JP3063078B2 - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JP3063078B2
JP3063078B2 JP8309825A JP30982596A JP3063078B2 JP 3063078 B2 JP3063078 B2 JP 3063078B2 JP 8309825 A JP8309825 A JP 8309825A JP 30982596 A JP30982596 A JP 30982596A JP 3063078 B2 JP3063078 B2 JP 3063078B2
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忠一 福地
薫 濱田
共章 永井
信弘 工藤
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は画像保存性に優れた
感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、感熱記録体は通常無色ないし淡
色の塩基性無色染料とフェノ−ル性化合物等の顕色剤と
を、それぞれ微細な粒子に磨砕分散した後、両者を混合
し、バインダ−、充填剤、感度向上剤、滑剤及びその他
の助剤を添加して得られた塗料を、紙、合成紙、フィル
ム、プラスチック等の支持体に塗工した物であり、サ−
マルヘッド、ホットスタンプ、熱ペン、レ−ザ−光等の
加熱による瞬時の化学反応により発色させ、記録画像を
得るものである。
【0003】感熱記録体は、ファクシミリ、コンピュ−
タ−の端末プリンタ−、自動券売機、計測用レコ−ダ−
等広範囲に使用でき、近年は宅配伝票や食品用バーコー
ドラベルなど様々な用途に用いられている。しかし、支
持体上に塩基性無色染料、顕色剤及び結着剤を有効成分
とする感熱発色層を塗工した従来のいわゆる染料型感熱
記録体においては、発色画像が経時的に消色することが
知られており問題となっていた。この消色は曝光、高
温、高湿雰囲気下において加速され、さらに水中での長
時間の放置、サラダオイルのような油、可塑剤との接触
によって著しく進行し、画像は読取り不可能になってし
まう。
【0004】このような消色現象を抑制するために、無
色ないし淡色のラクトン環化合物を主とする塩基性無色
染料を用いた感熱記録体について、数多くの技術が開示
されてきた。例えば特開昭60−78782号及び特開
昭59−114096号に見られるようにフェノ−ル系
酸化防止剤を感熱発色層中に配合したもの、特開昭56
−146794号に見られるように疎水性高分子化合物
エマルジョン等を保護層に使用したもの、特開昭62−
164579号に見られるようにフェノ−ル系顕色剤に
エポキシ化合物を併用したもの等が知られている。しか
しながら、実用化には未だ不十分であり、画像を安定さ
せる新しい手段の探索が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、塩基
性無色染料とフェノ−ル系顕色剤からなる感熱記録体の
画像安定性、特に可塑剤に対する安定性を大幅に向上さ
せることを課題とした。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記性能
を有する感熱記録体を開発するために鋭意検討を重ねた
結果、感熱発色層中に特定の安定剤を含有させることに
より、上記目的を達成することを見出し本発明を完成す
るに至った。すなわち、本発明は、無色ないし淡色の塩
基性染料と有機顕色剤とを主成分として含有する感熱発
色層を設けた感熱記録体において、該感熱記録発色層が
安定剤として下記一般式(I)で表されるアミノベンゼ
ンスルホンアミド誘導体を顕色剤1部に対して0.01
〜0.9部の割合で含有し、かつ下記一般式(II)で表
される少なくとも1種のメチロ−ル化脂肪酸アマイドを
顕色剤1部に対して0.01〜2部の割合で含有する感
熱記録体に関する。
【0007】
【化3】 (式中、Xは、酸素原子あるいは硫黄原子を表し、R
は、無置換あるいは置換されたフェニル基、ナフチル
基、アラルキル基、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭
素数3〜6のシクロアルキル基、あるいは炭素数2〜6
の低級アルケニル基を表す。Zは、炭素数1〜6の低級
アルキル基、又は電子吸引性基を表す。nは0〜4の整
数を表し、pは1〜5の整数を表す。但し、n+p≦5
を満たす。)
【0008】
【化4】 (式中、R1 は炭素数11〜21のアルキル基を表
す。)
【0009】本発明では、感熱発色層中に一般式(I)
で表されるアミノベンゼンスルホンアミド誘導体を含有
する。一般式(I)中、Xは酸素原子或いは硫黄原子で
あり、Zは安定剤としての機能を妨げないような置換基
であればよく、このような置換基としてはメチル基、エ
チル基等の炭素数1〜6の低級アルキル基或いは塩素原
子、ニトロ基、メトキシ基等の電子吸引性基が挙げられ
る。また、Rは炭化水素基を表しており、具体的にはフ
ェニル基、アラルキル基、炭素数1〜6の低級アルキル
基、炭素数3〜6のシクロアルキル基、炭素数2〜6の
低級アルケニル基、或いはナフチル基が挙げられる。ま
た、Rには安定効果を阻害しない置換基を入れることが
でき、置換基としてはメチル基、エチル基等の炭素数1
〜6の低級アルキル基、イソプロペニル基等の炭素数1
〜6の低級アルケニル基或いは塩素原子、ニトロ基、メ
トキシ基等の電子吸引性基が挙げられる。一般式(I)
で表される化合物を具体的に例示すると以下に示す(I
−1)〜(I−72)が挙げられるが、これらに限定さ
れるものではない。ここで、原料の入手性や合成の容易
さという点から(I−10)が好ましく用いられる。
【0010】
【化5】
【0011】
【化6】
【0012】
【化7】
【0013】
【化8】
【0014】
【化9】
【0015】
【化10】
【0016】
【化11】
【0017】
【化12】
【0018】本発明において、一般式(I)で表される
アミノベンゼンスルホンアミド誘導体は、顕色剤1部に
対して0.01部未満の場合十分な安定効果が期待でき
ず、顕色剤1部に対して0.9部より多い場合は十分な
発色濃度が得られない。従って、安定効果及び発色濃度
の両方を満足させるバランスの良い品質の感熱記録体と
するには、一般式(I)で表されるアミノベンゼンスル
ホンアミド誘導体を顕色剤1部に対して0.01〜0.
