JP3076548B2 - 工具摩耗検知装置および方法 - Google Patents

工具摩耗検知装置および方法

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JP3076548B2
JP3076548B2 JP10072898A JP7289898A JP3076548B2 JP 3076548 B2 JP3076548 B2 JP 3076548B2 JP 10072898 A JP10072898 A JP 10072898A JP 7289898 A JP7289898 A JP 7289898A JP 3076548 B2 JP3076548 B2 JP 3076548B2
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裕一 宮本
正人 林
理 平嶋
洋一 中村
幹彦 片岡
豊作 米澤
達朗 足立
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の運転中
に工具の摩耗状態を判定して、工具や製品の劣化や破損
の可能性を事前に検知するための工具摩耗検知装置およ
び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】工作機械を用いた加工コストを低減する
ために、無人自動運転や1人が複数の工作機械を担当す
ることによる省力化が求められている。こうした作業の
自動化において、運転時間が長時間になると工具の摩耗
や破損が生ずる可能性が出てくる。工具の摩耗状況の判
断は熟練作業者の勘や経験に頼るところが大きいため自
動化が難しく、担当者は工作機械の運転状況を頻繁に見
回る必要があり、無人化や省力化の障害となっている。
また、こうした作業者が熟練するまでには相当の教育時
間や経験時間が要求される。
【0003】加工状態の自動検知に関する先行技術の一
例として、特開昭61−293753号があり、そこで
はプリント基板の穴あけ加工中に工具から放射される赤
外線を検知して、工具の温度分布値が設定値以上になる
と加工動作を停止させる手法が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、工具が
摩耗した場合の温度分布は、種々の条件、たとえば工作
機械の運転条件や被切削材料等によって大きく変化する
ため、工具の温度分布値を設定値と単に比較しただけで
は摩耗状況を即断することはできない。たとえば、工具
の摩耗が進行しているにも拘らず、検出した温度分布が
低いために摩耗と判断できず、破損事故が突然発生した
り、あるいは検出した温度分布が高いために摩耗が進行
していないにも拘らず、加工が自動停止したりすること
になる。
【0005】本発明の目的は、種々の条件が変化しても
工具の摩耗状況を確実に検知できる工具摩耗検知装置お
よび方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、工作機械に装
着された工具の切削中における温度分布を検出するため
の撮像カメラと、検出された温度分布画像に画像処理を
施して、画像データにおける工具高温部の最高輝度、面
積、周囲長、最大長さおよび最小長さのいずれか1つ以
上から成る画像特徴量を算出するための画像処理手段
と、該画像特徴量ならびに、刃先の曲率半径、切削速
度、工具送り速度および切込み深さのいずれか1つ以上
から成る工作機械運転条件に関するデータを関連付けて
蓄積するためのデータ蓄積手段と、データ蓄積手段に蓄
積されたデータによって教示され、現時点の画像特徴量
および工作機械運転条件に基づいて切削中工具の摩耗状
態を判定するためのニューラルネットワークとを備える
ことを特徴とする工具摩耗検知装置である。
【0007】本発明に従えば、工具の温度分布画像から
所定の画像特徴量を算出し、工作機械の運転条件ととも
にニューラルネットワークに入力することによって、切
削中工具の摩耗状態を確実に判定することができる。ニ
ューラルネットワークは一般に学習機能を備えており、
