JP3065570B2 - 可変容量形ポンプの制御装置 - Google Patents

可変容量形ポンプの制御装置

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JP3065570B2
JP3065570B2 JP9251138A JP25113897A JP3065570B2 JP 3065570 B2 JP3065570 B2 JP 3065570B2 JP 9251138 A JP9251138 A JP 9251138A JP 25113897 A JP25113897 A JP 25113897A JP 3065570 B2 JP3065570 B2 JP 3065570B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、可変容量形斜板式
アキシアルピストンポンプ等の可変容量形ポンプからの
作動油の圧力を制御するための制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】可変容量形ポンプの制御装置は、たとえ
ば射出成形機、金属板等を塑性変形加工する油圧プレス
等において使用される。たとえば、射出成形機では、油
圧シリンダによって、溶融された合成樹脂材料をたとえ
ば0.2秒間の短時間に予め定める圧力を保ちつつ、合
成樹脂材料の流量に応じて、その油圧シリンダを駆動す
る作動油の圧力および流量を制御させるような高精度・
高応答の制御特性が要求される。
【0003】典型的な先行技術は、実開平1−6648
3号公報に開示されており、この先行技術では、可変容
量形斜板式アキシアルピストンポンプにおける可変要素
である斜板を、油圧シリンダによって駆動してその傾斜
角度を制御し、これによって傾斜角度に対応した作動油
の吐出流量を制御し、かつ作動油の吐出圧力を制御す
る。射出成形機における射出行程では、金型の形状およ
び使用する合成樹脂材料にもよるが、上述のように、射
出圧力を一定に保ったままで、合成樹脂材料の流れに応
じて射出流量を追従させる必要がある。しかし、この先
行技術では、そのような射出成形機の要求を満たして、
充分な速度で斜板の傾斜角度を安定的に制御することは
難しく、応答性に限界がある。
【0004】そこで、本出願人は、特願平9−8115
1号(名称:可変容量形ポンプの制御装置)において、
改良された制御装置を提案した。この提案した可変容量
形ポンプの制御装置は、可変容量形ポンプからの作動油
の圧力を制御するための第1の負帰還回路と、可変容量
ポンプからの作動油の流量を制御するための第2の負帰
還回路と、可変容量形ポンプから送給される作動油の目
標流量を設定する目標流量設定手段とを備えている。そ
して、第1の負帰還回路は、可変容量形ポンプからの作
動油の圧力を検出する第1の圧力検出手段と、可変容量
形ポンプからの作動油をリリーフするための電磁リリー
フ弁のパイロット圧力を検出する第2の圧力検出手段
と、第1および第2の圧力検出手段の検出圧力の差圧を
演算する差圧演算回路と、可変容量形ポンプからの作動
油の目標圧力を設定する目標圧力設定手段と、第1の圧
力検出手段からの検出圧力の信号と前記目標圧力設定手
段によって設定された目標圧力との第1の偏差を求める
第1の減算回路と、第1の偏差が零になるように圧力補
正信号を求めて電磁リリーフ弁を制御する第1の補償回
路とを含んでいる。また、第2の負帰還回路は、可変容
量形ポンプからの作動油の流量を検出する流量検出手段
と、流量検出手段からの検出流量の信号と入力信号との
第2の偏差を求める第2の減算回路と、前記第2の減算
回路によって求めた第2の偏差が零になるように可変要
素、たとえば斜板を変化させる第2の補償回路を含んで
いる。
【0005】この提案した制御装置では、可変容量形ポ
ンプの作動油の目標圧力は、目標圧力設定手段によって
設定される。そして、可変容量形ポンプの作動油の圧
力、すなわち第1の圧力検出手段の検出圧力が上記目標
圧力を超えると、電磁リリーフ弁が解放され、可変容量
形ポンプからの作動油の一部が電磁リリーフ弁を介して
リリーフされる。このとき、第1圧力検出手段の検出圧
力、すなわち可変容量形ポンプからの作動油の圧力と、
第2の圧力検出手段の検出圧力、すわち電磁リリーフ弁
のパイロット圧力の圧力差が第1の減算回路によって求
められる。この圧力差は、電磁リリーフ弁を介してのリ
リーフ流量と実質上比例関係にあるので、この圧力差を
利用することによって、電磁リリーフ弁からのリリーフ
量が制御される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、提案し
た制御装置では、次のとおりの解決すべき問題が存在す
る。すなわち、可変容量形ポンプの作動油の目標圧力
は、目標圧力設定手段によって設定されるので、電磁リ
リーフ弁のリリーフ圧力はこの設定された目標圧力とな
る。一般的に、電磁リリーフ弁の応答速度は圧力の変化
速度と比べて比較的遅く、可変容量形ポンプからの作動
油の圧力、換言すると負荷圧力が急激に上昇した場合、
この電磁リリーフ弁の動作速度が間に合わず、負荷圧力
が上記目標圧力よりも大きくなり、高いサージ圧力が発
生することがある。
【0007】たとえば、可変容量形ポンプからの作動油
によって油圧シリンダ機構を作動させる場合、ピストン
がシリンダエンドに当たるとき作動油の圧力が目標圧力
を超えて急激に上昇する。このとき、作動油の上昇が急
激である故に、電磁リリーフ弁の動作がこの作動油の圧
力上昇に充分応答することができず、高いサージ圧力が
発生するおそれがある。このようにして高いサージ圧力
が発生すると、衝撃が大きくなり、高い衝撃音が発生
し、騒音の原因となる。また、このような高いサージ圧
力は、油圧機器、油圧ライン等への大きな負荷となり、
これら油圧機器、油圧ライン等の破損の原因になる。
【0008】本発明の目的は、作動油の圧力を目標圧力
