JP3066973U - 二行程シリンダ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排ガス問題を改善でき、エンジンの効率をア
ップできる二行程シリンダの提供。 【解決手段】 シリンダ壁で組成された圧縮室、シリン
ダ壁に設けられたガス通路、排気口及び外周のヒレを具
えた二行程シリンダにおいて、該シリンダ壁のガス通路
下方に、シリンダ壁内に環状壁を具えた内通路が設けら
れ、該内通路が設けられたシリンダ壁に複数の孔が設け
られ、シリンダ外部の該内通路に対応する適当な位置に
少なくとも一組の注油口が設けられて、該注油口に潤滑
油を導入する導管が連接されることを特徴とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は一種の二行程シリンダに係り、特に潤滑油と燃油を分離しそれぞれを 最も効率よく働かせる高効率シリンダであって、一酸化炭素及び炭素水素化合物 の放出を減らすことのできる二行程シリンダに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来の二行程シリンダは図１に示されるように、シリンダ壁２で構成された圧 縮室３、シリンダ壁２に設けられたガス通路６、排気口５及び外周のヒレ４を具 えている。周知のシリンダ１には燃油と潤滑油を分離する構造がなく、このため 圧縮室３に注入される油は潤滑油と燃油の混合油であり、このため燃焼不完全に よる大量の一酸化炭素及び炭素水素化合物の放出をもたらした。且つ周知のシリ ンダ１は長時間連続運転するといわゆるシリンダ収縮を発生し、長時間不発動の 状態、或いは新車を長時間置いたままで販売しないと、クランク箱に潤滑油が充 満で発動困難な状況を発生することがあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は、シリンダに独立した潤滑油導入構造を設けて、燃油と潤滑油にそれ ぞれその働きを行わせ、燃油と潤滑油の混合燃焼による大量の一酸化炭素及び炭 素水素化合物の発生の欠点を防止し、シリンダ収縮を起こさないようにし、ピス トンを利用して出油孔を阻止し、長時間不使用のオートバイに、潤滑油のクラン クボックス充満による発動不能の状況を発生させないようにすることにある。 本考案の次の課題は、ピストン運動を順調とし、並びにシリンダ壁の摩損度と 騒音を最低にまで減らし、大幅に運転効率を高めることにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

請求項１の考案は、シリンダ壁で組成された圧縮室、シリンダ壁に設けられた ガス通路、排気口及び外周のヒレを具えた二行程シリンダにおいて、該シリンダ 壁のガス通路下方に、シリンダ壁内に環状壁を具えた内通路が設けられ、該内通 路が設けられたシリンダ壁に複数の孔が設けられ、シリンダ外部の該内通路に対 応する適当な位置に少なくとも一組の注油口が設けられて、該注油口に潤滑油を 導入する導管が連接されることを特徴とする、二行程シリンダとしている。 請求項２の考案は、前記内通路を設けた部分のシリンダ壁表面に環状油溝が設 けられたことを特徴とする、請求項１に記載の二行程シリンダとしている。 請求項３の考案は、前記内通路を設けた部分のシリンダ壁表面に波形油溝が設 けられたことを特徴とする、請求項１に記載の二行程シリンダとしている。 請求項４の考案は、前記内通路を設けた部分のシリンダ壁表面に縦の下向きの 導油溝が複数設けられたことを特徴とする、請求項１に記載の二行程シリンダと している。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案は、シリンダ壁で構成された圧縮室、シリンダ壁に設けられたガス通路 、排気口及び外周のヒレを具え、該シリンダ壁のガス通路下方がシリンダ壁内に 環状壁を具えた内通路に隠設され、並びに内通路に設けられた部分のシリンダ壁 に複数の孔が設けられるか、或いはシリンダ壁表面に設けられた環状、波形油溝 或いは複数の縦向きの下向きの導油溝に組み合わされ、シリンダ外部の内通路に 対応する適当な位置に少なくとも一組の注油口が設けられ、導管を組み付けて潤 滑油を導入するのに供される。シリンダが運転する時、燃油と潤滑油がそれぞれ その役割を全うし、並びに潤滑油が直接シリンダの下半部に注入されてピストン とピストンリングを潤滑に保持し、また潤滑油がクランクボックスの軸受、クラ ンクロッドに接近しているため、僅かな潤滑油供給で、エンジンの騒音を減らし 、その運転を順調として寿命を高める効果を提供できる。

