JP3086279B2 - 自動変速機の油圧制御装置 - Google Patents

自動変速機の油圧制御装置

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JP3086279B2
JP3086279B2 JP03135802A JP13580291A JP3086279B2 JP 3086279 B2 JP3086279 B2 JP 3086279B2 JP 03135802 A JP03135802 A JP 03135802A JP 13580291 A JP13580291 A JP 13580291A JP 3086279 B2 JP3086279 B2 JP 3086279B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2552/00Input parameters relating to infrastructure
    • B60W2552/15Road slope, i.e. the inclination of a road segment in the longitudinal direction

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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は自動変速機の油圧制御装
置、特に摩擦要素締結用のライン圧を必要最小限の値に
精度よく制御するようにしたものに関する。
【0002】
【従来の技術】車両に搭載される自動変速機は、トルク
コンバータを介してエンジン出力トルクが入力される変
速機構の動力伝達経路を複数の摩擦要素の選択的締結に
よって切り換えることにより、変速段を運転状態に応じ
て自動的に切り換えるように構成したもので、この種の
自動変速機には、上記摩擦要素を締結するためのライン
圧を生成する油圧制御回路が備えられる。その場合に、
この油圧制御回路によって生成されるライン圧が摩擦要
素への入力トルクに対して低過ぎると、該摩擦要素のト
ルク伝達容量が不足して、所要のトルクを確実に伝達す
ることができないことになり、また、ライン圧が摩擦要
素への入力トルクに対して高すぎると、該摩擦要素の締
結時に所謂変速ショックが発生すると共に、オイルポン
プを駆動するためのトルクが必要以上に大きくなってエ
ンジン出力を徒に消費することになる。
【0003】そこで、従来においては、摩擦要素への入
力トルクがエンジンの出力トルクに対応することを利用
して、このエンジン出力トルクを制御するスロットルバ
ルブの開度に応じてライン圧を調整し、これにより該ラ
イン圧を摩擦要素の入力トルクに対応させることが行わ
れている。また、特開平1−116363号公報によれ
ば、摩擦要素の入力トルクにライン圧をより精度よく対
応させるために、エンジンへの燃料供給量(燃料噴射パ
ルス幅)とエンジン回転数とに応じてライン圧を調整す
るようにしたものが開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記公報に
開示されたものは、エンジン出力トルクが、燃料噴射パ
ルス幅とエンジン回転数とに関連するとの前提によるも
のであるが、実際には、エンジン出力トルクは、上記燃
料噴射パルス幅やエンジン回転数だけでなく、点火時期
によっても大幅に変動する。そのため、上記公報に開示
されたものでは、ライン圧の設定に際して、エンジン出
力トルクないし摩擦要素の入力トルクを実際の値に対し
て過大に判断したり過小に判断したりするおそれがあ
り、前者の場合はライン圧が必要以上に高くなって、オ
イルポンプを駆動するためのエンジン出力の損失が増大
したり、変速ショックが発生したりすることになり、ま
た、後者の場合はライン圧が不足して、トルクを確実に
伝達することができないことになる。
【0005】また、摩擦要素の入力トルクは、上記のよ
うに基本的にはエンジン出力トルクに対応するが、エン
ジンと変速機構との間に介設されたトルクコンバータ
が、加速時等にエンジン出力トルクを増大して変速機構
