JP3085136B2 - ワークのスライシング方法および装置 - Google Patents

ワークのスライシング方法および装置

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JP3085136B2 JP07091531A JP9153195A JP3085136B2 JP 3085136 B2 JP3085136 B2 JP 3085136B2 JP 07091531 A JP07091531 A JP 07091531A JP 9153195 A JP9153195 A JP 9153195A JP 3085136 B2 JP3085136 B2 JP 3085136B2
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    • B23D59/001Measuring or control devices, e.g. for automatic control of work feed pressure on band saw blade
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B23MACHINE TOOLS; METAL-WORKING NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B23DPLANING; SLOTTING; SHEARING; BROACHING; SAWING; FILING; SCRAPING; LIKE OPERATIONS FOR WORKING METAL BY REMOVING MATERIAL, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
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  • Mechanical Treatment Of Semiconductor (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワークのスライシング
方法および装置に関し、特に、内周刃を有するブレード
で半導体インゴットをウエーハにスライシングする場合
において、スライシング中の内周刃の変位を防止するこ
とにより、反りのないウエーハが得られるスライシング
方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】半導体インゴット等のワークのスライシ
ングは通常、周囲に刃先を有するブレードすなわち、内
周刃ブレードを高速回転させるとともに、ブレードの刃
先にクーラント(洗浄液及び/又は切削液)を供給して
行われている。このクーラントはスライス中のブレード
刃先の冷却および、刃先からの切粉の除去を目的として
おり、刃先からブレードのA,B両面を薄い膜状になっ
て流れ遠心力により排出される。
【0003】前記スライシングにおいては、図6に示す
ようにブレードによる半導体インゴット21の切断面S
1 ,S2 ,S3 …が互いに平行な平面となることが望ま
しく、これにより、反りのない高品質のウエーハが得ら
れる。このように切断面が平行平面となるためにはスラ
イシング中、ブレード刃先を半導体インゴットに対して
直進させることが必要である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
スライシング方法や装置では、図7に示すようにブレー
ド1の刃先1aが、インゴット21側に変位するか、あ
るいは、これと反対にウエーハ22側に変位する(図示
せず)のが通常であり、このため、インゴット21の切
断面が、図8に示すようにインゴット21の中心軸に対
して斜めに交差する傾斜平面Saとなったり、ウエーハ
側に凸の曲面Sb(または凹の曲面)になったり、極端
な場合には波状の曲面Scとなったりする結果、反りの
ないウエーハを得るのが難しく、ウエーハに大きな反り
があると、その上に形成される半導体素子の歩留りが低
下するという問題があった。
【0005】ところで、特開平4−216013号公報
(発明の名称:スライシングマシンの切断方法)には、
内周刃ブレードを用いたスライシングマシンにおいて、
クーラント供給ノズルの近傍にエアーノズルを設け、該
エアーノズルからの加圧エアーにより、切削に作用しな
