JP3088645B2 - 電子写真用感光体およびその製造方法 - Google Patents

電子写真用感光体およびその製造方法

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JP3088645B2 JP07259053A JP25905395A JP3088645B2 JP 3088645 B2 JP3088645 B2 JP 3088645B2 JP 07259053 A JP07259053 A JP 07259053A JP 25905395 A JP25905395 A JP 25905395A JP 3088645 B2 JP3088645 B2 JP 3088645B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、導電性基体上に感
光層が形成された電子写真用感光体およびその製造方法
に関し、特に、複写画質を最適制御するのに適した電子
写真用感光体およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、複写機等の電子写真装置におけ
る画像形成プロセスは、複写(画像形成)スタートキー
入力を起点とし、予めプログラムされたシーケンスに従
って、感光体の駆動、感光体への電荷付与、露光による
潜像形成、現像、給紙、用紙への像転写、用紙への像定
着、感光体表面のクリーニング、および感光体の残留電
位除電の各工程が行われ、複写画像が得られるようにな
っている。
【0003】近年、複写画像の高画質化を求める市場要
求に応じて、一定濃度の良質な黒ベタ、ハーフトーン画
像を得るために、感光体の帯電電位、光学系ランプ電
圧、あるいはトナー濃度のような画像形成プロセス因子
の制御が行われている。
【0004】このような制御方法としては、具体的に
は、例えば、帯電電位、および露光後の表面電位を表面
電位計によって測定し、基準電位との差を求めることに
よって、帯電器の印加電圧や光源のランプ電圧を制御す
る方法、あるいは、一定濃度のパッチのトナー画像を感
光体の一部に形成し、そのトナー画像の濃度を光学セン
サで測定し、現像剤中のトナー比率を制御する方法等が
挙げられる。
【0005】上記制御方法は、何れも、感光体表面の一
部に静電潜像あるいはトナー画像を形成し、これら静電
潜像やトナー画像の表面電位、あるいはトナー画像濃度
を測定し、その測定情報をもとに、制御回路から出力さ
れた制御情報を用いて、良好な画像を得るために各プロ
セス因子を制御する方法であり、通常、原稿複写の前に
実行される。
【0006】上記静電潜像あるいはトナー画像は、例え
ば、複写スタートキー入力の信号を起点とし、設定時間
経過後に、複写機の原稿台の一部に設けられた一定濃度
のパッチを露光することで、あるいは露光後にトナーに
より現像することで、感光体表面に形成される。
【0007】ところが、複写スタートキーの信号入力時
における感光体の回転開始位置は一定していない。この
ため、該回転開始位置の変化に対応して、感光層表面に
おけるパッチの静電潜像あるいはトナー画像の形成位置
も変化することになる。
【0008】この結果、感光体の形状精度(真円度)や
回転振れ精度等の機械的なばらつき、あるいは、感光体
表面上の位置による感光性能のばらつき等により、一定
濃度のパッチを用いたとしても、その形成位置により、
上記パッチの静電潜像から得られる表面電位、あるい
は、トナー画像から得られるトナー画像濃度の測定値、
即ち光学センサの出力が異なる。それ故、良好な画像を
得るための制御情報が複写動作毎にばらつくので、最適
な複写画像が一定して得られないという問題が生じてい
る。
【0009】そこで、近年、一定濃度のパッチに対する
露光後の静電潜像の表面電位、あるいはトナー画像の濃
度等の測定が、複写動作毎に感光体上の常に同じ位置で
行われるように、感光体上に、基準位置となるマーキン
グ領域を設けることがなされている。このようなマーキ
ング領域を有する電子写真用感光体として、例えば、特
開平6−35379号公報には、研削用の砥石や研削加
工テープ、あるいは、研削剤等により形成されたマーキ
ング領域を備えた電子写真用感光体が開示されている。
また、特開平6−149136号公報には、レーザ光線
により研削加工成形されてなるマーキング領域を備えた
電子写真用感光体が開示されている。
【0010】尚、上記感光体としては、無公害で、成膜
および製造が容易である等の利点から、有機系の光導電
材料を用いた感光体が多く使用され、その中でも、電荷
発生層および電荷輸送層を積層した、いわゆる積層型感
光体が主流となっている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、これまで実
用化されている積層型感光体は、光感度が不十分、感光
体表面の残留電位が高い、光応答性が悪い等の電気特性
上の問題点を有している。そこで、感光層の膜厚を厚く
することで光感度を向上させる方法がとられているが、
感光層の膜厚を厚く(膜厚30μm〜40μm) すると、複
写画質における文字の輪郭の美しさ(いわゆるキレ)や
鮮明さを低下させるという新たな問題点が生じる。
【0012】一方、文字のキレや鮮明さを向上させるた
めに、感光材料や、感光層の構成を改良することによ
り、感光層の膜厚が25μm未満の感光体が開発されてい
る。ところが、このような感光体に、プロセス因子の制
御を目的とする前述のマーキング領域を設けると、マー
キング領域に対応する位置に形成される感光層の表面の
平滑性等が悪くなる。このため、クリーニング不良や、
トナー落ち等の不具合が生じるという別の問題点を招来
する。
【0013】そこで、プロセス因子の制御を実行できる
と共に、感光層の膜厚を薄くしても、クリーニング不良
や、トナー落ち等の不具合を生じない感光体が求められ
ている。
【0014】本願発明者等は、上記不具合が生じない感
光体を得るべく、鋭意検討した結果、導電性基体上にマ
ーキング領域が設けられた感光体において、マーキング
領域に対応する位置に形成された感光層の最大表面粗
さ、およびマーキング領域の相対的反射率を規定するこ
とにより、感光層の膜厚を薄くしても、常に安定した複
写画像が得られることを見いだして、本発明を完成させ
た。即ち、本発明は上記問題点に鑑みなされたものであ
って、その目的は、常に安定した良好な複写画像を得る
ことができる電子写真用感光体およびその製造方法を提
供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明にか
かる電子写真用感光体は、上記の課題を解決するため
に、導電性基体上に、感光層が形成されてなる電子写真
用感光体において、上記感光層の膜厚が25μm以下であ
る一方、上記導電性基体は、第1表面部と、上記第1表
面部とは異なる光学的反射特性を有する第2表面部とを
備え、上記第2表面部に対応する位置に形成された感光
層の最大表面粗さが2.5 μm以下であり、かつ、第1表
面部の光学的反射率に対する第2表面部の光学的反射率
の比が、0.3 〜0.7 の範囲内にあることを特徴としてい
る。
【0016】請求項1記載の構成によれば、感光層の膜
厚が25μm以下であり、第2表面部に対応する位置に形
成された感光層の最大表面粗さを2.5 μm以下に規定
し、かつ、第1表面部の光学的反射率に対する第2表面
部の光学的反射率の比を0.3 〜0.7 の範囲内に規定して
いる。このため、感光層の膜厚を薄く、25μm以下と
た場合においても、第2表面部に対応する位置に形成さ
れた感光層の表面の平滑性等を高め、薄膜化によって生
じるクリーニング不良やトナー落ち等の弊害を防止する
ことができる。また、このように、感光層の膜厚を薄く
した場合においても、第2表面部を設けることができ、
複写画質における文字の輪郭の美しさや鮮明さを向上さ
せることができる。従って、クリーニング不良やトナー
落ち等の不具合を防止し、かつ、第2表面部の形成位置
を基準とした画像形成プロセス因子の制御を正確に行う
ことができるので、常に安定した良好な複写画像を得る
ことができる。
【0017】請求項2記載の発明にかかる電子写真用感
光体は、上記の課題を解決するために、導電性基体上
に、感光層が形成されてなる電子写真用感光体におい
て、上記導電性基体は、第1表面部と、上記第1表面部
とは異なる光学的反射特性を有する第2表面部とを備
え、上記導電性基体における第2表面部の最大表面粗さ
が12.7μm以下であると共に、上記第2表面部に対応す
る位置に形成された感光層の最大表面粗さが2.5 μm以
下であり、かつ、第1表面部の光学的反射率に対する第
2表面部の光学的反射率の比が、0.3 〜0.7 の範囲内に
あることを特徴としている。
【0018】請求項2記載の構成によれば、導電性基体
における第2表面部の最大表面粗さが12.7μm以下であ
り、第2表面部に対応する位置に形成された感光層の最
大表面粗さを2.5 μm以下に規定し、かつ、第1表面部
の光学的反射率に対する第2表面部の光学的反射率の比
を0.3 〜0.7 の範囲内に規定している。このため、感光
層の膜厚を薄く(例えば25μm以下) した場合において
も、第2表面部に対応する位置に形成された感光層の表
面の平滑性等を高め、薄膜化によって生じるクリーニン
グ不良やトナー落ち等の弊害を防止することができる。
また、このように、感光層の膜厚を薄くした場合におい
ても、第2表面部を設けることができ、複写画質におけ
る文字の輪郭の美しさや鮮明さを向上させることができ
る。従って、クリーニング不良やトナー落ち等の不具合
を防止し、かつ、第2表面部の形成位置を基準とした画
像形成プロセス因子の制御を正確に行うことができるの
で、常に安定した良好な複写画像を得ることができる。
【0019】請求項3記載の発明にかかる電子写真用感
光体は、上記の課題を解決するために、導電性基体上
に、感光層が形成されてなる電子写真用感光体におい
て、上記感光層の膜厚が25μm以下である一方、上記導
電性基体は、第1表面部と、上記第1表面部とは異なる
光学的反射特性を有する第2表面部とを備え、上記導電
性基体における第2表面部の最大表面粗さが12.7μm以
下であると共に、上記第2表面部に対応する位置に形成
された感光層の最大表面粗さが2.5 μm以下であり、か
つ、第1表面部の光学的反射率に対する第2表面部の光
学的反射率の比が、0.3 〜0.7 の範囲内にあることを特
徴としている。
【0020】請求項3記載の構成によれば、感光層の膜
厚が25μm以下であり、導電性基体における第2表面部
の最大表面粗さが12.7μm以下であり、第2表面部に対
応する位置に形成された感光層の最大表面粗さを2.5 μ
m以下に規定し、かつ、第1表面部の光学的反射率に対
する第2表面部の光学的反射率の比を0.3 〜0.7 の範囲
内に規定している。このため、感光層の膜厚を薄く、25
μm以下とした場合においても、第2表面部に対応する
位置に形成された感光層の表面の平滑性等を高め、薄膜
化によって生じるクリーニング不良やトナー落ち等の弊
害を防止することができる。また、このように、感光層
の膜厚を薄くした場合においても、第2表面部を設ける
ことができ、複写画質における文字の輪郭の美しさや鮮
明さを向上させることができる。従って、クリーニング
不良やトナー落ち等の不具合を防止し、かつ、第2表面
部の形成位置を基準とした画像形成プロセス因子の制御
を正確に行うことができるので、常に安定した良好な複
写画像を得ることができる。
【0021】請求項記載の発明にかかる電子写真用感
光体は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の
電子写真用感光体において、上記感光層は、ガラス転移
点近傍の温度でアニーリングすることにより表面処理さ
れてなることを特徴としている。