に維持するとともに、高いサージ圧力の発生を抑えるこ
とができる可変容量形ポンプの制御装置を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、可変要素を変
化することによって作動油の吐出流量を変化させること
ができる可変容量形ポンプからの作動油の圧力を、電磁
リリーフ弁によって制御する可変容量形ポンプの制御装
置において、前記可変容量形ポンプからの作動油の圧力
を検出する第1の圧力検出手段と、前記電磁リリーフ弁
のパイロット圧力を検出する第2の圧力検出手段と、前
記第1および第2の圧力検出手段の検出圧力の差圧を演
算する差圧演算回路と、前記可変容量形ポンプからの作
動油の目標圧力を設定する目標圧力設定手段と、前記目
標圧力設定手段によって設定された目標圧力に関連して
目標指令圧力を設定する指令圧力設定手段と、前記第1
の圧力検出手段からの検出圧力の信号と前記指令圧力設
定手段により設定された目標指令圧力との偏差を求める
減算回路と、前記偏差が零になるように圧力補正信号を
求めて前記電磁リリーフ弁を制御する補償回路とを備
え、前記指令圧力設定手段は、前記第1の圧力検出手段
からの検出圧力に基づいて、前記第1の圧力検出手段の
検出圧力が前記目標圧力設定手段によって設定された前
記目標圧力よりも小さい第1の所定圧力以下であるとき
前記目標圧力よりも小さい第1の指令圧力を目標指令圧
力として設定し、前記第1の圧力検出手段の検出圧力が
前記目標圧力のとき前記目標圧力を目標指令圧力として
設定することを特徴とする可変容量形ポンプの制御装置
である。
【0010】本発明に従えば、可変容量形ポンプの作動
油の目標圧力は目標圧力設定手段によって設定され、指
令圧力設定手段はこの目標圧力設定手段によって設定さ
れた目標圧力に関連して目標指令圧力を設定する。圧力
制御状態において、可変容量形ポンプからの作動油の圧
力が、指令圧力設定手段によって指令された目標指令圧
力を超えると、電磁リリーフ弁が開放され、可変容量形
ポンプからの作動油の一部が電磁リリーフ弁を介してリ
リーフされる。第1の圧力検出手段は、可変容量形ポン
プからの作動油の圧力を検出し、第2の圧力検出手段は
電磁リリーフ弁のパイロット圧を検出し、差圧演算手段
は第1および第2の圧力検出手段の検出圧力の差圧を演
算する。この差圧演算手段による差圧は、ヒステリシス
が存在せず、また電磁リリーフ弁を介してのリリーフ流
量と実質上比例しており、それ故に、これら検出圧力の
差圧を利用することによって、電磁リリーフ弁からのリ
リーフ量を高精度に制御することができる。さらに、指
令圧力設定手段は、第1の圧力検出手段の検出圧力が目
標圧力設定手段によって設定された目標圧力よりも小さ
い第1の所定圧力以下であるとき上記目標圧力よりも小
さい第1の指令圧力を目標指令圧力として設定し、第1
の圧力検出手段の検出圧力が上記目標圧力のときこの目
標圧力を目標指令圧力として設定する。それ故に、大き
な負荷が作用していないとき、指令圧力設定手段は第1
の指令圧力を設定し、可変容量形ポンプからの作動油の
圧力は第1の指令圧力となるように制御される。この第
1の指令圧力は、上記目標圧力より小さいので、このよ
うな圧力制御状態において作動油に急激な圧力上昇が生
じてもサージ圧のピークが上記目標圧力付近となり、上
記目標圧力を大きく超えるサージ圧の発生を防止するこ
とができる。一方、負荷圧力、すなわち第1の圧力検出
手段の検出圧力が上記目標圧力のとき、指令圧力設定手
段はこの目標圧力を目標指令圧力として設定するので、
可変容量形ポンプからの作動油が上昇して上記目標圧力
になるとこの目標圧力に保持される。したがって、可変
容量形ポンプからの作動油の圧力を上記目標圧力に維持
することができるとともに、急激な圧力上昇による大き
なサージ圧の発生を抑えることができる。
【0011】また本発明は、前記指令圧力設定手段は、
前記第1の圧力検出手段の検出圧力が前記目標圧力より
も小さい第1の所定圧力以下であるとき前記第1の指令
圧力を目標指令圧力として設定し、前記第1の圧力検出
手段の検出圧力が前記目標検出圧力のとき前記目標圧力
を目標指令圧力として設定し、また前記第1の圧力検出
手段の検出圧力が前記第1の所定圧力より大きくかつ前
記目標圧力より小さいとき前記第1の圧力検出手段の検
出圧力が上昇するに従って設定する目標指令圧力を漸増
することを特徴とする。
【0012】本発明に従えば、指令圧力設定手段は、第
1の圧力検出手段の検出圧力が第1の所定圧力以下であ
るとき第1の指令圧力を目標指令圧力として設定し、こ
の検出圧力が上記目標圧力になるとこの目標圧力を目標
指令圧力として設定し、またこの検出圧力が第1の所定
圧力より大きくかつ上記目標圧力より小さいとき上記検
出圧力の上昇に従って設定する目標指令圧力を漸増す
る。それ故に、負荷が大きくなって可変容量形ポンプか
らの作動油の圧力が上昇すると、この上昇に伴って指令
圧力設定手段によって設定される目標指令圧力も大きく
なり、したがって作動油の圧力変動を抑えながらその圧
力を第1の指令圧力から上記目標圧力に移行することが
でき、所定の目標圧力に維持することができる。
【0013】また本発明は、前記指令圧力設定手段は、
前記第1の圧力検出手段の検出圧力が前記第1の所定圧
力よりも大きくかつ前記目標圧力よりも小さい第2の所
定圧力になると前記目標圧力を目標指令圧力として設定
することを特徴とする。
【0014】本発明に従えば、指令圧力設定手段は、第
1の圧力検出手段の検出圧力、すなわち可変容量形ポン
プからの作動油の圧力が上記目標圧力より小さい第2の
所定圧力になるとこの目標圧力を目標指令圧力として設
定するので、この検出圧力が上記目標圧力になったとき
には既に目標圧力を目標指令圧力とする制御が行われて
おり、したがって可変容量形ポンプからの作動油を正確
に上記目標圧力に維持することができる。
【0015】さらに本発明は、前記指令圧力設定手段
