JP2967709B2 - 感熱記録体 - Google Patents

感熱記録体

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JP2967709B2
JP2967709B2 JP7250791A JP25079195A JP2967709B2 JP 2967709 B2 JP2967709 B2 JP 2967709B2 JP 7250791 A JP7250791 A JP 7250791A JP 25079195 A JP25079195 A JP 25079195A JP 2967709 B2 JP2967709 B2 JP 2967709B2
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共章 永井
薫 濱田
昭夫 関根
英樹 早坂
敏明 南
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アミノスルホニル
基を有する尿素あるいはチオ尿素誘導体を顕色剤とし
た、耐熱性に優れた感熱記録体に関するものである。
【0002】
【従来技術】一般に、感熱記録シートは、通常無色ない
し淡色の染料前駆体とフェノール性化合物等の顕色剤と
を、それぞれ微細な粒子に磨砕分散した後、両者を混合
し、バインダー、充填剤、感度向上剤、滑剤及びその他
の助剤を添加して得られた塗液を、紙、合成紙、フィル
ム、プラスチック等の支持体に塗工したものであり、サ
ーマルヘッド、ホットスタンプ、熱ペン、レーザ光等の
加熱による瞬時の化学反応により発色させ、記録画像を
得るものである。
【0003】これらの感熱記録体は、計測用レコーダ
ー、コンピューターの端末プリンター、ファクシミリ、
自動券売機、バーコードラベル等、広範囲の分野に応用
されているが、これらの記録装置の多様化及び高性能化
の進展に伴い、感熱記録シートに対する要求品質も、よ
り高度なものとなっている。例えば、記録の高速化に伴
い、微小な熱エネルギーでも高濃度で鮮明な発色画像を
得ることが要求され、一方では、耐光性、耐熱性、耐水
性、耐油性及び耐可塑剤性といった保存性の優れた感熱
記録シートが要求されている。
【0004】さらに最近では、電子写真方式やインクジ
ェット方式などの普通紙へ記録する方式が普及するにつ
れ、感熱記録もこれらの普通紙記録と比較される機会が
多くなっている。例えば、画像の安定性はトナー記録並
の品質に、記録前後の非記録部分(白紙部あるいは地色
部)の安定性(以下、地色安定性という)は、普通紙記
録並の品質に近づくことが要求されており、また、高温
で滅菌処理を行う食品用ラベルとしての感熱記録紙の利
用や、リフト券等のカード類に利用するにあたり熱ラミ
ネート処理を行うことなどから、100℃以上の熱に対
する地色安定性への要求が高まっている。
【0005】熱に対する地色安定性に関しては、特開平
4−353490号公報に、3−ジブチルアミノ−7−
(o−クロロアニリノ)フルオラン、融点が120℃以
上の4−ヒドロキシジフェニルスルホン化合物、及び
2,2´−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチ
ルフェニル)フォスフェイトのナトリウム塩と珪酸マグ
ネシウムの混合物等を含有せしめた感熱記録体が、90
℃前後の高温環境下においても、地色部や記録画像部の
安定性に優れていることが開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】特開平4−35349
0号公報に開示された感熱記録体の地色の熱安定性(以
下、熱安定性という)は、95℃の熱風乾燥器中で、5
時間処理した後の地色のマクベス濃度が0.11であっ
て、かなりの安定性を示すとはいえ、耐熱温度において
は未だ不十分である。また、フェノール系顕色剤を記録
材料に用いるこれまでの感熱記録体の耐熱性では、感熱
記録後の記録面、または記録体全体をフィルム等で熱ラ
ミネートすることは不可能であった。そこで本発明で
は、熱ラミネートすることが可能である程度に耐熱性を
有する感熱記録体を提供することを課題とした。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は、支持体上
に、無色ないし淡色の染料前駆体と、該染料前駆体と反
応して発色させる顕色剤とが主成分として含有されてい
る記録層を設けた感熱記録体において、前記顕色剤とし
て、下記一般式(1)で示される少なくとも1種の化合
物を含有させることにより達成された。
【0008】
【化3】 (式中、Xは、酸素原子あるいは硫黄原子を表す。Y
は、炭素数1〜6の低級アルキル基、又は電子吸引性基
を表し、mは、0〜3の整数を表す。Zは、炭素数1〜
6の低級アルキル基、又は電子吸引性基を表し、nは、
0〜4の整数を表す。)
【0009】前記一般式(1)で示される化合物を顕色
剤として使用した感熱記録体は、サーマルヘッドなどで
記録できるにもかかわらず、一方では、120℃〜14
0℃程度での熱環境においても、地色の発色が少ないと
いった今までの感熱記録紙では考えられないような特性
を示す。
【0010】本発明の(1)で示される尿素あるいはチ
オ尿素誘導体は、前記一般式(1)で示す中性構造(尿
素の場合はケト型構造)から構造変化を起こして酸性構
造(尿素の場合はエノ−ル型構造)に変化することによ
って顕色能力を示すと考えられる。また、加熱後、顕色
能力を示すと考えられる酸性型構造を安定化させるため
には、本発明の前記一般式(1)に示すようなアミノス
ルホニル基(−SO2NH2 )を有する芳香環が存在し
ていれば良い。従って、前記一般式(1)中のYやZと
