JP3075821B2 - 半導体分布帰還型レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

半導体分布帰還型レーザ装置およびその製造方法

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JP3075821B2
JP3075821B2 JP04017020A JP1702092A JP3075821B2 JP 3075821 B2 JP3075821 B2 JP 3075821B2 JP 04017020 A JP04017020 A JP 04017020A JP 1702092 A JP1702092 A JP 1702092A JP 3075821 B2 JP3075821 B2 JP 3075821B2
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laser device
distributed feedback
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semiconductor
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邦雄 多田
義昭 中野
武史 井上
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光計測技術開発株式会社
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はレーザ光源に利用する。
特に、利得結合を利用した半導体分布帰還型レーザ装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】利得結合を利用した半導体分布帰還型レ
ーザ装置として、本発明者らは、 1.特開平3−34489号公報(特願平1−1687
29) 2.特開平3−49283号公報(特願平1−1850
01) 3.特開平3−49284号公報(特願平1−1850
02) 4.特願平2−269465(本願出願時未公開) 5.特願平3−217441(本願出願時未公開) に、回折格子上に凹凸形状をもつ活性層を形成すること
により利得の周期的変化を得る構造を示した。
【0003】また、このような構造とは別に、大きな利
得結合を得ることのできる構造として、 6.特開平3−49285号公報(特願平1−1850
03) 7.特開平3−49286号公報(特願平1−1850
04) に、活性層が周期的に切断された構造を示した。前者に
示した構造は量子井戸の無秩序化を用いたものであり、
後者に示した構造は活性層をエッチングしてから再度結
晶成長させたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した先の出願1〜
5に示した構造では、利得が活性層全体で発生し、この
利得の大きさに比例して、活性層の凹凸になっている部
分で利得結合が発生する。発振時には利得の大きさが一
定値になるので、利得結合の大きさもそれにより制限さ
れる。したがって、利得結合を大きくするには、活性層
の平坦部分を小さくすることが望ましい。しかし、実際
には回折格子のエッチング精度に限界があるため、平坦
部分を小さくするには、凹凸の深さに応じて活性層の厚
さを調整する必要がある。一方、活性層の平均膜厚が変
わると電界分布も変化してしまい、これに依存する利得
や利得結合の大きさも変化してしまう。このため、再現
性を得るには、平坦部分をある程度残しておくことが必
要となり、利得結合を大きくするための条件と矛盾する
ことになる。
【0005】また、先の出願6、7では、活性層を直接
に加工するので、適切な処理を行うことでかなりの程度
は回避、回復できるものの、ダメージの問題がつきまと
うことになる。
【0006】本発明は、以上の課題を解決した新しい構
造の半導体分布帰還型レーザ装置を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第一の観点は半
導体分布帰還型レーザ装置であり、周期的な凹凸形状と
して形成された回折格子と、電流注入により発光可能な
半導体材料により回折格子の凹凸形状に沿って形成され
た活性材料層とを備えた半導体分布帰還型レーザ装置に
おいて、活性材料層は、回折格子の凸部に形成された第
一の部分(山の部分)と、回折格子の凹部に形成され第
一の部分とは禁制帯幅の異なる第二の部分(谷の部分)
とを含み、回折格子の凹凸形状の周期は、第一の部分と
第二の部分との禁制帯幅の狭い方の発振波長に対応する
周期で形成されたことを特徴とする。すなわち、第一の
部分と第二の部分のうち禁制帯幅の狭い部分が実際の活
性層となる。
【0008】活性層を平坦に形成するためには、その下
地となる部分も平坦であることが望ましく、そのために
は回折格子が矩形に形成されていることがよい。このよ
うな形状は、異方性エッチングまたはドライエッチング
により形成できる。
【0009】発光可能な半導体材料としては、例えばI