側に伝達するので、摩擦要素の入力トルクは、エンジン
出力トルクにこのトルクコンバータのトルク増大比を乗
算した値に対応することになる。そのため、摩擦要素の
所要のトルク伝達容量を確保して、常に確実にトルクを
伝達させるようにするためには、ライン圧は、エンジン
出力トルクに上記トルク増大比の最大値を乗算した値を
基準として設定しなければならないことになる。そのた
め、トルク増大比が最大値とならない通常の運転状態で
は、ライン圧が必要以上に高くなり、上記のようなオイ
ルポンプを駆動するためのエンジン出力トルクの損失
や、変速時におけるショックが増大することになる。
【0006】本発明は、自動変速機のライン圧制御に関
する上記のような実情に対処するもので、実際に摩擦要
素へ入力されるトルクを正しく推定して、ライン圧を必
要最小限の値に精度よく制御し、もって、各摩擦要素の
所要のトルク伝達容量を確保しながら、エンジンのポン
プ駆動損失を低減し且つ変速ショックを抑制することを
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は次のように構成したことを特徴とする。
【0008】まず、本願の請求項1に係る発明(以下、
第1発明という)は、図1に示すように、エンジンAの
出力トルクがトルクコンバータB1を介して入力される
変速機構B2の動力伝達経路を複数の摩擦要素の選択的
締結によって切り換えるように構成され、且つ上記摩擦
要素締結用のライン圧を調整するライン圧調整手段B3
が備えられた自動変速機において、上記エンジンAの運
転状態量として、空気充填効率、回転数及び点火時期を
それぞれ検出する空気充填効率検出手段C1、エンジン
回転数検出手段C2及び点火時期検出手段C3を備えると
共に、これらの検出手段C1〜C3で検出される上記3つ
のエンジン運転状態量に基づいてエンジンAの出力トル
クを推定するエンジントルク推定手段Dと、この推定手
段Dで推定されたエンジン出力トルクにトルクコンバー
タB 1 のトルク増大比を乗算することにより上記変速機
構B 2 に入力されるタービントルクを算出するタービン
ルク算出手段Fと、この算出手段Fで算出されたター
ビントルクに対応したベースライン圧を算出するベース
ライン圧算出手段Gと、変速時に上記トルクコンバータ
1 におけるタービン回転数の変化量を算出するタービ
ン回転数変化量算出手段Hと、この算出手段Hで算出さ
れたタービン回転数の変化量に応じた補正量を上記ベー
スライン圧に加算するライン圧補正手段Iとを設ける。
そして、この補正手段Iによって補正されたライン圧が
生成されるようにライン圧調整手段B 3 を作動させるラ
イン圧制御手段Eを備えたことを特徴とする。
【0009】そして、請求項に係る発明(以下、第
発明という)では、上記第発明におけるライン圧補正
手段Iとして、変速時にベースライン圧に加算する補正
量を、シフトアップ変速時にはタービン回転数の変化量
が大きいほど大きくし、シフトダウン変速時にはタービ
ン回転数の変化量が小さいほど大きくするものを設けた
ことを特徴とする。
【0010】さらに、請求項に係る発明(以下、第
発明という)は、少なくともシフトアップ変速時に出力
トルクの低下制御が行われるエンジンに適用される自動
変速機において、上記第、第発明と同様に、空気充
填効率検出手段C1、エンジン回転数検出手段C2及び点
火時期検出手段C3と、これらの検出手段C1〜C3で検
出される各エンジン運転状態量に基づいてエンジンAの
出力トルクを推定するエンジントルク推定手段Dと、こ
の推定手段Dで推定されたエンジン出力トルクにトルク
コンバータB1のトルク増大比を乗算することにより変
速機構B2に入力されるタービントルクを算出するター
ビントルク算出手段Fと、この算出手段Fで算出された
タービントルクに対応したベースライン圧を算出するベ
ースライン圧算出手段Gとを設けると共に、図に鎖線
で示すように、シフトアップ変速時に上記エンジン出力
トルクの低下制御に先立って予めベースライン圧を低下
させるベースライン圧低下手段Jを設ける。そして、変
速時に上記トルクコンバータB1のタービン回転数の変
化量を算出するタービン回転数変化量算出手段Hと、こ