しては、特に顕色能力や安定性を阻害するものでなけれ
ば良く、メチル基、エチル基等の炭素数1〜6の低級ア
ルキル基、又は、フッ素、塩素、臭素、ニトロ基等の電
子吸引性基が挙げられる。
【0011】前記一般式(1)で表される化合物を具体
的に例示すると以下に示す(A−1)〜(A−27)、
あるいは(B−1)〜(B−9)が挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
【0012】
【化4】
【化5】
【0013】
【化6】
【化7】
【0014】本発明の記録体に使用する染料前駆体とし
ては、従来の感圧あるいは感熱記録紙分野で公知のもの
は全て使用可能であり、特に制限されるものではない
が、トリフェニルメタン系化合物、フルオラン系化合
物、フルオレン系、ジビニル系化合物等が好ましい。以
下に代表的な染料前駆体の具体例を示す。また、これら
の染料前駆体は単独または2種以上混合して使用しても
よい。
【0015】<トリフェニルメタン系ロイコ染料> 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジ
メチルアミノフタリド[別名クリスタルバイオレットラ
クトン] 3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)フタリド
[別名マラカイトグリーンラクトン] <フルオラン系ロイコ染料> 3−ジエチルアミノ−6−メチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−クロロフルオラ
ン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロ
アニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルア
ニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−n−オクチルア
ミノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ベンジルアニリ
ノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−ジベンジルアニ
リノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−メチルフルオラ
ン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−p−メチルアニ
リノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリ
ノフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−メチルフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−クロロフルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(m−トリフルオロメチルア
ニリノ)フルオラン 3−ジエチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジエチルアミノ−7−(p−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジエチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フ
ルオラン 3−ジエチルアミノ−ベンゾ[a]フルオラン 3−ジエチルアミノ−ベンゾ[c]フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o,p−ジメ
チルアニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(p−クロロア
ニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(o−フルオロ
アニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−(m−トリフル
オロメチルアニリノ)フルオラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−クロロフルオラン 3−ジブチルアミノ−6−エトキシエチル−7−アニリ
ノフルオラン 3−ジブチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノフルオ
ラン 3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−p−メチルアニ
リノフルオラン 3−ジブチルアミノ−7−(o−クロロアニリノ)フル
オラン 3−ジブチルアミノ−7−(o−フルオロアニリノ)フ
ルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−アニリノ
フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−6−メチル−7−(p−ク
ロロアニリノ)フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−6−クロロ−7−アニリノ
フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−7−(p−クロロアニリ
ノ)フルオラン 3−n−ジペンチルアミノ−7−(m−トリフルオロメ
チルアニリノ)フルオラン 3−ピロリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−メチル−N−プロピルアミノ)−6−メチル