9部の割合で使用することが望ましい。
【0019】さらに、本発明では、前記一般式(I)の
化合物とともに一般式(II)で表される少なくとも1種
のメチロ−ル化脂肪酸アマイドを感熱発色層中に含有す
る。
【0020】一般式(II)中、R1は炭化水素基を表し
ており、具体的には炭素数11〜21のアルキル基が挙
げられる。一般式(II)で表される化合物を具体的に例
示すると以下に示す(II−1) 〜(II−4) が挙げられる
が、これらに限定されるものではない。ここで、入手性
及び前記(I−10)と併用した時の安定効果という点
では(II−3) が好ましく用いられる。
【0021】
【化13】
【0022】本発明において、一般式(II)で表される
メチロ−ル化脂肪酸アマイドは顕色剤1部に対して0.
01部未満の場合は十分な安定効果が期待できず、顕色
剤1部に対して2部より多い場合は十分な発色濃度が得
られない。従って、安定効果及び発色濃度の両方を満足
させるバランスの良い品質の感熱記録体とするために、
一般式(II)で表されるメチロ−ル化脂肪酸アマイドを
顕色剤1部に対して0.01〜2部の割合で使用するこ
とが望ましい。
【0023】本発明において、安定剤として用いられる
一般式(I)で表されるアミノベンゼンスルホンアミド
誘導体は、それ自体にも顕色能力が認められるが、一般
に感熱記録体に用いられる有機顕色剤の顕色能力よりも
劣っている。しかし、有機顕色剤1部に対して一般式
(I)の化合物を特定の割合で使用することによって、
一般式(I)の化合物は安定剤としての機能を発揮す
る。この理由については明確には解明されていないが、
次のように推定される。
【0024】一般に、感熱記録体は塩基性無色染料を電
子供与体とし、有機酸性物質を電子受容体として構成さ
れている。これらの塩基性無色染料と顕色剤との間では
熱溶融により電子の授受が行われ、これにより一種の錯
体が形成され発色画像が得られる。そして、一般式
(I)の化合物は、塩基性無色染料と顕色剤との化学結
合力を強め、記録画像を安定させるものと考えられる。
一方、一般式(II)の化合物は、化合物(I)と共融さ
れる際に前述の錯体と一般式(I)の化合物との相互作
用を強めると考えられる。それゆえ本発明では、一般式
(I)と一般式(II)の化合物を併用することによっ
て、高い安定性を有する感熱記録体が得られる。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の感熱記録体は、塩基性無
色染料、顕色剤、安定剤として前記一般式(I)で表さ
れる少なくとも1種類のアミノベンゼンスルホンアミド
誘導体、及び安定剤として前記一般式(II)で表される
少なくとも1種類のメチロール化脂肪酸アマイドを、バ
インダ−と共に各々分散し、填料や必要に応じてその他
の添加剤を加えて感熱発色層塗料を調製し、これを支持
体上に塗布、乾燥することによって得られる。
【0026】本発明の感熱記録体に使用する塩基性無色
染料としては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公
知のものは全て使用可能であり、特に制限されるもので
はないが、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系
化合物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好まし
い。以下に代表的な塩基性無色染料の具体例を示す。ま
た、これらの塩基性無色染料は単独または2種以上混合
して使用してもよい。
【0027】<トリフェニルメタン系ロイコ染料> 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド[別名クリスタルバイオレットラ
クトン] 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド
[別名マラカイトグリーンラクトン]
【0028】<フルオラン系ロイコ染料> 3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロ
アニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルア
ニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルア
ミノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアニリ
ノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアニ
リノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラ
ン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニ
リノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリ
ノフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フ
ルオラン 3−ジエチルアミノ−ベンゾ[a]フルオラン 3−ジエチルアミノ−ベンゾ[c]フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロ
アニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン 3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリ
ノフルオラン 3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニ
リノフルオラン 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フ
ルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−ク
ロロアニリノ)フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメ
チルアニリノ)フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノ
フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリ
ノ)フルオラン 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン 3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−
7−(p−クロロアニリノ)フルオラン 3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロ
ロ−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン 2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミ
ノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルア
ミノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 2,4−ジメチル−6−[(4−ジメチルアミノ)アニ
