JP3069277B2 - 内面溝付伝熱管およびその製造方法 - Google Patents

内面溝付伝熱管およびその製造方法

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JP3069277B2
JP3069277B2 JP7271337A JP27133795A JP3069277B2 JP 3069277 B2 JP3069277 B2 JP 3069277B2 JP 7271337 A JP7271337 A JP 7271337A JP 27133795 A JP27133795 A JP 27133795A JP 3069277 B2 JP3069277 B2 JP 3069277B2
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fins
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淳 宮内
義克 荒山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属管の内面に熱
交換効率を高めるためのフィンを形成した内面溝付伝熱
管およびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】この種の内面溝付伝熱管は、空調装置や
冷蔵庫等の熱交換器において蒸発管または凝縮管として
主に使用されるもので、最近では内面の全面に亙って螺
旋状の溝を形成することにより、溝同士の間に螺旋状の
フィンを形成した伝熱管が広く市販されている。
【0003】現在主流となっている伝熱管は、引き抜き
または押し出し加工により得られたシームレス(継ぎ目
のない)管の内部に、外周面に螺旋溝が形成されたフロ
ーティングプラグを通すことにより、金属管の内周面の
全面に亙って螺旋溝を転造する方法で製造されている
が、この製造方法によるものは、フローティングプラグ
の特性上、フィンの形状や高さが制限されるため、フィ
ンを改良して熱交換効率を高めるには限界がある。
【0004】そこで、本発明者らは前記シームレス管の
代わりに、長尺の金属板条材をその幅方向へ丸めて突き
合わせた両側縁を溶接し、金属管を得る「電縫管方式」
を伝熱管製造に採用することを従来より検討している。
電縫管方式によれば、伝熱管内面に形成すべきフィン
を、平板状の金属板条材の状態において転造でき、フィ
ン形状の設計自由度が高いからである。
【0005】電縫管方式により製造される内面溝付伝熱
管の一例を図12に示す。この伝熱管1は断面円形の金
属管であり、その内面のほぼ全域に亙って、管軸に対し
て一定角度をなす互いに平行なフィン2が螺旋状に多数
形成され、隣り合うフィン2の間はそれぞれ螺旋溝3と
なっている。また、伝熱管1の内周面の1箇所には、電
縫加工による溶接部4が形成され、この溶接部4の両側
には、伝熱管1の中心軸と平行に延びるフィン無し部分
5が形成され、このフィン無し部分5によって各フィン
2が分断されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、従来の内面
溝付伝熱管の製造方法においては、図13に示すように
板条材Tの両側縁が直線形状5Aにならず、僅かながら
波打ち形状5Bになることが見いだされた。このような
波打ち形状5Bが生じると、溶接工程において突き合わ
せ面に間隙が生じ、溶接部の品質が不均一になるおそれ
があるので、波打ち形状5Bが顕著な場合には、溶接部
の信頼性を高めるために両側縁を削り落として直線状に
加工しなければならなかった。
【0007】特に、本発明者らの最近の研究によると、
内面溝付伝熱管のフィンの突出量を従来品より大きくす
るとともに、フィン断面形状を細くすることにより、凝
縮性能および蒸発性能を向上できることが判明している
が、このように突出量が大きいフィンを形成する場合に
は、波打ち形状5Bがいっそう顕著になるという問題も
あった。
【0008】そこで本発明者らは、図13に示すような
波打ち形状5Bが生じるメカニズムについて詳細な検討
を行い、次のような知見を得るに至った。すなわち、螺
旋溝3を形成すべき部分では、フィン2を形成すべき部
分よりも材料の圧下率が大きくなるため、各螺旋溝3の
末端からフィン無し部分5へ向けて材料流れが生じる。
このため、各螺旋溝3の末端に対応する箇所で端縁が張
