JP3069345B1 - サイレントチェ―ン用プレ―トおよびその製造方法 - Google Patents
サイレントチェ―ン用プレ―トおよびその製造方法Info
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- JP3069345B1 JP3069345B1 JP11155677A JP15567799A JP3069345B1 JP 3069345 B1 JP3069345 B1 JP 3069345B1 JP 11155677 A JP11155677 A JP 11155677A JP 15567799 A JP15567799 A JP 15567799A JP 3069345 B1 JP3069345 B1 JP 3069345B1
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Abstract
【要約】
【課題】 エンドレスチェーンを形成する際に相互のプ
レートを円滑に突き合わせることができるとともに、ス
プロケット歯面の摩耗を低減することができ、プレート
成形時のバリ取り作業や研磨作業の所要時間を短縮して
その生産性を向上させることができるサイレントチェー
ン用プレート、および、その製造方法を提供する。 【解決手段】 チェーン長手方向の両側縁の少なくとも
一方に、リンク歯３，３を含む他の周縁よりも大きく面
取りしてなる突合挿入部４，４が設けられたサイレント
チェーン用プレートであって、コイル板材５に突合挿入
部４，４を形設するための面押し加工と一対のピン孔
２，２を穿設するための打ち抜き加工とを施した後、ピ
ン孔２，２を基準としたプレート外縁の打ち抜き加工を
施すことによって、コイル板材５からプレート１を打ち
抜きして成形する。
レートを円滑に突き合わせることができるとともに、ス
プロケット歯面の摩耗を低減することができ、プレート
成形時のバリ取り作業や研磨作業の所要時間を短縮して
その生産性を向上させることができるサイレントチェー
ン用プレート、および、その製造方法を提供する。 【解決手段】 チェーン長手方向の両側縁の少なくとも
一方に、リンク歯３，３を含む他の周縁よりも大きく面
取りしてなる突合挿入部４，４が設けられたサイレント
チェーン用プレートであって、コイル板材５に突合挿入
部４，４を形設するための面押し加工と一対のピン孔
２，２を穿設するための打ち抜き加工とを施した後、ピ
ン孔２，２を基準としたプレート外縁の打ち抜き加工を
施すことによって、コイル板材５からプレート１を打ち
抜きして成形する。
Description
【発明の属する技術分野】本発明は、サイレントチェー
ン用プレートに関し、また、サイレントチェーン用プレ
ートの製造方法に関する。
ン用プレートに関し、また、サイレントチェーン用プレ
ートの製造方法に関する。
【従来の技術】エンジンのタイミングチェーン、トラン
スミッションのパワードライブチェーン等に用いられて
いるサイレントチェーンは、一対のリンク歯を有するプ
レートがピンを介してチェーンの幅方向および長手方向
に多数重ね合わされた状態でエンドレスに編成されてお
り、リンク歯の内側あるいは外側でスプロケットと噛み
合って動力を伝達するものである。そして、このような
従来のサイレントチェーンは、コイル板材を順次作業位
置へ移動させながら、第１の製造工程でピン孔をポンチ
によって同時にあけ、第２の製造工程でポンチによって
プレートの輪郭を打ち抜く方法や、反対に、第１の製造
工程でコイル板材からプレートの輪郭を打ち抜いた後、
第２の製造工程で前記プレートにピン孔を形成する方法
などの打ち抜き加工によってプレートを成形し、このプ
レートをピンを介してチェーンの幅方向および長手方向
に多数重ね合わせて長尺状態に組みつけ、次いで、この
長尺状態にあるチェーンをその用途に応じた所定の長さ