【０００６】

【実施例】

図２、３に示されるように、本考案は、シリンダ壁１に周知のシリンダ壁２で 組成された圧縮室３と、シリンダ壁２に設けられたガス通路６、排気口５及び外 周のヒレ４を具えた二行程シリンダにおいて、シリンダ壁２のガス通路６の下方 に、シリンダ壁２内に設けられた環状壁を具えた内通路７が設けられ、シリンダ 壁２の内通路７の設けられた部分に複数の孔８が設けられ、シリンダ１外部の内 通路７に対応する適当な位置に少なくとも一組の注油口９が設けられて導管１０ を組み付けて潤滑油を導入するのに供されることを特徴としている。

【０００７】 前述のシリンダ１内部に設置されるピストンは、展開図において上下ストップ ポイントＡ、Ｂが形成する圧縮室３で活動し、二行程で使用する潤滑油は圧縮室 ３下方に位置する内通路７を流れる。行程上の入気、爆発及び排気で燃油は潤滑 油は分離されそれぞれその役割を果たし、即ちピストンの上下運動は圧縮室３の 燃油が入気、点火爆発及び排気を行わせ、該ピストンの運動が下方に流入する潤 滑油にその出油孔を経て、ピストン１１の第２ピストンリングの部分より圧縮室 までの潤滑を行わせ、これにより燃油と潤滑油が混合せず、有効にシリンダ壁２ に付着し、これにより以下のようなテスト結果を得ることができる。 一酸化炭素 ０．３７ 炭素水素化合物 ２０１０ 二酸化炭素 １１．６ Ａ／Ｆ １６．３ 前述の結果は政府の規定する四期排出基準より低く、且つピストンの運動は相 当に順調であり、シリンダ壁の摩損程度と騒音程度は大幅に低められ、同時に馬 力も少なくとも１０パーセント向上できる。

【０００８】 図４及び図５に示されるのは本考案の実施例２、３である。前述の構造により 、別に内通路７部分のシリンダ壁２表面に環状油溝７１を設けるか或いは波形油 溝７３を設けるか（図６参照。その注油口９及び環状油溝７１、波形油溝７３の 最高点がピストンの下ストップポイントに位置する時、第２ピストンリング下方 約５ｍｍ位置が適当である）、或いは複数の縦の下向きの導油溝７２を設け、こ れにより潤滑油によるシリンダ壁２の潤滑をより確実有効に行わせ、且つ燃油と の分離の作用を達成し、シリンダの運転効率を高める。

【０００９】

【考案の効果】

本考案の構造は潤滑油をシリンダに進入させてガス通路下方のピストンによる 阻止を受けさせ、潤滑油のクランクボックスへの進入を防止し、これにより有効 にエンジンの長時間の不発動でクランクボックスに潤滑油が充満する事態を防止 し、圧縮室に潤滑油を大量に存在させずに完全燃焼を達成し、排気中より有効に 一酸化炭素及び炭素水素化合物の含有量を減らす。

【００１０】 以上から本考案の二行程シリンダは有効に政府の排ガス基準より低い数値を達 成でき、エンジン運転の効率と馬力を向上でき、実用性と産業上の利用価値を有 し、新規性を有する考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の二行程シリンダの構造表示図である。

【図２】本考案の外観斜視図である。

【図３】本考案の実施例の構造表示図である。

【図４】本考案の第２実施例の構造表示図である。

【図５】本考案の第３実施例の構造表示図である。

【図６】本考案の第４実施例の構造表示図である。

【符号の説明】

１ シリンダ ２ シリンダ壁 ３ 圧縮室 ４ ヒレ ５ 排気口 ６ ガス通路 ７ 内通路 ８ 孔 ９ 注油口 １０ 導管 １１ ピストン ７１ 環状油溝 ７２ 導油溝 ７３ 波形油溝

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 シリンダ壁で組成された圧縮室、シリン
   ダ壁に設けられたガス通路、排気口及び外周のヒレを具
   えた二行程シリンダにおいて、該シリンダ壁のガス通路
   下方に、シリンダ壁内に環状壁を具えた内通路が設けら
   れ、該内通路が設けられたシリンダ壁に複数の孔が設け
   られ、シリンダ外部の該内通路に対応する適当な位置に
   少なくとも一組の注油口が設けられて、該注油口に潤滑
   油を導入する導管が連接されることを特徴とする、二行
   程シリンダ。
2. 【請求項２】 前記内通路を設けた部分のシリンダ壁表
   面に環状油溝が設けられたことを特徴とする、請求項１
   に記載の二行程シリンダ。
3. 【請求項３】 前記内通路を設けた部分のシリンダ壁表
   面に波形油溝が設けられたことを特徴とする、請求項１
   に記載の二行程シリンダ。
4. 【請求項４】 前記内通路を設けた部分のシリンダ壁表
   面に縦の下向きの導油溝が複数設けられたことを特徴と
   する、請求項１に記載の二行程シリンダ。