JP3071024U - ヒートシンク装置 - Google Patents

ヒートシンク装置

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JP3071024U JP2000000724U JP2000000724U JP3071024U JP 3071024 U JP3071024 U JP 3071024U JP 2000000724 U JP2000000724 U JP 2000000724U JP 2000000724 U JP2000000724 U JP 2000000724U JP 3071024 U JP3071024 U JP 3071024U
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武 志津
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有限会社 ピー・エム・シー
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パーソナルコンピューターのCPUの高速化
によりチップの発熱解消が課題となり、冷却能力がより
大きく、しかも小型で軽量のヒートシンク装置が求めら
れている。 【解決手段】 本体1内の複数のフィン4を空気の流路
が略U字状になるように配設し、吸気口2及び排気口3
を略漏斗状にする等の構成により熱交換効率が高く冷却
能力の大きく、しかも小型で軽量のヒートシンク装置を
提供する。 【効果】 純正品、従来品をはるかに上回る冷却能力を
有しながら小型化、軽量化に成功し、メモリースロット
等も塞がない。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、パーソナルコンピューターのハードウェアを構成する諸部品、就中 主として所謂CPUあるいはプロセッサと呼称される中央演算処理装置(以下C PUと表記する)を冷却する空冷式冷却装置において、上記CPUのチップ表面 より奪熱し該熱を空気中に放散させる冷却用の複数のフィンを備えたヒートシン ク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
パーソナルコンピューターのハードウェアを構成する諸部品、就中所謂CPU あるいはプロセッサと呼称される中央演算処理装置は、その小型化と集積化が加 速度的に進行し、かつ演算速度の高速化もやはり加速度的に進行しつつあり、現 今では1000万個近い素子を1cm角のチップに集積し、演算速度も数百MH z(メガヘルツ)に達している。
【0003】 しかしながら集積化と高速化が進行するに従い、CPUのチップの発熱が大き な問題となってきた。最近の高速CPUでは上記1cm角のチップを定格の演算 速度で作動させた場合でもチップ表面は100℃近い温度となる。チップが高温 化するとCPUの正確な動作に悪影響が生じ、甚だしい場合にはCPUの動作が 停止してしまうに至る。
【0004】 このため、最近の高速で動作をさせることを前提としたCPUには、予めチッ プを冷却する冷却装置を純正品としてメーカー側で装着してマザーボードに組付 けてある。図10a、図10bはその純正品の冷却装置の一例で、CPUカード 14と略同寸同形の本体20の正面にはモーター部23aと羽根部23bにより 構成された吸気用ファン23が装着され、後壁体21の正面には9枚のフィン2 2a、22a…を突設した略長方形の正面形状を有する冷却用のフィンボード2 2が固着されている。なお、吸気用ファン23の電源コードは省いて図示してあ る。
【0005】 後壁体21の背面はCPUカード14のチップ表面14aに密着するように当 接され、チップ表面14aから放熱された熱が後壁体21からフィンボード22 、フィン22a、22a…に伝達され、吸気用ファン23から送風される空気の 流れ(図10aの矢印K)により放熱され、フィン22a、22a…、フィンボ ード22が冷却され、後壁体21が冷却され、チップ表面14aが冷却されると いう構成及び作用となっている。