に裁断して、その始端となるプレートと終端となるプレ
ートを突き合わせて環状に接続し、これらのプレートを
相互にピン連結してエンドレスチェーンに形成してい
る。そこで、従来のサイレトチェーン用プレートは、エ
ンドレスチェーンを形成する際にその始端となるプレー
トと終端となるプレートを突き合わせ易くするとともに
偏摩耗のない平滑なプレートを得るために、プレート製
造中にバリ取り作業、あるいは研磨作業等を行ってお
り、これによってプレートの全周縁が一律にＲ曲面など
に面取りされている。
スミッションのパワードライブチェーン等に用いられて
いるサイレントチェーンは、一対のリンク歯を有するプ
レートがピンを介してチェーンの幅方向および長手方向
に多数重ね合わされた状態でエンドレスに編成されてお
り、リンク歯の内側あるいは外側でスプロケットと噛み
合って動力を伝達するものである。そして、このような
従来のサイレントチェーンは、コイル板材を順次作業位
置へ移動させながら、第１の製造工程でピン孔をポンチ
によって同時にあけ、第２の製造工程でポンチによって
プレートの輪郭を打ち抜く方法や、反対に、第１の製造
工程でコイル板材からプレートの輪郭を打ち抜いた後、
第２の製造工程で前記プレートにピン孔を形成する方法
などの打ち抜き加工によってプレートを成形し、このプ
レートをピンを介してチェーンの幅方向および長手方向
に多数重ね合わせて長尺状態に組みつけ、次いで、この
長尺状態にあるチェーンをその用途に応じた所定の長さ
に裁断して、その始端となるプレートと終端となるプレ
ートを突き合わせて環状に接続し、これらのプレートを
相互にピン連結してエンドレスチェーンに形成してい
る。そこで、従来のサイレトチェーン用プレートは、エ
ンドレスチェーンを形成する際にその始端となるプレー
トと終端となるプレートを突き合わせ易くするとともに
偏摩耗のない平滑なプレートを得るために、プレート製
造中にバリ取り作業、あるいは研磨作業等を行ってお
り、これによってプレートの全周縁が一律にＲ曲面など
に面取りされている。
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述し
たようなエンドレスチェーンを形成する際のプレートの
突き合わせ作業は、始端となるプレートと終端となるプ
レートがそれぞれチェーン幅方向に複数枚配列されてお
り、複数枚が相互に同時に組み合いながら突き合うた
め、通常、人手によって為されており、その自動化が困
難であった。そして、このようなプレートの突き合わせ
を容易に行うためには、プレートの突き合わせ部分に出
来る限り大きな面取りを施すことが必要となるが、バリ
取り作業又は研磨作業等の作業時間が長くなってプレー
トの生産性が低下するともにプレートの疲労強度が低下
するという問題があった。さらに、プレート外周縁の不
必要な箇所、すなわち、プレートに形成されているリン
ク歯の噛み合い面まで一律に大きく面取りが施され、こ
の結果として、スプロケットと噛み合うプレートの噛み
合い面の歯幅が狭小となり、スプロケットにかかる面圧
が高くなって、スプロケットの歯面に異常摩耗を発生さ
せるという問題があった。そこで、本発明の目的は、前
述したような従来技術の問題点を解決し、エンドレスチ
ェーンを形成する際に相互のプレートを円滑に突き合わ
せることができ、その自動化を達成することも可能であ
り、スプロケット歯面の摩耗を低減することができるサ
イレントチェーン用プレートを提供することである。さ
らに、本発明の目的は、プレート成形時のバリ取り作業
や研磨作業の所要時間を短縮することができ、その生産
性を向上させることができるサイレントチェーン用プレ
ートの製造方法を提供することである。
たようなエンドレスチェーンを形成する際のプレートの
突き合わせ作業は、始端となるプレートと終端となるプ
レートがそれぞれチェーン幅方向に複数枚配列されてお
り、複数枚が相互に同時に組み合いながら突き合うた