い余分なクーラントを排除しながらスライシングを行う
ようにしたものが開示されている。この発明によれば、
内周刃ブレードの刃先の目詰まりが防止され、内周刃の
台金部の洗浄効果が高められる利点がある。しかし、本
発明者の検討によると、切削に作用しない余分なクーラ
ントを排除しながらスライシングを行う方法では、反り
のないウエーハを得るのは依然として難しいことが確認
された。
【0006】ブレード刃先の変位の原因の一つとして、
ブレード刃先のA,B面(インゴット側とウエーハ側)
での切れ味の差が挙げられ、ブレードは、刃先の切れ味
が良い側に変位する。図7は、刃先1aの切れ味を比較
した場合、インゴット21側のほうが良いときの変位を
示している。ところが、本発明者の検討により、スライ
シング中のブレード側面(台金1b)とインゴット切断
面との間隙に存在するクーラント膜の厚さの、ブレード
A,B面における不均衡によっても、刃先の変位が発生
することが発見された。このような変位が発生するの
は、クーラント膜厚の不均衡によって、クーラント膜面
とインゴットまたは切断中のウエーハとの間の間隙の大
きさに不均衡が生じ、ブレードの回転につられてブレー
ド面上を回っている空気がこの間隙を通過するときに、
間隙の大きさによって流速が変化し、狭い側の間隙の流
速が速くなるため、この狭い側の間隙に発生する負圧が
高くなり、該負圧の方向にブレードが引っ張られるため
であると推察される。
【0007】上記公報記載の方法では、クーラントの膜
厚をある程度薄くすることはできても、ブレードA,B
面のクーラント膜厚の不均衡を解消することはできない
ため、ブレード変位はなくならない。また、クーラント
はブレード上に粘性によって強固に、ある程度の厚さで
存在する。このため、この厚さをゼロにすることは到底
できないので、クーラントの影響を完全に排除すること
は不可能である。
【0008】なお、前記間隙は通常、50μm〜100
μmである。また、前記ブレード1において刃先1aは
通常、ダイヤモンド砥粒をブレード台金1bにニッケル
等のボンド材でボンディングしたものであり、ブレード
1の切れ味の不均衡は、ダイヤモンド砥粒の磨滅およ
び、ダイヤモンド砥粒間への切り粉の詰まり具合の不均
衡により生じる。
【0009】ここで、前記ブレードA,B面のクーラン
ト膜厚の不均衡によるブレードの変位について図7を参
照して具体的に説明すると、台金1bの上面とインゴッ
ト21側の切断面Sinとの間隙にクーラント膜Cin
がある一定の膜厚でブレード上に存在する。または台金
1bの下面とウエーハ22側の切断面Swとの間隙にク
ーラント膜Cwがある一定の膜厚でブレード上に存在す
る。この上下両者のクーラント膜厚の差によってクーラ
ントと切断面SinとSw間の間隙の大きさに差が生じ
る。Sin側の間隙がSw側より狭いときには、ブレー
ド刃先1aがインゴット21側に引っ張られ、逆にSw
側の間隙がSin側の間隙より狭いときには、ブレード
刃先1aがウエーハ22側に引っ張られ、上記クーラン
ト膜厚の不均衡による力と前記切れ味の不均衡との合力
によりブレード刃先1aの変位が発生する。
【0010】このため、たとえドレッシング(グリーン
カーボン砥石等のドレッサーにより刃先の目立てを行っ
てブレードの切れ味を復活させること)によりブレード
刃先1aの切れ味を均等化しても、ブレード刃先の変位
を完全に防止することはできない。
【0011】本発明は、従来技術の上記問題点に鑑みな
されたもので、その目的は、インゴット等のワークのス
ライシングにおいて、ブレード刃先の変位を減少させる
ことによりスライス品の反りを低下させるとともに、ス
ライス品のスライス面を互いに平行な平面状にしてスラ
イス品内厚さの均一性を高めることができる、ワークの
スライス方法および装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のワーク
のスライシング方法は、周囲に刃先を有するブレードの
両面にクーラント(洗浄液及び/又は切削液)を供給し
ながら、前記ブレードの刃先をワークに圧接させてこれ
を薄板状にスライシングするに際し、スライシング中、
前記ブレード面の変位を検出するとともに加圧エアー
を、変位した側のブレード面に吹きつけることにより、
変位した側のブレード面のクーラント膜厚を反対側のブ
レード面のクーラント膜厚より薄くする方法であって、