【0022】請求項記載の構成によれば、感光層は、
ガラス転移点近傍の温度でアニーリングすることにより
表面処理されてなっている。このため、感光層表面の粗
さをより一層抑えることができる。即ち、請求項1の作
用に加えて、電子写真用感光体における平滑性等の表面
性をより一層向上させることができる。従って、画像形
成プロセス因子の制御に、より優れた性能を発揮するこ
とができる。
【0023】請求項の発明にかかる電子写真用感光体
の製造方法は、上記の課題を解決するために、第1表面
部と、上記第1表面部とは異なる光学的反射特性を有す
る第2表面部とを備えた導電性基体上に、感光液を塗布
することにより感光層を形成する電子写真用感光体の製
造方法において、上記導電性基体を、上記第2表面部の
上縁部が重力方向に対して垂直とならない状態に保持
し、上記感光液を塗布することを特徴としている。
【0024】請求項記載の方法によれば、請求項1記
載の電子写真用感光体を製造する製造過程において、上
記感光層を形成する際に、第2表面部の上縁部が重力方
向に対して垂直とならない状態に導電性基体を保持す
る。これにより、過剰に塗布された感光液は、第2表面
部の上縁部を伝って流れ落ちる。そのため、請求項1記
載の電子写真用感光体を製造する際に、該感光体の形
状、感光層の形成時における該感光体の向き、および上
記第2表面部の形状や大きさに関係なく、塗布不良(い
わゆる液タレ現象)を防止することができる。従って、
画像形成プロセス因子の制御に、より優れた性能を発揮
することができる。
【0025】請求項の発明にかかる電子写真用感光体
の製造方法は、上記の課題を解決するために、第1表面
部を備えた導電性基体上に、上記第1表面部とは異なる
光学的反射特性を有するように第2表面部を形成し、洗
浄後、この導電性基体上に感光液を塗布することにより
感光層を形成する電子写真用感光体の製造方法におい
て、洗浄および塗布の少なくとも一方を行うに際して、
上記導電性基体を、第2表面部が重量方向に関して画像
形成域より下側になるように保持することを特徴として
いる。
【0026】請求項記載の方法によれば、たとえ第2
表面部下側に洗浄・塗布不良が起こったとしても、画像
形成域外で起こるため、画像を損なうことがない。
【0027】請求項の発明にかかる電子写真用感光体
の製造方法は、上記の課題を解決するために、第1表面
部を備えた導電性基体上に、上記第1表面部とは異なる
光学的反射特性を有するように第2表面部を形成し、
浄後、この導電性基体上に感光液を塗布することにより
感光層を形成する電子写真用感光体の製造方法におい
て、浸漬洗浄または浸漬塗布する際の導電性基体の引上
げ方向に対して垂直とはならない方向に連続する未加工
部分を有するように上記第2表面部を形成することを特
徴としている。
【0028】請求項記載の方法によれば、未加工部分
を通じて洗浄液や感光液が流れやすくなる。このため、
過剰な洗浄液や感光液が付着せず、洗浄または塗布時の
不良を無くすことができると共に、次の工程に移行する
までの時間を短くすることができる。
【0029】請求項の発明にかかる電子写真用感光体
の製造方法は、上記の課題を解決するために、第1表面
部を備えた導電性基体上に、上記第1表面部とは異なる
光学的反射特性を有するように第2表面部を形成し、こ
の導電性基体上に感光液を塗布することにより感光層を
形成する電子写真用感光体の製造方法において、上記第
2表面部に、感光層形成時の導電性基体の重力方向に直
行する方向に第1溝部を形成することを特徴としてい
る。
【0030】請求項記載の方法によれば、過剰な感光
液を第1溝部の両端に集中させて流し落とすことができ
る。このため、塗布不良が起こる部分の横幅(面積)を
狭く(小さく)することができ、接着強度を向上させる
ことができると共に、次の工程に移行するまでの時間を
短くすることができる。
【0031】請求項の発明にかかる電子写真用感光体
の製造方法は、上記の課題を解決するために、請求項
記載の電子写真用感光体の製造方法において、上記第1
溝部に第2溝部を導電性基体の端縁まで繋げて設けるこ
とを特徴としている。
【0032】請求項記載の方法によれば、第1溝部の
両端に集中させた過剰な感光液を強制的に流し落とすこ
とができる。従って、接着強度をさらに向上させること
ができると共に、次の工程に移行するまでの時間をさら
に短くすることができる。
【0033】請求項10の発明にかかる電子写真用感光
体は、上記請求項5ないし9のいずれか1項に記載の電
子写真用感光体製造方法によって形成されることを特徴
としている。
【0034】請求項10の記載の構成によれば、請求項
5ないし9のいずれか1項に記載の電子写真用感光体製
造方法によって電子写真用感光体を形成することができ
る。
【0035】
【発明の実施の形態】本発明の一実施の形態について図
1ないし図9に基づいて説明すれば、以下の通りであ
る。
【0036】図1に示すように、本実施の形態にかかる
感光体(電子写真用感光体)1は、例えば円筒状の素管
である導電性基体2と、導電性基体2上に形成された感
光層3とを備えた構成となっている。導電性基体2は、
その表面に、所定の光学的反射特性を有する非マーキン
グ領域(第1表面)5と、該非マーキング領域5とは異
なる反射特性を有するマーキング領域4とを備えてい
る。また、上記感光層3は、光導電層を有している。
尚、感光層3の構成およびその形成方法については後述
する。
【0037】上記導電性基体2は円筒状に限らず、例え
ば、板状、無端ベルト状等であってもよい。また、導電
性基体2は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合
金、ステンレス鋼、銅、ニッケル等の金属材料からなっ
ている。尚、導電性基体2の表面には、印字画像の鮮明
さを向上させるため、鏡面仕上げ等の各種切削加工や研
磨加工またはインパクト成形がなされている。
【0038】上記マーキング領域4は、該導電性基体2
上に、例えば導電性基体2の表面を粗くすることによっ
て形成されている。そして、上記マーキング領域4は、
一定濃度のパッチに対する露光後の表面電位、あるいは
露光後のトナー画像濃度等の測定が、感光体1上の常に
同じ位置で行われるように、基準位置を示す信号源とな
っている。
【0039】マーキング領域4の形成位置は、導電性基
体2上で、かつ、光導電層の下であれば特に限定される
ものではない。但し、マーキング領域4を、導電性基体
2表面における画像形成域に設けると、マーキング領域
4が複写画像に影響を及ぼす虞れがある。つまり、マー
キング領域4と非マーキング領域5とでは、微妙な光感
度の差が生じるため、コピー等の最終アウトプットに違
いが生じる虞れがある。このため、マーキング領域4は
画像形成域外に設けることが好ましい。
【0040】また、画像形成域外にマーキング領域4を
設ける場合で、しかも、現像ギャップを保つために図示
しない現像ギャップ保持治具(コロ)を使用する場合に
は、現像ギャップ保持治具接触域を避けてマーキング領
域4を設けることが好ましい。マーキング領域4を現像
ギャップ保持治具の接触域に設けると、現像ギャップ保
持治具が繰り返しマーキング領域4に接触する。このた
め、該接触域表面、即ち、マーキング領域4が劣化する
ため、好ましくない。さらに、感光体1表面は、繰り返
し使用することによって、現像剤や紙粉により汚染され
てくる。従って、使用開始後に、マーキング領域4の光
反射率がなるべく変化しないように、クリーニングブレ
ード等のクリーナーが接触する接触域に、上記マーキン
グ領域4を設けることが好ましい。
【0041】上記マーキング領域4の形状は、特に限定
されるものではなく、具体的には、例えば、角形、楕円
形、円形、もしくは不定形であってもよい。
【0042】また、形成されるマーキング領域4の大き
さ、および個数についても特に限定されるものではな
い。
【0043】上記マーキング領域4の形成方法は、特に
限定されるものではなく、レーザ光線を用いる方法、研
削用の砥石や研削加工テープを用いる方法、あるいは、
研削剤を用いる方法等が挙げられる。その中でも、レー
ザ光線による研削加工が、常に安定した表面性状を得る
ことができると共に、自動化が容易であり、時間的にも
加工精度的にも非常に有効である。レーザ光線を用いる
ことにより、研削加工をドライプロセスで行うことがで
きるので、その後に実施される感光層3形成時におい
て、感光体特性に対しほとんど影響を与えない。このた
め、感光体1製造における歩留の低下を抑制することが
できる。
【0044】レーザ装置としては、具体的には、例え
ば、YAGレーザ、炭酸ガスレーザ等が挙げられるが、
特に限定されるものではない。レーザ光線の出力条件と
しては、特に限定されるものではないが、例えば、YA
Gレーザを用いて、感光層3の膜厚が25μm以下の感光
体1にマーキング領域4を形成する場合、感光体1製造
後の感光層3表面の平滑性等を考慮して、周波数1KHz
〜8KHz 、電流値10A〜30Aの範囲内で使用するのが好
ましい。つまり、レーザ光線の出力条件は、導電性基体
2の材質、所望するマーキング領域4の大きさ、感光層
3の膜厚、およびレーザ装置の種類等の諸条件に応じて
適宜設定すればよい。
【0045】このようにして形成されたマーキング領域
4は、非マーキング領域5と比較して、光反射率等の光
学的反射特性が異なる。即ち、図2に示すように、感光
層3に吸収されない光(例えば、波長 900μmの赤外線
等) を感光体1に照射すると、感光層3を透過した光
は、非マーキング領域5では同一方向に殆ど反射する。
しかしながら、マーキング領域4では、マーキング領域
4の表面が粗いため、乱反射する。さらに、感光層3を
透過した光は、マーキング領域4に対応する位置に形成
された感光層3の表面でも、若干、乱反射する。
【0046】そこで、本願発明者等は、該感光体1にお
ける、マーキング領域4の最大表面粗さ(以下、基体表
面粗度と称する)と、マーキング領域4に対応する位置
に形成された感光層3の最大表面粗さ(以下、塗膜表面
粗度と称する)との関係、および基体表面粗度と、非マ
ーキング領域5の反射率を1とした場合のマーキング領
域4の相対的反射率(以下、説明の便宜上、SN値と称
する)との関係について、鋭意検討した。その結果、図
3および表1に示す知見が得られた。尚、以下の説明に
おいて使用する感光層3の膜厚は24μmである。
【0047】また、このようにして形成されたマーキン
グ領域4は、非マーキング領域5と比較して、光反射率
等の光学的反射特性が異なる。即ち、図2に示すよう
に、感光層3に吸収されない光(例えば、波長 900μm
の赤外線等) を感光体1に照射すると、感光層3を透過
した光は、非マーキング領域5では同一方向に殆ど反射
する。しかしながら、マーキング領域4では、マーキン
グ領域4の表面が粗いため、乱反射する。さらに、感光
層3を透過した光は、マーキング領域4に対応する位置
に形成された感光層3の表面でも、若干、乱反射する。
【0048】そこで、本願発明者等は、該感光体1にお
ける、マーキング領域4の最大表面粗さ(以下、基体表
面粗度と称する)と、マーキング領域4に対応する位置
に形成された感光層3の最大表面粗さ(以下、塗膜表面
粗度と称する)との関係、および基体表面粗度と、非マ
ーキング領域5の反射率を1とした場合のマーキング領
域4の相対的反射率(以下、説明の便宜上、SN値と称
する)との関係について、鋭意検討した。その結果、図
3および表1に示す知見が得られた。尚、以下の説明に
おいて使用する感光層3の膜厚は24μmである。
【0049】
【表1】
【0050】図3および表1に示した結果から明らかな
ように、基体表面粗度が大きくなるに従って、塗膜表面
粗度は大きくなり、逆に、SN値は小さくなることが判
る。
【0051】ところで、マーキング領域4の検出は、電