は、前記第1の圧力検出手段の検出圧力が前記目標圧力
よりも小さい第1の所定圧力以下であるとき前記第1の
指令圧力を目標指令圧力として設定し、前記第1の圧力
検出手段の検出圧力が前記第2の所定圧力以上であると
き前記目標圧力を目標指令圧力として設定し、また前記
第1の圧力検出手段の検出圧力が前記第1の所定圧力よ
り大きくかつ前記第2の所定圧力より小さいとき前記第
1の圧力検出手段の検出圧力が上昇するに従って設定す
る目標指令圧力を漸増することを特徴とする。
【0016】本発明に従えば、指令圧力設定手段は、第
1の圧力検出手段の検出圧力が第1の所定圧力より大き
くかつ第2の所定圧力より小さいとき上記検出圧力の上
昇に従って設定する目標指令圧力を漸増する。それ故
に、負荷が大きくなって可変容量形ポンプからの作動油
の圧力が上昇すると、この上昇に伴って指令圧力設定手
段によって設定される目標指令圧力も大きくなり、した
がって作動油の圧力変動を抑えながら作動油の圧力を第
1の指令圧力から上記目標圧力に移行することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】図1は、本発明に従う可変容量形
ポンプの制御装置の一実施形態の電気的構成を示すブロ
ック図である。この電気的構成によって、図2に示され
る可変容量形ポンプの1つとしての可変容量形斜板式ア
キシアルピストンポンプ1から吐出される作動油の圧力
および流量が制御される。図2において、ポンプ1から
の作動油によって、射出成形機における溶融された合成
樹脂が金型に一定の圧力に保たれ、このような一定圧力
状態で、その金型内への合成樹脂の流れに応じて射出の
流量、したがって作動油の流量を追随させることができ
る。ポンプ本体2と補助ポンプ3とはそれらの回転軸が
連結され、駆動源(図示せず)によって一定速度で回転
駆動される。ポンプ本体2からの作動油は管路4からシ
リンダなどのアクチュエータ(図示せず)に供給され
る。管路4には、管路5を介して電磁リリーフ弁6が接
続され、管路7を介して作動油の一部がタンク215に
戻される。図2に示されるポンプ1の構成では、流量制
御のために油圧比例制御弁15および電磁比例制御弁1
9が用いられ、構成が比較的簡単であるという利点があ
る。
【0018】図3は、電磁リリーフ弁6の一例を示す簡
略化された断面図である。弁ハウジング8には第1弁座
9aが形成され、第1弁体10aが第1ばね11aのば
ね力によって着座する方向にばね力が与えられている。
この弁ハウジング8には、また、第2弁座9bが形成さ
れ、第2弁体10bが第2ばね11bのばね力によって
着座する方向にばね力が付与されている。第2弁体10
bにはプランジャ211が付設され、電磁コイル12が
励磁されることによって、プランジャ211が第2弁体
10bの方向に移動してこれに作用する。管路5と第1
弁体10aの背面側とはパイロット流路112を介して
連通され、このパイロット流路112に作用する圧力は
第1弁体10aを着座する方向に作用する。パイロット
流路112には、そこを流れる作動油の流路を規制する
絞り部材128が配設されている。したがって第1弁体
10aに作用する管路5の圧力が、パイロット流路11
2のパイロット圧力と第1ばね11aのばね力とに打ち
勝つと、第1弁体10aは弁座9aから離間し、作動油
の一部が管路5から管路7に流れる。また、第2弁体1
0bの背面側は流路214を介して油タンク215に連
通されている。したがって、第2弁体10bに作用する
第1弁体10aの背面側の圧力が、電磁コイル12によ
る電磁力と第2ばね11bのばね力とに打ち勝つと、第
2弁体10bは弁座9bから離間し、第1弁体10aの
背面側の作動油の一部が流路214を介して油タンク2
15に流れる。
【0019】本実施形態では、管路5に第1の圧力検出
手段13が配設され、またパイロット流路112に連通
する流路113には第2の圧力検出手段114が配設さ
れている。第1および第2の圧力検出手段13,114
は流体の圧力を検出する圧力計から構成することがで
き、第1の圧力検出手段13は、管路5の作動油の圧
力、換言するとポンプ本体2から管路4を通して送給さ
れる作動油の圧力を検出し、また第2の圧力検出手段1
14は、パイロット流路112の圧力、換言すると、絞
り部材128を介して弁体10の背面側に作用する作動
油の圧力を検出する。
【0020】ポンプ1の斜板である可変要素の傾斜角度
を変化させるために、補助ポンプ3からの作動油が管路
14を経て、小ピストン115のための小シリンダ室1
16に供給されるとともに、油圧比例制御弁15を介し
て大ピストン16のための大シリンダ室17に供給され
る。斜板、したがってピストン16の変位位置は、ポテ
ンショメータなどによって実現される位置検出手段18
によって検出され、これによって斜板の傾斜角度、した
がって管路4から吐出される作動油の流量が検出される
ことになる。したがって、この位置検出手段18は、以
下の説明では、流量検出手段と呼ぶことにする。管路1
4からの作動油は、電磁比例制御弁19から管路20を
経て、油圧比例制御弁15のシリンダ室21に与えら
れ、油圧比例制御弁15から管路22を経て前記シリン
ダ室17への作動油の状況が連続的に変化させることが
できる。
【0021】本実施形態では、油圧比例制御弁15の偏
倚ばね15aの偏倚力とシリンダ室21に作用する作動
油の圧力とがつり合っているときには、この油圧比例制
御弁15は図2に示す中立位置に保持され、ポンプ1の
斜板はその角度位置に保持される。これに対し、作動油
の圧力が上昇(または低下)してその圧力が偏倚ばね1
5aの偏倚力よりも大きく(または小さく)なると、比
例制御弁15は図2において左方(または右方)に移動
して管路22と管路117(または14)とが比例制御
弁15を介して連通され、大シリンダ室17内の作動油
が管路22,117を通して戻される(または管路14