【0006】 CPUをメーカーの定格の動作速度(クロック周波数と称し、MHz=メガヘ ルツという単位で表わす)で動作させる場合は上記純正品の冷却装置でCPUの 正確な動作が保証されるものであるが、CPUをメーカーの定格以上のクロック 周波数で動作させようとした場合、上記純正品の冷却装置では充分な冷却が行わ れず、CPUチップが過熱して動作が不正確となり、甚だしくはCPUの動作が 停止してしまう結果となる。
【0007】 しかしながら、パーソナルコンピューターの性能、特に動作速度はCPUのク ロック周波数に大きく依存するものであるため(同一CPUでもクロック周波数 の大きなものが動作速度が速い)、CPUをメーカーの定格以上のクロック周波 数で動作させることを試みるユーザーは数多く、これらのユーザーにとってはC PUチップの加熱防止対策が大きな問題となってきた。
【0008】 そこで、上記ユーザーの求めに応じて純正品の冷却装置以上の冷却効果を有す る冷却装置が各種製作され販売されているが、それらの多くはアルミ製や銅製の ヒートシンク装置に1基以上のファンを装着する構成を採っている。図11はそ のような冷却装置の1例であり、吸気用ファン27、28を2基並列させて吸入 される風量を増加し、ヒートシンク装置本体24の冷却用の複数のフィン26を 構成する個々のフィン26a、26a…も脚が長く幅も広いものを後壁体25よ り多数突設させ、全体をカバー29で被覆するという構成である。なお、吸気用 ファン27、28の電源コードは省いて図示してある。
【0009】 上記図11の冷却装置は図10a、図10bの純正品の冷却装置に較べると冷 却性能は各段に向上したものであるが、冷却性能のさらなる向上を目途として開 発されたのが図12に示す冷却装置である。該冷却装置は、冷却用の複数のフィ ン32を構成する脚が長く幅の広い個々のフィン32a、32a…を後壁体31 より多数突設させたヒートシンク装置の本体30をカバー35で被覆し、本体3 0の左右に吸気用のファン33と排気用のファン34を各1基装着した構成を採 っている。なお、吸気用のファン33と排気用のファン34の電源コードは省い て図示してある。
【0010】
【考案が解決しようとする課題】
以上に挙げた3種の冷却装置は以下に示すような解決さるべき課題を有してい た。即ち、3種とも本体20、24、30内部の空気の流路がフィン22a、2 2a、…(図10a)、個々のフィン26a、26a、…(図11)、個々のフ ィン32a、32a、…(図12)と略平行(図10aの矢印K、図11の矢印 L、図12の矢印M)であり、フィン22a、22a…、個々のフィン26a、 26a、…、個々のフィン32a、32a、…に冷却用の空気が衝突する面積が 小さく、したがって熱放散の効率が余り向上しない。図11と図12の装置では 個々のフィン26a、26a、…、個々のフィン32a、32a、…の脚を長く し個数を増加させることにより冷却用の空気が衝突する面積を増やそうとしてい るが、その結果装置全体が大きく重いものとなる。これが第1の課題である。
【0011】 また、3種共吸気用のファン23、27、28、33とフィン22a、22a 、…、複数のフィン26、複数のフィン32との間のスペースあるいは排気用の ファン34と複数のフィン32との間のスペースを殆ど取っていないため、ファ ンのモーター(例えば図10の23a)のすぐ背後には冷却風の当たらない所謂 デッドゾーンが生じてしまう。これが第2の課題である。
【0012】 さらに、上記3種の装置においては、図6aの模式図に見るように後壁体15 に突設された個々のフィン16aの、後壁体15に平行な平面で切断した場合の 断面形状が、図6b、図6c、図6dに見るようにどの部分においても同一(略 長方形)であるが、この構成の場合、個々のフィン16aの根元部分16bから 先端部分16cへの熱伝導効率が余り向上しない。これが第3の課題である。
【0013】 またさらに図11の冷却装置においては、吸気用ファン27、28の数を2基 とし、図12の冷却装置においては、吸気用ファン33と排気用ファン34を装 着し、両者共ヒートシンク装置の本体24、30内の個々のフィン26a、26 a、…、個々のフィン32a、32a、…の脚を長くしその数を多くしたため、 前述のように冷却装置全体が巨大化する結果となり、該冷却装置を装着したCP Uカード14をマザーボード(図示せず)のCPUスロット(図示せず)に装着 した場合、その重量により接続が不安定となる場合が生ずる(そのため、特殊な 装着用の装置を用いることもある)。
