JP3072514B2 - 液晶表示素子およびその製造方法 - Google Patents

液晶表示素子およびその製造方法

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JP3072514B2 JP11069732A JP6973299A JP3072514B2 JP 3072514 B2 JP3072514 B2 JP 3072514B2 JP 11069732 A JP11069732 A JP 11069732A JP 6973299 A JP6973299 A JP 6973299A JP 3072514 B2 JP3072514 B2 JP 3072514B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示素子およ
びその製造方法に関し、特に、1枚の基板上に複数の液
晶層を備えて、明るいフルカラー画像を表示することが
できる液晶表示素子およびその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】液晶表示素子でカラー表示を行う方法と
しては、赤、緑、青の3色のマイクロカラーフィルタを
隣接する3つの画素上に設け、各画素を透過する光を液
晶により制御して加法混色する方法が一般的である。透
過光の制御は、捻じれネマチック液晶と偏光板を組み合
わせた方式が最も普及している。しかし、この方法はカ
ラーフィルタおよび偏光板が光を吸収するため、液晶表
示素子全体の光の透過率は10%以下になってしまう。
外光を利用した反射型液晶でカラー表示しようとする場
合、上記の液晶表示素子では透過率が低いため非常に暗
く、色も認識しにくくなる。
【0003】そこで反射型液晶表示素子で明るいカラー
表示を行う方法として特開昭61-238024 号公報、特開平
3-238424号公報のようにゲストホストモードの液晶表示
素子が提案されている。ゲストホストモードは、2色性
色素を含有する液晶を用いて光の吸収、透過を制御する
方式で、異なる色の2色性色素を含む液晶を挟んだパネ
ルを重ねあわせることによりカラー表示を行うことがで
きる。具体的には、シアン、マゼンタ、黄のそれぞれの
2色性色素を含むゲストホスト液晶を2枚のガラスで挟
んだ液晶パネルを3枚重ね、すべての層で光を吸収した
場合黒表示、すべての層で光を透過した場合白表示を行
うことができる。ゲストホストモードはカラーフィルタ
や偏光板が必要なく、非常に明るく鮮やかな色表示が可
能となるため反射型液晶表示素子に有効である。しかし
ゲストホストモードでカラー表示を行うために、上記の
ように液晶パネルを3枚重ねた場合、画素が細かくなる
と、ガラスの厚みが画素に比べて相対的に大きくなるの
で、視差が生じて斜めから見た時に色ずれを生じるとい
う課題があった。
【0004】そこで、かかる課題を解決するため、特開
平6-337643号公報に示されるような液晶表示素子が提案
されている。この液晶表示素子は、図21に示すよう
に、ポリマー98に液晶99をマイクロカプセル状に閉
じ込めることにより、液晶99を分散支持した状態で固
形化して液晶層95〜97を形成し、これらの液晶層9
5〜97と駆動電極92〜94とを1枚のガラス基板9
1上に積層して構成されている。このような構成によ
り、液晶層と液晶層の間のガラスを必要としない構成の
ゲストホストモードの液晶表示素子を実現することがで
き、ガラスの厚みが画素に比べて相対的に大きくなるこ
とに起因した色ずれの発生を防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来例では、液晶を分散保持するために液晶層中でレジ
スト材料または高分子材料が占める割合が多くなるた
め、実質的な開口率が低下しコントラスト比をあまり高
くできないという課題があった。
【0006】そこで、本発明者等は、かかる課題を解決
するための液晶表示素子を既に発明し、かかる発明につ
き出願(特願平9−127057号)をなしている。こ
の特願平9−127057号に係る発明は、本発明の基
礎となる発明であり、基板と封止膜の間に液晶が充填さ
れた液晶層を構成し、支持部材で封止膜を支える構成で
ある。この液晶表示素子では、液晶層のうち液晶の占め
る割合を多くすることができ、従来例に比べ実効的な開
口率が高まり、コントラスト比を高めることができた。
【0007】しかしながら、特願平9−127057号
に係る発明は、従来例の課題を解決することはできたけ
れども、以下に述べる新たな課題が生じるおそれがあ
る。そこで、本発明者等は、新たな課題の発生を未然に
防止すべく、特願平9−127057号に係る発明を基
礎して鋭意研究開発することにより本発明を完成するに
至った。よって、本発明は、従来例の有する課題を解決
し、更に、本発明の基礎となる発明(特願平9−127
057号に係る発明)の有する新たな課題の発生を未然
に防止したものである。
【0008】参考までに、以下に、本発明の基礎となる
発明の構成、及びその懸念される課題について説明す
る。本発明の基礎となる発明は、封止膜を支持部材上に
形成する方法として、次の(1)又は(2)の方法を特
徴とするものである。
【0009】(1)板状部材の表面に封止膜を形成し、
これを基板上に形成された支持部材に転写したのち板部
材を離型する方法。
【0010】(2)支持部材を形成した基板上に気化性
を有する固形膜を形成後、固形膜上に封止膜を積層し、
しかるのちに固形膜を気化させて基板と封止膜の間に間
隙を形成する方法。
【0011】しかし(1)の方法では、板状部材の表面
から封止膜を離型し封止膜を転写する工程において、離
型が円滑に行われず、封止膜が転写されない場合が生じ
て、歩留まりを低下させる原因になる。これは、板状部
材上の転写膜を板状部材から離型する際のはがす力に比
べて、支持部材と転写膜との接着力が局所的に小さい場
合、転写膜が支持部材上に転写されなくなるために起こ
ると考えられる。画素部分では、開口率を高めるため
に、支持部材の占める面積をできるだけ小さくするほう
が望ましい。しかし、支持部材の面積を小さくすると、
支持部材と転写膜の接着面積も小さくなるため、離型時
に小さな面積に力が集中し、転写・離型ができない場合
がある。
【0012】また(2)の方法では、支持部材を形成し
た基板上に固形膜を形成する際に、支持部材上も薄く固
形膜が覆われることがあり、この場合、支持部材と封止
膜との間に固形膜が挟まれるために接着が行われず、封
止膜が浮いてしまい、歩留まりを低下させる原因とな
る。
【0013】これらの例においても、画素平面上で支持
部材の占める面積を大きくすれば、支持部材と封止膜の
接着が円滑に行われる可能性があるが、画素平面上での
支持部材の面積を大きくすると開口率が低くなるため、
液晶表示素子の明るさやコントラスト比が悪くなり、表
示品位を低下させてしまう。そこで、画素中での支持部
材の占める面積は、画素面積に対して10%以下とする
ことが望ましい。この場合、封止膜は、支持部材上の狭
い面積で接着するのみであり、それ以外の部分は宙に浮
いた状態となるため、支持部材と封止膜との間の接着が
充分でないと、前記のように歩留まりを低下させる原因
となる。
【0014】以上のように、基板上の支持部材と封止膜
とを接着し、基板と封止膜との間に間隙を形成する工程
は、支持部材上の狭い面積で封止膜を接着して貼り合わ
せることが必要であるため、接着に困難さを伴うもので
ある。
【0015】よって、封止膜として樹脂フィルムを使用
し、樹脂フィルムを支持部材に直接に接着することによ
り、上記本発明の基礎となる発明の課題を未然に防止す
ることができることを見いだした。
【0016】なお、樹脂フィルムを基板に貼り合わせる
方法として、熱接合(ヒートシール)がある。熱接合に
よる接着は、いわゆるラミネータを使用し、重ね合わせ
た基板と樹脂フィルムとを少なくとも一方を加熱したロ
ーラーの間に通過さることにより、樹脂フィルムの熱可
塑性により樹脂フィルムを基板上に貼り合わせるもの
で、基板と樹脂フィルムをすきまなく貼り合わせる場合
に有効な方法である。この方法を用いて支持部材と封止
膜としての樹脂フィルムとを接着させようとした場合、
樹脂フィルムまたは支持部材に熱可塑性を持たせる必要
がある。ところが、樹脂フィルムが熱可塑性を発現する
温度にローラーを加熱すると、樹脂フィルムが軟化して
基板および支持部材の形状に沿って変形し、支持部材上
のみで樹脂フィルムを接着させることができなかった。
一方、支持部材として熱可塑性を持った材料を使用し、
これが熱可塑性を有する温度に加熱した場合、軟化した
支持部材がラミネータにより押しつぶされた。このよう
に、樹脂フィルムまたは支持部材に熱可塑性を持たせ熱
接合時に熱可塑性を発現させた場合には、樹脂フィルム
と基板との間に液晶を封入するための間隙を形成できな
かったり、間隙が極端に狭くなったりした。
【0017】本発明は、上記の従来例の課題を解決する
と共に、本発明の基礎となる発明の有する課題を解決す
るものであり、明るく、高コントラスト比で、反射型液
晶表示素子にも適用可能であるうえ、視差に起因する色
ずれがなく、しかも、簡便な方法で、且つ製造上の歩留
まりを向上するようにした液晶表示素子及びその製造方
法を提供することを目的とする。
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【課題を解決するための手段】 上記目的を達成するため
に本発明の 請求項記載の発明は、上面に画素電極及ま
た、請求項2記載の発明は、上面に画素電極及び該画素
電極に接続された駆動素子が形成された透明な基板と、
この基板の上方に配置された複数の樹脂フィルムであっ
て、最上位置の樹脂フィルムの上面には共通電極が形成
され、その他の樹脂フィルムの上面には画素電極が形成
されている、そのような複数の樹脂フィルムと、基板と
樹脂フィルム間並びに樹脂フィルム相互間にそれぞれ多
数の柱状支持部材が介在して形成された各間隙内に液晶
が封入されて構成された複数の液晶層とを有し、前記基
板の上面には前記各樹脂フィルム上の画素電極にそれぞ
れ対応した駆動素子が備えられており、この樹脂フィル
ム上の画素電極に関連して設けられた立体配線により前
記樹脂フィルム上の画素電極と駆動素子とが電気的に接
続された構造の液晶表示素子であって、前記各支持部材
と樹脂フィルム間には、接着層が介在しており、前記接
着層は熱可塑性を有する材料から成り、接着層に熱可塑
性を発現させて樹脂フィルムと支持部材との接着状態を
得ており、基板と樹脂フィルム間に存在する支持部材
と、樹脂フィルム相互間に存在する支持部材とは、基板
に平行な面に関してほぼ同一位置に存在していることを
特徴とする。
【0022】樹脂フィルムを使用した多層構造の液晶表
示素子が構成され、以下の作用効果を奏する。 上記の如
く、基板と樹脂フィルムとの間、並びに樹脂フィルム間
に間隙を設け、この間隙に液晶を封入して液晶層を構成
するようにしたので、液晶表示素子における液晶の占め
る割合を高くすることができ、実質的な開口率が上が
り、高いコントラスト比と明るい表示を実現することが
できる。また、接着層に熱可塑性を発現させて、支持部
材と樹脂フィルムとを接着しているため、樹脂フィルム
が支持部材に沿って変形し、液晶を封入するための間隙
が狭くなるという事態を未然に防止することができ、基
板と樹脂フィルムとが一定間隔に保持される。よって、
液晶層の厚みが一定に保持され、表示性能が向上する。
また、支持部材が基板と樹脂フィルム間に存在する支持
部材と、樹脂フィルム相互間に存在する支持部材とは、
基板に平行な面に関してほぼ同一位置に存在しているこ
とから、支持部材は基板に垂直方向に一直線状に配列し
ていることになる。これにより、各層の樹脂フィルムを
確実に支持することができ、各層間での支持部材の位置
ずれに起因した支持部材の変形や、液晶層の破壊を防止
できる。
【0023】また、請求項記載の発明は、請求項
載の液晶表示素子において、前記樹脂フィルムは、熱可
塑性を有さない材料または接着層よりも熱可塑性を発現
する温度が高い熱可塑性を有する材料であり、前記支持
部材は、熱可塑性を有さない材料または接着層よりも熱
可塑性を発現する温度が高い熱可塑性を有する材料また
は接着処理の前に硬化処理されるものであることを特徴
とする。
【0024】上記構成の樹脂フィルムと支持部材との組
合わせにより、樹脂フィルムや支持部材に変形が生じる
ことなく、樹脂フィルムと支持部材とが接着された液晶
表示素子が構成される。
【0025】また、請求項記載の発明は、請求項
載の液晶表示素子において、前記液晶層と前記樹脂フィ
ルムとは各3組積層され、3つの液晶層を構成する液晶
はそれぞれ異なる色の2色性色素を含むゲストホスト液
晶であることを特徴とする。
【0026】上記構成により、フルカラー表示が可能な
液晶表示素子が構成される。
【0027】また、請求項記載の発明は、請求項1乃
至請求項の何れかに記載の液晶表示素子において、前
記基板は透明基板であり、前記支持部材および前記接着
層は、基板表面の支持部材形成箇所に遮光膜を形成しこ
の遮光膜をフォトマスクとしてフォトリソグラフィ法に
より形成されたポジ形フォトレジストであることを特徴
とする。
【0028】このように構成されていることにより、支
持部材の位置精度が高いので、支持部材の占める面積を
小さくしてコントラスト比を高くすることが容易にでき
る。
【0029】また、特に多層構造の場合、各層間での支
持部材の位置ずれが可及的に低減する。
【0030】また、請求項記載の発明は、請求項1乃
至請求項の何れかに記載の液晶表示素子において、前
記基板は透明基板であり、前記支持部材および前記接着
層は、基板表面の支持部材形成箇所以外の部分に遮光膜
を形成しこの遮光膜をフォトマスクとしてフォトリソグ
ラフィ法により形成されたネガ形フォトレジストである
ことを特徴とする。
【0031】この構成においても、上記請求項記載の
発明と同様に支持部材の位置精度が向上する。
【0032】また、請求項記載の発明は、請求項1乃
至請求項3の何れかに記載の液晶表示素子において、前
記多数の支持部材のうち画素領域内において存在する支
持部材相互の間隔が、15μm〜100μmの範囲内に
あることを特徴とする。
【0033】支持部材の相互の間隔を規制するのは、支
持部材の間隔が大きすぎると、支持部材と支持部材の間
で樹脂フィルムがたるみ、基板と樹脂フィルムの間隔が
一定に維持できず、色ムラやコントラスト比の低下の原
因となるからである。 また、支持部材の間隔が小さす
ぎると、支持部材の本数が多すぎて開口率の低下を招く
からである。
【0034】また、請求項記載の発明は、請求項1乃
至請求項の何れかに記載の液晶表示素子において、前
記樹脂フィルムの厚みが0.5μm〜10μmであるこ
とを特徴とする。
【0035】樹脂フィルムの厚みを規制するのは、以下
の理由による。即ち、樹脂フィルムの厚みの平均が0.
