JP3079397B2 - ハロゲン化銀写真感光材料 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料

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JP3079397B2 JP04185004A JP18500492A JP3079397B2 JP 3079397 B2 JP3079397 B2 JP 3079397B2 JP 04185004 A JP04185004 A JP 04185004A JP 18500492 A JP18500492 A JP 18500492A JP 3079397 B2 JP3079397 B2 JP 3079397B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はハロゲン化銀写真感光材
料に関するものであり、特に、テルル増感が再現性よく
安定に得られ、固有感度や分光感度や現像進行性などが
改良されたハロゲン化銀乳剤を用いたハロゲン化銀写真
感光材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料に使用する、
ハロゲン化銀乳剤は、通常、所望の感度、階調等を得る
ために各種の化学物質を用いて化学増感を施す。その代
表的方法としては、硫黄増感、セレン増感、テルル増
感、金などの貴金属増感、還元増感および、これらの組
み合わせによる各種増感法が知られている。近年、ハロ
ゲン化銀写真感光材料における高感度、優れた粒状性や
高い鮮鋭度、更に、現像進行等を早めた迅速処理等々へ
の所望は強く、上記増感法の種々の改良がなされてき
た。上記の増感法のうちテルル増感法およびテルル増感
剤に関しては米国特許第1623499号、同3320
069号、同3772031号、同3531289号、
同3655394号、英国特許第235211号、同1
121496号、同1295462号、同139669
6号、カナダ特許第800958号、特開昭61−67
845号、同61−20940号、米国特許15749
44号、同4704349号等に一般的には開示されて
いるが、詳細にかつ具体的なテルル増感剤についての記
載は、英国特許第1295462号、同1396696
号とカナダ特許第800958号ぐらいしか知られてい
なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来知
られていた具体的なテルル増感剤としては、例えばカナ
ダ特許第800958号に例示されているコロイド状テ
ルルやポタシウムテルライドがあり通常、当業界で広く
行なわれている硫黄増感に比べ到達感度が高くなるとい
ったすぐれた面をもつが、前者は、塩化第1スズの様な
強力な還元剤を用いて調製するためその残存や、又調製
条件の微妙な変化のため再現性のよい増感剤とはなり難
くまたポタシウムテルライドは、化合物自体の安定性が
悪く取り扱いが難しく、再現性も悪い。この他にも幾つ
かのテルル化合物がテルル増感剤として知られてはいる
が、一般に、テルル化合物は化合物としての安定性が悪
く、その結果得られる写真性能の再現性が良くない場合
が多く再現性のよい、より安定なテルル増感剤の開発が
望まれていた。
【0004】また、特開昭53−57817号、特開平
2−118566号、同2−140736号、米国特許
4607000号、同4607001号、特開昭62−
234153号、特開平2−158730号、同3−9
1735号、等にもテルル化合物が記載されているが、
本発明の意図する化学増感(テルル増感)では著しく劣
っていた。また特開昭63−65438号では本発明と
類似の化合物を用いてハロゲン化銀写真感光材料の圧力
かぶりを改良することが開示されている。また、ハロゲ
ン化銀写真乳剤は、増感色素を用い、ハロゲン化銀自体
は吸収をもたない緑、赤、赤外といった波長域まで写真
感度をもつように分光増感される。
【0005】この分光増感を増すために、増感色素の使
用量を増すことがよく行なわれるが、使用量を増すと、
同時に色素による現像抑制、潜像分散、または色素正孔
による光電子の無効化や潜像漂白等によるとみられてい
る固有波長域の感度の低下いわゆる固有減感が大きくな
り、その結果として分光感度が頭打ちになり増加しなく
なる。この傾向は、より長波長域になる程著しくなる。
【0006】さらに、色素の多量使用による経時保存中
の感度変化(主に減感)が、大きくなったりする。こう
いった分光感度を安定に更に増大せしめるために、これ
までも努力がなされてきたが、未だ不充分であった。ま
た、、現像進行を速めた迅速処理への要望もますます近
年強い。本発明の目的は、第1に、再現性のよい安定に
高感度にテルル増感されたハロゲン化銀写真感光材料を
提供することにある。本発明の目的の第2は、分光感度
の高いハロゲン化銀写真感光材料を提供することであ
る。本発明の目的の第3は、迅速処理に適した現像進行
の速い高感度のハロゲン化銀写真感光材料を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、下記一般
式(I)で表される少なくとも一種のテルル増感剤でテ
ルル増感される事を特徴とするハロゲン化銀写真感光材
料によって達成され、従来の技術では困難であったテル
ル増感の持つ増感作用を充分に生かすことが可能になっ
た。なお、本発明のテルル増感剤は各種添加剤(カブリ
防止剤など)を添加する前の後熟時に添加して増感を施
すものとする。一般式(I)
【0008】
【化2】
【0009】式中、R1 およびR2 は脂肪族基、芳香族
基または複素環基を表す。ただし、R1 およびR2 の少
なくとも一方は複素環基を表す。nは1または2を表
す。さらに、一般式(I)について詳述する。一般式
(I)において、R1 およびR2 で表される脂肪族基は
好ましくは炭素数1〜30のものであって、特に炭素数
1〜20の直鎖、分岐または環状のアルキル基、アルケ
ニル基、アルキニル基、アラルキル基である。ここで分
岐のものはその中に一つまたはそれ以上のヘテロ原子を
含んだ飽和のヘテロ環を形成するように環化されていて
もよい。アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ア
ラルキル基としては、例えばメチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基、n−オク
チル基、n−デシル基、n−ヘキサデシル基、シクロペ
ンチル基、シクロヘキシル基、アリル基、2−ブテニル
基、3−ペンテニル基、プロパギル基、3−ペンチニル
基、ベンジル基等である。
【0010】一般式(I)において、R1 およびR2
表される芳香族基は好ましくは炭素数6〜30のもので
あって、特に炭素数1〜20の単環または縮環のアリー
ル基であり、例えばフェニル基、ナフチル基等である。
【0011】一般式(I)において、RおよびR
表される複素環基は窒素原子、酸素原子、硫黄原子、セ
レン原子およびテルル原子のうち少なくとも一つを含む
3〜10員環の飽和、もしくは不飽和の複素環基のこと
である。これらは単環であってもよいし、さらに他の芳
香環もしくは複素環と縮合環を形成してもよい。複素環
としては、好ましくは5〜6員環の芳香族複素環基であ
り、例えば2−チエニル基、3−チエニル基、2−ピリ
ジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−フリル
基、3−フリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、
セレノフェン−2−イル基、セレノフェン−3−イル
、テルロフェン−2−イル基、テルロフェン−3−イ
ル基、2−チアゾリル基、2−ベンゾチアゾリル基、2
−オキサゾリル基、1,2,4−トリアゾール−3−イ
ル基、2−ピリミジル基、2−テトラゾリル基、2−イ
ミダゾリル基、2−キノリル基、2−ベンゾイミダゾリ
ル基、2−ピラゾリル基、1−イソキノリニル基、2−
トリアジニル基、2−オキサゾリル基、5−テトラゾリ
ル基等である。ここで、RとRは同じであっても異
なっていてもよい。
【0012】ここで、一般式(I)のR1 およびR2
各基が置換基を有する場合、その例としては例えばシア
ノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、ハロゲン原子(クロル
原子、臭素原子、フッ素原子、等)、アミノ基(無置換
アミノ基、ジメチルアミノ基、等)、アルコキシ基(メ
トキシ基、エトキシ基、等)、アルキルチオ基(メチル
チオ基、エチルチオ基、等)、エステル基(メトキシカ
ルボニル基、アセチルオキシ基、等)、アミド基(無置
換カルバモイル基、アセトアミド基、等)、スルホンア
ミド基(無置換スルファモイル基、メタンスルホンアミ
ド基、等)、ウレイド基(無置換ウレイド基、等)、チ
オウレイド基(無置換チオウレイド基、等)、カルボン
酸またはその塩、スルホン酸またはその塩などがあげら
れる。これらの基はさらに置換されていてもよい。ま
た、置換基が2つ以上あるときは同じであっても異なっ
ていてもよい。
【0013】一般式(I)において好ましくは、R1
よびR2 は芳香族基または複素環基を表す。ただし、R
1 およびR2 の少なくとも一方は複素環基を表す。一般
式(I)においてより好ましくはR1 およびR2 は5ま
たは6員の複素環基を表す。
【0014】以下に一般式(I)で表される化合物の具
体例を示すが、本発明の化合物はこれに限定されるもの
ではない。
【0015】
【化3】
【0016】
【化4】
【0017】
【化5】
【0018】
【化6】
【0019】
【化7】
【0020】
【化8】
【0021】本発明で用いられる一般式(I)で示され
る化合物は、ジャーナル・オブ・ケミカル・ソサイアテ
ィ・パーキン・トランスII(J. Chem. Soc. Perkin Tra
nsII)281,(1981)、オルガノメタリックス
(Organometallics)3,470(1982)や以下に示
した代表的な合成例に準じて合成することができる。
【0022】合成例1 例示化合物1の合成 50mlの乾燥したテトラヒドロフランに、チオフェン
2.0gを加え、攪拌溶解した後反応液をアイス−メタ
ノールバスを用いて0〜−10℃に冷却した。シリンジ
を用いて、n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液
(1.68M)14.3mlを滴下し、滴下終了後10〜
20分後、反応液を室温に戻し1時間攪拌した。反応液
に単体テルル2.9gをすばやく加え、テルルがほとん
ど溶解するまで約1時間攪拌した。反応液を300mlの
水にあけてつぶし、さらに塩化メチレンを加えて2時間
ほど攪拌した後一晩放置した。処理した反応溶液を塩化
メチレンにて2,3回抽出し、塩化カルシウムにて乾燥
後溶媒を減圧留去した。得られた赤色固体をエタノール
にて再結晶する事により目的物を赤色針状晶として3.
7g得た。融点89−90.5℃ 合成例2 例示化合物2の合成 200mlのテトラヒドロフランに、2−ブロモピリジン
10gを加え、攪拌溶解した後反応液をドライアイス−
アセトンバスを用いて−78℃に冷却し、t−ブチルリ
チウムのn−ペンタン溶液(1.7M)37.7mlを滴
下した。1時間攪拌した後、単体テルル7.75gをす
ばやく加え、攪拌しながらバスをはずして反応液を室温
に戻した。室温で1時間攪拌した後、反応液をヘキサシ
アノ鉄(III)酸カリウム20gを含む水1.2リット
ルにあけ、1時間攪拌した。処理した溶液を塩化メチレ
ンにて抽出し、塩化カルシウムにて乾燥後、溶媒を減圧
留去した。得られた赤色オイルをカラムクロマトグラフ
ィー(溶離液、塩化メチレン/メタノール=95/5)
を用いて精製し、さらにカラムクロマトグラフィー(溶
離液、塩化メチレン/酢酸エチル=10/1)を用いて
精製することにより目的物を5.2g得た。赤色オイル
【0023】これまで、一般式(I)の化合物をテルル
増感剤として用いた具体的な例は報告されていない。よ
ってこれらの化合物による増感作用及びカブリ、その他
の写真作用の写真作用を予測することはきわめて困難で
あったが、本発明の化合物を用いることにより、顕著な
効果を得ることができた。本発明で用いられる一般式
(I)のテルル増感剤は、ハロゲン化銀乳剤粒子表面又
は粒子内部に増感核となると推定されるテルル化銀を生
成せしめる化合物である。これらの本発明で用いるテル
ル増感剤の使用量は、使用するハロゲン化銀粒子、化学
熟成条件等により変わるが、一般にハロゲン化銀1モル
当り10-8〜10 -2モル、好ましくは10-7〜5×10
-3モル程度を用いる。本発明における化学増感の条件と
しては、特に制限はないが、pAgとしては6〜11、
好ましくは7〜10であり、温度としては40〜95
℃、好ましくは50〜85℃である。
【0024】本発明においては、金、白金、パラジウ
ム、イリジウム等の貴金属増感剤を併用することが好ま
しい。特に、金増感剤を併用することは好ましく、具体
的には、塩化金酸、カリウムクロロオーレート、カリウ
ムオーリチオシアネート、硫化金、金セレナイド等が挙
げられ、ハロゲン化銀1モル当り、10-7〜10-2モル
程度を用いることができる。
【0025】本発明において、更に、硫黄増感剤を併用
することも好ましい。具体的には、チオ硫酸塩(例え
ば、ハイポ)、チオ尿素類(例えば、ジフェニルチオ尿
素、トリエチルチオ尿素、アリルチオ尿素等)、ローダ
ニン類等の公知の不安定イオウ化合物が挙げられ、ハロ
ゲン化銀1モル当り10-7〜10-2モル程度を用いるこ
とができる。
【0026】本発明において、更にセレン増感剤を併用
することも好ましい。例えば、特公昭44−15748
号、特公4−25832号、同4−109240号、
特願3−53693号、同3−82929号、同3−
96044号、同3−96177号、同3−97873
号、同3−186959号に記載の不安定セレン増感剤
が好ましく用いられる。具体的には、コロイド状セレ
ン、セレノ尿素類(例えば、N,N−ジメチルセレノ尿
素、セレノ尿素、テトラメチルセレノ尿素)、セレノア
ミド類(例えば、セレノアセトアド、N,N−ジメチ
ル−セレノベンズアミド)、セレノケトン類(例えば、
セレノアセトン、セレノベンゾフェノン)、セレニド類
(例えば、トリフェニルフォスフィンセレニド、ジエチ
ルセレナイド)、セレノフォスフェート類(例えば、ト
リ−p−トリルセレノフォスフェート)、セレノカルボ
ン酸およびエステル類、イソセレノシアネート類、等の
化合物が挙げられ、ハロゲン化銀1モル当り10−8
10−3モル程度を用いることができる。
【0027】本発明においては、更に、還元増感剤を併
用することも可能であり具体的には、塩化第1スズ、ア