【0014】 また、図11の装置は正面側に2基の吸気用ファン27、28が突出するので マザーボード(図示せず)の種類によってはメモリースロット(図示せず)の一 部を覆い隠してメモリーカード(図示せず)の増設を制限する結果となる。ある いは図12の装置では左側面に吸気用ファン33が、右側面に排気用ファン34 が突出するのでマザーボード(図示せず)の種類によっては排気用ファン34が 筐体(図示せず)とぶつかり、装置自体の設置が不能となるケースが生ずる。以 上が第4の課題である。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本考案は上記4課題を解決するためになされたものであって、その要旨とする ところは、以下のとおりである。即ち、第1の課題を解決するために、吸気口か ら吸入された空気が排気口へと流れる空気の流路が直線状以外(以下に述べる実 施例にては略U字状)となるようにヒートシンク装置の本体内部に突設された冷 却用の複数のフィンを配設し、個々のフィンにおいて冷却用の空気が当たる面積 を飛躍的に増加させることにより脚が短く数の少ない複数のフィンでも充分な熱 交換効率を有することを特徴とするヒートシンク装置を提供する。
【0016】 第2の課題を解決するために、ファンのモーター部による所謂デッドゾーンが 生じないようにするため、マザーボードに対して垂直方向に並設されて開口する 吸気口と排気口が上記垂直方向において上記マザーボードに接近する方向に向け て内寸が縮小するように略漏斗状に構成することにより吸気用ファンと冷却用の 複数のフィンの間及び排気用ファンと冷却用の複数のフィンの間にある程度の距 離が取れるように構成したことを特徴とするヒートシンク装置を提供する。
【0017】 第3の課題を解決するために、背面がCPUのチップ表面に当接するヒートシ ンク装置の後壁体の正面に突設された冷却用の複数のフィンを構成する個々のフ ィンが、上記後壁体の正面に突設された根元部分から先端部分にいくに従い上記 後壁体に平行な平面で切断した断面の断面積が減少するように構成されているこ とによりCPUのチップ表面からの熱を上記後壁体を介して効率良く個々のフィ ンの先端部分に伝達し放熱できること、及び、複数のフィンが配設される空間を 囲繞する側壁体、底壁体、上壁体を後壁体と一体として熱伝導率の高い素材で構 成することにより上記側壁体、底壁体、上壁体にも放熱・冷却能力を有せしめる ことを特徴とするヒートシンク装置を提供する。
【0018】 第4の課題を解決するために、吸気口と排気口を、各種のスロットあるいは筐 体の存在しないマザーボードの平面に対して垂直方向に向けて並列して開口し、 後壁体の正面に突設された複数の冷却用のフィンを、空気の流路が直線状以外と なるように配設することによりヒートシンク装置の本体内の個々のフィンの脚を 短くしその個数を減らして本体を小型化かつ軽量化したことを特徴とするヒート シンク装置を提供する。
【0019】
【考案の実施の形態】
本考案を図面を参照しながら詳細に説明する。 図8a、図8bは、従来のヒートシンク装置の1例(図8a)と本考案のヒー トシンク装置の1実施例(図8b)における空気の流路を模式図的(参考模式正 面図)に表現したものである。図8aの従来の装置においては吸気口18から排 気口19に至る空気の流路は矢印Jのように略直線状であり、複数のフィン16 も空気の流路(矢印J)に略平行となるように配設されている。この構成により 、空気が個々のフィン16a、16a、…に衝突する面積は小さく、熱交換の効 率は余り良くない。
【0020】 これに対し、図8bの本考案の1実施例においては、吸気口2から吸入され( 矢印G)排気口3から排出される(矢印H)に至る空気の流路が略直線状ではな く、矢印Iのように略U字状を描くように複数のフィン4が配設されている。こ れにより、空気が個々のフィン4a、4a、…に衝突する面積は飛躍的に増加し 、熱交換の効率も図8aの従来のヒートシンク装置の1例に比べてはるかに向上 する。
