JP3067255B2 - 湾曲操作装置用アングル - Google Patents

湾曲操作装置用アングル

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JP3067255B2
JP3067255B2 JP3103074A JP10307491A JP3067255B2 JP 3067255 B2 JP3067255 B2 JP 3067255B2 JP 3103074 A JP3103074 A JP 3103074A JP 10307491 A JP10307491 A JP 10307491A JP 3067255 B2 JP3067255 B2 JP 3067255B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【産業上の利用分野】この発明は、内視鏡等の湾曲操作
装置に用いられるアングルに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】一般に、内視鏡は、操作部と、この操作
部から延びる柔軟な挿入部と、この挿入部の先部に連な
る湾曲自在な湾曲部と、この湾曲部の先端に設けられた
先端構成部とを有している。先端構成部には観察窓や照
明窓が設けられている。操作部には操作ダイヤルが設け
られていて、この操作ダイヤルを操作して、内部に挿通
されている操作ワイヤを引っ張り、湾曲部を湾曲させ
て、先端構成部を観察したい方向に向けることができる
ようになっている。
【０００３】上記内視鏡の湾曲部に湾曲操作装置用アン
グル(以下、アングルと略称する)が用いられている。図
４(Ａ)は従来のアングルの一例を示す断面図である。ア
ングル５０は、湾曲自在なコイル５１と、コイル５１の
先部に連結された連結筒５２と、コイル５１及び連結筒
５２の内側に挿通され先端を連結筒５２に固定された２
本の操作ワイヤ５３と、コイル５１の湾曲方向を規制す
る弾性薄板５４とを有しており、連結筒５２の先部に内
視鏡の先端構成部１００が挿入固定されている。
【０００４】上記操作ワイヤ５３の先部は次のように連
結筒５２に固定されている。連結筒５２の基部側には、
図４(Ｂ)に示すように径方向において対向する位置に、
径方向内側に凹み連結筒５２の基端面から軸線方向に沿
って延びる凹部５２ａが、プレス加工によって形成され
ている。操作ワイヤ５３はコイル５１の内面に接するよ
うに配されており、その先部は、そのまま真っすぐにコ
イル５１の先端から突き出て、上記連結筒５２の凹部５
２ａの外面に添って配置され、この状態で凹部５２ａに
ろう付け固定されている。したがって、凹部５２ａの内
面は、連結筒５２の他の部位における内面よりも、少な
くとも操作ワイヤ５３の外径と凹部５２ａの肉厚の和に
相当する寸法だけ、内側に突出する。尚、この操作ワイ
ヤ５３の固定構造は実開昭５５ー１４３８０６号公報に
も記載されている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のアングル５
０のように、連結筒５２に凹部５２ａを形成して、そこ
に操作ワイヤ５３の先部を固定する構造にすると、凹部
５２ａが連結筒５２の内側に突出する分、連結筒５２の
内容積が小さくなるという欠点があった。これがアング
ル５０の小径化を妨げていた。
【０００６】この発明は上述従来の技術の問題点に鑑み
てなされたものであり、その目的とするところは、小径
化が可能な湾曲操作装置用アングルを提供しようとする
ところにある。
【０００７】
【課題を解決するための手段】この発明は上述目的を達
成するためになされたもので、その要旨は、全体として
ほぼ円筒状をなす湾曲自在なフレームの先端が、先端部
内周に先端構成部が嵌合される連結筒の基部に連結さ
れ、これらフレームと連結筒の内側に挿通された操作ワ
イヤの先端が連結筒に固定され、この操作ワイヤを基端
側に向かって引っ張ることにより上記フレームを湾曲す
るようにした湾曲操作装置用アングルにおいて、上記連
結筒の上記先端構成部が挿入される先端部には軸線方向
に沿って延びるスリットが形成されており、上記操作ワ
イヤの先部が連結筒の内側から上記スリット内に引き込
