JP3078026B2 - 歯車式変速装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、歯車式変速装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】歯車式変速機において、クラッチを介し
て原動機に連結された入力軸と、駆動系に連結された出
力軸と、クラッチから入力軸に入力されたトルクが一対
の歯車を介して伝達されるカウンタ軸と、入力軸のトル
クを出力軸に直接に、或いは、カウンタ軸を含む伝達経
路を介して出力軸に伝達するように構成された変速歯車
機構とを備えた構成となっているものがある。

【０００３】この形式の歯車式変速機は、例えば特開昭
６０−４４６４０号公報に開示されている。この歯車式
変速機では、入力軸と出力軸とが一対の歯車を介して常
時トルク伝達状態にあり、カウンタ軸と出力軸との間に
変速歯車機構が設けられ、４速変速段を除く前進段で
は、入力軸のトルクがこの変速歯車機構を介して出力軸
に伝達されるようになっている。また、この変速機は、
カウンタ軸とアイドラ軸とが常時トルク伝達状態にあ
り、アイドラ軸と出力軸とを選択的にトルク伝達状態に
することによりリバース用トルクを出力軸に伝達するよ
うに構成されている。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この形
式の変速機では、入力軸とカウンタ軸とが常時トルク伝
達状態にあるので、トルク伝達お必要としないニュート
ラル時においてもカウンタ軸は回転されている。このた
め、カウンタ軸のイナーシャが常時、変速歯車機構の負
荷となっていた。またこのようにイナーシャが多い分だ
け、例えば、ニュートラルから他の変速段への変速操作
に必要とされる操作力が多く必要であった。

【０００５】このため本出願人は、特開平２−３８７３
６号公報に開示したようなニュートラル時にカウンタ軸
へのトルク伝達を遮断して、イナーシャを小さくした歯
車式変速機を提案した。しかし、この歯車式変速機にこ
いてもニュートラル時にアイドラ軸は依然回転してお
り、さらに改良の余地があった。そこで本発明は、上記
の問題点を解決するためになされたものであり、変速機
の構造を複雑化させることなく、ニュートラル時にカウ
ンタ軸及びアイドラ軸へのトルク伝達を切断でき、それ
により変速操作を軽減できる歯車式変速装置を提供する
ことを目的としている。

【０００６】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
になされた本発明によれば、クラッチを介して原動機に
連結された入力軸と、この入力軸と同軸に配置され且つ
被駆動系に連結された出力軸と、前記入力軸と平行に配
置されたカウンタ軸及び後進段用アイドラ軸と、前記入
力軸に伝達されるトルクを変速比の異なる複数の伝達経
路を選択的に介して前記出力軸に伝達させる前進用変速
歯車機構と、前記入力軸に伝達されるトルクを前記アイ
ドラ軸を含む伝達経路を介して逆転させて前記出力軸に
伝達する後進用変速歯車機構とを有し、前記前進用変速
歯車機構が、前記入力軸のトルクを前記カウンタ軸を介
して前記出力軸に伝達する第１の伝達手段と、前記入力
軸のトルクを前記出力軸に直接伝達する第２の伝達手段
とを備え、この第１の伝達手段が、前記入力軸から前記
カウンタ軸へのトルクの伝達をニュートラル時に遮断し
又はトルクの伝達経路の変速操作を行う第１の同期手段
を有し、前記第２の伝達手段が、前記入力軸と出力軸と
の連結、切り離しを行う第２の同期手段を有し、前記後
進用変速歯車機構が、前記入力軸に相対回転自在に支持
されたリバースギアと、このリバースギアと噛み合い且
つ前記アイドラ軸と一体的に回転するように設けられ前
記アイドラ軸への入力ギアを構成するカウンタリバース
ギアと、前記アイドラ軸と一体的に回転するように設け
られ前記アイドラ軸からの出力ギアを構成するカウンタ
リバースギアと、この出力側のカウンタリバースギアか
らのトルクを前記カウンタ軸へ伝達して該カウンタ軸を
回転させ、この回転を前記出力軸に伝達する第３の伝達
手段と、前記入力軸から前記リバースギアへのトルクの
伝達をニュートラル時に遮断する第３の同期手段とを有
していることを特徴とする歯車式変速装置が提供され
る。このような構成を備えた本発明によれば、ニュート
ラル時には、第１の同期手段によって、入力軸とカウン
タ軸との間のトルクの伝達が遮断され、且つ、第３の同
期手段によってリバースギアを介した入力軸からアイド
ラ軸へのトルク伝達が遮断されるので、ニュートラル時
に、カウンタ軸およびアイドル軸へのトルク伝達が行わ
れない。この結果、変速操作に要する操作力が低減され
る。また、本発明の好ましい態様によれば、前記第１の
伝達手段が、前記出力軸に設けられ前記カウンタ軸のト
ルクを該出力軸に入力するドライブギアを含み、該ドラ
イブギアが、前記前進用変速歯車機構を構成する１つの
ギアを兼用している。このような構成によれば、出力軸
に設けられカウンタ軸からのトルクを出力軸に入力する
機能を有するドライブギアが、前進用変速歯車機構を構
成する１つのギア、例えば５速用ギアと兼用されている
ので、ギアの数を減らされたことになり、この結果、同
一の機能を達成しつつ、変速機の軸方向の長さを減少さ
せることができる。

