JP3072573U - 汗取りパッド - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 脇の下に装着したときに、脇の下の汗を
効果的に吸収でき、装着部位が被れ難い汗取りパッドの
提供。 【解決手段】 透湿透水シートと、周縁部において前記
透湿透水シートの周縁部に接着されてなる防水シート
と、前記透湿透水シートと前記防水シートとにより形成
された空間内に収容されてなる吸水材と、前記透湿透水
シートの外側の面における周縁部に形成された貼着部と
を備える汗取りパッド。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、汗取りパッドに関し、特に、脇の下に装着することにより、脇の下 の汗により衣服が汚れたり異臭を放ったりすることを効果的に防止できる汗取り パッドに関する。

【０００２】

【従来の技術】

特に夏季においては、脇の下は発汗が激しいので、脇の下の汗により、衣服が 汚れたり衣服に異臭が付いたりすることが多かった。

【０００３】 前記の問題を解決する目的で、脇の下に装着する汗取りパッドが各種提案され た。

【０００４】 このような汗取りパッドとしては、たとえば、通気防水性を有する伸縮シート 素材からなる基層に、高分子吸水体からなる吸湿・保水層を形成し、該吸湿・保 水層の自由表面に少なくとも抗菌・消臭剤を含有して伸縮性かつ通気吸水性を有 する粘着シート素材からなる通気吸水・粘着層を形成した汗取りパッド（実用新 案登録第２５４９１３７号公報）がある。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、前記の汗取りパッドにおいては、通気吸水・粘着層が脇の下の 発汗部に当接するので、通気吸水・粘着層における貼着材によって脇の下がかぶ れ易いという問題があった。更に、前記通気吸水・粘着層においては、汗などの 水分及び水蒸気などの透過性にも問題があった。

【０００６】 本考案は、上記事実を考慮し、脇の下に装着したときに、脇の下の汗を効果的 に吸収でき、しかも、装着部位がかぶれ難い汗取りパッドを提供することを目的 とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

請求項１に記載の考案は、透湿透水シートと、周縁部において前記透湿透水シ ートの周縁部に接着されてなる防水シートと、前記透湿透水シートと前記防水シ ートとにより形成された空間内に収容されてなる吸水材と、前記透湿透水シート の外側の面における周縁部に形成された貼着部とを備えてなることを特徴とする 汗取りパッドである。

【０００８】 請求項２に記載の考案は、前記空間が２以上の区画に区分され、前記各区画の 内部に前記吸水材が収容されてなる汗取りパッドである。

【０００９】

【考案の実施の形態】

１．第１実施形態 第１実施形態に係る汗取りパッドを図１に示す。第１実施形態に係る汗取りパ ッドの、図１における平面Ｘ−Ｘに沿った断面図を図２に示す。

【００１０】 図１及び図２に示すように、汗取りパッド１０は、全体として長円形，換言す れば小判型の平面形状を有し、長円形の平面形状を有する透湿透水シート１と、 透湿透水シート１とほぼ同一の平面形状及び大きさを有する防水シート３とが、 周縁部において互いに接着され、接着部７が形成されている。

【００１１】 透湿透水シート１と防水シート３との間に形成された空間５の内部には、吸水 材２が収容されている。

【００１２】 透湿透水シート１における外側の面、即ち吸水材２が当接する側とは反対側の 面の周縁部には、図１における（Ａ）及び図２に示すように、連続した帯状の貼 着部４が形成されている。貼着部４の表面には、他の汗取りパッドと粘着したり 、埃などが付着したりしないように、剥離紙４Ａ（図１においては省略。）が貼 着されている。尚、図１における（Ａ）においては、剥離紙４Ａは省略されてい る。

【００１３】 汗取りパッド１０の平面形状は、長円形には限定されず、所謂卵型、円形、多 角形、長方形、正方形、又は三角形などの平面形状を有していてもよい。多角形 、長方形、正方形、又は三角形などの平面形状を有する汗取りパッドにおいては 、角を丸めた形状が好ましい。

【００１４】 汗取りパッドの大きさは、通常は、長径８〜２０ｃｍ程度、短径５〜１０ｃｍ 程度であるが、脇の下を十分に覆うことができ、装着したときに不快感や違和感 がない程度であれば、特に制限はない。