ミノイミノメタンスルフィン酸、ヒドラジン誘導体、ボ
ラン化合物(例えばジメチルアミンボラン)、シラン化
合物、ポリアミン化合物、アスコルビン酸、亜硫酸塩、
等が挙げられる。
【0028】また、本発明においては、ハロゲン化銀溶
剤の存在下で、テルル増感を行なうのが好ましい。具体
的には、チオシアン酸塩(例えば、チオシアン酸カリウ
ム、等)、チオエーテル化合物(例えば、米国特許第3
021215号、同3271157号、特公昭58−3
0571号、特開昭60−136736号等に記載の化
合物、特に、3,6−ジチア−1,8オクタンジオール
等)、四置換チオ尿素化合物(例えば、特公昭59−1
1892号、米国特許第4221863号等に記載の化
合物、特に、テトラメチルチオ尿素等)、更に、特公昭
60−11341号に記載のチオン化合物、特公昭63
−29727号に記載のメルカプト化合物、特開昭60
−163042号に記載のメソイオン化合物、米国特許
第4782013号に記載のセレノエーテル化合物、特
開平2−118566号に記載のテルロエーテル化合
物、亜硫酸塩等が挙げられる。特に、これらの中で、チ
オシアン酸塩、チオエーテル化合物、四置換チオ尿素化
合物とチオン化合物は好ましく用いることができる。使
用量としては、ハロゲン化銀1モル当り10-5〜10-2
モル程度用いることができる。
【0029】本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤は、
臭化銀、沃臭化銀、沃塩臭化銀、塩臭化銀および塩化銀
が好ましい。本発明に使用されるハロゲン化銀粒子は、
立方体、八面体のような規則的(regular)な結晶形を有
するもの、また球状、板状などのような変則的(irregu
lar)な結晶形をもつもの、あるいはこれらの結晶形の複
合形をもつものである。また種々の結晶形の粒子の混合
から成るものも使用できるが、規則的な結晶形を使用す
るのが好ましい。本発明に使用されるハロゲン化銀粒子
は内部と表層とが異なる相をもっていても、均一な相か
ら成っていてもよい。粒子内部と表層とのヨード組成が
異なる(特に内部のヨード含量の方が多い)2〜多重構
造粒子も好ましい。また潜像が主として表面に形成され
るような粒子(例えばネガ型乳剤)でもよく、粒子内部
に主として形成されるような粒子(例えば、内部潜像型
乳剤、予めかぶらせた直接反転型乳剤)であってもよ
い。好ましくは、潜像が主として表面に形成されるよう
な粒子である。本発明に使用されるハロゲン化銀乳剤
は、厚みが0.5ミクロン以下、好ましくは0.3ミク
ロン以下で径が好ましくは0.6ミクロン以上であり、
平均アスペクト比が3以上の粒子が全投影面積の50%
以上を占めるような平均粒子乳剤か、統計学上の変動係
数(投影面積を円近似した場合の直径で表わした分布に
おいて、標準偏差Sを直径dで除した値S/d)が20
%以下である単分散乳剤が好ましい。また平板粒子乳剤
および単分散乳剤を2種以上混合してもよい。
【0030】本発明に用いられる写真乳剤はピー・グラ
フキデス(P.Glafkides)著、シミー・エ・フィジーク・
フオトグラフイーク(Chimie er Physique Photographeq
ue)( ポールモンテル社刊、1967年)、ジー・エフ
・ダフィン(G.F.Duffin) 著、フォトグラフイック・エ
マルジョン・ケミストリー(Photographic EmulsionChe
mistry)(フォーカルプレス刊、1966年)、ブイ・
エル・ゼリクマン(V.L.Zelikman) ら著、メーキング・
アンド・コーティング・フォトグラフイック・エマルジ
ョン(Making and Coating Photographic Emulsion)(フ
ォーカルプレス刊、1964年)などに記載された方法
を用いて調製することができる。
【0031】またこのハロゲン化銀粒子の形成時には粒
子の成長をコントロールするためにハロゲン化銀溶剤と
して例えばアンモニア、ロダンカリ、ロダンアンモン、
チオエーテル化合物(例えば米国特許第3,271,1
57号、同第3,574,628号、同第3,704,
130号、同第4,297,439号、同第4,27
6,374号など)、チオン化合物(例えば特開昭53
−144319号、同53−82408号、同55−7
7737号など)、アミン化合物(例えば特開昭54−
100717号など)などを用いることができる。ハロ
ゲン化銀粒子形成または物理熟成の過程において、カド
ミウム塩、亜鉛塩、タリウム塩、イリジウム塩またはそ
の錯塩、ロジウム塩またはその錯塩、鉄塩または鉄錯塩
などを共存させてもよい。
【0032】本発明の感光材料の乳剤層や中間層に用い
ることのできる結合剤または保護コロイドとしては、ゼ
ラチンを用いるのが有利であるが、それ以外の親水性コ
ロイドも用いることができる。例えばゼラチン誘導体、
ゼラチンと他の高分子とのグラフトポリマー、アルブミ
ン、カゼイン等の蛋白質;ヒドロキシエチルセルロー
ス、カルボキシメチルセルロース、セルロース硫酸エス
テル類等の如きセルロース誘導体、アルギン酸ソーダ、
澱粉誘導体などの糖誘導体;ポリビニルアルコール、ポ
リビニルアルコール部分アセタール、ポリ−N−ビニル
ピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリ
アクリルアミド、ポリビニルイミダゾール、ポリビニル
ピラゾール等の単一あるいは共重合体の如き種々の合成
親水性高分子物質を用いることができる。ゼラチンとし
ては汎用の石灰処理ゼラチンのほか、酸処理ゼラチンや
日本科学写真協会誌(Bull. Soc. Phot. Japan),No. 1
6,30頁(1966)に記載されたような酵素処理ゼ
ラチンを用いても良く、また、ゼラチンの加水分解物を
用いることができる。
【0033】本発明の感光材料は、写真感光層あるいは
バック層を構成する任意の親水性コロイド層に無機ある
いは有機の硬膜剤を含有せしめてもよい。例えば、クロ
ム塩、アルデヒド塩(ホルムアルデヒド、グリオキザー
ル、グルタルアルデヒドなど)、N−メチロール系化合
物(ジメチロール尿素など)が具体例として挙げられ
る。活性ハロゲン化合物(2,4−ジクロル−6−ヒド
ロキシ−1,3,5−トリアジン及びそのナトリウム塩
など)および活性ビニル化合物(1,3−ビスビニルス
ルホニル−2−プロパノール、1,2−ビス(ビニルス
ルホニルアセトアミド)エタン、ビス(ビニルスルホニ
ルメチル)エーテルあるいはビチルスルホニル基を側鎖
に有するビニル系ポリマーなど)は、ゼラチンなど親水
性コロイドを早く硬化させ安定な写真特性を与えるので
好ましい。N−カルバモイルピリジニウム塩類((1−
モルホリノカルボニル−3−ピリジニオ)メタンスルホ
ナートなど)やハロアミジニウム塩類(1−(1−クロ
ロ−1−ピリジノメチレン)ピロリジニウム−2−ナフ
タレンスルホートなど)も硬化速度が早く優れている。
【0034】本発明に用いられるハロゲン化銀写真乳剤
は、メチン色素類その他によって分光増感されてもよ
い。用いられる色素には、シアニン色素、メロシアニン
色素、複合シアニン色素、複合メロシアニン色素、ホロ
ポーラーシアニン色素、ヘミシアニン色素、スチリル色
素およびヘミオキソノール色素が包含される。特に有用
な色素は、シアニン色素、メロシアニン色素、および複
合メロシアニン色素に属する色素である。これらの色素
