグ424との間にスプリング414が配設されてお
り、スプリング414のセット荷重はピストン432の
受圧面積との関係で決定されている。ピストン412の
中間部には、円環溝状の液通路450が形成されてお
り、図示する原位置にある場合には、バイパス通路17
0に合致してこれを連通状態に保っている。
【0108】以上のように、構成された開閉弁402に
おいて、マスタシリンダの液圧Pmがスプリング414
のセット荷重に対して小さい間は、ピストン412はス
プリング414によって頭部442がねじ穴416の底
面に当接する位置に保たれている。この状態において、
ピストン432は後退端位置にあり、液通路450がバ
イパス通路170に合致し、バイパス通路170を連通
させている。
【0109】マスタシリンダの液圧Pm がスプリング4
14のセット荷重に対して大きくなると、開閉弁402
が閉状態となる。ピストン432がスプリング414の
付勢力に抗して移動させられ、それに伴ってピストン4
10が大気圧室426側へ移動させられる。その結果、
液通路450がバイパス通路170から外れ、バイパス
通路170が遮断されるのである。したがって、ブレー
キペダル10が踏み込まれたまま車両が停止しても、サ
ーボ液圧発生室48にキャリパの液圧室41,42のブ
レーキ液が流出することが防止されて停止時に制動力不
足が生じることが良好に回避され、ブレーキペダル10
の入り込みによる運転者の違和感を除くことができる。
【0110】また、液圧制御弁150が第一状態から第
二状態に移行する時期には、既にピストン432の移動
が開始されているため、液圧室438の液圧の増大に伴
って、ピストン432およびピストン412が図におけ
る上方に移動させられ、マスタシリンダ12のブレーキ
液の一部が液圧室438に収容されることになる。その
結果、液圧制御弁150が第一状態から第二状態に移行
する際のマスタシリンダ液圧Pm およびキャリパ液圧P
w の急増が抑制される。
【0111】さらに、液圧制御弁150が第二状態に移
行して、第二液圧室194と第一液圧室181との間の
連通が遮断されても、ブレーキペダル10の踏力の増加
に伴ってピストン432およびピストン412が図にお
いて上方に移動させられる。そのため、ブレーキペダル
10の踏力の増加に伴ってストロークの増加が許容さ
れ、ブレーキフィーリングが良くなり、制動力のコント
ロール性を改善することができる。
【0112】制御弁を図22に示す液圧制御弁460と
パイロット式の開閉弁462とを含むものとすることも
可能である。液圧制御弁460は、ハウジング464,
バルブピストン466,付勢手段としてのスプリング4
68等を備えている。バルブピストン466は大径部と
小径部とを有する段付きのピストンであり、ハウジング
464の段付きのシリンダボア469に嵌合されること
によって、第一液圧室470,第二液圧室472および
大気圧室474が形成されている。
【0113】一方、バルブピストン466には軸方向に
貫通する液通路480が形成され、その途中に開閉弁4
82が設けられている。一方、ハウジング464には、
第一ポート484,第二ポート486,第三ポート48
8および貫通孔490が形成されており、第三ポート4
88には開閉弁492と逆止弁494とが直列に設けら
れている。
【0114】開閉弁482は、第一液圧室470から液
通路480に向かう方向を順方向とする逆止弁に開弁突
起496を付加したものであり、バルブピストン466
が最も第一液圧室470側の後退端位置にあるとき開か
れる。開閉弁492は、第二液圧室472から第三ポー
ト488に向かう向きを順方向とする逆止弁に開弁突起
498を付加したものであり、バルブピストン466が
最も第二液圧室472側の前進端位置にあるとき開かれ
る。逆止弁494は開閉弁492とは逆の方向を順方向
とするものである。開閉弁492と逆止弁494との間
に第三液圧室500が形成されている。
【0115】第一ポート484にマスタシリンダ50
2、第二ポート486にキャリパ504、第三ポート4
88にサーボ液圧発生装置506が接続されている。ま
た、液圧制御弁460をバイパスして第二液圧室472
と第三液圧室500とを接続するバイパス通路508に
前記開閉弁462が設けられている。開閉弁462はパ
イロット通路510によりマスタシリンダ502に接続
されており、マスタシリンダ液圧が設定値を越えたとき
閉じる。
【0116】以上のように構成された液圧制御弁460