−7−アニリノフルオラン 3−(N−メチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−シクロヘキシルアミノ)−6−
メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−キシルアミノ)−6−メチル−
7−(p−クロロアニリノ)フルオラン 3−(N−エチル−p−トルイディノ)−6−メチル−
7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソアミルアミノ)−6−クロ
ロ−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−テトラヒドロフルフリルアミ
ノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−イソブチルアミノ)−6−メチ
ル−7−アニリノフルオラン 3−(N−エチル−N−エトキシプロピルアミノ)−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 3−シクロヘキシルアミノ−6−クロロフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジメチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジエチルアミノ−6
−メチル−7−アニリノフルオラン 2−(4−オキサヘキシル)−3−ジプロピルアミノ−
6−メチル−7−アニリノフルオラン 2−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−メトキシ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 2−クロロ−3−メチル−6−p−(p−フェニルアミ
ノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−クロロ−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−ニトロ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−アミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 2−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 2−フェニル−6−メチル−6−p−(p−フェニルア
ミノフェニル)アミノアニリノフルオラン 2−ベンジル−6−p−(p−フェニルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 2−ヒドロキシ−6−p−(p−フェニルアミノフェニ
ル)アミノアニリノフルオラン 3−メチル−6−p−(p−ジメチルアミノフェニル)
アミノアニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジエチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 3−ジエチルアミノ−6−p−(p−ジブチルアミノフ
ェニル)アミノアニリノフルオラン 2,4−ジメチル−6−[(4−ジメチルアミノ)アニ
リノ]−フルオラン <フルオレン系ロイコ染料> 3、6、6´−トリス(ジメチルアミノ)スピロ[フル
オレン−9,3´−フタリド] 3、6、6´−トリス(ジエチルアミノ)スピロ[フル
オレン−9,3´−フタリド] <ジビニル系ロイコ染料> 3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,
6,7−テトラブロモフタリド 3,3−ビス−[2−(p−ジメチルアミノフェニル)
−2−(p−メトキシフェニル)エテニル]−4,5,
6,7−テトラクロロフタリド 3,3−ビス−[1,1−ビス(4−ピロリジノフェニ
ル)エチレン−2−イル]−4,5,6,7−テトラブ
ロモフタリド 3,3−ビス−[1−(4−メトキシフェニル)−1−
(4−ピロリジノフェニル)エチレン−2−イル]−
4,5,6,7−テトラクロロフタリド <その他> 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−エチル−2−メチルインドール−3−イル)
−4−アザフタリド 3−(4−ジエチルアミノ−2−エトキシフェニル)−
3−(1−オクチル−2−メチルインドール−3−イ
ル)−4−アザフタリド 3−(4−シクロヘキシルエチルアミノ−2−メトキシ
フェニル)−3−(1−エチル−2−メチルインドール
−3−イル)−4−アザフタリド 3,3−ビス(1−エチル−2−メチルインドール−3
−イル)フタリド 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(3
´−ニトロ)アニリノラクタム 3,6−ビス(ジエチルアミノ)フルオラン−γ−(4
´−ニトロ)アニリノラクタム 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,
2−ジニトリルエタン 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2−
β−ナフトイルエタン 1,1−ビス−[2´,2´,2'',2''−テトラキス
−(p−ジメチルアミノフェニル)−エテニル]−2,
2−ジアセチルエタン ビス−[2,2,2´,2´−テトラキス−(p−ジメ