5μmよりも小さい場合は、樹脂フィルムにしわが発生
し易いからである。樹脂フィルムの厚みの平均が10μ
mよりも大きい場合は、液晶層に印加される電圧に比べ
て樹脂フィルムでの電圧降下が大きくなり過ぎるからで
ある。
【0036】また、請求項記載の発明は、請求項1乃
至請求項の何れかに記載の液晶表示素子において、前
記樹脂フィルムの比抵抗が1010Ω・cm以下であるこ
とを特徴とする。
【0037】このように、樹脂フィルムの比抵抗を規定
するのは、次の理由による。即ち、樹脂フィルムの比抵
抗が1010Ω・cmよりも大きい場合には、液晶層に印
加される電圧に比べて樹脂フィルムでの電圧降下が大き
くなり過ぎるからである。
【0038】また、請求項記載の発明は、請求項
は請求項に記載の液晶表示素子において、前記複数の
樹脂フィルムは、光学異方性を有する樹脂フィルムであ
って、かつ、樹脂フィルムの遅相軸が全て同じ方向とな
るように配置されていることを特徴とする。
【0039】上記構成により、樹脂フィルムの光学異方
性による光の減衰を抑え、明るい表示を実現することが
できる。
【0040】また、請求項10記載の発明は、請求項1
乃至請求項の何れかに記載の液晶表示素子において、
前記樹脂フィルムが通気性を有し、前記共通電極は、反
射性を有する金属材料から成り、外気中の酸素や水分が
樹脂フィルムを介して素子内に侵入するのを防止するた
めの遮蔽膜を兼ねていることを特徴とする。
【0041】上記構成により、樹脂フィルムが通気性を
有する場合に、外気より酸素や水分が液晶層内に浸入す
ることに起因する表示性能の低下を防止することができ
る。
【0042】また、請求項11記載の発明は、請求項1
乃至請求項の何れかに記載の液晶表示素子において、
前記樹脂フィルムが通気性を有し、外気中の酸素や水分
が樹脂フィルムを介して素子内に侵入するのを防止する
ための遮蔽膜が共通電極上に形成されていることを特徴
とする。
【0043】この構成においても上記請求項10記載の
発明と同様の作用・効果を奏する。
【0044】また、請求項12記載の発明は、請求項
記載の液晶表示素子において、前記共通電極は透明電
極であり、前記遮蔽膜は反射特性を有する金属材料から
成り反射板を兼ねていることを特徴とする。
【0045】別途、反射板を設ける必要がなく、しかも
酸素等の浸入に起因した表示性能の低下を防止すること
ができる。
【0046】また、請求項13記載の発明は、請求項1
乃至請求項の何れかに記載の液晶表示素子において、
前記共通電極は透明電極であり、この共通電極上には表
面に微細な多数の凹凸形状を有する透明な樹脂層が形成
され、この樹脂層上にはその表面形状に応じた凹凸形状
の反射膜が形成されていることを特徴とする。
【0047】上記構成により、反射膜の光反射特性が拡
散性となり、反射膜が鏡面性の場合に比べて、光源の映
り込みなどによる表示性能の低下を防ぐことができる。
【0048】
【0049】
【0050】また、請求項14記載の発明は、上面に画
素電極及び該画素電極に接続された駆動素子が形成され
た基板と、この基板の上方に配置された複数の樹脂フィ
ルムであって、最上位置の樹脂フィルム以外の他の樹脂
フィルムの上面には画素電極が形成されている、そのよ
うな複数の樹脂フィルムと、基板と樹脂フィルム間並び
に樹脂フィルム相互間にそれぞれ多数の柱状支持部材が
介在して形成された各間隙内に液晶が封入されて構成さ
れた複数の液晶層とを有し、前記基板の上面には前記各
樹脂フィルム上の画素電極にそれぞれ対応した駆動素子
が備えられており、この樹脂フィルム上の画素電極に関
連して設けられた立体配線により前記樹脂フィルム上の
画素電極と駆動素子とが電気的に接続された構造の液晶
表示素子であって、前記各支持部材と樹脂フィルム間に
は、接着層が介在しており、前記接着層は、熱可塑性を
有する材料から成り、接着層に熱可塑性を発現させて樹
脂フィルムと支持部材との接着状態を得ており、基板と
樹脂フィルム間に存在する支持部材と、樹脂フィルム相
互間に存在する支持部材とは、基板に平行な面に関して
ほぼ同一位置に存在しており、前記最上位置の樹脂フィ
ルム上面には、表面に微細な多数の凹凸形状を有する透
明な樹脂層が形成され、この樹脂層上にはその表面形状
に応じた凹凸形状の反射膜が形成されており、この反射
膜が共通電極を兼ねていることを特徴する。
【0051】上記請求項13記載の発明の作用に加え
て、別途反射膜を設ける必要がなく、薄型化が図れると
共に、部品点数の低減が図れる。
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】また、請求項15記載の発明は、液晶表示
素子の製造方法であって、画素電極及び該画素電極に接
続された駆動素子が形成された透明な基板上に多数の支
持部材を形成する支持部材形成工程と、前記各支持部材
上に接着層を形成する接着層形成工程と、前記接着層を
介して樹脂フィルムを支持部材上に重ね、この状態で加
熱することにより、基板と樹脂フィルムとの間に間隙を
保ちながら前記支持部材上に前記樹脂フィルムを貼り合
わせる樹脂フィルム貼合わせ工程と、前記樹脂フィルム
に開口を形成する工程と、前記樹脂フィルム上に画素電
極を形成するとともに、前記開口を通じて前記基板上の
対応する駆動素子と前記樹脂フィルム上の画素電極とを
電気的に接続する工程と、基板上に液晶を封入する領域
と樹脂フィルムとを交互に積層する積層工程であって、
基板上に貼り合わせた樹脂フィルム上に支持部材を形成
する工程と、前記支持部材上に接着層を形成する工程
と、前記支持部材上に樹脂フィルムを貼り合わせる工程
と、前記樹脂フィルムに開口を形成する工程と、前記樹
脂フィルム上に画素電極を形成するとともに、前記開口
を通じて前記基板上の対応する駆動素子と前記樹脂フィ
ルム上の画素電極とを電気的に接続する工程を、少なく
とも1回行なうことにより、液晶封入領域と樹脂フィル
ムとを交互に積層する、そのような積層工程と、上記積
層工程において最後に貼り合わされた樹脂フィルム上に
更に支持部材を形成し、この支持部材上に接着層を形成
して支持部材上に最上位置の樹脂フィルムを貼り合わせ
る工程と、 前記最上位置の樹脂フィルム上面に共通電
極を形成する工程と、基板と樹脂フィルムの間の液晶封
入領域、及び樹脂フィルム相互間の液晶封入領域に、液
晶を注入する工程と、を含むことを特徴とする。
【0056】上記方法により、以下の作用を奏する多層
構造の液晶表示素子を製造することができる。即ち、極
めて薄い樹脂フィルムを支持部材上に容易に接着するこ
とができる。また、基板と樹脂フィルム間、並び樹脂フ
ィルム間の間隙に液晶を封入して液晶層を構成するよう
にしたので、液晶表示素子における液晶の占める割合を
高くすることができ、実質的な開口率が上がり、高いコ
ントラスト比と明るい表示を実現した液晶表示素子を製
造することができる。また、封止膜として樹脂フィルム
を使用し、この樹脂フィルムを支持部材に接着層を介し
て接着するようにしたので、本発明の基礎となる発明に
おいて、問題となるおそれのある製造上の歩留まりの低
下を未然に防止するすることが可能となる。
【0057】また、請求項16記載の発明は、請求項
記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記開口を
形成する工程において、リアクティブイオンエッチング
により樹脂フィルムに開口を形成することを特徴とす
る。
【0058】上記構成により、樹脂フィルムに確実に開
口を形成することができる。
【0059】また、請求項17記載の発明は、請求項
記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記樹脂フ
ィルム貼合わせ工程が、加熱したローラーにより、樹脂
フィルムを押圧する工程を含むことを特徴とする。
【0060】上記構成により、加熱したローラーの使用
により、樹脂フィルムを支持部材上に短時間でしかも確
実に貼り合わせることができる。
【0061】また、請求項18記載の発明は、請求項
記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記接着層
が熱可塑性を発現する温度が、前記樹脂フィルムが熱可
塑性を発現する温度に比べて低くなるような材質に選ば
れており、前記加熱ローラーにより、接着層が可塑性を
発現する温度以上で且つ樹脂フィルムが可塑性を発現す
る温度以下に加熱することを特徴とする。
【0062】上記構成により、加熱したローラーによ
り、接着層が可塑化され、支持部材上に樹脂フィルムが
接着層を介して接着される。このとき、支持部材および
樹脂フィルムは可塑化しないため、樹脂フィルムが支持
部材に沿って変形したり、支持部材が破壊したりするこ
とが防がれる。よって、支持部材の高さに相当する間隙
を維持しながら、樹脂フィルムを支持部材上に容易に貼
り合わせることが可能となる。
【0063】また、請求項19記載の発明は、請求項
記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記加熱し
たローラーの少なくとも表面部は、剛性を有する材料か
ら成ることを特徴とする。
【0064】上記構成により、樹脂フィルムが支持部材
が食い込んで樹脂フィルムが変形することがなく、樹脂
フィルムを平滑な状態で支持部材上に接着させることに
より、液晶層の厚みを均一にすることができ、表示のム
ラや欠陥を防ぐことができる。
【0065】また、請求項20記載の発明は、請求項
記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記樹脂フ
ィルム貼合わせ工程が、加熱したローラーにより樹脂フ
ィルムを押圧する際に、樹脂フィルムのしわを伸ばすべ
く引っ張る工程を含むこと特徴とする。
【0066】上記構成により、樹脂フィルムをしわがな
い状態で平滑に支持部材上に接着することができ、液晶
表示素子の表示のムラや欠陥を防ぐことができる。
【0067】また、請求項21記載の発明は、請求項
記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記支持部
材形成工程が、基板表面の支持部材形成箇所に遮光膜を
形成し、この遮光膜を覆って基板表面に第1のポジ形レ
ジストを塗布後、基板裏面側から遮光膜をフォトマスク
として露光したのち第1ポジ形レジストを現像液で現
像し、第1のポジ形レジストを硬化して、基板上に支持
部材を形成する工程であり、前記積層工程における支持
部材形成工程が、樹脂フィルム表面に第1のポジ形レジ
ストを塗布後、基板裏面側から遮光膜をフォトマスクと
して露光したのち第1のポジ形レジストを現像液で現像
し、第1のポジ形レジストを硬化して、樹脂フィルム上
に支持部材を形成する工程であり、前記接着層形成工程
が、支持部材を形成した基板上に第2のポジ形レジスト
を塗布後、基板裏面側から遮光膜をフォトマスクとして
露光したのち第2のポジ形レジストを現像液で現像する
ことにより、支持部材上に接着層を形成する工程でり、
前記積層工程における接着層形成工程が、支持部材を形
成した樹脂フィルム上に第2のポジ形レジストを塗布
後、基板裏面側から遮光膜をフォトマスクとして露光し
たのち第2のポジ形レジストを現像液で現像することに
より、支持部材上に接着層を形成する工程であることを
特徴とする。
【0068】上記構成により、支持部材と接着層とのマ
スク位置合わせを必要とせず、支持部材上に接着層を容
易に形成でき、製造工程を簡素化できる。
【0069】また、請求項22記載の発明は、請求項
記載の液晶表示素子の製造方法であって、樹脂層形成
工程および樹脂フィルム貼合わせ工程が、一方の表面に
予め接着層が被覆されている樹脂フィルムを準備し、こ
の樹脂フィルムを、接着層が被覆されている面が支持部
材に対向するようにして支持部材上に重ね、この状態で
加熱することにより前記支持部材上に前記樹脂フィルム
を貼り合わせる工程であることを特徴とする。
【0070】上記構成により、支持部材上への接着層形
成工程が必要でなくなり、製造工程を簡略化できる。
【0071】また、請求項23記載の発明は、請求項
記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記支持部
材形成工程において、前記多数の支持部材のうち画素領
域内において存在する支持部材を、幅が高さ以上に形成
することを特徴とする。
【0072】上記構成により、例えば、樹脂フィルムを
支持部材に貼り合わせるために、支持部材に樹脂フィル
ムを重ねた状態で、ラミネータを通過させるときのロー
ラーの圧力によって支持部材が破壊されるのを抑えるこ
とができ、製造の歩留まりを高めることができる。
【0073】また、請求項24記載の発明は、請求項
記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記樹脂フ
ィルムの厚みが0.5μm〜10μmであることを特徴
とする。
【0074】樹脂フィルムの厚みを規制するのは、以下
の理由による。即ち、樹脂フィルムの厚みの平均が0.