【００１５】 透湿透水シート１は、脇の下から発散する水蒸気及び汗を殆ど吸着することな く吸水材２に向かって透過し、吸水材２が吸着した水分を脇の下に向かって戻さ ない機能を有するシートである。

【００１６】 このようなシートとしては、たとえばポリエチレン不織布、ポリプロピレン不 織布，及びエチレン・プロピレン共重合体不織布などのポリオレフィン不織布、 ポリエステル不織布など、殆ど吸水性を示さない非吸水性不織布、多孔性ポリエ チレンフィルム、多孔性プロプレンフィルム，及び多孔性エチレン・プロピレン フィルムなどの多孔性ポリオレフィンフィルム、ゴアテックス（商品名）などの 多孔性プラスチックフィルム、並びにポリエチレン繊維及びポリプロピレン繊維 などの非吸水性繊維の織布などが挙げられる。

【００１７】 吸水材２は、透湿透水シート１が透過した水蒸気及び汗を吸収し、保持する機 能を有する。吸水材２は、架橋ポリアクリル酸、ポリアクリル酸金属塩、及び架 橋ポリアクリルアミドなどの吸水ポリマー、パルプ類、並びに綿などから選択さ れる１種以上の材質により形成できる。吸水ポリマーとしては、吸水前において 、粉末状、シート状、及び繊維状などの何れの形態を有するものも使用できる。 又、前記吸水ポリマーの粉末を織目の間に保持した織布、前記吸水ポリマーとパ ルプとの組み合わせ，及び吸水ポリマーと綿との組み合わせなども吸水材２とし て使用できる。

【００１８】 吸水材２としては、吸水ポリマー、吸水ポリマーの粉末を織目の間に保持した 織布、吸水ポリマーとパルプとの組み合わせ，及び吸水ポリマーと綿との組み合 わせが、水分を吸収するとゼリー状になり、圧力が加わっても吸収した水分が滲 み出さない故に特に好ましい。

【００１９】 吸水材２が空間５の内部で移動しないように、吸水材２を透湿透水シート１又 は防水シート３に接着するか、又は透湿透水シート１と吸水材２と防水シート３ とを縫い合わせるかしてもよい。

【００２０】 防水シート３は、吸水材２で吸水された水分が外部に滲み出るのを防止する機 能を有し、具体的には非透水性シートにより形成することができる。前記非透水 性シートとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、及びエチレン・プロピレン 樹脂などのポリオレフィン類、並びに軟質塩化ビニル樹脂及び塩化ビニル・酢酸 ビニル共重合体などの塩化ビニル系樹脂などの軟質プラスチックから形成された シートが挙げられる。

【００２１】 防水シート３の形状は、透湿透水シート１とほぼ同一であることが好ましい。 汗取りパッド１０においては、防水シート３の大きさは、透湿透水シート１と同 一であるが、透湿透水シート１よりも大きくても小さくてもよい。しかし、透湿 透水シート１と周縁部同士を接着できる程度の大きさが好ましい。

【００２２】 防水シート３と透湿透水シート１とは、周縁部において接着される。防水シー ト３と透湿透水シート１とを接着する方法としては、たとえば熱融着、接着剤に よる接着、及び縫製による結合などが挙げられる。

【００２３】 防水シート３は、脇の下に装着した時に外側を向くので、人間の肌の色に近く 、装着時に目立たない肌色、薄桃色、又は小麦色などの色彩に着色されているこ とが好ましい。

【００２４】 貼着部４は、透湿透水シート１における吸水材２を形成した側とは反対側の面 における周縁部に、粘着剤を塗布することにより形成できる。貼着部４の幅は、 通常５〜１０ｍｍの範囲であるが、汗取りパッド１０の大きさなどに応じて適宜 定めることができる。

【００２５】 前記粘着剤としては、医療・衛生用に通常に使用される粘着剤が挙げられ、具 体的には、アクリル系粘着剤、天然ゴム系粘着剤、スチレン・ブタジエンゴム系 粘着剤、及びスチレン・イソプレン・スチレン共重合体系粘着剤などが挙げられ る。