の算出手段Hで算出されたタービン回転数の変化量に応
じた補正量を上記ベースライン圧に加算するライン圧補
正手段Iと、この補正手段Iによって補正されたライン
圧が生成されるように上記ライン圧調整手段B3を作動
させるライン圧制御手段Eとを備えたことを特徴とする
【0011】
【作用】上記の構成によれば、第1〜第発明のいずれ
によっても、エンジン出力トルクが、空気充填量と、エ
ンジン回転数と、点火時期とに基づいて推定されるの
で、該エンジン出力トルクの推定が正確に行われること
になる。そして、このエンジン出力トルクにトルクコン
バータのトルク増大比を乗算したタービントルクを変速
機構への入力トルクとし、この値に基づいてライン圧が
設定されるので、該ライン圧が摩擦要素への入力トルク
に精度よく対応することになって、該摩擦要素の所要の
トルク伝達容量を確保しながら、ライン圧が過大である
ことによるエンジンのポンプ駆動損失の増大や変速ショ
ックの発生が抑制されることになる。
【0012】そして、第、第発明によれば、変速時
におけるライン圧がタービン回転数の変化量に応じて増
圧補正されることになるので、変速時における変速機構
の回転数の急激な変化による慣性モーメントが適切に吸
収されて、良好な変速動作が得られることになる。
【0013】また、第発明によれば、少なくともシフ
トアップ変速時にエンジン出力トルクの低下制御が行わ
れる場合に、この出力トルクの低下に伴うライン圧の低
下動作に先立って該ライン圧が低下されることになる。
したがって、摩擦要素の締結が開始される時点ではライ
ン圧がすでに低下されていることになって、エンジン出
力トルクの低下に伴うライン圧の低下動作の応答遅れに
よる変速ショックの悪化が回避されることになる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。
【0015】図に示すように、この実施例に係るエン
ジン10には、吸気通路11に、上流側から吸入空気量
を検出するエアフローセンサ12と、自動的に開閉制御
される第1スロットルバルブ13と、運転者の操作によ
って開閉制御される第2スロットルバルブ14とが配設
されていると共に、各気筒毎に燃料噴射弁15…15
と、点火プラグ16…16とが配設されている。また、
このエンジン10と共にパワーユニットを構成する自動
変速機20は、エンジン10の出力軸17に連結された
トルクコンバータ21と、その出力トルク(タービント
ルク)が入力される変速機構22と、複数の摩擦要素
(図示せず)に選択的にライン圧を供給することにより
上記変速機構22の変速比(変速段)を切り換える油圧
制御回路23とで構成されている。
【0016】さらに、上記エンジン10及び自動変速機
20に対する各種の制御のためのコントロールユニット
30が備えられ、該コントロールユニット30に、上記
エンジン10からは、吸気通路11におけるエアフロー
センサ12からの信号と、第2スロットルバルブ14の
開度を検出するスロットル開度センサ31からの信号
と、エンジン出力軸17の回転数を検出するエンジン回
転数センサ32からの信号と、冷却水の温度を検出する
水温センサ33からの信号とが入力され、また、自動変
速機20からは、トルクコンバータ21の出力回転数
(タービン回転数)を検出するタービン回転数センサ3
4からの信号と、変速機構22の出力回転数を検出する
出力回転数センサ35からの信号と、作動油の温度を検
出する油温センサ36からの信号とが入力される。さら
に、該コントロールユニット30には、当該車両の傾斜
角を検出する傾斜角センサ37からの信号と、バッテリ
38の出力電圧を示す信号とが入力されるようになって
いる。
【0017】そして、コントロールユニット30は、上
記各入力信号に基づいて、エンジン10における燃料噴
射弁15…15による燃料噴射制御と、点火プラグ16
…16に対する点火制御と、第1スロットルバルブ13
に対するスロットル制御とを行い、また、自動変速機2
0に対しては、上記油圧制御回路23に備えられたソレ
ノイドバルブ24…24による変速制御と、同じく油圧
制御回路23に備えられたデューティソレノイドバルブ