り出し、波打ち形状5Bが生じるのである。
【0009】本発明は上記知見に基づいてなされたもの
で、板条材端面に波打ち形状が発生することが防止で
き、ひいては高い信頼性が得られる内面溝付伝熱管およ
びその製造方法を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明に係る内面溝付伝熱管は、金属管の内周面
に、この金属管の軸線方向へ延びる1本の溶接部と、こ
の溶接部と平行に溶接部から離れて形成された一対の突
条部と、これら突条部同士に挟まれる領域のうち前記溶
接部を含まない側の領域に多数形成されたフィンとを具
し、前記フィンは前記金属管の軸線方向に対して交差
する角度で形成されていることを特徴としている。
【0011】一方、本発明に係る内面溝付伝熱管の製造
方法は、金属製の板条材を走行させつつ、少なくとも一
対のフィン形成ロール間を通すことにより、前記板条材
の一面に、この板条材の両側縁と平行でかつ前記両側縁
からそれぞれ離れた一対の突条部と、これら突条部同士
に挟まれる領域に前記突条部と交差する角度で並ぶ多数
のフィンとを転造する工程と、前記突条部およびフィン
が形成された板条材を、複数のフォーミングロールを通
して、前記突条部およびフィンが内周側に位置するよう
に管状に成形する管成形工程と、管状に成形された前記
板条材の両端縁を加熱したうえ突き合わせて溶接する溶
接工程とを具備することを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に係る内面溝付伝
熱管の一実施形態10を示す断面図である。この内面溝
付伝熱管10は、金属管の内周面に、この金属管の軸線
方向へ延びる1本の溶接部16と、この溶接部16と平
行に溶接部16から離れて形成された一対の突条部18
と、これら突条部18同士に挟まれる領域のうち溶接部
16を含まない側の領域(図中A2+A1+A2)に多
数形成されたフィン12とを具備している。
【0013】この実施形態では、図2に示すように、フ
ィン12が軸線に対して交差する一定角度(螺旋角)α
で形成され、管軸を中心とする螺旋状をなしている。螺
旋角αは伝熱管10に求められる特性に応じて決定され
る値であり、本発明では特に限定されない。また、各フ
ィン12の両端部はそれぞれ突条部18に連結されてお
り、波打ち変形を防ぐ効果をより高めている。但し、本
発明ではフィン12の末端を突条部18に連結しない構
成も実施可能である。
【0014】図3に示すように、フィン12のうち突条
部18から一定距離以内の領域A2にある溶接部近傍部
分12Aでは、その金属管内面からの高さHが、突条部
18に近づくにつれ漸次減少するように形成されてお
り、突条部18への連結部分では突条部18とほぼ等し
くされ、図2に示すようにフィン12の稜線が突条部1
8の稜線に連続している。これに対し、フィン12のう
ち前記領域A2を除く領域A1では、フィン12の高さ
Hが全て一定にされている。
【0015】隣り合うフィン12同士の間は溝部14と
され、これら溝部14のうち前記領域A2の溶接部近傍
部分14A内では、図3に示すように、金属管の肉厚が
突条部18に近づくにつれ漸次増大するように形成され
ている。図中一点鎖線は、領域A1内における管内周面
の仮想延長面である。溶接部16と突条部18との間の
溝部20内における金属管の肉厚は、溶接部近傍部分1
4A内での金属管の肉厚の最大値よりさらに大きくされ
ている。一方、領域A1内では螺旋溝14内の管肉厚が
全て一定にされている。但し、溶接部16の頂上部分で
の、溶接部16の高さを含めた金属管肉厚は、領域A1
内においてフィン12の高さを含めた金属管肉厚よりも
僅かに小さくされている。溶接部16の先端がフィン1
2よりも内方に突き出していると、伝熱管10の外周に
放熱フィンを固定するために拡管を行う際に、溶接部1
6と拡管プラグとのかじりが生じるおそれがある。ま
た、溶接部16の先端がフィン12よりもあまり外方に
位置していると、前記拡管処理時に溶接部16に対応す
る位置で管外周面に凹みが生じ、伝熱管10の円筒度が
低下して、放熱フィンの固定が不十分になるおそれがあ
る。
【0016】各部の寸法をより具体的に述べると、領域
A2の周方向の幅は、好ましくは金属管内周面の全周長
の20〜50%、より好ましくは30〜40%とされて
