JP3080454B2 - カード型光記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

カード型光記録媒体およびその製造方法

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JP3080454B2 JP03331190A JP33119091A JP3080454B2 JP 3080454 B2 JP3080454 B2 JP 3080454B2 JP 03331190 A JP03331190 A JP 03331190A JP 33119091 A JP33119091 A JP 33119091A JP 3080454 B2 JP3080454 B2 JP 3080454B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高分子液晶(LCP)
からなる記録層を有し、光照射により情報の記録、消去
を可逆的に行うカード型光記録媒体およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報を熱エネルギーの形で印加
し、記録材料の形状変化や物性変化として記録するいわ
ゆるヒートモード記録システムが実用化されつつある。
このようなヒートモード記録媒体としては、Te、B
i、Se、Tb、Inなどを主成分とする金属材料を用
いた無機系の記録媒体、あるいはシアニンなどのポリメ
チン系色素、フタロシアニン、ナフタロシアニン、ポル
フィリンなどの大環状アザアヌレン系色素、ナフトキノ
ン、アントラキノン系色素およびジチオール金属錯体系
色素などの有機色素を用いた記録媒体が知られている。
これらの記録媒体は集光したレーザー光の照射などによ
り熱エネルギーが印加して、照射部分の記録層を溶融あ
るいは蒸発して孔(ピット)を形成し、情報を記録するも
のである。しかし、これらの記録媒体は記録した情報を
消去して再び新しい情報を記録する可能性を有していな
い。
【0003】これに対して、記録、再生、消去が可能な
可逆記録媒体として、たとえばGd、Tb、Dyなどの
希土類金属とFe、Ni、Coなどの遷移金属とからな
る合金薄膜を用いた光磁気記録媒体が挙げられる。しか
し、この光磁気記録媒体は再生時の感度が低く、S/N
比が悪く、さらに酸化などの影響による記録感度の劣化
や記録の保存安定性に問題があるなどの欠点を有してい
る。
【0004】一方、有機材料を用いた可逆記録媒体とし
て、V.P. Shibaev et al.著、Polymer Communication
s、第24巻、第363〜365頁、1983年や特開
昭58−125247号公報等には、高分子液晶の透明
な配向状態と不透明な非配向状態を用いて、熱または電
界によって可逆的に変化させる記録媒体が開示されてい
る。
【0005】この光記録媒体の応用例の1つとして、近
年光カードが注目されている。これは磁気カードを中心
としたカードの発光枚数が飛躍的に増大し、かつ極めて
多岐に渡る分野で使用されているという社会的背景か
ら、大容量、高信頼性を特徴とする次世代型メディアの
1つとして脚光を浴びているためである。この光カード
システムには、これまで種々の報告が成されており、例
えばUSP4,278,756やUSP4,284,716等には銀塩等を記録層
として用いた、いわゆる再生専用または追記型光カード
が報告されているが、これらは可逆記録の可能性を全く
有してはいない。上記の高分子液晶を用いたカード型記
録媒体としては、例えば、特開昭63−51193号公
報に開示されたものがり、ここでは高分子液晶層を表示
部として用いているが、消去については検討されていな
い。また、特開昭63−284291号公報や特開昭6
4−70584号公報等には強誘電性高分子液晶(FL
CP)を用いた光カードの応用が例示されているが、低
分子の強誘電性液晶を用いたものと較べて特に変化は無
く、さらに光記録システムとして検討した場合、電界あ
るいは磁界を印加する機構は、システム構成上及びコス
ト的に明らかに不利であり、実用には至ってはいない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】また従来の高分子液晶
を用いた可逆記録システムは、記録、消去の転送速度や
信頼性など種々の問題を残している。とりわけ消去速度
の高速化や消え残りの無い信頼性の高い消去が行なわれ
ることが望まれており、上記強誘電性を示す高分子液晶
を用いた記録媒体では、レスポンス的にも誘電異方性が
正のものを使用する例が多いため、その配向方向は記録