25によるライン圧制御とを行うようになっている。さ
らに、この実施例では、変速時に上記スロットル制御に
よりエンジン10の出力トルクを低減させる制御が行わ
れる。
【0018】ここで、上記油圧制御回路23のうちの本
案の特徴部を構成するライン圧制御に関連する部分の構
成を説明する。
【0019】図に示すように、油圧制御回路23に
は、ライン圧制御用として、オイルポンプ41から吐出
される作動油の圧力を所定のライン圧に調整するレギュ
レータバルブ42と、該レギュレータバルブ42に制御
圧を供給するスロットルモデュレータバルブ43とが備
えられている。このスロットルモデュレータバルブ43
には、上記オイルポンプ41から作動油が吐出されるメ
インライン44から該作動油を一定圧に減圧するレデュ
ーシングバルブ45を介して導かれた一定圧ライン46
が接続され、また、該スロットルモデュレータバルブ4
3から上記レギュレータバルブ42の一端に設けられた
増圧ポート42aに増圧ライン47が導かれていると共
に、上記一定圧ライン46から分岐されたパイロットラ
イン48がスロットルモデュレータバルブ43の一端の
制御ポート43aに接続されている。
【0020】そして、このパイロットライン48に、図
に示したにライン圧制御用のデューティソレノイドバ
ルブ25が設置され、該デューティソレノイドバルブ2
5のデューティ率(1ON,OFFサイクル中のON時
間比率)に応じたパイロット圧が上記スロットルモデュ
レータバルブ43の制御ポート43aに導入されること
により、上記ライン46から供給された一定圧が該パイ
ロット圧ないし上記デューティ率に応じた圧力に調整さ
れ、この油圧がライン47によりレギュレータバルブ4
2の増圧ポート42aに供給されるようになっている。
したがって、このレギュレータバルブ42によって圧力
が調整されるライン圧は上記デューティ率に応じた圧力
となる。
【0021】次に、上記コントロールユニット30によ
るライン圧制御の具体的動作を図に示すフローチャー
トにしたがって説明する。
【0022】まず、コントロールユニット30は、フロ
ーチャートのステップS1で図に示す各センサ12,
31〜37及びバッテリ38からの信号がそれぞれ示す
吸入空気量、第2スロットルバルブ14の開度、エンジ
ン回転数、冷却水温、タービン回転数、変速機構22の
出力回転数、作動油の油温、車両の傾斜角及びバッテリ
電圧等を入力する。次いで、ステップS2で、上記エン
ジン回転数NEに対するタービン回転数NTの比、即ちト
ルクコンバータ21の速度比e(=NT/NE)の値によ
って現在の車両の駆動状態が正駆動状態(e<1)であ
るか逆駆動状態(e>1)であるか、つまり車両がエン
ジン10の出力によって駆動されている状態か、慣性に
よって走行している状態かを判定する。
【0023】そして、正駆動状態にある場合には、ステ
ップS3、S4で、エンジン10の出力トルクTE及び
トルクコンバータ21の出力トルク(タービントルク)
Tを順次算出し、また、逆駆動状態にある場合には、
ステップS5で自動変速機20の変速機構22に出力側
から入力される逆駆動トルクTRを算出する。
【0024】その場合に、正駆動状態でのエンジントル
クTEは、図に示すように点火時期IGについての2次
関数として近似することができ、これを式で示せば次の
ようになる。
【0025】T=−A(IG−B)2+C ここで、A,B,Cはエンジン10の運転状態に応じて
変化する係数であって、図(a),(b),(c)に
示すように、それぞれエンジン回転数NEと空気充填効
率CEとをパラメータとするマップとして予め設定され
ている。そこで、上記ステップS3においては、まず、
エンジン回転数NEと吸入空気量Qとから現時点の空気
充填効率CE1を求めると共に、この空気充填効率CE1
現時点のエンジン回転数NE1とを用いて上記各マップか
ら現時点のエンジン10の運転状態に対応した係数
1,B1,C1を求める。そして、これらの係数A1,B
1,C1と現時点の点火時期IGとを上記式に代入するこ
とによりエンジントルクTEを算出する。これにより、
実際のエンジントルクが精度よく推定されることにな