は、前記液圧制御弁150と同様に、バルブピストン4
66の移動に伴う第一液圧室470,第二液圧室472
および第三液圧室500の間の連通・遮断によって、第
二液圧室472の液圧を第一液圧室470の液圧以上
で、第一液圧室470の液圧に応じた高さに制御するも
のであるが、逆止弁494が無ければブレーキ液をマス
タシリンダ502側からサーボ液圧発生装置506側へ
素通りさせるものである点において異なっている。
【0117】したがって、サーボ液圧発生装置506へ
のブレーキ液の供給は支障なく行われるが、サーボ液圧
発生装置506の液圧がキャリパ504やマスタシリン
ダ502の液圧より低くなれば、ブレーキペダルの入り
込みが発生する。本実施例におては、これを回避するた
めに、逆止弁494が設けられ、前記液圧制御弁150
と同様に、サーボ液圧発生装置506の液圧がブレーキ
作動装置としてのキャリパ504の液圧より低い状態に
おいて後者から前者へのブレーキ液の流れを許容しない
ものとされているのである。
【0118】さらに付言すれば、本発明は前記オポーズ
ド型ディスクブレーキのみならず、キャリパ浮動型ディ
スクブレーキにも適用できる。キャリパ浮動型ディスク
ブレーキにおいては、キャリパがディスクロータの片側
にのみシリンダを備え、マウンティングブラケットによ
りロータの軸方向に移動可能に支持される。この場合に
は、ブレーキパッドを支持するマウンティングブラケッ
トを、少なくとも2本のリンクを介して固定部材に取り
付ければ、制動時にマウンティングブラケットがキャリ
パの連れ回りトルクを受けてディスクロータの回転中心
を中心として回動することとなる。
【0119】さらに、リンクの位置や数はブレーキ本体
の形や大きさによって適宜変更することが可能である。
【0120】また、上記各実施例においては、サーボ液
圧発生装置46がリンク70に連結されていたが、キャ
リパ16あるいはピン75等に連結することも可能であ
る。
【0121】さらに、上記各実施例においては、車両前
進時に駆動部材80が車両前進方向に移動させられて第
二ピストン102を引っ張ることによりサーボ液圧を発
生させ、車両後退時に駆動部材80が車両後退方向に移
動させられて第一ピストン100を押すことによりサー
ボ液圧を発生させるようになっていたが、逆になるよう
にサーボ液圧発生装置46を配置し、あるいはサーボシ
リンダ駆動部材によりサーボシリンダを駆動するように
してもよい。
【0122】また、上記各実施例において駆動部材80
は概してコの字形の部材とされていたが、環状等、他の
形状の部材としてもよい。一対の作用部を一体的に有
し、サーボシリンダを駆動するものであればよいのであ
る。
【0123】さらに、上記各実施例においては、液圧制
御弁150,開閉弁152,逆止弁178,202が同
じハウジング154に構成されていたが、それぞれ別々
のハウジングに形成されるようにしてもよい。また、こ
れらのうち任意の2個以上の弁が同じハウジングに構成
される等の態様も考えられる。
【0124】さらに、上記各実施例においては、前輪ブ
レーキと後輪ブレーキとの両方のホイールシリンダに制
御弁44を介してマスタシリンダ液圧Pm あるいはサー
ボ液圧Ps が供給されるようになっていたが、いずれか
一方のホイールシリンダにはマスタシリンダ液圧Pm が
直接供給されるようにしてもよく、その場合には、制御
弁44が第二状態に移行した後においても、ブレーキペ
ダル10の踏力の増加に伴ってストロークが増加される
ことになる。
【0125】また、第一発明によれば、逆止弁202,
リザーバ165,逆止弁178等は不可欠ではない。こ
れが設けられていなくても、停止時に運転者がブレーキ
ペダル10の踏力を一定に保っていれば、ブレーキペダ
ル10の入り込みを回避することができる。さらに、第
二発明によれば、リザーバ165,逆止弁178等は不
可欠ではない。これらが設けられていなくても、停止時
におけるブレーキペダル10の入り込みを良好に回避す
ることができる。
【0126】
【0127】その他、当業者の知識に基づいて種々の変
形,改良を施した態様で、本発明を実施することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である液圧ブレーキ装置を示
す系統図である。
【図2】上記液圧ブレーキ装置に設けられたサーボ液圧
発生装置を示す正面断面図である。
【図3】上記サーボ液圧発生装置の図2とは別の作動状
態を示す正面断面図である。