【0021】 図8bは本願の請求項1に係わる考案の実施例の1例の参考模式正面図である が、本願の請求項1に係わる考案の実施例の他の例を挙げるならば、図9a、図 9bのとおりである。即ち、図9aは本体1aの左側面に吸気口2を設けて吸気 用ファン12を装着し、右側面に排気口3を設けて排気用ファン13を装着し、 後壁体5の正面より冷却用の複数のフィン4を突設した例(参考模式正面図)で あるが、空気の流路Iが波状となるように複数のフィン4を配設している。
【0022】 また、図9bは本体1bの上面の略中央部に吸気口2を設けて吸気用ファン1 2を装着し、左右両側面に排気口3、3を設けて排気用ファン13、13を装着 し、後壁体5より冷却用の複数のフィン4を突設した例であるが、空気の流路I がハ字状となるように複数のフィン4を配設している。以上に述べた図8b、図 9a、図9bの3つの実施例は何れも空気の流路が略直線状以外の形態となる本 願の請求項1に係わる考案の実施例の1例であるが、本願の請求項1に係わる考 案の実施例は当然上記以外にもあり得るものである。
【0023】 以上に模式的に示した本考案の実施例のうち、図8bにて模式的に示した実施 例は本願の請求項1〜5の全てに係わる実施例のうちの1例であるので、その構 成を、図面を参照しながらさらに詳細に説明する。 図1は本実施例の外観斜視図であり、図2は一部を欠截した正面図、図3は平 面図、図4は一部を欠截した右側面図、図5は背面図である。なお、以下の説明 にては、CPUカード14が装着される側を背面とし、その逆側を正面とする。 従ってパーソナルコンピューターのマザーボード(図示せず)は本実施例の底壁 体7の下に底壁体7に平行して位置することとなる。
【0024】 また、パーソナルコンピューターにおいては、縦型の筐体(図示せず)にては マザーボード(図示せず)が重力方向に対して平行に位置させられ、横型の筐体 (図示せず)にてはマザーボード(図示せず)は重力方向に対して直角に位置さ せられるので本実施例が重力方向に対して有する上下関係も両者で変化するが、 以下の説明においては筐体(図示せず)のタイプに関係なく、マザーボード(図 示せず)に垂直な方向で該マザーボードの表面側方向を上、裏面側方向を下と呼 称することとする。
【0025】 図1〜図5において、1は本実施例のヒートシンク装置の本体であり、本体1 は後壁体5、左右の側壁体6、6、底壁体7、上壁体8が一体として構成された 略直方体状の筐体で、開放された正面側は側壁体6、6の正面側、底壁体7の正 面側及び上壁体8の中央部正面側に突設されたフランジ9に螺着された前カバー 10により被覆されている。
【0026】 側壁体6、6と底壁体7の接合部分は滑らかな略4分の1円筒状をなし、従っ て、本体1の内部空間は左端下部と右端下部が丸味を帯びた略直方体状である。 そして該内部空間に、後壁体5の正面より冷却用の複数のフィン4が突設されて いる。また、後壁体5にはCPUカード14を螺着させるための孔5aが4個所 穿設されている。
【0027】 冷却用の複数のフィン4を構成する個々のフィン4aは、後壁体5に平行な平 面で切断した場合の断面形状が略直線状あるいは略円弧状の平板で、複数のフィ ン4の全体は、図8bの模式正面図に見るように、その間を通る空気の流路Iが 略U字状となるように配設されている。図2では複数のフィン4の全体の配置を 正面側から見るが、個々のフィン4a、4a……の形状、位置、個数は図2に示 す例に限られず、図8bにみるように、その間を通る空気の流路Iが略U字状と なれば、個々のフィン4a、4a……の形状、位置、個数は問わないものである 。
【0028】 また、個々のフィン4aは図7a〜図7dに示すように、後壁体5に平行な平 面で切断した断面の断面積が、後壁体5から離れる方向に向けて徐々に縮小する ように構成されている。この構成は、後壁体5に平行な平面で切断した断面の断 面図が略直方体状になる個々のフィン4aでも略円弧状になる個々のフィン4a でも同様である。
【0029】 図4、図5に示すように、後壁体5の背面側には略中央部にCPUのチップ表 面14aに当接する略正方形の当接面5bが後壁体5の背面の残りの面から僅か に後方に突出するように突設されている。該当接面5bは熱伝導率を良くする目 的からチップ表面14aにわずかの間隙もなく密着させられる必要があるため、 できうる限り平滑な面として構成されている。