からの作動油が管路22を通して大シリンダ室17に供
給される)。したがって、大ピストン16が図2におい
て右方(または左方)に移動されると、斜板の傾斜角度
が大きく(または低く)なり、ポンプ本体2からの吐出
量が低下(または増大)する。
【0022】図3に示される一例の電磁リリーフ弁6
は、図1において伝達関数がGp2を有する制御回路3
2として等価的に置き換えられる。また図2に示される
ポンプ1は、図1において参照符32aで示されるよう
に伝達関数Gq2を有する制御回路32aとして等価的
に置き換えられる。この伝達関数Gq2の制御回路32
aは、ポンプ本体2、補助ポンプ3、油圧比例制御弁1
5、斜板、その斜板を駆動するピストン16および電磁
比例制御弁19などを等価的に含む。図1のライン11
8に導出される制御量は、第2の圧力検出手段114に
よる作動油の検出圧力の信号が導出されるラインであ
る。また、ライン119に導出される制御量は、第1の
圧力検出手段13による作動油の検出圧力の信号が導出
されるラインである。さらに制御回路32aからライン
118aを介して導出される信号は、斜板の変位位置を
検出する流量検出手段18が表す管路4からの作動油の
検出流量の信号が導出されるラインである。圧力制御を
行う第1の負帰還回路24と作動油の流量を制御する第
2の負帰還回路24aとは類似の構成を有し、対応する
部分には同一の数字に添え字aを付して示す。
【0023】ポンプ本体2から管路4に供給される作動
油の圧力のための目標圧力は、目標圧力設定手段25に
よって設定される。この目標圧力の信号は、ライン21
6を介して指令圧力設定手段217に送給される。指令
圧力設定手段217は、目標圧力設定手段25によって
設定された目標圧力に関連して目標指令圧力を設定し、
この目標指令圧力の信号が、作動油の圧力を設定するた
めの圧力信号としてライン26を介してオープン制御回
路31に送給されるとともに、第1の減算回路34の一
方の入力に送給される。この指令圧力設定手段217に
は、ライン218を介して第1の圧力検出手段13の検
出圧力の信号が送給され、指令圧力設定手段217は第
1の圧力検出手段13からの検出圧力信号に基づいて目
標指令圧力を設定する。
【0024】ここで、図4を参照して、指令圧力設定手
段217による目標指令圧力の設定について説明する。
この指令圧力設定手段217は、たとえば、所定の目標
指令圧力パターンが記憶されたメモリから構成され、た
とえば図4に示すパターンがマップとして指令圧力設定
手段217に記憶される。この図4に示す目標指令圧力
パターンは、目標圧力設定手段25によって設定される
目標圧力がたとえば170kgf/cm2 に設定された
ときのものであり、目標負荷圧力、換言すると第1の圧
力検出手段13の検出圧力と指令圧力設定手段217に
よって設定される目標指令圧力との関係を示している。
【0025】図4に示す目標指令圧力パターンにおいて
は、第1の圧力検出手段13の検出圧力が目標圧力より
小さい第1の所定圧力、たとえば100kgf/cm2
以下であるとき、指令圧力設定手段217は第1の指令
圧力、たとえば100kgf/cm2 を目標指令圧力と
して設定する。したがって、このときには、ポンプ本体
2からの作動油は、その圧力が第1の指令圧力となるよ
うに制御される。また、第1の圧力検出手段13の検出
圧力が、第1の所定圧力より大きい第2の所定圧力、た
とえば150kgf/cm2 まで上昇すると、指令圧力
設定手段217は、目標圧力設定手段25によって設定
された目標圧力を目標指令圧力として設定する。そし
て、第1の圧力検出手段13の検出圧力が第2の所定圧
力を超えると、上記目標圧力が目標指令圧力として設定
される。このように第1の圧力検出手段13の検出圧力
が上記目標圧力より小さい第2の所定圧力になると目標
圧力が目標指令圧力として設定されるので、上記検出圧
力が目標圧力になったときには既に目標圧力を目標指令
圧力とする制御が行われており、したがって作動油の圧
力を後述するごとくして上記目標圧力に維持することが
できる。
【0026】また、第1の圧力検出手段13の検出圧力
が第1の所定圧力、たとえば100kgf/cm2 より
大きくかつ第2の所定圧力、たとえば150kgf/c
2より小さいとき、指令圧力設定手段217は、第1
の圧力検出手段13の検出圧力が上昇するに従って比例
的に漸増するように目標指令圧力を設定する。この実施
形態では、第1の圧力検出手段13の検出圧力が100
kgf/cm2 から150kgf/cm2 まで上昇する
と、指令圧力設定手段217によって設定される目標指
令圧力は100kgf/cm2 から170kgf/cm
2 まで比例的に増大する。このように目標指令圧力を比
例的に漸増させることによって、作動油の圧力変動を抑
えながら作動油の圧力を第1の指令圧力から目標圧力に
移行させることができる。
【0027】このような目標指令圧力パターンを採用す
ることによって、次のとおりの作用効果が達成される。
すなわち、通常の制御状態においては、第1の圧力検出
手段13の検出圧力は第1の所定圧力よりも小さく、指
令圧力設定手段217は第1の指令圧力、たとえば10
0kgf/cm2 を目標指令圧力として設定する。した
がって、このような制御状態において、負荷圧力が急激
に上昇する、たとえば油圧シリンダ機構のピストンがシ
リンダエンドに当接すると、作動油の圧力が急激に上昇
してサージ圧が発生するが、指令圧力設定手段217に
よる目標指令圧力が第1の指令圧力に設定されているの
で、サージ圧が発生したとしても目標圧力設定手段25
による目標圧力よりも大きくなることはなく(または目
標圧力より大きくなってもこれを大きく超えることはな
く)、作動油の圧力の目標圧力を超える圧力上昇を抑え
ることができる。なお、上述した記載から理解されるご
とく、第1の圧力検出手段13の検出圧力が上昇すると