め、通常、人手によって為されており、その自動化が困
難であった。そして、このようなプレートの突き合わせ
を容易に行うためには、プレートの突き合わせ部分に出
来る限り大きな面取りを施すことが必要となるが、バリ
取り作業又は研磨作業等の作業時間が長くなってプレー
トの生産性が低下するともにプレートの疲労強度が低下
するという問題があった。さらに、プレート外周縁の不
必要な箇所、すなわち、プレートに形成されているリン
ク歯の噛み合い面まで一律に大きく面取りが施され、こ
の結果として、スプロケットと噛み合うプレートの噛み
合い面の歯幅が狭小となり、スプロケットにかかる面圧
が高くなって、スプロケットの歯面に異常摩耗を発生さ
せるという問題があった。そこで、本発明の目的は、前
述したような従来技術の問題点を解決し、エンドレスチ
ェーンを形成する際に相互のプレートを円滑に突き合わ
せることができ、その自動化を達成することも可能であ
り、スプロケット歯面の摩耗を低減することができるサ
イレントチェーン用プレートを提供することである。さ
らに、本発明の目的は、プレート成形時のバリ取り作業
や研磨作業の所要時間を短縮することができ、その生産
性を向上させることができるサイレントチェーン用プレ
ートの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】まず、本請求項１記載の
サイレントチェーン用プレートは、チェーン長手方向の
両側縁の少なくとも一方に、リンク歯を含む他の周縁よ
りも大きく面取りしてなる突合挿入部が設けられている
ことによって、前記課題を解決したものである。 ま
た、本請求項２記載のサイレントチェーン用プレートの
製造方法は、チェーン長手方向の両側縁の少なくとも一
方に、リンク歯を含む他の周縁よりも大きく面取りして
なる突合挿入部が設けられているサイレントチェーン用
プレートの製造方法において、コイル板材に前記突合挿
入部を形設するための面押し加工と一対のピン孔を穿設
するための打ち抜き加工とを施した後、前記ピン孔を基
準としたプレート外縁の打ち抜き加工を施すことによっ
て、前記コイル板材からプレートを打ち抜きして成形す
ることによって、前記課題を解決したものである。な
お、ここで、本発明のサイレントチェーン用プレートに
設ける突合挿入部は、多数のプレートを重ね合わせて長
尺状態に組みつけて所定の長さに裁断したチェーンの長
手方向の端部、すなわち、所定の長さに裁断したチェー
ンの始端となるプレートと終端となるプレートの突き合
わせ接続部の少なくとも一方に配置すれば足りるが、プ
レート製造におけるプレート形状の単一化、チェーン編
成時におけるプレートの取り扱い、エンドレスチェーン
におけるチェーン長の多様化などを考慮すると、前記突
合挿入部は、それぞれのプレートの表裏両面の側縁、お
よび、長手方向の両方の側縁に画一的に配置することが
望ましい。また、前記突合挿入部の形状については、所
定の長さに裁断したチェーンの始端となるプレートと終
端となるプレートの円滑な突き合わせが達成できれば、
如何なる形状であっても差し支えないが、プレートの外
形、製造時の面押し加工、突き合わせ時の操作などを考
慮すると、プレートの最側端を要とする扇形が望まし
い。なお、本発明のサイレントチェーン用プレートは、
打ち抜き時に生じた粗面やダレを除去して、打ち抜き部
分の表面粗さや表面精度を向上させるために、コイル板
材をポンチなどの打ち抜き工具で打ち抜いて形成した打
ち抜き部分の周縁の輪郭よりも、僅かに大きな輪郭を有
する棒状又は柱状のシェービング工具を用い、前記打ち
抜き工具と同様にして前記コイル板材の打ち抜き部分を
押し抜くことが望ましい。
サイレントチェーン用プレートは、チェーン長手方向の
両側縁の少なくとも一方に、リンク歯を含む他の周縁よ
りも大きく面取りしてなる突合挿入部が設けられている
ことによって、前記課題を解決したものである。 ま