5μmよりも小さい場合は、樹脂フィルムにしわが発生
し易いからである。樹脂フィルムの厚みの平均が10μ
mよりも大きい場合は、液晶層に印加される電圧に比べ
て樹脂フィルムでの電圧降下が大きくなり過ぎるからで
ある。
【0075】また、請求項25記載の発明は、請求項
記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記樹脂フ
ィルムの主成分がポリエステル樹脂であることを特徴と
する。
【0076】上記構成により、樹脂フィルムが必要な強
度を有し、製造時において、樹脂フィルムに破断が起こ
りにくく、製造の歩留まりを向上させることができる。
また、ポリエステル樹脂は透明であり、可視光波長域で
の光の減衰が小さいため、液晶表示素子として明るい表
示を実現できる。
【0077】
【0078】
【0079】また、請求項26記載の発明は、請求項
記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記基板上
の支持部材と樹脂フィルムとを貼り合わせる工程中にお
いて、基板と樹脂フィルムとの間隙と外部とを通気させ
るための通気口を形成し、前記樹脂フィルム上の支持部
材と樹脂フィルムとを貼り合わせる工程中において、樹
脂フィルム相互間の間隙と外部とを通気させるための通
気口を形成することを特徴とする。
【0080】上記構成により、加熱または真空引きを伴
う工程において、通気口における通気により、基板と樹
脂フィルムとの間隙、または樹脂フィルム同士の間隙の
気体が膨張するために起こる樹脂フィルムの破断を防ぐ
ことができ、歩留まりの低下が抑えられる。
【0081】
【0082】
【0083】また、請求項27記載の発明は、請求項
記載の液晶表示素子の製造方法であって、基板上の表
示部分の周辺で、部分的に接着させない箇所を残して樹
脂フィルムと樹脂フィルムとを接着することにより、接
着させなかった箇所を通気口として設けたことを特徴と
する。
【0084】上記構成により、通気口を容易に形成する
ことができ、製造工程の簡素化が図れる。
【0085】また、請求項28記載の発明は、請求項
記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記通気口
内壁に、表面張力を低下させる処理を施すことを特徴と
する。
【0086】上記構成により、加熱または真空引きの工
程と溶液に浸漬する工程とを交互に実施する際に、通気
口の開口と閉口を繰り返す必要がないため、製造工程を
簡素化できる。
【0087】
【0088】
【0089】また、請求項29記載の発明は、請求項
記載の液晶表示素子の製造方法であって、基板上の表
示部分の周辺で、基板と樹脂フィルム並び樹脂フィルム
同士を接着して、基板と樹脂フィルム間並びに樹脂フィ
ルム相互間のそれぞれの液晶封入領域を一旦密閉状態と
した後、樹脂フィルムの表示部分以外の部分に貫通穴を
形成して通気口としたことを特徴とする。
【0090】上記構成により、通気口を容易に形成する
ことができ、製造工程の簡素化が図れる。
【0091】また、請求項30記載の発明は、請求項2
6記載の液晶表示素子の製造方法であって、前記通気口
を塞ぐ工程を含むことを特徴とする。
【0092】上記構成により、溶液への浸漬を伴う工程
において、前記通気口を通して溶液が浸入するのを防止
することができ、歩留まりを高めることができる。
【0093】
【0094】
【0095】また、請求項31記載の発明は、液晶表示
素子の製造方法であって、画素電極及び該画素電極に接
続された駆動素子が形成された透明な基板上に多数の柱
状支持部材を形成する支持部材形成工程と、前記各支持
部材上に接着層を形成する接着層形成工程と、前記接着
層を介して樹脂フィルムを支持部材上に重ね、この状態
で加熱することにより、基板と樹脂フィルムとの間に間
隙を保ちながら前記支持部材上に前記樹脂フィルムを貼
り合わせる貼合わせ工程と、前記樹脂フィルムに開口を
形成する工程と、前記樹脂フィルム上に画素電極を形成
するとともに、前記開口を通じて前記基板上の対応する
駆動素子と前記樹脂フィルム上の画素電極とを電気的に
接続する工程と、基板上に液晶を封入する領域と樹脂フ
ィルムとを交互に積層する積層工程であって、基板上に
貼り合わせた樹脂フィルム上に支持部材を形成する工程
と、前記支持部材上に接着層を形成する工程と、前記支
持部材上に樹脂フィルムを貼り合わせる工程と、前記樹
脂フィルムに開口を形成する工程と、前記樹脂フィルム
上に画素電極を形成するとともに、前記開口を通じて前
記基板上の対応する駆動素子と前記樹脂フィルム上の画
素電極とを電気的に接続する工程を、少なくとも1回行
なうことにより、液晶封入領域と樹脂フィルムとを交互
に積層する、そのような積層工程と、上記積層工程にお
いて最後に貼り合わされた樹脂フィルム上に更に支持部
材を形成し、この支持部材上に接着層を形成して支持部
材上に最上位置の樹脂フィルムを貼り合わせる工程と、
前記最上位置の樹脂フィルム上面に、フォトレジストを
塗布し、マスク露光及び現像を行った後、焼成すること
により表面に微細な多数の凹凸形状を有する樹脂層を形
成する工程と、前記樹脂層上に共通電極を兼ねる反射膜
を成膜する工程と、基板と樹脂フィルムの間の液晶封入
領域、及び樹脂フィルム相互間の液晶封入領域に、液晶
を注入する工程と、を含むことを特徴とする。
【0096】上記構成により、拡散性を有する反射膜を
液晶層上に容易に形成することができる。
【0097】
【発明の実施の形態】(実施の形態1) 本発明の実施の形態1を図1〜図13に基づいて以下説
明する。図1は本発明の液晶表示素子の中央部の一画素
部分の断面図、図2は本発明の液晶表示素子の中央部の
一画素部分の平面図、図3は本発明の液晶表示素子の全
体構成図、図4及び図5は図1の一部拡大断面図、図6
〜図13は液晶表示素子の製造工程を説明するための図
である。なお、図1は図2の矢視A−A断面図である。
また、図1〜図13は、液晶表示素子全体の構成要素を
全て示すものではなく、省略部分がある。また図面は模
式的に表されたものであり、縮尺や各部の数量など、実
際とは異なる部分がある。
【0098】この液晶表示素子は、図1に示すように、
基板1に、それぞれシアン、マゼンタ、イエローのゲス
トホスト液晶21,22,23が充填された3つの液晶
層6,7,8が設けられて構成されている。上記基板1
は、ホウケイ酸ガラスからなり、この基板1上には、駆
動素子としてのアモルファスシリコンから成る薄膜トラ
ンジスタ(以下、TFT素子と称する)2、3、4が形
成されている。また、基板1上には、図3に示すよう
に、画素表示領域45内にマトリックス状に配置された
第1画素電極M1と、複数のソースラインSLと、複数
のゲートラインGLと、画素表示領域45の周辺部46
に配置されソースラインSLに駆動電圧を印加する駆動
回路80と、画素表示領域45の周辺部46に配置され
ゲートラインGLに駆動電圧を印加する駆動回路81と
が、それぞれ設けられている。
【0099】これらTFT素子2、3、4のうちTFT
素子3、4には、インジウム錫酸化物(ITO)の透明
導電膜からなるドレイン端子3a、4aが設けられてい
る。一方、TFT素子2のドレイン端子2aは、透明導
電膜からなる第1画素電極M1と電気的に接続してい
る。基板1上の画素部分には、1辺が5μmの正方形の
遮光膜5が点在している。これらの遮光膜5間のピッチ
は、30μmに設定されている。さらに遮光膜5上に、
図4にも明らかに示すように、支持部材18が形成され
ている。また、図5にも明らかに示すように、TFT素
子3、4上に遮光膜5が形成されており、さらに遮光膜
5上に立体配線用パッド40が形成されている。立体配
線用パッド40は、支持部材としての機能も兼ねてい
る。ここで、遮光膜5は黒のカーボン粒子を含むレジス
トからなる。また支持部材18、及び立体配線用パッド
40は、高さ5μmでポジ形レジストからなる。各支持
部材18及び立体配線用パッド40上には、ポジ形レジ
ストからなる接着層31が形成され、これにより支持部
材18及び立体配線用パッド40上に樹脂フィルム11
が接着している。樹脂フィルム11はポリエステル樹脂
の1種であるポリエチレンテレフタレート(PET)を
主成分とする厚み1.2μmの樹脂フィルムである。樹
脂フィルム11は支持部材18により支持され、基板1
と樹脂フィルム11の間に液晶を封入するための5μm
の均一な間隙を形成している。基板1と樹脂フィルム1
1の間隙には、フッ素系のネマチック液晶の中にシアン
の2色性色素を溶解させたゲストホスト液晶21が封入
されて第1液晶層6を形成している。
【0100】TFT素子3、4のドレイン端子3a、4
aの上方では、立体配線用パッド40および樹脂フィル
ム11に開口24、25が設けられている。樹脂フィル
ム11上の画素部分にはITOの透明導電膜から成る第
2画素電極M2が形成されている。この第2画素電極M
2端部は、図5に明らかに示すように、前記開口24を
通じてTFT素子3のドレイン端子3aまで延在してお
り、第2画素電極M2とTFT素子の端子3aとが電気
的に導通している。このように開口24を通じて樹脂フ
ィルム11上の第2画素電極M2と基板1上のTFT素
子3の端子3aとを導通させることにより、樹脂フィル
ム11上の第2画素電極M2の電位を基板1上のTFT
素子3で制御できる。
【0101】第1液晶層6の上方には、第2液晶層7、
第3液晶層8、樹脂フィルム12、13が交互に積層さ
れ、これにより、基板1上に3層の液晶層6,7,8と
3枚の樹脂フィルム11,12,13が交互に積層され
た構造となっている。そして、第2液晶層7及び第3液
晶層8は、第1液晶層6と基本的には同様な構成であ
り、第2液晶層7に関連して、支持部材19、立体配線
用パッド41及び接着層32が設けられ、第3液晶層8
に関連して、支持部材20、立体配線用パッド42及び
接着層33が設けられている。支持部材19、支持部材
20、及び支持部材18は、同一の材質で、且つ同一形
状である。また、支持部材19及び支持部材20は、支
持部材18の延長線上に位置している。これにより、本
発明者等が先に出願した特願平10−70069号に記
載しているように、支持部材が樹脂フィルムを確実に支
持することが可能となり、支持部材の位置ずれに起因し
た支持部材の変形や、液晶層の破壊等が防止されてい
る。
【0102】また、前記立体配線用パッド41は、立体
配線用パッド40の直上に配置されており、立体配線用
パッド42は、立体配線用パッド41の直上に配置され
ている。また、樹脂フィルム12、13は、樹脂フィル
ム11と同様の材質、及び同様の厚みのものが用いられ
ている。
【0103】また、前記第2液晶層7を構成する液晶2
2は、2色性色素の色がマゼンタであるゲストホスト液
晶であり、第3液晶層8を構成する液晶23は、2色性
色素の色が黄色であるゲストホスト液晶であり、その他
の点に関しては、第1及び第2液晶層7,8共に、第1
液晶層6と同様である。
【0104】TFT素子4のドレイン端子4aの上方に
設けられた立体配線用パッド41および樹脂フィルム1
2には開口25が設けられている。また、樹脂フィルム
12上の画素部分には、透明導電膜から成る第3画素電
極M3が形成されている。この第3画素電極M3は、図
5に明らかに示すように、前記開口25を通じてTFT
素子4のドレイン端子4aとが電気的に導通している。
このような構成により、前述した第2画素電極M2と同
様に、樹脂フィルム12上の第3画素電極M3の電位を
基板1上のTFT素子4で制御できる。
【0105】第3液晶層8の上方の樹脂フィルム13上
