JP3071454B2 - シリンダーロック及びキー - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はシリンダーロック及びキーに関する。

（従来の技術） 周知のように、シリンダーロックは、プラグが回転可
能に収容されたロックシリンダで構成されている。少な
くとも１列の盲穴がロックシリンダの内側に形成され、
少なくとも１列の貫通穴及び１つのキースロットがプラ
グに形成されている。

ピンは前記貫通穴に収容され、それらのピンの一端は
キースロットに突出している。タンブラーピンは、スプ
リングによって支持されて盲穴に収容されている。キー
はシリンダーロックの中に挿入される軸の縁に沿って形
成された１列の歯を有している。キーが完全にキースロ
ットの中に挿入された時、プラグのピン列が、キーの歯
の間に噛合する結果、ピンとタンブラーピンの間の接触
面がプラグとシリンダの間の接触面に整列する。

これにより、プラグはシリンダの中で回転可能とな
り、鍵のかかり（ビット）が回転してドアが開く。

この種のシリンダーロック及びキーの不利な点は、ピ
ックのような工具で不正にいじられて盗難を受けやすい
ことにある。すなわち、ピックをキースロットに差し込
み、ピンの突出部を押圧してピンとタンブラーピンの間
の接触面をプラグとシリンダの間の接触面に移動させる
のである。

このようなピッキングをできるだけ多く防止するため
に、オフセット山（offset ridges）がキースロットの
中に適宜形成され、ピンに対するピッキング行動を妨げ
るようにしている。しかし、製作上の理由及びキー自身
の機械的な抵抗の理由によりキースロットはなお幅が広
すぎるので、前述のような種類の不正な企てに対する有
効な防護手段を構成していないのである。

（発明の目的） したがって、本発明の技術的な目的は、そのコーディ
ング（coding）が外側から直接解読できないために不正
工具のピンに対する機械的行動を妨げるようなシリンダ
ーロック及びキーよりなる組合せを提供することにあ
る。

この目的の範囲内でのもう１つの目的は、長期使用後
でも信頼性のある動作を保証することができ、商業競争
の要求に適合するように構造的に簡単である組合せを提
供することにある。

（発明の構成） これらの目的を達成するため、本発明に係るシリンダ
ーロック及びキーは、ロックシリンダ（２）と該ロック
シリンダ（２）に回転可能に嵌合されたプラグ（３）
と、該プラグに形成され、当該プラグの回転軸を含む直
径に沿った面に配設されたキースロット（４）と、前記
プラグに半径方向に形成され、前記キースロットの面に
配設されて、当該スロットと交差する１系列の貫通穴
と、該貫通穴にスライド可能に収容されたピンと、ロッ
クシリンダに半径方向に形成された１系列の盲穴と、該
盲穴にスライド可能に収容され、前記ピンと協働するタ
ンブラーピンと、前記盲穴に収容され、キーが取り除か
れた時に、前記タンブラーピンを前記貫通穴に係合する
状態に動作させるとともに、前記ピンを前記スロットに
係合する状態に動作させるスプリングと、からなるシリ
ンダーロック及びキーの組合せにおいて、 前記プラグ（３）にキースロット（４）の前記面に対
して両側に垂直に形成され、軸方向にオフセットした位
置で前記キースロットと交差する補助貫通穴（６），
（７）と、該補助貫通穴に収容された補助ピン（10），
（11）と、前記ロックシリンダ（２）に、キーが取り除
かれた時に前記補助貫通穴と一線に並ぶ位置に形成され
た補助盲穴（23），（24）と、該補助盲穴に収容され、
キーが取り除かれた時に前記補助ピンと協働してそれら
をスロットと係合する状態に動作させる補助タンブラー
ピン（25），（26）及びスプリング（27），（28）とを
含み、 前記キー（５）が開口部（18）を有し、該開口部の中
にレバー（17）がプラグの軸に垂直な軸に沿って接合さ
れ、当該レバーが縁（21）及び中央部（22）を有し、 キーがプラグ（３）に完全に挿入された時に縁（21）
及び中央部（22）が前記補助ピン（10），（11）と接触
し、スプリング（28）が補助ピン（11）に作用して当該
補助ピン（11）を中央部（22）に接触させる結果、レバ
ー（17）が回転して前記補助ピン及びタンブラーピン
（10），（11），（25），（26）がプラグ（３）の回転
を許容する状態になるようにしたものである。

（実施例） 本発明の詳細は、限定されない例として添付図面に図
示された好ましい実施例の詳細な説明から明らかにな
る。

第１図は挿入されたキーを有するシリンダーロックの
縦断面図、第２図はキーの正面図である。

上記図面を参照すると、参照番号１は全般的にシリン
ダーロックを示し、慣例的にプラグ３が同軸に回転可能
に収容された中空のロックシリンダ２からなり、プラグ
３はキー５の挿入用のスロット４を軸方向に備えてい
る。プラグ３には、１列の貫通穴がスロット４の面に形
成され、前記キーがスロット４に挿入された時にキーの
歯に噛合するピンが前記貫通穴に収容されている。