子写真装置の本体側に設けられた、図示しない反射率検
知センサを用いて、感光層3の上方から行われる。つま
り、反射率検知センサによって検知された反射率が、2
つの閾値で表される範囲内に入っているか否かで、マー
キング領域4を検出するようになっている。
【0052】従って、上記SN値を規定することで、感
光体1の帯電電位、光学系ランプ電圧、あるいはトナー
濃度等の画像形成プロセス因子の制御を正確に行うこと
ができると共に、マーキング領域4に対応する位置に形
成された感光層3の表面の粗さを抑えることができる。
即ち、図3および表1から明らかなように、SN値が1
に近づく程、感光層3表面の粗さは抑えられるが、逆
に、マーキング領域4と非マーキング領域5との光学的
反射特性の差は小さくなる。一方、SN値が小さくなる
程、感光層3の表面は粗くなる。
【0053】そこで、本願発明者等が種々検討した結
果、上記プロセス因子の制御を正確に行うと共に、前記
したクリーニング不良やトナー落ち等の不具合を抑制す
るためには、SN値を0.3 〜0.7 の範囲内に規定する必
要があることを見い出した。即ち、プロセス因子の制御
を正確に行うためには、マーキング領域4を形成する際
の加工のバラツキや、反射率検知センサの検知のバラツ
キ、および感光体1の寿命がくるまでに該感光体1表面
につくキズ等を考慮して、SN値の上限を0.7 にする必
要がある。一方、塗膜表面粗度を 2.5μm以下に抑える
と、クリーニング不良やトナー落ち等の不具合が生じる
のを防ぐことができるため、図3および表1の結果か
ら、SN値の下限を0.3 に設定した。そこで、反射率検
知センサによって、0.3 〜0.7 の範囲内のSN値が検知
された場合に、そのSN値を検知した領域をマーキング
領域4であると判別させるプログラムを、本体側の図示
しない制御装置に入れておけばよい。さらに、本願発明
者等は、感光層3の膜厚やレーザ光線の出力条件等の種
々の条件の変化を考慮して、クリーニング不良やトナー
落ち等の不具合が生じるのを防止するため、上記SN値
の規定に加えて、塗膜表面粗度を 2.5μm以下に規定し
た。
【0054】即ち、コピー画質における文字の輪郭の美
しさ(いわゆる、キレ)や鮮明さを向上させるために
は、感光層3の膜厚を薄く(25μm以下)することが好
ましいが、従来の電子写真感光体においては、感光層の
膜厚が薄い感光体にマーキング領域を設けると、クリー
ニング不良やトナー落ち等の不具合が生じるという問題
点があった。これに対し、本願の感光体1においては、
塗膜表面粗度、およびSN値を上記範囲内に規定するこ
とで、感光層3の膜厚を薄く(25μm以下) しても、マ
ーキング領域4に対応する位置に形成された感光層3の
表面の平滑性等を高め、薄膜化によって生じるクリーニ
ング不良やトナー落ち等の弊害を防止することができる
ようになっている。さらに、膜厚の薄い感光層3を用
い、かつ、マーキング領域4を設けることができるの
で、コピー画質における文字の輪郭の美しさや鮮明さを
向上させることができる。
【0055】尚、上記反射率検知センサに用いる光の波
長は任意に選べるが、空気中の塵芥、感光層3表面の汚
れ、感光層3の欠陥の影響をなるべく少なくするため、
例えば、850 μm、900 μm等の赤外光を用いることが
好ましい。
【0056】また、レーザ光線による研削加工を用いて
マーキング領域4を形成する場合、レーザ光線をパルス
発信させてドット加工するのが一般的であり、図6に示
すように、1つのドット9は、レーザ光線の出力にもよ
るが、例えば直径80μm〜200 μm、深さ20μm〜30μ
mの窪みを形成する。この場合、加工状態、即ち、マー
キング領域4の表面性は、ドット9同士の間隔( ドット
9の中心から隣合うドット9の中心までの距離)を適宜
変更することによってコントロールすることができる。
【0057】通常、マーキング領域4を形成する際のド
ット9同士の間隔は、一定に設定されており、洗浄また
は塗布液(感光液)6(図4参照)の塗布時における導
電性基体2の重力方向(例えば浸漬洗浄または浸漬塗布
する際には導電性基体2の引上げ方向)に対して平行と
なる横方向のドット間隔をピッチa、導電性基体2の引
上げ方向に対して垂直となる縦方向のドット間隔をピッ
チbとすると、a=bとなる場合が多い。
【0058】しかし、上記のように、ピッチaとピッチ
bが同一である場合、マーキング領域4においては、塗
布液6、あるいは洗浄液が、非マーキング領域5よりも
多くなるため、指触乾燥(自然乾燥)までの時間が長く
かかる。このため、次の工程までの時間が長くかかる。
このとき、指触乾燥前に次の工程に移行すると、次の工
程の塗布液6、あるいは洗浄液の中に、前の工程の材料
が入り、汚染される。
【0059】そこで、本願発明者等は、マーキング領域
4全体を均一に粗す代わりに、図6に示すように、上記
ピッチaをピッチbより大きくして、洗浄または塗布液
6の塗布時における導電性基体2の重力方向に対して平
行で微小な幅の連続した未加工部分10、即ち、ドット
9が形成されてない部分を有するようにマーキング領域
4を形成することで、洗浄または塗布時の不良を防止す
ることができることを見いだした。
【0060】つまり、上記未加工部分10は、非マーキ
ング領域5と表面性が同じであり、マーキング領域4内
に未加工部分10を設けることで、未加工部分10を通
じて洗浄液や塗布液6が流れやすくなるため、過剰な洗
浄液や、塗布液6が付着せず、洗浄または塗布時の不良
を無くすことができる。
【0061】また、図7に示すように、洗浄または塗布
液6の塗布時における導電性基体2の重力方向(例えば
浸漬洗浄または浸漬塗布する際には導電性基体2の引上
げ方向)に対して平行となる横方向のドット間隔をピッ
チa’、導電性基体2の引上げ方向に対して垂直となる
縦方向のドット間隔をピッチb’とすると、ピッチa’
をピッチb’より大きくして、洗浄または塗布液6の塗
布時における導電性基体2の重力方向に対して傾斜する
微小な幅の連続的した未加工部分10を有するように、
マーキング領域4内に、格子状のドットパターンを形成
してもよい。この場合にも、未加工部分10を通じて洗
浄液や塗布液6が流れやすくなるため、過剰な洗浄液
や、塗布液6が付着せず、洗浄または塗布時の不良を無
くすことができる。
【0062】また、以上のように、洗浄または塗布液6
の塗布時における導電性基体2の重力方向に対して垂直
とならないような連続した未加工部分10を有するよう
にマーキング領域4を形成することで、次の工程に移行
するまでの時間(タクトタイム)を短くすることができ
る。
【0063】このとき、ピッチaあるいはピッチa’
は、特に限定されるものではないが、ピッチbあるいは
ピッチb’の1倍を越えて2倍の大きさで形成されてい
ることが好ましく、1.25倍〜2倍の範囲内となるように
形成されていることがさらに好ましい。ピッチaあるい
はピッチa’が、ピッチbあるいはピッチb’より大き
く形成されていることで、洗浄または塗布液6の塗布時
における導電性基体2の重力方向に対して垂直とならな
いような未加工部分10を設けることができるが、ピッ
チaあるいはピッチa’が、ピッチbあるいはピッチ
b’の2倍より大きく形成されている場合、未加工部分
10における塗布液6の導電性基体2への塗布量が、加
工部分、即ち、ドット9が形成されている部分における
塗布液6の導電性基体2への塗布量と異なるため、白抜
けや黒点等の画像不良が生じる虞れがあるため、好まし
くない。
【0064】また、図9に示すように、マーキング領域
4の下側部分である領域53(図中、斜線で示す)は、
加工部分を流れる過剰な洗浄液あるいは塗布液6によ
り、洗浄液や塗布液6が多く接触するため、感光層3の
厚みが厚くなる。
【0065】このため、例えば、洗浄液6中の残留物や
有機顔料を多く含む後述する電荷発生層等の厚みが厚く
なると、領域53における感光層3の導電性基体2に対
する接着強度が弱くなり、実使用においても、該感光体
1を搭載してなる例えば複写機等に用いられるクリーニ
ングブレード等による押接力により、感光層3が剥がれ
ることがある。
【0066】尚、接着強度とは、導電性基体2と感光層
3との付着力を表し、クリーニングブレードによる押接
力とは、通常、その弾性により感光体1に押圧されてい
るクリーニングブレードが、液タレ15(図4参照)の
発生部分(タレ部)の盛り上がりにより押し戻され、反
発力により上記タレ部にかかる圧力が高くなることを示
す。
【0067】そこで、マーキング領域4内に、図8およ
び図9に示すように、微小な加工溝(溝部)51(図
中、二点鎖線内の連続したドット部を示す)を、洗浄ま
たは塗布液6の塗布時における導電性基体2の重力方向
(例えば浸漬洗浄または浸漬塗布する際には導電性基体
2の引上げ方向)に対して直行するように形成すること
で、過剰な塗布液6を加工溝51の両端に集中させて流
し落とすことができる。このため、液タレ15等の塗布
不良が起こる部分の横幅(面積)を狭く(小さく)する
ことができ、上記クリーニングブレードがタレ部に押接
力をかける時間を短くすることができるため、実質的な
接着強度を向上させることができる。
【0068】つまり、領域53、即ち、感光層3の厚み
ムラが生じている部分の横幅が数mmにわたっていれ
ば、この部分の接着強度は、上記クリーニングブレード
の押接力に対する耐性が弱いため明らかに低下する。こ
れに対し、上記加工溝51を、例えばマーキング領域4
の幅と同じ長さに形成することで、液タレ15を加工溝
51の両端、即ち、マーキング領域4の両端に集中させ
ることができる。これにより、厚みムラが生じている部
分の横幅を例えば1mm程度と小さくすることができ、
上記クリーニングブレードの押接力がかかる時間を短く
することができるので、接着強度の低下を防止すること
ができる。つまり、加工溝51を形成する前と比較し
て、接着強度を向上させることができる。
【0069】また、加工溝51を設けることで、過剰な
塗布液6を加工溝51の両端に集中させて流し落とすこ
とができるので、前記タクトタイムの短縮を図ることが
できる。
【0070】さらに、図9に示すように、上記加工溝5
1の両端部、即ち、マーキング領域4の側端部に繋げ
て、洗浄または塗布液6の塗布時における導電性基体2
の重力方向に対して平行な加工溝52(図中、二点鎖線
内の連続したドット部を示す)を、導電性基体2の端部
まで形成することで、加工溝51の両端、即ち、マーキ
ング領域4の両端に集中させた過剰な塗布液6を強制的
に流し落とすことができるので、タクトタイムの短縮
と、前記領域53部分の接着強度をさらに向上させるこ
とができる。
【0071】上記加工溝51並びに加工溝52は、例え
ば、ドット9同士が部分的に重なるようにレーザ光線を
直線状に連続照射することによって、容易に形成するこ
とができる。このようにして形成された加工溝51にお
ける、上記引上げ方向に対して平行な間隔(幅)は、ド
ット9の直径とほぼ同じになるが、これに限定されるも
のではなく、上記引上げ方向において隣合うドット9と
重ならなければよい。上記引上げ方向において隣合うド
ット9と重なるように加工溝51を形成する場合、加工
溝51の幅が広くなりすぎて、フラットな部分が大きく
なるため、過剰な塗布液6を加工溝51に集中させるこ
とが困難となるため好ましくない。
【0072】上記加工溝51の場合と同様に、加工溝5
2における、上記引上げ方向に対して垂直な間隔(幅)
は、ドット9の直径とほぼ同じになるが、これに限定さ
れるものではなく、過剰な塗布液6を加工溝51に集中
させることができる幅であればよい。
【0073】上記加工溝51並びに加工溝52の深さ
は、特に限定されるものではないが、0.5 μm〜10μm
の範囲内が好ましく、1μm〜10μmの範囲内がさらに
好ましい。上記加工溝51並びに加工溝52の深さが0.