いる。領域A2の周方向の幅が20〜50%の範囲内で
あれば、拡管試験時に溶接部16の近傍から最初に亀裂
が発生することを防止する効果が高められる。但し、本
発明は上記範囲に限定されるものではない。
【0017】突条部18の中心線間の距離Wは、本発明
では必ずしも限定されないが、好ましくは金属管内周面
の全周長の2〜5%、さらに好ましくは3〜4.5%と
されている。距離Wが2〜5%の範囲内であれば、板条
材Tの端縁に波打ち変形が発生しにくくなるだけでな
く、突条部18による溶接部近傍の補強効果が高められ
るからである。
【0018】突条部18の金属管内面からの突出量は、
領域A1におけるフィン12の突出量の10〜80%で
あることが好ましく、より好ましくは15〜70%とさ
れる。10〜80%であれば、突条部18が拡管時に拡
管プラグに当たるおそれが小さく、突条部18による補
強効果も十分に得ることができる。
【0019】次に図4は、上記構成からなる伝熱管10
の製造装置の一例を示す側面図である。図中符号30は
一定幅の金属製板条材Tを連続的に繰り出すアンコイラ
であり、繰り出された板条材Tは一対の押さえロール3
2を経て、対をなす溝付ロール34および平滑ロール3
6(共に溝形成ロールと総称する)の間を通され、溝付
ロール34により、図7〜図9に示すような突条部1
8、フィン12および螺旋溝14が形成されるようにさ
れている。なお、この実施形態では、板条材Tの表面に
のみフィン12等が形成され、裏面は平滑のままに保た
れる。
【0020】図5〜図7は、溝付ロール34および平滑
ロール36の詳細図であり、これらロール34,36は
それぞれシャフト54,56を介してフレーム58に回
転自在に支持されている。溝付ロール34は、図6およ
び図7に示すように、外周面に転造溝62が形成された
溝付ロール本体34Aと、その両側に固定された一対の
サイドロール34Bとを具備している。転造溝62によ
り板条材Tにはフィン12が形成される一方、転造溝6
2の間の突条部64により螺旋溝14が形成される。
【0021】溝付ロール本体34Aの中央部分の外周面
(突条部64の先端面)は、正確な円筒面とされてい
る。これに対し、溝付ロール本体34Aの軸線方向両側
部分の外周面(突条部64の先端面)は、サイドロール
34B側へ向けて外径が縮小する円錐面とされ、これに
より、螺旋溝14の両端部分14A内における板条材T
の厚さが、突条部18に向けて漸次増大するように設定
されている。また、同じ部分において、転造溝62の深
さは、溝付ロール本体34Aの両端へ向けて漸次減少す
るように形成され、これにより、板条材Tに形成される
フィン12の高さは、溶接部近傍部分12Aにおいて、
突条部18へ近づくにつれ減少するようになっている。
なお、溝付ロール34の突条部64と転造溝62との境
界のエッジは、面取りされていなくても、面取りされて
いてもよい。
【0022】溝付ロール本体34Aとサイドロール34
Bとの境には、外周面の全周に亙って延びる突条部形成
用溝60が形成されており、この突条部形成用溝60に
よって、板条材Tには、その両側縁から一定距離離れた
位置に、板条材Tの長手方向に延びる突条部18が全長
に亙って形成されるようになっている。この実施形態で
は、突条部形成用溝60の断面形状は、断面がなだらか
な円弧状とされているが断面三角形状であってもよい。
【0023】サイドロール34Bの外周面は、軸方向外
側へ向けて外径が縮小するテーパ面とされ、この外周面
によって突条部18の外側に一定幅のフィン無し部分6
6が転造されるようになっている。この溝無し部分66
の肉厚は図8に示すように、螺旋溝14内での肉厚より
も大きくなるように設定されている。
【0024】溝付ロール34および平滑ロール36によ
り溝加工された板条材Tは、図4に示すように、一対の
ロール38を経て、複数対配列されたフォーミングロー
ル40を通して徐々に管状に丸められ、ローリングセパ
レータ41により突き合わせるべき両端縁間の間隙量が
一定に保たれたうえ、誘導加熱コイル42に通されて両
側縁部が加熱される。管状に成形され加熱された板条材
Tは、一対のスクイズロール44を通され、両側方から
押されることにより加熱された両側縁部が突き合わさ
れ、溶接される。こうして溶接された伝熱管10の外周
面には、はみ出した溶融材料によりビードが形成される
ので、このビードを切削するためのビードカッタ46が