リノ]−フルオラン
【0029】<フルオレン系ロイコ染料> 3、6、6´−トリス(ジメチルアミノ)スピロ[フル
オレン−9,3´−フタリド] 3、6、6´−トリス(ジエチルアミノ)スピロ[フル
オレン−9,3´−フタリド]
【0030】<ジビニル系ロイコ染料> 3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,
6,7−テトラブロモフタリド 3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,
6,7−テトラクロロフタリド 3,3−ビス−[1,1−ビス(4−ピロリジノフェニ
ル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラブ
ロモフタリド 3,3−ビス−[1−(4−メトキシフェニル)−1−
(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル]−
4,5,6,7−テトラクロロフタリド
【0031】<その他> 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
−4−アザフタリド 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)−4−アザフタリド 3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシ
フェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール
−3−イル)−4−アザフタリド 3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3
´−ニトロ)アニリノラクタム 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4
´−ニトロ)アニリノラクタム 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,
2−ジニトリルエタン 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2−
β−ナフトイルエタン 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,
2−ジアセチルエタン ビス−[2,2,2´,2´−テトラキス−(p−ジメ
チルアミノフェニル)−エテニル]−メチルマロン酸ジ
メチルエステル
【0032】本発明において、塩基性無色染料の違いに
よる画像安定性への影響は、決定的なものではないが多
少の差を与える。この理由は明らかではないが、画像安
定性は塩基性無色染料の極性(薄層クロマトグラフィー
の展開状態によって判明する。)にほぼ依存しているた
めと考えられる。例えば、3−ジエチルアミノ−6−メ
チル−7−アニリノフルオランは極性が比較的高く、こ
れに比べ3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−
6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジブチルア
ミノ−6−メチル−7−アニリノフルオランなどの極性
は低い。発色画像はこれら塩基性無色染料と顕色剤との
反応性が決定し、このことが安定化に関与するとともに
可塑剤との溶解性に影響すると考えられる。但し、極性
が高い場合、顕色剤との反応性が大きく地色発色を引き
起こす原因となるので注意を要する。また、塩基性無色
染料を混合して用いると、耐可塑剤性が向上する。この
理由は明確にはわあらないが、単独の塩基性無色染料を
用いた場合に比べ、電荷移動錯体が強固な反応体となっ
ているためと推定される。
【0033】本発明の感熱記録体に使用する有機顕色剤
としては、例えば、特開平3−207688号、特開平
5−24366号公報等に記載のビスフェノールA類、
4−ヒドロキシ安息香酸エステル類、4−ヒドロキシフ
タル酸ジエステル類、フタル酸モノエステル類、ビス−
(ヒドロキシフェニル)スルフィド類、4−ヒドロキシ
フェニルアリールスルホン類、4−ヒドロキシフェニル
アリールスルホナート類、1,3−ジ[2−(ヒドロキ
シフェニル)−2−プロピル]−ベンゼン類、4−ヒド
ロキシベンゾイルオキシ安息香酸エステル、ビスフェノ
ールスルホン類が例示される。以下に代表的な公知の顕
色剤の具体例を示すが、特にこれらに制限されるもので
はない。また、これらの顕色剤は単独または2種類以上
混合しても良い。
【0034】<ビスフェノールA類> 4,4´−イソプロピリデンジフェノール(別名ビスフ
ェノールA) 4,4´−シクロヘキシリデンジフェノール p,p´−(1−メチル−ノルマルヘキシリデン)ジフ
ェノール 1,7−ジ(ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオ
キサヘプタン
【0035】<4−ヒドロキシ安息香酸エステル類> 4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル 4−ヒドロキシ安息香酸エチル 4−ヒドロキシ安息香酸プロピル 4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル 4−ヒドロキシ安息香酸ブチル 4−ヒドロキシ安息香酸イソブチル 4−ヒドロキシ安息香酸メチルベンジル
【0036】<4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類> 4−ヒドロキシフタル酸ジメチル 4−ヒドロキシフタル酸ジイソプロピル 4−ヒドロキシフタル酸ジベンジル 4−ヒドロキシフタル酸ジヘキシル
【0037】<フタル酸モノエステル類> フタル酸モノベンジルエステル フタル酸モノシクロヘキシルエステル フタル酸モノフェニルエステル フタル酸モノメチルフェニルエステル フタル酸モノエチルフェニルエステル フタル酸モノプロピルベンジルエステル フタル酸モノハロゲンベンジルエステル フタル酸モノエトキシベンジルエステル
【0038】<ビス−(ヒドロキシフェニル)スルフィ
ド類> ビス−(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−6−
メチルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)
スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−エチルフェ
ニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−イソプロピ
ルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチルフェニル)
スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)
スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジイソプロピルフェ
ニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェ
ニル)スルフィド ビス−(2,4,5−トリヒドロキシフェニル)スルフ
ィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−シクロヘキシル−5−メ
チルフェニル)スルフィド ビス−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)スルフ
ィド ビス−(4,5−ジヒドロキシ−2−tert−ブチル
フェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジフェニルフェニ
ル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−tert−オクチル−5
−メチルフェニル)スルフィド
【0039】<4−ヒドロキシフェニルアリールスルホ
ン類> 4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスル
ホン 4−ヒドロキシ−4′−プロポキシジフェニルスルホン 4−ヒドロキシ−4′−n−ブチルオキシジフェニルス
ルホン 4−ヒドロキシ−4′−n−プロポキシジフェニルスル
ホン
【0040】<4−ヒドロキシフェニルアリールスルホ
ナート類> 4−ヒドロキシフェニルベンゼンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−トリルスルホナート 4−ヒドロキシフェニルメチレンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−クロルベンゼンスルホナ
ート 4−ヒドロキシフェニル−p−tert−ブチルベンゼ
ンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−イソプロポキシベンゼン
スルホナート 4−ヒドロキシフェニル−1′−ナフタリンスルホナー
ト 4−ヒドロキシフェニル−2′−ナフタリンスルホナー
【0041】<1,3−ジ[2−(ヒドロキシフェニ
ル)−2−プロピル]ベンゼン類> 1,3−ジ[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プ
ロピル]ベンゼン 1,3−ジ[2−(4−ヒドロキシ−3−アルキルフェ
ニル)−2−プロピル]ベンゼン 1,3−ジ[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−
2−プロピル]ベンゼン 1,3−ジ[2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)−2−プロピル]ベンゼン
【0042】<レゾルシノール類> 1,3−ジヒドロキシ−6(α,α−ジメチルベンジ
ル)−ベンゼン <4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エステル> 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ベンジル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸メチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸プロピル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ブチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸イソプロピル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸tert−ブ
チル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ヘキシル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸オクチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ノニル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸シクロヘキシ
ル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸β−フェネチ
ル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸フェニル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸α−ナフチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸β−ナフチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸sec−ブチ
【0043】<ビスフェノールスルホン類(I)> ビス−(3−1−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチル
フェニル)スルホン ビス−(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(3−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(2−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン ビス−(2−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(3−クロル−4−ヒドロキシフェニル)スルホ
ン ビス−(2,3−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン ビス−(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)
スルホン ビス−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)スル
ホン 4−ヒドロキシフェニル−2′−エチル−4′−ヒドロ
キシフェニルスルホン 4−ヒドロキシフェニル−2′−イソプロピル−4′−
ヒドロキシフェニルスルホン 4−ヒドロキシフェニル−3′−イソプロピル−4′−
ヒドロキシフェニルスルホン 4−ヒドロキシフェニル−3′−secブチル−4′−
ヒドロキシフェニルスルホン 3−クロル−4−ヒドロキシフェニル−3′−イソプロ
ピル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−4′−ヒド
ロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−アミノフェニル−4′−ヒド
ロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−イソプロピルフェニル−4′
−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル−4′−ヒ
ドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−クロ
ル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−メチ
ル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−イソ
