JP3079007B2 - 積層材料 - Google Patents

積層材料

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JP3079007B2
JP3079007B2 JP07092003A JP9200395A JP3079007B2 JP 3079007 B2 JP3079007 B2 JP 3079007B2 JP 07092003 A JP07092003 A JP 07092003A JP 9200395 A JP9200395 A JP 9200395A JP 3079007 B2 JP3079007 B2 JP 3079007B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、土木用型枠,自動車部
品などとして用いることのできる積層材料に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来、
樹脂素材が各種材料に使用されているが、曲げ強度が低
く、しかも曲げ弾性率も必ずしも充分なものではなかっ
た。一方、金属素材は剛性(曲げ弾性率)は高いもの
の、重い、腐食するなどの問題がある。
【0003】そこで金属板表面に補強繊維を含む繊維強
化熱可塑性樹脂層を積層することにより、金属板の欠点
を補った多層積層板が提案されている(特開平6−11
5007号公報参照)。この積層板においては、予め金
属板に小孔を1ないし2個以上設けて、上下のシート中
の樹脂が直接融着させ、積層をより強固にする工夫もな
されている。
【0004】しかしながら、この多層積層板は、基本的
に金属板の特性を利用したものであり、密度の低いもの
を得るには限界があり、さらに金属板より曲げ強度,弾
性率の向上効果が低いという問題があった。また、この
多層積層板では、金属板と樹脂との複合効果が低く、完
全なる一体品を得ることが出来ず、曲げ荷重等を付加す
ると界面で剥離し、それぞれ独自の素材特性に近い特性
しか得られなかった。
【0005】本発明は、このような従来の問題点を解消
し、軽量であるエキスパンドメタルと繊維強化熱可塑性
樹脂との複合化によって、それぞれ独自の素材よりも高
い強度,高い剛性を有し、密度が低く、また加工変形が
可能で、平板のみでなく、任意の立体形状とすることが
でき、しかも既存の材料の選択により、目的,用途に応
じた材料設計が可能な積層材料を提供することを目的と
するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、エキ
スパンドメタル面に、一方向に引揃えしたガラス補強長
繊維と一方向に引揃えてはいないランダムなガラス長繊
維マットとの積層物に熱可塑性樹脂を含浸せしめガラス
繊維が全体として特定方向に配列してなるマットを含有
する繊維強化熱可塑性樹脂層が積層されてなり、かつ前
記エキスパンドメタルの周囲が前記繊維強化熱可塑性樹
脂層により包み込まれてなる積層材料を提供するもので
ある。
【0007】ここで繊維強化熱可塑性樹脂層は、一方向
に引揃えしたガラス補強長繊維と、一方向に引揃えては
いないランダムなガラス長繊維マットとの積層物に、熱
可塑性樹脂を含浸せしめガラス繊維が全体として特定方
向に配列してなるマットを含有するシート状のものであ
る。
【0008】上記繊維強化熱可塑性樹脂層において使用
する熱可塑性樹脂としては、プレス成形し得るものであ
れば全て用いることができる。例えば、ポリオレフィン
樹脂、塩化ビニル樹脂及びその共重合樹脂、塩化ビニリ
デン樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリスチレン及びその共重
合樹脂等の一般的樹脂,ポリアミド系樹脂、ポリアセタ
ール、ポリカーボネート、熱可塑性ポリエステル樹脂、
ポリフェニルオキサイド及びノリル樹脂,ポリスルフォ
ン等のエンジニアリングプラスチックを挙げることがで
きる。
【0009】ポリオレフィン樹脂としては、例えば高密