類には、塩基性異節環核としてシアニン色素類に通常利
用される核のいずれをも適用できる。すなわち、ピロリ
ン核は、オキサゾリン核、チアゾリン核、ピロール核、
オキサゾール核、チアゾール核、セレナゾール核、イミ
ダゾール核、テトラゾール核、ピリジン核など;これら
の核に脂環式炭化水素環が融合した核;およびこれらの
核に芳香族炭化水素環が融合した核、すなわち、インド
レニン核、ベンズインドレニン核、インドール核、ベン
ズオキサドール核、ナフトオキサゾール核、ベンゾチア
ゾール核、ナフトチアゾール核、ベンゾセレナゾール
核、ベンズイミダゾール核、キノリン核などが適用でき
る。これらの核は炭素原子上に置換基を有していてもよ
い。メロシアニン色素または複合メロシアニン色素には
ケトメチレン構造を有する核としてピラゾリン−5−オ
ン核、チオヒダントイン核、2−チオオキサゾリジン−
2,4−ジオン核、チアゾリジン−2,4−ジオン核、
ローダニン核、チオバルビツール酸核などの5〜6員異
節環核を適用することができる。
【0035】これらの増感色素は単独に用いてもよい
が、それらの組合わせを用いてもよく、増感色素の組合
わせは特に、強色増感の目的でしばしば用いられる。増
感色素とともに、それ自身分光増感作用を持たない色素
あるいは可視光を実質的に吸収しない物質であって、強
色増感を示す物質を乳剤中に含んでもよい。例えば、含
窒素異節環核基であって置換されたアミノスチルベンゼ
ン化合物(例えば米国特許第2,933,390号、同
3,635,721号に記載のもの)、芳香族有機酸ホ
ルムアルデヒド縮合物(例えば米国特許第3,743,
510号に記載のもの)、カドミウム塩、アザインデン
化合物などを含んでもよい。米国特許第3,615,6
13号、同3,615,641号、同3,617,29
5号、同3,635,721号に記載の組合わせは特に
有用である。
【0036】本技術に用いられるハロゲン化銀写真乳剤
は、感光材料の製造工程、保存中あるいは写真処理中の
カブリを防止し、あるいは写真性能を安定化させるなど
の目的で、種々の化合物を含有させることができる。す
なわちアゾール類、例えばベンゾチアゾリウム塩、ニト
ロイミダゾール類、ニトロベンズイミダゾール類、クロ
ロベンズイミダゾール類、ブロモベンズイミダゾール
類、メルカプトチアゾール類、メルカプトベンズチアゾ
ール類、メルカプトベンズイミダゾール類、メルカプト
チアジアゾール類、アミノトリアゾール類、ベンゾトリ
アゾール類、ニトロベンゾトリアゾール類、メルカプト
テトラゾール類(特に1−フェニル−5−メルカプトテ
トラゾール)など;メルカプトピリミジン類;メルカプ
トトリアジン類;例えばオキサドリンチオンのようなチ
オケト化合物;アザインデン類、例えばトリアザインデ
ン類、テトラアザインデン類(特に4−ヒドロキシ置換
(1,3,3a,7)テトラアザインデン類)、ペンタ
アザインデン類など;ベンゼンチオスルフォン酸、ベン
ゼンスルフイン酸、ベンゼンスルフォン酸アミド等のよ
うなカブリ防止剤または安定剤として知られた、多くの
化合物を加えることができる。
【0037】本発明の感光材料は塗布助剤、帯電防止、
スベリ性改良、乳化分散、接着防止および写真特性改良
(たとえば現像促進、硬調化、増感)など種々の目的で
一種以上の界面活性剤を含んでもよい。
【0038】本発明を用いて作られた感光材料は、フィ
ルター染料として、またはイラジェーションもしくはハ
レーション防止その他種々の目的のために親水性コロイ
ド層中に水溶性染料を含有してもよい。このような染料
として、オキソノール染料、ヘミオキソノール染料、ス
チリル染料、メロシアニン染料、アントラキノン染料、
アゾ染料が好ましく使用され、この他にシアニン染料、
アゾメチン染料、トリアリールメタン染料、フタロシア
ニン染料も有用である。油溶性染料を水中油滴分散法に
より乳化して親水性コロイド層に添加することもでき
る。
【0039】本発明は支持体上に少なくとも2つの異な
る分光感度を有する多層多色写真材料に適用できる。多
層天然色カラー写真材料は、通常支持体上に赤感性乳剤
層、緑感性乳剤層および青感性乳剤層をそれぞれ少なく
とも一つ有する。これらの層の配列順序は必要に応じて
任意にえらべる。好ましい層配列は支持体側から赤感
性、緑感性および青感性の順、青感層、緑感層および赤
感層の順または青感性、赤感性および緑感性の順であ
る。また任意の同じ感色性の乳剤層を感度の異なる2層
以上の乳剤層から構成して到達感度を向上してもよく、
3層構成としてさらに粒状性を改良してもよい。また同
じ感色性をもつ2つ以上の乳剤層の間に非感光性層が存
在していてもよい。ある同じ感色性の乳剤層の間に異な
った感色性の乳剤層が挿入される構成としてもよい。高
感度層特に高感度青感層の下に微粒子ハロゲン化銀など
の反射層を設けて感度を向上してもよい。赤感性乳剤層
にシアン形成カプラーを、緑感性乳剤層にマゼンタ形成
カプラーを、青感性乳剤層にイエロー形成カプラーをそ
れぞれ含むのが一般的であるが、場合により異なる組合
わせをとることもできる。たとえば赤外感光性の層を組
み合わせて擬似カラー写真や半導体レーザ露光用として
もよい。
【0040】本発明の写真材料には種々のカラーカプラ
ーを使用することができ、その具体例は前出のリサーチ
・ディスクロージャー(RD)No. 17643、VII −
C〜Gに記載された特許に記載されている。イエローカ
プラーとしては、例えば米国特許第3,933,501
号、同第4,022,620号、同第4,326,02
4号、同第4,401,752号、特公昭58−107
39号、英国特許第1,425,020号、同第1,4
76,760号、に記載のものが好ましい。
【0041】マゼンタカプラーとしては5−ピラゾロン
系及びピラゾロアゾール系の化合物が好ましく、例えば
米国特許第4,310,619号、同第4,351,8
97号、欧州特許第73,636号、米国特許第3,0
61,432号、同第3,725,067号、リサーチ
・ディスクロージャーNo. 24220(1984年6
月)、特開昭60−33552号、リサーチ・ディスク
ロージャーNo. 24230(1984年6月)、特開昭
60−43659号、米国特許第4,500,630
号、同第4,540,654号に記載のものが好まし
い。シアンカプラーとしては、フェノール系及びナフト
ール系カプラーが挙げられ、例えば米国特許第4,05
2,212号、同第4,146,396号、同第4,2
28,233号、同第4,296,200号、同第2,
369,929号、同第2,801,171号、同第
2,772,162号、同第2,895,826号、同
第3,772,002号、同第3,758,308号、
同第4,334,011号、同第4,327,173
号、***特許公開第3,329,729号、欧州特許第
121,365A号、米国特許第3,446,622
号、同第4,333,999号、同第4,451,55
9号、同第4,427,767号、欧州特許第161,
626A号に記載のものが好ましい。
【0042】発色色素の不要吸収を補正するためのカラ
ード・カプラーは、例えばリサーチ・ディスクロージャ
ーNo. 17643の VII−G項、米国特許第4,16
3,670号、特公昭57−39413号、米国特許第
4,004,929号、同第4,138,258号、英
国特許第1,146,368 号に記載のものが好ましい。
【0043】発色色素が適度な拡散性を有するカプラー