膜面に対して垂直方向に配向する(ホメオトロピック配
向)成分が強くなる。しかし、液晶部位の配向方向スイ
ッチングによる二状態の複屈折の差よりも、配向−未配
向状態の複屈折の差の方が大きくなることは公知であ
り、さらにシステムが量産性およびコスト的な問題から
光源と一対の偏光板等からなるオルソスコープで構成さ
れる点等を考慮しても、記録層材料には記録膜面に平行
に配向(ホモジニアス配向)する方が容易に高S/N比
を得られることは明らかである。しかるに上記強誘電性
高分子液晶で誘電異方性が負のものを用いると、ホモジ
ニアス配向性が現れるが、その応答性は通常の高分子液
晶と比較しても大差なく、かえってその構造が特殊であ
るためにコスト的にも不利であり、実用には供しえなか
った。
【0007】本発明は上記事情に鑑み、ホモジニアス配
向性のサーモトロピック高分子液晶を用いた高分子液晶
可逆記録層を用いて、高S/N比を維持しながら信頼性
の高い消去性能を示し、かつ低コストなカード型光記録
媒体を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的に対して、電界、磁界を必要とせずに光照射により発
生する熱エネルギーのみにより、高分子液晶層が可逆的
に変化する記録、消去の各条件を検討し、記録時および
消去時の光ビームの照射条件を適切に選択することによ
り、上記の目的が達成できることを見出した。
【0009】すなわち、本発明によれば、少なくともプ
ラスチック基板上に耐熱性樹脂層、照射光を吸収して熱
に変換する光熱変換層、高分子液晶配向層および可逆的
な配向状態の変化または相変化を起こして記録、消去を
行う高分子液晶からなる記録層を順次積層した構造を持
ち、該記録層は短時間の光照射によりその厚さ方向の一
部分の配向状態または相状態が変化するものであること
を特徴とするカード型光記録媒体が提供される。
【0010】また、本発明によれば、上記構成において
記録層を構成する高分子液晶の初期配向状態の膜厚方向
の複屈折率と膜厚の積(リターデーション)が25〜7
50nmの範囲であり、かつ該記録層はその記録前の透
過または反射偏光強度Ib が記録後の透過または反射偏
光強度Ia よりも小さくなるように記録が形成されるも
のであることを特徴とするカード型光記録媒体が提供さ
れる。この記録媒体を用いた場合、当該記録層の膜厚方
向のリターデーション変化に起因する再生光量の変化が
記録前よりも記録後の方が増加するような記録を行い、
かつ当該記録ピットを外力を印加せずに完全に消去せし
める記録、消去を行うことができる。
【0011】また、本発明によれば、上記カード型光記
録媒体の製造方法であって、耐熱性樹脂層を一次基板と
してその上に光熱変換層、高分子液晶配向層及び記録層
を順次形成した後に、これとプラスチック基板とを貼着
することからなるカード型光記録媒体の製造方法が提供
される。
【0012】さらに、本発明によれば、上記製造方法に
おいて、更に、記録層を耐熱性樹脂層でラミネートした
後に、別個のプラスチック基板または保護層を設ける工
程を具備することを特徴とするカード型光記録媒体の製
造方法が提供される。
【0013】以下に本発明を図面に基づいて詳細に説明
する。本発明によるカード型光記録媒体の基本構成は図
1に示したように、プラスチック基板1上に、耐熱性樹
脂層2、光熱変換層3、高分子液晶配向層4および高分
子液晶からなる記録層5を順に積層したものである。耐
熱性樹脂層2は当該カード型光記録媒体の製造をする際
に高温下での処理工程が含まれる場合があるため、一次
基板として用いるものである。光熱変換層3は記録時お
よび再生時に照射光を吸収して熱に変換するとともに、
再生時には照射光を反射する機能を兼ね備えたものであ
る。高分子液晶配向層4は記録層5の構成材料である高
分子液晶をホモジニアス配向せしめるものである。記録
層5は光照射により可逆的な配向状態の変化または相変
化を起こして記録、消去を行うものである。
【0014】本発明のカード型光記録媒体は図1に示す
ものに限定されるものではなく、種々の変形、変更が可
能である。例えば、図1の媒体の記録層5の上に耐熱性
樹脂層を再度形成して当該記録媒体全体をラミネートし
て保護層を兼務させた構造、あるいはその上に新たに基
板材料を貼り付けて保護層6を形成した構造(図2)等
にすることができる。
【0015】記録は、フォーカスされたビーム光を該光
記録媒体に照射して行なわれる。すなわち、光熱変換層
3にて吸収された光が熱に変換され、この熱が配向層4
を経由して記録層5に伝播し、記録層5の一部の温度を