画像特徴量、工作機械の運転条件および工具の摩耗状態
の関連性を蓄積したデータを用いて教示することが可能
であり、こうしたデータが多いほど判定精度がより向上
する。また、画像特徴量として画像データにおける工具
高温部の最高輝度、面積、周囲長、最大長さおよび最小
長さを用いることによって、これらの数値は画像処理に
よって比較的容易に定量化でき、しかも工具と被切削材
料との接触面積や接触圧、摩擦の大小などに依存するた
め、工具の摩耗状態を定量的に判断できる。また、工作
機械の運転条件として刃先の曲率半径、切削速度、工具
送り速度および切込み深さを用いることによって、切削
状態を比較的容易に定量化できるため、工具の摩耗状態
を定量的に判断できる。
【0008】また、工具の摩耗状態が種々の条件に依存
し、複雑に関与する場合であっても、ニューラルネット
ワークは豊富な蓄積データによる教示によって一定の結
論を導き出すことができるため、人間の勘や経験に頼る
ところでも確実な判定結果が得られる。そのため、工作
機械の担当者はそれほど熟練を要せず、加工作業の省力
化を促進できる。
【0009】また本発明は、ニューラルネットワークが
摩耗ありと判定した場合に、工作機械の運転を停止する
ための運転停止手段を備えることを特徴とする。
【0010】本発明に従えば、工具の摩耗ありと判定し
た場合に工作機械の運転を停止することによって、工具
や製品の劣化や破損を未然に防止できる。そのため、作
業者の監視が届かない場合や無人自動運転を行なう場合
でも工具や材料のロスを低減化できる。
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】また本発明は、工作機械に装着された工具
の切削中における温度分布を検出する工程と、検出され
た温度分布画像に画像処理を施して、画像データにおけ
る工具高温部の最高輝度、面積、周囲長、最大長さおよ
び最小長さのいずれか1つ以上から成る画像特徴量を算
出する工程と、該画像特徴量ならびに、刃先の曲率半
径、切削速度、工具送り速度および切込み深さのいずれ
か1つ以上から成る工作機械運転条件に関するデータを
関連付けて蓄積する工程と、蓄積されたデータによって
ニューラルネットワークを教示する教示工程と、教示さ
れたニューラルネットワークを用いて、現時点の画像特
徴量および工作機械運転条件に基づいて切削中工具の摩
耗状態を判定する工程とを含むことを特徴とする工具摩
耗検知方法である。
【0016】本発明に従えば、工具の温度分布画像から
所定の画像特徴量を算出し、工作機械の運転条件ととも
にニューラルネットワークに入力することによって、切
削中工具の摩耗状態を確実に判定することができる。ニ
ューラルネットワークは学習機能を備えており、画像特
徴量、工作機械の運転条件および工具の摩耗状態の関連
性を蓄積したデータを用いて教示することが可能であ
り、こうしたデータが多いほど判定精度がより向上す
る。また、画像特徴量として画像データにおける工具高
温部の最高輝度、面積、周囲長、最大長さおよび最小長
さを用いることによって、これらの数値は画像処理によ
って比較的容易に定量化でき、しかも工具と被切削材料
との接触面積や接触圧、摩擦の大小などに依存するた
め、工具の摩耗状態を定量的に判断できる。また、工作
機械の運転条件として刃先の曲率半径、切削速度、工具
送り速度および切込み深さを用いることによって、切削
状態を比較的容易に定量化できるため、工具の摩耗状態
を定量的に判断できる。
【0017】また、工具の摩耗状態が種々の条件に依存
し、複雑に関与する場合であっても、ニューラルネット
ワークは豊富な蓄積データによる教示によって一定の結
論を導き出すことができるため、人間の勘や経験に頼る
ところでも確実な判定結果が得られる。そのため、工作
機械の担当者はそれほど熟練を要せず、加工作業の省力
化を促進できる。
【0018】また本発明は、前記教示工程において、工
作機械を停止した状態でニューラルネットワークを教示
することを特徴とする。
【0019】本発明に従えば、工作機械の稼働中に摩耗
判定およびデータ蓄積を行ない、その後工作機械を停止