度ポリエチレン,中・低密度ポリエチレン,直鎖状低密
度ポリエチレン等のポリエチレン系重合体、いわゆるブ
ロックポリプロピレンと呼ばれる耐衝撃性ポリプロピレ
ン、ランダムポリプロピレン、ポリブテン、4−メチル
ペンテン−1樹脂などを使用することができる。また、
エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−塩化ビニル
共重合体などの他、ブロピレン−塩化ビニル共重合体
等、オレフィンと他の極性モノマーとの共重合体をも使
用することができる。さらに、前記各種のホモポリマ
ー,コポリマーのブレンド物も使用することができる。
【0010】また、塩化ビニルの共重合体としては、例
えば塩化ビニル−酢酸ビニル樹脂,塩化ビニル−塩化ビ
ニリデン共重合体樹脂,塩化ビニル−アクリロニトリル
共重合体樹脂等を挙げることができる。次に、酢酸ビニ
ル系樹脂としては、例えば酢酸ビニル樹脂,ポリビニル
アセトアセタール,ポリビニルブチラール等を挙げるこ
とができる。
【0011】さらに、スチレン系の共重合樹脂として
は、例えばABS樹脂,SAN樹脂,ACS樹脂等を挙
げることができる。また、ポリアミド系樹脂としては、
例えばナイロン6,ナイロン8,ナイロン11,ナイロ
ン66,ナイロン610等を挙げることができる。な
お、ポリアセタールは、単一重合体であっても共重合体
であってもよい。
【0012】さらにまた、ポリカーボネートとしては、
例えばビスフェノールAとホスゲンとから得られるポリ
カーボネート,ビスフェノールAとジフェニルカーボネ
ートとから得られるポリカーボネート等を挙げることが
できる。また、熱可塑性ポリエステル樹脂としては、例
えばポリエチレンテレフタレート,ポリプロピレンテレ
フタレート等を挙げることができる。
【0013】これら熱可塑性樹脂は、成形可能な分子量
を有していれば、前記各種の熱可塑性樹脂を適宜に選択
して使用することができる。前記各種の熱可塑性樹脂を
単独で用いても良いし、或いは2種以上を混合してポリ
マーブレンドとして用いても良い。もっとも、前記各種
の熱可塑性樹脂の中でも、ポリエチレン,ポリプロピレ
ン,プロピレンブロックコポリマー,プロピレンランダ
ムコポリマー等のポリオレフィンは、本発明の積層材料
をコンクリート打込用の型枠として用いた場合にコンク
リートの剥離性が良いので好ましく、特にポリエチレ
ン,ポリプロピレンがより好ましい。
【0014】また、本発明における繊維強化熱可塑性樹
脂層に用いるガラス繊維の繊維長さは特に限定されない
が、3mm以上、通常10mm以上である。また、繊維
径としては5〜40μm、好ましくは10〜30μmで
ある。ここでガラス繊維は、一方向に引揃えしたガラス
補強長繊維と、一方向に引揃えてはいないランダムなガ
ラス長繊維マットとの積層物であり、ガラス繊維を全体
として特定方向の配列を強化してマット状に形成したも
のである。
【0015】このような一方向に引揃えしたガラス補強
長繊維と、一方向に引揃えてはいないランダムなガラス
長繊維マットとの積層物に、熱可塑性樹脂を含浸せしめ
ガラス繊維が全体として特定方向に配列してなるマット
を含有する繊維強化熱可塑性樹脂シートとしては、例え
ば特開昭62−240514号公報に記載された複合長
繊維強化熱可塑性樹脂シートが挙げられる。すなわち、
一方向に引揃えした補強長繊維と、一方向に引揃えては
いない、ランダムな長繊維マット(スワール(渦巻状)
マット))との積層物に、熱可塑性樹脂を含浸せしめて
なるものである。
【0016】本発明で用いるガラス繊維の材質には特に
制限がなく、含アルカリガラス,低アルカリガラス,無
アルカリガラスのいずれでも良く、Eガラス,Cガラ
ス,Aガラス等、従来からガラス繊維として使用されて
いる各種の組成のものを使用することができる。
【0017】本発明で用いるガラス繊維マットは、その
形態上、マット状(乃至はシート状)に形成しているも
のが好ましい。具体的には、スワール(渦巻状)マッ
ト、長繊維ガラスを加工したクロス、長繊維ロービング