【０００７】

【実施例】以下本発明の歯車式変速装置の一実施例につ
いて図１乃至図３を参照して説明する。図１は本発明の
歯車式変速装置の一実施例の左部を示す部分断面図、図
２は本発明の歯車式変速装置の一実施例の右部を示す部
分断面図、図３は図１及び図２に示す歯車式変速装置の
構成を概略的に示すスケルトン図である。

【０００８】先ず図１及び図２により、歯車式変速装置
の全体構成について説明する。１は変速機であり、この
変速機１はフロントエンジンリアドライブ（ＦＲ）方式
の車両に取り付けられる歯車式の手動変速機である。２
はミッションケースであり、このミッションケース２の
エンジン（図示せず）側（図１の左側）には、運転席か
らの操作によりエンジンのクランク軸（図示せず）と変
速機１との連結を断続するためのクラッチ９（外形を一
点鎖線にて概略的に示す）が配置されている。

【０００９】ミッションケース２内には、入力軸１０は
配置され、この入力軸１０の後方には出力軸３０が入力
軸１０と同心状に配置されている。ミッションケース２
内にはさらに、入力軸１０及び出力軸３０と平行にカウ
ンタ軸２０及びリバース用アイドラ軸４０が配置されて
いる。なお図２において、アイドラ軸４０は展開して示
してある。

【００１０】入力軸１０は、その前端部分が軸受１９に
よりミッションケース２に回転自在に支持され、この後
端部分が出力軸３０にニードルベアリングを介して相対
回転可能に支持されている。入力軸１０には、１速用ギ
ア１１及び２速用ギア１２が一体的に形成され、また３
速用ギア１３及び４速用ギア１４がニードルベアリング
を介して相対回転可能に支持されている。さらにこの入
力軸１０の後端部分には、リバースギア１６がニードル
ベアリングを介して相対回転可能に支持されている。

【００１１】入力軸１０の下方には、カウンタ軸２０が
配置され、軸受２８、２９によりミッションケース２内
に回転自在に支持されている。このカウンタ軸２０に
は、１速用カウンタギア２１及び２速用カウンタギア２
２がニードルベアリングを介して相対回転可能に支持さ
れ、また３速用カウンタギア２３及び４速用カウンタギ
ア２４が一体的に形成されている。さらにカウンタ軸２
０の後端部分には、ドライブギア２５がスプライン結合
されている。