る。
【0026】また、ステップS4では、トルクコンバー
タ21の現時点での速度比eに基づいて、図のトルク
増大特性を示すマップからトルク増大比t(=TT
E)を求め、このトルク増大比tを上記ステップS3
で求めたエンジントルクTEに乗算することによりター
ビントルクTTを求める。
【0027】さらに、ステップS5においては、車速に
対応する変速機構22の出力回転数と、変速段と、車両
の傾斜角とから自動変速機20の変速機構22に出力側
から入力される逆駆動トルクTRを算出する。
【0028】このようにして、ライン圧の設定の基礎と
なるタービントルクTT及び逆駆動トルクTRが正しく算
出されることになる。
【0029】次に、コントロールユニット30は、ステ
ップS6で、変速段と上記のようにして求めたタービン
トルクTTもしくは逆駆動トルクTRとから必要ライン圧
Nを算出する。この必要ライン圧PNは、各変速段毎
に、一定のタービントルクTTもしくは逆駆動トルクTR
に対して最も高いライン圧が必要とされる摩擦要素につ
いて、図に示すように、そのライン圧と、タービント
ルクTTもしくは逆駆動トルクTRとの間の比例定数K1
〜K4,KRを予め算出しておき、現在の変速段について
の比例定数を上記タービントルクTTに乗算することに
より求める。
【0030】そして、コントロールユニット30は、ス
テップS7で、上記の必要ライン圧PNをエンジン回転
数NEに応じて修正し、ベースライン圧PBを求める。こ
のライン圧の修正は、エンジン回転数NEが低い場合に
は、オイルポンプの吐出量が不足するため、所定の目標
ライン圧に対応する制御量を出力してもその目標ライン
圧が得られないという実情に対して、予めエンジン回転
数NEが低い場合には、必要ライン圧PNを高めに修正
し、この修正したライン圧をベースライン圧PBとする
ものである。具体的には、図に示すエンジン回転数N
Eと必要ライン圧PNとをパラメータとするマップに現時
点のエンジン回転数NE1及び必要ライン圧PN1を当ては
め、現時点でのベースライン圧PB1を求める。
【0031】以上のようにして、摩擦要素が所定の入力
トルクを伝達するのに必要なベースライン圧PBが、過
不足のない必要最小限の値として求められることにな
る。
【0032】次に、コントロールユニット30は、ステ
ップS8で、自動変速機20の変速段を切り換えるため
の変速信号を出力したか否かを判定し、運転状態が変速
段を切り換えるべき時期でなく、変速信号がOFFのと
きは、上記ステップS8からステップS9を直ちに実行
し、上記ベースライン圧PBをそのまま目標ライン圧P
とすると共に、ステップS10で、この目標ライン圧P
に対応するデューティソレノイドバルブ25のデューテ
ィ率Dを演算する。その場合に、同一デューティ率Dに
対して得られるライン圧は作動油の油温によって異なる
ので、図10に示すように、油温をパラメータとして予
め設定されたマップから、そのときの油温に応じて目標
ライン圧Pに対応するデューティ率Dを求める。
【0033】また、ステップS11で、デューティソレ
ノイドバルブ25を駆動するための過励磁時間t0を演
算する。この過励磁時間t0は、デューティソレノイド
バルブ25のON動作の遅れをなくすため、図11に示
すように、デューティ信号の立ち上がり時に極短時間だ
け余分に電流を供給する時間であるが、バッテリ電圧が
低下している場合には、この時間を長くする必要があ
る。そこで、ステップS11では、図12に示すように
バッテリ電圧VBをパラメータとして予め設定されたマ
ップから、この過励磁時間t0を求めるのである。
【0034】そして、コントロールユニット30は、ス
テップS12で、上記のようにして設定されたデューテ
ィ率D及び過励磁時間t0のデューティ信号を上記デュ
ーティソレノイドバルブ25に出力する。これにより、
に示す油圧制御回路23のレギュレータバルブ42
により、そのときの摩擦要素の入力トルクに対して精度
よく対応したライン圧が生成されることになる。
【0035】一方、運転状態が自動変速機20の変速段
を切り換えるべき状態であって、変速信号がONとなっ