チルアミノフェニル)−エテニル]−メチルマロン酸ジ
メチルエステル
【0016】本発明においては、上記課題に対する所望
の効果を阻害しない範囲で、染料前駆体を発色させる従
来公知の顕色剤の1種または2種以上を、本発明の一般
式(1)で表される化合物と併用することができる。耐
熱性の極めて優れた感熱記録体を製造する場合には、従
来公知の顕色剤の併用を避けた方がよいが、目的の熱環
境に対する耐熱温度特性に応じて、従来公知の顕色剤
を、適当量添加し、本発明の前記一般式(1)の化合物
と併用することができる。かかる顕色剤としては、例え
ば、特開平3−207688号、特開平5−24366
号公報等に記載のビスフェノールA類、4−ヒドロキシ
安息香酸エステル類、4−ヒドロキシフタル酸ジエステ
ル類、フタル酸モノエステル類、ビス−(ヒドロキシフ
ェニル)スルフィド類、4−ヒドロキシフェニルアリー
ルスルホン類、4−ヒドロキシフェニルアリールスルホ
ナート類、1,3−ジ[2−(ヒドロキシフェニル)−
2−プロピル]−ベンゼン類、4−ヒドロキシベンゾイ
ルオキシ安息香酸エステル、ビスフェノールスルホン類
が例示される。以下に代表的な公知の顕色剤の具体例を
示すが、特にこれらに制限されるものではない。
【0017】 <ビスフェノールA類> 4,4´−イソプロピリデンジフェノール(別名ビスフェノールA) 4,4´−シクロヘキシリデンジフェノール p,p´−(1−メチル−ノルマルヘキシリデン)ジフェノール 1,7−ジ(ヒドロキシフェニルチオ)−3,5−ジオキサヘプタン <4−ヒドロキシ安息香酸エステル類> 4−ヒドロキシ安息香酸ベンジル 4−ヒドロキシ安息香酸エチル 4−ヒドロキシ安息香酸プロピル 4−ヒドロキシ安息香酸イソプロピル 4−ヒドロキシ安息香酸ブチル 4−ヒドロキシ安息香酸イソブチル 4−ヒドロキシ安息香酸メチルベンジル <4−ヒドロキシフタル酸ジエステル類> 4−ヒドロキシフタル酸ジメチル 4−ヒドロキシフタル酸ジイソプロピル 4−ヒドロキシフタル酸ジベンジル 4−ヒドロキシフタル酸ジヘキシル <フタル酸モノエステル類> フタル酸モノベンジルエステル フタル酸モノシクロヘキシルエステル フタル酸モノフェニルエステル フタル酸モノメチルフェニルエステル フタル酸モノエチルフェニルエステル フタル酸モノプロピルベンジルエステル フタル酸モノハロゲンベンジルエステル フタル酸モノエトキシベンジルエステル <ビス−(ヒドロキシフェニル)スルフィド類> ビス−(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチル−6−メチルフェニル)スル フィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−エチルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−メチル−5−イソプロピルフェニル)スルフィ ド ビス−(4−ヒドロキシ−2,3−ジメチルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジメチルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジイソプロピルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,3,6−トリメチルフェニル)スルフィド ビス−(2,4,5−トリヒドロキシフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−シクロヘキシル−5−メチルフェニル)スルフ ィド ビス−(2,3,4−トリヒドロキシフェニル)スルフィド ビス−(4,5−ジヒドロキシ−2−tert−ブチルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2,5−ジフェニルフェニル)スルフィド ビス−(4−ヒドロキシ−2−tert−オクチル−5−メチルフェニル)ス ルフィド <4−ヒドロキシフェニルアリールスルホン類> 4−ヒドロキシ−4′−イソプロポキシジフェニルスルホ −ヒドロキシ−4′−n−ブチルオキシジフェニルスルホン 4−ヒドロキシ−4′−n−プロポキシジフェニルスルホン <4−ヒドロキシフェニルアリールスルホナート類> 4−ヒドロキシフェニルベンゼンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−トリルスルホナート 4−ヒドロキシフェニルメチレンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−クロルベンゼンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−tert−ブチルベンゼンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−p−イソプロポキシベンゼンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−1′−ナフタリンスルホナート 4−ヒドロキシフェニル−2′−ナフタリンスルホナート <1,3−ジ[2−(ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン類> 1,3−ジ[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン 1,3−ジ[2−(4−ヒドロキシ−3−アルキルフェニル)−2−プロピル ]ベンゼン 1,3−ジ[2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼ ン 1,3−ジ[2−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−2−プロピル] ベンゼン <レゾルシノール類> 1,3−ジヒドロキシ−6(α,α−ジメチルベンジル)−ベンゼン <4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エステル> 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ベンジル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸メチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸エチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸プロピル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ブチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸イソプロピル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸tert−ブチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ヘキシル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸オクチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸ノニル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸シクロヘキシル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸β−フェネチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸フェニル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸α−ナフチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸β−ナフチル 4−ヒドロキシベンゾイルオキシ安息香酸sec−ブチル <ビスフェノールスルホン類(I)> ビス−(3−1−ブチル−4−ヒドロキシ−6−メチルフェニル)スルホン ビス−(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン ビス−(3−プロピル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン ビス−(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン ビス−(2−イソプロピル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン ビス−(2−エチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン ビス−(3−クロル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン ビス−(2,3−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン ビス−(2,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)スルホン ビス−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)スルホン 4−ヒドロキシフェニル−2′−エチル−4′−ヒドロキシフェニルスルホン 4−ヒドロキシフェニル−2′−イソプロピル−4′−ヒドロキシフェニルス ルホン 4−ヒドロキシフェニル−3′−イソプロピル−4′−ヒドロキシフェニルス ルホン 4−ヒドロキシフェニル−3′−secブチル−4′−ヒドロキシフェニルス ルホン 3−クロル−4−ヒドロキシフェニル−3′−イソプロピル−4′−ヒドロキ シフェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−4′−ヒドロキシフェニルスルホ ン 2−ヒドロキシ−5−t−アミノフェニル−4′−ヒドロキシフェニルスルホ ン 2−ヒドロキシ−5−t−イソプロピルフェニル−4′−ヒドロキシフェニル スルホン 2−ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル−4′−ヒドロキシフェニルスル ホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−クロル−4′−ヒドロキシ フェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−メチル−4′−ヒドロキシ フェニルスルホン 2−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−3′−イソプロピル−4′−ヒド ロキシフェニルスルホ −ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル−2′−メチル−4′−ヒドロキシ フェニルスルホン <ビスフェノールスルホン類(II)> 4,4′−スルホニルジフェノール 2,4′−スルホニルジフェノール 3,3′−ジクロル−4,4′−スルホニルジフェノール 3,3′−ジブロモ−4,4′−スルホニルジフェノール 3,3′,5,5′−テトラブロモ−4,4′−スルホニルジフェノール 3,3′−ジアミノ−4,4′−スルホニルジフェノール <その他> p−tert−ブチルフェノール 2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン ノボラック型フェノール樹脂 4−ヒドロキシアセトフェノン p−フェニルフェノール ベンジル−4−ヒドロキシフェニルアセテート p−ベンジルフェノール