【0030】 後壁体5の上記当接面5b以外の部分の当接面5bの4隅の近傍に、当接面5 bを取り囲むようにして前述の4個所の孔5a、5a……が穿設されている。ま た、後壁体5の左右両端部には本体1をCPUカード14と共にマザーボード( 図示せず)のCPUスロット(図示せず)に装着するための取付片11、11が 突設されている。
【0031】 本体1の上面は中央部のごく狭い部分のみが上壁体8に被覆され、残る部分は 開放面となり、そのうちの左側の開放面には吸気口2が、右側の開放面には排気 口3が夫々一体として固着されている。図3に見るように、吸気口2も排気口3 も開口部の平面形状が上端部は略8角形状であり、周辺部はフランジ2a、3a により正方形状をなし、開口部の下端部はその平面形状が本体1の上面の左右の 開放面に夫々一体として固着された正方形状をなしている。
【0032】 従って、吸気口2、排気口3は、上端部から下端部にいくに従いその開口部の 平面形状を略8角形から正方形に変化させつつその平面形状の面積を減じていく 略漏斗型をなしている。また、フランジ2aの4隅には、吸気用ファン12を螺 着するための孔2b、2b、…が4個所、フランジ3aの4隅には、排気用ファ ン13を螺着するための孔3b、3b、…が4個所夫々穿設されている。図2、 図4、図5には吸気用ファン12及び排気用ファン13を螺着した状態を示す。 なお、吸気用ファン12及び排気用ファン13の電源コードは省略してある。
【0033】 本体1の材質は、熱伝導率が良く、加工がしやすく、堅牢で、軽量で、しかも 安価な素材であればいかなる素材も使用し得るが、一般的にはアルミニウムある いはその合金類、または銅あるいはその合金類が望ましい。アルミニウムあるい はその合金類は熱伝導率が良いと同時に軽量であるという特質を有する。銅ある いはその合金類はアルミニウムあるいはその合金類に比較すると軽量という点で は劣るが、熱伝導率はより優れている。なお、本体1を金属製とした場合でも、 前カバー10(図1、図2参照)には、軽量化のため合成樹脂等を使用しても良 い。
【0034】 以下に、本実施例の作用を、図面を参照しながら詳細に説明する。 本実施例にては、図2に示すように吸気口2に吸気用ファン12を、排気口1 3に排気用ファン13を夫々螺着し、図4に示すように当接面5bにチップ表面 14aが密着するように本体1の背面にCPUカード14を螺着(螺子は図示せ ず)し、図2、図5に示す取付片11、11を用いてマザーボード(図示せず) のCPUスロット(図示せず)にCPUカード14とともに本体1を装着して使 用する。
【0035】 吸気用ファン12及び排気用ファン13のスイッチをONにすると(実際には パーソナルコンピューターの起動時に自動的にONになるという設定が一般的) 、図2の正面図及び図8bの模式正面図に見るように吸気用ファン12のモータ ー部12aの回転により羽根部12bが回転し、外部の空気を吸入口2中に矢印 G方向に吸引する。吸入された空気は図8bの模式正面図に見るように本体1の 内部に配設された複数のフィン4の作用により矢印Iのように略U字状の流路を 形成しつつ排気口3に導かれる。
【0036】 吸入された空気は図8bの矢印Iで示される流路を通過する間に個々のフィン 4a、4a、…の表面に衝突する。個々のフィン4a、4a、…には、図4に見 るようにCPUカード14のチップ表面14aからの熱が当接面5b、後壁体5 を通じて伝導されてきており、該熱が個々のフィン4a、4a、…の表面に衝突 する空気に伝達されることにより放熱され、その結果としてチップ表面14aが 冷却される。
【0037】 この際、複数のフィン4は空気の流路が図8bの模式正面図の矢印Iのように 略U字状となるように配設されているので、個々のフィン4a、4a、…に空気 が衝突する面積は図8aのように個々のフィン16a、16a、…が矢印Jで示 される空気の流路と略平行に配設されている場合に比較してはるかに大で、その 分だけ熱交換効率の向上が齎されるものである。