たときは、コントロールユニット30は、上記ステップ
S8からステップS13を実行し、上記変速信号がシフ
トアップ信号であるかシフトダウン信号であるかを判定
する。そして、シフトアップ信号のON時にはステップ
S14で、シフトダウン信号のON時にはステップS1
5で、それぞれ変速時の増加ライン圧ΔPを算出する。
この変速時増加ライン圧ΔPの算出は、具体的には次の
ようにして行われる。
【0036】まず、現時点のタービン回転数NT1と変速
前後の変速段のギヤ比とから変速後のタービン回転数N
T2を算出し、この変速前後のタービン回転数NT1,NT2
の差、つまりタービン回転数の変化量ΔNT(=|NT1
−NT2|)を求める。そして、この変化量ΔNに基づ
き、シフトアップ時には図13(a)のマップから、シ
フトダウン時には同図(b)のマップからそれぞれ変速
時増加ライン圧ΔPを求める。その場合に、シフトアッ
プ時のマップでは、上記タービン回転数変化量ΔNが大
きくなるほど増加ライン圧ΔPも大きくなり、シフトダ
ウン時のマップでは、タービン回転数変化量ΔNが小さ
くなるほど増加ライン圧ΔPが大きくなるように設定さ
れている。これは、シフトアップ時には、タービン回転
数の変化量ΔNTが大きくなると、摩擦要素が吸収しな
ければならない慣性モーメントが大きくなるため、一定
の時間で変速動作を完了させるためには、ライン圧を高
くしてその摩擦要素のトルク容量を大きくしなければな
らないからである。また、シフトダウン時には、上記慣
性モーメントはエンジンと摩擦要素とで分担して吸収さ
れるが、タービン回転数の変化量ΔNTが小さいとき
は、エンジン回転数の上昇量も少ないため、上記慣性モ
ーメントの摩擦要素で受け持つ割合が大きくなるからで
ある。
【0037】そして、まず、シフトダウン時には、ステ
ップS9で、この変速時増加ライン圧ΔPを上記ステッ
プS7で求めたベースライン圧PBに加算することによ
り目標ライン圧Pを求めると共に、前述の非変速時の場
合と同様に、ステップS10〜S12にしたがって、デ
ューティ率Dの算出、過励磁時間t0の算出、及びデュ
ーティ信号の出力の各動作を行う。
【0038】また、シフトアップ時には、上記ステップ
S14で変速時増加ライン圧ΔPを算出した後、ステッ
プS16でベースライン圧PBの補正制御を行う。
【0039】この補正制御は、変速時にエンジントルク
の低下制御が行われる場合に、このエンジントルクの低
下に対する上記のような制御によるライン圧の低下動作
の応答遅れにより変速ショックが増大することを防止す
るためのものである。つまり、図15に示すように、変
速信号がONとなった時点で上記の変速時増加ライン圧
ΔPがベースライン圧PBに加算されると共に、実際に
変速動作が開始されてギヤ比Iが変速前の変速段のギヤ
比I0より所定量ΔIだけ低下した時点で、エンジント
ルクTEが低下され、これに伴って、上記ベースライン
圧PBも低下されることになるのであるが、実際にはこ
のベースライン圧PBの低下の遅れのため、符号(ア)
で示すように、ライン圧が高い状態で摩擦要素の締結動
作が開始されることになる。そのため、大きな変速ショ
ックが発生するのである。
【0040】そこで、コントロールユニット30は、変
速時におけるエンジン出力トルクの低下に対応するベー
スライン圧PBの低下動作を、実際に摩擦要素が締結さ
れて変速動作が開始される時期に先立ち、変速信号がO
Nとなった時点で行わせるのであり、この動作は、図
にフローチャートを示すサブルーチンにしたがって次
のように行われる。
【0041】すなわち、コントロールユニット30は、
まずステップS21で変速信号(シフトアップ信号)が
ONとなったことを確認し、次いで、ステップS22
で、ギヤ比Iが変速前の変速段のギヤ比I0から所定量
ΔIを減算した値より小さくなったか否かを判定し、小
さくなっていない場合、つまり、変速信号はONとなっ
たが実際の変速動作は未だ開始されていない時期は、ス
テップS23で、ベースライン圧PBに1より小さな値
であってエンジントルクTEの低下量を推定して設定し
た所定の補正係数Kを掛けて、補正ベースライン圧