としては、例えば米国特許第4,366,237号、英
国特許第2,125,570号、欧州特許第96,57
0号、***特許(公開)第3,234,533号に記載
のものが好ましい。
【0044】ポリマー化された色素形成カプラーの典型
例は、米国特許第3,451,820号、同第4,08
0,211号、同第4,367,282号、英国特許第
2,102,173号等に記載されている。
【0045】カップリングに伴って写真的に有用な残基
を放出するカプラーもまた本発明で好ましく使用でき
る。現像抑制剤を放出するDIRカプラーは、前述のR
D17643、 VII〜F項に記載された特許、特開昭5
7−151944号、同57−154234号、同60
−184248号、米国特許第4,248,962号に
記載されたものが好ましい。現像時に画像状に造核剤も
しくは現像促進剤を放出するカプラーとしては、例えば
英国特許第2,097,140号、同第2,131,1
88号、特開昭59−157638号、同59−170
840号に記載のものが好ましい。
【0046】その他、本発明の感光材料に用いることの
できるカプラーとしては、例えば米国特許第41304
27号等に記載の競争カプラー、米国特許第42834
72号、同第4338393号、同第4310618号
等に記載の多当量カプラー、特開昭60−185950
号、特開昭62−24252号等に記載のDIRレドッ
クス化合物もしくはDIRカプラー放出カプラー、欧州
特許第173302A号に記載の離脱後復色する色素を
放出するカプラー、R.D.No. 11449、同2424
1、特開昭61−201247号等に記載の漂白促進剤
放出カプラー、米国特許第4553477号等に記載の
リガンド放出カプラー等が挙げられる。
【0047】本発明に使用するカプラーは、種々の公知
分散方法により感光材料に導入できる。水中油滴分散法
に用いられる高沸点溶媒の例は米国特許第232202
7号などに記載されている。水中油滴分散法に用いられ
る常圧での沸点が175℃以上の高沸点有機溶剤の具体
例としては、フタル酸エステル類(例えば、ジブチルフ
タレート、ジシクロヘキシルフタレート、ジ−2−エチ
ルヘキシルフタレート、デシルフタレート、ビス(2,
4−ジ−t−アミルフェニル)フタレート、ビス(2,
4−ジ−t−アミルフェニル)イソフタレート、ビス
(1,1−ジエチルプロピル)フタレート)、リン酸ま
たはホスホン酸のエステル類(例えば、トリフェニルホ
スフェート、トリクレジルホスフェート、2−エチルヘ
キシルジフェニルホスフェート、トリシクロヘキシルホ
スフェート、トリ−2−エチルヘキシルホスフェート、
トリドデシルホスフェート、トリブトキシエチルホスフ
ェートとトリクロロプロピルホスフェート、ジ−2−エ
チルヘキシルフェニルホスフェート)、安息香酸エステ
ル類(例えば、2−エチルヘキシルベンゾエート、ドデ
シルベンゾエート、2−エチルヘキシル−p−ヒドロキ
シベンゾエート)、アミド類(例えば、N,N−ジエチ
ルドデカンアミド、N,N−ジエチルラウリルアミド、
N−テトラデシルピロリドン)、アルコール類またはフ
ェノール類(例えば、イソステアリルアルコール、2,
4−ジ−tert−アミルフェノール)、脂肪族カルボン酸
エステル類(例えば、ビス(2−エチルヘキシル)セバ
ケート、ジオクチルアゼレート、グリセロールトリブチ
レート、イソステアリルラクテート、トリオクチルシト
レート)、アニリン誘導体(例えば、N,N−ジブチル
−2−ブトキシ−5−tert−オクチルアニリン)、炭化
水素類(例えば、パラフィン、ドデシルベンゼン、ジイ
ソプロピルナフタレン)などが挙げられる。また補助溶
剤としては、沸点が約30℃以上、好ましくは50℃以
上約160℃以下の有機溶剤などが使用でき、典型例と
しては酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸エチル、
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−エトキシ
エチルアセテート、ジメチルホルムアミドなどが挙げら
れる。
【0048】ラテックス分散法の工程、効果および含浸
用のラテックスの具体例は、米国特許第4,199,3
63号、***特許出願(OLS)第2,541,274
号および同第2,541,230号などに記載されてい
る。
【0049】本発明の写真感光材料において写真乳剤層
その他の層は写真感光材料に通常用いられているプラス
チックフイルム、紙、布などの可撓性支持体またはガラ
ス、陶器、金属などの剛性の支持体に塗布される。可撓
性支持体として有用なものは、硝酸セルロース、酢酸セ
ルロース、酢酸酪酸セルロース、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート等の半合成または合成高分子から成るフイルム、バ
ライタ層またはα−オレフィンポリマー(例えばポリエ
チレン、ポリプロピレン、エチレン/ブテン共重合体)
等を塗布またはラミネートした紙等である。支持体は染
料や顔料を用いて着色されてもよい。遮光の目的で黒色
にしてもよい。これらの支持体の表面は一般に、写真乳
剤層等との接着をよくするために、下塗処理される。支
持体表面は下塗処理の前または後に、グロー放電、コロ
ナ放電、紫外線照射、火焔処理などを施してもよい。
【0050】写真乳剤層その他の親水性コロイド層の塗
布には、たとえばディップ塗布法、ローラー塗布法、カ
ーテン塗布法、押し出し塗布法などの公知の種々の塗布
法を利用することができる。必要に応じて米国特許第2
681294号、同第2761791号、同第3526
528号および同第3508947号等に記載された塗
布法によって、多層を同時に塗布してもよい。
【0051】本発明は種々のカラーおよび白黒の感光材
料に適用することができる。一般用もしくは映画用のカ
ラーネガフイルム、スライド用もしくはテレビ用のカラ
ー反転フイルム、カラーペーパー、カラーポジフイルム
およびカラー反転ペーパー、カラー拡散転写型感光材料
および熱現像型カラー感光材料などを代表例として挙げ
ることができる。リサーチ・ディスクロージャー、No.
17123(1978年7月)などに記載の三色カプラ
ー混合を利用することにより、または米国特許第4,1
26,461号および英国特許第2,102,136号
などに記載された黒発色カプラーを利用することによ
り、X線用などの白黒感光材料にも本発明を適用でき
る。リスフイルムもしくはスキャナーフイルムなどの製
版用フイルム、直医・間接医療用もしくは工業用のX線
フイルム、撮影用ネガ白黒フイルム、白黒印画紙、CO
M用もしくは通常マイクロフイルム、銀塩拡散転写型感
光材料およびプリントアウト型感光材料にも本発明を適
用できる。
【0052】本発明の写真要素をカラー拡散転写写真法
に適用するときには、剥離(ピールアパート)型あるい
は特公昭46−16356号、同48−33697号、
特開昭50−13040号および英国特許1,330,
524号に記載されているような一体(インテグレーテ
ッド)型、特開昭57−119345号に記載されてい
るような剥離不要型のフイルムユニットの構成をとるこ
とができる。上記いずれの型のフォーマットに於いても
中和タイミング層によって保護されたポリマー酸層を使
用することが、処理温度の許容巾を広くする上で有利で
ある。カラー拡散転写写真法に使用する場合も、感材中
のいずれの層に添加して用いてもよいし、あるいは、現