等方相転移温度(アイソトロピック点)以上に加熱し、
その後光照射を打ち切り急冷させることにより、記録層
5内に等方性部分が形成される。このような記録を達成
するためには、光照射時に図3のような温度分布が記録
層5に形成される必要がある。この時に光照射を打ち切
るとアイソトロピック点以上に加熱された部分は、冷却
後この等方性状態が保持され、偏光光学的に異なる状態
となり、記録ピットが形成される。
【0016】本発明における記録ピットの大きさの制御
とは、記録光の照射条件よって記録ピットの大きさを制
御することであり、具体的には図4に示したような記録
光強度差によって(a)(b)の二状態を形成すること
をいう。つまり、記録ビーム光の強度が小さい場合は
(a)のように記録ピットは記録層5内の光熱変換層3
近傍に形成されるが、強度が大きい場合は(b)に示し
たように記録ピットが(a)よりも大きく形成され、膜
厚方向の偏光の光路長が、未記録部>図4の(a)の状
態の部分>図1の(b)の状態の部分の順に短くなるこ
とを意味する。この時にクロスニコル下で偏光の透過光
または反射光量の変化を検出して、情報の再生を行なう
ことができる。既報によると、リターデーションRと再
生光量Iとの関係は次式(1)で表わされる。 I=I0sin2(πR/λ) ・・・・・ (1) ここで、I0 は照射光強度、λは照射光波長である。ま
たR=△n・dで、△nは複屈折率、dは光路長であ
る。
【0017】本発明者らはこの点について検討を行な
い、当該記録層5のリターデーションRを25〜750
nmという範囲に制御すると、上記記録状態を達成し、
かつ未記録状態よりも記録後の方が大きな偏光透過率を
有する上に、さらに該記録ピットが光照射のみによって
完全に消去可能であることを見出し、本発明を完成する
に至った。記録層の膜厚は、本記録媒体の層構成にも関
連するが、反射型媒体ではおよそ0.5〜2.5μmの
範囲が好ましく、また透過型媒体の場合はその2倍程度
の膜厚が好ましい。さらに複屈折率は高分子液晶のメソ
ーゲン部位の構造及び配向状態にも起因するために一概
に特定はしにくいが、およそ0.05〜0.3の範囲が
好適である。
【0018】また、本発明においていう短時間の光照射
による記録とは、当該記録媒体に照射するビーム光の走
査を1点当たりの露光時間が数ms以下となるような速
度で走査することをいい、さらに具体的には数十μs以
下であることが望ましい。露光時間が数ns以下と極端
に短い場合は記録層5は等方相転移温度以上に加熱され
ず、記録ピットは形成されない。また時間が極端に長い
場合は等方相転移温度以上に加熱された部分が拡散し、
全膜厚が等方性状態となるために、容易に消去できなく
なる。
【0019】本発明の記録媒体における記録の消去は、
等方性状態で保持された記録ピットを再加熱し、ピット
を含む微小領域の粘度を低下せしめて、領域内の分子が
分子運動できる状態にしたときに、周囲の配向している
高分子液晶分子及び配向層から配向規制力を受けて、ラ
ンダム状態の高分子液晶分子が再配向することによって
達成される。この分子再配向が起こる温度はアイソトロ
ピック点以下の数℃〜数十℃が好適であるが、消え残り
の無い完全な消去を行なうためには、少なくとも記録ピ
ット全体がこの温度範囲に入るように加熱する必要があ
る。これに対して記録時は記録層の一部分だけを変化さ
せた方が消去し易いために、強いレーザー光を用いて短
時間露光により、記録層の一部をアイソトロピック点以
上に加熱すれば達成されるため、記録層内の温度分布は
膜厚方向で急激に変化している方が望ましい。しかし消
去時は緩やかな温度変化が起きる方が好ましく、弱い強
度のレーザー光を比較的長時間照射することによって達
成される。この時例えば記録時と同じ照射時間で強度の
みを弱くすると、記録ピット全体を均一に加熱すること
ができず、また照射時間のみを長くすると、膜厚方向の
深部までが高い温度に加熱され結局再記録される。
【0020】次に本発明の記録媒体の基板1の構成材料
について説明すると、この基板材料には種々の公知材料
が使用できるが、カードの携帯性を考慮すると、各種プ
ラスチック基板が最も好適であり、具体的にはポリエチ
レン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビ
ニルアセテート、ポリアミド、ポリイミド、ポリオレフ
ィン、アクリル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、
フッ素系樹脂及び上記の誘導体等を利用することが可能
である。
【0021】ところで、本発明の記録媒体を作製する過