【００１２】出力軸３０は、その前端部分が入力軸１０
によりニードルベアリングを介して相対回転可能に支持
され、その後端部分が軸受１８によりミッションケース
２内に回転自在に支持されている。この出力軸３０に
は、その前端部分に５速用クラッチギア１５が一体的に
形成されている。この５速用クラッチギア１５は、ドラ
イブギアとしての機能も有する。出力軸３０の後端部分
は、変速機１の後方に延び、ユニバーサルジョイント
（図示せず）介して推進軸（図示せず）に連結され、後
輪駆動系に駆動トルクを出力するようになっている。

【００１３】アイドラ軸４０は、リバースシフト用とし
て設けられたもので、このアイドラ軸４０は軸受４８、
４９によりミッションケース２に回転自在に支持されて
いる。このアイドラ軸４０には、前端部分と後端部分に
それぞれカウンタリバースギア４１、４２が一体的に形
成されている。入力軸１０上の１速用乃至４速用ギア１
１、１２、１３、１４と、カウンタ軸２０上の１速用乃
至４速用カウンタギア２１、２２、２３、２４とは、そ
れぞれ対応する変速段のギア同士が常時噛み合ってい
る。またカウンタ軸２０上のカウンタドライブギア２５
と出力軸３０の５速用クラッチギア１５とは常時噛み合
っている。

【００１４】またアイドラ軸４０の後端部分に形成され
たカウンタリバースギア４２が入力軸１０上のリバース
ギア１６と常時噛み合っており、同じくアイドラ軸４０
の前端部分に形成されたカウンタリバースギア４１が後
述するカウンタ軸上の１速用カウンタギア２１と２速用
カウンタギア２２との間に設けられた同期装置７１と常
時噛み合っている（なお、上述のようにアイドラ軸４０
は展開して示してある）。

【００１５】変速機１には、入力軸１０とカウンタ軸２
０との間のトルクの伝達を遮断したり、或いは入力軸１
０とカウンタ軸２０との間のトルクの伝達経路を変速操
作に応じて選択するために、同期装置６１、７１が設け
られている。同期装置６１は、入力軸１０上の３速用ギ
ア１３と４速用ギア１４との間に、また同期装置７１
は、カウンタ軸２０の１速用カウンタギア２１と２速用
カウンタギア２２との間にそれぞれ設けられている。

【００１６】同期装置６１は、入力軸１０にスプライン
結合されたクラッチハブ６２と、このクラッチハブ６２
の外周にスプライン連結したスリーブ６３と、同期リン
グ６４、６４と、３速用ギア１３及び４速用ギア１４に
それぞれ一体的に形成されたギアスプライン１３ａ、１
４ａとから構成され、スリーブ６３がストライキングロ
ッド上のシフトフォーク（図示せず）と係合している。
この同期装置６１は、運転席からのシフト操作によるシ
フトフォークの移動によりスリーブ６３がクラッチハブ
６２上を軸線方向に摺動しギアスプライン１３ａ又は１
４ａのいずれかと噛み合い、これにより入力軸１０と３
速用ギア１３又は４速用ギア１４とを選択的に連結する
ように機能する。

【００１７】同期装置７１は、カウンタ軸２０にスプラ
イン結合されたクラッチハブ７２と、このクラッチハブ
７２の外周にスプライン連結したスリーブ７３と、同期
リング７４、７４と、１速用カウンタギア２１及び２速
用カウンタギア２２にそれぞれ一体的に形成されたギア
スプライン２１ａ、２２ａとから構成され、スリーブ７
３がストライキングロッド上のシフトフォーク（図示せ
ず）と係合している。この同期装置７１も同様に、運転
席からのシフト操作によるシフトフォークの移動により
スリーブ７３がクラッチハブ７２上を軸線方向に摺動し
ギアスプライン２１ａ又は２２ａのいずれかと噛み合
い、これによりカウンタ軸２０と１速用カウンタギア２
１又は２速用カウンタギア２２とを選択的に連結するよ
うに機能する。さらにこの同期装置７１のスリーブ７３
の外周にはギア７５が形成されており、このギア７５と
アイドラ軸４０の前端部分に形成されたカウンタリバー
スギア４１とが常時噛み合っている。