を加工したチョップドストランドマット及びロービング
クロス、短繊維ガラスのステープル糸で加工したクロ
ス、短繊維ガラス綿で加工したフェルト及びブランケッ
トなど、或いはニードルパンチングマット、一方向引揃
えマットなどが挙げられる。これらの中でも、一方向引
揃えマットとスワール(渦巻状)マットとを併用したも
のを用いる。スワールマットとしては、連続ガラス繊維
のスワール状マットをニードルパンチしたガラス繊維マ
ットが好ましい。
【0018】本発明で用いられる、ガラス繊維が全体と
して特定方向に配列してなるマットを含有する繊維強化
熱可塑性樹脂シートは、このようなガラス繊維の少なく
とも一部を特定の方向に配列して、ガラス繊維マット全
体として、特定の方向に配列するようにしたものであっ
て、その配列方向と直角の方向に、特に強い曲げ強度を
有するものである。
【0019】このような繊維強化熱可塑性樹脂シート
は、例えば、一方向引揃えマット(或いは引揃え長繊
維)の片面又は両面に、ランダムな長繊維マット(スワ
ール(渦巻状)マット)を載せ、積層体としたものに、
熱可塑性樹脂を含浸せしめることにより得ることができ
る。ガラス繊維マットと熱可塑性樹脂との積層の態様と
しては、例えば熱可塑性樹脂板の片面又は両面にそれぞ
れ一方向引揃えマット(或いは引揃え長繊維)と、ラン
ダムな長繊維マットとを置き、或いはさらにその両側に
熱可塑性樹脂を配したものや、一方向引揃えマット(或
いは引揃え長繊維)の両面に熱可塑性樹脂板を配し、そ
の両側にランダムな長繊維マットを置き、さらにその両
側に熱可塑性樹脂を配したものが挙げられる。また、複
数層の場合には、異なる種類であってもよい。
【0020】本発明で用いる繊維強化熱可塑性樹脂シー
トにおいて、熱可塑性樹脂とガラス繊維との配合割合
は、樹脂の種類やガラス繊維の種類により、一義的には
決められないが、通常、熱可塑性樹脂/ガラス繊維=8
0〜50/20〜50(重量%)とするのが好ましく、
特に熱可塑性樹脂/ガラス繊維=70〜50/30〜5
0(重量%)とするのが好ましい。
【0021】なお、本発明においては、上記繊維強化熱
可塑性樹脂層を構成する繊維強化熱可塑性樹脂シート
に、無機質充填剤を配合することもできる。このような
無機質充填剤としては、例えば、炭酸カルシウム,炭酸
マグネシウム,ドロマイト等の炭酸塩、硫酸カルシウ
ム,硫酸マグネシウム等の硫酸塩、亜硫酸カルシウム等
の亜硫酸塩、タルク,クレー,マイカ,アスベスト,ケ
イ酸カルシウム,モンモリロナイト,ベントナイト等の
ケイ酸塩、水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム等
の水酸化物、ポリリン酸アンモニウム等のリン酸塩、
鉄,亜鉛,アルミニウム等の金属粉、炭化ケイ素,チッ
化ケイ素等のセラミック、及びこれらのウィスカ、カー
ボンブラック、グラファイト、炭素繊維等が挙げられ
る。これらの無機質充填剤を単独で、或いは2種以上を
混合して使用することができる。
【0022】なお、無機質充填剤としてタルクや炭酸カ
ルシウムを用いる場合、タルクや炭酸カルシウムとして
は、特に限定はなく、通常用いられるものでよい。タル
クの配合量は、熱可塑性樹脂シートを構成する原料全体
の10〜50重量%、特に20〜40重量%が好まし
く、炭酸カルシウムは、10〜50重量%、特に10〜
30重量%が好ましい。タルクおよび炭酸カルシウムの
配合量が、前記範囲外となると、板材としての強度が低
下するために好ましくない。但し、タルクと炭酸カルシ
ウムは、あくまでガラス繊維と共に用いられるものであ
って、しかも最大配合量は上記したガラス繊維の配合量
80重量%までである。ここでタルクはガラス繊維と同
等の補強効果を有している。一方、炭酸カルシウムはガ
ラス繊維との併用により、コストダウン効果がある。
【0023】本発明の繊維強化熱可塑性樹脂層を構成す
る繊維強化熱可塑性樹脂シートは、上記の如きタルクお
よび炭酸カルシウムを配合した熱可塑性樹脂と、特定方