5 μmより浅ければ、通常用いられる導電性基体2の表
面粗さとほぼ同じか、導電性基体2よりフラットな状態
となるため、過剰な塗布液6を加工溝51、加工溝52
に集中させることが困難となるため好ましくない。一
方、上記加工溝51並びに加工溝52の深さが10μmよ
り深ければ、モアレ対策とならないため、好ましくな
い。
【0074】マーキング領域4において上記加工溝51
を形成する位置は、特に限定されるものではないが、マ
ーキング領域4の下端側に設けることが好ましく、上記
加工溝51の長さは、上述した理由により、マーキング
領域4の幅と同じ長さに形成することが好ましい。尚、
加工溝51の数は、特に限定されるものではない。
【0075】このようにしてマーキング領域4および非
マーキング領域5が設けられた導電性基体2上には、洗
浄工程を経た後、感光層3が形成される。
【0076】上記導電性基体2の洗浄は、例えば、図5
に示す洗浄装置を用いて、導電性基体2をレール7に配
置されたロボットハンド8で支持し、このロボットハン
ド8をレール7に沿って移動させて、各洗浄槽11・2
1・31・41上方で停止させた後、下降させることに
よって導電性基体2を洗浄槽11・21・31・41に
順に浸漬することによって行われる。
【0077】第1の洗浄槽11は界面活性剤が溶解した
純水の洗浄液18で満たされており、該洗浄液はヒータ
16により40℃〜60℃に加熱されている。また、第1の
洗浄槽11底部には超音波発振器17が備え付けられ、
導電性基体2浸漬時に超音波が発振するようになってい
る。そして、第1の洗浄槽11には、パイプ12から洗
浄液18が図示しないタンクより定常的に送りこまれて
いる。
【0078】導電性基体2の浸漬によりオーバーフロー
する洗浄液18は、配管13から排出される。排出され
た洗浄液18は、図示しない排液処理装置で処理され
る。
【0079】第1の洗浄槽11における洗浄により基体
表面から除去された油、ダスト、切粉が分散している洗
浄後の洗浄液18は、配管19からポンプ14によりフ
ィルター20を経て循環し、ダスト、切粉はフィルター
20に補足される。
【0080】第2の洗浄槽21、第3の洗浄槽31、第
4の洗浄槽41には、それぞれ洗浄液25、洗浄液3
5、洗浄液45として、25℃の純水が満たされている。
各洗浄槽21・31・41の底部には、それぞれ超音波
発振器24・34・44が配備され、各洗浄槽21・3
1・41の洗浄液25・35・45は、それぞれ配管2
6・36・46からポンプ22・32・42によりフィ
ルター23・33・43を経て循環し、該フィルター2
3・33・43によってダスト、切粉が補足される。
【0081】各洗浄槽21・31・41において、洗浄
液25・35・45として用いられる純水は、タンク6
0から先ず第4の洗浄槽41に供給され、第4の洗浄槽
41からオーバーフローにより第3の洗浄槽31に供給
される。次いで、第3の洗浄槽31からオーバーフロー
により第2の洗浄槽21に供給され、第2の洗浄槽21
からオーバーフローする液は、配管27から排出され、
図示しない排液処理装置で処理される。
【0082】導電性基体2を洗浄槽11・21・31・
41に浸漬する際には、導電性基体2を、第1の洗浄槽
11、第2の洗浄槽21、第3の洗浄槽31、第4の洗
浄槽41の順で、それぞれ 0.5分間〜10分間、好ましく
は 1.5分間〜5分間浸漬することで、洗浄を行う。尚、
浸漬洗浄中は、必要に応じて導電性基体2を振動させて
もよい。
【0083】このようにして洗浄された導電性基体2
は、例えば、クリーン度100 に保たれたクリーンブース
内で80℃のクリーンエアーを吹きつけることによって乾
燥させてから、次の工程、即ち、感光層3の形成工程へ
と移行する。
【0084】上記感光層3は、導電性基体2上に形成さ
れたバリアー層と、該バリアー層上に形成された光導電
層とからなっている。
【0085】上記のバリアー層としては、従来公知のも
のを用いることができ、具体的には、例えば、アルミニ
ウム陽極酸化被膜、酸化アルミニウム、水酸化アルミニ
ウム等の無機層;ポリビニルアルコール、カゼイン、ポ
リビニルピロリドン、ポリアクリル酸、セルロース類、
ゼラチン、デンプン、ポリウレタン、ポリイミド、ポリ
アミド等の有機層等が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。尚、バリアー層の膜厚は、特に限定される
ものではない。また、バリアー層を設けない構成、つま
り、導電性基体2上に光導電層を設けることにより、感
光層3を形成してもよい。
【0086】光導電層としては、具体的には、例えば、
セレン、ヒ素−セレン合金、セレン−テルル合金、アモ
ルファスシリコン等の無機系光導電層;有機系光導電
層;無機・有機複合型光導電層等が挙げられるが、特に
限定されるものではない。また、上記有機系光導電層と
しては、具体的には、例えば、電荷発生層および電荷輸
送層を用いるいわゆる積層型光導電層;電荷輸送媒体中
に電荷発生物質粒子を分散させたいわゆる分散型光導電
層等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
【0087】上記積層型光導電層において、電荷発生層
は、光照射により電荷を発生する電荷発生物質を含有し
ている。該電荷発生物質としては、特に限定されるもの
ではないが、具体的には、例えば、セレンおよびその合
金、ヒ素−セレン合金、硫化カドミニウム、酸化亜鉛、
その他の無機光導電物質;フタロシアニン、アゾ染料、
キナクリドン、多環キノン、ピリリウム、チアピリリウ
ム、インジゴ、チオインジゴ、アントアントロン、ピラ
ントロン、シアニン等の各種有機顔料あるいは染料が使
用できる。中でも、フタロシアニン、銅塩化インジウ
ム、塩化ガリウム、塩化錫、チタン酸化物;亜鉛、バナ
ジウム等の金属またはその酸化物;塩化物が配位したフ
タロシアニン類;モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、ポ
リアゾ等のアゾ染料が好ましい。
【0088】電荷発生層は、上記電荷発生物質の蒸着膜
であってもよく、また、電荷発生物質の微粒子をバイン
ダー樹脂で結着してなる分散層であってもよい。
【0089】上記バインダー樹脂としては、具体的に
は、例えば、ポリビニルアセテート、ポリアクリル酸エ
ステルやポリメタクリル酸エステル等のポリエステル、
ポリカーボネート、ポリビニルアセトアセタール、ポリ
ビニルプロピオナール、ポリビニルブチラール、フェノ
キシ樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、セルロースエ
ステル、セルロースエーテル等が挙げられるが、特に限
定されるものではない。
【0090】電荷発生物質のバインダー樹脂に対する割
合は、バインダー樹脂 100重量部に対して、30重量部〜
500重量部の範囲内であればよい。また、電荷発生層の
膜厚は、0.1 μm〜2μmが好ましく、0.15μm〜0.8
μmがさらに好ましい。電荷発生層の膜厚が2 μmを越
えると、感光層3の膜厚が厚くなり、コピー画質におけ
る文字の輪郭の美しさ、鮮明さを低下させることになる
ため、好ましくない。尚、電荷発生層には、必要に応じ
て、塗布性を改善するためのレベリング剤、酸化防止
剤、増感剤等の各種添加剤が添加されていてもよい。
【0091】一方、上記積層型光導電層において、電荷
輸送層は、電荷発生物質が発生した電荷を受入れ、この
電荷を輸送する能力を有する電荷輸送物質と、バインダ
ー樹脂とからなっている。該電荷輸送物質としては、具
体的には、例えば、ポリ−N−ビニルカルバゾールおよ
びその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリルエチルグルタメ
ートおよびその誘導体、ピレン−ホルムアルデヒド縮合
物およびその誘導体、ポリビニルピレン、ポリビニルフ
ェナントレン、オキサゾール誘導体、オキソジアゾール
誘導体、イミダゾール誘導体、9−(p−ジエチルアミ
ノスチリル) アントラセン、1,1 −ビス(4−ジベンジ
ルアミノフェニル)プロパン、1,1 −ビス( p−ジエチ
ルアミノフェニル) −4,4 −ジフェニル− 1,3−ブタジ
エン、スチリルアントラセン、スチリルピラゾリン、フ
ェニルヒドラゾン類、ヒドラゾン誘導体等の電子供与性
物質;フルオレノン誘導体、ジベンゾチオフェン誘導
体、インデノチオフェン誘導体、フェナンスレンキノン
誘導体、インデノピリジン誘導体、チオキサントン誘導
体、ベンゾ[c]シンノリン誘導体、フェナジンオキサ
イド誘導体、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノ
リジメタン、プロマニル、クロラニル、ベンゾキノン等
の電子受容性物質等が挙げられるが、特に限定されるも
のではない。
【0092】上記バインダー樹脂としては、電荷輸送物
質と相溶性を有するものであればよく、具体的には、例
えば、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリ
塩化ビニル等のビニル重合体およびこれらの共重合体;
ポリカーボネート、ポリエステル、ポリエステルカーボ
ネート、ポリスルホン、ポリイミド、フェノキシ、エポ
キシ、シリコーン樹脂等が挙げられ、さらに、それらの
部分的架橋硬化物等も使用できるが、特に限定されるも
のではない。
【0093】電荷輸送物質のバインダー樹脂に対する割
合は、バインダー樹脂 100重量部に対して、30重量部〜
200重量部の範囲内であればよく、好ましくは40重量部
〜 150重量部の範囲内であればよい。また、電荷輸送層
の膜厚は、10μm〜60μmが好ましく、10μm〜45μm
がさらに好ましい。また、コピー画質における文字の輪
郭の美しさや鮮明さをより一層向上させるために、感光
層3の膜厚を25μm以下にすることが好ましく、従っ
て、電荷輸送層は、より薄い方が好ましい。尚、上記電
荷輸送層には、必要に応じて、酸化防止剤、増感剤等の
各種添加剤が添加されていもよい。
【0094】さらに、積層型光導電層を光導電層として
用いる場合には、例えば熱可塑性重合体あるいは熱硬化
性重合体を主体とする従来公知のオーバーコート層を設
けることもできる。
【0095】上記分散型光導電層は、上述した配合比の
バインダー樹脂と電荷輸送物質とを主成分とするマトリ
ックス中に、前述の電荷発生物質が分散されてなってい
る。電荷発生物質の粒子径は充分小さいことが必要であ
り、0.5 μm以下で使用されることが好ましい。上記マ
トリックスに対する電荷発生物質の割合は、0.5 重量%
〜50重量%の範囲内であればよく、好ましくは、1 重量
%〜20重量%の範囲内であればよい。尚、上記電荷発生
物質の量が0.5 重量%より少ないと充分な感度が得られ
ないため好ましくない。一方、50重量%より多いと帯電
性の低下や感度の低下等の弊害が生じるため好ましくな
い。
【0096】さらに、分散型光導電層の場合にも、必要
に応じて、成膜性、可撓性、機械的強度等を改良する可
塑剤、残留電位を抑制する添加剤、分散安定性を向上す
る分散補助剤、塗布性を改善するレベリング剤、界面活
性剤、例えばシリコーンオイル、フッ素系オイル、その
他の各種添加剤等を添加することができる。
【0097】感光層3を形成する形成方法(塗布方法)
は、特に限定されるものではないが、具体的には、例え
ば、浸漬塗布方法、リング方式塗布方法、およびスプレ
ー塗布方法等が挙げられる。
【0098】ところで、従来、例えば、浸漬洗浄方法を
用いた洗浄や、浸漬塗布方法(いわゆるディップ法)を
用いた塗布を行った場合、マーキング領域4表面の粗さ
のため、マーキング領域4と非マーキング領域5とでは
ぬれ性が異なり、マーキング領域4の形状、大きさ等に
よっては、図4に示すように、マーキング領域4を起点
とする液タレ現象等の洗浄・塗布不良等が発生し、液タ
レ15(図中、2点鎖線で示す)が生じる場合があっ
た。
【0099】洗浄・塗布不良による液タレ15の発生原
因としては、以下のように考えられる。導電性基体2の
表面性と、洗浄液18・25・35・45および塗布液
6の物性と、洗浄・塗布時における導電性基体2の引上
げ速度との関係から、導電性基体2上に付着する洗浄液
18・25・35・45および塗布液6の量は限定され
る。導電性基体2の引上げ途中において、導電性基体2
の表面性が異なる部分(マーキング領域4等)に達した
時、導電性基体2上に付着する洗浄液18・25・35
・45および塗布液6の量が変化する。上記マーキング
領域4は、その表面が粗いため、この部分で洗浄液18
・25・35・45および塗布液6の量が多くなり、マ
ーキング領域4と非マーキング領域5との境界部分で、
この過剰な洗浄液18・25・35・45および塗布液
6が、液タレ15として発生する。
【0100】このとき、上記導電性基体2を、マーキン
グ領域4が画像形成域の上方になるように保持して洗
浄、塗布を行う場合、マーキング領域4に保持された前
記洗浄液18・25・35・45あるいは塗布液6が、
画像形成域外におけるマーキング領域4以外の部分の量
より多くなるため、液タレ15により、マーキング領域
4下側にあたる画像形成域の画像を損ない、感光体1の
潜像ムラ、即ち、コピームラ等を引き起こすことにな
る。
【0101】そこで、上記導電性基体2を、マーキング
領域4が画像形成域の下方になるように保持して洗浄、
塗布を行うことで、つまり、マーキング領域4を画像形
成域外に設けると共に、導電性基体2を、長手方向を上
下方向(重力方向)とした場合、マーキング領域4が形
成された側が下方となるように保持して、洗浄、塗布を
行うことで、たとえマーキング領域4下側に洗浄・塗布
不良が起こったとしても、画像形成域外で起こるため、
画像を損なうことを防ぐことができる。
【0102】また、このとき、マーキング領域4に、前
記未加工部分10、加工溝51、加工溝52等が設けら
れていることが、液タレ15による画像不良を防止する
ことができるので好ましい。
【0103】また、以下に詳述するように、該感光体1
を製造する製造過程において、感光層3を形成する際
に、マーキング領域4の上縁部が重力方向に対して垂直
とならない状態に導電性基体2を保持することにより、
換言すれば、導電性基体2を保持した時に、マーキング
領域4の上縁部が重力方向に対して垂直とならないよう
にすることによっても、液タレ15を防止することがで
きる。
【0104】図4に基づいて、感光層3の形成方法の一
例について具体的に説明する。尚、以下の説明において
は、例えば四角形のマーキング領域4が形成された、例
えば円筒状の導電性基体2上に、感光層3を浸漬塗布方
法により形成する場合を挙げることとする。また、上記
導電性基体2は、長手方向を上下方向として、マーキン
グ領域4が形成された側が下方となるように保持され、
感光層3となるべき塗布液6に浸漬された後、塗布液6
からまっすぐ上方(長手方向と平行)に引き上げられる
ことで、浸漬塗布されるものとする。
【0105】導電性基体2においては、その保持状態に
おけるマーキング領域4の上縁部(以下、単に上縁部と
称する)が、該導電性基体2の円周方向に対して平行と
ならないように形成されている。即ち、マーキング領域
4の上縁部が重力方向に対して垂直とならないように形
成されている。このため、過剰に塗布された塗布液6
は、マーキング領域4の上縁部を伝って流れ落ちる。以
上のようにして塗布液6を塗布することにより、液タレ
15を防止することができる。
【0106】尚、マーキング領域4の上縁部を、導電性
基体2の円周方向に対して平行にならないように形成す
ることにより、上記効果を得ることができるが、導電性
基体2の円周方向に対してマーキング領域4の上縁部が
なす角度を15°以上に設定することにより、さらに優れ
た効果を得ることができる。
【0107】この場合、上記導電性基体2の形状、マー
キング領域4の形状や大きさ、導電性基体2の引き上げ
方向等の諸条件は特に限定されるものではなく、要する
に、マーキング領域4の上縁部が重力方向に対して垂直
とならないようにすればよい。また、塗布液6の種類や
粘性等の物理的性質等も特に限定されるものではない。
例えば、塗布液6の種類や粘性等の物理的性質に応じ