程で、高分子液晶配向処理時あるいは配向層形成時にお
いて、100℃またはそれ以上の温度域で数十分以上処
理する工程が出現する可能性がある。このような場合、
上記の基板材料の中でもポイリイミド、エポキシ樹脂、
あるいはフッ素系樹脂等の極く限られたものしか利用す
ることはできず、反面これらの基板材料は複屈折や照射
光透過率が余り高くないために、膜厚では利用し難いの
が現状である。
【0022】そこで、本発明者らは、耐熱性樹脂層2を
一次基板とし、この上に光熱変換層3、高分子配向層
4、記録層5の各層を形成した後に、プラスチック基板
1と貼り合せることによって、当該カード型記録媒体を
作製する方式を採用した。これにより、作製されたカー
ド型光記録媒体が高信頼性のものとなる。
【0023】耐熱性樹脂層2としてはポリイミド、エポ
キシ樹脂、フッ素樹脂等の材料が使用可能で、膜厚は1
〜50μmが適当である。
【0024】本発明において記録層5に用いられる高分
子液晶は公知のものが利用できるが、メソーゲン部位を
主鎖ないし側鎖に有し、平均分子量が500以上のもの
が利用できる。又、当該高分子液晶は架橋されているも
のであっても良く、光架橋型であればなお好ましい。
【0025】以下に本発明で用いる高分子液晶の具体例
を挙げるが、以下において*は不斉炭素原子であること
を示す。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
【表4】
【0030】
【表5】
【0031】
【表6】
【0032】
【表7】
【0033】
【表8】
【0034】
【表9】
【0035】
【表10】
【0036】
【表11】
【0037】
【表12】
【0038】このような高分子液晶は通常単独ないし混
合して使用され、更に他の低分子液晶を加えて使用する
ことも可能である。ここで添加される低分子液晶は高分
子液晶の粘度、相転移温度等をコントロールして、記録
特性及び消去特性の改善を目的とするもので、ネマチッ
クやスメクチックあるいはコレステリック液晶で公知の
ものが利用できる。
【0039】このような高分子液晶を使用して、例えば
メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロ
ヘキサノン等のケトン系、酢酸ブチル、酢酸エチル、酢
酸メチル、カルビトールアセテート、ブチルカルビトー
ルアセテート等のエステル系、メチルセロソルブ、エチ
ルセロソルブ、テトラヒドロフラン等のエーテル系、な
いしトルエン、キシレン等の芳香族系、ジクロロエタン
等のハロゲン化アルキル系、N,N−ジメチルホルムア
ミド、N−N−ジメチルアセトアミド、アルコール系等
溶液に溶解して、例えば、ディップコーティング、スプ
レーコーティング、スピナーコーティング、ブレードコ
ーティング、ローラコーティング、カーテンコーティン
グ、ワイアーコーティング等の溶液塗布法や場合によっ
ては加熱による融液状態から塗布して形成することが可
能である。
【0040】本発明で用いられる光熱変換層3を形成す
る材料には公知のものを利用できるが、具体的には、例
えば、金、白金、銀、銅、鉛、亜鉛、アルミニウム、ニ
ッケル、タンタル、コバルト、クロム、ゲルマニウム、
ニオブ、パラジウム、スズ等の各種金属、半金属の蒸
着、CVD、スパッタリング膜などが挙げられる。ま
た、光熱変換層3は再生時等に照射光の一部を反射する
反射層として兼用することができる。
【0041】また、配向層4の材料としては公知の材料
が利用できるが、具体的にはポリイミドあるいはその前
駆体であるポリアミック酸などにラビング処理を施した
ものや、シリコン酸化物等を斜方蒸着したものなどが使
用できる。
【0042】
【実施例】以下に本発明を実施例を挙げて説明するが、
本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0043】実施例1 厚さ30μmのポリイミドフィルムをW35mm×D7
0mmにカットし、一次基板2として用いた。当該一次
基板5上に図5で示したように長手方向へパターニング
しながら、クロム膜を1000Å厚に蒸着し、光熱変換
層3を形成した。当該光熱変換層3はトラッキング及び
フォーカシング用グループを兼ねるため、ピッチ20μ
m、幅10μmで蒸着した。この上に角度60°で基板
の長手方向に対して酸化シリコンを針方蒸着し配向層4
を形成した後、前記No.33(表5)の高分子液晶を
テトラヒドロフラン中に約10wt%溶解した溶液を用
いて、前記配向層4上に厚さ1.6μmの記録層5を形
成した。このサンプルをオーブン中で約170℃で30