前記加圧エアーを、その流れが前記刃先とワークとの圧
接部の影響で乱れることないように該圧接部から充分に
離れた位置のブレード面に吹きつけることを特徴とす
る。
【0013】請求項6に記載のワークのスライシング方
法は、内周刃ブレードの両面にクーラント(洗浄液及び
/又は切削液)を供給しながら、前記ブレードによりワ
ークを薄板状にスライシングするに際し、スライシング
中、前記ブレード両面に加圧エアーを継続して吹きつけ
ることによりこれらブレード面のクーラント膜厚を所定
量だけ薄くするとともに、ブレード両面の変位を検出
し、変位した側のブレード面に加圧エアーを吹きつける
ことにより、変位した側のブレード面のクーラント膜厚
を、反対側のクーラント膜厚より薄くする方法であっ
て、前記ブレード両面への加圧エアーの継続的吹きつ
け、および前記変位した側のブレード面への加圧エアー
の吹きつけは、加圧エアーの流れが前記刃先とワークと
の圧接部の影響で乱れることないように該圧接部から充
分に離れた位置のブレード面に対して行うことを特徴と
する。
【0014】請求項7に記載のワークのスライシング装
置は、周囲に刃先を有するブレードのA,B両面にクー
ラント(洗浄液及び/又は切削液)を供給しながら、前
記ブレードによりワークを薄板状にスライシングする装
置において、前記ブレードのA面側、B面側のそれぞれ
に、ブレード面に加圧エアーを吹きつけるエアーノズル
を設け、これらのエアーノズルを、それぞれ別個の圧力
制御弁を介して加圧エアー供給源に連絡し、ブレードの
A面近傍にブレード変位検出器を設け、この変位検出器
をコンピュータの入力側に、該コンピュータの出力側を
前記二つの圧力制御弁にそれぞれ連絡するとともに、ブ
レードのA面近傍に設けたブレード変位検出器は前記コ
ンピュータを介して、A面側およびB面側のエアーノズ
ルに加圧エアーを供給する圧力制御弁に連絡し、前記コ
ンピュータによりブレード変位量の大、小に応じて前記
圧力制御弁の二次側圧力を高、低に制御するようにし、
さらに前記エアーノズルは、加圧エアー噴出口が前記刃
先とワークとの圧接部から充分に離れた位置にあるよう
に配備することにより、加圧エアーの流れが前記圧接部
の影響で乱れることなくブレードのA面側、B面側に吹
きつけることができるようにしたことを特徴とする。
【0015】
【作用】請求項1に記載のスライシング方法において
は、変位した側のブレード面に加圧エアーを吹きつける
ことにより、変位した側のブレード面のクーラント膜厚
を、反対側のブレード面のクーラント膜厚より薄くす
る。これにより、変位した側のブレード台金上のクーラ
ント面とワーク切断面との間隙が増大するため、これら
ブレード台金とワーク切断面との吸着力が低下し、ブレ
ードの変位が減少する。この場合、加圧エアーをその流
れが前記刃先とワークとの圧接部の影響で乱れることな
いように、該圧接部から充分に離れた位置のブレード面
に吹きつける。これは加圧エアーが乱れるとクーラント
膜厚も乱れるためで、充分に離れた位置で加圧エアーを
吹きつけることによってクーラント膜厚を正確及びなだ
らかに制御でき、ブレードの変位を確実に減少させるこ
とができる。
【0016】請求項6に記載のスライシング方法におい
ては、スライシング中、継続してブレード両面のクーラ
ントを排除することにより、クーラント膜厚を所定量だ
け薄くする。こうすることで、クーラント膜厚の不均衡
によるブレード変位が、切れ味の不均衡によるブレード
変位に比べて小さくなり、ブレード変位の修正が容易と
なる。また、変位した側のブレード面のクーラント膜厚
を、反対側のブレード面のクーラント膜厚より薄くする
ことによりブレードの変位が減少する。これらの場合、
請求項1と同様に、加圧エアーの流れが前記刃先とワー
クとの圧接部の影響で乱れることないように、該圧接部
から充分に離れた位置のブレード両面、または変位した
側のブレード面の前記圧接部から充分に離れた位置に吹
きつけるので、クーラント膜厚を正確及びなだらかに制
御でき、ブレードの変位を確実に減少させることができ
る。
【0017】請求項7に記載のスライシング装置による
スライシングは、例えば次のように行われる。すなわ
ち、ブレードのA,B両面へのクーラントの供給と並行
して、加圧エアーを、加圧エアー供給源から圧力制御弁
およびエアーノズルを介してA,B両面へ供給する。こ
のクーラントの供給と加圧エアーの吹きつけは継続して