プロピル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−クロ
ル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−メチ
ル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−イソ
プロピル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−2′−メチ
ル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン
【0044】<ビスフェノールスルホン類(II)> 4,4′−スルホニルジフェノール 2,4′−スルホニルジフェノール 3,3′−ジクロル−4,4′−スルホニルジフェノー
ル 3,3′−ジブロモ−4,4′−スルホニルジフェノー
ル 3,3′,5,5′−テトラブロモ−4,4′−スルホ
ニルジフェノール 3,3′−ジアミノ−4,4′−スルホニルジフェノー
【0045】<その他> p−tert−ブチルフェノール 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン ノボラック型フェノール樹脂 4−ヒドロキシアセトフェノン p−フェニルフェノール ベンジル−4−ヒドロキシフェニルアセテート p−ベンジルフェノール
【0046】本発明において、複数のフェノール系水酸
基を持つ顕色剤は水系塗工や空気中の湿気により地色の
汚染(地色発色)が進むことがあるため、より高い地色
安定性を求める場合モノフェノール系の顕色剤を好まし
く用いる。特に、上記した4−ヒドロキシフェニルアリ
ールスルホン類に代表されるモノフェノール系スルホン
顕色剤は、スルホニル基を構造内に有しており、このス
ルホニル基の電子吸引作用によって強い電子受容部がで
きるので、塩基性無色染料と強い反応性を示し高い発色
性が得られると同時に、地色安定性にも優れた感熱記録
体が得られ望ましい。
【0047】本発明においては、上記課題に対する所望
の効果を阻害しない範囲で、従来公知の増感剤を使用す
ることができる。かかる増感剤としては、モンタン酸ワ
ックス、ポリエチレンワックス、1,2−ジ−(3−メ
チルフェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、β
−ベンジルオキシナフタレン、4−ビフェニル−p−ト
リルエーテル、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキ
シエタン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロ
ロベンジル)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、テ
レフタル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベ
ンジル、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−
ナフチルカーボネート、1,4−ジエトキシナフタレ
ン、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステ
ル、o−キシレリン−ビス−(フェニルエ−テル)、4
−(m−メチルフェノキシメチル)ビフェニルを例示す
ることができるが、特に、これらに制限されるものでは
ない。これらの増感剤は単独または2種以上混合して使
用してもよい。
【0048】本発明で使用するバインダーとしては、重
合度が200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコ
ール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変
性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアル
コール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラ
ール変性ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルア
ルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロ
ース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、アセチルセルロースなどのセルロース誘導体、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアク
リルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチ
ラール、ポリスチロール及びそれらの共重合体、ポリア
ミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケ
トン樹脂、クマロン樹脂を例示することができる。これ
らの高分子物質は水、アルコール、ケトン、エステル、
炭化水素等の溶剤に溶かして使用するほか、水または他
の媒体中乳化またはペースト状に分散した状態で使用
し、要求品質に応じて併用することもできる。
【0049】また、本発明においては、上記課題に対す
る所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性効
果などを示す公知の安定剤であるp−ニトロ安息香酸金
属塩(Ca,Zn)、フタル酸モノベンジルエステル金
属塩(Ca,Zn)またはジフェニルスルホン誘導体を
添加することも可能である。
【0050】本発明で使用することができる填料として
は、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリ
ン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸
化アルミニウム、ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン
樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−ブ
タジエン共重合体や、中空プラスチックピグメントなど
の無機または有機充填剤などが挙げられる。
【0051】このほかに脂肪酸金属塩などの離型剤、ワ
ックス類などの滑剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール
系の紫外線吸収剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分
散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料などを使用するこ
とができる。
【0052】支持体としては、紙、合成紙、プラスチッ
クフィルム、不織布、金属箔等が使用可能であり、ま
た、これらを組み合わせた複合シートを使用してもよ
い。
【0053】本発明の感熱記録体に使用する顕色剤及び
塩基性無色染料の量、その他の各種成分の種類及び量は
要求される性能及び記録適性に従って決定され、特に制
限されるものではないが、通常、有機顕色剤1部に対し
て染料0.1〜2部、填料0.5〜4部を使用し、バイ
ンダーは全固形分中5〜25%が適当である。また、本
発明の一般式(I)の化合物は顕色剤1部に対して0.