【００２６】 粘着部４は、又、前記周縁部に両面粘着テープを貼付することによっても形成 できる。前記両面粘着テープとしては、レーヨン紙の両面にアクリル系粘着剤又 は天然ゴム系粘着剤を塗布したものなどが挙げられる。

【００２７】 汗取りパッド１０を脇の下に装着するときは、剥離紙４Ａを剥離した後、透湿 透水シート１の側が脇の下の発汗部位に当接するように、貼着部４を脇の下に貼 着する。故に、吸水材２は、透湿透水層１を介して前記発汗部位に密着した状態 に保持され、防水シート３は、外側を向くように保持される。

【００２８】 したがって、脇の下の発汗部位から発散した水蒸気及び汗は、透湿透水シート １を透過し、吸水材２に直ちに吸着されて保持されるから、前記発汗部位に汗が 溜まったり、前記発汗部位が蒸れたりすることがない。

【００２９】 しかも、吸水材２に汗及び水蒸気などの水分が大量に吸着された状態において も、吸着された水分が汗取りパッド１０の外側に滲み出すことが、防水シート３ により防止される。

【００３０】 故に、汗取りパッド１０によれば、汗及び水蒸気の吸収性能が長時間保たれ、 吸水材２に吸収された汗などが透湿透水シート１を通って脇の下に戻ることがな いから、快適な装着感が長時間保持される。しかも、吸着された汗などが外部に 漏れて衣服を汚したり、異臭の原因になったりすることもない。

【００３１】 しかも、貼着部４は、透湿透水シート１の周縁部に形成されているから、脇の 下の発汗部位が、貼着部４に当たることがない。したがって、前記粘着剤によっ て発汗部位がかぶれることがなく、又、発汗及び水蒸気の発散が前記粘着剤によ って妨げられることもない。更に、使用後の汗取りパッド１０を剥す際にも苦痛 が少ない。 ２．第２実施形態 第２実施形態に係る汗取りパッドを図３に示し、前記汗取りパッドの図３にお ける平面Ｙ−Ｙに沿った方向、即ち長手方向の断面を図４における（Ａ）に示し 、図３における平面Ｚ−Ｚに沿った方向の断面、即ち幅方向の断面を図４におけ る（Ｂ）に示す。図３及び図４において、特に断らない限り、図１及び図２にお ける符号と同一の符号は、前記符号が、図１及び図２において示す要素と同一の 要素を示す。

【００３２】 図３及び図４に示すように、汗取りパッド２０は、全体として角を丸めた長方 形の平面形状を有している。

【００３３】 透湿透水シート１と防水シート３とは、第１実施形態に係る汗取りパッドと同 様に、周縁部において互いに接着され、間に吸水材２を収容する空間が形成され ている。そして、透湿透水シート１における外側の面における周縁部には貼着部 ４が形成されている。貼着部４の表面には、第１実施形態に係る汗取りパッドと 同様に剥離紙４Ａ（図３においては省略。）が貼着されている。貼着部４の幅も 第１実施形態に係る汗取りパッドと同様である。

【００３４】 汗取りパッド２０には、碁盤目状の熱融着部６が形成され、熱融着部６によっ て空間５が、長手方向に４個、幅方向に２個、計８個の区画に区分されている。 汗取りパッド２０における熱融着部６は、図３に示すように直線状に形成されて もよいし、点線状又は破線状に形成されていてもよい。前記８個の空間５ａ〜５ ｈのそれぞれには第１実施形態に係る汗取りパッドにおける吸着材２と同様の吸 水材２ａ〜２ｈが収容されている。

【００３５】 汗取りパッド２０は、たとえば、透湿透水シート１と防水シート３とを重ねて 碁盤目状に熱融着して熱融着部６と空間５ａ〜５ｈとを形成し、空間５ａ〜５ｈ のそれぞれに吸水材２ａ〜２ｈを収容した後、透湿透水シート１と防水シート３ とを周縁部において熱融着などによって接着することにより、作製できる。又、 透湿透水シート１と防水シート３とを周縁部において接着し、間に形成された空 間に吸水材２を収容して第１の実施形態に係る汗取りパッドと同様の汗取りパッ ドを形成し、次いで、前記汗取りパッドを図３に示すように碁盤目状に熱融着し て熱融着部６を形成してもよい。