向に配列したガラス繊維マットとを、それぞれシート状
に形成した後、両者を積層し、加熱下に連続的に加圧
し、冷却加圧により固化することによって製造すること
ができる。
【0024】このようにして得られる繊維強化熱可塑性
樹脂シートの厚さは、目的に応じて異なるが、1〜6m
m程度である。また、エキスパンドメタルの両面に繊維
強化熱可塑性樹脂層を形成したものの場合には、表裏両
面の繊維強化熱可塑性樹脂層厚さは同じでもよいし、或
いは異なるものであってもよい。
【0025】なお、優れた外観を必要とする場合には、
この繊維強化熱可塑性樹脂層の表面(すなわち、最終的
に得られる積層材料の表裏面)に意匠を施したり、光沢
に優れたものを用いることもできる。例えば、加熱方
式,プレス方式により、製品表面の光沢を適宜調整する
ことが可能である。
【0026】次に、エキスパンドメタルとしては、通常
使用されているものを用いることができる。エキスパン
ドメタルは、メッシュ状の金属製品であって、通常、建
物の床張り,階段の踏板,通気窓,建物の間仕切り,フ
ェンス,窓格子,網戸,手摺りなどとして用いられてい
る。また、金属の材質としては特に制限されないが、入
手の点から鋼が好ましい。このエキスパンドメタルに
は、XGグレーティング型(亀甲型)、XSスタンダー
ド型(菱形)、XFフラット型(平型)があり、これら
のいずれも本発明に用いることができるが、特にXFフ
ラット型(平型)のエキスパンドメタルが、外観,薄物
積層体を得るために好ましい。このXFフラット型(平
型)のエキスパンドメタルは、XSスタンダード型(菱
形)のエキスパンドメタルを圧延ロールに掛けることに
より、網目全体を同一平面とし、フラット(平型)とし
たものである。これらエキスパンドメタルは、多くの種
類とメッシュサイズのものがJISに定められている。
【0027】このエキスパンドメタルの形状や大きさ等
は、用途に応じて適宜選定すればよいが、上記繊維強化
熱可塑性樹脂層を構成する繊維強化熱可塑性樹脂シート
より、若干外寸の小さなものを用いることが好ましい。
これはエキスパンドメタルの周囲を繊維強化熱可塑性樹
脂層で包み込んだ形のものとしうるからである。
【0028】本発明の積層材料は、上記に述べた通りの
エキスパンドメタルと繊維強化熱可塑性樹脂層とからな
るものである。第1図は本発明の積層材料(一態様を示
したもの)の横断面図であり、第2図はその縦断面図で
ある。この態様にあっては、全体の形状が略薄板状のも
のを示している。図中、符号1がエキスパンドメタルで
あり、符号2が繊維強化熱可塑性樹脂層である。
【0029】エキスパンドメタル1と繊維強化熱可塑性
樹脂層2との積層の態様としては、通常はエキスパンド
メタル1の片面に繊維強化熱可塑性樹脂層2を配した2
層構造のものや、エキスパンドメタル1の両面に繊維強
化熱可塑性樹脂層2を配した3層構造のものが挙げられ
る。
【0030】また、使用目的によっては、上記2層構造
のもの、或いは3層構造のものの片面或いは両面に、さ
らにエキスパンドメタルと繊維強化熱可塑性樹脂層が順
次積層された4層以上の構造からなるものであってもよ
い。この場合、最外層が繊維強化熱可塑性樹脂層である
ものが好ましい。つまりエキスパンドメタルを2層以上
のものとすることもできる。また、エキスパンドメタル
と繊維強化熱可塑性樹脂層との2層構造のものの繊維強
化熱可塑性樹脂層とは反対側に、熱可塑性樹脂シート等
を配した3層構造の積層材料とすることもできる。この
ような積層材料において、エキスパンドメタルの両面に
繊維強化熱可塑性樹脂層を配した3層構造のものが好ま
しい。この3層構造のものは、軽量化効果が高く、しか
も上下の繊維強化熱可塑性樹脂層を構成する繊維強化熱
可塑性樹脂がエキスパンドメタルのメッシュ部を通じて
結合一体化するため、曲げ荷重等が付加された際に、内
部の界面剥離が発生しにくい。
【0031】特に本発明においては、中間のエキスパン
ドメタルを両面の繊維強化熱可塑性樹脂層で包み込んだ
もの、すなわち第1図や第2図に示すようにエキスパン