した状態で、稼働中に蓄積されたデータを用いてニュー
ラルネットワークを教示する、いわゆるオフライン教示
を行なうことによって、手動によるきめ細かい教示が可
能になるため、判定精度を向上でき、各種条件の変化に
対して柔軟な対応ができる。また、ニューラルネットワ
ークの更新も工作機械の停止中に手動で行なうことがで
きる。
【0020】また本発明は、前記教示工程において、工
作機械を稼働した状態でニューラルネットワークを教示
することを特徴とする。
【0021】本発明に従えば、工作機械の稼働中に摩耗
判定およびデータ蓄積を行ないながら、稼働中に蓄積さ
れるデータを用いてニューラルネットワークを教示す
る、いわゆるオンライン教示を行なうことによって、自
動的に判定精度を向上でき、各種条件の変化に対して迅
速な対応ができ、しかも担当者の教示作業を省くことが
できる。また、ニューラルネットワークの更新も工作機
械の稼働中に自動的に行なうことができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の実施の一形態の
構成を示すブロック図である。撮像カメラとして、たと
えば赤外線カメラ1を用いて、工作機械に装着された工
具の切削中における温度分布を検出する。得られた赤外
線画像における輝度は工具の温度分布に対応する。
【0023】赤外線カメラ1から出力される温度分布画
像は画像処理ルーチン2に取り込まれ、工具高温部の最
高輝度、面積、周囲長、最大長さ、最小長さ等の画像特
徴量を算出する。
【0024】次に画像処理ルーチン2で算出された画像
特徴量は、工作機械の運転条件に関するデータとともに
ニューラルネットワーク判定ルーチン3に取り込まれ、
現時点での画像特徴量と運転条件および工具の摩耗状態
を判定する。さらに、これらのデータは互いに関連付け
て蓄積され、ニューラルネットワーク教示ルーチン5か
らの要求に応じて過去から現在までに蓄積したデータを
教示用データとして提供する。
【0025】ニューラルネットワーク教示ルーチン5で
は、こうした教示用データに基づいてニューラルネット
ワーク判定ルーチン3のニューロン間の結合の強さを修
正して、教示済みニューラルネットワークを生成し、こ
の判定ルーチン3へ提供する。こうした教示工程は、工
作機械が停止した状態で実施する。ニューラルネットワ
ークは一般に学習機能を備えており、画像特徴量、工作
機械の運転条件および工具の摩耗状態の関連性を蓄積し
たデータを用いて教示することが可能であり、こうした
データが多いほど判定精度がより向上する。
【0026】データ蓄積および教示の繰り返しによっ
て、より賢くなったニューラルネットワーク判定ルーチ
ン3は、現時点での画像特徴量および工作機械の運転条
件に基づいて現時点での工具の摩耗状態および摩耗無し
状態の適合度を計算する。
【0027】次に摩耗判定ルーチン4では、摩耗適合度
に基づいて工具に「摩耗あり」または「摩耗無し」のい
ずれかを決定する。
【0028】図2は、赤外線画像の一例を示す説明図で
ある。これは回転している被切削製品Wに切削バイト等
の工具21が当接して切削している状態を赤外線カメラ
1で撮像したときの赤外線画像である。工具21の先端
は加工熱によって最も高温になっており、画像上では高
い輝度データを持つ高輝度部PA(図2で二重斜線で示
す)として現われる。工具21の先端から根元に行くに
つれて温度は徐々に低下し、画像上では高輝度部PAの
周囲を囲むように高温部PB(図2で斜線で示す)が現
われる。高温部PBからさらに根元に行くにつれて温度
は低下し、中温部PCが現われる。こうした高輝度部P
Aおよび高温部PBの温度分布のピーク値や大きさが工
具の摩耗に大きな影響を与える。
【0029】画像処理ルーチン2で算出する画像特徴量
として、1)高温部PBの最高輝度:赤外線画像の輝度
データを所定のビット数、たとえば8ビット(256レ
ベル)の深さで表現したとき最も大きな輝度データ、
2)高温部PBの面積:赤外線画像の輝度データを所定
閾値で2値化したとき、閾値以上の輝度データを持つ画
素数、3)高温部PBの周囲長:高温部PBの周囲の長