には、反射膜を兼ねる共通電極16が設けられている。
共通電極16はアルミニウムからなる。共通電極16上
には、液晶層を外圧等から保護するための保護膜17が
形成されている。保護膜17はアクリル樹脂である。な
お、各液晶層の液晶21、22、23は、色のバランス
を考慮してシアン、マゼンタ、黄色の二色性色素の濃度
をそれぞれで適切に調節したものを封入している。
【0106】また、本実施の形態は、画素部分での開口
率(画素全体の面積に対する支持部材の部分を除く画素
の面積)は97%以上と高く、明るい表示を実現してい
る。
【0107】本発明の液晶表示素子の動作について説明
する。本発明の液晶表示素子は、反射型カラー液晶であ
り、バックライトを有せず、外光を反射させてカラー表
示を得るものである。基板1の液晶層と反対側から入射
した光は、液晶層6、7、8の順に液晶層中を通過し、
反射膜を兼ねる共通電極16で反射されて、液晶層8、
7、6の順に再度通過し、基板1の液晶層と反対側から
見ている観測者に表示を示す。ここで、各液晶層6、
7、8には前述のようにシアン、マゼンタ、黄色の2色
性色素を含むゲストホスト液晶が封入されており、各液
晶層を挟む画素電極間に電圧が印加されない場合には入
射光のうち各色の吸収波長域の光が吸収され、電圧が印
加された場合には光が透過する。このようにして各液晶
層に印加する電圧を制御することにより、光の吸収、透
過を制御し、フルカラー表示を得ることができる。
【0108】次に、本実施の形態における液晶表示素子
の具体的な駆動方法を以下に説明する。第3画素電極M
3には、共通電極16の電位を基準にして、第3液晶層
8に対する画像信号に応じた電圧V3を印加し、第2画
素電極M2には、第3画素電極M3の電位を基準にし
て、第2液晶層7に対する画像信号に応じた電圧V2を
印加し、第1画素電極M1には、第2画素電極M2の電
位を基準にして、第1液晶層6に対する画像信号に応じ
た電圧V1を印加する。即ち、共通電極16の電位を基
準とすれば、各画素電極M3〜M1に、V3、V3+V
2、及びV3+V2+V1の電圧を印加する。これによ
り、各ゲストホスト液晶23,22,21に独立した電
圧を印加することができる。
【0109】また、ゲストホスト液晶23,22,21
の劣化防止のために交流駆動を行う場合には、V1〜V
3を正として、(±V3)、(±V3)+(±V2)、
および(±V3)+(±V2)+(±V1)の電圧を印
加すればよい。さらに、印加電圧の絶対値を小さくして
駆動回路等の出力電圧を低く抑えるためには、互いに隣
り合う第3〜第1液晶層8,7,6で印加電圧の極性を
反転させて、(±V3)、(±V3)−(±V2)、お
よび(±V3)−(±V2)+(±V1)の電圧を印加
すればよい。
【0110】なお、カラー画像表示は減法混色により行
われるので、画像信号がRGB(赤、緑、青)の画像デ
ータで与えられる場合には、補数演算を行ってCMY
(シアン、マゼンタ、イエロー)の画像データに変換
し、これに応じた電圧を印加すればよい。具体的には、
例えば8色表示の場合、与えられたRGBデータが
(1,0,0)であれば、その補数(0,1,1)に応
じた電圧を印加すればよい。
【0111】また、本発明の液晶表示素子においては、
前述したように、樹脂フィルムおよび素子上支持部材に
開口を形成し、この開口を通じて樹脂フィルム上の画素
電極と基板上のTFT素子の端子とを導通させた。この
ようにすることで、各画素電極に印加する電圧を基板1
上のTFT素子により制御できるため、各液晶層間にT
FT素子を有するガラス基板を挟む必要がなく、視差の
ない明るい反射型カラー液晶表示素子を実現することが
できる。尚、本実施の形態では、画素スイッチング素子
として、TFT素子を用いたけれども、本発明はこれに
限定されるものではなく、薄膜ダイオード等を用いても
よい。
【0112】なお、実施の形態1では、樹脂フィルム1
1,12,13の厚みを、それぞれ1.2μmとした。
樹脂フィルムの厚みは、薄いほうが、樹脂フィルムでの
電圧降下が小さく印加電圧を抑えることができるため、
望ましい。しかし、樹脂フィルムの厚みが0.5μmよ
り小さいと樹脂フィルムがしわになりやすく、また破れ
やすくなるなど取り扱いが難しくなり、歩留まりが悪く
なる。そこで、樹脂フィルムは0.5μm以上とするの
が適当である。また、樹脂フィルムの厚みが10μmよ
り大きくなると、液晶層に印加される電圧に比べ樹脂フ
ィルムでの電圧降下が2倍を超えるため、液晶層を動作
させるのに必要な電圧が非常に大きくなる。そこで、樹
脂フィルムは少なくとも10μm以下とするのが望まし
い。以上のように樹脂フィルムの厚みは0.5〜10μ
mの範囲で設定するのがよい。
【0113】また、樹脂フィルムの比抵抗を小さくする
ことにより、樹脂フィルムでの電圧降下を小さくするこ
とができるため、望ましい。液晶は、配向方向によって
比誘電率が異なり、一般的な誘電異方性が正の液晶で
は、電極間に電圧を印加すると分子が電極に垂直に配向
し、比誘電率が高くなる。特に、動作電圧が小さい液晶
材料では、比誘電率がε⊥=4程度に対し、ε//=11
程度となり、この差が大きくなる傾向にある。樹脂フィ
ルムを構成するポリエステル樹脂の比誘電率は、およそ
3であるため、電圧印加により液晶の比誘電率が高くな
ると、液晶に比べて誘電率が小さい樹脂フィルムに多く
の電圧が分圧され、液晶に印加される電圧が小さくなる
という課題が生じるおそれがある。そこで、樹脂フィル
ムの比抵抗を小さくすると、特に電圧印加時における樹
脂フィルムでの電圧降下を小さくすることができる。樹
脂フィルムの素材であるポリエステル樹脂は、通常10
14から1016の比抵抗を有している。比抵抗を低下させ
た場合、比抵抗が1012程度までは樹脂フィルムの分圧
比の変化はわずかであり、比抵抗を小さくすることによ
る効果が小さいが、およそ1010より小さい範囲におい
ては、樹脂フィルムの分圧比が小さくなる。そして比抵
抗を1010以下とすることにより、樹脂フィルムの厚み
が0.5〜10μmの場合に、樹脂フィルムでの電圧降
下を電極間に印加する電圧のおよそ半分以下にすること
ができる。このようなことから、樹脂フィルムの比抵抗
は1010以下が好適である。
【0114】樹脂フィルムの比抵抗を小さくする方法と
しては、たとえば酸化ジルコニウムや、有機導電体など
導電性をわずかに高める物質を樹脂フィルム中に混入ま
たはドーピングすればよい。
【0115】また実施の形態1では、樹脂フィルム1
1,12,13の材質をポリエステル樹脂の一種である
PET(ポリエチレンテレフタレート)とすることによ
り、前記のように樹脂フィルムの厚みを0.5〜10μ
mとした場合でも、樹脂フィルムに必要な強度を付与す
ることができる。後述の貼り合わせの工程において、ラ
ミネータを通過させた際にローラーの圧力による破断が
起こりにくく、製造の歩留まりを向上させることができ
る。また、PETは後述の貼り合わせの工程における加
熱の温度(150℃)では、可塑化が起こりにくい。こ
のため、従来技術のように樹脂フィルムが支持部材に沿
って変形し、液晶を封入するための間隙が狭くなること
がなく、平滑に樹脂フィルムを接着できる。また、ポリ
エステル樹脂は透明であり、可視光波長域での光の減衰
が小さいため、液晶表示素子として明るい表示を実現す
ることができる。ポリエステル樹脂には、実施の形態1
で使用したPET以外にも、ポリエチレンナフタレート
(PEN)などの種類があり、これらを使用してもよ
い。
【0116】また実施の形態1では、画素部分に断面が
四角形の支持部材を分布させて設けている。画素範囲の
中で支持部材の占める面積は、小さいほど液晶表示素子
の開口率が高まり、明るい表示を実現することができ
る。したがって、表示の面では支持部材の幅、すなわ
ち、支持部材の四角形状の一辺の長さはできるだけ小さ
く、また支持部材と隣の支持部材との間隔はできるだけ
長くするほうが望ましい。しかし、支持部材の幅が小さ
いと、後述のように基板上に樹脂フィルムを貼り合わせ
る工程で、支持部材が押しつぶされて破壊されるため、
各液晶層の間隙が小さくなって液晶が注入できなくな
り、製造の歩留まりを低下させる原因となる。支持部材
のポジ形レジストを充分に硬化させた場合には、支持部
材の幅を支持部材の高さよりも大きくすることにより、
前述のような支持部材の破壊を回避することができる。
実施の形態1では、支持部材の高さを5μmとしている
ため、支持部材の幅を5μm以上とすることで、支持部
材が破壊されず、歩留まりの低下を抑えることができ
る。
【0117】また、実施の形態1では画素部分の範囲内
に存在する支持部材の間隔を25μm(支持部材の一辺
5μm、30μmピッチ)とした。ここで、支持部材の
間隔が大きいと、支持部材と支持部材の間で樹脂フィル
ムがたるみ、基板と樹脂フィルム、または樹脂フィルム
どうしの間隔を維持できず、色ムラやコントラスト比低
下の原因となる。そこで、支持部材と支持部材との間隔
を100μm以下とすることにより、樹脂フィルムのた
るみが小さく、基板と樹脂フィルムの間隙を保つことが
できる。こうすることにより、液晶層の厚みが保たれ、
色ムラや、ギャップ不足によるコントラスト比の低下を
防止することができる。
【0118】また、実施の形態1では樹脂フィルム11
〜13の光学異方性の方向、すなわち樹脂フィルムの遅
相軸の方向をすべて一致させている。樹脂フィルムの光
学異方性は、各樹脂フィルムの遅相軸、すなわち樹脂フ
ィルムを製造する際の延伸方向に沿って現れるため、基
板上に積層した複数の樹脂フィルムの遅相軸の方向を異
ならせた場合、光が樹脂フィルムで吸収され液晶表示素
子の明るさが低下する場合があった。そこで、樹脂フィ
ルムの遅相軸の方向をすべて同じにすることにより、樹
脂フィルムの光学異方性に起因する光の減衰がなく明る
い表示を実現することができる。
【0119】次に上記液晶表示素子の製造方法について
図6〜図13を用いて説明する。なお、以下の工程は、
ポジ型レジストなどの感光性材料が感光しない長波長の
光で照明された部屋(イエロールーム)で行う。
【0120】(1)まず、図6(a)に示すように、T
FT素子2、3、4を形成した基板1上にITOの透明
導電膜をスパッタ成膜したのち、フォトリソグラフィー
およびエッチングにより、TFT素子3、4のドレイン
端子3a、4aおよび第1画素電極M1をパターニング
する。同時に、前記透明導電膜により画素周辺のソース
線およびゲート線を形成する。
【0121】次に、遮光膜5を形成する工程を実施し
た。カーボンを含んだネガ形レジストを基板1上に塗布
し、支持部材18および立体配線用パッド40を設ける
箇所のみに前記レジストが残るようにマスク露光および
現像を行い、図6(b)のように遮光膜5を形成する。
なお、遮光膜5としては、アルミニウムなどの金属薄膜
を成膜し、フォトリソグラフィーおよびエッチングによ
り形成してもよい。
【0122】(2)次に、支持部材18を形成する工程
を実施する。まず、遮光膜5を形成した基板1上に第1
のポジ形レジストをスピンコートにより塗布し、プリベ
ークする。次に基板1側から紫外線を露光することによ
り、遮光膜5をフォトマスクとして、支持部材18およ
び立体配線用パッド40を形成する箇所以外を露光す
る。露光後、ポジ形レジストの現像液で現像し、ポスト
ベークで硬化することにより、図7(a)に示すように
遮光膜5上に支持部材18、立体配線用パッド40を形
成することができる。
【0123】(3)次に、支持部材18上に接着層を形
成する工程を実施する。図7(a)のように支持部材1
8を形成した基板1上に接着層31となる第2のポジ形