目標指令圧力も上昇するようになる。また、第1の圧力
検出手段13の検出圧力が第2の所定圧力以上になる
と、指令圧力設定手段217は上記目標圧力たとえば1
70kgf/cm2 を目標指令圧力として設定するの
で、作動油はこの目標圧力となるように保持され、作動
油の目標圧力を超える圧力上昇を抑えながら所定の目標
圧力に維持することができる。
【0028】このような目標指令圧力パターンは、可変
容量形ポンプの容量、能力等によって、また目標圧力設
定手段25によって設定される目標圧力等によって適宜
選定することができる。たとえば、図4に示す目標指令
圧力パターンでは、第1の圧力検出手段13の検出圧力
が第2の所定圧力以上に上昇すると指令圧力設定手段2
17が上記目標圧力を目標指令圧力として設定するが、
これに代えて、上記検出圧力が上記目標圧力に上昇する
と指令圧力設定手段217が上記目標圧力を目標指令圧
力として設定するように構成することもできる。なお、
この場合、第1の指令圧力から目標圧力への移行時にお
ける作動油の圧力変動を防止するために、第1の圧力検
出手段13の検出圧力が第1の所定圧力から目標圧力に
上昇すると、この圧力上昇に伴って指令圧力設定手段2
17による目標指令圧力も比例的に漸増するようにする
のが望ましい。
【0029】再び図1に戻って、指令圧力設定手段21
7からの目標指令圧力信号が送給されるオープン制御回
路31は、フィードフォワード制御を行うための伝達係
数Gp1を有している。また、この目標指令圧力信号が
送給される第1の減算回路34の他方の入力には、第1
の圧力検出手段13からの出力がライン27を介して送
給される。この第1の減算回路34は、目標指令圧力の
信号から検出圧力Pdの信号を減算した第1の偏差を表
す信号をライン28に導出して第1の補償回路29に与
える。オープン制御回路31の出力と第1の補償回路2
9からライン77に導出される圧力補正信号とは、第1
の演算回路75において加算される。第1の演算回路7
5からライン78に導出される信号は、演算回路120
に送給され、この演算回路120にて演算処理されて、
ライン121から電磁リリーフ弁6の電磁コイル12に
与えられる。さらにまた位相進み補償回路79が備えら
れる。第1の補償回路29は、第1の減算回路34の出
力に応答して、第1の偏差が零となるようにするための
圧力補正信号を求めてライン77に導出する。
【0030】本実施形態においては、第1の圧力検出手
段13の検出圧力Pdの信号はライン119に導出され
た後、ライン123を通って差圧演算回路122に送給
され、また第2の圧力検出手段114の検出圧力Pcの
信号はライン124に導出された後、差圧演算回路12
2に送給される。差圧演算回路122は、第1の圧力検
出手段13の検出信号Pdの信号から第2の圧力検出手
段114の検出圧力Pcの信号を減算してその検出圧力
の差圧(Pd−Pc)を生成する。差圧演算回路122
からの差圧(Pd−Pc)の信号は、ライン125に導
出され、伝達関数HP5を有する制御回路126に与え
られた後、ライン127を通して演算回路120に送給
され、演算回路120は、第1の演算回路75からの信
号からこのライン127からの信号を減算して電磁コイ
ル12に与える。
【0031】ポンプ1の管路4から吐出される作動油の
吐出流量は、目標流量設定手段25aにおいて設定され
る。その出力はライン26aを経て切換スイッチ手段8
0の切換スイッチ81における一方の個別接点82に与
えられる。切換スイッチ81はもう1つの個別接点83
を有する。共通接点84は、個別接点82または83に
切換わって導通することができる。共通接点84からの
出力はライン85から伝達関数Gq1を有するオープン
制御回路31aに与えられる。このオープン制御回路3
1aの出力は、第2演算回路75aに与えられ、第2補
償回路29aからライン77aに導出される流量補正信
号に加算されて演算される。第2演算回路75aの出力
は、ライン78aを経て、ポンプ1の電磁比例制御弁1
9に与えられ、これによってピストン16、したがって
斜板が角変位駆動され、吐出流量が変化される。
【0032】流量検出手段18によって検出されるポン
プ本体2からライン4に吐出される作動油の検出流量の
信号はライン27aから第2の減算回路34aの一方の
入力に与えられ、この第2の減算回路34aにはライン
85からの入力信号が他方の入力に与えられる。第2の
減算回路34aは、ライン85からの入力信号からライ
ン27aの検出流量の信号を減算し、その第2の偏差を
表す信号をライン28aに導出して第2の補償回路29
aに与える。第2の補償回路29aは、第2の減算回路
34aの出力に応答し、第2の偏差が零となるように斜
板、したがってピストン16を変化するための流量補正
信号を前述のようにライン77aに導出する。流量検出
手段18の出力はまた、位相進み補償回路79aに与え
られ、その位相進み補償回路79aの出力は、演算回路
75aに与えられて減算され、この演算回路75aから
ライン78aに導出される信号によって、前述のように
電磁比例制御弁19が制御される。
【0033】図5は、電磁リリーフ弁6の圧力オーバラ
イド特性を示すグラフである。指令圧力設定手段217
の目標指令圧力となるようにするための管路4における
作動油の圧力制御動作状態において、電磁リリーフ弁6
はクラッキング圧においてはリリーフ流量Qは零である
がこのクラッキング圧よりもわずかに高くなると、電磁
リリーフ弁6が開放されて、わずかなリリーフ流量でラ
イン7から作動油の一部が流れ出される。上記目標指令
圧力以上では、目標指令圧力を上記クラッキング圧力よ
りも幾分高い圧力に設定すると、上記目標指令圧力にお
いてわずかなリリーフ流量でライン7を通して作動油の
一部がリリーフされる。図4のラインL1で示されるよ
うに、そのリリーフ流量と第1および第2の圧力検出手
段13,114の検出圧力の差圧(Pd−Pc)とは、