さを画素単位でカウントした数値、4)高温部PBの最
大長さ:高温部PBを工具21の長手方向に対して垂直
な方向に沿って計測して、画素単位でカウントした数
値、5)高温部PBの最小長さ:高温部PBを工具21
の長手方向に沿って計測して、画素単位でカウントした
数値、等が例示できる。この他にも画像の輝度分布を定
量化できる各種パラメータを画像特徴量として適宜追
加、変更して使用できる。
【0030】なお、赤外線画像には工具21の画像だけ
でなく、高温となって飛散する切り屑や油、被切削製品
Wの高温部の画像も含まれる。そのため、赤外線画像か
ら高温部PBを抽出する際に単に2値化処理しただけで
は高温部PB以外の部分も検出してしまう可能性があ
る。この対策として、比較的小さな外乱、たとえば1画
素分のノイズについては、膨張・収縮処理によって除去
できる。また、切り屑は比較的大きなノイズとなるが、
工具21の画像が常に一定の位置に存在する静止画像で
あるのに対して、切り屑は絶えず位置を変化させる動画
像であるため、所定時間間隔で撮像された2つの2値化
画像同士を重ねてAND処理を施すことによって工具2
1の画像だけを抽出することができる。
【0031】ニューラルネットワーク判定ルーチン3に
入力される工作機械の運転条件として、1)刃先の曲率
半径:工具21の刃先の曲率半径をmm単位で表した数
値、2)切削速度:被切削製品Wと工具21とが接触す
る位置での回転線速度(m/分)または被切削製品Wを
保持するチャック部の回転速度(回転/分)、3)工具
送り速度:被切削製品Wを保持するチャック部が1回転
したときに工具21が移動する距離をmm単位で表した
数値、4)切込み深さ:工具21の刃先が被切削製品W
に食い込んでいる深さをmm単位で表した数値、等が例
示できる。この他にも切削作業の内容を定量化できる各
種パラメータを工作機械の運転条件として適宜追加、変
更して使用できる。
【0032】図3は、ニューラルネットワーク判定ルー
チン3での動作内容を示す説明図である。ニューラルネ
ットワークは、1つの入力データを1つのニューロンと
して割り当てた入力層と、1つのニューロンから複数の
ニューロンが派生して、各ニューロン同士の関わり合い
を結合の強さとして数値化し、この重み付け演算によっ
て総合的な判断を行なう隠れ層と、最終的に「摩耗あ
り」または「摩耗無し」の2値判定を出力する出力層と
で構成される。
【0033】上述した画像特徴量および工作機械の運転
条件を入力層へ入力するために、0〜1の範囲で変化す
るように正規化(無次元化)を行なう。正規化の方法と
して、1)各数値とも実際の運用上で取り得る最大値お
よび最小値を予め設定しておいて、装置の運用中に得ら
れる数値から最小値を引算し、さらに最大値と最小値と
の差で除算する方法、2)各数値に関して、既に得られ
た過去のデータを統計処理して平均値および標準偏差を
予め算出しておいて、装置の運用中に得られる数値から
平均値を引算し、標準偏差で除算する方法、などが例示
できる。
【0034】ニューラルネットワークは、各ニューロン
を伝わるデータの大きさと工具摩耗状態との関係を数値
化して適合度として判定するため、この適合度の判定向
上を図るために学習機能を有する。したがって、新たな
切削作業を開始した場合に、開始当初は判定精度はあま
り高くないが、作業時間が長くなるにつれて学習を積む
ことによって急速に判定精度が向上し、ある程度時間が
経過すると作業員の監視がなくても安全に工作機械を運
転することができる。
【0035】こうした学習機能を実現する手法として、
いわゆる誤差逆伝播法が知られている。ニューラルネッ
トワークに入力パターンと目標出力とのパターン対が提
示されると、入力パターンによるニューラルネットワー
クの出力と目標出力との差が減少するようにニューロン
間の重みを調整する。教示のときは、入力パターンと目
標出力パターンから成る対の集合を使用して、ニューラ
ルネットワークに繰り返し提示する。教示が終了する
と、ニューラルネットワークの動作テストを行なう。
【0036】誤差逆伝播法の学習アルゴリズムには、順