nGaAsP四元混晶を用いる。
【0010】本発明の第二の観点は第一の観点に示した
レーザ装置を製造する方法であり、結晶成長により形成
された半導体層構造に回折格子をエッチング形成する第
一の工程と、この回折格子の上に電流注入により発光可
能な半導体材料を結晶成長させる第二の工程とを含む半
導体分布帰還型レーザ装置の製造方法において、第二の
工程は回折格子の凸部に結晶成長する組成と凹部に結晶
成長する組成とが異なる条件で行い、第一の工程では、
回折格子の周期を第二の工程における二つの組成のうち
その禁制帯幅が狭いものの発振波長に対応して設定する
ことを特徴とする。
【0011】本明細書において、「上」とは製造時の結
晶成長の方向、「下」とはその逆の方向をいう。
【0012】
【作用】本発明者らの研究によると、混晶の活性層を凹
凸形状の上に成長させたとき、その成長の初期段階にお
いて、凸部に成長する組成と凹部に成長する組成とに差
があることが判明した。例えばInGaAsP四元混晶
では、凸部に成長した組成は平坦な基板に成長させた場
合に比べて短波長化し、凹部に成長した組成は長波長化
する。本発明はこの現象を積極的に利用するものであ
り、回折格子の凸部に成長させた部分と凹部に成長させ
た部分との二つの部分のうち、禁制帯幅が狭い部分を活
性層として用いる。このとき、禁制帯幅の広い部分は透
明となる。
【0013】
【実施例】図1は本発明第一実施例の半導体分布帰還型
レーザ装置を示す図であり、活性領域のストライプに平
行な方向の断面構造を示す。
【0014】この半導体分布帰還型レーザ装置は、結晶
面が(100)のn型基板1上にn型クラッド層2およ
びn型パターン供給層3を備え、このパターン供給層3
に、回折格子としての周期的な凹凸形状が設けられる。
パターン供給層3の上には、n型バッファ層4を介し
て、電流注入により発光可能な活性材料層5が回折格子
の凹凸形状に沿って設けられ、活性材料層5の上には、
p型ガイド層6、p型クラッド層7およびp型コンタク
ト層8を備える。コンタクト層8の上にはp型電極9が
設けられ、基板1の裏面にはn型電極10が設けられ
る。
【0015】ここで本実施例の特徴とするところは、活
性材料層5が、回折格子の凸部に形成された第一の部分
51と、回折格子の凹部に形成され第一の部分51とは
禁制帯幅の異なる第二の部分52とを含み、回折格子の
凹凸形状の周期が、第一の部分51と第二の部分52と
の禁制帯幅の狭い方、この場合には第二の部分52の発
振波長に対応する周期で形成されたことにある。
【0016】このレーザ装置を製造するには、基板1上
にクラッド層2およびパターン供給層3を1回目の結晶
成長で成長させ、干渉露光法とドライエッチングとを用
いて1次の回折格子をエッチングする。次に、2回目の
結晶成長でバッファ層4、活性材料層5、ガイド層6、
クラッド層7およびコンタクト層8を順に成長させる。
【0017】バッファ層4は回折格子のエッチングダメ
ージを次に成長させる活性材料層5に伝達させないため
のものであり、回折格子の凹凸が埋まらないように、極
薄く成長させることが望ましい。
【0018】活性材料層5を成長させると、回折格子の
凸部に成長する組成と凹部に成長する組成とに差が生じ
る。120nmの深さの回折格子上に、InPバッファ
層と、平坦基板上で禁制帯幅に相当する光の波長λg
1.52μmのInGaAsPとを成長させ、そのサン
プルを透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて組成分析し
たところ、成長の初期段階において、凸部に成長した山
の部分の組成は平坦な基板に成長させた場合より短波長
化し、谷の部分では長波長化していた。組成が変化する
ことにより局所的には格子定数がずれていると考えられ
るが、TEMによる格子像からは、積層欠陥や転位は生
じていないことが確認された。そこで本実施例では、活
性材料層5としてInGaAsPを用い、長波長化する
谷の部分、すなわち活性材料層5の第二の部分52の組
成で決まる発振波長に対応するように回折格子の周期を
設定しておく。これにより、この第二の部分52が利得
領域として働き、山の部分すなわち第一の部分51が透
明領域となる。
【0019】活性材料層5を成長させた後、引き続いて
ガイド層6、クラッド層7、コンタクト層8を結晶成長
させ、コンタクト層8の上および基板1の裏面にそれぞ
れ電極9、10を形成する。バッファ層4、ガイド層6
などの屈折率と膜厚をうまく選べば、屈折率結合の大き
さを低減することも可能である。
【0020】この実施例において、両端面には反射防止
膜や埋め込み構造を形成し、端面反射率を下げておくこ
とが望ましい。
【0021】第1表に各層の組成および導電型の一例を
示し、第2表に2回目結晶成長の条件の一例を示す。
【0022】 第1表 各層の組成と導電型の一例 基板1 (100)n型InP クラッド層2 n型InP パターン供給層3 n型InGaAsP(λg =1.3μm) バッファ層4 n型InP 活性材料層5 i型InGaAsP(λg =1.52μm) ガイド層6 p型InGaAsP(λg =1.3μm) クラッド層7 p型InP コンタクト層8 p型InGaAs 電極9 Cr/Au 電極10 NiAuGe/Au ただし、活性材料層5のλg は、その材料を平坦InP