【0018】本発明においては、上記課題に対する所望
の効果を阻害しない範囲で、従来公知の増感剤を使用す
ることができる。耐熱性の極めて優れた感熱記録体を製
造する場合には、原則として増感剤を使用しない方がよ
いが、目的の熱環境に対する耐熱温度特性に応じて、増
感剤を適当量添加することができる。かかる増感剤とし
ては、ステアリン酸アミド、パルミチン酸アミド等の脂
肪酸アマイド、エチレンビスアミド、モンタン酸ワック
ス、ポリエチレンワックス、1,2−ジ−(3−メチル
フェノキシ)エタン、p−ベンジルビフェニル、β−ベ
ンジルオキシナフタレン、4−ビフェニル−p−トリル
エーテル、m−ターフェニル、1,2−ジフェノキシエ
タン、シュウ酸ジベンジル、シュウ酸ジ(p−クロロベ
ンジル)、シュウ酸ジ(p−メチルベンジル)、テレフ
タル酸ジベンジル、p−ベンジルオキシ安息香酸ベンジ
ル、ジ−p−トリルカーボネート、フェニル−α−ナフ
チルカーボネート、1,4−ジエトキシナフタレン、1
−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニルエステル、o−
キシレリン−ビス−(フェニルエ−テル)、4−(m−
メチルフェノキシメチル)ビフェニルを例示することが
できるが、特に、これらに制限されるものではない。こ
れらの増感剤は単独または2種以上混合して使用しても
よい。
【0019】本発明で使用するバインダーとしては、重
合度が200〜1900の完全ケン化ポリビニルアルコ
ール、部分ケン化ポリビニルアルコール、カルボキシ変
性ポリビニルアルコール、アマイド変性ポリビニルアル
コール、スルホン酸変性ポリビニルアルコール、ブチラ
ール変性ポリビニルアルコールなどの変性ポリビニルア
ルコール、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロ
ース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロー
ス、アセチルセルロースなどのセルロース誘導体、スチ
レン−無水マレイン酸共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリアク
リルアミド、ポリアクリル酸エステル、ポリビニルブチ
ラール、ポリスチロール及びそれらの共重合体、ポリア
ミド樹脂、シリコン樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂、ケ
トン樹脂、クマロン樹脂を例示することができる。これ
らの高分子物質は水、アルコール、ケトン、エステル、
炭化水素等の溶剤に溶かして使用するほか、水または他
の媒体中乳化またはペースト状に分散した状態で使用
し、要求品質に応じて併用することもできる。
【0020】また、本発明においては、上記課題に対す
る所望の効果を阻害しない範囲で、記録画像の耐油性効
果などを示す公知の安定剤であるp−ニトロ安息香酸金
属塩(Ca,Zn)、または、フタル酸モノベンジルエ
ステル金属塩(Ca,Zn)を添加することも可能であ
る。
【0021】本発明で使用することができる填料として
は、シリカ、炭酸カルシウム、カオリン、焼成カオリ
ン、ケイソウ土、タルク、酸化チタン、酸化亜鉛、水酸
化アルミニウム、ポリスチレン樹脂、尿素−ホルマリン
樹脂、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−ブ
タジエン共重合体や、中空プラスチックピグメントなど
の無機または有機充填剤などが挙げられる。
【0022】このほかに脂肪酸金属塩などの離型剤、ワ
ックス類などの滑剤、ベンゾフェノン系やトリアゾール
系の紫外線吸収剤、グリオキザールなどの耐水化剤、分
散剤、消泡剤、酸化防止剤、蛍光染料などを使用するこ
とができる。
【0023】本発明の感熱記録体に使用する顕色剤及び
染料前駆体の量、その他の各種成分の種類及び量は要求
される性能及び記録適性に従って決定され、特に限定さ
れるものではないが、通常、染料前駆体1部に対して、
本発明の顕色剤1〜8部、填料1〜20部を使用し、バ
インダーは全固形分中10〜25%が適当である。
【0024】支持体としては、紙、合成紙、プラスチッ
クフィルム、不織布、金属箔等が使用可能であり、ま
た、これらを組み合わせた複合シートを使用してもよ
い。これら支持体のうち任意のものに、上記組成から成
る塗液を塗布することによって目的とする感熱記録体が
得られる。
【0025】さらに保存性を高める目的で高分子物質等
のオーバーコート層を感熱発色層上に設けることもでき
る。また、保存性及び感度を高める目的で有機填料また
は無機填料を含有するアンダーコート層を発色層と支持
体の間に設けることもできる。
【0026】前述の顕色剤、染料前駆体並びに必要に応
じて添加する材料はボールミル、アトライター、サンド
グラインダーなどの粉砕機あるいは適当な乳化装置によ
って数ミクロン以下の粒子径になるまで微粒化し、バイ
ンダー及び目的に応じて各種の添加材料を加えて塗液と
する。
【0027】本発明の感熱記録体は、その感熱記録層や
その他の層等に光を吸収して熱に変換する光吸収剤を含
有させて、光記録可能な感熱記録体とすることができ