【００１８】また、入力軸１０の後端部分にニードルベ
アリングを介して相対回転可能に支持されたリバースギ
ア１６と、出力軸３０の前端部分に一体的に形成された
５速用クラッチギア１５との間には、同期装置８１が設
けられている。この同期装置８１は、入力軸１０にスプ
ライン結合されたクラッチハブ８２と、このクラッチハ
ブ８２の外周にスプライン連結したスリーブ８３と、同
期リング８４、８４と、５速用クラッチギア１５及びリ
バースギア１６にそれぞれ一体的に形成されたギアスプ
ライン１５ａ、１６ａとから構成され、スリーブ８３が
ストライキングロッド上のシフトフォーク（図示せず）
と係合している。この同期装置８１は、運転席からのシ
フト操作によるシフトフォークの移動によりスリーブ８
３がクラッチハブ８２上を軸線方向に摺動しギアスプラ
イン１５ａ又は１６ａのいずれかと噛み合い、これによ
り入力軸１０と出力軸３０と一体的に形成された５速用
クラッチギア１５又はリバースギア１６とを選択的に連
結するように機能する。

【００１９】次に図３を参照して動作を説明する。変速
機１は、同期装置６１、７１、８１のスリーブ６３、７
３、８３が図示するように隣接するギアスプラインのい
ずれにも噛み合っていない中立位置にある場合、即ち変
速機１がニュートラルになっている場合には、入力軸１
０上の１速用ギア１１及び２速用ギア１２のみが回転す
る。１速用ギア１１及び２速用ギア１２は、カウンタ軸
２０上の１速用カウンタギア２１及び２速用カウンタギ
ア２２をそれぞれ回転させる。しかしながら、１速用カ
ウンタギア２１及び２速用カウンタギア２２は、カウン
タ軸２０に連結されていないため、入力軸１０のトルク
はカウンタ軸２０に伝達されず、カウンタ軸２０は回転
しない。

【００２０】カウンタ軸２０上の同期装置７１のギア７
５とアイドラ軸４０のカウンタリバースギア４１とは常
時噛み合っているが、カウンタ軸２０が回転しないた
め、カウンタ軸２０からカウンタ軸２０にトルクは伝達
されず、さらに入力軸１０上のリバースギア１６とアイ
ドラ軸４０のカウンタリバースギア４２とは常時噛み合
っているが、同期装置８１が中立位置にあるため動力伝
達状態にないため、入力軸１０のトルクはアイドラ軸４
０に伝達されない。このためカウンタ軸２０は、回転し
ない。

【００２１】さらに同期装置８１が中立位置にあるた
め、入力軸１０のトルクは５速用クラッチギア１５を介
して出力軸３０に伝達されず、また出力軸３０上の５速
用クラッチギア１５とカウンタ軸２０上のカウンタドラ
イブギア２５とは常時噛み合っているが、カウンタ軸２
０が回転しないため、カウンタ軸２０からも出力軸３０
にトルクは伝達されず、このため出力軸３０も回転しな
い。

【００２２】これに対し、同期装置６１、７１のスリー
ブ６３、７３のいずれかが運転席からの操作によって軸
線方向に移動され、隣接するギアスプライン１３ａ、１
４ａ、２１ａ、２２ａの何れかと噛み合うと、入力軸１
０のトルクがカウンタ軸２０を介して出力軸３０に伝達
される。例えば、同期装置７１のスリーブ７３が１速用
カウンタギア２１の側に移動され、カウンタギア２１に
形成されたギアスプライン２１ａと噛み合うと、１速用
カウンタギア２１とカウンタ軸２０とがギアスプライン
２１ａ、スリーブ７３、クラッチハブ７２を介して一体
的に連結される。１速用カウンタギア２１は、入力軸１
０上の１速用ギア１１と常時噛み合っているため、入力
軸１０のトルクはカウンタ軸２０に伝達される。この動
力伝達経路において、１速用ギア１１と１速用カウンタ
ギア２１のギア比に応じた変速（ここでは減速）が行わ
れ、入力軸１０からカウンタ軸２０に伝達されるトルク
は増大する。カウンタ軸２０に伝達されたトルクは、カ
ウンタ軸２０の後端部分にスプライン結合されたカウン
タドライブギヤ２５から出力軸３０に一体的に結合され
た５速用クラッチギア１５を介して出力軸３０に伝達さ
れる。一方、スリーブ７３が２速用カウンタギア２２の
側に移動された場合にも、同様に入力軸１０のトルクが
カウンタ軸２０を介して出力軸３０に伝達される。