て、導電性基体2の円周方向に対してマーキング領域4
の上縁部がなす角度を適宜設定することで、上記効果を
得ることができる。
【0108】また、浸漬洗浄、浸漬塗布する際に、導電
性基体2の、洗浄液18・25・35・45あるいは塗
布液6からの引上げ途中で引上げ速度を変えることによ
ってもマーキング領域4下側の塗布液6が多くなること
を抑え、非マーキング領域5における塗膜性を均一にす
ることができる。つまり、導電性基体2の引上げ時に、
マーキング領域4の下端側では引上げ速度を低下させる
ことでマーキング領域4全体に付着している過剰な洗浄
液18・25・35・45あるいは塗布液6が流れ落
ち、相当する洗浄槽11・21・31・41あるいは塗
布槽に吸収されてマーキング領域4下側の塗布不良が消
滅する。この場合、マーキング領域4は、重力方向に対
して、画像形成域よりも上方にあっても、下方にあって
も構わない。
【0109】次に、導電性基体2上に塗布された塗布液
6中の残留溶媒を除去するために、該塗布液6の加熱乾
燥を行う。これにより、感光層3が形成される。以上の
ように、該感光体1の製造過程において、上述した塗布
方法を用いて感光層3を形成することにより、液タレ1
5を防止し、マーキング領域4に対応する位置に形成さ
れた感光層3の表面の平滑性等を高めることができる。
従って、上述の方法によれば、プロセス因子の制御を正
確に行なうことができると共に、常に安定した良好な複
写画像を得ることができる感光体1を提供することがで
きる。尚、感光層3が複数の層からなる場合には、上記
塗布方法を用いた工程を、各層に応じて繰り返し行えば
よい。
【0110】さらに、感光層3を、該感光層3の種類や
膜厚等の諸条件に応じて、感光層3のガラス転位点近傍
の温度で、数時間、アニーリングすることにより表面処
理してもよい。これにより、マーキング領域4に対応す
る位置に形成された感光層3の表面の粗さを抑えること
ができるので、平滑性等の表面性をより一層向上させる
ことができ、クリーニング不良やトナー落ち等をさらに
一層抑制することができる。従って、プロセス因子の制
御に、より優れた性能を発揮することができ、常に安定
した良好な複写画像を得ることができる感光体1を提供
することができる。
【0111】以上のように、本実施の形態にかかる感光
体1は、導電性基体2が非マーキング領域5と、非マー
キング領域5とは異なる光学的反射特性を有するマーキ
ング領域4とを備え、上記マーキング領域4に対応する
位置に形成された感光層3の最大表面粗さが2.5 μm以
下であり、かつ、SN値が、0.3 〜0.7 の範囲内となっ
ている。このため、感光層3の膜厚を薄く(例えば25μ
m以下)した場合においても、マーキング領域4に対応
する位置に形成された感光層3の表面の平滑性等を高
め、薄膜化によって生じるクリーニング不良やトナー落
ち等の弊害を防止することができる。また、このよう
に、感光層3の膜厚を薄くした場合においてもマーキン
グ領域4を設けることができ、複写画質における文字の
輪郭の美しさや鮮明さを向上させることができる。従っ
て、クリーニング不良やトナー落ち等の不具合を防止
し、かつ、マーキング領域4の形成位置を基準とした画
像形成プロセス因子の制御を正確に行うことができるの
で、常に安定した良好な複写画像を得ることができる。
【0112】また、本実施の形態にかかる感光体1は、
感光層3がガラス転移点近傍の温度でアニーリングする
ことにより表面処理されてなっている。このため、感光
層3表面の粗さをより一層抑えることができる。即ち、
感光体1における平滑性等の表面性をより一層向上させ
ることができる。従って、画像形成プロセス因子の制御
に、より優れた性能を発揮することができる。
【0113】本実施の形態にかかる感光体1の製造方法
は、非マーキング領域5と、非マーキング領域5とは異
なる光学的反射特性を有するマーキング領域4とを備え
た導電性基体2上に、塗布液6を塗布することにより感
光層3を形成する感光体1の製造方法において、導電性
基体2を、マーキング領域4の上縁部が重力方向に対し
て垂直とならない状態に保持し、上記塗布液6を塗布す
る方法である。これにより、過剰に塗布された塗布液6
は、マーキング領域4の上縁部を伝って流れ落ちる。そ
のため、該感光体1を製造する際に、該感光体1の形
状、感光層3の形成時における該感光体1の向き、およ
び上記マーキング領域4の形状や大きさに関係なく、液
タレ15を防止することができる。従って、画像形成プ
ロセス因子の制御に、より優れた性能を発揮することが
できる。
【0114】尚、マーキング領域4を検知することで、
同サイズの電子写真用感光体の誤挿入を防止することも
できる。該感光体1は、例えばレーザプリンタや複写機
等の電子写真装置に好適に使用される。
【0115】また、本実施の形態にかかる感光体1の製
造方法は、洗浄および塗布の少なくとも一方を行うに際
して、上記導電性基体2を、重量方向に関してマーキン
グ領域4が画像形成域より下側になるように保持する方
法である。上記の方法によれば、たとえマーキング領域
4下側に洗浄・塗布不良が起こったとしても、画像形成
域外で起こるため、画像を損なうことがない。
【0116】さらに、本実施の形態にかかる感光体1の
製造方法は、感光層3形成時の導電性基体2の重力方向
に対して垂直とはならない方向に連続する未加工部分1
0を有するように上記マーキング領域4を形成する方法
である。この場合、未加工部分10を通じて洗浄液18
・25・35・45や塗布液6が流れやすくなる。この
ため、過剰な洗浄液18・25・35・45や、塗布液
6が付着せず、洗浄または塗布時の不良を無くすことが
できると共に、タクトタイムを短くすることができる。
【0117】また、本実施の形態にかかる感光体1の製
造方法は、上記マーキング領域4に、感光層3形成時の
導電性基体2の重力方向に直行する方向に加工溝51を
形成する方法である。これにより、過剰な塗布液6を加
工溝51の両端に集中させて流し落とすことができる。
このため、液タレ15等の塗布不良が起こる部分の横幅
(面積)を狭く(小さく)することができ、接着強度を
向上させることができると共に、タクトタイムの短縮を
図ることができる。
【0118】さらに、上記加工溝51に加工溝52を導
電性基体2の端縁まで繋げて設けることで、加工溝51
の両端に集中させた過剰な塗布液6を強制的に流し落と
すことができる。従って、タクトタイムの短縮と、前記
領域53部分の接着強度とをさらに向上させることがで
きる。
【0119】また、本実施の形態にかかる感光体1の製
造方法は、特に、浸漬塗布する際に、導電性基体2の、
塗布液6の液面通過時に、引上げ速度を変更する方法で
ある。これにより、マーキング領域4下側の塗布液6が
多くなることを抑え、非マーキング領域5における塗膜
性を均一にすることができる。つまり、導電性基体2の
引上げ時に、導電性基体2の、塗布液6の液面通過時、
特に、マーキング領域4の下端が塗布液6の液面を通過
する際に、引上げ速度を低下させることでマーキング領
域4全体に付着している過剰な塗布液6が流れ落ちて塗
布槽に吸収され、マーキング領域4下側の塗布不良が消
滅する。しかも、この場合、マーキング領域4は、重力
方向に対して、画像形成域よりも上方にあっても、下方
にあっても構わない。
【0120】
【実施例】以下に、本発明について、具体的に例を挙げ
て、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらによっ
てなんら限定されるものではない。尚、以下の実施例、
比較例において、「%」は、「重量%」を示す。
【0121】導電性基体2の洗浄は、上記実施の形態に
おいて説明した方法と同様の方法を用いて行った。つま
り、先ず、第1洗浄槽11における洗浄液18として田
中インポートグループ株式会社製の「ポラークリーン6
90」(商品名)の5%純水溶液を用い、温度50℃、浸
漬時間2分間にて浸漬洗浄を行った。次いで、第2洗浄
槽21・第3洗浄槽31・第4洗浄槽41に各々上記
「ポラークリーン690」(商品名)の5%純水溶液を
用い、温度25℃にて、この順で各々2分間ずつ浸漬洗浄
を行った。さらに、上記浸漬洗浄後の導電性基体2を、
クリーン度100 に保たれたクリーンブース内で80℃のク
リーンエアーを吹き付けて乾燥させた。
【0122】また、マーキング領域4の評価は、電子写
真装置の本体側に設けられた図示しない反射率検知セン
サによって行った。つまり、発光ダイオードから波長90
0 μmの光を感光体1に照射し、感光体1からの反射光
をフォトトランジスタで受光することによって行った。
さらに、感光体1の初期状態の確認(以下、初期確認と
称する)、および、5万枚のコピーテストは、感光体1
を、いわゆるプロセスコントロール機構を備え、マーキ
ング領域検出センサを装備した複写機に搭載して実施し
た。
【0123】〔実施例1〕 外径80mm、長さ 348mm、肉厚 1.0mmのアルミニウム製の
円筒を、最大表面粗さが0.2 μmとなるように鏡面仕上
げして導電性基体2とした。次に、導電性基体2表面の
一部を粗面化してマーキング領域4を形成した。即ち、
導電性基体2の一方の端から20mmの位置(画像形成域
外、現像ギャップ保持治具の接触域外、かつ、クリーニ
ングブレード接触域)にレーザ光線を照射して、導電性
基体2の円周方向に対して1つの辺が平行となるよう
に、8mm×8mmの大きさを有する正方形のマーキング領
域4を形成した。上記レーザ光線の照射には、YAGレ
ーザ(NEC( 日本電気株式会社) 製、SL-475G )を用
いた。また、レーザ光線の出力条件は、電流値15.6A、
周波数2.4KHzとした。このときのドット9の直径は80μ
mであり、上記導電性基体2について、所定の方法によ
り基体表面粗度を測定したところ、12.0μmであった。
【0124】次に、所定の方法により導電性基体2を洗
浄した後、有機系光導電層としての積層型光導電層を、
いわゆる浸漬塗布方法により形成した。尚、該塗布方法
は、上記導電性基体2を、長手方向を上下方向として、
マーキング領域4が形成された側が下方となるように保
持し、塗布液6に浸漬した後、塗布液6からまっすぐ上
方(長手方向と平行)に引き上げることにより行った。
【0125】即ち、先ず、電荷発生物質であるジブロム
アントアントロン1重量部、バインダー樹脂であるブチ
ラール樹脂(積水化学株式会社製、商品名:エスレック
BM-2)1重量部、溶媒であるシクロヘキサノン120 重量
部を調合し、ボールミルにて12時間分散させることによ
って、塗布液(分散液)6を調製した。次に、得られた
塗布液6に上記導電性基体2を浸漬することにより、該
塗布液6を塗布し、その後、80℃で30分間乾燥させて、
膜厚0.5 μmの電荷発生層を形成した。
【0126】次いで、ヒドラゾン系電荷輸送剤( 日本化
薬株式会社製、商品名:ABPH)1重量部、バインダー樹
脂であるポリカーボネート(帝人化成株式会社製、商品
名:パンライトL-1250 )1重量部、およびシリコーン系
レベリング剤(信越化学工業株式会社製、商品名:KF-9
6)0.00013 重量部を溶媒である塩化エチレン8重量部に
加えて45℃に加熱して完全に溶解させた後、自然冷却す
ることにより、別の塗布液6を調製した。そして、得ら
れた別の塗布液6に、電荷発生層が形成された上記導電
性基体2を浸漬することにより、該塗布液6を塗布し、
その後、80℃で1時間乾燥させて、電荷輸送層を形成し
た。これにより、膜厚23μmの感光層3を有する感光体
1を得た。
【0127】得られた感光体1のマーキング領域4につ
いて評価した。その結果、感光体1のSN値は0.33であ
り、塗膜表面粗度は、2.0 μmであった。また、初期確
認およびコピーテストを行ったところ、感光体1の寿命
に至るまで、初期の段階と同等の複写画像を得ることが
でき、特に不具合は生じなかった。以上の結果を表2に
示す。
【0128】〔比較例1〕 実施例1において、導電性基体2に対して、レーザ光線
の出力条件を、電流値15.6Aから16Aに、周波数2.4KHz
から2.3KHzに変更した以外は、実施例1と同様の研削加
工を施して、マーキング領域4を形成した。このときの
ドット9の直径は80μmであり、得られた導電性基体2
について、基体表面粗度を測定したところ、13.0μmで
あった。
【0129】次いで、この導電性基体2を使用し、実施
例1と同様の製造方法を用いて比較用の感光体1を作製
したところ、感光層3の形成過程で、マーキング領域4
を起点とする液タレ15が生じた。
【0130】また、得られた比較用の感光体1のマーキ
ング領域4について評価した。その結果、該感光体1の
SN値は0.30であり、塗膜表面粗度は2.90μmであっ
た。さらに、初期確認およびコピーテストを行ったとこ
ろ、クリーニング不良やトナー落ちが発生した。以上の
結果を表2に示す。
【0131】〔実施例2〕 実施例1と同様の導電性基体2を用い、実施例1と同様
の研削加工を施して、導電性基体2にマーキング領域4
を形成した。
【0132】次に、所定の方法により上記導電性基体2
を洗浄した後、有機系光導電層としての積層型光導電層
を、いわゆる浸漬塗布方法により形成した。尚、塗布液
6の配合成分を変更した以外は、実施例1と同様の条件
とした。
【0133】即ち、先ず、共重合ナイロン樹脂( 東レ株
式会社製、商品名:CM4000) 6重量部を溶媒であるメタ
ノール94重量部に溶解させることによって、塗布液6を
調製した。得られた塗布液6に上記導電性基体2を浸漬
することにより、該塗布液6を塗布し、所定の条件で乾
燥させて、膜厚1.0 μmのバリアー層を形成した。
【0134】次いで、電荷発生物質であるクロロダイア
ンブルー(日本化薬株式会社製)2重量部、バインダー
樹脂であるポリエステル(東洋紡株式会社製、商品名:
バイロン200)1重量部、溶媒としてのエチレンジアミン
100 重量部を調合し、ボールミルにて8時間分散させる
ことによって、別の塗布液6を調製した。得られた別の
塗布液6に、バリアー層が形成された上記導電性基体2
を浸漬することにより、該塗布液6を塗布し、その後、
80℃で30分間乾燥させて、膜厚 0.4μmの電荷発生層を
形成した。
【0135】さらに、ブタジエン系電荷輸送剤である1,
1 −ビス( p−ジエチルアミノフェニル) −4,4 −ジフ
ェニル− 1,3−ブタジエン( 高砂香料工業株式会社製)
1重量部、ポリカーボネート(帝人化成株式会社製、商
品名:パンライトL-1225)1重量部、およびシリコーン
系レベリング剤(信越化学工業株式会社製、商品名:KF
-96)0.0001重量部を塩化メチレン10重量部に溶解させる
ことによって、さらに別の塗布液6を調製した。得られ
た該塗布液6に、電荷発生層が形成された上記導電性基
体2を浸漬することにより、該塗布液6を塗布し、その
後、80℃で1時間乾燥させて、電荷輸送層を形成した。
これにより、膜厚24μmの感光層3を有する感光体1を
得た。
【0136】得られた感光体1のマーキング領域4につ
いて評価した。その結果、感光体1のSN値は0.40であ
り、塗膜表面粗度は、1.30μmであった。また、初期確
認およびコピーテストを行ったところ、感光体1の寿命
に至るまで、初期の段階と同等の複写画像を得ることが
でき、特に不具合は生じなかった。以上の結果を表2に
示す。
【0137】〔実施例3〕 実施例2において、感光層3の膜厚を20μmに形成した
以外は、実施例2と同様の製造方法を用いて感光体1を
作製した。
【0138】次いで、上記感光体1を、感光層3のガラ
ス転移温度で10時間放置(アニーリング)した後、感光
体1のマーキング領域4について評価した。その結果、
感光体1のSN値は0.30であり、塗膜表面粗度は、2.40
μmであった。また、初期確認およびコピーテストを行
ったところ、感光体1の寿命に至るまで、初期の段階と
同等の複写画像を得ることができ、特に不具合は生じな
かった。以上の結果を表2に示す。
【0139】〔比較例2〕 実施例3において、アニーリング処理を施さない以外
は、実施例3と同様の製造方法を用いて比較用の感光体
1を作製した。
【0140】この比較用の感光体1のマーキング領域4
について評価した。その結果、該感光体1のSN値は0.