た、本請求項２記載のサイレントチェーン用プレートの
製造方法は、チェーン長手方向の両側縁の少なくとも一
方に、リンク歯を含む他の周縁よりも大きく面取りして
なる突合挿入部が設けられているサイレントチェーン用
プレートの製造方法において、コイル板材に前記突合挿
入部を形設するための面押し加工と一対のピン孔を穿設
するための打ち抜き加工とを施した後、前記ピン孔を基
準としたプレート外縁の打ち抜き加工を施すことによっ
て、前記コイル板材からプレートを打ち抜きして成形す
ることによって、前記課題を解決したものである。な
お、ここで、本発明のサイレントチェーン用プレートに
設ける突合挿入部は、多数のプレートを重ね合わせて長
尺状態に組みつけて所定の長さに裁断したチェーンの長
手方向の端部、すなわち、所定の長さに裁断したチェー
ンの始端となるプレートと終端となるプレートの突き合
わせ接続部の少なくとも一方に配置すれば足りるが、プ
レート製造におけるプレート形状の単一化、チェーン編
成時におけるプレートの取り扱い、エンドレスチェーン
におけるチェーン長の多様化などを考慮すると、前記突
合挿入部は、それぞれのプレートの表裏両面の側縁、お
よび、長手方向の両方の側縁に画一的に配置することが
望ましい。また、前記突合挿入部の形状については、所
定の長さに裁断したチェーンの始端となるプレートと終
端となるプレートの円滑な突き合わせが達成できれば、
如何なる形状であっても差し支えないが、プレートの外
形、製造時の面押し加工、突き合わせ時の操作などを考
慮すると、プレートの最側端を要とする扇形が望まし
い。なお、本発明のサイレントチェーン用プレートは、
打ち抜き時に生じた粗面やダレを除去して、打ち抜き部
分の表面粗さや表面精度を向上させるために、コイル板
材をポンチなどの打ち抜き工具で打ち抜いて形成した打
ち抜き部分の周縁の輪郭よりも、僅かに大きな輪郭を有
する棒状又は柱状のシェービング工具を用い、前記打ち
抜き工具と同様にして前記コイル板材の打ち抜き部分を
押し抜くことが望ましい。
【作用】本請求項１のサイレントチェーン用プレート
は、チェーン長手方向の両側縁の少なくとも一方に、面
取りしてなる突合挿入部が設けられていることによっ
て、所定の長さに裁断したチェーンの始端となるプレー
トと終端となるプレートを突き合わせてサイレントチェ
ーンを組み立てる際に、始端となるプレートの突合挿入
部と終端となるプレートの突合挿入部との間に若干のク
リアランスが創出されて、突き合わせ方向がチェーン長
手方向に対して多少ズレてもプレート相互の引っ掛かり
がなくなる。また、本請求項１のサイレントチェーン用
プレートは、チェーン長手方向の両側縁の少なくとも一
方に、リンク歯を含む他の周縁よりも大きく面取りして
なる突合挿入部が設けられていることによって、リンク
歯のかみ合い面が突合挿入部と同程度に面取りされてい
ないので、サイレントチェーンとしてスプロケットと噛
み合う時にプレートがスプロケットの歯面に対して充分
な接触面積で当接するため、スプロケットに対する過度
の面圧を発生させることがない。さらに、本請求項２の
サイレントチェーン用プレートの製造方法では、打ち抜
き加工時に面押し加工を施すことによって、プレートの
リンク歯を含む他の周縁を不用意に面取りすることな
く、プレートの突合挿入部が一回の面押し操作によって
短時間で確実に面取りされる。
は、チェーン長手方向の両側縁の少なくとも一方に、面
取りしてなる突合挿入部が設けられていることによっ
て、所定の長さに裁断したチェーンの始端となるプレー
トと終端となるプレートを突き合わせてサイレントチェ
ーンを組み立てる際に、始端となるプレートの突合挿入
部と終端となるプレートの突合挿入部との間に若干のク
リアランスが創出されて、突き合わせ方向がチェーン長
手方向に対して多少ズレてもプレート相互の引っ掛かり
がなくなる。また、本請求項１のサイレントチェーン用