【0038】 またこの際、図7a〜図7dに見るように、個々のフィン4aは、後壁体5に 平行な平面で切断した断面の断面積が、後壁体5から離れる方向に向けて徐々に 縮小するように構成されているので、図6a〜図6dに示す構成の個々のフィン 16aに比較して後壁体5からより大量の熱を先端部分4cまで運搬することが できる。即ち、個々のフィン4aの形状が、熱交換効率をより良好とする形状と して構成されている。さらに、側壁体6、6、底壁体7、上壁体8が後壁体5と 同一の素材で一体として構成されているので、後壁体5の熱は側壁体6、6、底 壁体7、上壁体8に伝導され、これらの部分にても効率良く放熱させられる。
【0039】 排気口3には排気用ファン13が螺着されており、モーター部13aの回転に より羽根部13bが回転し、排気口3に導かれた熱せられた空気は図2に示す矢 印H方向に排出される。以上にて熱交換の1サイクルが完了する。吸気口2から は吸気用ファン12の作用により連続的に低温の空気が供給され、排気口3から は排気用ファン13の作用により連続的に高温の空気が排出されるので、複数の フィン4にては連続的に熱交換が行われ、結果として吸気用ファン12と排気用 ファン13が稼働し続ける限りチップ表面14aは連続的に冷却される。
【0040】 さらに、図2に見るように、吸気口2及び排気口3が下方に縮小する略漏斗状 に構成され、且つ吸気用ファン12と複数のフィン4の間及び排気用ファン13 と複数のフィン4の間に吸気口2及び排気口3の高さ分の間隙が設けてあるので 、モーター部12a、13aの死角となって空気の流通が滞る所謂デッドゾーン が複数のフィン4にかかることがなく、その点からも図8aに見られるような従 来の構成に比較して熱交換効率のより良好な構成となっているものである。
【0041】 以上に構成及び作用を記述した本実施例の効果を確認するために、CPUメー カーの純正品のヒートシンク装置及び従来製品のヒートシンク装置との比較実験 を行った。実験は、ハンダ鏝の先端部分にアルミ棒により若干の距離を設けてC PUのチップと略同寸同形のアルミプレート(厚さ約2mm)を固着し、該アル ミプレートを夫々のヒートシンク装置のCPUのチップ表面が当接するべき個所 に密着させ、その状態でハンダ鏝を熱し、鏝先の温度が上昇限界に達して一定に なった時点で夫々のヒートシンク装置のファンのスイッチをONにしてファンを 回転させ続け、夫々のヒートシンク装置の温度が一定になった時点で上記アルミ プレートの温度と夫々のヒートシンク装置内の温度を計測し記録するという方法 で行った。その結果を表1に示す。なお、実験にあたっては、何れのヒートシン ク装置も装着しない状態で、上記アルミ棒の長さを調節することにより、ハンダ 鏝の鏝先の温度が一定なった時点で上記アルミプレートの温度が作動時のCPU のチップ表面温度よりも確実に高い約200℃となるように構成した。
【0042】
【表1】
【0043】 表1の結果を見る限り、アルミプレートの温度(実際の使用においてはCPU のチップ表面の温度)に、純正品と従来製品では8℃の、従来製品と本実施例で は実に12℃の冷却効果の差が現れた。従来製品でも、純正品より8℃も低いと いう結果を得たのであるが、本実施例はその従来製品よりさらに12℃も低い冷 却効果を現したものであり、叙上の構成及び作用が実際の使用において顕著にし て優秀な冷却効果を齎すものであることがこの実験において明瞭に確認された。
【0044】 なお、本実施例において、アルミプレートの温度の劇的な降下に比較して、ヒ ートシンク装置内の温度の下がり方がそれほどでもない(従来製品に比較して6 ℃低いのみ)のは、アルミプレートからの放熱が非常に効率良く行われているこ との証左であり、本実施例における複数のフィンの配設構成や個々のフィンの根 元部分を太く先端部分を細くした構成、吸気口と排気口の下に間隙を設けた構成 等が協働してアルミプレートから熱を効率良く吸い上げ、ヒートシンク装置内に 放出している状態を的確に表現するものである。
【0045】
【考案の効果】
本考案によれば、ヒートシンク装置の本体内に、吸気口から排気口に至る空気 の流路が略U字状になるように冷却用の複数のフィンを配設したので、複数のフ ィンが空気の流路に略平行に配設されている従来のヒートシンク装置と比較して 、個々のフィンにおいて空気が衝突する部分の面積が大きく増加した結果熱交換 効率に顕著な向上が見られ、冷却性能が大幅に向上した。
