JP3065354U - 背丈を高くする靴 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 靴底内面の後半部のみを上げ底にした背丈を
高くする靴において、疲れ難く安定性が良いと共に、靴
を脱いだときに内部を覗かれても、上げ底構造が判らな
いようにしたものの提供。 【解決手段】 内側踵部５の土踏まず部をなだらかに盛
り上げて土踏まず支持部６を形成する。そして内側踵部
５の上面部が、前部側を除いて、浅いすり鉢状に次第に
周縁側に拡開形成され、その縁部が断面鋭角に突出され
る。そしてその縁７が踵外周壁部３の内面に鈍角に接す
るように構成される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、靴の踵部内面に上げ底用の内側踵部が固定された背丈を高くする靴 に関する。

【０００２】

【従来の技術】

外周を普通の靴に近く形成し、踵内部が上げ底されて背丈を高く見せる靴とし て、特開平３−１６５７０１号，特開平５−２５３００２号，その他が存在する 。これらは、着用者の背を高く見せる靴であって、主として靴の後半部内面に上 げ底用の内側踵部を接着固定したものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

このような靴は、その踵部内面側のみを異常に高く持ち上げているため、それ を履くと着用者はハイヒールを履いている如く、爪先側に体重がより多くかかり 、爪先立ちの感があって疲れ易いと共に安定性に欠ける欠点があった。 また、靴を脱いだときその底部の上面が異常に高く見え、上げ底を見破られて 体裁の悪い欠点があった。 そこで本考案者は各種実験研究の結果、足裏全体に体重が均一に分散し易く且 つ、靴を脱いだときその内部が上げ底であるようには見えない体裁の良い背丈を 高くする靴を提供することを課題とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

請求項１に記載の本考案は、靴底１の後部下面側に外側踵部２が突出すると共 に、 靴底１の上面側の後部周縁に踵外周壁部３が立ち上げられ、前部周縁に甲・爪 先抱持部４が立ち上げられ且つ、 靴底１の後部上面のみに上げ底用の内側踵部５が、充分に高く突出された背丈 を高くする靴において、 その内側踵部５の土踏まず部をなだらかに盛り上げて土踏まず支持部６が形成 され、 その内側踵部５の上面部が、前部側を除いて、浅いすり鉢状に次第に周縁側に 拡開形成され、その縁部が断面鋭角に突出形成され、その縁７が前記踵外周壁部 ３の内面に鈍角に接するように構成されたことを特徴とする背丈を高くする靴で ある。

【０００５】 請求項２に記載の本考案は、請求項１において、 前記内側踵部５の上面が、足裏の後半部全面に馴染んで接触するように滑らか な凹凸曲面に型取られた背丈を高くする靴である。 請求項３に記載の本考案は、請求項１または請求項２において、 前記内側踵部５が他の部分とは別個独立に成形され、それが靴底１の後部上面 に接着固定された背丈を高くする靴である。 請求項４に記載の本考案は、請求項３において、 前記内側踵部５が弾性を有する発泡材からなる背丈を高くする靴である。

【０００６】

【考案の実施の形態】

次に、図面に基づいて本考案の実施の形態につき説明する。 図１は本考案の背丈を高くするための靴であって、その内面側後半部に挿入さ れる内側踵部５の斜視図であり、図２は図１のII−II矢視断面図及び図３のII− II矢視断面図である。また図３は図１の III− III矢視断面図、図４は図３にお けるIV−IV矢視断面図である。さらに図５は本考案の靴の縦断面図であって図１ の III− III矢視方向から見たものであり、図６はその靴の横断面図であって、 図３におけるII−II矢視方向からみたものである。 この靴は図５に示す如く、靴底１の後端部下面側に外側踵部２が突出すると共 に、靴底１の上面側の後部周縁に踵外周壁部３が立ち上げられる。さらに、それ と一体に前部周縁には甲・爪先抱持部４が立ち上げ形成されている。そしてこの 例では、踵外周壁部３の高さが通常の靴のそれよりも後述する内側踵部５の厚み 分だけ高く形成されている。

【０００７】 次に、靴底１の内面にはその後半部上面のみに載置される内側踵部５が接着固 定されている。この内側踵部５は図１〜図４に示す如く、その後端から先端に向 かってその厚みが全体に次第に薄くなっている。そしてその長手方向の中央部は 、その両縁部分に比べて全体的に低く形成され、その土踏まず部はなだらかに盛 り上げられて、土踏まず支持部６が形成されている。そして内側踵部５の上面部 は、その前面側を除いて浅いすり鉢状にその周縁側が次第に拡開形成され、その 縁部断面が鋭角に突出形成されている。この内側踵部５の上面は足裏の後半部全 面に馴染んで接触するように、なめらかな凹凸曲面に型取られている。さらにそ の断面外周は略逆台形状に形成され、その内面側は内側になだらかに凹湾曲に形 成されている。