像液成分として処理液容器中に封じ込めて用いてもよ
い。
【0053】本発明の感光材料には種々の露光手段を用
いることができる。感光材料の感度波長に相当する幅射
線を放射する任意の光源を照明光源または書き込み光源
として使用することができる。自然光(太陽光)、白熱
電灯、ハロゲン原子封入ランプ、水銀灯、蛍光灯および
ストロボもしくは金属燃焼フラッシュバルブなどの閃光
光源が一般的である。紫外から赤外域にわたる波長域で
発光する、気体、染料溶液もしくは半導体のレーザー、
発光ダイオード、プラズマ光源も記録用光源に使用する
ことができる。また電子線などによって励起された蛍光
体から放出される蛍光面(CRTなど)、液晶(LC
D)やランタンをドープしたチタンジルコニウム酸鉛
(PLZT)などを利用したマイクロシャッターアレイ
に線状もしくは面状の光源を組み合わせた露光手段も使
用することができる。必要に応じて色フィルターで露光
に用いる分光分布を調整できる。
【0054】本発明の感光材料の現像処理に用いる発色
現像液は、好ましくは芳香族第一級アミン系発色現像主
薬を主成分とするアルカリ性水溶液である。この発色現
像主薬としては、アミノフェノール系化合物も有用であ
るが、P−フェニレンジアミン系化合物が好ましく使用
され、その代表例として3−メチル−4−アミノ−N,
N−ジエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−
エチル−N−β−ヒドロキシエチルアニリン、3−メチ
ル−4−アミノ−N−エチル−N−β−メタンスルホン
アミドエチルアニリン、3−メチル−4−アミノ−N−
エチル−N−β−メトキシエチルアニリンおよびこれら
の硫酸塩、塩酸塩もしくはp−トルエンスルホン酸塩な
どが挙げられる。これらのジアミン類は遊離状態よりも
塩の方が一般に安定であり、好ましく使用される。
【0055】発色現像液は、アルカリ金属の炭酸塩、ホ
ウ酸塩もしくはリン酸塩のようなpH緩衝剤、臭化物、
沃化物、ベンズイミダゾール類、ベンゾチアゾール類も
しくはメルカプト化合物のような現像抑制剤またはカブ
リ防止剤などを含むのが一般的である。また必要に応じ
て、ヒドロキシルアミンまたは亜硫酸塩のような保恒
剤、トリエタノールアミン、ジエチレングリコールのよ
うな有機溶剤、ベンジルアルコール、ポリエチレングリ
コール、四級アンモニウム塩、アミン類のような現像促
進剤、色素形成カプラー、競争カプラー、ナトリウムボ
ロンハイドライドのような造核剤、1−フェニル−3−
ピラゾリドンのような補助現像薬、粘性付与剤、アミノ
ポリカルボン酸、アミノポリホスホン酸、アルキルホス
ホン酸、ホスホノカルボン酸に代表されるような各種キ
レート剤、***特許出願(OLS)第2,622,95
0号に記載の酸化防止剤などを発色現像液に添加しても
よい。
【0056】反転カラー感光材料の現像処理では、通常
黒白現像を行ってから発色現像する。この黒白現像液に
は、ハイドロキノンなどのジヒドロキシベンゼン類、1
−フェニル−3−ピラゾリドンなどの3−ピラゾリドン
類またはN−メチル−p−アミノフェノールなどのアミ
ノフェノール類など公知の黒白現像薬を単独であるいは
組み合わせて用いることができる。
【0057】発色現像後の写真乳剤層は通常漂白処理さ
れる。漂白処理は定着処理と同時に行なわれてもよい
し、個別に行なわれてもよい。更に処理の迅速化を計る
ため、漂白処理後、漂白定着処理する処理方法でもよ
い。漂白剤としては例えば鉄(III)、コバルト(III)、
クロム(IV) 、銅(II) などの多価金属の化合物、過酸
類、キノン類、ニトロン化合物等が用いられる。代表的
漂白剤としてフェリシアン化物;重クロム酸塩;鉄(II
I)もしくはコバルト(III)の有機錯塩、例えばエチレン
ジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリ
ロトリ酢酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢
酸などのアミノポリカルボン酸類もしくはクエン酸、酒
石酸、リンゴ酸などの有機酸の錯塩;過硫酸塩;マンガ
ン酸塩;ニトロソフェノールなどを用いることができ
る。これらのうちエチレンジアミン四酢酸鉄(III)塩、
ジエチレントリアミン五酢酸鉄(III)塩および過硫酸塩
は迅速処理と環境汚染の観点から好ましい。さらにエチ
レンジアミン四酢酸鉄(III)錯塩は独立の漂白液におい
ても、一浴漂白定着液においても特に有用である。
【0058】漂白液、漂白定着液およびそれらの前浴に
は、必要に応じて漂白促進剤を使用することができる。
有用な漂白促進剤の具体例は、次に明細書に記載されて
いる:米国特許第3,893,858号、***特許第
1,290,812号、同2,059,988号、特開
昭53−32736号、同53−57831号、同37
418号、同53−65732号、同53−72623
号、同53−95630号、同53−95631号、同
53−104232号、同53−124424号、同5
3−141623号、同53−28426号、リサーチ
・ディスクロージャーNo.17129号(1978年7
月)などに記載のメルカプト基またはジスルフィド基を
有する化合物;特開昭50−140129号に記載され
ている如きチアゾリジン誘導体;特公昭45−8506
号、特開昭52−20832号、同53−32735
号、米国特許第3,706,561号に記載のチオ尿素
誘導体;***特許第1,127,715号、特開昭58
−16235号に記載の沃化物;***特許第966,4
10号、同2,748,430号に記載のポリエチレン
オキサイド類;特公昭45−8836号に記載のポリア
ミン化合物;その他特開昭49−42434号、同49
−59644号、同53−94927号、同54−35
727号、同55−26506号および同58−163
940号記載の化合物および沃素、臭素イオンも使用で
きる。なかでもメルカプト基またはジスルフィド基を有
する化合物が促進効果が大きい観点で好ましく、特に米
国特許第3,893,858号、***特許第1,29
0,812号、特開昭53−95630号に記載の化合
物が好ましい。更に、米国特許第4552834号に記
載の化合物も好ましい。これらの漂白促進剤は感材中に
添加してもよい。撮影用のカラー感光材料を漂白定着す
るときに、これらの漂白促進剤は特に有効である。定着
剤としてはチオ硫酸塩、チオシアン酸塩、チオエーテル
系化合物チオ尿素類、多量の沃化物等をあげる事ができ
るが、チオ硫酸硫酸塩の使用が一般的である。漂白定着
液や定着液の保恒剤としては、亜硫酸塩や重亜硫酸塩あ
るいはカルボニル重亜硫酸付加物が好ましい。
【0059】漂白定着処理もしくは定着処理の後は通
常、水洗処理及び安定化処理が行なわれる。水洗処理工
程及び安定化工程には、沈澱防止や、節水の目的で、各
種の公知化合物を添加しても良い。例えば沈澱を防止す
るためには、無機リン酸、アミノポリカルボン酸、有機
アミノポリホスホン酸、有機リン酸等の硬水軟化剤、各
種のバクテリアや藻やカビの発生を防止する殺菌剤や防
バイ剤、マグネシムウ塩やアルミニウム塩ビスマス塩に
代表される金属塩、あるいは乾燥負荷やムラを防止する
ための界面活性剤、及び各種硬膜剤等を必要に応じて添
加することができる。あるいはウエスト著フォトグラフ
イック・サイエンス・アンド・エンジニアリング誌(L.