【００２３】また、同期装置６１のスリーブ６３が３速
用ギア１３又は４速用ギア１４の側に移動された場合に
は、上記同期装置７１の場合と同様にして、入力軸１０
と３速用ギア１３又は４速用ギア１４とが一体的に連結
される。入力軸１０のトルクは、３速用ギア１３又は４
速用ギア１４と、３速用カウンタギア２３又は４速用カ
ウンタギア２４とを介してカウンタ軸２０に伝達され
る。カウンタ軸２０に伝達されたトルクは更に、カウン
タドライブギヤ２５から出力軸３０に一体的に結合され
た５速用クラッチギア１５を介して出力軸３０に伝達さ
れる。

【００２４】一方、同期装置８１のスリーブ８３が５速
用クラッチギア１５の側に移動され、スリーブ８３と５
速用クラッチギア１５のギアスプライン１５ａとが噛み
合うと、入力軸１０と出力軸３０とがクラッチハブ８２
及びスリーブ８３を介して一体的に連結され、入力軸１
０と出力軸３０とが直結状態となる。従って、入力軸１
０と出力軸３０とは５段変速段では変速用歯車を介さず
に連結される。

【００２５】また同期装置８１のスリーブ８３がリバー
スギア１６の側に移動され、スリーブ８３とリバースギ
ア１６のギアスプライン１６ａとが噛み合った場合、リ
バースギア１６と入力軸１０とが一体的に連結される。
さらにこのリバースギア１６とアイドラ軸４０のカウン
タリバースギア４２とは常時噛み合っているため、入力
軸１０のトルクはリバースギア１６及びカウンタリバー
スギア４２を介してアイドラ軸４０に伝達される。この
アイドラ軸４０に伝達されたトルクは、カウンタリバー
スギア４１と上記噛み合っているカウンタ軸２０上の同
期装置７１のスリーブ７３のギア７５を介してカウンタ
軸２０に伝達され、このカウンタ軸２０からカウンタド
ライブギア２５及び５速用クラッチギア１５を介して出
力軸３０に伝達される。

【００２６】このように構成された本発明の実施例にお
いては、従来の変速機と異なり、入力軸１０とカウンタ
軸２０及びアイドラ軸４０との間に変速歯車機構を設け
ており、このため、ニュートラル状態においてカウンタ
軸２０及びアイドラ軸４０を空転させることがない。こ
の結果、変速歯車機構に対するカウンタ軸２０及びアイ
ドラ軸４０の等価イナーシャを従来以上に軽減すること
ができ、同期装置６１、７１、８１の操作力を低減する
ことができる。

【００２７】また出力軸３０に一体的に５速用クラッチ
ギア１５を形成し、この５速用クラッチギア１５に従来
必要であった専用のドライブギアの機能も持たせるよう
にしたため、従来必要であった専用のドライブギアを省
略できる。このため従来ドライブギアの両側に２個の軸
受を出力軸３０が設けられていたが、本発明において
は、ドライブギアを省略できるため１個の軸受２８のみ
を出力軸３０に設ければよい。さらにドライブギアを省
略できるため、変速機１の軸方向長さも短縮できる。