01〜0.9部使用し、一般式(II)の化合物は顕色剤
1部に対して0.01〜2部使用する。
【0054】これらの顕色剤、染料並びに必要に応じて
添加する材料はボールミル、アトライター、サンドグラ
インダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によって
数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バインダ
ー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液とす
る。塗布法としては、手塗り、サイズプレスコーター
法、ロールコーター法、エアナイフコーター法、ブレン
ドコーター法、フローコーター法、コンマダイレクト
法、グラビアダイレクト法、グラビアリバース法、リバ
ース・ロールコーター法等が上げられる。又、噴霧、吹
き付け又は浸漬後、乾燥しても良い。
【0055】さらに、保存性を高める目的で、高分子物
質等のオーバーコート層を感熱発色層上に設けることも
できる。また、保存性及び感度を高める目的で、有機填
料または無機填料を含有するアンダーコート層を発色層
と支持体の間に設けることもできる。
【0056】
【実施例】
〈感熱記録体の製造〉以下に本発明の感熱記録体を実施
例によって説明する。尚、説明中の部及び%は、特に断
らない限り、それぞれ重量部及び重量%を表す。
【0057】[実施例1]実施例1は、本発明の感熱記
録体に、顕色剤として4−ヒドロキシ−4´−イソプロ
ポキシジフェニルスルホン(D−8)、塩基性無色染料
として3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6
−メチル−7−アニリノフルオラン(S−205)、安
定剤として化合物(I−10)及び(II−3)を使用し
た例である。下記配合の顕色剤の分散液(A液)と塩基
性無色染料分散液(B液)及び増感剤分散液(C液)
を、それぞれ別々にサンドグラインダ−で平均粒子径1
ミクロンになるまで湿式磨砕を行った。 A液(顕色剤分散液) 4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホン(D−8) 6.0部 10%ポリビニルアルコ−ル水溶液 18.8部 水 11.2部 B液(染料分散液) 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフ ルオラン(S−205) 2.0部 10%ポリビニルアルコ−ル水溶液 4.6部 水 2.6部 C液(安定剤分散液) 化合物(I−10) 4.0部 10%ポリビニルアルコ−ル水溶液 18.8部 水 11.2部 D液(安定剤分散液) 化合物(II−3) 4.0部 10%ポリビニルアルコ−ル水溶液 18.8部 水 11.2部 次いで下記の割合で分散液を混合、攪拌し、塗布液を調整した。 A液(顕色剤[D−8]分散液) 36.0部 B液(染料[S−205]分散液) 9.2部 C液(安定剤[化合物(I−10)]分散液) 34.0部 D液(安定剤[化合物(II−3)]分散液) 34.0部 カオリンクレ−(50%分散液) 12.0部 上記各塗布液を50g/m2 の基紙の片面に塗布した
後、乾燥を行い、このシ−トをス−パ−カレンダ−で平
滑度が500〜600秒になるように処理し、塗布量を
6.0g/m2 感熱記録体を得た。
【0058】[実施例2]実施例1と同様にして感熱記
録紙を作成した。但し、A液の調製にあたり、4−ヒド
ロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホン(D
−8)の代わりに4,4´−イソプロピリデンジフェノ
−ル(ビスフェノ−ルA、表中BPAと略記する)を用
いた。
【0059】[実施例3]実施例1と同様にして感熱記
録紙を作成した。但し、顕色剤としては4,4´−イソ
プロピリデンジフェノ−ル(ビスフェノ−ルA)及び4
−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェニルスルホ
ン(D−8)の2種類を用いた。尚、それぞれの分散液
は下記の如く混合、撹拌し、塗布液を調製した。 A液(顕色剤[ビスフェノ−ルA]分散液) 18.0部 A液(顕色剤[D−8]分散液) 18.0部 B液(染料[S−205]分散液) 9.2部 C液(安定剤[化合物(I−10)]分散液) 34.0部 D液(安定剤[化合物(II−3)]分散液) 34.0部 カオリンクレ−(50%分散液) 12.0部
【0060】[実施例4〜7]実施例1と同様にして感
熱記録紙を作成した。但し、B液の調製にあたり3−
(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン(S−205)の代わりに3−
ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン
(ODB−2;実施例4)、3−ジエチルアミノ−6−
メチル−7−アニリノフルオラン(ODB;実施例
5)、3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフル
オラン(PSD−170;実施例6)及び3,3−ビス
(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノ
フタリド(CVL;実施例7)を用いた。
【0061】[実施例8]実施例1と同様にして感熱記
録紙を作成した。但し、染料としては3−(N−エチル
−N−イソアミルアミノ)−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン(S−205)及び3−ジブチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン(ODB−2)の2
種類を用いた。尚、それぞれの分散液は下記の如く混
合、撹拌し、塗布液を調製した。 A液(顕色剤[D−8]分散液) 36.0部 B液(染料[S−205]分散液) 4.6部 B液(染料[ODB−2]分散液) 4.6部 C液(安定剤[化合物(I−10)]分散液) 34.0部 D液(安定剤[化合物(II−3)]分散液) 34.0部 カオリンクレ−(50%分散液) 12.0部
【0062】[実施例9〜12]実施例8と同様にして
感熱記録紙を作成した。但し、C液の調製にあたり化合
物(I−10)の代わりに化合物(I−1)、(I−1
3)、(I−19)及び(I−26)を用いた。
【0063】[実施例13]実施例8と同様にして感熱