20と小さく、一方、塗膜表面粗度は、2.70μmと大きか
った。また、初期確認およびコピーテストを行ったとこ
ろ、クリーニング不良が発生した。以上の結果を表2に
示す。
【0141】〔実施例4〕 実施例2において、導電性基体2に対して、レーザ光線
の出力条件を、電流値15.6Aから15.4Aに変更した以外
は、実施例2と同様の研削加工を施して、マーキング領
域4を形成した。次いで、この導電性基体2を使用し、
実施例2と同様の製造方法を用いて感光体1を作製し
た。
【0142】得られた感光体1のマーキング領域4につ
いて評価した。その結果、感光体1のSN値は0.70であ
り、塗膜表面粗度は、0.90μmであった。また、初期確
認およびコピーテストを行ったところ、感光体1の寿命
に至るまで、初期の段階と同等の複写画像を得ることが
でき、特に不具合は生じなかった。以上の結果を表2に
示す。
【0143】〔実施例5〕 実施例1において、マーキング領域4の形状を、導電性
基体2の円周方向に対して平行な、8mm×8mmの大きさ
の正方形から、導電性基体2の円周方向に対して、マー
キング領域4の上縁部がなす角度が15°である四角形に
変更した以外は、実施例1と同様の製造方法を用いて感
光体1を作製した。
【0144】得られた感光体1のマーキング領域4につ
いて評価した。その結果、感光体1のSN値は0.30であ
り、塗膜表面粗度は、2.40μmであった。また、初期確
認およびコピーテストを行ったところ、感光体1の寿命
に至るまで、初期の段階と同等の複写画像を得ることが
でき、特に不具合は生じなかった。以上の結果を表2に
示す。
【0145】〔実施例6〕 実施例1において、マーキング領域4の形状を、導電性
基体2の円周方向に対して平行な、8mm×8mmの大きさ
の正方形から、導電性基体2の円周方向に対して、マー
キング領域4の上縁部がなす角度が20°である四角形に
変更した以外は、実施例1と同様の製造方法を用いて感
光体1を作製した。
【0146】得られた感光体1のマーキング領域4につ
いて評価した。その結果、感光体1のSN値は0.30であ
り、塗膜表面粗度は、2.40μmであった。また、初期確
認およびコピーテストを行ったところ、感光体1の寿命
に至るまで、初期の段階と同等の複写画像を得ることが
でき、特に不具合は生じなかった。以上の結果を表2に
示す。
【0147】
【表2】
【0148】〔実施例7〕 外径50mm、長さ 348mm、肉厚 1.0mmのアルミニウム製の
円筒を、最大表面粗さが 0.2μmとなるように、水溶性
加工油として液温8℃の「ソルブル系タブニーパナクー
ルCT」(商品名;出光興産株式会社製)30%水溶液を
用いて切削加工することで鏡面仕上げして導電性基体2
とした。次に、導電性基体2表面の一部を粗面化してマ
ーキング領域4を形成した。即ち、導電性基体2の一方
の端から18mmの位置(画像形成域外、現像ギャップ保持
治具の接触域外、かつ、クリーニングブレード接触域)
にレーザ光線を照射して、導電性基体2の円周方向に対
して1つの辺が平行となるように、7mm×7mmの大きさ
を有する正方形のマーキング領域4を形成した。上記レ
ーザ光線の照射には、YAGレーザ(NEC( 日本電気
株式会社) 製、SL-475G )を用いた。このときの加工条
件は、電流値18.0Aで、ドット9の直径を 200μm、図
6に示すドット9の間隔、即ち、ピッチaを200μm、
ピッチbを 200μmとした。上記導電性基体2につい
て、所定の方法により基体表面粗度を測定したところ、
1.8 μmであった。
【0149】次に、所定の方法により導電性基体2を洗
浄した後、有機系光導電層としての積層型光導電層を、
いわゆる浸漬塗布方法により形成した。
【0150】尚、上記洗浄方法は、上記導電性基体2
を、長手方向を上下方向として、マーキング領域4が形
成された側が下方となるように保持し、洗浄液18、洗
浄液25、洗浄液35、洗浄液45の順に浸漬後まっす
ぐ上方(長手方向と平行)に引き上げることにより行っ
た。また、上記塗布方法は、上記導電性基体2を、長手
方向を上下方向として、マーキング領域4が形成された
側が下方となるように保持し、塗布液6に浸漬した後、
塗布液6からまっすぐ上方(長手方向と平行)に引き上
げることにより行った。
【0151】上記積層型光導電層の形成は、以下のよう
にして行った。先ず、電荷発生物質であるジブロムアン
トアントロン1重量部、バインダー樹脂であるブチラー
ル樹脂(積水化学株式会社製、商品名:エスレックBM-
2)1重量部、溶媒であるシクロヘキサノン120 重量部
を調合し、ボールミルにて12時間分散させることによっ
て、塗布液(分散液)6を調製した。次に、得られた塗
布液6に上記導電性基体2を浸漬し、引上げ速度8mm
/secで引き上げることにより、該塗布液6を塗布
し、その後、80℃で30分間乾燥させて、膜厚0.5 μmの
電荷発生層を形成した。
【0152】次いで、ヒドラゾン系電荷輸送剤( 日本化
薬株式会社製、商品名:ABPH)1重量部、バインダー樹
脂であるポリカーボネート(帝人化成株式会社製、商品
名:パンライトL-1250 )1重量部、およびシリコーン系
レベリング剤(信越化学工業株式会社製、商品名:KF-9
6)0.00013 重量部を溶媒であるジクロロエタン8重量部
に加えて45℃に加熱して完全に溶解させた後、自然冷却
することにより、別の塗布液6を調製した。そして、得
られた別の塗布液6に、電荷発生層が形成された上記導
電性基体2を浸漬し、引上げ速度8mm/secで引き
上げることにより、該塗布液6を塗布し、その後、80℃
で1時間乾燥させて、電荷輸送層を形成した。これによ
り、膜厚23μmの感光層3を有する感光体1を得た。
【0153】得られた感光体1について目視確認を行っ
たところ、液タレ15は確認されなかった。また、得ら
れた感光体1を複写機(シャープ株式会社製、商品名:
SF-2118 )に搭載して画像確認を行ったところ、特に不
具合は生じなかった。引続きエージング確認を行った
が、感光層3のうき、はがれは発生しなかった。以上の
結果を表3に示す。
【0154】〔比較例3〕 実施例7において、洗浄時に、導電性基体2を、長手方
向を上下方向として、マーキング領域4が形成された側
が上方となるように保持して浸漬洗浄を行った以外は、
実施例7と同様の製造方法を用いて比較用の感光体1を
作製した。
【0155】得られた比較用の感光体1について目視確
認を行ったところ、マーキング領域4の下側に液タレ1
5が確認された。また、得られた感光体1を複写機(シ
ャープ株式会社製、商品名:SF-2118 )に搭載して画像
確認を行ったところ、マーキング領域4の下側の部分に
シミが確認された。その後、引続きエージング確認を行
ったが、感光層3のうき、はがれは発生しなかった。以
上の結果を表3に示す。
【0156】〔比較例4〕 実施例7において、塗布時に、導電性基体2を、長手方
向を上下方向として、マーキング領域4が形成された側
が上方となるように保持して浸漬塗布を行った以外は、
実施例7と同様の製造方法を用いて比較用の感光体1を
作製した。
【0157】得られた比較用の感光体1について目視確
認を行ったところ、マーキング領域4の下側に液タレ1
5が確認された。また、得られた感光体1を複写機(シ
ャープ株式会社製、商品名:SF-2118 )に搭載して画像
確認を行ったところ、マーキング領域4の下側の部分に
シミが確認された。その後、引続きエージング確認を行
ったところ、3万枚付近から、感光層3の導電性基体2
からのうきが現れ、4万枚において感光層3の導電性基
体2からのはがれが発生した。以上の結果を表3に示
す。
【0158】〔実施例8〕 実施例7と同様の導電性基体2を用い、加工条件を、電
流値18.7A、ドット9の直径を 200μm、ピッチaを 2
00μm、ピッチbを 200μmとした以外は、実施例7と
同様の研削加工を施して、導電性基体2にマーキング領
域4を形成した。上記導電性基体2について、所定の方
法により基体表面粗度を測定したところ、2.0 μmであ
った。
【0159】次に、実施例7と同様の方法により上記導
電性基体2を洗浄した後、有機系光導電層としての積層
型光導電層を、いわゆる浸漬塗布方法により形成した。
尚、塗布液6の配合成分を変更した以外は、実施例7と
同様の条件とした。
【0160】上記積層型光導電層の形成は、以下のよう
にして行った。先ず、共重合ナイロン樹脂( 東レ株式会
社製、商品名:CM4000) 6重量部を溶媒であるメタノー
ル94重量部に溶解させることによって、塗布液6を調製
した。得られた塗布液6に上記導電性基体2を浸漬し、
引上げ速度8mm/secで引き上げることにより、該
塗布液6を塗布し、所定の条件で乾燥させて、膜厚1.0
μmのバリアー層を形成した。
【0161】次いで、電荷発生物質であるクロロダイア
ンブルー(日本化薬株式会社製)2重量部、バインダー
樹脂であるポリエステル(東洋紡株式会社製、商品名:
バイロン200)1重量部、溶媒としてのエチレンジアミン
100 重量部を調合し、ボールミルにて8時間分散させる
ことによって、別の塗布液6を調製した。得られた別の
塗布液6に、バリアー層が形成された上記導電性基体2
を浸漬し、引上げ速度8mm/secで引き上げること
により、該塗布液6を塗布し、その後、80℃で30分間乾
燥させて、膜厚 0.4μmの電荷発生層を形成した。
【0162】さらに、ブタジエン系電荷輸送剤である1,
1 −ビス( p−ジエチルアミノフェニル) −4,4 −ジフ
ェニル− 1,3−ブタジエン( 高砂香料工業株式会社製)
1重量部、ポリカーボネート(帝人化成株式会社製、商
品名:パンライトL-1225)1重量部、およびシリコーン
系レベリング剤(信越化学工業株式会社製、商品名:KF
-96)0.0001重量部を塩化メチレン10重量部に溶解させる
ことによって、さらに別の塗布液6を調製した。得られ
た該塗布液6に、電荷発生層が形成された上記導電性基
体2を浸漬し、引上げ速度8mm/secで引き上げる
ことにより、該塗布液6を塗布し、その後、80℃で1時
間乾燥させて、電荷輸送層を形成した。これにより、膜
厚24μmの感光層3を有する感光体1を得た。
【0163】得られた感光体1について目視確認を行っ
たところ、液タレ15は確認されなかった。また、得ら
れた感光体1を複写機(シャープ株式会社製、商品名:
SF-2118 )に搭載して画像確認を行ったところ、特に不
具合は生じなかった。引続きエージング確認を行ったと
ころ、3万枚付近から、感光層3の導電性基体2からの
僅かなうきが確認されたが、実使用上、問題とならない
程度であり、また、感光体1の寿命に至るまで、はがれ
は確認されなかった。以上の結果を表3に示す。
【0164】〔比較例5〕 実施例8において、塗布時に、導電性基体2を、長手方
向を上下方向として、マーキング領域4が形成された側
が上方となるように保持して浸漬塗布を行った以外は、
実施例8と同様の製造方法を用いて比較用の感光体1を
作製した。
【0165】得られた比較用の感光体1について目視確
認を行ったところ、マーキング領域4の下側に液タレ1
5が確認された。また、得られた感光体1を複写機(シ
ャープ株式会社製、商品名:SF-2118 )に搭載して画像
確認を行ったところ、マーキング領域4の下側の部分に
シミ等の画像不良が確認された。その後、引続きエージ
ング確認を行ったところ、4万枚付近から、感光層3の
導電性基体2からのうきが現れ、5万枚において感光層
3の導電性基体2からのはがれが発生した。以上の結果
を表3に示す。
【0166】〔実施例9〕 実施例7と同様の導電性基体2を用い、図6に示すよう
に、マーキング領域4が上記導電性基体2の引上げ方向
に対して平行な未加工部分10を有するように、ドット
9の直径を 200μm、ピッチaを 300μm、ピッチbを
200μmとした以外は、実施例7と同様の研削加工を施
して、導電性基体2にマーキング領域4を形成した。上
記導電性基体2について、所定の方法により基体表面粗
度を測定したところ、1.8 μmであった。