【0046】 また本考案のヒートシンク装置においては、吸気口と排気口を下方に向けて縮 小する漏斗状に構成し且つ吸気用ファンと冷却用の複数のフィンの間及び排気用 ファンと冷却用の複数のフィンの間に間隙を設ける構成としたので、吸気用ファ ン及び排気用ファンのモーター部の背後に生ずる風の流れのない所謂デッドゾー ンが冷却用の複数のフィンにかかることがなく、上記構成を採らない従来のヒー トシンク装置と比較して、熱交換効率に顕著な向上が見られ、冷却性能が大幅に 向上した。
【0047】 さらに本考案のヒートシンク装置においては、後壁体の正面に突設された冷却 用の個々のフィンが、上記後壁体の正面に突設された根元部分から先端部分にい くに従い後壁体と平行な平面にて切断した断面の断面積が減少するように構成し たので、上記構成を採らない従来のヒートシンク装置と比較して、熱交換効率に 顕著な向上が見られ、冷却性能が大幅に向上した。
【0048】 さらに本考案のヒートシンク装置においては、複数のフィンが配設される空間 を囲繞する側壁体、底壁体、上壁体のいずれか或は全てを後壁体と一体として熱 伝導率の高い素材で構成し、上記側壁体、底壁体、上壁体のいずれか或は全てに 放熱・冷却能力を有せしめたので、上記構成を採らない従来のヒートシンク装置 と比較して、熱交換効率に顕著な向上が見られ、冷却性能が大幅に向上した。
【0049】 また本考案のヒートシンク装置においては、上記のように複数のフィンの配設 構成、吸気口と排気口の漏斗状の構成、個々のフィンの根元部分を太く先端部分 を細くする断面構成等を行った結果として熱交換効率が大幅に向上したので、個 々のフィンの脚の長さを短くしその数も減らすことができ、それにより、装置全 体の小型化、軽量化に成功し、その結果としてマザーボードのCPUスロットに CPUカードと共に装着した場合に安定性が増加し、さらにメモリースロット等 他のスロットを塞ぐこともなくなった。
【0050】 さらに、本考案のヒートシンク装置においては、吸気口と排気口が、メモリー スロット等他のスロットやパーソナルコンピューターの筐体が存在しない上方に 並設されているため、該吸気口と該排気口に装着される吸気用ファンあるいは排 気用ファンがメモリースロット等他のスロットを塞いだり、あるいはパーソナル コンピューターの筐体自体とぶつかってヒートシンク装置自体が設置不能となる という事態が生ずる心配がなくなった。
【0051】 以上には、本考案の構成、作用、効果を、主としてCPUを冷却する冷却装置 のヒートシンク装置の実施例を中心として記述したが、本考案の構成、作用、効 果は無論CPUの冷却装置のヒートシンク装置に限られるものではなく、パーソ ナルコンピューターの他の諸部品の冷却装置の全てに用い得るヒートシンク装置 としての有効性を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案のヒートシンク装置の1実施例の一部を
欠截した外観斜視図である。
【図2】本考案のヒートシンク装置の1実施例の一部を
欠截した正面図である。
【図3】本考案のヒートシンク装置の1実施例の平面図
である。
【図4】本考案のヒートシンク装置の1実施例の一部を
欠截した右側面図である。
【図5】本考案のヒートシンク装置の1実施例の背面図
である。
【図6】a 従来のヒートシンク装置の1例の個々のフ
ィンの参考平面図である。 b 図6aのA−A断面図である。 c 図6aのB−B断面図である。 d 図6aのC−C断面図である。
【図7】a 本考案のヒートシンク装置の1実施例の個
々のフィンの参考平面図である。 b 図7aのD−D断面図である。 c 図7aのE−E断面図である。 d 図7aのF−F断面図である。
【図8】a 従来のヒートシンク装置の1例における複
数のフィンの配設方法と空気の流路を示す参考模式正面
図である。 b 本考案のヒートシンク装置の1実施例における複数
のフィンの配設方法と空気の流路を示す参考模式正面図
である。
【図9】a 本考案のヒートシンク装置の1実施例にお
ける複数のフィンの配設方法と空気の流路を示す参考模
式正面図である。 b 本考案のヒートシンク装置の1実施例における複数
のフィンの配設方法と空気の流路を示す参考模式正面図
である。
【図10】a CPUメーカーの純正品のヒートシンク
装置の1例の右側面図である。 b CPUメーカーの純正品のヒートシンク装置の1例
の正面図である。
【図11】従来のヒートシンク装置の1例の一部を欠截