プレートは、チェーン長手方向の両側縁の少なくとも一
方に、リンク歯を含む他の周縁よりも大きく面取りして
なる突合挿入部が設けられていることによって、リンク
歯のかみ合い面が突合挿入部と同程度に面取りされてい
ないので、サイレントチェーンとしてスプロケットと噛
み合う時にプレートがスプロケットの歯面に対して充分
な接触面積で当接するため、スプロケットに対する過度
の面圧を発生させることがない。さらに、本請求項２の
サイレントチェーン用プレートの製造方法では、打ち抜
き加工時に面押し加工を施すことによって、プレートの
リンク歯を含む他の周縁を不用意に面取りすることな
く、プレートの突合挿入部が一回の面押し操作によって
短時間で確実に面取りされる。
【実施例】以下、図面に基づいて本発明を詳細に説明す
る。図１は、本発明のサイレントチェーン用プレートの
一実施例を示す拡大図であって、（ａ）はその正面図、
（ｂ）はその側面図、（ｃ）はその下面図である。本実
施例のプレート１には、サイレントチェーンとして編成
される際にチェーン長手方向および幅方向に多数のプレ
ートを連結するための一対のピン孔２，２と、サイレン
トチェーンとして編成されてスプロケットと噛み合う噛
み合い面３Ａ，３Ａがそれぞれ形成された一対のリンク
歯３，３が設けられている。そして、プレート１のチェ
ーン長手方向の側縁には、サイレントチェ−ンとしてエ
ンドレス化する際にプレートをチェーン長手方向に相互
に突き合わせて接続するための突合挿入部４，４がそれ
ぞれ設けられている。さらに、プレート１の両側縁に設
けられた突合挿入部４，４には、リンク歯３，３を含む
プレート１の他の周縁よりもその角部が大きく面取りさ
れており、プレートの最側端を要とする扇形の形態に形
成されている。なお、前記プレート１は、後述するよう
に、コイル板材を打ち抜いて形成されており、前記一対
のピン孔２，２の内面、噛み合い面３Ａ，３Ａ、及び背
面のそれぞれに、平滑且つ高精度なシェービング加工が
プレート１の板厚の７０％以上の範囲に亘って施されて
おり、それぞれの面に高い平行度を付与している。した
がって、このようにして得られた本実施例のサイレント
チェーン用プレートは、図２の組み立て説明図に示すよ
うに、サイレントチェーンを組み立てる際に、始端とな
るプレート１Ａの突合挿入部４Ａと終端となるプレート
１Ｂの突合挿入部４Ｂとの相互間に引っ掛かりがなくな
るので、相互のプレート１Ａ，１Ｂを円滑に突き合わせ
てエンドレスチェーンを極めて簡便に形成することがで
き、また、プレート製造におけるプレート形状が単一化
され、チェーン編成時におけるプレートの取り扱いが簡
便になるので、エンドレスチェーンにおけるチェーン長
の多様化などに応じたエンドレス化の接続作業工程が自
動化し易くなる。また、突合挿入部４Ａ，４Ｂを大きく
面取りしたにも関わらず、プレート１のリンク歯３，３
がスプロケットの歯面に対して充分な接触面積でかみ合
うことができるので、従来のプレートのようなスプロケ
ットに対する過度の面圧を発生させることがなく、スプ
ロケットの歯面に生じがちな摩耗を著しく低減すること
ができる。つぎに、図３は、本発明の一実施例であるサ
イレントチェーン用プレートの製造方法を示す工程説明
図である。同図で示すように、本実施例は、コイル板材
５を、第１の製造工程Ａ１から第３の製造工程Ａ３へ順
次移動して各製造工程が連続して行われるものであり、
先ず、第１の製造工程Ａ１でコイル板材５に前述したよ
うな突合挿入部４，４を形設するための面押し加工が面
押し用ポンチ（図示せず）によって施され、第２の製造
工程Ａ２で一対のピン孔２，２を穿設するための打ち抜
き加工がピン孔用ポンチ（図示せず）によって施され、
第３の製造工程Ａ３で前記ピン孔２，２を基準としたプ
レート外縁の打ち抜き加工がプレート打ち抜き用ポンチ
（図示せず）によって施される。なお、第２の製造工程