目標流量を超える範囲では実質上比例関係で増大する特
性を有する。リリーフ流量が多くなると、その圧力オー
バライド特性によって、圧力が目標指令圧力よりも高く
なる傾向がある。したがって第1の補償回路29からラ
イン77に導出される圧力補正信号は、第1の圧力検出
手段13によって検出される検出圧力を下げる偏差信号
であり、この圧力補正信号のレベルは、上記わずかなリ
リーフ流量を超える不必要なリリーフ流量と一次関数の
関係、たとえば比例関係にある。
【0034】本実施形態では、流量検出手段18によっ
て検出される作動油の検出流量の信号に、オーバライド
特性における圧力上昇とほぼ同一の関係にある第1圧力
検出手段13と第2の圧力検出手段114の検出圧力と
の差圧(Pd−Pc)の信号を加算し、この値を圧力制
御動作中において第2の負帰還回路24aの目標流量と
なる入力信号として与える。すなわち図5においてリリ
ーフ流量Q1の場合、第1および第2の圧力検出手段1
3,114の検出圧力の差圧(Pd−Pc)が増大して
参照符87で示される圧力差P1になったとき、第1の
補償回路29からライン77に導出される圧力補正信号
は、圧力差ΔP1だけ圧力を減少させる偏差信号であっ
て、このときのリリーフ流量Q1が零に近いわずかなリ
リーフ流量(目標圧力におけるリリーフ流量)となるよ
うに、第2の補償回路29aの目標流量となる入力信号
として、次に述べるように、ライン85に与えられる。
こうして無駄となる大きなリリーフ流量Q1が生じるこ
とを防ぎ、無駄流量をできるだけ小さくすることが可能
になる。
【0035】本実施形態では、切換制御手段88が設け
られる。この切換制御手段88における第2の演算回路
89は、差圧演算回路122からの差圧の信号が正であ
るときにのみその差圧の信号をライン90に導出する比
較回路91と、ライン90を介する差圧(Pd−Pc)
の信号に応答し伝達関数Hp4を有する制御回路92と
を有する。差圧演算回路122の差圧が正であるという
ことは、第1の圧力検出手段13によって検出される検
出圧力が、第2の圧力検出手段114によって検出され
る検出圧力を超えるときであり、そのときの圧力差の信
号が上述のように演算回路93に与えられる。演算回路
93は、流量検出手段18のライン27aを介する検出
流量の信号から第1の演算回路89における制御回路9
2からの出力とを減算して、検出流量から前記差を減算
した流量を表す信号を、ライン94に導出して、切換ス
イッチ81の個別接点83に与える。差圧演算回路12
2からの圧力差の信号はヒステリシス特性を有しておら
ず、また補正のための信号も含んでいないので誤差の少
ないものであり、それ故に、この信号を利用することに
よって後述する作動油の流量制御を高精度に行うことが
できる。
【0036】切換スイッチ81とともに切換スイッチ手
段80を構成する切換スイッチ制御手段95は、第1の
補償回路29の圧力補正信号が負であるとき、すなわち
第1の圧力検出手段13の検出圧力が指令圧力設定手段
217によって設定された目標指令圧力を超えるとき、
切換スイッチ81の共通接点84を個別接点83に導通
し、これによって演算回路93の出力をライン85を介
して第2の補償回路29aの目標指令圧力となる入力信
号として与える。切換スイッチ制御手段95はまた、第
1の補償回路29の圧力補正信号に応答し、第1の圧力
検出手段13の検出圧力が上記目標指令圧力以下である
とき、切換スイッチ81の共通接点84を個別接点82
に導通し、これによって目標流量設定手段25aからの
目標流量の信号を、ライン26aからライン85に与え
て第2の補償回路29aの入力信号とし、作動油の圧力
を目標指令圧力に上昇して到達させることを可能にす
る。
【0037】第1の補償回路29の具体的な構成につい
て、再び図1を参照して説明する。第1の減算回路34
からライン28に導出される第1の偏差の信号は、伝達
関数Hp1を有する補償回路51に与えられ、その出力
はリミタ50に与えられる。リミタ50は図6に示され
るように、入力される補償回路51からの信号がM1〜
M2を超えるとき、出力をM1,M2に制限する。第1
のリミタ50の出力は、演算回路65において加算され
る。ライン28を介する第1の減算回路34の出力はま
た、スイッチ76を介して伝達関数Hp2を有する補償
回路62に与えられる。この補償回路62の出力は、積
分補償回路61に与えられて積分動作が行われる。積分
補償回路61の出力は第2のリミタ60に与えられ、前
述の図6と同様なリミタ動作が行われる。演算回路65
は、リミタ60の出力を、前述のリミタ50の出力とと
もに加算し、ライン77に圧力補正信号として導出す
る。
【0038】第1の補償回路29におけるレベル弁別手
段96は、第1の減算回路34からライン28に導出さ
れる第1の偏差の絶対値が、予め定める値を超えると
き、スイッチ76を遮断し、これによって補償回路6
2、積分補償回路61および第2リミタ60の働きを休
止させる。またこのレベル弁別手段96は、第1の偏差
の絶対値が前記予め定める値以下であることを弁別した
ときには、スイッチ76を導通して積分補償回路61に
よる積分動作を許容する。
【0039】図7は、第1の補償回路29の動作を説明
するための波形図である。目標指令圧力設定手段217
からライン26に導出される信号は図7(1)に示され
る階段波形を有するものとする。このとき第1の減算回
路34からライン28に導出される第1の偏差の波形は
図7(2)に示されるとおりである。図7(2)に示さ
れる弁別レベルHε1,Lε1の各絶対値は等しく選ば
れても良い。補償回路51は、図7(3)の参照符97
で示される波形を有する信号を導出し、第1のリミタ5
0は、図7(3)の実線で示されるように、補償回路5
1の出力を参照符98で示されるように制限して加算回
路65に与える。
【0040】レベル弁別手段96は、第1の減算回路3