レジストをスピンコートにより塗布し、プリベークす
る。次に(2)の工程と同様に基板1側から遮光膜5を
フォトマスクとして紫外線を露光し、第2のポジ形レジ
ストの現像液で現像することにより、図7(b)のよう
に支持部材18、立体配線用パッド40上に約1μmの
接着層31を形成する。(2)、(3)の工程のよう
に、基板1上の遮光膜5をフォトマスクとして基板の背
面から露光することにより、支持部材18、立体配線用
パッド40上にのみ容易に接着層31を形成できる。こ
こで、通常のマスク露光の工程により、支持部材上にの
み接着層を形成する場合には、基板上の支持部材と接着
層のフォトマスクの位置合わせの工程が必要となるが、
平面形状の一辺が本発明のように小さい支持部材の上で
は数μmの位置ずれで支持部材上の接着面積が小さくな
るため、マスク位置合わせに極めて高い精度が必要とな
り、位置ずれによる歩留まり低下の原因となった。
(3)の工程のように遮光膜をフォトマスクとした基板
の背面からの露光により、このような不具合がなく、精
度よくかつ容易に支持部材18上に接着層31を形成す
ることができる。
【0124】また、接着層31に使用する第2のポジ形
レジストは、現像後の加熱工程(ポストベークの工程)
で、熱可塑性を発現したのちに硬化する性質を有する材
料を使用する。本例では、接着層31(接着層32,3
3も同様)の熱可塑性を発現するポストベークの温度
が、支持部材18(支持部材19,20も同様)および
樹脂フィルム11(樹脂フィルム12,13も同様)が
熱可塑性を発現する温度よりも低い150℃の材料を使
用する。また、支持部材18(支持部材19,20も同
様)はすでに硬化しており、再度の加熱時には熱可塑性
を発現しない。このようにすることで、後述の貼り合わ
せの工程で、接着層31,32,33のみに熱可塑性を
発現させて支持部材18,19,20と樹脂フィルム1
1,12,13を接着できるとともに、従来技術の項で
説明したように樹脂フィルムがたわんで基板の間隙が狭
くなるという課題を改善でき、支持部材18,19,2
0上に樹脂フィルム11,12,13を平滑に貼り合わ
せることができる。
【0125】なお、本発明における樹脂フィルムおよび
支持部材は、上記の例に限定されるものではない。即
ち、樹脂フィルムは、熱可塑性を有さない材料または接
着層よりも熱可塑性を発現する温度が高い熱可塑性を有
する材料のいずれかであればよい。また、支持部材は、
熱可塑性を有さない材料または接着層よりも熱可塑性を
発現する温度が高い熱可塑性を有する材料または接着処
理の前に硬化処理されるもののいずれかであればよい。
このような樹脂フィルムと支持部材の組み合わせで、且
つ接着層が熱可塑性を有することにより、樹脂フィルム
が支持部材に沿って変形したり支持部材が破壊したりす
ることなく、支持部材と樹脂フィルムとを接着させるこ
とが可能となる。
【0126】また、通常の液晶表示素子はギャップから
液晶が流出するのを防ぐために、表示部分周辺にシール
材を塗布し、ギャップを封止することが行われる。本発
明では、シール材を塗布する代わりに、(3)の接着層
31を形成する工程において、図12のように、支持部
材18の上だけでなく、支持部材18が設けられていな
い表示領域周辺部46(図12の破線44の外側)の基
板1上にも接着層31を形成する。こうすることで、後
の貼り合わせの工程で、表示領域周辺部46において基
板1と樹脂フィルム11を隙間なく接着させることがで
きる。表示領域周辺部46の接着層31は、(3)の工
程の露光の際に、表示領域周辺部46を遮光するフォト
マスクを基板側に配置することにより、現像後に表示領
域周辺部46の接着層31が取り除かれずに残る。この
工程により、シール材の塗布など封止のための別の工程
が不必要となるため、工程を簡略化できる。
【0127】ここで、表示領域周辺部46の全周に接着
層31を形成すると、樹脂フィルム11を貼り合わせた
後の加熱または真空引きを伴う工程で、基板1と樹脂フ
ィルム11の間隙に密閉された空気が膨張して樹脂フィ
ルム11が破裂したり、支持部材18と樹脂フィルム1
1との接着がはがれてしまうという課題が発生するおそ
れがある。そこで、間隙中の空気を外部と通気させるた
めの通気口を設けることが必要である。実施の形態1で
は通気口を設けるために、(3)の接着層を形成する工
程において、表示領域周辺部46のうち一部を遮光せ
ず、他を遮光するフォトマスクを用いて露光することに
より、表示領域周辺部46に接着層31を形成しない部
分34’(図12,図14参照)を設けた。後の貼り合
わせ工程では、この部分34’は基板1と樹脂フィルム
11が接着されないため、通気口34とすることができ
る。なお、通気口34は、図12に示すように、外部に
開口した第1通路34aと、第1通路34aに連通し且
つ第1通路34aよりも通路断面が大きい第2通路34
bとから構成されている。このようにすると、樹脂フィ
ルム11の破裂などの課題が未然に防止できるととも
に、通気口34を形成する工程が、接着層31を形成す
る工程に含まれるため、余分な工程が不必要であり、容
易に通気口34を形成することができる。
【0128】(4)次に、支持部材18を形成した基板
1上に樹脂フィルム11を貼り合わせる工程を実施す
る。この様子を図8に示す。図8のように基板1上の支
持部材18、接着層31を形成した側に、PETを主成
分とする樹脂フィルム11を重ね合わせ、ラミネータの
ローラー26、27の間を通過させる。このときラミネ
ータのローラー26、27のうち少なくとも一方、望ま
しくは樹脂フィルムに接するローラー26の表面を、接
着層31が熱可塑性を発現する150℃に設定する。ロ
ーラーは、基板1に均一に10MPaの押力が加わるよ
うに、ローラー26、27どうしを挟み、ローラーを周
速度10mm/秒の速さで回転させる。このように、支
持部材18、接着層31を設けた基板1と樹脂フィルム
11とを重ね合わせて、ラミネータのローラー26、2
7間を通過させることにより接着層31が樹脂フィルム
11と熱接合し、支持部材18と樹脂フィルム11とが
接着する。このときのローラーの温度では支持部材18
および樹脂フィルム11は可塑化しないため、樹脂フィ
ルムが支持部材に沿って変形したり支持部材が破壊した
りすることがなく、図9(a)のように、支持部材18
の高さに相当する間隙を維持しながら樹脂フィルム11
を容易に貼り合わせることができる。次に樹脂フィルム
11を貼り合わせた基板1を焼成して接着層31を硬化
させ、支持部材18と樹脂フィルム11とを強固に接着
させる。焼成温度は、少なくとも接着層31が硬化する
温度よりも高い必要があるが、樹脂フィルム11がわず
かな熱収縮を起こす温度とすることで、支持部材と支持
部材との間の樹脂フィルムのたるみを小さくして、樹脂
フィルムをより平坦な状態に貼り合わせることができ
る。本実施の形態で用いた1.2μmの厚みのPETの
樹脂フィルムの場合には、200℃〜220℃が好適な
焼成温度である。
【0129】以上の工程により、基板1と樹脂フィルム
11の間隙を保ったまま支持部材18上で樹脂フィルム
11を強固に接着させることができ、製造の歩留まりを
高めることができる。また、従来例のように樹脂フィル
ムを離型する工程や固形膜を気化させる工程が不必要と
なり、従来に比べ簡便かつ容易に樹脂フィルムを貼り合
わせることができる。
【0130】ここで、(4)の貼り合わせの工程では、
ラミネータのローラー26、27の間に基板1と樹脂フ
ィルム11を通過させるため、このときに樹脂フィルム
が折り重なったりしわが寄ると、樹脂フィルム11が基
板1上に平滑に接着できず、表示のムラや欠陥の原因と
なるという課題が生じた。特に本発明は樹脂フィルム1
1が薄いためにしわが寄りやすく、歩留まりを低下させ
る原因となった。そこで、樹脂フィルム11を図8の矢
印Bの方向に均一に引っ張ってしわを伸ばしながらロー
ラー26、27間を通過させる。こうすることで、樹脂
フィルム11を平滑な状態として基板上1に貼り合わせ
ることができる。
【0131】また、ラミネータのローラーは弾性を有す
る材質(ゴムなど)が一般的であるが、本発明の工程
で、樹脂フィルム側のローラー26として弾性を有する
材料を使用した場合には、(4)の工程で基板1と樹脂
フィルム11を重ねて通過させたときに、ローラー26
の押圧により支持部材18がローラー26に食い込み、
樹脂フィルム11が基板1側に塑性変形してたわみ、間
隙が維持されないという課題が生じるおそれがある。そ
こで、ローラー26を、押圧時の食い込みが樹脂フィル
ムの弾性変形より小さくなるような硬度を有する剛体、
たとえば、ステンレススチールなどで構成することによ
り、支持部材18が食い込んで樹脂フィルムが変形する
ことがなく、樹脂フィルムが平滑な状態で支持部材上に
接着し、液晶を封入する間隙の厚みを均一にすることが
できる。
【0132】また、(4)の工程で表示領域周辺部46
で接着層31を形成しなかった箇所は、樹脂フィルム1
1を貼り合わせることにより、図12のように通気口3
4が設けられる。これにより、前述のように加熱または
真空引きを伴う工程における樹脂フィルムの破裂などの
不具合は未然に防止できる。しかし、樹脂フィルム上の
支持部材形成の際に基板をレジスト現像液に浸漬する工
程や、樹脂フィルム上の透明導電膜をパターニングする
ためにエッチング液に浸漬する工程において、通気口か
ら溶液が間隙内に浸入するという新たな課題が発生する
おそれがある。通気口34から間隙に溶液が浸入する
と、間隙がごく狭いために、浸入した溶液を排除するこ
とが困難となったり、溶液中の成分が間隙内に残留する
などして、液晶が間隙に注入できなくなる原因となっ
た。
【0133】(5)これを解決する方法として、通気口
34の第1通路34a付近の基板1と樹脂フィルム11
との間隙の表面張力を低下させる工程を実施した。表面
張力を低下させる処理としては、通気口34の第1通路
34a付近の基板1または樹脂フィルム11の表面にフ
ッ素系コート剤90(図14参照)を被覆する。表面処
理をしない場合には、PET表面での水の接触角は約7
0度であり水などの溶液が間隙に浸入するが、前記処理
によって接触角を90度以上とすることで、図15のよ
うに間隙に溶液が浸入せず、この課題の発生を未然に防
止できる。また、この方法によれば、加熱または真空引
きの工程と溶液に浸漬する工程とを繰り返す際に、通気
口の開口と閉口を繰り返す必要がないため、製造工程を
簡素化できる。
【0134】(6)次に、基板1上に貼り合わせた樹脂
フィルム11に、開口24,25を形成する工程を実施
した。開口24,25は、前述のように樹脂フィルム上
の画素電極と基板上のTFT素子のドレイン端子とを電
気的に接続するための開口である。図9(a)に示す樹
脂フィルム11の外側に、第3のポジ形レジスト28を
スピンコートにより塗布し、プリベークした。次に、開
口24,25を形成する部分にのみ光を照射するフォト
マスクを用いてマスク露光し、現像液で現像することに
より、図9(b)のように前記レジスト膜28のうち開
口24、25を形成する部分を除去し、樹脂フィルム1
1上に3μmのレジスト膜28を形成した。次に、リア
クティブイオンエッチング(RIE)により開口を形成
する部分の樹脂フィルム11を除去し、図10(a)の
ように、樹脂フィルム11に開口24、25を形成し
た。RIEは酸素イオンを一方向に加速して樹脂フィル
ム表面に衝突させることにより樹脂フィルムの樹脂分子
を分解・気化させてエッチングするものであり、PET
を主成分とする樹脂フィルム11は、RIEにより0.