Ａ２、および第３の製造工程Ａ３の打ち抜き加工後に、
打ち抜き部分の周縁の輪郭よりも、僅かに大きな輪郭を
有する棒状または柱状のシェービング工具を用いて前記
コイル板材の打ち抜き部分を押し抜くことにより、シェ
ービング加工をプレートの板厚の約７０％以上の部分に
実施し、打ち抜き時に生じた粗面やダレを除去して、打
ち抜き部分の表面粗さや表面精度を向上させる。したが
って、本実施例のサイレントチェーン用プレートの製造
方法によれば、従来のようなプレートの熱処理の前後で
処理していたバリ取り作業や研磨作業の所要時間を大幅
に削減することができ、プレートの生産性を著しく向上
させることができる。
る。図１は、本発明のサイレントチェーン用プレートの
一実施例を示す拡大図であって、（ａ）はその正面図、
（ｂ）はその側面図、（ｃ）はその下面図である。本実
施例のプレート１には、サイレントチェーンとして編成
される際にチェーン長手方向および幅方向に多数のプレ
ートを連結するための一対のピン孔２，２と、サイレン
トチェーンとして編成されてスプロケットと噛み合う噛
み合い面３Ａ，３Ａがそれぞれ形成された一対のリンク
歯３，３が設けられている。そして、プレート１のチェ
ーン長手方向の側縁には、サイレントチェ−ンとしてエ
ンドレス化する際にプレートをチェーン長手方向に相互
に突き合わせて接続するための突合挿入部４，４がそれ
ぞれ設けられている。さらに、プレート１の両側縁に設
けられた突合挿入部４，４には、リンク歯３，３を含む
プレート１の他の周縁よりもその角部が大きく面取りさ
れており、プレートの最側端を要とする扇形の形態に形
成されている。なお、前記プレート１は、後述するよう
に、コイル板材を打ち抜いて形成されており、前記一対
のピン孔２，２の内面、噛み合い面３Ａ，３Ａ、及び背
面のそれぞれに、平滑且つ高精度なシェービング加工が
プレート１の板厚の７０％以上の範囲に亘って施されて
おり、それぞれの面に高い平行度を付与している。した
がって、このようにして得られた本実施例のサイレント
チェーン用プレートは、図２の組み立て説明図に示すよ
うに、サイレントチェーンを組み立てる際に、始端とな
るプレート１Ａの突合挿入部４Ａと終端となるプレート
１Ｂの突合挿入部４Ｂとの相互間に引っ掛かりがなくな
るので、相互のプレート１Ａ，１Ｂを円滑に突き合わせ
てエンドレスチェーンを極めて簡便に形成することがで
き、また、プレート製造におけるプレート形状が単一化
され、チェーン編成時におけるプレートの取り扱いが簡
便になるので、エンドレスチェーンにおけるチェーン長
の多様化などに応じたエンドレス化の接続作業工程が自
動化し易くなる。また、突合挿入部４Ａ，４Ｂを大きく
面取りしたにも関わらず、プレート１のリンク歯３，３
がスプロケットの歯面に対して充分な接触面積でかみ合
うことができるので、従来のプレートのようなスプロケ
ットに対する過度の面圧を発生させることがなく、スプ
ロケットの歯面に生じがちな摩耗を著しく低減すること
ができる。つぎに、図３は、本発明の一実施例であるサ
イレントチェーン用プレートの製造方法を示す工程説明
図である。同図で示すように、本実施例は、コイル板材
５を、第１の製造工程Ａ１から第３の製造工程Ａ３へ順
次移動して各製造工程が連続して行われるものであり、
先ず、第１の製造工程Ａ１でコイル板材５に前述したよ
うな突合挿入部４，４を形設するための面押し加工が面
押し用ポンチ（図示せず）によって施され、第２の製造
工程Ａ２で一対のピン孔２，２を穿設するための打ち抜
き加工がピン孔用ポンチ（図示せず）によって施され、
第３の製造工程Ａ３で前記ピン孔２，２を基準としたプ
レート外縁の打ち抜き加工がプレート打ち抜き用ポンチ
（図示せず）によって施される。なお、第２の製造工程
Ａ２、および第３の製造工程Ａ３の打ち抜き加工後に、
打ち抜き部分の周縁の輪郭よりも、僅かに大きな輪郭を