記録紙を作成した。但し、C液における安定剤としては
化合物(I−10)及び化合物(I−1)の2種類を用
いた。尚、それぞれの分散液は下記の如く混合、撹拌
し、塗布液を調製した。 A液(顕色剤[D−8]分散液) 36.0部 B液(染料[S−205]分散液) 9.2部 C液(安定剤[化合物(I−1)]分散液) 17.0部 C液(安定剤[化合物(I−10)]分散液) 17.0部 D液(安定剤[化合物(II−3)]分散液) 34.0部 カオリンクレ−(50%分散液) 12.0部
【0064】[実施例14]実施例8と同様にして感熱
記録紙を作成した。但し、D液の調製にあたり化合物
(II−3)の代わりに(II−4)を用いた。
【0065】[実施例15]実施例8と同様にして感熱
記録紙を作成した。但し、D液における安定剤としては
化合物(II−3)及び(III −3)を用いた。尚、それ
ぞれの分散液は下記の如く混合、撹拌し、塗布液を調製
した。 A液(顕色剤[D−8]分散液) 36.0部 B液(染料[S−205]分散液) 9.2部 C液(安定剤[化合物(I−10)]分散液) 34.0部 D液(安定剤[化合物(II−3)]分散液) 17.0部 D液(安定剤[化合物(II−4)]分散液) 17.0部 カオリンクレ−(50%分散液) 12.0部
【0066】[比較例1]実施例1と同様にして感熱記
録紙を作成した。但し、発色層の形成においてC液及び
D液を混合しなかった。
【0067】[比較例2]実施例8と同様にして感熱記
録紙を作成した。但し、発色層の形成においてC液及び
D液を混合しなかった。
【0068】[比較例3]実施例8と同様にして感熱記
録紙を作成した。但し、発色層の形成においてD液を混
合しなかった。
【0069】[比較例4]実施例8と同様にして感熱記
録紙を作成した。但し、発色層の形成においてC液を混
合しなかった。
【0070】[比較例5]実施例15と同様にして感熱
記録紙を作成した。但し、発色層の形成においてC液を
混合しなかった。
【0071】[比較例6]実施例8と同様にして感熱記
録紙を作成した。但し、発色層の形成においてC液を下
記のように調整した。 C´液(安定剤分散液) 化合物(I−10) 0.030部 10%ポリビニルアルコール水溶液 0.141部 水 0.084部 次いで下記の割合で分散液を混合、攪拌し、塗布液を調
整した。 A液(顕色剤[D−8]分散液) 36.0部 B液(染料[S−205]分散液) 4.6部 B液(染料[ODB−2]分散液) 4.6部 C´液(安定剤[化合物(I−10)]分散液) 0.255部 D液(安定剤[化合物(II−3)]分散液) 34.0部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部
【0072】[比較例7]実施例8と同様にして感熱記
録紙を作成した。但し、発色層の形成においてD液を下
記のように調整した。 D´液(安定剤分散液) 化合物(II−3) 0.030部 10%ポリビニルアルコール水溶液 0.141部 水 0.084部 次いで下記の割合で分散液を混合、攪拌し、塗布液を調
整した。 A液(顕色剤[D−8]分散液) 36.0部 B液(染料[S−205]分散液) 4.6部 B液(染料[ODB−2]分散液) 4.6部 C液(安定剤[化合物(I−10)]分散液) 34.0部 D´液(安定剤[化合物(II−3)]分散液) 0.255部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部
【0073】[比較例8]実施例8と同様にして感熱記
録紙を作成した。但し、発色層の形成においてC液を下
記のように調整した。 C液(安定剤分散液) 化合物(I−10) 9.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 42.3部 水 25.2部 次いで下記の割合で分散液を混合、攪拌し、塗布液を調
整した。 A液(顕色剤[D−8]分散液) 36.0部 B液(染料[S−205]分散液) 4.6部 B液(染料[ODB−2]分散液) 4.6部 C液(安定剤[化合物(I−10)]分散液) 76.5部 D液(安定剤[化合物(II−3)]分散液) 34.0部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部
【0074】[比較例9]実施例8と同様にして感熱記
録紙を作成した。但し、発色層の形成においてD液を下
記のように調整した。 D液(安定剤分散液) 化合物(II−3) 18.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 84.6部 水 50.4部 次いで下記の割合で分散液を混合、攪拌し、塗布液を調
整した。 A液(顕色剤[D−8]分散液) 36.0部 B液(染料[S−205]分散液) 4.6部 B液(染料[ODB−2]分散液) 4.6部 C液(安定剤[化合物(I−10)]分散液) 34.0部 D液(安定剤[化合物(II−3)]分散液) 153.0部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部
【0075】〈感熱記録体の評価〉作成した感熱記録体
について、大倉電気社製のTH−PMD(感熱記録紙印
字試験機、京セラ社製、サ−マルヘッドを装着)を用
い、印加エネルギ−0.41mj/dotで印字した。
この記録したサンプルの画像記録濃度をマクベス濃度計
(RD−914、アンバ−フィルタ−使用)で測定し、
未処理の濃度とした。そして、紙管に塩ビラップ(三井
東圧製ハイラップKMA)を1重に巻き付け、この上に
記録した感熱記録体を貼り付け、更にこの上に塩ビラッ
プを3重に巻き付けたものを40℃4時間放置した後に
画像部のマクベス濃度を測定した。また、地色濃度も同
様にして測定した。(表1、2参照)
【0076】
【表1】
【0077】
【表2】
【0078】
【表3】
【0079】
【表4】
【0080】表1、2の結果から明らかなように、一般
式(I)で表される化合物と一般式(II)で表される化
合物とを用いた本発明の実施例1〜15は、どちらも使
用しない比較例1、2、あるいは一方しか存在しない比
較例3〜5に比べ、可塑剤に対する画像安定性が格段に
高い。従って、一般式(I)と一般式(II)で表される
化合物は、それぞれ単独で用いた場合は安定剤として機
能せず、併用したときのみ優れた安定効果を示すことが
わかる。
【0081】また、顕色剤1部に対し、一般式(I)の
化合物を比較例6では0.005部、比較例8では1.