【０００８】 この内側踵部５は合成ゴム等の発泡材からなり、独立気泡型のスポンジ体で形 成されている。そしてこの内側踵部５を靴底１の後半部上面に接着剤を介して接 着固定することにより、その幅方向両縁及び後端縁は踵外周壁部３の内面に密着 する。なお、内側踵部５の上面には表布８が貼着固定されている。この表布８の 材質及び色と、踵外周壁部３の内面に貼着される布材の材質及び色は、夫々一致 したものを用いるのが好ましい。

【０００９】

【考案の作用・効果】

本考案の背丈を高くする靴は、靴底１の後部上面のみに上げ底用の内側踵部５ が充分高く突出され、その内側踵部５の土踏まず部をなだらかに盛り上げて土踏 まず支持部６が形成されたものである。それ故、この種の背丈を高くする靴にお いて、爪先側により多くかかりがちな体重を土踏まず支持部６で支持し、疲れ難 い安定性の高い靴を提供できる。 また、内側踵部５の上面部が前面側を除いて浅いすり鉢状に次第に周縁側に拡 開形成され、その縁部が断面鋭角に突出形成され、その縁７が踵外周壁部３の内 面に鈍角に接触するように構成したから、内側踵部５の縁部と踵外周壁部３の内 面とが馴染み、靴内部の上げ底状態を他人に気がつかれることがない。即ち、脱 いだ靴をその上方から覗き込んでも、内側踵部５の縁７が踵外周壁部３に鈍角に 接するように構成され、しかもその縁７は浅いすり鉢状の周縁であるため、その 靴の上げ底を気がつかれることがない。

【００１０】 請求項２に記載の本考案は、内側踵部５の上面が足裏の後半部全面に馴染んで 接触するように滑らかな凹凸曲面に型取られているから、土踏まず部を含み足裏 後半部全面に内側踵部５の上面が接することになり、安定性が良く且つ体重を内 側踵部５の全体で均一に支持することができる。それにより、疲れない靴を提供 できる。 請求項３に記載の本考案は、内側踵部５が他の部分とは別個独立に成形され、 それが靴底１の後部上面に接着固定されたものであるから、成形し易く汎用性の 高い内側踵部５を形成し得る。 請求項４に記載の本考案は、内側踵部５が弾性を有する発泡材からなるもので あるから、足の踵部分及び土踏まず部分にフィットし、歩き易い靴となり得る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の背丈を高くするための靴の内面側に挿
入される内側踵部５の斜視図。

【図２】図１のII−II矢視断面図及び図３のII−II矢視
断面図。

【図３】図１の III− III矢視断面図。

【図４】図３におけるIV−IV矢視断面図。

【図５】本考案の靴の縦断面図であって、図１の III−
III矢視方向から見たもの。

【図６】本考案の靴の横断面図であって、図３における
II−II矢視方向からみたもの。

【符号の説明】

１ 靴底 ２ 外側踵部 ３ 踵外周壁部 ４ 甲・爪先抱持部 ５ 内側踵部 ６ 土踏まず支持部 ７ 縁 ８ 表布

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 靴底１の後部下面側に外側踵部２が突出
   すると共に、 靴底１の上面側の後部周縁に踵外周壁部３が立ち上げら
   れ、前部周縁に甲・爪先抱持部４が立ち上げられ且つ、 靴底１の後部上面のみに上げ底用の内側踵部５が、充分
   に高く突出された背丈を高くする靴において、 その内側踵部５の土踏まず部をなだらかに盛り上げて土
   踏まず支持部６が形成され、 その内側踵部５の上面部が、前部側を除いて、浅いすり
   鉢状に次第に周縁側に拡開形成され、その縁部が断面鋭
   角に突出形成され、その縁７が前記踵外周壁部３の内面
   に鈍角に接するように構成されたことを特徴とする背丈
   を高くする靴。
2. 【請求項２】 請求項１において、 前記内側踵部５の上面が、足裏の後半部全面に馴染んで
   接触するように滑らかな凹凸曲面に型取られた背丈を高
   くする靴。
3. 【請求項３】 請求項１または請求項２において、 前記内側踵部５が他の部分とは別個独立に成形され、そ
   れが靴底１の後部上面に接着固定された背丈を高くする
   靴。
4. 【請求項４】 請求項３において、 前記内側踵部５が弾性を有する発泡材からなる背丈を高
   くする靴。