設けられている。
【0025】ビードが切削された伝熱管10は冷却槽4
8を通されて強制冷却されたうえ、複数対配列されたサ
イジングロール50を通され、所定の外径までに縮径さ
れる。さらに、縮径された伝熱管10は、ラフコイラ5
2で巻き取られるようになっている。
【0026】次に、上記装置を用いた内面溝付伝熱管の
製造方法の一実施形態を説明する。この実施形態の方法
では、まず一定幅の板条材Tをアンコイラ30から連続
的に繰り出し、繰り出された板条材Tを一対の押さえロ
ール32を経て、溝付ロール34と受けロール36との
間に通し、溝付ロール34により図7〜図9に示すよう
に突条部18、フィン12および螺旋溝14を形成す
る。
【0027】板条材Tの材質としては銅または銅合金で
あればいかなる材質も使用可能であり、伝熱管の材質と
して一般的なりん脱酸銅(例えばJIS1220合金)
のみならず、無酸素銅、銅合金、アルミニウム、アルミ
ニウム合金、鋼などへ適用した場合にも同様の効果が得
られる。
【0028】なお、本発明を一般的な外径3〜15mm
程度の伝熱管製造に適用する場合には、溝形成前の板条
材Tの厚さは0.3〜1.2mmであることが好まし
く、かつ板条材Tに形成する螺旋溝14の深さ(=フィ
ン12の高さ)は板条材Tの厚さの30〜60%である
ことが好ましい。特に、本発明では、板条材Tの両側縁
の波打ち形状発生を防ぎつつも、フィン12の高さを従
来品よりも高い寸法にまで高めることが可能であり、こ
の場合にはフィン12の先端の排液性および乱流発生効
果が向上し、従来のシームレス管では得られない高い熱
交換性能が得られるという利点を有している。
【0029】次に、溝加工された板条材Tを、図4に示
すように、一対のロール38および複数対配列されたフ
ォーミングロール40を通して徐々に管状に丸めたう
え、ローリングセパレータ41により突き合わせるべき
両端縁間の距離(間隙量)を一定に保つ。その上で、誘
導加熱コイル42に通して両側縁部を加熱し、さらに一
対のスクイズロール44を通して両側方から押すことに
より両側縁部を突き合わせて溶接する。伝熱管10の外
周面にはみ出した溶融材料はビードとなるため、このビ
ードをビードカッタ46で切削する。
【0030】ビードが切削された伝熱管10を冷却槽4
8に通して強制冷却し、複数対配列されたサイジングロ
ール50を通して、所定の外径までに縮径する。こうし
て縮径された伝熱管10を、ラフコイラ52で巻き取
る。但し、この工程は図4の装置を使用した場合のもの
であり、装置の構成に合わせて変更してよいことは勿論
である。
【0031】上記構成からなるこの実施形態の内面溝付
伝熱管および製造方法によれば、板条材Tにフィン12
および螺旋溝14を転造する際に、螺旋溝14の末端か
らフィン無し部分66へ向けて材料流れが生じたとして
も、この材料流れを螺旋溝14とフィン無し部分66と
の間に形成された突条部18によって堰止め、板条材T
の端縁に波打ち形状が発生することが防止できる。した
がって、波打ち形状の発生により生じる溶接部16の欠
陥を防ぐことが可能で、内面溝付伝熱管10の信頼性を
高めることができる。
【0032】また、この内面溝付伝熱管によれば、溶接
時の再結晶化により軟化した溶接部16の両側近傍に、
転造により加工硬化している突条部18を平行に一対形
成しているので、溶接部16の近傍を補強し、溶接部1
6の近傍で相対的に強度が低下することが防止できると
いう利点も有する。
【0033】さらに、この内面溝付伝熱管では、螺旋溝
14内における管肉厚が溶接部16へ向けて漸次厚くな
るように形成されているため、伝熱管10に対して拡管
処理を行う場合にも、フィン無し部分20と螺旋溝14
との境で亀裂が生じにくく、伝熱管10の信頼性を高め
ることができるという利点を有する。
【0034】[第二実施形態]上述した第一実施形態で
は、溝付ロール14により1段階のフィン転造のみを行
っていたが、溝付ロールを2つ以上使用して2段階以上
に転造を行い、一度目の転造で形成したフィン上に、2
度目の転造でフィンに交差する溝を形成することも可能
である。
【0035】図10は、そのようにして得られた内面溝
付伝熱管の内面の展開図であり、図2と共通する部分に
は、同一符号を付して説明を省略する。この伝熱管10
ではフィン12を形成した部分の全面に亙って、フィン