B’を求める。そして、ステップS24で、この補正
ベースライン圧PB’に前述の変速時増加ライン圧ΔP
を加算した値を目標ライン圧Pとする。
【0042】その場合に、この目標ライン圧Pが補正前
のベースライン圧PBより小さくなると摩擦要素のトル
ク伝達容量が不足するおそれがあるので、コントロール
ユニット30は、ステップS25で、上記ステップS2
4で求めた目標ライン圧Pと補正前のベースライン圧P
Bとを比較し、P<PBのときは、このベースライン圧P
Bをそのまま目標ライン圧Pとする。
【0043】その後、摩擦要素が締結されて実際の変速
動作が開始され、ギヤ比Iが変速前の変速段のギヤ比I
0から所定量ΔIを減算した値より小さくなったとき
に、ステップS26を実行して、上記ステップS24と
同様に、目標ライン圧Pを補正ベースライン圧PB’に
変速時増加ライン圧ΔPを加算した値とするが、この期
間においては、上記ステップS25,S26による目標
ライン圧Pが補正前のベースライン圧PBより低くなる
ことを防止する制御は実行されない。
【0044】このようにして、図16に示すように、変
速動作の開始が、ベースライン圧PBが確実に低下され
ている状態で行われることになり、したがって、特にシ
フトアップ変速時に、エンジントルクTTが低下してい
るのにライン圧が高い状態で変速動作が開始されること
による大きな変速ショックの発生が防止されることにな
る。
【0045】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、摩擦要素
の入力トルクに対応するエンジンの出力トルクが、空気
充填効率と、回転数と、点火時期とに基づいて正確に推
定されると共に、このエンジン出力トルクに基づき、且
つトルクコンバータのトルク増大比を考慮してライン圧
を設定することにより、該ライン圧が上記摩擦要素の入
力トルクに制度よく対応することになる。これにより、
ライン圧を必要最小限の値とすることができ、摩擦要素
の所要のトルク伝達容量を確保しながら、ライン圧が必
要以上に高すぎることによるエンジンのポンプ駆動損失
や、大きな変速ショックの発生が防止されることに
り、しかも、変速時における変速機構の急激な回転変化
に伴う慣性モーメントが適切に吸収されることになっ
て、変速動作が良好に行われることになる。
【0046】 さらに、第発明によれば、少なくとも
シフトアップ変速時にエンジンの出力トルクの低減制御
が行われる場合に、この制御に対してライン圧の低下動
作が遅れることによる変速ショックの悪化が防止される
ことになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第〜第発明の全体構成を示すブロック図
である。
【図2】 実施例の制御システムを示すシステム図であ
る。
【図3】 油圧制御回路の要部を示す回路図である。
【図4】 ライン圧制御の動作を示すフローチャート図
である。
【図5】 エンジントルクの点火時期に対する特性図で
ある。
【図6】 エンジントルクの近似式における各係数を求
めるマップである。
【図7】 トルクコンバータのトルク増大比特性のマッ
プである。
【図8】 ライン圧補正係数のマップである。
【図9】 ベースライン圧を求めるマップである。
【図10】 デューティ率を求めるマップである。
【図11】 デューティ信号の説明図である。
【図12】 デューティ信号出力時の過励磁時間を求め
るマップである。
【図13】 変速時増加ライン圧を求めるマップであ
る。
【図14】 変速時のライン圧補正制御の動作を示すフ
ローチャート図である。
【図15】 ライン圧補正を行わない場合の問題点を示
すタイムチャート図である。
【図16】 ライン圧補正を行った場合のタイムチャー
ト図である。
【符号の説明】
10 エンジン 20 自動変速機 21 トルクコンバータ 22 変速機校 23 油圧制御回路(ライン圧調整手段) 30 コントロールユニット(エンジントルク推定
手段、ライン圧制御手段、タービントルク算出手段、ベ
ースライン圧算出手段、タービン回転数変化量算出手