まれるとともに、スリット内に収容された状態で連結筒
に接合されていることを特徴とする湾曲操作装置用アン
グルにある。
【０００８】
【作用】操作ワイヤの先部を連結筒の内側からスリット
に引き込み、このスリット内に収容した状態でろう付け
固定しているので、操作ワイヤ固定部が連結筒の内側に
出っ張らなくなり、連結筒内を広く使える。その結果、
湾曲操作装置用アングルの外径を小さくすることができ
る。
【０００９】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図１から図３ま
での図面に基づいて説明する。尚、この実施例における
湾曲操作装置用アングルも内視鏡の湾曲部に用いられる
態様である。図１に示すように、このアングル１は、フ
レームとしての１本のコイル２と、弾性薄板３と、２つ
の連結筒４，５と、２本の操作ワイヤ６，７から構成さ
れている。
【００１０】初めに、図３に基づいて弾性薄板３につい
て説明する。弾性薄板３は圧延鋼板からなり、その長手
方向(図においてＸ方向)を圧延方向に一致せしめてい
る。弾性薄板３は、その全長に亙って完全な平坦面にな
っており、折り曲げられた部分はどこにも存在しない。
弾性薄板３は、その長手方向の大部分を占める中間部８
と、中間部８の前端または後端に連なる端部９，１０と
からなっている。中間部８の両側縁には、長手方向ほぼ
全長に亙って、一つ一つが平面視略Ｖ字形をなし、のこ
歯状に連続した多数の係合凹部１１が形成されている。
【００１１】弾性薄板３の端部９における最先端部分１
２の幅寸法(図３においてＹ方向に沿う長さ)は、連結筒
４の内径よりも若干小さい寸法にされており、端部９に
おいて最先端部分１２よりも中間部８に近い部分の両側
縁には、係合突片１３，１３が形成されている。係合突
片１３が設けられた部位における端部９の幅寸法は、連
結筒４の外径寸法にほぼ一致している。端部９の端面か
らは、他方の端部１０に接近する方向に延びる切り欠き
１４が形成されている。他方の端部１０にも係合突片１
５，１５と切り欠き１６が設けられており、端部１０の
幅寸法は、連結筒５の外径寸法にほぼ一致している。
【００１２】上記他方の端部１０における各係合突片１
５の側縁には、組み立て時にコイル２を案内するための
多数の案内凹部１７が、弾性薄板３の長手方向に並んで
形成されている。弾性薄板３にコイル２を捲回する時
に、コイル２をこの凹部１７に引っ掛けて回転すると、
コイル２が弾性薄板３の長手方向に移動する。
【００１３】次に、連結筒４，５について説明する。連
結筒４，５は中空円筒状をなし、その外形寸法は、自然
状態におけるコイル２の外形寸法とほぼ同寸法で、その
肉厚はコイル２の線径とほぼ同寸法になっている。ちな
みに、極細のアングル１の場合には、コイル２及び連結
筒４，５の外形寸法は２mm弱であり、コイル２の線径及
び連結筒４，５の肉厚は約０.１mmである。
【００１４】図１及び図２に示すように、連結筒４の基
部側には、その径方向において対向する部位に、連結筒
４の基端面を始端とし軸線方向に沿って先端側に向かっ
て延びる２本のスリット１８，１８が形成されている。
スリット１８の幅は前記弾性薄板３の板厚とほぼ同寸法
か若干大きくされており、長さは弾性薄板３の係合突片
１３の長さとほぼ同寸法になっていて、スリット１８，
１８にそれぞれ係合突片１３，１３が挿入可能になって
いる。
【００１５】一方、連結筒４の先端側には、上記スリッ
ト１８に対して周方向に９０°ずれた位置に、連結筒４
の先端面を始端とし軸線方向に沿って基部側に向かって
延びる２本のスリット１９，１９が形成されている。ス
リット１９の幅は操作ワイヤ６，７の外径とほぼ同寸法
か若干大きくされていて、ここに操作ワイヤ６，７が挿
入可能になっている。尚、前記極細のアングル１の場合
では、連結筒４，５の肉厚が約０.１mmであるのに対し
て、操作ワイヤ６，７の外径は約０.０９mmである。
【００１６】連結筒５の先端側にも、上記スリット１８
に相当するスリット２０，２０が、先端面から軸線方向
に沿って基部側に向かって延びている。このスリット２
０，２０にはそれぞれ弾性薄板３の係合突片１５，１５