有する棒状または柱状のシェービング工具を用いて前記
コイル板材の打ち抜き部分を押し抜くことにより、シェ
ービング加工をプレートの板厚の約７０％以上の部分に
実施し、打ち抜き時に生じた粗面やダレを除去して、打
ち抜き部分の表面粗さや表面精度を向上させる。したが
って、本実施例のサイレントチェーン用プレートの製造
方法によれば、従来のようなプレートの熱処理の前後で
処理していたバリ取り作業や研磨作業の所要時間を大幅
に削減することができ、プレートの生産性を著しく向上
させることができる。
【発明の効果】以上説明したように、本発明のサイレン
トチェーン用プレートおよびその製造方法によれば、以
下のような本発明に特有の効果を奏することができる。
本請求項１のサイレントチェーン用プレートは、チェー
ン長手方向の両側縁の少なくとも一方に、面取りしてな
る突合挿入部が設けられていることによって、サイレン
トチェーンを組み立てる際に、始端となるプレートの突
合挿入部と終端となるプレートの突合挿入部との間に引
っ掛かりがなくなるので、相互のプレートを円滑に突き
合わせることができ、エンドレスチェーンを極めて簡便
に形成することができる。また、本発明のサイレントチ
ェーン用プレートに設ける突合挿入部が、それぞれのプ
レートの表裏両面の側縁、および、長手方向の両方の側
縁に画一的に配置されている場合には、プレート製造に
おけるプレート形状が単一化され、チェーン編成時にお
けるプレートの取り扱いが簡便になるので、エンドレス
チェーンにおけるチェーン長の多様化などに応じたエン
ドレス化の作業工程が自動化し易くなる。また、本請求
項１のサイレントチェーン用プレートは、チェーン長手
方向の両側縁の少なくとも一方に、リンク歯を含む他の
周縁よりも大きく面取りしてなる突合挿入部が設けられ
ていることによって、突合挿入部を大きく面取りしたに
もかかわらず、プレートのリンク歯がスプロケットの歯
面に対して充分な接触面積でかみ合うことができるの
で、従来のプレートのようなスプロケットに対する過度
の面圧を発生させることがなく、スプロケットの歯面に
生じがちな摩耗を著しく低減することができ、プレート
の疲労強度を低下させることがない。さらに、本請求項
２のサイレントチェーン用プレートの製造方法では、打
ち抜き加工時に面押し加工を施すことによって、プレー
トのリンク歯を含む他の周縁を不用意に面取りすること
なく、プレートの突合挿入部が一回の面押し操作によっ
て短時間で確実に面取りされるので、従来のようなプレ
ートの熱処理の前後で処理していたバリ取り作業や研磨
作業の所要時間を大幅に削減することができ、プレート
の生産性を著しく向上させることができる。
トチェーン用プレートおよびその製造方法によれば、以
下のような本発明に特有の効果を奏することができる。
本請求項１のサイレントチェーン用プレートは、チェー
ン長手方向の両側縁の少なくとも一方に、面取りしてな
る突合挿入部が設けられていることによって、サイレン
トチェーンを組み立てる際に、始端となるプレートの突
合挿入部と終端となるプレートの突合挿入部との間に引
っ掛かりがなくなるので、相互のプレートを円滑に突き
合わせることができ、エンドレスチェーンを極めて簡便
に形成することができる。また、本発明のサイレントチ
ェーン用プレートに設ける突合挿入部が、それぞれのプ
レートの表裏両面の側縁、および、長手方向の両方の側
縁に画一的に配置されている場合には、プレート製造に
おけるプレート形状が単一化され、チェーン編成時にお
けるプレートの取り扱いが簡便になるので、エンドレス
チェーンにおけるチェーン長の多様化などに応じたエン
ドレス化の作業工程が自動化し易くなる。また、本請求
項１のサイレントチェーン用プレートは、チェーン長手
方向の両側縁の少なくとも一方に、リンク歯を含む他の
周縁よりも大きく面取りしてなる突合挿入部が設けられ
ていることによって、突合挿入部を大きく面取りしたに