5部の割合で含有し、一方、一般式(II)の化合物を比
較例7では0.005部、比較例9では3部の割合で含
有しているが、いずれも耐可塑剤性に劣っており、特に
どちらかが多すぎる場合(比較例8、9)は記録濃度も
低かった。すなわち、たとえ一般式(I)と一般式(I
I)の化合物とが同時に存在する場合でも、本発明で規
定する一般式(I)の化合物は顕色剤1部に対して0.
01〜0.9部の割合で、一般式(II)の化合物は顕色
剤1部に対して0.01〜2部の割合で含有するという
条件を満たさなければ、目的とする安定性は得られない
ことがわかる。
【0082】さらに、実施例1と実施例2から、顕色剤
としてはD−8を用いた方がBPAを用いた場合よりも
地色の着色が少なく優れていることが示される。耐可塑
剤性についても同様に、D−8を用いた方が良好な品質
が得られる。塩基性無色染料の違いによる耐可塑剤性の
差については、単独使用の場合、PSD−170を使用
した実施例6が最も優れていたが、地色に多少問題があ
った。これに対して、S−205及びODB−2を併用
した実施例8では、耐可塑剤性と地色の点でともに優れ
たものとなっていた。
【0083】
【発明の効果】本発明の感熱記録体は、十分な発色感度
を有するとともに、画像安定性、特に可塑剤に対する安
定性に極めて優れている。従って、ラップフィルムや革
製品等に含有されている可塑剤と接触しても、記録画像
が消色することがないため実用性が高い。また、本発明
の感熱記録体は、発色層中に一般式(I)で表される化
合物と一般式(II)で表される化合物を含有しているこ
とから、保護層などを必要とすることなく耐可塑剤性を
付与することができ、経済性にも優れている。
フロントページの続き (72)発明者 工藤 信弘 東京都新宿区上落合1丁目30番6号 日 本製紙株式会社 商品開発研究所内 (72)発明者 関根 昭夫 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製 紙株式会社 中央研究所内 (56)参考文献 特開 平7−304727(JP,A) 特開 平7−237357(JP,A) 特開 平6−210961(JP,A) 特開 平6−179289(JP,A) 特開 平9−76633(JP,A) 特開 平9−142524(JP,A) 特開 平8−295078(JP,A) 特開 平9−207456(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B41M 5/28 - 5/34

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、無色ないし淡色の塩基性無
    色染料と有機顕色剤とを主成分として含有する感熱発色
    層を設けた感熱記録体において、該感熱発色層が安定剤
    として下記一般式(I)で表されるアミノベンゼンスル
    ホンアミド誘導体を顕色剤1部に対して0.01〜0.
    9部の割合で含有し、かつ下記一般式(II)で表される
    メチロ−ル化脂肪酸アマイドを顕色剤1部に対して0.
    01〜2部の割合で少なくとも一種類含有することを特
    徴とする感熱記録体。 【化1】 (式中、Xは、酸素原子あるいは硫黄原子を表し、R
    は、無置換あるいは置換されたフェニル基、ナフチル
    基、アラルキル基、炭素数1〜6の低級アルキル基、炭
    素数3〜6のシクロアルキル基、あるいは炭素数2〜6
    の低級アルケニル基を表す。Zは、炭素数1〜6の低級
    アルキル基、又は電子吸引性基を表す。nは0〜4の整
    数を表し、pは1〜5の整数を表す。但し、n+p≦5
    を満たす。) 【化2】 (式中、R1 は炭素数11〜21のアルキル基を表
    す。)
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