基板上で格子整合させたときの値を示す。活性材料層5
の第二の部分52ではλg =1.6μmであった。
【0023】 第2表 2回目結晶成長の条件例 装置:有機金属気相成長装置 原料:ホスフィン、アルシン、トリエチルインジウム、トリエチルガリウム ドーパント:ジメチルジンク、硫化水素 キャリア :水素/窒素(1/1) 反応室圧力:76Torr 全流量 :6slm 基板温度 :650℃
【0024】図2は本発明第二実施例の半導体分布帰還
型レーザ装置を示す図であり、図1と同様の断面構造を
示す。
【0025】この実施例は、パターン供給層3の凸部に
高抵抗層13を設けたことが第一実施例と異なる。この
高抵抗層13により、活性材料層5のうち利得を発生す
る第二の部分52に効率よく電流を注入できるようにな
る。高抵抗化の方法としては、結晶成長時にFeをドー
ピングしたり、回折格子をエッチングする前に酸素をイ
オン注入するなど、公知の方法を利用することができ
る。
【0026】活性材料層5を薄層化し、量子井戸構造の
井戸層として用いることもできる。その場合、回折格子
の凹部で長波長になる第2表に示したInGaAsPの
成長条件では、同時に、谷の部分が山の部分よりも厚く
なる。このため、谷の部分の量子井戸構造による量子準
位が最も長波長になり、この波長に対応するように回折
格子の周期を設定しておけば、周期的に利得領域が得ら
れる。この場合には、組成のずれを歪量子井戸構造の歪
として利用できる。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の半導体分
布帰還型レーザ装置およびその製造方法は、結晶成長時
に、周期的な組成分布をもつ活性材料層を成長させ、そ
の周期を発振波長が長波長のものに対応させる。これに
より、長波長の領域が活性層として動作する。したがっ
て、等価的に切断された形状の活性層が得られる。した
がって、活性層の厚さを変化させる構造より大きな利得
結合係数が活性層への直接的な加工なしに得られる効果
がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明第一実施例の半導体分布帰還型レーザ装
置を示す図であり、活性領域のストライプに平行な方向
の断面構造を示す図。
【図2】本発明第二実施例の半導体分布帰還型レーザ装
置を示す図であり、図1と同等の断面構造を示す図。
【符号の簡単な説明】
1 基板 2 クラッド層 3 パターン供給層 4 バッファ層 5 活性材料層 51 第一の部分 52 第二の部分 6 ガイド層 7 クラッド層 8 コンタクト層 9、10 電極 13 高抵抗層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−49284(JP,A) 特開 昭62−244187(JP,A) 特開 平4−322485(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01S 5/00 - 5/50 JICSTファイル(JOIS)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 周期的な凹凸形状として形成された回折
    格子と、 電流注入により発光可能な半導体材料により前記回折格
    子の凹凸形状に沿って形成された活性材料層とを備えた
    半導体分布帰還型レーザ装置において、 前記活性材料層は、前記回折格子の凸部に形成された第
    一の部分と、前記回折格子の凹部に形成され前記第一の
    部分とは禁制帯幅の異なる第二の部分とを含み、 前記回折格子の凹凸形状の周期は、前記第一の部分と前
    記第二の部分との禁制帯幅の狭い方の発振波長に対応す
    る周期で形成されたことを特徴とする半導体分布帰還型
    レーザ装置。
  2. 【請求項2】 回折格子の凹凸形状は実質的に矩形であ
    る請求項1記載の半導体分布帰還型レーザ装置。
  3. 【請求項3】 発光可能な半導体材料はInGaAsP
    四元混晶である請求項1記載の半導体分布帰還型レーザ
    装置。
  4. 【請求項4】 結晶成長により形成された半導体層構造
    に回折格子をエッチング形成する第一の工程と、 この回折格子の上に電流注入により発光可能な半導体材
    料を結晶成長させる第二の工程とを含む半導体分布帰還
    型レーザ装置の製造方法において、 前記第二の工程は前記回折格子の凸部に結晶成長する組
    成と凹部に結晶成長する組成とが異なる条件で行い、 前記第一の工程では、前記回折格子の周期を前記第二の
    工程における二つの組成のうちその禁制帯幅が狭いもの
    の発振波長に対応して設定することを特徴とする半導体
    分布帰還型レーザ装置の製造方法。
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