ロックシリンダ２もまた、１列の盲穴を有し、その中
にタンブラーピンがスプリングで支持されて収容されて
いる。

前記ピン、タンブラーピン及びスプリングは形状及び
機能上十分に慣用的であるから、説明を簡潔にするため
それらは詳細には描かれていない。

プラグ３には、２つの補助貫通穴6,7がスロット４の
両側でかつそれらに垂直に都合よく形成され、それらは
異なった径を有する２つの部分を有し、肩部8,9を形成
している。

補助貫通穴6,7は、スロット４の端部に位置するのが
好ましく、２つの補助ピン10,11をスライド可能に収容
している。この補助ピン10,11は、肩部8,9と接触するよ
うに、軸部14,15に対して拡大された頭部12,13を備えた
マッシュルーム形状を有している。

スロット４に向かう軸部14,15の先端は、円錐形に尖
っており、その軸部14,15の長さは、キーが挿入されな
い時にそれらの円錐形端部がスロット４に突出するよう
な長さになっている。補助貫通穴６がスロット４に通じ
る部分には、補助ピン10の長さに従ってコード化される
（coded）深さを有する凹部16が形成されている。補助
貫通穴6,7は、キーがスロット４に挿入された時にキー
の体内に含有されたレバー17に面するように、軸方向に
相互にオフセットされて配設されている。

レバー17は、キー５の軸又はブレード部分に形成され
た実質的に矩形の周辺が閉じ、かつ、貫通した開口部18
の中に収容されている。

ピン19は開口部18の長手方向の面の間に固定され、プ
ラグ３の軸に垂直になっている。

レバー17は一端の回りに揺動するようにピン19に接合
され、開口部18の形状を補足し合う矩形の板で形成され
ている。その板の自由端は、中央部22に連続する円柱状
縁21を形成するように丸められ、中央部22は円柱状縁21
に向ってテーパが付けられている。

キー５がスロット４に挿入された時、補助貫通穴７は
レバー17の中央部22と一線に並ぶのに対し、補助貫通穴
６はレバー17の円柱状縁21と一線に並び、レバー17が凹
部16と係合するのを許容するようになっている。

２つの補助盲穴23,24は、ロックシリンダ２に補助貫
通穴6,7と同じ面内で、キーが取り除かれた時に補助貫
通穴6,7と一線に並ぶように形成されている。カップ形
状の補助タンブラーピン25,26は、補助盲穴23,24の中に
収容されている。スプリング27,28は、補助タンブラー
ピン25,26と補助盲穴23,24の底との間に介装され、補助
タンブラーピンを内方に付勢して補助ピン10,11の頭部1
2,13と接触した状態に保持している。スプリング27,28
は異なった形状を有し、スプリング28はスプリング27よ
り強くなっている。

シリンダーロック及びこれと関係するキーの作用は、
以下の説明から容易に理解される。キー５がシリンダー
ロックから取り除かれた時、補助ピン10,11は肩部8,9に
当接して静止し、軸部14,15の先端はスロット４の中に
突出している。

キー５がスロット４に完全に挿入された時、開口部18
は補助ピン10,11の干渉する領域に対向する。補助ピン1
1の先端はレバー17の中央部22を押圧してその縁21を補
助ピン10と接触した状態に保持する。

スプリング28がスプリング27より強いため、レバー17
は揺動し、その縁21が凹部16の壁に接触する。この状態
は補助ピン10,11を正確に位置決めする。すなわち、補
助ピン10,11と補助タンブラーピン25,26の間の接触面
は、プラグ３のロックシリンダ２との接触面に配置され
る。このようにして、プラグ３はロックシリンダ２の中
で回転することができる結果、ドアが開くことになる。
キーを取り除くことにより、スプリング27,28は肩部8,9
に向かって補助ピン10,11を押圧して、プラグ３を阻止
する位置に押し戻す。

（発明の効果） 本発明の実質的に有利な点は、補助ピンと補助タンブ
ラーピンを不正に整列させるためには、補助ピン10,11
をキー５の面に垂直な方向に移動させる必要があるとい
う事実に存する。しかしながら、その有効スペースはキ
ーの厚さに等しく極めて狭いので、ピックを介入して前
記ピンを整列させることは困難である。

本発明は、平らなキーで動作するシリンダーロック、
及び異形のキーで動作するシリンダーロックの両方に適
用される。後者の場合、レバー17のための開口部18は、
長手方向の溝に影響されない長手方向の平坦な領域に形
成される。

