JP3089620U - 荷物搬送用ボックス型パレット - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】必要に応じてケージの内側の領域を上下に仕切
ってその上端側と下段側とに分けて荷物を都合よくかつ
秩序よく収納することができる荷物搬送用ボックス型パ
レットを提供することにある。 【解決手段】台車部３の上に、平面視がコ字状をなす前
面開放のケージ４を設けてなる荷物搬送用のボックス型
パレット１において、前記ケージ４の内側奥部にヒンジ
機構１１を介して中間棚１０を上下方向に回動可能に取
り付け、この中間棚１０をケージ４の内側の中間部にほ
ぼ水平に配置する状態と、ケージ４の背面部に沿ってほ
ぼ垂直に起立する状態とに保持することを可能にする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

この考案は、荷物を収納して搬送する荷物搬送用のボックス型パレットに関す る。

【０００２】

【従来の技術】

例えばスーパーマーケット等の店舗への荷物（商品）の搬入にあたっては、ま ず配送センターにおいて、所定の荷物を荷物搬送用のボックス型のパレットに積 み込み、さらにこのパレットをトラックに搭載して所定の地区の店舗にまで搬送 する。そしてトラックからパレットを降ろし、このパレットから荷物を降ろして 店舗内に搬入するようにしている。

【０００３】 一般にこの種のボックス型のパレットは、複数のキャスターを備える台車部の 上にケージを設けてなる。ケージは前面に開放部を有する断面コ字形をなし、そ の前面の開放部を通してケージの内側の台車部の上に、順次荷物を積み込んで複 数段に積み重ねて収納し、またその荷物を前面の開放部を通して引き降ろすよう になっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、従来のこの種のパレットにおいては、ケージの内側の領域が荷物の 積み重ねが可能な単なる空間となっているに過ぎず、このため荷物を種類別や搬 送先別に区分して収納したり、あるいは積み重ねた荷物のうちの下段部分の荷物 だけを取り出すようなことができない不便な点があり、結果的に荷物の積み込み や取り降ろしの際の作業性が低下するという問題が生じている。 この考案はこのような点に着目してなされたもので、その目的とするところは 、必要に応じてケージの内側の領域を上下に仕切ってその上端側と下段側とに分 けて荷物を都合よくかつ秩序よく収納することができる荷物搬送用ボックス型パ レットを提供することにある。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

この考案は、このような目的を達成するために、台車部の上に、平面視がコ字 状をなす前面開放のケージを設けてなる荷物搬送用のボックス型パレットにおい て、前記ケージの内側奥部にヒンジ機構を介して中間棚を上下方向に回動可能に 取り付け、この中間棚をケージの内側の中間部にほぼ水平に配置する状態と、ケ ージの背面部に沿ってほぼ垂直に起立する状態とに保持することができるように したものである。

【０００６】

【考案の実施の形態】

以下、この考案の一実施形態について図面を参照して説明する。 図１には、荷物搬送用のボックス型パレット１を示してあり、このパレット１ は下面に複数のキャスター２を有する台車部３と、この台車部３の設けられたケ ージ４とで構成されている。 ケージ４は、台車部３の上の左右の側部に取り付けられて起立する一対の側面 柵５，６と、台車部３の上の後部に取り付けられて起立する背面柵７とで前面が 開放する断面コ字状に構成されている。 側面柵５，６および背面柵７は、それぞれ金属パイプ等からなるフレーム８と 、このフレーム８の内側の領域に格子状に架設された金属線材や金属板材等から なる複数の格子材９とで構成されている。 そしてケージ４の内側には、上下の中間部に位置して中間棚１０が設けられて いる。この中間棚１０は、後端部がケージ４の内側億部にヒンジ機構１１を介し て回動可能に取り付けられている。 中間棚１０の後端両側部には、図２ないし図４に示すように、その側方に向か って水平に突出する一対のヒンジピン１１ａ，１１ｂがそれぞれ設けられ、これ らヒンジピン１１ａ，１１ｂがケージ４の内側奥方の両側部に互いに対向して設 けられた一対のヒンジ部材１２を介して支持され、前記ヒンジピン１１ａ，１１ ｂとこれを支持するヒンジ部材１２とで前記ヒンジ機構１１が構成されている。