行う。またスライシング中、継続してブレード変位検出
器によりブレード面の変位を検出し、A面側に変位が生
じたときにはA面側のエアーノズルから加圧エアーを供
給し、B面側に変位が生じたときにはB面側のエアーノ
ズルから加圧エアーを供給する。さらに、これら変位量
の大、小に応じて、コンピュータによりそれぞれ圧力制
御弁の二次側圧力を高、低に制御し、例えば変位量が大
きいときには、変位量が小さいときに比べて高圧のエア
ーをブレード面に吹きつける。これにより、常に変位量
を最小限に抑えることができる。この場合、エアーノズ
ルはその加圧エアー噴出口を、前記刃先とワークとの圧
接部から充分に離れた位置に配備することにより、加圧
エアーの流れが前記圧接部の影響で乱れることなくブレ
ードのA面側、B面側に吹きつけることができるように
したので、クーラント膜厚を正確及びなだらかに制御で
き、変位量を確実に最小限に抑えることができる。
【0018】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。 実施例1 図1はスライシング装置の概略正面図、図2は図1の一
部を示す平面図、図3はエアーノズルの配設要領の説明
図である。このスライシング装置は図1,2に示すよう
に、内周刃ブレード1のA,B両面にクーラントおよび
加圧エアーを供給しながら、ブレード1により半導体イ
ンゴット21を薄板状にスライシングするものである。
図1においてモータ(図示せず)により回転可能なスピ
ンドル14の上端部にチャックボディ15を固着し、ブ
レード1の台金1b外周部をチャックボディ15に固定
する。
【0019】クーラント供給ノズル2,3をブレード1
の内周側にブレード面と平行に、しかもクーラント供給
口2a,3aをブレード1の刃先1aの正面、かつ直近
前方に設ける。また、図1〜3に示すように、ブレード
1のA面側、B面側のそれぞれに、ブレード1面に加圧
エアーを吹きつけるエアーノズル4,5をブレード面に
対し傾斜して、かつ刃先1aの外側近傍に設ける。これ
らのエアーノズルは、それぞれ別個の圧力制御弁6,7
および電磁弁8,9を介して加圧エアー供給源10に連
絡する。エアーノズル4,5のブレード1に対する傾斜
角度θは、例えば約30°とする。なお、インゴット2
1は、移動装置(図示せず)により、上下方向および水
平方向に移動可能とする。また、図2に示すようにエア
ーノズル4,5を、その先端の加圧エアー噴出口が刃先
1aとインゴット21との圧接部から充分に離れた位置
にあるように設けることにより、加圧エアーの流れが前
記圧接部の影響で乱れることなくブレードのA面側、B
面側に吹きつけることができ、クーラント膜厚を正確及
びなだらかに制御できるように構成する。
【0020】ブレード1のA面の近傍にブレード変位検
出器11を設け、この変位検出器11をコンピュータ1
3の入力側に、該コンピュータ13の出力側を前記圧力
制御弁6,7にそれぞれ連絡する。前記変位検出器11
は、図1のようにブレード刃先1aの直近に設ける。こ
うすることで刃先1aの変位を、より正確に検出するこ
とができる。前記圧力制御弁6の二次側は、配管により
A面側のエアーノズル4に連絡し、前記圧力制御弁7の
二次側は、配管によりB面側のエアーノズル5に連絡す
る。ブレード1の変位量の大、小に応じて、圧力制御弁
6または7の二次側圧力を高、低に制御するように構成
する。
【0021】次に、このスライシング装置によりインゴ
ット21をスライシングしてウエーハを得る方法につい
て説明する。ブレード1を、スピンドル14により図2
の矢印方向に高速回転させ、A,B両面への所定流量の
クーラント、および所定圧の加圧エアーの連続的供給を
開始する。クーラントはクーラント供給ノズル2、3か
ら供給し、加圧エアーは、加圧エアー供給源10、電磁
弁8,9および圧力制御弁6,7を介してエアーノズル
4,5から供給する。次いで、インゴット21を前記移
動装置により適宜距離降下させた後、水平方向に移動さ
せ、その外周面をブレード1の刃先1aに圧接させてス
ライシングを開始する。
【0022】スライシング中、ブレードの変位を変位検
出器11により継続して検出し、A面側への変位(ブレ
ードが変位検出器11に接近する変位)が検出されたと
きには、この変位がなくなるまで、A面側へ供給する加
圧エアーの圧力を少しずつ適宜上昇させる。B面側への