伝播ステップとその後に実行される逆伝播ステップとが
あり、両者とも教示中のパターン提示が行なわれる度に
実行される。順伝播ステップは、ニューラルネットワー
クの入力層へ入力パターンを提示することから始まっ
て、活性化レベルの計算が隠れ層を通じて順方向に伝播
していく間継続する。各層での全ての処理ユニット(ニ
ューロン)では、処理ユニットの入力の総和を重み付け
で計算して、閾値関数によって出力を計算し、後段へ出
力する。そして、最終の出力層での出力パターンがニュ
ーラルネットワーク全体の出力となる。
【0037】次に出力層での出力パターンと目標出力パ
ターンとを比較して、ある程度の差が出たり、エラーが
ある場合には、逆伝播ステップが始まる。逆伝播ステッ
プでは、各処理ユニット間におけるエラー値と重みの変
化分を計算するものであり、出力層から始めて隠れ層の
中を逆方向にたどるように順番に計算を行ない、出力パ
ターンと目標出力パターンとの差が減少するように各処
理ユニット間での重みを修正する。
【0038】本実施形態では、教示用データとして「摩
耗あり」と「摩耗無し」の2通りの状態を用いており、
学習においては出力層での教示データとの平均二乗誤差
が充分に小さくなるまで学習を繰り返す。
【0039】図4は、本発明に係る工具摩耗検知装置の
一例を示す構成図である。大型旋盤20の回転チャック
部には被切削製品Wが装着され、切削バイト等の工具2
1が移動ステージ22に取り付けられ、被切削製品Wの
回転とともに移動ステージ22が一定速度で移動するこ
とによって被切削製品Wが所望の形状に切削される。
【0040】赤外線カメラ1は、カメラ台23とともに
移動ステージ22に固定され、切削中の工具21から発
する赤外線を検出して、温度分布に対応する輝度データ
から成る赤外線画像データを出力する。
【0041】画像処理装置10は、図1で説明した画像
処理ルーチン2、ニューラルネットワーク判定ルーチン
3、摩耗判定ルーチン4、およびニューラルネットワー
ク教示ルーチン5を実行するものであり、赤外線カメラ
1からの赤外線画像や画像処理ルーチン2で抽出した画
像特徴量やニューラルネットワーク判定ルーチン3での
判定結果、教示用データなど種々のデータがモニタ12
やパソコン(パーソナルコンピュータ)11に出力され
る。
【0042】モニタ12では、画像処理装置10から供
給される赤外線画像や画像特徴量、判定結果などを表示
する。パソコン11は、画像処理装置10の動作を制御
するものであり、画像処理装置10から供給される画像
特徴量、判定結果、教示用データや操作員によって入力
される工作機械の運転条件などを取り込んで、画像特徴
量、工作機械の運転条件および判定結果に関するデータ
を関連付けて蓄積したり、教示済みニューラルネットワ
ークを生成して画像処理装置10へ出力する。また、パ
ソコン11のモニタにも赤外線画像や画像特徴量、判定
結果、教示用データ等を表示することができる。なお、
工作機械の運転条件は、大型旋盤20などの工作機械と
オンライン接続によって入力することも可能である。
【0043】画像処理装置10のニューラルネットワー
ク判定ルーチン3が工具の摩耗状態を「摩耗あり」と判
定した場合には、大型旋盤20の動作を制御する旋盤制
御装置13に制御信号を出力して、旋盤制御装置13は
大型旋盤20に停止信号を出力すると、大型旋盤20は
自動的に停止する。
【0044】図5は、工具摩耗検知装置の動作を示すフ
ローチャートである。まずステップa1において、パソ
コン11に工作機械の運転条件などを入力して、ステッ
プa2で大型旋盤20の運転を開始する。ステップa3
で赤外線カメラ1が出力する工具21の赤外線画像を画
像処理装置10に取り込んで、ステップa4で画像処理
装置10が画像処理ルーチン2によって上述の画像特徴
量を算出する。ステップa5ではパソコン11が画像特
徴量、工作機械の運転条件、ニューラルネットワークの
判定結果等を教示用データとして関連付けて蓄積する。
こうして工具21による切削作業の間ステップa3〜a
5を繰り返して、教示用データを採取する。