が挿入可能になっている。
【００１７】このアングル１において、コイル２と弾性
薄板３と連結筒４，５は次のような状態に組み付けられ
ている。コイル２は弾性薄板３の中間部８に、そのほぼ
全長に亙って捲回されており、コイル２の一巻一巻を弾
性薄板３の係合凹部１１に順次係合させている。弾性薄
板３の一方の端部９には連結筒４が固定され、他方の端
部１０には連結筒５が固定されている。この固定状態に
おいて、連結筒４のスリット１８，１８には弾性薄板３
の係合突片１３，１３が挿入され、各係合突片１３の先
端が各スリット１８の奥端に突き当たり、端部９の最先
端部分１２が、連結筒４においてスリット１８よりも先
端側に挿入されている。これによって、端部９は、連結
筒４の周方向、及びいずれの径方向にも移動不能に正確
に位置決めされている。そして、この係合部において係
合突片１３が連結筒４にろう付け固定されている。一
方、連結筒５の方も同様であって、連結筒５のスリット
２０，２０には弾性薄板３の係合突片１５，１５が挿入
され、各係合突片１５の先端が各スリット２０の奥端に
突き当たっており、この係合部においてろう付け固定さ
れている。又、コイル２の各端面も連結筒４，５の各端
面に突き当たっており、この突き当て部分をろう付けす
ることによって、コイル２と連結筒４，５が連結固定さ
れている。上記弾性薄板３によってアングル１の湾曲方
向が規制される。
【００１８】２本の操作ワイヤ６，７はコイル２の内側
の中空部に挿通されている。一方の操作ワイヤ６は、弾
性薄板３によって二つに分割された上記中空部の一方の
側に挿通されており、他方の操作ワイヤ７は上記中空部
の他方の側に挿通されている。そして、各操作ワイヤ
６，７の先部は連結筒４内に引き込まれ、更に連結筒４
の内側からそれぞれスリット１９，１９に引き込まれ
て、各スリット１９内に収容された状態で連結筒４にろ
う付け固定されている。尚、アングル１を湾曲する時
に、湾曲させたい側にある操作ワイヤを引っ張ることに
ついては従来と同様である。
【００１９】上記連結筒４の先端部に内視鏡の先端構成
部１００が挿入固定される。図１において、符号１０１
は観察窓、１０２は照明窓である。観察窓１０１に連な
る光ファイバー等からなる観察系と、照明窓１０２に連
なる光ファイバー等からなる照明系とが上記アングル１
の内部に挿通されているが、これらは図示の都合上、省
略している。連結筒５の基部には内視鏡の挿入部(図示
せず)の先端が連結される。
【００２０】上記構成の内視鏡の湾曲部におけるアング
ル１においては、連結筒４のスリット１９内に操作ワイ
ヤ６，７を収容し固定しているので、従来のように操作
ワイヤ固定部が連結筒４の内側に出っ張らない。その結
果、従来と同一内径の連結筒を使用した場合で比較する
と、連結筒４内において観察系等を挿通するための空間
が従来のものよりも大きくなる。換言すれば、観察系等
を挿通するために実質的に有効利用できる内部空間の大
きさを同じにした場合には、この発明によるアングル１
の方が、従来のものよりも小径になる。しかも、スリッ
ト１９に固定された操作ワイヤ６，７に連結筒４の外側
から内側へ向う外力が作用した場合、操作ワイヤ６，７
をスリット１９の両側面にろう付けしただけではその固
定強度が低いため、操作ワイヤ６，７がスリット１９か
ら連結筒４の内側へ脱落するおそれがある。この点、こ
のアングル１においては、連結筒４の先端部内周には先
端構成部１００が挿入されるので、スリット１９内の操
作ワイヤ６，７に連結筒４の外側から内側へ向う外力が
作用した場合、先端構成部１０がその外力を支持するこ
とができる。したがって、操作ワイヤ６，７が連結筒４
の内側に脱落するのを防止することができる。
【００２１】又、前述従来の操作ワイヤの取り付け構造
の場合には、先端構成部を挿入する部分と操作ワイヤを
固定する部分とを連結筒の軸線方向に位置をずらして配
置しなければならなかったため、連結筒の全長が長くな
った。しかしながら、この実施例の内視鏡の湾曲部の場
合は、先端構成部１００を挿入する部分と、操作ワイヤ
６，７を固定する部分とが、連結筒４において重複した
位置に設定されているので、連結筒４の全長が従来のも