【００２８】さらに後進の場合、リバースギア１６、ア
イドラ軸４０のカウンタリバースギア４１、４２、同期
装置７１のスリーブ７３のギア７５、カウンタドライブ
ギア２５及び５速用クラッチギア１５により、２段階に
減速しているため、減速比を大きくすることができる。
また一つのスリーブスリーブ８３で５速用クラッチギア
１５とリバースギア１６とを操作できる。

【００２９】

【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、変
速機の構造を複雑化させることなく、ニュートラル時に
カウンタ軸及びアイドラ軸へのトルク伝達を切断でき、
それにより変速操作を軽減できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は本発明の歯車式変速装置の一実施例の左
部を示す部分断面図である。

【図２】図２は本発明の歯車式変速装置の一実施例の右
部を示す部分断面図である。

【図３】図３は、図１及び図２に示す歯車式変速装置の
構成を概略的に示すスケルトン図である。

【符号の説明】

１ 変速機 ２ ミッションケース ９ クラッチ １０ 入力軸 １１ １速用ギア １２ ２速用ギア １３ ３速用ギア １４ ４速用ギア １５ ５速用クラッチギア １６ リバースギア １９ 軸受 ２０ カウンタ軸 ２１ １速用カウンタギア ２２ ２速用カウンタギア ２３ ３速用カウンタギア ２４ ４速用カウンタギア ２５ カウンタドライブギア ３０ 出力軸 ４０ アイドラ軸 ４１ カウンタリバースギア ４２ カウンタリバースギア ６１ 同期装置 ７１ 同期装置 ７５ ギア ８１ 同期装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平２−38736（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−44640（ＪＰ，Ａ) 特開 平２−38737（ＪＰ，Ａ) 特開 昭50−132359（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−21355（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−149049（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−110348（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) F16H 3/00 - 3/42

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 クラッチを介して原動機に連結された入
   力軸と、 この入力軸と同軸に配置され且つ被駆動系に連結された
   出力軸と、 前記入力軸と平行に配置されたカウンタ軸及び後進段用
   アイドラ軸と、 前記入力軸に伝達されるトルクを変速比の異なる複数の
   伝達経路を選択的に介して前記出力軸に伝達させる前進
   用変速歯車機構と、 前記入力軸に伝達されるトルクを前記アイドラ軸を含む
   伝達経路を介して逆転させて前記出力軸に伝達する後進
   用変速歯車機構とを有し、 前記前進用変速歯車機構が、前記入力軸のトルクを前記
   カウンタ軸を介して前記出力軸に伝達する第１の伝達手
   段と、前記入力軸のトルクを前記出力軸に直接伝達する
   第２の伝達手段とを備え、 この第１の伝達手段が、前記入力軸から前記カウンタ軸
   へのトルクの伝達をニュートラル時に遮断し又はトルク
   の伝達経路の変速操作を行う第１の同期手段を有し、 前記第２の伝達手段が、前記入力軸と出力軸との連結、
   切り離しを行う第２の同期手段を有し、 前記後進用変速歯車機構が、前記入力軸に相対回転自在
   に支持されたリバースギアと、このリバースギアと噛み
   合い且つ前記アイドラ軸と一体的に回転するように設け
   られ前記アイドラ軸への入力ギアを構成するカウンタリ
   バースギアと、前記アイドラ軸と一体的に回転するよう
   に設けられ前記アイドラ軸からの出力ギアを構成するカ
   ウンタリバースギアと、この出力側のカウンタリバース
   ギアからのトルクを前記カウンタ軸へ伝達して該カウン
   タ軸を回転させ、この回転を前記出力軸に伝達する第３
   の伝達手段と、前記入力軸から前記リバースギアへのト
   ルクの伝達をニュートラル時に遮断する第３の同期手段
   とを有していることを特徴とする歯車式変速装置。
2. 【請求項２】 前記第１の伝達手段が、前記出力軸に設
   けられ前記カウンタ軸のトルクを該出力軸に入力するド
   ライブギアを含み、該ドライブギアが、前記前進用変速
   歯車機構を構成する１つのギアを兼用している、請求項
   １に記載の歯車式変速装置。