E. West、Phot. Sci. Eng.)、第6巻、344〜359
ページ(1965)等に記載の化合物を添加しても良
い。特にキレート剤や防バイ剤の添加が有効である。
【0060】水洗工程は2槽以上の槽を向流水洗にし、
節水するのが一般的である。更には、水洗工程のかわり
に特開昭57−8543号記載のような多段向流安定化
処理工程を実施してもよい。本工程の場合には2〜9槽
の向流浴が必要である。本安定化浴中には前述の添加剤
以外に画像を安定化する目的で各種化合物が添加され
る。例えば膜pHを調整する(例えばpH3〜9)ため
の各種の緩衝剤(例えば、ホウ酸塩、メタホウ酸塩、ホ
ウ砂、リン酸塩、炭酸塩、水酸化カリ、水酸化ナトリウ
ム、アンモニア水、モノカルボン酸、ジカルボン酸、ポ
リカルボン酸などを組み合わせて使用)やホルマリンな
どのアルデヒドを代表例として挙げることができる。そ
の他、必要に応じてキレート剤(無機リン酸、アミノポ
リカルボン酸、有機リン酸、有機ホスホン酸、アミノポ
リホスホン酸、ホスホノカルボン酸など)、殺菌剤(ベ
ンゾイソチアゾリノン、イリチアゾロン、4−チアゾリ
ンベンズイミダゾール、ハロゲン化フェノール、スルフ
ァニルアミド、ベンゾトリアゾールなど)、界面活性
剤、蛍光増白剤、硬膜剤などの各種添加剤を使用しても
よく、同一もしくは異種の目的の化合物を二種以上併用
しても良い。
【0061】また、処理後の膜pH調整剤として塩化ア
ンモニウム、硝酸アンモニウム、硫酸アンモニウム、リ
ン酸アンモニウム、亜硫酸アンモニウム、チオ硫酸アン
モニウム等の各種アンモニウム塩を添加するのが好まし
い。また撮影用カラー感材では、通常行なわれている定
着後の(水洗−安定)工程を前述の安定化工程および水
洗工程(節水処理)におきかえることもできる。この
際、マゼンタカプラーが2当量の場合には、安定浴中の
ホルマリンは除去しても良い。本発明の水洗及び安定化
処理時間は、感材の種類、処理条件によって相違するが
通常20秒〜10分であり、好ましくは20秒〜5分で
ある。
【0062】本発明のハロゲン化銀カラー感光材料には
処理の簡略化および迅速化の目的でカラー現像主薬を内
蔵しても良い。内蔵するためには、カラー現像主薬の各
種プレカーサーを用いるのが好ましい。例えば米国特許
第3,342,597号記載のインドアニリン系化合
物、同第3,342,599号、リサーチ・ディスクロ
ージャー14850号および同15159号記載のシツ
フ塩基型化合物、同13924号記載のアルドール化合
物、米国特許第3,719,492号記載の金属塩錯
体、特開昭53−135628号記載のウレタン系化合
物をはじめとして、特開昭56−6235号、同56−
16133号、同56−59232号、同56−678
42号、同56−83734号、同56−83735
号、同56−83736号、同56−89735号、同
56−81837号、同56−54430号、同56−
106241号、同56−107236号、同57−9
7531号および同57−83565号等に記載の各種
塩タイプのプレカーサーをあげることができる。本発明
のハロゲン化銀カラー感光材料は、必要に応じて、カラ
ー現像を促進する目的で、各種の1−フェニル−3−ピ
ラゾリドン類を内蔵しても良い。典型的な化合物は特開
昭56−64339号、同57−144547号、同5
7−211147号、同58−50532号、同58−
50536号、同58−50533号、同58−505
34号、同58−50535号および同58−1154
3な化合物は特開昭56−64339号、同57−14
4547号、同57−211147号、同58−505
32号、同58−50536号、同58−50533
号、同58−50534号、同58−50535号およ
び同58−115438号などに記載されている。
【0063】本発明における各種処理液は10℃〜50
℃において使用される。33℃ないし38℃の温度が標
準的であるが、より高温にして処理を促進し処理時間を
短縮したり、逆により低温にして画質の向上や処理液の
安定性の改良を達成することができる。また、感光材料
の節銀のため***特許第2,226,770号または米
国特許第3,674,499号に記載のコバルト補力も
しくは過酸化水素補力を用いた処理を行ってもよい。各
種処理浴内には必要に応じて、ヒーター、温度センサ
ー、液面センサー、循環ポンプ、フィルター、浮きブ
タ、スクイジーなどを設けても良い。また、連続処理に
際しては、各処理液の補充液を用いて、液組成の変動を
防止することによって一定の仕上がりが得られる。補充
量は、コスト低減などのため標準補充量の半分あるいは
半分以下に下げることもできる。本発明の感光材料がカ
ラーペーパーの場合はきわめて一般的に、また撮影用カ
ラー写真材料である場合も必要に応じて漂白定着処理す
ることができる。
【0064】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、更に詳しく説
明するが、本発明の主旨を越えない限り、本発明は実施
例に限定されるものではない。 実施例1 75℃に保った臭化カリウム0.05gとゼラチン30
gを含み、硝酸でpH2に保った水溶液1リットルに攪
拌しながら、硝酸銀水溶液(1M)75mlと、臭化カリ
ウム水溶液(1M)とを同時に、銀電位を飽和カロメル
電極に対し0mVに保ちながら4分間で添加した。その
後、更に、硝酸銀水溶液(1M)675mlと臭化カリウ
ム水溶液(1M)とを、銀電位を−30mVに保ちなが
ら36分間で同時に添加した。粒子形成終了後、通常の
フロキュレーション法で脱塩、水洗したあと、ゼラチン
と水を加え、pHを6.4、pAgを8.6に調整し
た。得られた臭化銀乳剤は、粒子直径が0.25μm、
粒子直径の変動係数が11%の単分散8面体乳剤であ
る。この乳剤を小分けしたあと、60℃に昇温し、表1
に示す如く増感剤を加えて、60分間化学熟成した。
【0065】その後、さらに各々を小分けして本発明の
化合物(I)を、次いで、 マゼンタカプラー;3−{3−〔2−(2,4−ジ−te
rt−アミルフェノキシ)ブチリルアミノ〕ベンゾイルア
ミノ}−1−(2,4,6−トリクロロフェニル)ピラ
ゾリン−5−オン オイル;トリクレジルフォスフェート 安定剤;4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,
7−テトラザインデン カブリ防止剤;1−(m−スルホフェニル)−5−メル
カプトテトラゾールモノナトリウム塩 塗布助剤;ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 硬化剤;1,2−ビス(ビニルスルホンアセチルアミ
ノ)エタン 防腐剤;フェノキシエタノール を添加し、ゼラチン保護層と共に下塗層を有するトリア
セチルセルロースフィルム支持体上に同時押し出し法で
塗布した。但し、試料18、19は、化学熟成を施さな
い乳剤に、塗布直前に、本発明の化合物を添加し、他と
同様の処理を行った。
【0066】これらの試料を、光楔下で露光(1/10
0秒)し、下記の現像処理を行なった。写真感度は、カ
ブリ値+0.2の光学濃度を得るのに必要な露光量の逆
数の相対値で表し、試料2の値を100として表わし
た。表中の(1) 〜(2) は、化合物の調整も含めてくり返
し実験を示す。
【0067】
【表1】
【0068】以上の如くのカラー写真感光材料を露光し
たのち、以下に記載の方法で処理した。 (処理方法) 工程 処理時間 処理温度 発色現像 2分15秒 38℃ 漂 白 3分00秒 38℃ 水 洗 30秒 24℃ 定 着 3分00秒 38℃ 水洗(1) 30秒 24℃ 水洗(2) 30秒 24℃ 安 定 30秒 38℃ 乾 燥 4分20秒 55℃
【0069】次に、処理液の組成を記す。 (発色現像液) (単位g) ジエチレントリアミン五酢酸 1.0 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 3.0 亜硫酸ナトリウム 4.0 炭酸カリウム 30.0 臭化カリウム 1.4 ヨウ化カリウム 1.5mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.4 4−〔N−エチル−N−β−ヒドロキシエチルアミ ノ〕−2−メチルアニリン硫酸塩 4.5 水を加えて 1.0リットル pH 10.05
【0070】 (漂白液) (単位g) エチレンジアミン四酢酸第二鉄ナトリウム三水塩 100.0 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 10.0 3−メルカプト−1,2,4−トリアゾール 0.08 臭化アンモニウム 140.0 硝酸アンモニウム 30.0 アンモニア水(27%) 6.5ミリリットル 水を加えて 1.0リットル pH 6.0