4からライン28に導出される第1の偏差を、上下の弁
別レベルHε1,Lε1でレベル弁別し、その範囲Hε
1〜Lε1の範囲外であるときスイッチ76は遮断され
る。時刻t1以降において第1の偏差が前述の上下の弁
別レベルHε1〜Lε1以内にあるので、スイッチ76
が導通され、したがって積分補償回路61からは図7
(4)の参照符99で示される波形を有する積分信号が
得られる。第2のリミタ60は、この積分補償回路61
の出力を参照符100で示されるように制限し、この図
7(4)の実線で示される波形を有する信号を加算回路
65に与える。こうして第1の補償回路29およびオー
プン制御回路31および位相進み補償回路79の働きに
よって、ライン78には、図7(5)で示される電磁リ
リーフ弁6による圧力制御のための信号が得られる。
【0041】ポンプ1の作動油の流量に関する第2の補
償回路29aは、前述の第1補償回路29と同様な構成
を有し、同一の数字に添え字aを付して対応する部分を
示す。この第2の補償回路29では、前述の第1の補償
回路29の説明に関する圧力を流量と読み代え、また電
磁リリーフ弁6を制御する代りに、ピストン16、した
がって斜板を変位するための電磁比例制御弁19を動作
させるものと読み換えればよい。
【0042】位相進み補償回路79において、ライン2
3から得られる第1の圧力検出手段13の出力は、伝達
関数Hp3を有する補償回路73に与えられ、その補償
回路73の出力は、位相進み回路74に与えられ、その
位相進み回路74の出力は、演算回路75において減算
される。これによってライン78から導出される信号
は、電磁リリーフ弁6による作動油の圧力のオーバシュ
ートを抑えて、その後の減衰を速めることができるよう
になる。このことはもう1つの作動油の流量のための位
相進み補償回路79aに関しても同様であり、ピストン
16および斜板の変位による流量のオーバシュートを抑
えて、その後の減衰を早めることを可能にしている。
【0043】また本実施形態においては、演算回路75
にて演算された信号がさらに演算回路120に送給さ
れ、この演算回路120にて演算回路75からの信号に
差圧演算回路122からの差圧(Pd−Pc)の信号
(伝達関数HP5を有する制御回路126を通った後の
信号)が減算される。このように差圧演算回路122の
差圧の信号を利用することによって、シリンダなどのア
クチュエータ作動時等にて発生するサージ圧力も検出す
ることができ、この差圧の信号を利用して作動油の圧力
を制御することによってサージ圧力を低減させる制御が
可能となり、高精度な圧力制御において問題となりやす
いサージ圧力を低減する効果もある。
【0044】
【発明の効果】請求項1記載の可変容量形ポンプの制御
装置によれば、可変容量形ポンプの作動油の目標圧力は
目標圧力設定手段によって設定され、指令圧力設定手段
はこの目標圧力設定手段によって設定された目標圧力に
関連して目標指令圧力を設定する。圧力制御状態におい
て、可変容量形ポンプからの作動油の圧力が、指令圧力
設定手段によって指令された目標指令圧力を超えると、
電磁リリーフ弁が開放され、可変容量形ポンプからの作
動油の一部が電磁リリーフ弁を介してリリーフされる。
第1の圧力検出手段は、可変容量形ポンプからの作動油
の圧力を検出し、第2の圧力検出手段は電磁リリーフ弁
のパイロット圧を検出し、差圧演算手段は第1および第
2の圧力検出手段の検出圧力の差圧を演算する。この差
圧演算手段による差圧は、ヒステリシスが存在せず、ま
た電磁リリーフ弁を介してのリリーフ流量と実質上比例
しており、それ故に、これら検出圧力の差圧を利用する
ことによって、電磁リリーフ弁からのリリーフ量を高精
度に制御することができる。さらに、指令圧力設定手段
は、第1の圧力検出手段の検出圧力が目標圧力設定手段
によって設定された目標圧力よりも小さい第1の所定圧
力以下であるとき上記目標圧力よりも小さい第1の指令
圧力を目標指令圧力として設定し、第1の圧力検出手段
の検出圧力が上記目標圧力のときこの目標圧力を目標指
令圧力として設定する。それ故に、大きな負荷が作用し
ていないとき、指令圧力設定手段は第1の指令圧力を設
定し、可変容量形ポンプからの作動油の圧力は第1の指
令圧力となるように制御される。この第1の指令圧力
は、上記目標圧力より小さいので、このような圧力制御
状態において作動油に急激な圧力上昇が生じてもサージ
圧のピークが上記目標圧力付近となり、上記目標圧力を
大きく超えるサージ圧の発生を防止することができる。
一方、負荷圧力、すなわち第1の圧力検出手段の検出圧
力が上記目標圧力のとき、指令圧力設定手段はこの目標
圧力を目標指令圧力として設定するので、可変容量形ポ
ンプからの作動油が上昇して上記目標圧力になるとこの
目標圧力に保持される。したがって、可変容量形ポンプ
からの作動油の圧力を上記目標圧力に維持することがで
きるとともに、急激な圧力上昇による大きなサージ圧の
発生を抑えることができる。
【0045】また請求項2記載の可変容量形ポンプの制
御装置によれば、指令圧力設定手段は、第1の圧力検出
手段の検出圧力が第1の所定圧力以下であるとき第1の
指令圧力を目標指令圧力として設定し、この検出圧力が
上記目標圧力になるとこの目標圧力を目標指令圧力とし
て設定し、またこの検出圧力が第1の所定圧力より大き
くかつ上記目標圧力より小さいとき上記検出圧力の上昇
に従って設定する目標指令圧力を漸増する。それ故に、
負荷が大きくなって可変容量形ポンプからの作動油の圧
力が上昇すると、この上昇に伴って指令圧力設定手段に
よって設定される目標指令圧力も大きくなり、したがっ
て作動油の圧力変動を抑えながらその圧力を第1の指令
圧力から上記目標圧力に移行することができ、所定の目
標圧力に維持することができる。
【0046】請求項3記載の可変容量形ポンプの制御装
置によれば、指令圧力設定手段は、第1の圧力検出手段
の検出圧力、すなわち可変容量形ポンプからの作動油の