ドメタルの周囲が繊維強化熱可塑性樹脂層により包み込
まれているものが用いられる。この場合、周囲を繊維強
化熱可塑性樹脂で包み込んでいないものに比べて、曲げ
弾性率が2倍以上となる。このようにして得られた積層
材料は、両表面ともに平滑で強度に優れているので、土
木用永久型枠などには両面を用いることができ、耐用回
数を著しく長くすることができる。換言すれば、単にエ
キスパンドメタル表面(片面又は両面)に繊維強化熱可
塑性樹脂層を積層しただけでは補強効果が必ずしも充分
でなく、剥離現象が発生するおそれがあるなど一体感の
複合性が出ないことがあるが、エキスパンドメタルの周
囲を繊維強化熱可塑性樹脂層で完全に覆い(包み込み)
一体化することによって、エキスパンドメタルによる弾
性率の向上が図れると共に、繊維強化熱可塑性樹脂層の
影響で弾性変形効果を持たせることができる。
【0032】また、繊維強化熱可塑性樹脂層とエキスパ
ンドメタルとの容量比は、特に制限はないが、通常、エ
キスパンドメタルの重量が、繊維強化熱可塑性樹脂層を
構成するシートの量の20〜70重量%、好ましくは3
0〜60重量%とする。エキスパンドメタルの容量がこ
れより多くなると、エキスパンドメタルが表面に飛び出
したり、界面強度が弱くなる(つまりエキスパンドメタ
ルを挟んだ上下の繊維強化熱可塑性樹脂層が一体化する
のに量的に不足する)ために、曲げ強度の補強効果が低
くなり、塑性変形しやすくなってしまう。また、エキス
パンドメタルの容量がこれより少なくなると、エキスパ
ンドメタルによる補強効果が極めて低くなる。
【0033】本発明の積層材料の厚さは、通常、3〜3
0mmであり、繊維強化熱可塑性樹脂層(表裏層)をエ
キスパンドメタル(フラットタイプ)(中間層)の両面
に形成する場合、表裏層と中間層の厚さの比率は、前
者:後者=1:0.2〜3、好ましくは1:0.3〜2
である。
【0034】以上の如き本発明の積層材料を製造する方
法は特に制限はないが、例えばエキスパンドメタルの両
面或いは片面を構成する繊維強化熱可塑性樹脂層(繊維
強化熱可塑性樹脂シート)で、これらより若干外寸の小
さなエキスパンドメタルを挟み込み、金型内に同時に投
入し、加熱プレス成形する方法が挙げられる。このよう
に本発明の積層材料は、プレス成形においてエキスパン
ドメタルをインサート成形することにより得られるた
め、平板のみならず異形の成形品内部にエキスパンドメ
タルをインサートすることが出来る。
【0035】プレス成形の条件は樹脂の種類により異な
るが、通常、温度は150〜300℃、好ましくは18
0〜270℃であり、プレス圧は10〜300kg/cm2
好ましくは20〜100kg/cm2である。加熱条件やプレ
ス条件により、製品の表面光沢を調整することが可能で
ある。例えば、繊維強化熱可塑性樹脂層の原料樹脂とし
てポリプロピレンを用いた場合は、温度は180〜25
0℃、プレス圧50〜250kg/cm2とすることが好まし
い。
【0036】本発明の積層材料は上記した通りのもので
ある。なお、本発明において表面層を構成する繊維強化
熱可塑性樹脂層は、一方向に引揃えしたガラス補強長繊
維と、一方向に引揃えてはいないランダムなガラス長繊
維マットとの積層物に、熱可塑性樹脂を含浸せしめ、ガ
ラス繊維が全体として特定の方向に配向したものを用い
るが、これをエキスパンドメタルの両面に積層したもの
である場合には、その配向の方向は、両面(表裏層)で
異なっていても良いし、或いは同一方向であっても良
い。型枠や建築物の床材等の強度が要求される用途に用
いる場合には、表裏層を構成する繊維強化熱可塑性樹脂
層の配向方向を直交させた方が良い。
【0037】本発明の積層材料の形状は、平面状のもの
が代表的なものであるが、平面状に限るものではなく、
種々の形状に成形することができ、また、他の異なる材
料と組合わせて種々の分野で用いることも可能である。
【0038】
【実施例】次に本発明を実施例により詳しく説明する。参考例1 (1)長繊維強化熱可塑性樹脂シートの製造〔スワール