レバー17はキーの補助的なコーディングを許容する。
コーディングは、特にテーパ部22の厚さ、すなわち、補
助ピン11の係合領域、凹部16の深さ及び縁21の厚さに対
して行なうことにより可能であるが、いずれにおいても
キーの厚さより大きくすることはできない。凹部16は、
外側から検出されないため、キーを不正にコード化する
ことを困難にさせていることに注目すべきである。

このように考案された発明は、その発明概念の範囲内
にある多数の修正や変形を受ける余地がある。

さらに、全ての細部は技術的に同等である他の要素に
置き換えられてもよい。

【図面の簡単な説明】

第１図は挿入されたキーを有するシリンダーロックの縦
断面図、第２図はキーの正面図である。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) E05B 27/10 E05B 19/08

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】ロックシリンダ（２）と、該ロックシリン
   ダ（２）に回転可能に嵌合されたプラグ（３）と、該プ
   ラグに形成され、当該プラグの回転軸を含む直径に沿っ
   た面に配設されたキースロット（４）と、前記プラグに
   半径方向に形成され、前記キースロットの面に配設され
   て、当該スロットと交差する１系列の貫通穴と、該貫通
   穴にスライド可能に収容されたピンと、ロックシリンダ
   に半径方向に形成された１系列の盲穴と、該盲穴にスラ
   イド可能に収容され、前記ピンと協働するタンブラーピ
   ンと、前記盲穴に収容され、キーが取り除かれた時に、
   前記タンブラーピンを前記貫通穴に係合する状態に動作
   させるとともに、前記ピンを前記スロットに係合する状
   態に動作させるスプリングと、からなるシリンダーロッ
   ク及びキーの組合せにおいて、 前記プラグ（３）にキースロット（４）の前記面に対し
   て両側に垂直に形成され、軸方向にオフセットした位置
   で前記キースロットと交差する補助貫通穴（６），
   （７）と、該補助貫通穴に収容された補助ピン（10），
   （11）と、前記ロックシリンダ（２）に、キーが取り除
   かれた時に前記補助貫通穴と一線に並ぶ位置に形成され
   た補助盲穴（23），（24）と、該補助盲穴に収容され、
   キーが取り除かれた時に前記補助ピンと協働してそれら
   をスロットと係合する状態に動作させる補助タンブラー
   ピン（25），（26）及びスプリング（27），（28）とを
   含み、 前記キー（５）が開口部（18）を有し、該開口部の中に
   レバー（17）がプラグの軸に垂直な軸に沿って接合さ
   れ、当該レバーが縁（21）及び中央部（22）を有し、 キーがプラグ（３）に完全に挿入された時に縁（21）及
   び中央部（22）が前記補助ピン（10），（11）と接触
   し、スプリング（28）が補助ピン（11）に作用して当該
   補助ピン（11）を中央部（22）に接触させる結果、レバ
   ー（17）が回転して前記補助ピン及びタンブラーピン
   （10），（11），（25），（26）がプラグ（３）の回転
   を許容する状態になるようにしたことを特徴とするシリ
   ンダーロック及びキーの組合せ。
2. 【請求項２】前記補助貫通穴（６），（７）が異なる径
   の２つの部分を有し、肩部（８），（９）を形成してい
   るとともに、前記補助ピン（10），（11）が軸部（1
   4），（15）に対して拡大した頭部（12），（13）を備
   えたマッシュルーム形状を有し、キーが取り除かれた時
   に前記肩部に接触するようにしたことを特徴とする請求
   項１に記載のシリンダーロック及びキーの組合せ。
3. 【請求項３】前記スロット（４）の、補助ピン（10）を
   収容する補助貫通穴（６）の位置に、レバー（17）の縁
   （21）と係合するのに適当な凹部（16）が形成され、該
   凹部（16）が補助貫通穴に収容された補助ピンの長さに
   従ってコード化される深さを有することを特徴とする請
   求項２に記載のシリンダーロック及びキーの組合せ。
4. 【請求項４】前記レバー（17）が円柱状の縁（21）を有
   し、その中央部（22）が当該円柱状縁（21）に向ってテ
   ーパが付けられていることを特徴とする請求項１に記載
   のシリンダーロック及びキーの組合せ。
5. 【請求項５】頭部と該頭部から突出する板状部とからな
   るキーにおいて、 さらに、前記板状部に形成された少なくとも１つの周辺
   が閉じた開口部（18）と、該開口部に収容され、前記板
   状部に回動可能に接続された少なくとも１つの端部を有
   する少なくとも１つのレバー（17）と、を備えたことを
   特徴とするキー。
6. 【請求項６】前記レバー（17）が少なくとも１つのピン
   （19）によって前記板状部に接続された端部を有するこ
   とを特徴とする請求項５に記載のキー。
7. 【請求項７】前記レバー（17）が、中央部（22）に接続
   された円柱状の縁（21）を有する少なくとも１つの他の
   端部を有し、前記中央部が当該円柱状縁に向ってテーパ
   が付けられていることを特徴とする請求項６に記載のキ
   ー。