【0167】次に、実施例7と同様の方法により上記導
電性基体2を洗浄した後、実施例7と同様の製造方法に
より積層型光導電層を形成して、感光体1を得た。
【0168】得られた感光体1について目視確認を行っ
たところ、液タレ15は確認されなかった。また、得ら
れた感光体1を複写機(シャープ株式会社製、商品名:
SF-2118 )に搭載して画像確認を行ったところ、特に不
具合は生じなかった。引続きエージング確認を行った
が、感光層3のうき、はがれは発生しなかった。以上の
結果を表3に示す。
【0169】〔実施例10〕 実施例8と同様の導電性基体2を用い、図6に示すよう
に、マーキング領域4が上記導電性基体2の引上げ方向
に対して平行な未加工部分10を有するように、ドット
9の直径を 200μm、ピッチaを 300μm、ピッチbを
200μmとした以外は、実施例8と同様の研削加工を施
して、導電性基体2にマーキング領域4を形成した。上
記導電性基体2について、所定の方法により基体表面粗
度を測定したところ、1.8 μmであった。
【0170】次に、実施例8と同様の方法により上記導
電性基体2を洗浄した後、実施例8と同様の製造方法に
より積層型光導電層を形成して、感光体1を得た。
【0171】得られた感光体1について目視確認を行っ
たところ、液タレ15は確認されなかった。また、得ら
れた感光体1を複写機(シャープ株式会社製、商品名:
SF-2118 )に搭載して画像確認を行ったところ、特に不
具合は生じなかった。引続きエージング確認を行った
が、感光層3のうき、はがれは発生しなかった。以上の
結果を表3に示す。
【0172】〔実施例11〕 実施例10において、図7に示すように、マーキング領
域4が上記導電性基体2の引上げ方向に対して傾斜して
いる未加工部分10を有するように、ドット9の直径を
200μm、ピッチa' を 400μm、ピッチb' を 200μ
mとした以外は、実施例10と同様の研削加工を施し
て、導電性基体2にマーキング領域4を形成した。上記
導電性基体2について、所定の方法により基体表面粗度
を測定したところ、1.5 μmであった。
【0173】次に、実施例10と同様の方法により上記
導電性基体2を洗浄した後、実施例10と同様の製造方
法により積層型光導電層を形成して、感光体1を得た。
【0174】得られた感光体1について目視確認を行っ
たところ、液タレ15は確認されなかった。また、得ら
れた感光体1を複写機(シャープ株式会社製、商品名:
SF-2118 )に搭載して画像確認を行ったところ、特に不
具合は生じなかった。引続きエージング確認を行った
が、感光層3のうき、はがれは発生しなかった。以上の
結果を表3に示す。
【0175】〔実施例12〕 実施例9において、マーキング領域4形成時に、導電性
基体2の引上げ方向、即ち、長手方向を上下(幅)方向
として、マーキング領域4の下端から 200μmの位置
に、電流値18.0Aで、幅 200μm、長さ7mm、深さ30.0
μmの加工溝51を形成した以外は、実施例9と同様の
研削加工を施して、導電性基体2にマーキング領域4を
形成した。上記導電性基体2について、所定の方法によ
り基体表面粗度を測定したところ、1.8 μmであった。
【0176】次に、実施例9と同様の方法により上記導
電性基体2を洗浄した後、実施例9と同様の製造方法に
より積層型光導電層を形成して、感光体1を得た。
【0177】得られた感光体1について目視確認を行っ
たところ、液タレ15は確認されなかった。また、得ら
れた感光体1を複写機(シャープ株式会社製、商品名:
SF-2118 )に搭載して画像確認を行ったところ、特に不
具合は生じなかった。引続きエージング確認を行った
が、感光層3のうき、はがれは発生しなかった。以上の
結果を表3に示す。さらに、前記実施例7および実施例
9では、使用上、何ら問題がない程度ではあったが目視
で僅かな厚みムラが確認されたものの、本実施例では、
さらに厚みムラがなく、塗布状態がさらに良好であっ
た。また、タクトタイムをより短縮することができた。
【0178】〔実施例13〕 実施例12において、加工溝51を導電性基体2の端縁
まで繋げた(即ち、マーキング領域4における加工溝5
1の両端部と繋がった、図9に示す加工溝52を導電性
基体2の端縁までさらに設けた)以外は、実施例9と同
様の研削加工を施して、導電性基体2にマーキング領域
4を形成した。上記導電性基体2について、所定の方法
により基体表面粗度を測定したところ、1.8 μmであっ
た。
【0179】次に、実施例12と同様の方法により上記
導電性基体2を洗浄した後、実施例12と同様の製造方
法により積層型光導電層を形成して、感光体1を得た。
【0180】得られた感光体1について目視確認を行っ
たところ、液タレ15は確認されなかった。また、得ら
れた感光体1を複写機(シャープ株式会社製、商品名:
SF-2118 )に搭載して画像確認を行ったところ、特に不
具合は生じなかった。引続きエージング確認を行った
が、感光層3のうき、はがれは発生しなかった。以上の
結果を表3に示す。さらに、本実施例では、前記実施例
12と比較してより一層厚みムラがなく、塗布状態がさ
らに良好であった。また、より一層タクトタイムを短縮
することができた。
【0181】〔実施例14〕 実施例7において、塗布時に、導電性基体2を、長手方
向を上下方向として、マーキング領域4が形成された側
が上方となるように保持すると共に、導電性基体2を塗
布液6から引上げる際に、マーキング領域4の下端まで
は8mm/secで導電性基体2を引上げ、マーキング
領域4の下端において1秒間停止させた後、再び8mm
/secで導電性基体2を引き上げることによって浸漬
塗布を行った以外は、実施例7と同様の製造方法を用い
て感光体1を作製した。
【0182】得られた感光体1について目視確認を行っ
たところ、液タレ15は確認されなかった。また、得ら
れた感光体1を複写機(シャープ株式会社製、商品名:
SF-2118 )に搭載して画像確認を行ったところ、特に不
具合は生じなかった。引続きエージング確認を行った
が、感光層3のうき、はがれは発生しなかった。以上の
結果を表3に示す。
【0183】〔実施例15〕 実施例8において、塗布時に、導電性基体2を、長手方
向を上下方向として、マーキング領域4が形成された側
が上方となるように保持すると共に、導電性基体2を塗
布液6から引上げる際に、マーキング領域4の下端まで
は8mm/secで導電性基体2を引上げ、マーキング
領域4の下端において1秒間停止させた後、再び8mm
/secで導電性基体2を引き上げることによって浸漬
塗布を行った以外は、実施例8と同様の製造方法を用い
て感光体1を作製した。
【0184】得られた感光体1について目視確認を行っ
たところ、液タレ15は確認されなかった。また、得ら
れた感光体1を複写機(シャープ株式会社製、商品名:
SF-2118 )に搭載して画像確認を行ったところ、特に不
具合は生じなかった。引続きエージング確認を行った
が、感光層3のうき、はがれは発生しなかった。以上の
結果を表3に示す。
【0185】
【表3】
【0186】表2から明らかなように、塗膜表面粗度を
2.5 μm以下にし、かつ、SN値を0.3 〜0.7 の範囲内
に規定することで、感光体1を複写機等の電子写真装置
に使用した場合に、クリーニング不良やトナー落ち等の
不具合を生じないことが判った。即ち、該感光体1は、
塗膜表面粗度が2.5 μm以下で、かつSN値が0.3 〜0.
7 の範囲内にあるので、感光層3の膜厚を薄くしても、
薄膜化による弊害(クリーニング不良やトナー落ち等の
不具合)を生じない、優れた特性を有している。
【0187】また、実施例3および比較例2の結果から
明らかなように、感光体1の製造過程において、膜厚等
の諸条件に応じて、感光層3を、アニーリングにより表
面処理することで、感光層3表面の平滑性等を向上させ
ることができる。
【0188】さらに、実施例5・6の結果から明らかな
ように、導電性基体2を、長手方向を上下方向として、
マーキング領域4が形成された側が下方となるように保
持し、塗布液6からまっすぐ上方(長手方向に平行)に
引き上げて浸漬塗布する場合に、マーキング領域4の上
縁部が導電性基体2の円周方向に対して平行とならない
ように形成されていることで、感光層3を形成する際
に、液タレ15を防止することができる。
【0189】また、表3において、実施例7・8および
比較例3〜5の結果から明らかなように、導電性基体2
を洗浄または塗布液6を塗布する際に、該導電性基体2
を、長手方向を上下方向として、マーキング領域4が形
成された側が画像形成域よりも下方となるように保持し
て洗浄または塗布することで、液タレ15やシミ等の画
像不良を防止することができると共に、感光層3の導電
性基体2からのうき、はがれを防止して、接着強度を良
好に保つことができる。
【0190】また、表3において、実施例9〜11に示
すように、導電性基体2の引上げ方向に対して垂直とな
らないような連続した未加工部分10、即ち、導電性基
体2の長手方向に対して平行または傾斜している未加工
部分10を有するようにマーキング領域4を形成するこ
とで、例えば実施例8と実施例10、または、実施例8
と実施例11とを比較して判るように、液タレ15やシ
ミ等の画像不良をさらに防止することができると共に、
感光層3の導電性基体2からのうき、はがれを防止し
て、接着強度をさらに良好に保つことができる。
【0191】また、実施例12に示すように、マーキン
グ領域4内に、導電性基体2の引上げ方向に対して直行
する加工溝51を設けることで、厚みムラを抑えて、塗
布状態をさらに良好に保つことができると共に、タクト
タイムを短縮させることができる。
【0192】さらに、実施例13に示すように、上記加
工溝51から導電性基体2の端縁まで繋がった加工溝6
1を設けることで、厚みムラをさらに抑え、塗布状態を
より一層良好に保つことができると共に、タクトタイム
をさらに短縮させることができる。
【0193】さらに、実施例14〜15に示すように、
導電性基体2に塗布液6を塗布する際に、導電性基体2
を塗布液6から引上げる速度を途中で変えることによ
り、該導電性基体2を、長手方向を上下方向として、マ
ーキング領域4が形成された側が上方となるように、つ
まり、マーキング領域4が画像形成域よりも下側となる
ように保持して塗布しなくても、液タレ15やシミ等の
画像不良を防止することができると共に、感光層3の導
電性基体2からのうき、はがれを防止して、接着強度を
良好に保つことができる。
【0194】
【発明の効果】請求項1の発明にかかる電子写真用感光
体は、以上のように、感光層の膜厚が25μm以下である
一方、上記導電性基体は、第1表面部と、上記第1表面
部とは異なる光学的反射特性を有する第2表面部とを備
え、上記第2表面部に対応する位置に形成された感光層
の最大表面粗さが2.5 μm以下であり、かつ、第1表面
部の光学的反射率に対する第2表面部の光学的反射率の
比が、0.3 〜0.7 の範囲内にある構成である。
【0195】それゆえ、感光層の膜厚を薄く、25μm以
下とした場合においても、第2表面部に対応する位置に
形成された感光層の表面の平滑性等を高め、薄膜化によ
って生じるクリーニング不良やトナー落ち等の弊害を防
止することができる。また、このように、感光層の膜厚
を薄くした場合においても第2表面部を設けることがで
き、複写画質における文字の輪郭の美しさや鮮明さを向
上させることができる。従って、クリーニング不良やト
ナー落ち等の不具合を防止し、かつ、第2表面部の形成
位置を基準とした画像形成プロセス因子の制御を正確に
行うことができるので、常に安定した良好な複写画像を
得ることができるという効果を奏する。
【0196】請求項2の発明にかかる電子写真用感光体
は、以上のように、導電性基体は、第1表面部と、上記
第1表面部とは異なる光学的反射特性を有する第2表面
部とを備え、上記導電性基体における第2表面部の最大
表面粗さが12.7μm以下であると共に、上記第2表面部
に対応する位置に形成された感光層の最大表面粗さが2.