【０００７】 ヒンジ部材１２は、ポリプレン等の合成樹脂により一体に成形され、図５に示 すように、側面棚５，６のフレーム８を挟み込むようにボルト１３を介してその フレーム８に締着固定されている。

【０００８】 各ヒンジ部材１２の内側面には支持溝１４が形成され、この支持溝１４内に前 記一対のヒンジピン１１ａ，１１ｂが移動自在に嵌合されている。支持溝１４は 、水平方向に延びる第１の溝部１４ａと、この第１の溝部１４ａの端部に連なっ て垂直方向に延びる第２の溝部１４ｂとから逆Ｌ字状に形成されている。

【０００９】 なお、前記支持溝１４の下方側には、同一形状の他の支持溝１４´が対称的に 形成されているが、これは同一のヒンジ部材１２をケージ４の両側部に互いに上 下を反転させて取り付けたときに、その一方のヒンジ部材１２の支持溝１４と他 方のヒンジ部材１２の支持溝１４とが互いに対称的に対向するようにして、同一 形状のヒンジ部材１２をケージ４の両側部に共通して使用できるようにするため である。

【００１０】 中間棚１０の前端側の下面には、中間棚１０を側面柵５，６に係止して水平に 支持するための係止機構２０が設けられている。この係止機構２０は、図２ない し図４に示すように、中間棚１０の下面に設けられた一対の係止棒２１を備え、 これら係止棒２１は中間棚１０の幅方向に沿って直列し、かつその直列方向に移 動自在となっている。

【００１１】 中間棚１０の前端部の下面には、その幅方向の中間部に位置して扁平なボック ス状のフレーム２２が取り付けられている。前記一対の係止棒２１は、一端部が 軸受２７を介して中間棚１０に支持されていると共に、他端部が前記フレーム２ ２の側面を貫通してその内側に挿入されている。

【００１２】 フレーム２２内には操作プレート２３が設けられ、この操作プレート２３は中 間棚１０の前後方向にスライド自在となっている。この操作プレート２３にはほ ぼハの字状に拡開して中間棚１０の前後方向の中心線に対して傾斜する一対の係 合溝２４が形成されている。

【００１３】 フレーム２２内に挿入された係止棒２１の端部はＬ状に折曲され、その折曲端 部が前記操作プレート２３の係合溝２４内に挿入されている。そして前記軸受２ ７から突出した係止棒２１の一端側の端部はフック部２１ａとして中間棚１０の 下方側にＬ状に折曲されている。

【００１４】 前記フレーム２２には開口２５が形成され、この開口２５に対向して操作プレ ート２３に手掛け穴２６が形成されている。そして手掛け穴２６に手を掛けて図 ２の状態から操作プレート２３を中間棚１０の手前側に引き寄せると、図３に示 すようにハの字状の係合溝２４の傾斜に沿って係止棒２１が軸方向に移動してそ の端部のフック部２１ａが中間棚１０の内側に引き込められ、また逆に操作プレ ート２３を中間棚１０の奥行側に押し込むと、係止棒２１が逆方向に移動して図 ２に示すようにフック部２１ａが中間棚１０の両側外方に突出するようになって いる。

【００１５】 中間棚１０を使用する際には、ケージ４内に中間棚１０を水平に配置させる。 この際、係止機構２０における各係止棒２１のフック部２１ａは中間棚１０の両 側外方に突出させ、これらフック部２１ａを側面柵５，６における中段の格子材 ９に掛け止め、これにより中間棚１０を水平に支持する。

【００１６】 中間棚１０が水平の姿勢に支持されているときには、図６に示すように、平行 に並んだ一対のヒンジピン１１ａ，１１ｂがヒンジ部材１２における支持溝１４ の水平な第１の溝部１４ａ内に配置している。

【００１７】 中間棚１０を水平に配置させたときには、ケージ４内がその中間棚１０により 上下に仕切られ、したがってケージ４内に積載する荷物を中間棚１０の上段側と 下段側とに例えば種類別や搬送先別等に区分して効率的に収納することができ、 また搬送後にその荷物を秩序よく取り出すことができる。

【００１８】 一方、中間棚１０が不要なときには、中間棚１０の前端部を上方に押し上げ、 中間棚１０をヒンジ部材１２を支点に上方に回動して中間棚１０が背面柵７に沿 うように起立させる。この際、係止機構２０における係止棒２１のフック部２１ ａは操作プレート２３を操作して中間棚１０の内側に引き込んでおく。