した外観斜視図である。
【図12】従来のヒートシンク装置の1例の一部を欠截
した外観斜視図である。
【符号の説明】
1 本体 1a 本体 1b 本体 2 吸気口 2a フランジ 2b 孔 3 排気口 3a フランジ 3b 孔 4 複数のフィン 4a 個々のフィン 4b 根元部分 4c 先端部分 5 後壁体 5a 孔 5b 当接面 6 側壁体 7 底壁体 8 上壁体 9 フランジ 10 前カバー 11 取付片 12 吸気用ファン 12a モーター部 12b 羽根部 13 排気用ファン 13a モーター部 13b 羽根部 14 CPUカード 14a チップ表面 15 後壁体 16 複数のフィン 16a 個々のフィン 16b 根元部分 16c 先端部分 17 本体 18 吸気口 19 排気口 20 本体 21 後壁体 22 フィンボード 22a フィン 23 吸気用ファン 23a モーター部 23b 羽根部 24 本体 25 後壁体 26 複数のフィン 26a 個々のフィン 27 吸気用ファン 28 吸気用ファン 29 カバー 30 本体 31 後壁体 32 複数のフィン 32a 個々のフィン 33 吸気用ファン 34 排気用ファン 35 カバー

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーソナルコンピューターの諸部品を冷
    却するための空冷式冷却装置において、1以上の吸気口
    と1以上の排気口の間の冷却用の空気の流路に配設され
    る冷却用の複数のフィンを、冷却用の空気の流路が略直
    線状以外の諸形状となるように配設したことを特徴とす
    るヒートシンク装置。
  2. 【請求項2】パーソナルコンピューターのCPU(中央
    演算処理装置)を冷却するための空冷式冷却装置におい
    て、吸気用ファンの装着される吸気口と排気用ファンの
    装着される排気口を上記パーソナルコンピューターのマ
    ザーボードに対して垂直方向に開口するように並設し、
    背面が上記CPUのチップ表面に当接する後壁体の正面
    に突設された冷却用の複数のフィンを上記吸気口から吸
    入された空気が上記排気口へと流れる空気の流路が略U
    字状となるように配設したことを特徴とする請求項1に
    記載のヒートシンク装置。
  3. 【請求項3】 パーソナルコンピューターのマザーボー
    ドに対して垂直方向に開口するように並設された吸気口
    と排気口が上記垂直方向において上記マザーボードに接
    近する方向に向けて内寸が縮小するように略漏斗状に構
    成し、かつ吸気用ファンと冷却用の複数のフィンの間及
    び排気用ファンと冷却用の複数のフィンの間にある程度
    の距離が取れるように構成したことを特徴とする請求項
    2に記載のヒートシンク装置。
  4. 【請求項4】 背面がパーソナルコンピューターのCP
    Uのチップ表面に当接する後壁体の正面に突設された冷
    却用の複数のフィンを構成する個々のフィンが、上記後
    壁体の正面に突設された根元部分から先端部分にいくに
    従い上記後壁体に平行な平面で切断した断面の断面積が
    減少するように構成されていることを特徴とする請求項
    2及び請求項3に記載のヒートシンク装置。
  5. 【請求項5】複数のフィンが配設される空間を囲繞する
    側壁体、底壁体、上壁体のいずれか或は全てが後壁体と
    一体として熱伝導率の高い素材で構成され、放熱・冷却
    能力を有していることを特徴とする請求項2及び請求項
    3及び請求項4に記載のヒートシンク装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014220334A (ja) * 2013-05-07 2014-11-20 株式会社安川電機 電力変換装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014220334A (ja) * 2013-05-07 2014-11-20 株式会社安川電機 電力変換装置

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