【００３６】 汗取りパッド２０を脇の下に装着するときは、第１の実施形態に係る汗取りパ ッドと同様に、剥離紙４Ａを剥離して、透湿透水シート１の外側の面が脇の下の 発汗部に当接するように、貼着部４を脇の下に貼着する。

【００３７】 汗取りパッド２０は、前述のように、吸水材を収容する空間が８つの区画に区 分されているから、吸水材２は区画内で保持される。

【００３８】 したがって、汗取りパッドは２０、第１実施形態に係る汗取りパッドの有する 特長に加えて、吸水材２の位置のずれによる吸水能の低下が生じないという特長 も有する。 ３．第３実施形態 第３実施形態に係る汗取りパッドを図５に示す。前記汗取りパッドを、図５に おける平面Ｘ−Ｘで切断した断面を図６に示す。図５及び図６において、図１及 び図２と同一の符号は、前記符号が図１及び図２において示す要素と同一の要素 を示す。

【００３９】 図５に示すように、汗取りパッド３０は、第１実施形態に係る汗取りパッドと 同様に、長円形の平面形状を有しているが、透湿透水シート１と吸水材２と防水 シート３は、接着部７よりも内側の部分において、接着部７に沿って長円形状に ヒートシールされ、破線状のヒートシール部が形成されている。尚、ヒートシー ル部８は、点線状又は連続線状に形成されていてもよい。ヒートシール部８によ り、空間５は、接着部７とヒートシール部８との間の部分と、ヒートシール部８ により囲繞された部分とに区分される。

【００４０】 汗取りパッド３０は、ヒートシール部８が形成されている以外は、第１実施形 態に係る汗取りパッドと同様の構成を有している。

【００４１】 汗取りパッド３０においても、吸水材２は、ヒートシール部８によって透湿透 水シート１及び防水シート３に固定されているから、装着後、長時間経過しても 吸水材２の位置が移動して吸水能が低下したり、装着感が悪化したりすることが ない。

【００４２】 更に、装着時において、ヒートシール部８で汗取りパッド３０が折れ曲がるこ とがないから、第２実施形態に係る汗取りパッドに比較して更に装着感が良好で ある。

【００４３】

【考案の効果】

本考案によれば、粘着剤によって脇の下がかぶれることがなく、脇の下からの 汗及び水蒸気を効果的に吸着し、しかも吸着した汗及び水蒸気によって被服を汚 したり異臭を発散させたりすることのない汗取りパッドが提供される。

【図面の簡単な説明】

【図１】図１は、本考案の第１実施形態に係る汗取りパ
ッドを、透湿透水シートの側及び防水シートの側から見
たところを示す平面図である。

【図２】図２は、図１に示された汗取りパッドを平面Ｘ
−Ｘに沿って切断した断面を示す断面図である。

【図３】図３は、本考案の第２実施形態に係る汗取りパ
ッドを、透湿透水シートの側及び防水シートの側から見
たところを示す平面図である。

【図４】図４は、図３に示された汗取りパッドの平面Ｙ
−Ｙ及び平面Ｚ−Ｚに沿って切断した断面を示す断面図
である。

【図５】図５は、本考案の第３実施形態に係る汗取りパ
ッドを、透湿透水シートの側及び防水シートの側から見
たところを示す平面図である。

【図６】図６は、図５に示された汗取りパッドを平面Ｘ
−Ｘに沿って切断した断面を示す断面図である。

【符号の説明】

１ 透湿透水シート ２ 吸水材 ３ 防水材 ４ 貼着部 ５ 空間 １０ 汗取りパッド ２０ 汗取りパッド ３０ 汗取りパッド

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 透湿透水シートと、周縁部において前記
   透湿透水シートの周縁部に接着されてなる防水シート
   と、前記透湿透水シートと前記防水シートとにより形成
   された空間内に収容されてなる吸水材と、前記透湿透水
   シートの外側の面における周縁部に形成された貼着部と
   を備えてなることを特徴とする汗取りパッド。
2. 【請求項２】 前記空間が２以上の区画に区分され、前
   記各区画の内部に前記吸水材が収容されてなる請求項１
   に記載の汗取りパッド