【００１９】 中間棚１０がヒンジ部材１２を支点にして上方に回動ずるときには、図６（Ａ ）の状態から図６（Ｂ）に示すように、平行に並んだ一対のヒンジピン１１ａ， １１ｂのうちの一方のヒンジピン１１ａが水平の第１の溝部１４ａから垂直の第 ２の溝部１４ｂに移行し、さらに図６（Ｃ）に示すように、第１のヒンジピン１ １ａが第２の溝部１４ｂの最下部に達して定置すると共に、第２のヒンジピン１ ４ｂも第２の溝部１４ｂに移行し、一対のヒンジピン１１ａ，１１ｂが第２の溝 部１４ｂ内で上下に配置し、中間棚１０がほぼ垂直に起立する。

【００２０】 一対のヒンジピン１１ａ，１１ｂが第２の溝部１４ｂ内に上下に配置するとき には、これらヒンジピン１１ａ，１１ｂが溝部１４ｂの両側内壁面により拘束さ れ、これにより中間棚１０の倒伏が防止され、中間棚１０が安定した起立状態に 保持される。

【００２１】 第２の溝部１４ｂ内に配置したヒンジピン１１ａ，１１ｂが振動等により不用 意に上下に変動したり傾斜するのを防止するために第２の溝部１４ｂの下部およ び第２の溝部１４ｂと第１の溝部１４ａとの境部には弾性変形可能な小さな突起 １４ｃが一体に突出形成されている。

【００２２】 中間棚１０を再び水平に引き倒す際には、まず中間棚１０を僅かに上方に引き 上げる。これにより、第１のヒンジピン１１ａが第２の溝部１４ｂの中間部にま で移行すると共に、第２のヒンジピン１１ｂが第１の溝部１４ａの端部にまで移 行する。引き続き中間棚１０を手前側に引き倒すと、図６（Ｂ）に示すように、 第１のヒンジピン１１ａが第１の溝部１４ａの中間部にまで移行し、さらに中間 棚１０を水平にまで引き倒すと、図６（Ａ）に示すように、第１のヒンジピン１ １ａも第１の溝部１４ａに移行して一対のヒンジピン１１ａ，１１ｂが水平に並 び、中間棚１０がケージ４内に水平に配置される。

【００２３】 中間棚１０を水平に戻す直前には、操作プレート２３を操作して係止機構２０ における係止棒２１のフック部２１ａを中間棚１０の両側外方に突出させ、これ らフック部２１ａを側面柵５，６の中段の格子材９に掛け止める。これにより中 間棚１０が安定した水平状態に保持される。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したようにこの考案のボックス型パレットによれば、必要に応じてケ ージの内側の領域を中間棚で上下に仕切ってその中間棚の上段側と下段側とに分 けて荷物を都合よくかつ秩序よく収納することができ、またその取り出しも容易 に能率よく行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の一実施形態に係るボックス型パレッ
トを示す斜視図。

【図２】そのパレットにおける中間棚の裏面図。

【図３】その中間棚における係止棒のフック部を引き込
めた状態の裏面図。

【図４】その中間棚の側面図。

【図５】その中間棚を支持するヒンジ機構の側面図。

【図６】そのヒンジ機構の動作を順に示す動作説明図。

【符号の説明】

１…パレット ３…台車部 ４…ケージ ５，６…側面柵 ７…背面柵 ８…フレーム ９…格子材 １０…中間棚 １１…ヒンジ機構 １１ａ，１１ｂ…ヒンジピン １２…ヒンジ部材 １４…支持溝 ２０…係止機構 ２１…係止棒 ２３…操作プレート ２６…手掛け穴

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】台車部の上に、平面視がコ字状をなす前面
   開放のケージを設けてなる荷物搬送用のボックス型パレ
   ットにおいて、 前記ケージの内側奥部にヒンジ機構を介して中間棚が上
   下方向に回動可能に取り付けられ、この中間棚がケージ
   の内側の中間部にほぼ水平に配置する状態と、ケージの
   背面部に沿ってほぼ垂直に起立する状態とに保持可能と
   なっていることを特徴とする荷物搬送用ボックス型パレ
   ット。