3μm/分の速さで分解、除去される。一方、前記レジ
スト膜28の主成分はアクリル樹脂であり、前記樹脂フ
ィルム同様0.3μm/分の速さで分解、除去される。
この例では、5分間のRIE処理により、開口24、2
5の部分の樹脂フィルム11を除去する一方、前記レジ
スト膜28は1.5μmの厚みが除去されずに残り、開
口24、25以外の部分では、前記レジスト膜28が樹
脂フィルム11を保護した。この後、前記レジスト膜2
8を剥離して、図10(b)のように樹脂フィルム11
に開口24、25を形成した。このようにリアクティブ
イオンエッチングによって開口を形成することができ、
PET等有機溶剤や酸に対して耐性のある樹脂フィルム
に開口を形成することができる。
【0135】なお、樹脂フィルムに開口を形成する方法
は、リアクティブイオンエッチング以外に、プラズマ灰
化装置(プラズマアッシャー)などを用いてもよい。
【0136】(7)次に、樹脂フィルム11上に画素電
極を形成する工程を実施する。この様子を図11(a)
に示す。第2画素電極M2は透明導電膜であるITOを
スパッタ製膜し、約0.1μmの厚みとする。このと
き、樹脂フィルム11に設けた開口24、25にもIT
Oが製膜され、基板1上のTFT素子3、4のドレイン
端子3a、4aと樹脂フィルム11上の第2画素電極M
2を電気的に接続することができる。次に、画素部分お
よび開口の部分をレジストで覆い、それ以外のITOを
エッチングにより除去したのちレジストを剥離して第2
画素電極M2の形状にITOをパターニングする。これ
により、第2画素電極M2の電位を基板1上のTFT素
子3で制御することが可能となる。
【0137】(8)次に、第2液晶層7を形成する。第
2液晶層7を形成する工程は、前記(2)〜(7)の工
程を繰り返して形成する。まず、(2)の工程により、
樹脂フィルム11上に支持部材19を形成したのち、
(3)の工程で支持部材19上に接着層32を形成す
る。(2)(3)と同様に、(1)の工程で形成した遮
光膜5をフォトマスクとして、基板1側から露光するこ
とにより、第1液晶層6の支持部材18、接着層31と
同じ位置に第2液晶層7の支持部材19、接着層32を
容易に形成できる。次に(4)の工程により支持部材1
9と樹脂フィルム12とを貼り合わせて、樹脂フィルム
11と樹脂フィルム12の間に液晶を封入するための間
隙を形成する。このとき、樹脂フィルム12の遅相軸の
方向は樹脂フィルム11の遅相軸と同じになるようにす
る。さらに、(5)の工程で第2液晶層7の間隙に通じ
る通気口35(図13、図16参照)の第1通路35a
付近の表面張力を低くする処理を施す。なお、通気口3
5は、図13に示すように、通気口34と同様な構成で
あり、外部に開口した第1通路35aと、第1通路35
aに連通し且つ第1通路35aよりも通路断面が大きい
第2通路35bとから構成されている。
【0138】次に、(6)の工程で、基板上のTFT素
子4のドレイン端子4aの上方の樹脂フィルム12に開
口25を形成したのち、(7)の工程で、第3画素電極
M3を形成し、第3画素電極M3をドレイン端子4aと
導通させる。このようにして、図11(b)のように、
第2液晶層7を構成するための間隙、樹脂フィルム1
2、第3画素電極M3を形成した。
【0139】(9)次に、第3液晶層8を形成する。第
3液晶層8を形成する工程は、前記(2)〜(5)の工
程を繰り返して形成する。まず、(2)(3)の工程に
より、樹脂フィルム12上の第2液晶層の支持部材19
と同じ位置に、支持部材20、接着層33を設けた。次
に(4)の工程により支持部材20と樹脂フィルム13
とを貼り合わせて、樹脂フィルム12、13の間に液晶
を封入する間隙を形成する。樹脂フィルム13の遅相軸
の方向は、樹脂フィルム11、12と同じ方向とする。
次に(5)の工程で第3液晶層8の間隙に通じる通気口
36(図13、図17参照)の第1通路36a付近の表
面張力を低くする処理を施す。なお、通気口36は、図
13に示すように、通気口34と同様な構成であり、外
部に開口した第1通路36aと、第1通路36aに連通
し且つ第1通路36aよりも通路断面が大きい第2通路
36bとから構成されている。また、前記通気口34〜
36の位置は、図13に示すように、それぞれ異なる位
置に形成する。
【0140】(10)次に、樹脂フィルム13上に共通
電極16を形成する工程を実施する。共通電極は、反射
板を兼ねるものでありアルミニウム蒸着により0.1μ
mの厚みに成膜する。
【0141】(11)さらに共通電極16を形成した樹
脂フィルム13の上にアクリル樹脂からなる保護膜17
を形成する工程を実施する。
【0142】(12)次に、液晶を真空注入する工程を
実施する。まず、基板1および樹脂フィルム11、1
2、13を図13のC―Cの線で割断することにより、
表面張力を低下させた部分である第1通路34a、35
a、36aを取り除き、第2通路34b、35b、36
bを液晶の注入口として機能させる。次に、上記基板上
に樹脂フィルムが積層された構造体を、シアン、マゼン
タ、黄色の各色の2色性色素を溶解したゲストホスト液
晶を入れた3個の液晶溜めと共に、真空注入機中に入れ
る。そして、真空引きしたのち各液晶層の第2通路34
b、35b、36bを各液晶溜めの液晶液面に接触させ
ることにより、3層の液晶層の間隙に各色に対応したゲ
ストホスト液晶を真空注入する。各間隙にすべて液晶が
注入された後、基板を真空注入機から取り出し、3つの
第2通路34b、35b、36bを紫外線硬化樹脂を用
いて封止する。以上により、第1〜第3液晶層6〜8の
間隙に液晶21〜23を封入することができる。
【0143】以上の工程により、図1に示す液晶表示素
子を製造することができる。これにより、極めて薄い樹
脂フィルムを支持部材上に容易に接着でき、基板上と樹
脂フィルムの間隙に液晶を封入して液晶表示素子を形成
することにより、液晶の占める割合を高くして実質的な
開口率を高め、高いコントラスト比と明るい表示を実現
することができた。また、樹脂フィルムの厚みも小さい
ので、液晶表示素子を低電圧で駆動することができ、し
かもガラス基板が不要となるので、視差のない明るい表
示を実現することができた。なお、実施の形態1では支
持部材、接着層としてポジ形のフォトレジストを用いた
が、ネガ形レジストを用いて支持部材、接着層を形成し
てもよい。この場合、基板と支持部材の間に遮光膜を設
ける代わりに、支持部材を設けない部分に反射膜が設
け、これをマスクとして支持部材、接着層を形成する。
また、基板上に反射膜を形成するため、最上層の樹脂フ
ィルム上の共通電極としては、透明導電膜を形成するも
のとする。
【0144】(実施の形態2) 実施の形態1では、接着層は支持部材の上にのみ形成す
る接着層形成工程を実施したが、接着層形成工程とし
て、樹脂フィルムにあらかじめ接着層を被覆する工程を
実施することにより、これを接着層として用いることも
できる。この場合、樹脂フィルムの製造時に接着層を形
成でき、支持部材上への接着層形成工程も必要ないの
で、製造工程を簡略化できる。貼り合わせの工程におい
ては、樹脂フィルムのうち接着層を設けた面を基板上の
支持部材と接する側として基板と樹脂フィルムとを貼り
合わせる。なお、接着層は樹脂フィルムの両面に設けて
もよい。
【0145】樹脂フィルム上の接着層は、ポリエステル
樹脂からなる樹脂フィルムの上に、ポリエステル樹脂よ
りも低い温度で熱可塑性を有するポリエチレン樹脂、ポ
ウレタン樹脂などを主成分とする樹脂を薄く塗膜して形
成する。ここで、接着層の厚みは樹脂フィルムの厚みに
対し、5分の1〜10分の1の厚みとした。このように
接着層の厚みを薄くすることにより、接着層での電圧降
下を抑えることができる。
【0146】このように薄い接着層を形成する方法は次
の通りである。数μm程度の厚みの樹脂フィルムは、延
伸により薄膜化するが、延伸前に接着層をなす樹脂を樹
脂フィルムに塗布し、その後延伸する。このようにする
ことで、延伸前の樹脂フィルムと接着層の厚みと同じ割
合で樹脂フィルムおよび接着層が薄膜化されるため、非
常に薄く、均一な接着層を形成できる。
【0147】(実施の形態3) また、実施の形態1では、表示部分の周辺に樹脂フィル
ムと基板との間隙の気体と外とを通気させるために通気
口34〜36を設け、通気口の第1通路34a〜36a
付近の表面張力を低下させることにより通気口からの溶
液の浸入のおそれを未然に防止した。このような方法で
はなく、表示部分の周辺を封止し、通気口を閉口するこ
とでも、溶液の浸入を防ぐこともできる。この場合、加
熱や真空引きを伴う工程においては、間隙の気体が膨張
し樹脂フィルムが破断する場合があるため、この工程の
前に、封止した表示部分の一部を貫通させて通気口を設
ける。加熱や真空引きを伴う工程ののち、溶液に浸漬す
る工程の前には、この通気口を閉口する。通気口を設け
る箇所は、表示部分の周辺の画素以外の部分とし、通気
口はレーザー光を用いて直径50μmの穴を樹脂フィル
ムに開けて形成する。通気口の閉口は、200℃程度に
加熱したコテ先を通気口に押さえつけ、樹脂フィルムの
熱接合により閉口する。
【0148】なお、3層の液晶層を形成するためには、
通気口の開口、閉口の工程を複数回繰り返す必要がある
ため、1回ずつ形成する場所を変えて通気口を設けた。
このようにすることで、実施の形態1と同様に液晶表示
素子を形成することができる。また、通気口の閉口方法
として、粘着性を有するテープを用いてもよい。この場
合、通気口の閉口、開口の工程を繰り返すごとにテープ
の着脱を行うことにより、実施の形態1と同様の効果を
得ることができる。なお、閉口するためのテープは、基
板を浸漬する溶液に対して耐性を有するものを用い、ま
た粘着性が比較的小さいものが好適である。
【0149】(実施の形態4) また実施の形態1、3では、通気口を設けることによ
り、間隙の気体と外とを通気させた。このような方法で
はなく、実施の形態4では、樹脂フィルム11〜13と
して通気性を有するものを用いた。これにより、加熱や
真空引きを伴う工程においても樹脂フィルムを通して間
隙の空気が出入りするため、通気性を有しない場合に発
生する気体の膨張による樹脂フィルムの破断などの不具
合を未然に防止することができ、また溶液に浸漬する工
程においては、溶液の間隙への浸入を防ぐことができ
る。したがって、実施の形態1、3のように通気口を設
ける工程を省略することができる。また、通気性の樹脂
フィルムの使用と、実施の形態1、3の通気口の形成と
の両方の対策を施すことで、間隙の空気の通気がより円
滑に行われ、樹脂フィルムの破れなどを防止する効果が
大きくなる。なお、通気性、透湿性を有する樹脂フィル
ムを用いた場合、液晶表示素子を製造後、樹脂フィルム
を通じて空気中の酸素または水分がギャップ内に入り、
液晶の保持率を低下させて表示性能が悪くなる場合があ
る。ここで実施の形態1のように、最上層の樹脂フィル
ムの上に共通電極としてアルミニウムを蒸着すれば、共
通電極が遮蔽膜となって酸素または水分の浸入を防ぐこ
とができ、別途遮蔽膜を設ける必要がなく工程が簡略化
できる。なお、樹脂フィルムが液晶表示素子の表面に露
出する箇所がある場合には、表示性能の低下を防ぐため
に通気性を有さず且つ透湿性を有さない遮蔽膜を最上位
置の樹脂フィルム13上に形成する必要がある。
【0150】(実施の形態5) また実施の形態1では、最上位置の樹脂フィルム13上
に共通電極を兼ねた反射膜16を形成することにより反
射板を形成した。この方法では、平坦な樹脂フィルム上
に反射膜を形成するため、光の反射特性が鏡面性を有す
るものとなる。反射膜が鏡面性を有する場合、光源が反
射膜に映り込んで表示が見づらく、映り込みのない角度
から表示素子を見たときには、表示が暗いという課題を
有している。このため、反射膜の表面に微細な凹凸形状
を設けることにより反射特性を拡散性とした反射膜を有
する液晶表示素子が、従来提案されている(特開平4−
243226)。この方法は、基板上に微細な凹凸形状
を有する樹脂層を設け、樹脂層上に反射膜を形成するこ
とで、拡散性を持たせたものである。ここで、本発明の