系の繊維強化熱可塑性樹脂シート〕 繊維径平均20μmのガラス繊維を60本集束したガラ
スストランドを用いたスワール(渦巻)状マット40重
量%と、ポリプロピレン樹脂シート60重量%とを用い
て、該樹脂シートの内面を加熱溶融した後、ガラス繊維
マットを挟んでプレスして、厚さ2.7〜3.3mmの
ガラス繊維マット入りの樹脂シートを製造した。
【0039】(2)積層材料の製造 300mm×300mmの平板金型を用い、市販のエキ
スパンドメタル(XFフラット型、JIS呼称:XF−
32)(270mm×270mm)の両面に、上記
(1)で得られたシート(300mm×300mm)を
載せ、230℃、150トンでプレス成形して3層の積
層材料(300mm×300mm)を得た。この積層材
料の板厚、重量、曲げ強度及び曲げ弾性率を測定した。
結果を第1表に示す。なお、曲げ強度及び曲げ弾性率
は、三点曲げ試験(テストスピード:10mm/mi
n)により評価した。
【0040】実施例 (1)複合長繊維強化(一方向強化)熱可塑性樹脂シー
トの製造〔ユニ系の繊維強化熱可塑性樹脂シート〕 特開昭62−240514号公報の実施例1〜3と同様
にして複合長繊維強化(一方向強化)熱可塑性樹脂シー
トを製造した。すなわち、補強長繊維用長繊維として繊
維径23μmのガラス繊維を1000本集束したガラス
ストランドを用い、また長繊維マット用繊維として繊維
径23μmのガラス繊維を800本/8SP(すなわ
ち、1スプリットに100本集束して8スプリットとし
たもの)集束したストランドを用いた。次に、ベルトコ
ンベア上に上記補強長繊維用ストランドを、ほぼ平行に
配列された状態で、かつ、ストランドの長手方向がコン
ベアの進行方向に一致するように引揃えて送り出し、こ
の引揃えた長繊維上に、上記長繊維マット用ストランド
をUSP4158557に記載されるが如く、スワール
状に積層して、スワールマットと引揃えストランドとを
機械的に結合し、一体化した積層物とした。積層物は、
スワールマット30重量%、引揃え長繊維70重量%と
なるように積層した。次いで、熱可塑性樹脂として、ポ
リプロピレンシートを使用し、40重量%のガラス繊維
含有率となるように、該積層物と該シートを2枚のステ
ンレス製鉄板の間に積層してはさみ、230℃で3分間
加熱加圧して、ポリプロピレンを該積層体に含浸させた
後、50℃に設定した冷却プレスに挿入して冷却固化さ
せ、ガラス繊維が特定方向に配列してなる(一方向強
化)シートを作製した。
【0041】(2)積層材料の製造 中間層として、参考例1の(2)で用いたと同じエキス
パンドメタルを用い、200℃の温度に加熱した上記
(1)で得られたスタンパブルシートを両面に用い、ガ
ラス繊維の配向方向を揃えて、170kg/cm2の圧
力でプレス成形して3層の積層材料(300mm×30
0mm)を作製した。結果を第1表に示す。
【0042】参考例2 参考例1 と同様のシート3枚とエキスパンドメタル2枚
を用いて、合計5層の積層材料(300mm×300m
m)を作製した。結果を第1表に示す。
【0043】実施例 実施例と同様のシート3枚とエキスパンドメタル2枚
を用いて、合計5層の積層材料(300mm×300m
m)を作製した。結果を第1表に示す。
【0044】実施例 実施例と同様のシート2枚と、市販のエキスパンドメ
タル(XFフラット型、JIS呼称:XF−42)1枚
を用いて、合計3層の積層材料(300mm×300m
m)を作製した。結果を第1表に示す。なお、以上の
施例1〜3及び参考例1〜2では全て、エキスパンドメ
タルの周囲が、スタンパブルシート(繊維強化熱可塑性
樹脂層)により包み込まれていた。
【0045】参考例3 参考例1 (1)のシート2枚とエキスパンドメタル1枚
を用いて3層の積層材料(300mm×300mm)を
作製した。結果を第1表に示す。なお、この積層材料
は、周囲の4辺が繊維強化熱可塑性樹脂層により包み込
まれていない場合の例である。
【0046】比較例1参考例1 (1)で得られたと同様のシート2枚をプレス