【0045】次にステップb1において、パソコン11
は、蓄積した教示用データや教示済みニューラルネット
ワークを生成して、画像処理装置10に供給する。
【0046】次にステップc1以降は、教示用データの
採取と同様であり、まずステップc1において、パソコ
ン11に工作機械の運転条件などを入力して、ステップ
c2で大型旋盤20の運転を開始する。ステップc3で
赤外線カメラ1が出力する工具21の赤外線画像を画像
処理装置10に取り込んで、ステップc4で画像処理装
置10が画像処理ルーチン2によって上述の画像特徴量
を算出する。ステップc5では教示されたニューラルネ
ットワークが工具の摩耗状態を判定する。ステップc6
ではパソコン11が画像特徴量、工作機械の運転条件、
ニューラルネットワークの判定結果等を教示用データと
して関連付けて蓄積する。こうして実際の運用中におい
てもステップc3〜c6を繰り返して、教示用データを
採取しながら工具摩耗状態を判定し、データ蓄積と学習
を繰り返すことによって判定精度が徐々に向上する。
【0047】こうして監視者の目が届かない場合であっ
ても、ニューラルネットワークによる判定によって工具
の摩耗や破損を未然に防止することができる。
【0048】なお、上述したニューラルネットワークの
教示形態には、工作機械の停止中に行なうオフライン教
示と、工作機械の稼働中に行なうオンライン教示とがあ
る。
【0049】オフライン教示の場合、工作機械の稼働中
に摩耗判定およびデータ蓄積を行ない、その後工作機械
を停止した状態で、稼働中に蓄積されたデータを用いて
ニューラルネットワークを教示することによって、手動
によるきめ細かい教示が可能になるため、判定精度を向
上でき、各種条件の変化に対して柔軟な対応ができる。
また、ニューラルネットワークの更新も工作機械の停止
中に手動で行なうことができる。
【0050】オンライン教示の場合、工作機械の稼働中
に摩耗判定およびデータ蓄積を行ないながら、稼働中に
蓄積されるデータを用いてニューラルネットワークを教
示することによって、自動的に判定精度を向上でき、各
種条件の変化に対して迅速な対応ができ、しかも担当者
の教示作業を省くことができる。また、ニューラルネッ
トワークの更新も工作機械の稼働中に自動的に行なうこ
とができる。
【0051】
【発明の効果】以上詳説したように本発明によれば、工
具の温度分布画像から所定の画像特徴量を算出し、工作
機械の運転条件とともにニューラルネットワークに入力
することによって、切削中工具の摩耗状態を確実に判定
することができ、ニューラルネットワークの学習が進む
ほど判定精度がより向上する。そのため、工作機械の担
当者はそれほど熟練を要せず、加工作業の省力化を促進
できる。
【0052】また、工具の摩耗ありと判定した場合に工
作機械の運転を停止することによって、工具や製品の劣
化や破損を未然に防止でき、作業者の監視が届かない場
合や無人自動運転を行なう場合でも工具や材料のロスを
低減化できる。
【0053】また、画像特徴量として画像データにおけ
る工具高温部の最高輝度、面積、周囲長、最大長さおよ
び最小長さのいずれか1つ以上を用いることによって、
工具の摩耗状態を定量的に判断できる。
【0054】また、工作機械の運転条件として刃先の曲
率半径、切削速度、工具送り速度および切込み深さのい
ずれか1つ以上を用いることによって、工具の摩耗状態
を定量的に判断できる。
【0055】また、工作機械の停止中に行なうオフライ
ン教示または工作機械の稼働中に行なうオンライン教示
を用いることによって、判定精度の向上や各種条件の変
化への対応が図られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態の構成を示すブロック図
である。
【図2】赤外線画像の一例を示す説明図である。
【図3】ニューラルネットワーク判定ルーチン3での動
作内容を示す説明図である。
【図4】本発明に係る工具摩耗検知装置の一例を示す構
成図である。