のよりも短くなる。
【００２２】この発明は上述実施例に制約されず種々の
態様が採用可能である。例えば、上述実施例において
は、操作ワイヤ引き込み用のスリット１９が連結筒４の
先端面を始端として形成されているが、スリット１９の
始端を連結筒４の先端面から基部側に離れた位置にして
もよいことは勿論である。
【００２３】又、フレームは互いに別体に形成した多数
の環体で構成してもよい。その場合には、上述実施例に
おける弾性薄板８の中間部８の外側に環体を装着する。
各環体における径方向対向する部位を、中間部８におい
て互いに略対向する係合凹部１１に係合せしめることに
よって、互いに隣接する環体同士を、常に所定寸法離間
して位置するように保持する。弾性薄板８に装着された
多数の環体は、全体としてほぼ中空円筒状になる。又、
フレームは、実開昭５５ー１４３８０６号公報に開示さ
れたような、多数の関節片が直列的に接続されてなり、
隣同士の関節片が互いに回動自在に連結してなるもので
あってもよい。この場合も、関節片は全体としてほぼ中
空円筒状になる。
【００２４】上述実施例は、アングルが一平面上におい
て真っすぐな状態から左右方向へ湾曲可能にされた、所
謂二方向アングルに採用した例であるが、この発明は、
真っすぐな状態から一方の側へのみ湾曲可能な所謂一方
向アングルや、立体的に全方向的に湾曲可能な全方向ア
ングルにも適用可能であることは勿論である。尚、一方
向アングルの場合には操作ワイヤは１本になり、全方向
アングルの場合には操作ワイヤは４本になる。更に、上
述実施例は内視鏡の湾曲部に用いられたアングルであっ
たが、このアングルを医療用カテーテルに適用すること
も可能である。
【００２５】
【発明の効果】この発明によれば、先端構成部が挿入さ
れる連結筒の先端部にスリットを形成し、連結筒の内側
に挿通された操作ワイヤの先部を上記スリット内に引き
込み、スリット内に収容した状態でこの操作ワイヤの先
部を連結筒に接合したことにより、操作ワイヤ固定部が
連結筒の内側に出っ張らなくなり、連結筒内が広く使え
て、アングルの小径化を図ることができ、さらにスリッ
ト内に引き込んだ操作ワイヤの先部が外力によって連結
筒の内側に脱落するのを防止することができるという優
れた効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の湾曲操作装置用アングルの一実施例
を示す外観斜視図であり、内視鏡の湾曲部に適用した態
様を示している。
【図２】上記アングルの先部を示し、(Ａ)はその平面図
であり、(Ｂ)は(Ａ)のIーI断面図である。
【図３】上記アングルに用いられる弾性薄板の平面図で
ある。
【図４】従来技術における湾曲操作装置用アングルの先
部を示すものであり、(Ａ)はその縦断面図、(Ｂ)は(Ａ)
のIIーII断面図である。
【符号の説明】
１ 湾曲操作装置用アングル ２ コイル(フレーム) ４ 連結筒 ６，７ 操作ワイヤ １９ スリット

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 全体としてほぼ円筒状をなす湾曲自在な
    フレームの先端が、先端部内周に先端構成部が挿入され
    る連結筒の基部に連結され、これらフレームと連結筒の
    内側に挿通された操作ワイヤの先端が連結筒に固定さ
    れ、この操作ワイヤを基端側に向かって引っ張ることに
    より上記フレームを湾曲するようにした湾曲操作装置用
    アングルにおいて、上記連結筒の上記先端構成部が嵌合
    される先端部には軸線方向に沿って延びるスリットが形
    成されており、上記操作ワイヤの先部が連結筒の内側か
    ら上記スリット内に引き込まれるとともに、スリット内
    に収容された状態で連結筒に接合されていることを特徴
    とする湾曲操作装置用アングル。
JP3103074A 1991-04-08 1991-04-08 湾曲操作装置用アングル Expired - Lifetime JP3067255B2 (ja)

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