【図4】上記サーボ液圧発生装置の図1および図2とは
別の作動状態を示す正面断面図である。
【図5】上記サーボ液圧発生装置を駆動部材を断面にし
て示す正面図である。
【図6】上記サーボ液圧発生装置のV−V断面図であ
る。
【図7】上記ディスクブレーキを示す正面断面図であ
る。
【図8】上記ディスクブレーキを示す平面図である。
【図9】上記液圧ブレーキ装置の液圧制御弁を示すAA
断面図である。
【図10】上記液圧制御弁におけるBB断面図である。
【図11】上記液圧制御弁におけるCC断面図である。
【図12】上記液圧ブレーキ装置に設けられたストロー
クシミュレータの正面断面図である。
【図13】上記ディスクブレーキにおけるキャリパの回
動前と回動後との状態を比較して示す説明図である。
【図14】上記液圧制御弁を概念的に示す正面断面図で
ある。
【図15】上記液圧制御弁の図14とは別の作動状態を
概念的に示す正面断面図である。
【図16】上記液圧制御弁の図14および図15とは別
の作動状態を概念的に示す正面断面図である。
【図17】上記ブレーキ装置おけるマスタシリンダ液
圧,キャリパ液圧およびサーボ液圧との関係を示すグラ
フである。
【図18】上記ブレーキ装置おけるマスタシリンダ液圧
と踏力との関係を示すグラフである。
【図19】上記ブレーキ装置おけるキャリパ液圧と踏力
との関係を示すグラフである。
【図20】上記ブレーキ装置おけるストロークと踏力と
の関係を示すグラフである。
【図21】本発明の別の実施例の液圧ブレーキ装置にお
ける液圧制御弁の正面断面図の一部である。
【図22】本発明の別の実施例である液圧ブレーキ装置
を示す系統図である。
【符号の説明】
12 マスタシリンダ 16,17 キャリパ 24,26 シリンダ 41,42 液圧室 44,400 制御弁 46 サーボ液圧発生装置 150 液圧制御弁 152,402 開閉弁 165 リザーバ 168 バイパス通路 170 バイパス通路 176 液通路 178 逆止弁 196 第三液圧室 200 液通路 202 逆止弁 288,450 液通路
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16D 55/22 F16D 65/20

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレーキ操作部材の操作に応じた液圧を
    発生させるブレーキ操作対応液圧発生装置と、 ブレーキパッドを支持するパッド支持部材および液圧の
    供給によってブレーキパッドをディスクロータに押し付
    けるブレーキシリンダを備え、ディスクロータ近傍の固
    定部材にディスクロータの回転方向に回動可能に取り付
    けられたブレーキ作動装置と、 前記パッド支持部材の連れ回りに基づいてサーボ液圧を
    発生させるサーボ液圧発生装置と、 前記ブレーキ操作対応液圧発生装置に接続された第一液
    圧室と、前記ブレーキ作動装置に接続された第二液圧室
    と、前記サーボ液圧発生装置に接続された第三液圧室と
    を備え、第一液圧室,第二液圧室および第三液圧室の間
    の連通・遮断によって、第二液圧室の液圧を第一液圧室
    の液圧以上で、第一液圧室の液圧に応じた高さに制御す
    る液圧制御弁とを備えた液圧ブレーキ装置において、 前記液圧制御弁をサーボ液圧発生装置の液圧が前記ブレ
    ーキ作動装置の液圧より低い状態において後者から前者
    へのブレーキ液の流れを許容しないものとするととも
    に、その液圧制御弁をバイパスしてブレーキ作動装置と
    サーボ液圧発生装置とを接続するバイパス通路を設け、
    そのバイパス通路の途中に前記ブレーキ操作対応液圧発
    生装置とブレーキ作動装置とのいずれか一方の液圧が設
    定値より低い場合に開状態となり、設定値より高い場合
    に閉状態となる開閉弁を設けたことを特徴とする液圧ブ
    レーキ装置。
  2. 【請求項2】 前記サーボ液圧発生装置と第三液圧室と
    を接続する液通路の途中に、サーボ液圧発生装置から第
    三液圧室への作動液の流れは許容するが、逆向きの流れ
    は阻止する逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1記
    載の液圧ブレーキ装置。
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