分間の配向処理を施した後、偏光顕微鏡観察にて観察し
たところ、当該記録層5が良好な配向をしていることを
確認した。次に、このサンプルの一次基板とポリカーボ
ネート基板(W54mm×D86mm×t0.55m
m)を紫外線硬化型樹脂を用いて接着し、さらに記録層
5上には同様にW54mm×D86mm×t0.15m
mのアクリル樹脂板を貼り付け、保護層6を形成し、本
発明によるカード型光記録媒体を作製した。
【0044】次に、波長780mmの半導体レーザーを
光源に用いて、これをφ5μmに集光した後に、線速1
00mm/s、強度13mW、10kHz、デューティ
比50%で本記録媒体の記録層を基板側から照射し、記
録を行なった。また、本記録媒体を用いて、先の半導体
レーザーとφ5μm集光用光学系を使用して、その光路
上に記録層入射前と反射後に各々直交する偏光板を設け
た。反射光は2枚目の偏光板の後にピンフォトダイオー
トにて光量を測定できるようなシステムを用い、レーザ
ー光強度をサンプル面上で3mWまで落とし、線速20
0mm/Sで先の記録部の再生を行なった。得られた応
答をフーリエ変換し、そのC/Nを測定したところ、少
なくとも35dB以上のC/Nが得られることが確認さ
れた。
【0045】次に、本記録媒体に対して、記録時と同様
の操作で強度7mW、線速1mm/SでCW(連続点
灯)で露光し、消去操作を行なった後、この記録媒体を
偏光顕微鏡で観察したところ、記録ピットが完全に消去
されていることが確認された。
【0046】
【発明の効果】本発明によれば、高分子液晶記録層の厚
さ方向の一部分の配向状態を変化させることにより記録
を行うために、記録時の転送速度を向上させるだけでな
く、記録時の変化部分が消去の際に元の状態に戻りやす
いため消し残りがなくかつ消去速度が高速化され、信頼
性の高い新規なカード型光記録媒体を提供することが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカード型光記録媒体の構造例を示す断
面図である。
【図2】本発明のカード型光記録媒体の別の構造例を示
す断面図である。
【図3】記録層内に形成されるべき温度分布を示す断面
図である。
【図4】記録ピットの大きさのコントロールの説明図で
ある。
【図5】実施例における媒体の作製の説明図である。
【符号の説明】
1 プラスチック基板 2 耐熱性樹脂層(一次基板) 3 光熱変換層 4 高分子液晶配向層 5 記録層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B42D 15/10 511 B41M 5/26 G11B 7/24 522 G11B 7/24 571

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともプラスチック基板上に耐熱性
    樹脂層、照射光を吸収して熱に変換する光熱変換層、高
    分子液晶配向層および可逆的な配向状態の変化または相
    変化を起こして記録、消去を行う高分子液晶からなる記
    録層を順次積層した構造を持ち、該記録層は短時間の光
    照射によりその厚さ方向の一部分の配向状態または相状
    態が変化するものであることを特徴とするカード型光記
    録媒体。
  2. 【請求項2】 該記録層を構成する高分子液晶の初期配
    向状態の膜厚方向の複屈折率と膜厚の積(リターデーシ
    ョン)が25〜750nmの範囲であり、かつ該記録層
    はその記録前の透過または反射偏光強度Ib が記録後の
    透過または反射偏光強度Ia よりも小さくなるように記
    録が形成されるものであることを特徴とする請求項1に
    記載のカード型光記録媒体。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のカード型光記
    録媒体であって、耐熱性樹脂層を一次基板としてその上
    に光熱変換層、高分子液晶配向層及び記録層を順次形成
    した後に、これとプラスチック基板とを貼着することか
    らなるカード型光記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】 更に、記録層を耐熱性樹脂層でラミネー
    トした後に、別個のプラスチック基板または保護層を設
    ける工程を具備することを特徴とする請求項3に記載の
    カード型光記録媒体の製造方法。
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