段、ライン圧補正手段、ベースライン圧低下手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン出力トルクがトルクコンバータ
    を介して入力される変速機構の動力伝達経路を複数の摩
    擦要素の選択的締結によって切り換えるように構成さ
    れ、且つ上記摩擦要素締結用のライン圧を調整するライ
    ン圧調整手段が備えられた自動変速機の油圧制御装置で
    あって、上記エンジンの運転状態量として、空気充填効
    率、回転数及び点火時期をそれぞれ検出する空気充填効
    率検出手段、エンジン回転数検出手段及び点火時期検出
    手段が備えられ、且つこれらの検出手段で検出される上
    記3つのエンジン運転状態量に基づいてエンジンの出力
    トルクを推定するエンジントルク推定手段と、この推定
    手段で推定されたエンジン出力トルクに上記トルクコン
    バータのトルク増大比を乗算することにより上記変速機
    構に入力されるタービントルクを算出するタービントル
    ク算出手段と、この算出手段で算出されたタービントル
    クに対応したベースライン圧を算出するベースライン圧
    算出手段と、変速時に上記トルクコンバータのタービン
    回転数の変化量を算出するタービン回転数変化量算出手
    段と、この算出手段で算出されたタービン回転数の変化
    量に応じた補正量を上記ベースライン圧に加算するライ
    ン圧補正手段と、この補正手段によって補正されたライ
    ン圧が生成されるように上記ライン圧調整手段を作動さ
    せるライン圧制御手段とが設けられていることを特徴と
    する自動変速機の油圧制御装置。
  2. 【請求項2】 ライン圧補正手段は、シフトアップ変速
    時には、タービン回転数変化量算出手段によって算出さ
    れたタービン回転数の変化量が大きいほど大きくなる補
    正量を、シフトダウン変速時には、上記タービン回転数
    の変化量が小さいほど大きくなる補正量を、ベースライ
    ン圧にそれぞれ加算するように構成されている特許請求
    の範囲の請求項1に記載の自動変速機の油圧制御装置。
  3. 【請求項3】 少なくともシフトアップ変速時に出力ト
    ルクの低下制御が行われるエンジンに適用され、且つ該
    エンジンの出力トルクがトルクコンバータを介して入力
    される変速機構の動力伝達経路を複数の摩擦要素の選択
    的締結によって切り換えるように構成されていると共
    に、上記摩擦要素締結用のライン圧を調整するライン圧
    調整手段が備えられた自動変速機の油圧制御装置であっ
    て、上記エンジンの運転状態量として、空気充填効率、
    回転数及び点火時期をそれぞれ検出する空気充填効率検
    出手段、エンジン回転数検出手段及び点火時期検出手段
    が備えられ、且つこれらの検出手段で検出される上記3
    つのエンジン運転状態量に基づいてエンジンの出力トル
    クを推定するエンジントルク推定手段と、この推定手段
    で推定されたエンジン出力トルクに上記トルクコンバー
    タのトルク増大比を乗算することにより上記変速機構に
    入力されるタービントルクを算出するタービントルク算
    出手段と、この算出手段で算出されたタービントルクに
    対応したベースライン圧を算出するベースライン圧算出
    手段と、シフトアップ変速時に上記エンジン出力トルク
    の低下制御に先立って予めベースライン圧を低下させる
    ベースライン圧低下手段と、変速時に上記トルクコンバ
    ータのタービン回転数の変化量を算出するタービン回転
    数変化量算出手段と、この算出手段で算出されたタービ
    ン回転数の変化量に応じた補正量を上記ベースライン圧
    に加算するライン圧補正手段と、この補正手段によって
    補正されたライン圧が生成されるように上記ライン圧調
    整手段を作動させるライン圧制御手段とが設けられてい
    ることを特徴とする自動変速機の油圧制御装置。
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