実施の形態1の構成において、従来技術と同様に基板上
に凹凸形状を有する反射膜を設けた場合、(1)基板上
の凹凸のため反射膜と樹脂フィルムとの間隙を一定に保
つことができない、(2)支持部材と接着層を形成する
ために背面露光を実施する際、反射膜によって光が遮光
されるため、実施の形態1のようにポジ形フォトレジス
トを用いて支持部材と接着層を同じ位置に設けることが
できない、という新たな課題が生じるおそれがある。
【0151】そこで、本発明の実施の形態5は、図18
のように、積層された液晶層のうち最も外側の液晶層
上、すなわち最上位置の樹脂フィルム13の上に、表面
に微細な多数の凹凸形状を有する樹脂層50を設け、樹
脂層50上に反射膜51を形成した。ここで、前記樹脂
層50は、透明なポジ形フォトレジストを用い、反射膜
51は、アルミニウム蒸着により成膜した。この構成に
より、液晶層上に拡散性を有する反射膜を形成すること
ができ、表示を見やすくするとともに、上記の課題を解
決することができた。本発明は、凹凸形状を有する反射
膜の樹脂層側の面を反射面として用いることが従来技術
と相違し、樹脂層での光の吸収が大きいと、表示が暗く
なる。このため、前述のように樹脂層50は透明な材料
である必要がある。
【0152】また、本実施の形態5では、反射膜が共通
電極を兼ねる構成としたが、電極間に電圧を印加する
際、樹脂層で電圧降下し、液晶層に加わる電圧が低くな
る。これを回避するため、樹脂フィルム13と樹脂層5
0との間に透明な共通電極を設ける構成としてもよい。
なお、この場合には、共通電極で光が吸収されて表示の
明るさがやや暗くなる場合がある。
【0153】次に、本実施の形態の製造工程について、
実施の形態1と重複する部分は省略し、異なる部分のみ
説明する。実施の形態1の製造方法の工程の説明で示し
た項目のうち、(1)〜(9)までを同様に実施し、
(10)の反射膜を形成する工程のみを次のように変更
する。樹脂フィルム13上にポジ型のフォトレジストを
1μmの厚みに塗布する。次に、図19に示すように多
数の微小な円形穴52を有するフォトマスク53を用い
て、マスク露光および現像を行い、パターニングを実施
する。その後、レジストを透明化させるため全面露光を
実施する。次に、基板を200℃のオーブン中で焼成す
る。フォトレジストとしては、焼成時に熱垂れを起こす
材料を用いることにより、樹脂層表面の凸部が図20の
実線54から仮想線55のように丸く変形し、微小な凹
凸面が形成される。次に、樹脂層の表面に、アルミニウ
ム蒸着により0.1μmの反射膜51を形成する。次
に、実施の形態1の製造工程の(12)と同様の工程
で、液晶の注入を実施し、図18の液晶表示素子を完成
した。なお、実施の形態1と同様に(11)の工程を実
施し、反射膜上に保護膜を形成してもよい。
【0154】以上のようにして、液晶層上に拡散性を有
する反射膜を形成することができ、表示を見やすくする
ことができる。
【0155】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、樹脂フィ
ルムと基板との間、または樹脂フィルムどうしの間に液
晶を封入するための間隙を形成し、間隙に液晶を封入し
て液晶表示素子を形成することにより、液晶層を積層す
ることによる視差に起因した色ずれがなく、明るく、高
コントラスト比の液晶表示素子を実現することができ
る。
【0156】また、封止膜として樹脂フィルムを使用
し、この樹脂フィルムを支持部材に接着層を介して接着
するようにしたので、製造工程を簡素化し、製造の歩留
まりを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1に係る液晶表示素子の中央部の一
画素部分の断面図である。
【図2】実施の形態1に係る液晶表示素子の中央部の一
画素部分の平面図である。
【図3】実施の形態1に係る液晶表示素子の全体構成図
である。
【図4】図1の一部拡大断面図である。
【図5】図1の一部拡大断面図である。
【図6】実施の形態1の液晶表示素子の製造工程を示す
説明図である。
【図7】実施の形態1の液晶表示素子の製造工程を示す
説明図である。
【図8】実施の形態1の液晶表示素子の製造工程を示す
説明図である。
【図9】実施の形態1の液晶表示素子の製造工程を示す
説明図である。
【図10】実施の形態1の液晶表示素子の製造工程を示
す説明図である。
【図11】実施の形態1の液晶表示素子の製造工程を示
す説明図である。
【図12】実施の形態1の液晶表示素子の製造工程を示
す説明図である。
【図13】実施の形態1の液晶表示素子の製造工程を示
す説明図である。
【図14】通気口34付近の断面図である。
【図15】通気口に施された表面張力低下処理による溶
液の浸入防止の状態を示す図である。
【図16】通気口35付近の断面図である。
【図17】通気口36付近の断面図である。
【図18】実施の形態5に係る液晶表示素子の中央部の
一画素部分の断面図である。
【図19】マスク53の部分平面図である。
【図20】樹脂層50の表面変化を示す図である。
【図21】従来の液晶表示素子の説明図である。
【符号の説明】
1 :基板 2,3,4:TFT素子 2a:TFT素子2のドレイン端子 3a:TFT素子3のドレイン端子 4a:TFT素子4のドレイン端子 5:遮光膜 6:第1液晶層 7:第2液晶層 8:第3液晶層 11,12,13:樹脂フィルム 16:共通電極 18,19,20:支持部材 21,22,23:液晶 24,25:開口 26,27:ローラー 28:レジスト膜 31,32,33:接着層 34,35,36:通気口 40,41,42:立体配線用パッド M1:第1画素電極 M2:第2画素電極 M3:第3画素電極 50:樹脂層 51:反射膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柄沢 武 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 山添 博司 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭55−53316(JP,A) 特開 平8−313939(JP,A) 特開 平8−328031(JP,A) 実開 平5−81829(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/1333 G02F 1/1335 G02F 1/1339 G02F 1/1347

Claims (31)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面に画素電極及び該画素電極に接続さ
    れた駆動素子が形成された透明な基板と、この基板の上
    方に配置された複数の樹脂フィルムであって、最上位置
    の樹脂フィルムの上面には共通電極が形成され、その他
    の樹脂フィルムの上面には画素電極が形成されている、
    そのような複数の樹脂フィルムと、基板と樹脂フィルム
    間並びに樹脂フィルム相互間にそれぞれ多数の柱状支持
    部材が介在して形成された各間隙内に液晶が封入されて
    構成された複数の液晶層とを有し、前記基板の上面には
    前記各樹脂フィルム上の画素電極にそれぞれ対応した駆
    動素子が備えられており、この樹脂フィルム上の画素電
    極に関連して設けられた立体配線により前記樹脂フィル
    ム上の画素電極と駆動素子とが電気的に接続された構造
    の液晶表示素子であって、 前記各支持部材と樹脂フィルム間には、接着層が介在し
    ており、 前記接着層は熱可塑性を有する材料から成り、接着層に
    熱可塑性を発現させて樹脂フィルムと支持部材との接着
    状態を得ており、 基板と樹脂フィルム間に存在する支持部材と、樹脂フィ
    ルム相互間に存在する支持部材とは、基板に平行な面に
    関してほぼ同一位置に存在していることを特徴とする液
    晶表示素子。
  2. 【請求項2】 前記樹脂フィルムは、 熱可塑性を有さない材料または接着層よりも熱可塑性を
    発現する温度が高い熱可塑性を有する材料であり、 前記支持部材は、 熱可塑性を有さない材料または接着層よりも熱可塑性を
    発現する温度が高い熱可塑性を有する材料または接着処
    理の前に硬化処理されるものであることを特徴とする請
    求項記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】 前記液晶層と前記樹脂フィルムとは各3
    組積層され、3つの液晶層を構成する液晶はそれぞれ異
    なる色の2色性色素を含むゲストホスト液晶であること
    を特徴とする請求項記載の液晶表示素子。
  4. 【請求項4】 前記基板は透明基板であり、 前記支持部材および前記接着層は、基板表面の支持部材
    形成箇所に遮光膜を形成しこの遮光膜をフォトマスクと
    してフォトリソグラフィ法により形成されたポジ形フォ
    トレジストであることを特徴とする請求項1乃至請求項
    の何れかに記載の液晶表示素子。
  5. 【請求項5】 前記基板は透明基板であり、 前記支持部材および前記接着層は、基板表面の支持部材
    形成箇所以外の部分に遮光膜を形成しこの遮光膜をフォ
    トマスクとしてフォトリソグラフィ法により形成された
    ネガ形フォトレジストであることを特徴とする請求項1
    乃至請求項の何れかに記載の液晶表示素子。
  6. 【請求項6】 前記多数の支持部材のうち画素領域内に
    おいて存在する支持部材相互の間隔が、15μm〜10
    0μmの範囲内にあることを特徴とする請求項1乃至請
    求項の何れかに記載の液晶表示素子。
  7. 【請求項7】 前記樹脂フィルムの厚みが0.5μm〜
    10μmであることを特徴とする請求項1乃至請求項
    の何れかに記載の液晶表示素子。
  8. 【請求項8】 前記樹脂フィルムの比抵抗が1010Ω・
    cm以下であることを特徴とする請求項1乃至請求項
    の何れかに記載の液晶表示素子。
  9. 【請求項9】 前記複数の樹脂フィルムは、光学異方性
    を有する樹脂フィルムであって、かつ、樹脂フィルムの
    遅相軸が全て同じ方向となるように配置されていること
    を特徴とする請求項又は請求項に記載の液晶表示素
    子。
  10. 【請求項10】 前記樹脂フィルムが通気性を有し、 前記共通電極は、反射性を有する金属材料から成り、外
    気中の酸素や水分が樹脂フィルムを介して素子内に侵入
    するのを防止するための遮蔽膜を兼ねていることを特徴
    とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の液晶表示
    素子。
  11. 【請求項11】 前記樹脂フィルムが通気性を有し、外
    気中の酸素や水分が樹脂フィルムを介して素子内に侵入
    するのを防止するための遮蔽膜が共通電極上に形成され
    ていることを特徴とする請求項1乃至請求項の何れか
    に記載の液晶表示素子。
  12. 【請求項12】 前記共通電極は透明電極であり、前記
    遮蔽膜は反射特性を有する金属材料から成り反射板を兼
    ねていることを特徴とする請求項11記載の液晶表示素
    子。
  13. 【請求項13】 前記共通電極は透明電極であり、この
    共通電極上には表面に微細な多数の凹凸形状を有する透
    明な樹脂層が形成され、この樹脂層上にはその表面形状
    に応じた凹凸形状の反射膜が形成されていることを特徴
    とする請求項1乃至請求項の何れかに記載の液晶表示
    素子。
  14. 【請求項14】 上面に画素電極及び該画素電極に接続
    された駆動素子が形成された基板と、この基板の上方に
    配置された複数の樹脂フィルムであって、最上位置の樹
    脂フィルム以外の他の樹脂フィルムの上面には画素電極
    が形成されている、そのような複数の樹脂フィルムと、
    基板と樹脂フィルム間並びに樹脂フィルム相互間にそれ