12に交差する断面V字状の溝70を形成したものであ
り、これら溝70によりフィン12を短く分断すると共
に、溝70の両側にオーバーハング部72を形成したこ
とを新たな特徴としている。このようなオーバーハング
部72を形成すると、これらオーバーハング部72の下
側に狭い溝が形成され、この狭い溝により、熱媒の核沸
騰を促進する効果が得られ、沸騰効率を高めることが可
能である。同時に、第一実施形態と同様の効果も得られ
る。
【0036】[第三実施形態]第一実施形態では、フィ
ン12が単純な螺旋状をなしていたが、本発明では螺旋
状以外のフィンを形成することも可能である。例えば、
図11に示す第三実施形態では、平面視してV字状また
はW字状をなすフィン12を、周方向に並べて形成した
ものである。このようなV字状フィン12によれば、伝
熱管10内を流れる熱媒を乱流化する作用がより強くな
り、熱交換効率を向上することが可能である。もちろ
ん、フィンの平面形状はV字状やW字状に限らず、C字
状など様々な変形が可能である。
【0037】さらに、上記各実施形態では、伝熱管1の
内面にのみフィンおよび螺旋溝を形成していたが、本発
明では、伝熱管の外面または/および内面にフィンや溝
を形成する場合にも適用可能である。また、本発明の方
法によれば、長手方向に分割された短いフィンを千鳥状
または螺旋線に沿って多数形成する構成も実施可能であ
り、いずれの場合も上述した基本効果が得られる。
【0038】
【実施例】次に、実施例を挙げて本発明の効果を実証す
る。図7に示す断面形状を有する溝付ロール14を使用
して内面溝付伝熱管を製造した場合(本発明方法)と、
図7における突条部形成用溝60が形成されていない点
のみが異なり、他の形状および寸法は同一である溝付ロ
ールを使用して内面溝付伝熱管を製造した場合(比較例
方法)とで、転造後の板条材の端面形状を比較した。
【0039】転造条件は以下の通りである。 板条材Tの初期厚さ:0.44mm 板条材Tの材質:リン脱酸銅 フィン12の最大高さ:0.20mm フィン12の最小高さ:0.08mm フィン12のピッチ:0.44mm フィン12の両側面の角度(頂角):53゜ 螺旋溝14の底幅:0.20mm 領域A1での螺旋溝14内での板条材Tの厚さ:0.30mm 領域A2での螺旋溝14内での板条材Tの最大厚さ:0.33mm 突条部形成用溝60の深さ:0.50mm 突条部形成用溝60の中心線から板条材Tの端面までの距離:0.60mm
【0040】その結果、本発明の方法で得られた板条材
Tでは端面の波打ちが全く生じなかったのに対し、突条
部形成用溝60を形成しなかった比較例の方法では、板
条材Tの端面に明らかな波打ち形状が発生した。
【0041】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明に係る内面
溝付伝熱管およびその製造方法によれば、板条材にフィ
ンを転造する際に、溝の末端からフィン無し部分へ向け
て材料流れが生じたとしても、この材料流れを溝とフィ
ン無し部分との間に形成された突条部によって堰止め、
板条材の端縁に波打ち形状が発生することが防止でき
る。したがって、波打ち形状の発生により生じる溶接部
の欠陥を防ぎ、内面溝付伝熱管の信頼性を高めることが
できる。
【0042】また、この内面溝付伝熱管によれば、溶接
部の両側に突条部を平行に一対形成しているので、溶接
部の近傍を補強することができ、この点からも内面溝付
伝熱管の信頼性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る内面溝付伝熱管の一実施形態を示
す断面図である。
【図2】同内面溝付伝熱管の内面の展開図である。
【図3】同内面溝付伝熱管の溶接部近傍を示す断面拡大
図である。
【図4】同内面溝付伝熱管の製造装置の一例を示す側面
図である。
【図5】同製造装置のフィン形成ロールを示す側面図で
ある。
【図6】同フィン形成ロールの正面図である。
【図7】同フィン形成ロールによって板条材にフィン等
を転造している状態の断面拡大図である。
【図8】転造直後の板条材の端部を示す断面拡大図であ
る。
【図9】転造直後の板条材の端部を示す平面図である。
【図10】本発明に係る内面溝付伝熱管の第二実施形態
を示す内面の展開図である。
【図11】本発明に係る内面溝付伝熱管の第三実施形態
を示す内面の展開図である。
【図12】従来の内面溝付伝熱管の一例を示す断面図で