【0071】 (定着液) (単位g) エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.5 亜硫酸アンモニウム 20.0 チオ硫酸アンモニウム水溶液(700g/リットル) 290.0ミリリットル 水を加えて 1.0リットル pH 6.7
【0072】 (安定液) (単位g) p−トルエンスルフィン酸ナトリウム 0.03 ポリオキシエチレン−p−モノノニルフェニルエー テル(平均重合度10) 0.2 エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩 0.05 1,2,4−トリアゾール 1.3 1,4−ビス(1,2,4−トリアゾール−1−イ ルメチル)ピペラジン 0.75 水を加えて 1.0リットル pH 8.5 表1より明らかな様に、本発明のテルル化合物は、やや
カブリが高いものの、従来よく知られたイオウ増感(チ
オ硫酸ナトリウム)とほぼ同等程度の到達感度が得ら
れ、又、従来知られていたコロイド状テルルやK2 Te
に比べてテルル増感が再現性よく得られることがわかっ
た。また、本発明の化合物は、後熟時に用いて初めて増
感作用を示すいわゆる化学増感剤(テルル増感剤)であ
り、試料18、19が示すように、同じ化合物を塗布直
前に添加して、圧力カブリを改良したとする特開昭63
−65438号の開示する使用法の範囲では、増感作用
はまったく示さない(かえってやや感度が低下する)こ
とは明白である。
【0073】実施例2 実施例1と同様にして、臭化銀8面体乳剤を得たあとこ
の乳剤を小分けして、60℃に昇温したあと、塩化金酸
(1.6×10-5モル/モルAg)、チオシアン酸カリ
ウム(2×10-3モル/モルAg)と表2に示す増感剤
を加え、60分間熟成した。そのあと、ゼラチン、4−
ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラザ
インデン、ポリ−スチレンスルホン酸カリウム、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ナトリウムを加えて、下塗層を有
するトリアセチルセルロースフィルム支持体上に、ゼラ
チン、ポリメチルメタクリレート粒子、2,4−ジクロ
ロ−6−ヒドロキシ−s−トリアジンナトリウム塩を含
む保護層と共に同時押し出し法で塗布した。これらの試
料に、センシトメトリー用露光(1/1000秒)を光
学楔を介して与えたあと、下記処方のMAA−1現像液
で、30℃で1.6分間と4分間現像したあと常法によ
り停止、定着、水洗、乾燥し、濃度測定した。
【0074】相対感度は、カブリ値+1.0の光学濃度
を得るのに必要な露光量の逆数の相対値で表わし、各々
の試料の4分間現像後の値を各々100とした。
【0075】
【表2】
【0076】 MA−1現像液 メトール 2.5g アスコルビン酸 10 g ナボックス 35 g 臭化カリウム 1 g 水を加えて 1リットルに 表2より明らかな様に、本発明のテルル化合物でテルル
増感を施したとき、従来よく知られた、イオウ増感やセ
レン増感(N,N−ジメチルセレノウレア)に比べ、現
像進行が早いという好ましい結果が得られた。また、こ
の利点は、本発明の化合物をイオンやセレン増感剤と併
用しても保持されていた。
【0077】実施例3 75℃に保った臭化カリウム0.35gとゼラチン40
gを含むpH5.0の水溶液1リットルに攪拌しなが
ら、硝酸銀水溶液(AgNO3 18g)と臭化カリウム
水溶液(KBr12.7g)を20分間かけて同時に添
加した。次に、硝酸銀水溶液(AgNO3 156g)と
沃化カリウムと臭化カリウムの混合水溶液(6.1g+
196g/リットル)とを20分間かけて、添加流量の
最終速度が初速度5.4倍になる流量加速法で同時に添
加し、その間銀電位を飽和カロメル電極に対し−25m
Vに保った。
【0078】粒子形成終了後、通常のフロキュレーショ
ン法で脱塩・水洗したあと、ゼラチンと水を加え、pH
を6.3、pAgを8.3に合わせた。得られた沃臭化
銀乳剤は、沃化銀含量が約2モル%で、粒子直径が0.
49μm、粒子直径の変動係数が9.5%の単分散八面
体乳剤である。
【0079】この乳剤を小分けしたあと、昇温し、表3
に示す増感剤を加え、下記の増感色素を加えないときの
各々の固有感度が同じになるように化学熟成の温度と時
間を調整した。その後、増感色素;アンヒドロ−5,
5′−ジクロロ−9−エチル−3,3′−(3−スルホ
プロピル)チアカルボシアニンハイドロオキサイドNa
塩(2.7×10-4 M/M AgX)を加え、実施例2と
同様にして塗布物を得た。これらの試料をイエローフィ
ルターを介し、光楔下で露光(1秒)し、実施例2のM
AA−1現像液で20℃で10分間現像し、表3の結果
を得た。但し、相対感度は、カブリ値+0.2の濃度を
得るに必要な露光量の逆数の相対値で表わし、試料30
のを100とした。
【0080】
【表3】
【0081】表3より明らかなように、従来知られたイ
オウ増感に比べて、本発明の化合物を用いるとより高い
分光感度が得られた。
【0082】実施例4 特開平2−838号の実施例6に従って、平均粒子直径
が1.05μ、粒子厚さが0.19μ、アスペクト比が
5.8、粒子直径の変動係数が10.5%の単分散臭化
銀平板乳剤を調製した。通常のフロキュレーション法で
可溶性塩類を除去したあと、ゼラチンを加え,pHを
6.2、pAgを8.3に合せた。この乳剤を小分けし
て、62℃に昇温し、 増感色素;アンヒドロ−5,5′−ジクロロ−9−エチ
ル−3,3′−ジ(3−スルホプロピル)オキサカルボ
シアニンハイドロオキサイドNa塩(520mg/Agモ
ル)と沃化カリウム(50mg/Agモル)を加えたあと
表4に示す増感剤を加え、更に、塩化金酸(1.2×1
-5モル/モルAg)とチオシアン酸カリウム(6×1
-4モル/モルAg)を加え、30分間熟成した。その
後、4−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−
テトラザインデン、フェノキシエタノール、ドデシルベ
ンゼンスルホン酸ナトリウム、1−(m−スルホフェニ
ル)−5−メルカプトテトラゾール、2,4−ビス(エ
チルアミノ)−6−ヒドロキシルアミノ−s−トリアジ
ン、ハイドロキノン、2−ビス(ビニルスルホニルアセ
トアミド)エタン、を順次添加して、表面保護層用塗布
液と共に、同時押し出し法によりポリエチレンテレフタ
レートフィルム支持体上に塗布した。これらのサンプル
を、センシトメーターを用いてイエローフィルターと光
学楔を介して露光(1/100秒)して、自動現像機用
RD−III 現像液(富士写真フイルム(株)製)で30
℃で10秒と30秒間現像したあと、常法により定着、
水洗、乾燥し、写真感度を測定した。写真感度は、カブ
リ値+1.0の光学濃度を得るに必要な露光量の逆数の
相対値で表わし、各々の試料の30秒現像のを各々10
0とした。
【0083】
【表4】
【0084】表より明らかな様に、実施例2と同様に、
平板状乳剤においても本発明のテルル化合物は、現像進
行が極めて早いという大きな利点があった。
【0085】
【発明の効果】本発明の感光材料は、従来の技術では困
難であったテルル増感の持つ増感作用を充分に生かすこ
とが可能となり、これまでの感材に比べ固有感度、分光
増感及び現像進行性などが改良された。
フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭53−57817(JP,A) 特開 平4−113349(JP,A) 特開 平6−19024(JP,A) 特開 昭63−65438(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03C 1/09

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式(I)で表される少なくとも
    一種のテルル増感剤でテルル増感されたことを特徴とす
    るハロゲン化銀写真感光材料。一般式(I)
  2. 【請求項2】 下記一般式(I)で表される少なくとも
    一種のテルル増感剤を後時に添加して増感することを
    特徴とするハロゲン化銀写真感光材料。一般式(I) 【化1】 式中、RおよびRは脂肪族基、芳香族基または複素
    環基を表す。ただし、RおよびRの少なくとも一方
    は複素環基を表す。nは1または2を表す。
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