    ぞれ多数の柱状支持部材が介在して形成された各間隙内
    に液晶が封入されて構成された複数の液晶層とを有し、
    前記基板の上面には前記各樹脂フィルム上の画素電極に
    それぞれ対応した駆動素子が備えられており、この樹脂
    フィルム上の画素電極に関連して設けられた立体配線に
    より前記樹脂フィルム上の画素電極と駆動素子とが電気
    的に接続された構造の液晶表示素子であって、 前記各支持部材と樹脂フィルム間には、接着層が介在し
    ており、 前記接着層は、熱可塑性を有する材料から成り、接着層
    に熱可塑性を発現させて樹脂フィルムと支持部材との接
    着状態を得ており、 基板と樹脂フィルム間に存在する支持部材と、樹脂フィ
    ルム相互間に存在する支持部材とは、基板に平行な面に
    関してほぼ同一位置に存在しており、 前記最上位置の樹脂フィルム上面には、表面に微細な多
    数の凹凸形状を有する透明な樹脂層が形成され、この樹
    脂層上にはその表面形状に応じた凹凸形状の反射膜が形
    成されており、この反射膜が共通電極を兼ねていること
    を特徴する液晶表示素子。
  15. 【請求項15】 画素電極及び該画素電極に接続された
    駆動素子が形成された透明な基板上に多数の支持部材を
    形成する支持部材形成工程と、 前記各支持部材上に接着層を形成する接着層形成工程
    と、 前記接着層を介して樹脂フィルムを支持部材上に重ね、
    この状態で加熱することにより、基板と樹脂フィルムと
    の間に間隙を保ちながら前記支持部材上に前記樹脂フィ
    ルムを貼り合わせる樹脂フィルム貼合わせ工程と、 前記樹脂フィルムに開口を形成する工程と、 前記樹脂フィルム上に画素電極を形成するとともに、前
    記開口を通じて前記基板上の対応する駆動素子と前記樹
    脂フィルム上の画素電極とを電気的に接続する工程と、 基板上に液晶を封入する領域と樹脂フィルムとを交互に
    積層する積層工程であって、基板上に貼り合わせた樹脂
    フィルム上に支持部材を形成する工程と、前記支持部材
    上に接着層を形成する工程と、前記支持部材上に樹脂フ
    ィルムを貼り合わせる工程と、前記樹脂フィルムに開口
    を形成する工程と、前記樹脂フィルム上に画素電極を形
    成するとともに、前記開口を通じて前記基板上の対応す
    る駆動素子と前記樹脂フィルム上の画素電極とを電気的
    に接続する工程を、少なくとも1回行なうことにより、
    液晶封入領域と樹脂フィルムとを交互に積層する、その
    ような積層工程と、 上記積層工程において最後に貼り合わされた樹脂フィル
    ム上に更に支持部材を形成し、この支持部材上に接着層
    を形成して支持部材上に最上位置の樹脂フィルムを貼り
    合わせる工程と、 前記最上位置の樹脂フィルム上面に共通電極を形成する
    工程と、 基板と樹脂フィルムの間の液晶封入領域、及び樹脂フィ
    ルム相互間の液晶封入領域に、液晶を注入する工程と、 を含むことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  16. 【請求項16】 請求項15記載の液晶表示素子の製造
    方法であって、 前記開口を形成する工程において、リアクティブイオン
    エッチングにより樹脂フィルムに開口を形成することを
    特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 請求項15記載の液晶表示素子の製造
    方法であって、 前記樹脂フィルム貼合わせ工程が、加熱したローラーに
    より、樹脂フィルムを押圧する工程を含むことを特徴と
    する液晶表示素子の製造方法。
  18. 【請求項18】 請求項17記載の液晶表示素子の製造
    方法であって、 前記接着層が熱可塑性を発現する温度が、前記樹脂フィ
    ルムが熱可塑性を発現する温度に比べて低くなるような
    材質に選ばれており、前記加熱ローラーにより、接着層
    が可塑性を発現する温度以上で且つ樹脂フィルムが可塑
    性を発現する温度以下に加熱することを特徴とする液晶
    表示素子の製造方法。
  19. 【請求項19】 請求項17記載の液晶表示素子の製造
    方法であって、 前記加熱したローラーの少なくとも表面部は、剛性を有
    する材料から成ることを特徴とする液晶表示素子の製造
    方法。
  20. 【請求項20】 請求項17記載の液晶表示素子の製造
    方法であって、 前記樹脂フィルム貼合わせ工程が、加熱したローラーに
    より樹脂フィルムを押圧する際に、樹脂フィルムのしわ
    を伸ばすべく引っ張る工程を含むこと特徴とする液晶表
    示素子の製造方法。
  21. 【請求項21】 請求項15記載の液晶表示素子の製造
    方法であって、 前記支持部材形成工程が、基板表面の支持部材形成箇所
    に遮光膜を形成し、この遮光膜を覆って基板表面に第1
    のポジ形レジストを塗布後、基板裏面側から遮光膜をフ
    ォトマスクとして露光したのち第1のポジ形レジストを
    現像液で現像し、第1のポジ形レジストを硬化して、基
    板上に支持部材を形成する工程であり、前記積層工程における支持部材形成工程が、樹脂フィル
    ム表面に第1のポジ形レジストを塗布後、基板裏面側か
    ら遮光膜をフォトマスクとして露光したのち第1のポジ
    形レジストを現像液で現像し、第1のポジ形レジストを
    硬化して、樹脂フィルム上に支持部材を形成する工程で
    あり、 前記接着層形成工程が、支持部材を形成した基板上に第
    2のポジ形レジストを塗布後、基板裏面側から遮光膜を
    フォトマスクとして露光したのち第2のポジ形レジスト
    を現像液で現像することにより、支持部材上に接着層を
    形成する工程でり、前記積層工程における接着層形成工程が、支持部材を形
    成した樹脂フィルム上に第2のポジ形レジストを塗布
    後、基板裏面側から遮光膜をフォトマスクとして露光し
    たのち第2のポジ形レジストを現像液で現像することに
    より、支持部材上に接着層を形成する工程で あることを
    特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  22. 【請求項22】 請求項15記載の液晶表示素子の製造
    方法であって、 樹脂層形成工程および樹脂フィルム貼合わせ工程が、一
    方の表面に予め接着層が被覆されている樹脂フィルムを
    準備し、この樹脂フィルムを、接着層が被覆されている
    面が支持部材に対向するようにして支持部材上に重ね、
    この状態で加熱することにより前記支持部材上に前記樹
    脂フィルムを貼り合わせる工程であることを特徴とする
    液晶表示素子の製造方法。
  23. 【請求項23】 請求項15記載の液晶表示素子の製造
    方法であって、 前記支持部材形成工程において、前記多数の支持部材の
    うち画素領域内において存在する支持部材を、幅が高さ
    以上に形成することを特徴とする液晶表示素子製造方
    法。
  24. 【請求項24】 請求項15記載の液晶表示素子の製造
    方法であって、 前記樹脂フィルムの厚みが0.5μm〜10μmである
    ことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  25. 【請求項25】 請求項15記載の液晶表示素子の製造
    方法であって、 前記樹脂フィルムの主成分がポリエステル樹脂であるこ
    とを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  26. 【請求項26】 請求項15記載の液晶表示素子の製造
    方法であって、 前記基板上の支持部材と樹脂フィルムとを貼り合わせる
    工程中において、基板と樹脂フィルムとの間隙と外部と
    を通気させるための通気口を形成し、 前記樹脂フィルム上の支持部材と樹脂フィルムとを貼り
    合わせる工程中において、樹脂フィルム相互間の間隙と
    外部とを通気させるための通気口を形成することを特徴
    とする液晶表示素子の製造方法。
  27. 【請求項27】 請求項26記載の液晶表示素子の製造
    方法であって、 基板上の表示部分の周辺で、部分的に接着させない箇所
    を残して樹脂フィルムと樹脂フィルムとを接着すること
    により、接着させなかった箇所を通気口として設けたこ
    とを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  28. 【請求項28】 請求項27記載の液晶表示素子の製造
    方法であって、 前記通気口内壁に、表面張力を低下させる処理を施すこ
    とを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  29. 【請求項29】 請求項26記載の液晶表示素子の製造
    方法であって、 基板上の表示部分の周辺で、基板と樹脂フィルム並び樹
    脂フィルム同士を接着して、基板と樹脂フィルム間並び
    に樹脂フィルム相互間のそれぞれの液晶封入領域を一旦
    密閉状態とした後、樹脂フィルムの表示部分以外の部分
    に貫通穴を形成して通気口としたことを特徴とする液晶
    表示素子の製造方法。
  30. 【請求項30】 請求項26記載の液晶表示素子の製造
    方法であって、 前記通気口を塞ぐ工程を含むことを特徴とする液晶表示
    素子の製造方法。
  31. 【請求項31】 画素電極及び該画素電極に接続された
    駆動素子が形成された透明な基板上に多数の柱状支持部
    材を形成する支持部材形成工程と、 前記各支持部材上に接着層を形成する接着層形成工程
    と、 前記接着層を介して樹脂フィルムを支持部材上に重ね、
    この状態で加熱することにより、基板と樹脂フィルムと
    の間に間隙を保ちながら前記支持部材上に前記樹脂フィ
    ルムを貼り合わせる貼合わせ工程と、 前記樹脂フィルムに開口を形成する工程と、 前記樹脂フィルム上に画素電極を形成するとともに、前
    記開口を通じて前記基板上の対応する駆動素子と前記樹
    脂フィルム上の画素電極とを電気的に接続する工程と、 基板上に液晶を封入する領域と樹脂フィルムとを交互に
    積層する積層工程であって、基板上に貼り合わせた樹脂
    フィルム上に支持部材を形成する工程と、前記支持部材
    上に接着層を形成する工程と、前記支持部材上に樹脂フ
    ィルムを貼り合わせる工程と、前記樹脂フィルムに開口
    を形成する工程と、前記樹脂フィルム上に画素電極を形
    成するとともに、前記開口を通じて前記基板上の対応す
    る駆動素子と前記樹脂フィルム上の画素電極とを電気的
    に接続する工程を、少なくとも1回行なうことにより、
    液晶封入領域と樹脂フィルムとを交互に積層する、その
    ような積層工程と、 上記積層工程において最後に貼り合わされた樹脂フィル
    ム上に更に支持部材を形成し、この支持部材上に接着層
    を形成して支持部材上に最上位置の樹脂フィルムを貼り
    合わせる工程と、 前記最上位置の樹脂フィルム上面に、フォトレジストを
    塗布し、マスク露光及び現像を行った後、焼成すること
    により表面に微細な多数の凹凸形状を有する樹脂層を形
    成する工程と、 前記樹脂層上に共通電極を兼ねる反射膜を成膜する工程
    と、 基板と樹脂フィルムの間の液晶封入領域、及び樹脂フィ
    ルム相互間の液晶封入領域に、液晶を注入する工程と、 を含むことを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
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