ある。
【図13】従来の問題点を示す板条材の端部の拡大図で
ある。
【符号の説明】
10 内面溝付伝熱管 12 フィン 12A フィンの溶接部近傍部分 14 螺旋溝 14A 螺旋溝の溶接部近傍部分 16 溶接部 18 突条部 20 溝部 A2 溶接部の近傍領域 A1 その他の領域 T 板条材 34 溝付ロール 36 受けロール 40 フォーミングロール 42 誘導加熱コイル 62 転造溝 64 突条部 66 フィン無し部分
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒山 義克 福島県会津若松市扇町128の7 三菱伸 銅株式会社若松製作所内 (72)発明者 永原 孝太郎 福島県会津若松市扇町128の7 三菱伸 銅株式会社若松製作所内 (56)参考文献 特公 平3−8847(JP,B2) 米国特許5184674(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B21C 37/15 F28F 1/40

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属管の内周面に、この金属管の軸線方
    向へ延びる1本の溶接部と、この溶接部と平行に溶接部
    から離れて形成された一対の突条部と、これら突条部同
    士に挟まれる領域のうち前記溶接部を含まない側の領域
    に多数形成されたフィンとを具備し、前記フィンは前記
    金属管の軸線方向に対して交差する角度で形成されてい
    ことを特徴とする内面溝付伝熱管。
  2. 【請求項2】 前記フィンの末端と前記突条部とが連結
    されていることを特徴とする請求項1記載の内面溝付伝
    熱管。
  3. 【請求項3】 前記フィン同士の間に形成された溝部内
    での前記金属管の肉厚は、前記突条部から一定距離内の
    領域において、前記突条部に近づくにつれ増大するよう
    に形成されているとともに、 前記フィンの高さは、前記突条部から前記一定距離内の
    領域において、前記突条部に近づくにつれ減少するよう
    に形成され、 前記溶接部と前記突条部との間の溝部における前記金属
    管の肉厚は、前記フィン同士の間に形成された前記溝部
    内での前記金属管の肉厚よりも大きいことを特徴とする
    請求項1または2に記載の内面溝付伝熱管。
  4. 【請求項4】 金属製の板条材を走行させつつ、少なく
    とも一対のフィン形成ロール間を通すことにより、前記
    板条材の一面に、この板条材の両側縁と平行でかつ前記
    両側縁からそれぞれ離れた一対の突条部と、これら突条
    部同士に挟まれる領域に前記突条部と交差する角度で並
    多数のフィンとを転造する工程と、 前記突条部およびフィンが形成された板条材を、複数の
    フォーミングロールを通して、前記突条部およびフィン
    が内周側に位置するように管状に成形する管成形工程
    と、 管状に成形された前記板条材の両端縁を加熱したうえ突
    き合わせて溶接する溶接工程とを具備することを特徴と
    する内面溝付伝熱管の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記転造工程では、前記フィンの末端と
    前記突条部とを連結して形成することを特徴とする請求
    項4記載の内面溝付伝熱管の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記転造工程では、前記フィン同士の間
    に形成された溝部内での前記金属管の肉厚を、前記突条
    部から一定距離内の領域において、前記突条部に近づく
    につれ増大するように形成するとともに、 前記フィンの高さを、前記突条部から前記一定距離内の
    領域において、前記突条部に近づくにつれ減少するよう
    に形成し、 前記溶接部と前記突条部との間の溝部における前記金属
    管の肉厚を、前記フィン同士の間に形成された前記溝部
    内での前記金属管の肉厚よりも大きくなるように形成す
    ることを特徴とする請求項4または5に記載の内面溝付
    伝熱管の製造方法。
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