変位(ブレードが変位検出器11から遠ざかる変位)が
検出されたときには、同様にしてこの変位がなくなるま
で、B面側へ供給する加圧エアーの圧力を少しずつ適宜
上昇させる。なおA面側、B面側の双方へ同時に変位が
生じることはないので、A面側、B面側のいずれか一方
への加圧エアーの圧力上昇操作が行われる。
【0023】図1装置によるスライシングの別の方法と
しては、以下のものも可能である。すなわち、スライシ
ング中、連続的にクーラントを供給するとともに、継続
してブレード変位検出器11によりA,B両面の変位を
検出し、A面側への変位が生じたときに初めてA面側の
エアーノズル4から加圧エアーを供給し、B面側への変
位が生じたときに初めてB面側のエアーノズル5から加
圧エアーを供給する。さらに、これら変位量の大、小に
応じて、コンピュータ13によりそれぞれ圧力制御弁6
または7の二次側圧力を高、低に制御し、例えば変位量
が大きいときには、変位量が小さいときに比べて高圧の
エアーをブレード面に吹きつける。
【0024】〔試験例1〕図1の装置を用い、半導体イ
ンゴットのスライシング中に検出されたブレード変位量
の大、小に応じて圧力を高、低に制御した加圧エアーを
ブレード面に吹きつけることにより、変位した側のブレ
ード面のクーラント膜厚を薄くした場合(方法:本発
明方法)と、スライシング中、ブレード面への加圧エア
ーの吹き付けを全く行わない場合(方法)とについ
て、スライシング中のブレード変位量の最大値を測定し
た。これらの場合、上記方法と方法を交互に実施し
た。結果を下記[表1]、[表2]に示す。また、スラ
イス工程の経過時間と、ブレード変位量との関係を図
4,5に示す。なお、ブレード変位量、ブレード変位修
正量の単位は、いずれも〔μm〕である。〔表1〕から
分かるようにブレード変位がA面側変位のとき、方法
を用いた場合平均5.2μmブレード変位量の最大値が
減少した。また、〔表2〕からは同様に、B面側変位の
とき、ブレード変位量の最大値が平均3.2μm減少し
たことが分かる。
【0025】
【表1】
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】以上の説明で明らかなように、請求項1
に記載のスライシング方法によれば、ブレード台金とワ
ーク切断面との吸着力が低下するので、ブレードの変位
量が減少する。このため反りが小さく、上下のスライス
面同士の平行度が向上した均一厚さのスライス品を得る
ことができる。請求項6に記載のスライシング方法によ
れば、ブレード洗浄作用及び/又は切削性維持作用が高
まるうえ、請求項1の方法と同様の効果が得られる。
求項7に記載のスライシング装置によれば、請求項1ま
たは6に記載のスライシング方法を的確に実施すること
ができる。また、請求項1,6,7に記載の発明では、
加圧エアーをブレード面へ吹きつけることによりブレー
ド面のクーラント膜厚を薄くするに際して、加圧エアー
の吹きつけを、加圧エアーの流れがブレードの刃先とワ
ークとの圧接部の影響で乱れることないように該圧接部
から充分に離れた位置のブレード面に対して行うように
構成したため、クーラント膜厚を正確及びなだらかに制
御でき、スライシング中のブレードの変位が確実に減少
し、高品位のスライス品を安定して製造することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のスライシング装置の実施例を示す概略
正面図である。
【図2】図1の一部を示す平面図である。
【図3】図1装置におけるエアーノズルの配設要領の説
明図である。
【図4】半導体インゴットをスライシングした場合の、
スライス工程の経過時間とブレードのA面側変位量との
関係を示すグラフである。
【図5】半導体インゴットをスライシングした場合の、
スライス工程の経過時間とブレードのB面側変位量との
関係を示すグラフである。
【図6】インゴットのスライシングにおける理想的切断
面を示す説明図である。
【図7】従来のインゴットスライシング方法において生
じる、ブレード刃先の変位を示す説明図である。
【図8】従来のインゴットスライシング方法による、好
ましくない切断面を示す説明図である。
【符号の説明】
1 ブレード 1a 刃先 1b 台金 2,3 クーラント供給ノズル 2a,3a クーラント供給口 4,5 エアーノズル 6,7 圧力制御弁 8,9 電磁弁 10 加圧エアー供給源 11 変位検出器 13 コンピュータ 14 スピンドル 15 チャックボディ 21 インゴット 22 ウエーハ