圧力が上記目標圧力より小さい第2の所定圧力になると
この目標圧力を目標指令圧力として設定するので、この
検出圧力が上記目標圧力になったときには既に目標圧力
を目標指令圧力とする制御が行われており、したがって
可変容量形ポンプからの作動油を正確に上記目標圧力に
維持することができる。
【0047】また請求項4記載の可変容量形ポンプの制
御装置によれば、指令圧力設定手段は、第1の圧力検出
手段の検出圧力が第1の所定圧力より大きくかつ第2の
所定圧力より小さいとき上記検出圧力の上昇に従って設
定する目標指令圧力を漸増する。それ故に、負荷が大き
くなって可変容量形ポンプからの作動油の圧力が上昇す
ると、この上昇に伴って指令圧力設定手段によって設定
される目標指令圧力も大きくなり、したがって作動油の
圧力変動を抑えながら作動油の圧力を第1の指令圧力か
ら上記目標圧力に移行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の可変容量形ポンプの制御装置の一実施
形態の全体の構成を示すブロック図である。
【図2】図1の制御装置における制御回路で示される油
圧回路の具体的な構成を示す図である。
【図3】図2の油圧回路における電磁リリーフ弁の一例
の具体的な構成を示す断面図である。
【図4】第1の圧力検出手段の検出圧力(目標負荷圧
力)と目標指令圧力との関係を示す図である。
【図5】電磁リリーフ弁のリリーフ流量と第1および第
2の圧力検出手段による検出圧力の差圧との関係を説明
するための図である。
【図6】図1の制御装置におけるリミタの入出力特性を
示す図である。
【図7】図1の制御装置の動作を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
1 可変容量形斜板式アキシアルピストンポンプ 6 電磁リリーフ弁 13 第1の圧力検出手段 16 ピストン 18 位置検出手段(流量検出手段) 24 第1の負帰還回路 24a 第2の負帰還回路 25 目標圧力設定手段 25a 目標流量設定手段 29 第1の補償回路 31,31a オープン制御回路 34 第1の減算回路 114 第2の圧力検出手段 120 演算回路 122 差圧演算回路 217 指令圧力設定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F04B 49/00 - 51/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 可変要素を変化することによって作動油
    の吐出流量を変化させることができる可変容量形ポンプ
    からの作動油の圧力を、電磁リリーフ弁によって制御す
    る可変容量形ポンプの制御装置において、 前記可変容量形ポンプからの作動油の圧力を検出する第
    1の圧力検出手段と、前記電磁リリーフ弁のパイロット
    圧力を検出する第2の圧力検出手段と、前記第1および
    第2の圧力検出手段の検出圧力の差圧を演算する差圧演
    算回路と、前記可変容量形ポンプからの作動油の目標圧
    力を設定する目標圧力設定手段と、前記目標圧力設定手
    段によって設定された目標圧力に関連して目標指令圧力
    を設定する指令圧力設定手段と、前記第1の圧力検出手
    段からの検出圧力の信号と前記指令圧力設定手段により
    設定された目標指令圧力との偏差を求める減算回路と、
    前記偏差が零になるように圧力補正信号を求めて前記電
    磁リリーフ弁を制御する補償回路とを備え、 前記指令圧力設定手段は、前記第1の圧力検出手段から
    の検出圧力に基づいて、前記第1の圧力検出手段の検出
    圧力が前記目標圧力設定手段によって設定された前記目
    標圧力よりも小さい第1の所定圧力以下であるとき前記
    目標圧力よりも小さい第1の指令圧力を目標指令圧力と
    して設定し、前記第1の圧力検出手段の検出圧力が前記
    目標圧力のとき前記目標圧力を目標指令圧力として設定
    することを特徴とする可変容量形ポンプの制御装置。
  2. 【請求項2】 前記指令圧力設定手段は、前記第1の圧
    力検出手段の検出圧力が前記目標圧力よりも小さい第1
    の所定圧力以下であるとき前記第1の指令圧力を目標指
    令圧力として設定し、前記第1の圧力検出手段の検出圧
    力が前記目標検出圧力のとき前記目標圧力を目標指令圧
    力として設定し、また前記第1の圧力検出手段の検出圧
    力が前記第1の所定圧力より大きくかつ前記目標圧力よ
    り小さいとき前記第1の圧力検出手段の検出圧力が上昇
    するに従って設定する目標指令圧力を漸増することを特
    徴とする請求項1記載の可変容量形ポンプの制御装置。
  3. 【請求項3】 前記指令圧力設定手段は、前記第1の圧
    力検出手段の検出圧力が前記第1の所定圧力よりも大き
    くかつ前記目標圧力よりも小さい第2の所定圧力になる
    と前記目標圧力を目標指令圧力として設定することを特
    徴とする請求項1記載の可変容量形ポンプの制御装置。
  4. 【請求項4】 前記指令圧力設定手段は、前記第1の圧
    力検出手段の検出圧力が前記目標圧力よりも小さい第1
    の所定圧力以下であるとき前記第1の指令圧力を目標指
    令圧力として設定し、前記第1の圧力検出手段の検出圧
    力が前記第2の所定圧力以上であるとき前記目標圧力を
    目標指令圧力として設定し、また前記第1の圧力検出手
    段の検出圧力が前記第1の所定圧力より大きくかつ前記
    第2の所定圧力より小さいとき前記第1の圧力検出手段
    の検出圧力が上昇するに従って設定する目標指令圧力を
    漸増することを特徴とする請求項3記載の可変容量形ポ
    ンプの制御装置。
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