もかかわらず、プレートのリンク歯がスプロケットの歯
面に対して充分な接触面積でかみ合うことができるの
で、従来のプレートのようなスプロケットに対する過度
の面圧を発生させることがなく、スプロケットの歯面に
生じがちな摩耗を著しく低減することができ、プレート
の疲労強度を低下させることがない。さらに、本請求項
２のサイレントチェーン用プレートの製造方法では、打
ち抜き加工時に面押し加工を施すことによって、プレー
トのリンク歯を含む他の周縁を不用意に面取りすること
なく、プレートの突合挿入部が一回の面押し操作によっ
て短時間で確実に面取りされるので、従来のようなプレ
ートの熱処理の前後で処理していたバリ取り作業や研磨
作業の所要時間を大幅に削減することができ、プレート
の生産性を著しく向上させることができる。
【図１】 本発明の一実施例であるサイレントチェーン
用プレートの拡大図であって、（ａ）はその正面図、
（ｂ）はその側面図、（ｃ）はその下面図である。
用プレートの拡大図であって、（ａ）はその正面図、
（ｂ）はその側面図、（ｃ）はその下面図である。
【図２】 本発明の一実施例であるサイレントチェーン
用プレートを用いたサイレントチェーンの組み立て説明
図である。
用プレートを用いたサイレントチェーンの組み立て説明
図である。
【図３】 本発明の一実施例であるサイレントチェーン
用プレートの製造方法を示す工程説明図である。
用プレートの製造方法を示す工程説明図である。
１ プレート ２ ピン孔 ３ リンク歯 ３Ａ，３Ｂ 噛み合い面 ４ 突合挿入部 ５ コイル板材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平10−238597（ＪＰ，Ａ) 特開 平１−228639（ＪＰ，Ａ) 特開 昭53−113259（ＪＰ，Ａ) 米国特許4058021（ＵＳ，Ａ) (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) F16G 13/02 - 13/08 B21L 9/00 - 9/08
Claims (2)
- 【請求項１】 チェーン長手方向の両側縁の少なくとも
一方に、リンク歯を含む他の周縁よりも大きく面取りし
てなる突合挿入部が設けられていることを特徴とするサ
イレントチェーン用プレート。 - 【請求項２】 チェーン長手方向の両側縁の少なくとも
一方に、リンク歯を含む他の周縁よりも大きく面取りし
てなる突合挿入部が設けられているサイレントチェーン
用プレートの製造方法において、 コイル板材に前記突合挿入部を形設するための面押し加
工と一対のピン孔を穿設するための打ち抜き加工とを施
した後、前記ピン孔を基準としたプレート外縁の打ち抜
き加工を施すことによって、前記コイル板材からプレー
トを打ち抜きして成形することを特徴とするサイレント
チェーン用プレートの製造方法。
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| JP11155677A JP3069345B1 (ja) | 1999-06-02 | 1999-06-02 | サイレントチェ―ン用プレ―トおよびその製造方法 |
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| JP2000346141A JP2000346141A (ja) | 2000-12-12 |
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| JP11155677A Expired - Lifetime JP3069345B1 (ja) | 1999-06-02 | 1999-06-02 | サイレントチェ―ン用プレ―トおよびその製造方法 |
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