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周囲に刃先を有するブレードの両面にク
    ーラント(洗浄液及び/又は切削液)を供給しながら、
    前記ブレードの刃先をワークに圧接させてこれを薄板状
    にスライシングするに際し、スライシング中、前記ブレ
    ード面の変位を検出するとともに加圧エアーを、変位し
    た側のブレード面に吹きつけることにより、変位した側
    のブレード面のクーラント膜厚を反対側のブレード面の
    クーラント膜厚より薄くする方法であって、前記加圧エ
    アーを、その流れが前記刃先とワークとの圧接部の影響
    で乱れることないように該圧接部から充分に離れた位置
    のブレード面に吹きつけることを特徴とするワークのス
    ライシング方法。
  2. 【請求項2】 前記ブレードの変位量の大、小に応じ
    て、前記変位した側のブレード面のクーラントの膜厚
    と、反対側のブレード面のクーラントの膜厚との差を
    大、小とすることを特徴とする請求項1に記載のワーク
    のスライシング方法。
  3. 【請求項3】 前記ブレードの変位量の大、小に応じて
    前記加圧エアーの圧力を高、低とすることを特徴とする
    請求項2に記載のワークのスライシング方法。
  4. 【請求項4】 前記ワークが、半導体インゴットである
    請求項1に記載のワークのスライシング方法。
  5. 【請求項5】 前記ブレードが、内周刃ブレードである
    請求項1に記載のワークのスライシング方法。
  6. 【請求項6】 内周刃ブレードの両面にクーラント(洗
    浄液及び/又は切削液)を供給しながら、前記ブレード
    によりワークを薄板状にスライシングするに際し、スラ
    イシング中、前記ブレード両面に加圧エアーを継続して
    吹きつけることによりこれらブレード面のクーラント膜
    厚を所定量だけ薄くするとともに、ブレード両面の変位
    を検出し、変位した側のブレード面に加圧エアーを吹き
    つけることにより、変位した側のブレード面のクーラン
    ト膜厚を、反対側のクーラント膜厚より薄くする方法で
    あって、前記ブレード両面への加圧エアーの継続的吹き
    つけ、および前記変位した側のブレード面への加圧エア
    ーの吹きつけは、加圧エアーの流れが前記刃先とワーク
    との圧接部の影響で乱れることないように該圧接 部から
    充分に離れた位置のブレード面に対して行うことを特徴
    とするワークのスライシング方法。
  7. 【請求項7】 周囲に刃先を有するブレードのA,B両
    面にクーラント(洗浄液及び/又は切削液)を供給しな
    がら、前記ブレードによりワークを薄板状にスライシン
    グする装置において、前記ブレードのA面側、B面側の
    それぞれに、ブレード面に加圧エアーを吹きつけるエア
    ーノズルを設け、これらのエアーノズルを、それぞれ別
    個の圧力制御弁を介して加圧エアー供給源に連絡し、ブ
    レードのA面近傍にブレード変位検出器を設け、この変
    位検出器をコンピュータの入力側に、該コンピュータの
    出力側を前記二つの圧力制御弁にそれぞれ連絡するとと
    もに、ブレードのA面近傍に設けたブレード変位検出器
    は前記コンピュータを介して、A面側およびB面側のエ
    アーノズルに加圧エアーを供給する圧力制御弁に連絡
    し、前記コンピュータによりブレード変位量の大、小に
    応じて前記圧力制御弁の二次側圧力を高、低に制御する
    ようにし、さらに前記エアーノズルは、加圧エアー噴出
    口が前記刃先とワークとの圧接部から充分に離れた位置
    にあるように配備することにより、加圧エアーの流れが
    前記圧接部の影響で乱れることなくブレードのA面側、
    B面側に吹きつけることができるようにしたことを特徴
    とするワークのスライシング装置。
  8. 【請求項8】 前記ブレードが、内周刃ブレードである
    請求項7に記載のワークのスライシング装置。
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