【図5】工具摩耗検知装置の動作を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1 赤外線カメラ 2 画像処理ルーチン 3 ニューラルネットワーク判定ルーチン 4 摩耗判定ルーチン 5 ニューラルネットワーク教示ルーチン 10 画像処理装置 11 パソコン 12 モニタ 13 旋盤制御装置 20 大型旋盤 21 工具 22 移動ステージ 23 カメラ台
フロントページの続き (72)発明者 平嶋 理 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 中村 洋一 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 片岡 幹彦 兵庫県明石市川崎町1番1号 川崎重工 業株式会社 明石工場内 (72)発明者 米澤 豊作 兵庫県加古郡播磨町新島8番地 川崎重 工業株式会社 播磨工場内 (72)発明者 足立 達朗 兵庫県加古郡播磨町新島8番地 川崎重 工業株式会社 播磨工場内 (56)参考文献 特開 平10−15782(JP,A) 特開 昭61−142056(JP,A) 特開 平3−49850(JP,A) 松村隆,CAEを用いた加工精度補償 システムの開発に関する研究,東京電機 大学総合研究所年報,平成9年5月31 日,第16号,105−110頁 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B23Q 17/09 B23Q 17/24 JICSTファイル(JOIS)

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 工作機械に装着された工具の切削中にお
    ける温度分布を検出するための撮像カメラと、 検出された温度分布画像に画像処理を施して、画像デー
    タにおける工具高温部の最高輝度、面積、周囲長、最大
    長さおよび最小長さのいずれか1つ以上から成る画像特
    徴量を算出するための画像処理手段と、 該画像特徴量ならびに、刃先の曲率半径、切削速度、工
    具送り速度および切込み深さのいずれか1つ以上から成
    る工作機械運転条件に関するデータを関連付けて蓄積す
    るためのデータ蓄積手段と、 データ蓄積手段に蓄積されたデータによって教示され、
    現時点の画像特徴量および工作機械運転条件に基づいて
    切削中工具の摩耗状態を判定するためのニューラルネッ
    トワークとを備えることを特徴とする工具摩耗検知装
    置。
  2. 【請求項2】 ニューラルネットワークが摩耗ありと判
    定した場合に、工作機械の運転を停止するための運転停
    止手段を備えることを特徴とする請求項1記載の工具摩
    耗検知装置。
  3. 【請求項3】 工作機械に装着された工具の切削中にお
    ける温度分布を検出する工程と、 検出された温度分布画像に画像処理を施して、画像デー
    タにおける工具高温部の最高輝度、面積、周囲長、最大
    長さおよび最小長さのいずれか1つ以上から成る画像特
    徴量を算出する工程と、 該画像特徴量ならびに、刃先の曲率半径、切削速度、工
    具送り速度および切込み深さのいずれか1つ以上から成
    る工作機械運転条件に関するデータを関連付けて蓄積す
    る工程と、 蓄積されたデータによってニューラルネットワークを教
    示する教示工程と、 教示されたニューラルネットワークを用いて、現時点の
    画像特徴量および工作機械運転条件に基づいて切削中工
    具の摩耗状態を判定する工程とを含むことを特徴とする
    工具摩耗検知方法。
  4. 【請求項4】 前記教示工程において、工作機械を停止
    した状態でニューラルネットワークを教示することを特
    徴とする請求項3記載の工具摩耗検知方法。
  5. 【請求項5】 前記教示工程において、工作機械を稼働
    した状態でニューラルネットワークを教示することを特
    徴とする請求項3記載の工具摩耗検知方法。
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