5 μm以下であり、かつ、第1表面部の光学的反射率に
対する第2表面部の光学的反射率の比が、0.3 〜0.7 の
範囲内にある構成である。
【0197】それゆえ、感光層の膜厚を薄く(例えば25
μm以下) した場合においても、第2表面部に対応する
位置に形成された感光層の表面の平滑性等を高め、薄膜
化によって生じるクリーニング不良やトナー落ち等の弊
害を防止することができる。
【0198】また、このように、感光層の膜厚を薄くし
た場合においても、第2表面部を設けることができ、複
写画質における文字の輪郭の美しさや鮮明さを向上させ
ることができる。従って、クリーニング不良やトナー落
ち等の不具合を防止し、かつ、第2表面部の形成位置を
基準とした画像形成プロセス因子の制御を正確に行うこ
とができるので、常に安定した良好な複写画像を得るこ
とができるという効果を奏する。
【0199】請求項3の発明にかかる電子写真用感光体
は、以上のように、感光層の膜厚が25μm以下である一
方、上記導電性基体は、第1表面部と、上記第1表面部
とは異なる光学的反射特性を有する第2表面部とを備
え、上記導電性基体における第 2表面部の最大表面粗さ
が12.7μm以下であると共に、上記第2表面部に対応す
る位置に形成された感光層の最大表面粗さが2.5 μm以
下であり、かつ、第1表面部の光学的反射率に対する第
2表面部の光学的反射率の比が、0.3 〜0.7 の範囲内に
ある構成である。
【0200】それゆえ、感光層の膜厚を薄く、25μm以
下とした場合においても、第2表面部に対応する位置に
形成された感光層の表面の平滑性等を高め、薄膜化によ
って生じるクリーニング不良やトナー落ち等の弊害を防
止することができる。また、このように、感光層の膜厚
を薄くした場合においても、第2表面部を設けることが
でき、複写画質における文字の輪郭の美しさや鮮明さを
向上させることができる。従って、クリーニング不良や
トナー落ち等の不具合を防止し、かつ、第2表面部の形
成位置を基準とした画像形成プロセス因子の制御を正確
に行うことができるので、常に安定した良好な複写画像
を得ることができるという効果を奏する。
【0201】請求項の発明にかかる電子写真用感光体
は、以上のように、請求項1記載の構成に加えて、上記
感光層は、ガラス転移点近傍の温度でアニーリングする
ことにより表面処理されてなる構成である。
【0202】それゆえ、感光層表面の粗さをより一層抑
えることができる。即ち、請求項1の作用に加えて、電
子写真用感光体における平滑性等の表面性をより一層向
上させることができる。従って、画像形成プロセス因子
の制御に、より優れた性能を発揮することができるとい
う効果を奏する。
【0203】請求項の発明にかかる電子写真用感光体
の製造方法は、以上のように、上記導電性基体を、上記
第2表面部の上縁部が重力方向に対して垂直とならない
状態に保持し、上記感光液を塗布する構成である。
【0204】そのため、過剰に塗布された感光液は、第
2表面部の上縁部を伝って流れ落ちる。そのため、請求
項1記載の電子写真用感光体を製造する際に、該感光体
の形状、感光層の形成時における該感光体の向き、およ
び上記第2表面部の形状や大きさに関係なく、塗布不良
(いわゆる液タレ現象)を防止することができる。従っ
て、画像形成プロセス因子の制御に、より優れた性能を
発揮することができるという効果を奏する。
【0205】請求項の発明にかかる電子写真用感光体
の製造方法は、以上のように、洗浄および塗布の少なく
とも一方を行うに際して、上記導電性基体を、第2表面
部が重量方向に関して画像形成域より下側になるように
保持する構成である。
【0206】このため、たとえ第2表面部下側に洗浄・
塗布不良が起こったとしても、画像形成域外で起こるた
め、画像を損なうことがないという効果を奏する。
【0207】請求項の発明にかかる電子写真用感光体
の製造方法は、以上のように、浸漬洗浄または浸漬塗布
する際の導電性基体の引上げ方向に対して垂直とはなら
ない方向に連続する未加工部分を有するように上記第2
表面部を形成する構成である。
【0208】このため、上記未加工部分を通じて洗浄液
や感光液が流れやすくなり、過剰な洗浄液や感光液が付
着せず、洗浄または塗布時の不良を無くすことができる
と共に、次の工程に移行するまでの時間を短くすること
ができるという効果を奏する。
【0209】請求項の発明にかかる電子写真用感光体
の製造方法は、以上のように、上記第2表面部に、感光
層形成時の導電性基体の重力方向に直行する方向に第1
溝部を形成する構成である。
【0210】このため、過剰な感光液を第1溝部の両端
に集中させて流し落とすことができる。従って、塗布不
良が起こる部分の横幅(面積)を狭く(小さく)するこ
とができ、接着強度を向上させることができると共に、
次の工程に移行するまでの時間を短くすることができる
という効果を奏する。
【0211】請求項の発明にかかる電子写真用感光体
の製造方法は、以上のように、請求項記載の構成に加
えて、上記第1溝部に第2溝部を導電性基体の端縁まで
繋げて設ける構成である。
【0212】このため、上記第1溝部の両端に集中させ
た過剰な感光液を強制的に流し落とすことができる。従
って、接着強度をさらに向上させることができると共
に、次の工程に移行するまでの時間をさらに短くするこ
とができるという効果を奏する。
【0213】請求項10の発明にかかる電子写真用感光
体は、以上のように、上記請求項5ないし9のいずれか
1項に記載の電子写真用感光体製造方法によって形成さ
れる構成である。
【0214】それゆえ、請求項5ないし9のいずれか1
項に記載の電子写真用感光体製造方法によって電子写真
用感光体を形成することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例にかかる電子写真用感光体を
示す斜視図である。
【図2】上記電子写真用感光体の光学的反射特性を説明
する説明図である。
【図3】マーキング領域(第2表面)の最大表面粗さ
(基体表面粗度)と、マーキング領域に対応する位置に
形成された感光層の最大表面粗さ(塗膜表面粗度)との
関係、および非マーキング領域(第1表面)の反射率を
1とした場合のマーキング領域の相対的反射率(SN
値)との関係を示すグラフである。
【図4】マーキング領域が設けられた導電性基体への感
光液の塗布方法の一例を説明する説明図である。
【図5】図1に示す電子写真用感光体の形成過程におい
て用いられる洗浄装置の概略図である。
【図6】マーキング領域表面の加工状態の一例を説明す
る説明図である。
【図7】マーキング領域表面の加工状態の他の例を説明
する説明図である。
【図8】マーキング領域内に、第1溝部が形成されてい
ることを示す説明図である。
【図9】図8に示す第1溝部に繋げて、第2溝部が、導
電性基体の端縁まで形成されていることを示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 感光体(電子写真用感光体) 2 導電性基体 3 感光層 4 マーキング領域(第2表面部) 5 非マーキング領域(第1表面部) 6 塗布液(感光液) 9 ドット 10 未加工部分 15 液タレ 18 洗浄液 25 洗浄液 35 洗浄液 45 洗浄液 51 加工溝(第1溝部) 52 加工溝(第2溝部)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 津越 正弥 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 黒川 誠 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平6−149136(JP,A) 特開 平4−120551(JP,A) 特開 平7−219248(JP,A) 特開 平3−255451(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 5/00 101 G03G 5/10

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に、感光層が形成されてなる
    電子写真用感光体において、上記感光層の膜厚が25μm以下である一方、 上記導電性基体は、第1表面部と、上記第1表面部とは
    異なる光学的反射特性を有する第2表面部とを備え、 上記第2表面部に対応する位置に形成された感光層の最
    大表面粗さが2.5 μm以下であり、かつ、 第1表面部の光学的反射率に対する第2表面部の光学的
    反射率の比が、0.3 〜0.7 の範囲内にあることを特徴と
    する電子写真用感光体。
  2. 【請求項2】導電性基体上に、感光層が形成されてなる
    電子写真用感光体において、 上記導電性基体は、第1表面部と、上記第1表面部とは
    異なる光学的反射特性を有する第2表面部とを備え、 上記導電性基体における第2表面部の最大表面粗さが1
    2.7μm以下であると共に、 上記第2表面部に対応する位置に形成された感光層の最
    大表面粗さが2.5 μm以下であり、かつ、 第1表面部の光学的反射率に対する第2表面部の光学的
    反射率の比が、0.3 〜0.7 の範囲内にあることを特徴と
    する電子写真用感光体。
  3. 【請求項3】導電性基体上に、感光層が形成されてなる
    電子写真用感光体において、 上記感光層の膜厚が25μm以下である一方、 上記導電性基体は、第1表面部と、上記第1表面部とは
    異なる光学的反射特性を有する第2表面部とを備え、 上記導電性基体における第2表面部の最大表面粗さが1
    2.7μm以下であると共に、 上記第2表面部に対応する位置に形成された感光層の最
    大表面粗さが2.5 μm以下であり、かつ、 第1表面部の光学的反射率に対する第2表面部の光学的
    反射率の比が、0.3 〜0.7 の範囲内にあることを特徴と
    する電子写真用感光体。
  4. 【請求項4】上記感光層は、ガラス転移点近傍の温度で
    アニーリングすることにより表面処理されてなることを
    特徴とする請求項1記載の電子写真用感光体。
  5. 【請求項5】第1表面部と、上記第1表面部とは異なる
    光学的反射特性を有する第2表面部とを備えた導電性基
    体上に、感光液を塗布することにより感光層を形成する
    電子写真用感光体の製造方法において、 上記導電性基体を、上記第2表面部の上縁部が重力方向
    に対して垂直とならない状態に保持し、上記感光液を塗
    布することを特徴とする電子写真用感光体の製造方法。
  6. 【請求項6】第1表面部を備えた導電性基体上に、上記
    第1表面部とは異なる光学的反射特性を有するように第
    2表面部を形成し、洗浄後、この導電性基体上に感光液
    を塗布することにより感光層を形成する電子写真用感光
    体の製造方法において、 洗浄および塗布の少なくとも一方を行うに際して、上記
    導電性基体を、第2表面部が重量方向に関して画像形成
    域より下側になるように保持することを特徴とする電子
    写真用感光体の製造方法。
  7. 【請求項7】第1表面部を備えた導電性基体上に、上記
    第1表面部とは異なる光学的反射特性を有するように第
    2表面部を形成し、洗浄後、この導電性基体上に感光液
    を塗布することにより感光層を形成する電子写真用感光
    体の製造方法において、 浸漬洗浄または浸漬塗布する際の導電性基体の引上げ方
    向に対して垂直とはならない方向に連続する未加工部分
    を有するように上記第2表面部を形成することを特徴と
    する電子写真用感光体の製造方法。
  8. 【請求項8】第1表面部を備えた導電性基体上に、上記
    第1表面部とは異なる光学的反射特性を有するように第
    2表面部を形成し、この導電性基体上に感光液を塗布す
    ることにより感光層を形成する電子写真用感光体の製造
    方法において、 上記第2表面部に、感光層形成時の導電性基体の重力方
    向に直行する方向に第1溝部を形成することを特徴とす
    る電子写真用感光体の製造方法。
  9. 【請求項9】上記第1溝部に第2溝部を導電性基体の端
    縁まで繋げて設けることを特徴とする請求項8記載の電
    子写真用感光体の製造方法。
  10. 【請求項10】上記請求項5ないし9のいずれか1項に
    記載の電子写真用感光体製造方法によって形成されるこ
    とを特徴とする電子写真用感光体。
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