成形して積層材料(300mm×300mm)を作製
し、実施例1と同様に評価した。結果を第1表に示す。
【0047】比較例2 亜鉛メッキ鋼板(厚み1.2mm)1枚と参考例1
(1)で得られたと同様のスタンパブルシート2枚を用
いて3層の積層材料(300mm×300mm)を作製
した。結果を第1表に示す。
【0048】比較例3 市販のエキスパンドメタル(XFフラット型、JIS呼
称:XF−32)(300mm×300mm)につい
て、曲げ強度と曲げ弾性率について測定した。結果を第
1表に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】〔第1表の脚注〕 ・A:市販のエキスパンドメタル(XF−32) ・B:市販のエキスパンドメタル(XF−42) ・C:スワール系の繊維強化熱可塑性樹脂シート ・D:ユニ系の繊維強化熱可塑性樹脂シート ・E:亜鉛メッキ鋼板
【0052】
【発明の効果】本発明によれば、エキスパンドメタル面
に繊維強化熱可塑性樹脂層が積層一体化させることによ
り、高い曲げ強度と高い剛性を有する積層材料が得られ
る。本発明の積層材料は、落錘強度も向上させることが
できる。また、本発明によれば、エキスパンドメタルを
用いることにより、通常の積層板では得られない一体成
形品が得られ、さらに板状形状だけでなく、異型の成形
品も得ることができる。すなわち、本発明によれば、エ
キスパンドメタルと繊維強化熱可塑性樹脂との複合化に
よって、それぞれ独自の素材よりも高い強度,曲げ弾性
率を有し、密度が低く、また加工変形が可能で、平板の
みでなく、任意の形状とすることができ、しかも既存の
材料、特にエキスパンドメタルの選択により、目的,用
途に応じた材料設計が可能な積層材料が得られる。本発
明によれば、エキスパンドメタルの周囲を繊維強化熱可
塑性樹脂で包み込んだものは、曲げ弾性率が 200,000
kg/cm2以上という高剛性のものが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図は本発明の積層材料(一態様を示したも
の)の横断面図である。
【図2】第1図は本発明の積層材料(一態様を示したも
の)の縦断面図である。
【符号の説明】
1 エキスパンドメタル 2 繊維強化熱可塑性樹脂層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 本多 新 東京都千代田区三番町2番地 飛島建設 株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−8224(JP,A) 特開 平4−348137(JP,A) 特開 昭61−211525(JP,A) 実開 昭48−10211(JP,U) 実公 昭36−7386(JP,Y1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B32B 1/00 - 35/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エキスパンドメタル面に、一方向に引揃
    えしたガラス補強長繊維と一方向に引揃えてはいないラ
    ンダムなガラス長繊維マットとの積層物に熱可塑性樹脂
    を含浸せしめガラス繊維が全体として特定方向に配列し
    てなるマットを含有する繊維強化熱可塑性樹脂層が積層
    されてなり、かつ前記エキスパンドメタルの周囲が前記
    繊維強化熱可塑性樹脂層により包み込まれてなる積層材
    料。
  2. 【請求項2】 繊維強化熱可塑性樹脂層が、エキスパン
    ドメタルの両面に積層されてなる請求項1記載の積層材
    料。
  3. 【請求項3】 エキスパンドメタルが、二層以上である
    請求項1記載の積層材料。
  4. 【請求項4】 エキスパンドメタルが、フラットタイプ
    である請求項1記載の積層材料。
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