る。本発明の前記感熱記録体に使用する光を熱に変換す
る光吸収剤としては、各種光源の発光波長を吸収する物
質であればよく、各種染料、各種顔料、近赤外吸収剤等
が使用でき、特に限定されるものではない。光吸収剤の
添加量は、その光吸収性能等に応じて決められる。
【0028】本発明の感熱記録体は、耐熱性に優れ、地
色の熱安定性が極めて高いため、プラスチックフィルム
の熱ラミネートにより、強力な保護膜を設けることが可
能である。従って、記録前あるいは記録後のいずれにお
いても、熱ラミネート用プラスチックフィルムと市販の
ラミネーターにより、プラスチックフィルムで保護され
た耐熱性や各種安定性に優れたカードを容易に作製する
ことができる。
【0029】熱ラミネート用プラスチックフィルムの基
材としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)や
ポリプロピレン(PP)等が挙げられ、熱ラミネート用
プラスチックフィルムのヒートシール剤としては、例え
ば、低密度ポリエチレン、エチレン・酢ビ共重合体(E
VA)、エチレン・エチルアクリレート共重合体(EE
A)、エチレン・メチルメタクリレート共重合体(EM
AA)、及びエチレン・メタクリル酸共重合体(EMA
A)等の熱可塑性樹脂を用いることができる。
【0030】その他、本発明の感熱記録体に、押出し処
理可能な押出しコーティング用樹脂を用いて、押出しコ
ーティング処理も可能である。押出しコーティング用樹
脂としては、前記ヒートシール剤として有用な各種熱可
塑性樹脂をはじめ、ポリプロピレン(PP)やポリエチ
レンテレフタレート(PET)等が挙げられる。
【0031】また、本発明の感熱記録体は、耐熱性に優
れるため、電子写真複写機のトナー熱定着部に接触して
も地発色することがない。従って、電子写真複写機用紙
としての使用も可能である。電子写真複写機によるトナ
ー記録の前、あるいは後に、記録も可能である。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の感熱記録体を得るには、
染料前駆体と、顕色剤として前記一般式(1)で表され
る少なくとも一種の化合物とを、バインダーと共に各々
分散し、必要に応じて、填料、滑剤、紫外線吸収剤、耐
水化剤、消泡剤等の助剤を添加して塗液を作製し、支持
体上に通常の方法で塗布、乾燥する方法によって製造す
ることができる。特に一般式(1)で表される尿素ある
いはチオ尿素誘導体のうち、原料の入手性や経済性、或
いは反応性(収率)を考慮に入れた場合、下記一般式
(2)で示される化合物が好ましく用いられる。
【0033】
【化8】 (式中、Yは、炭素数1〜6の低級アルキル基、又は電
子吸引性基を表す。mは0〜3の整数を表す。)
【0034】本発明の一般式(1)で表される尿素ある
いはチオ尿素誘導体が、感熱記録体に使用される染料前
駆体の顕色剤として機能する理由、染料前駆体及び本発
明の顕色剤とから構成される感熱記録体が極めて高い耐
熱性を示す理由は明確には解明されていないが、次のよ
うに考えることができる。
【0035】本発明の尿素あるいはチオ尿素誘導体で
は、条件により下記式のような中性型から酸性型への構
造変化(Xが酸素原子の場合は、ケト・エノール互変異
性)が起こり得る。これらの化合物が顕色剤として機能
するには、酸性型の構造になる必要があると考えられ、
中性型から酸性型に互変異性を起こすためは、高温が必
要である。
【化9】 (式中、Xは酸素原子、又は硫黄原子を表す。)
【0036】前記の熱記録可能な感熱記録体の場合、熱
を供給するサーマルヘッドは瞬間的に200〜300℃
以上の高温になるので、サーマルヘッドと接触する感熱
記録体の記録層に含有される前記一般式(1)で表すこ
とのできる化合物は、互変異性を起こし酸性型になり、
顕色機能が発現する。これにより、染料前駆体のラクト
ン環が開裂し、発色するものと考えられる。さらに、芳
香環に存在するアミノスルホニル基(−SO2 NH2
は、顕色機能の促進と、酸性型構造の安定化に寄与して
いると考えられ、そのため濃い記録画像濃度と、画像及
び地色の熱安定性が得られるものと推定される。
【0037】また、前記一般式(1)の化合物は、酸性
型の構造に変化する温度までは顕色剤機能が発現せず、
染料前駆体と反応が起きないため、地色の発色が起きる
ことはない。このことが、耐熱性の高い理由であると思
われる。前記一般式(1)の化合物が、酸性型の構造に
変化(エノール化、又はチオール化)する温度は、熱ラ
ミネートに必要な温度より高いと思われ、そのため熱ラ
ミネート処理等のような高温熱環境でも、地色の発色が
起きることはない。
【0038】
【実施例】
<感熱記録体の製造;実施例1〜30、比較例1〜6>
以下に本発明の感熱記録体を実施例によって説明する。
尚、説明中、部及び%はそれぞれ重量部及び重量%を示
す。 [実施例1〜22]実施例1〜22は、本発明の感熱記
録体に、顕色剤として化合物(A−1)、(A−4)、
(A−6)〜(A−8)、(A−10)、(A−12)
〜(A−15)、(A−18)〜(A−23)、(A−
25)〜(A−27)、(B−1)、(B−5)、又は
(B−7)のいずれか、染料前駆体として3−ジエチル
アミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(OD
B)を使用した例である。下記配合の顕色剤の分散液
(A液)と染料前駆体分散液(B液)を、それぞれ別々
にサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンになるま
で湿式磨砕を行った。 A液(顕色剤分散液) 顕色剤 6.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部 水 11.2部 B液(染料前駆体分散液) 3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン(ODB) 2.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 4.6部 水 2.6部 次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。 A液(顕色剤分散液) 36.0部 B液(染料前駆体[ODB]分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記各塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、このシートをスーパーカレンダーで平滑度
が500〜600秒になるように処理し、塗布量6.0
g/m2 の感熱記録体を得た。
【0039】[実施例23〜26]実施例23〜26
は、顕色剤として、化合物(A−10)、染料前駆体と
してODB以外の下記に示す染料前駆体を使用した例で
ある。 (染料前駆体) ODB−2;3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−ア
ニリノフルオラン Green40;3−ジエチルアミノ−7−(o−クロ
ロアニリノ)フルオラン PSD−150;3−(N−シクロヘキシル−N−メチ
ルアミノ)−6−メチル−7−アニリノフルオラン CVL;3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)
−6−ジメチルアミノフタリド ODB以外の染料前駆体分散液(C液)を、それぞれ別
々にサンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンになる
まで湿式磨砕を行った。 C液(ODB以外の染料前駆体分散液) 前記の染料前駆体 2.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 4.6部 水 2.6部 次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。 A液(A−10顕色剤分散液) 36.0部 C液(ODB以外の染料前駆体分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記各塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、このシートをスーパーカレンダーで平滑度
が500〜600秒になるように処理し、塗布量6.0
g/m2 の感熱記録体を得た。
【0040】[実施例27、28]実施例27は、顕色
剤として、化合物(A−10)、染料前駆体として、O
DB及びPSD−150を使用した例である。実施例1
〜22と同様にして、顕色剤分散液(A液)、及びOD
B分散液(B液)を処理し、実施例23〜26と同様に
してPSD−150分散液(C液)を処理した。 A液(顕色剤[A−10]分散液) 36.0部 B液(染料前駆体[ODB]分散液) 4.6部 C液(染料前駆体[PSD−150]分散液) 4.6部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記各塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、このシートをスーパーカレンダーで平滑度
が500〜600秒になるように処理し、塗布量6.0
g/m2 の感熱記録体を得た。実施例28は、顕色剤と
して、化合物(A−10)、染料前駆体として、ODB
−2及びPSD−150を使用した例である。実施例1
〜22と同様にして、顕色剤分散液(A液)を、実施例
23〜26と同様にしてODB−2分散液(C液)、及
びPSD−150分散液(C液)を処理した。 A液(顕色剤[A−10]分散液) 36.0部 C液(染料前駆体[ODB−2]分散液) 4.6部 C液(染料前駆体[PSD−150]分散液) 4.6部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記各塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、このシートをスーパーカレンダーで平滑度
が500〜600秒になるように処理し、塗布量6.0
g/m2 の感熱記録体を得た。
【0041】[実施例29、30]実施例29は、顕色
剤として、化合物(A−1)及び化合物(A−10)、
染料前駆体として、ODBを使用した例である。実施例
1〜22と同様にして、化合物(A−1)と化合物(A
−1O)の顕色剤分散液(A液)、及びODB分散液
(B液)を処理した。 A液(顕色剤[A−1]分散液) 18.0部 A液(顕色剤[A−10]分散液) 18.0部 B液(染料前駆体[ODB]分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記各塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、このシートをスーパーカレンダーで平滑度
が500〜600秒になるように処理し、塗布量6.0
g/m2 の感熱記録体を得た。実施例30は、顕色剤と
して、化合物(A−10)およびビスフェノールA(以
下BPAと表す)、染料前駆体として、ODBを使用し
た例である。実施例1〜22と同様にして、化合物(A
−10)の顕色剤分散液(A液)、およびODB分散液
(B液)を処理した。さらに、公知の顕色剤であるBP
A分散液(D液)を、サンドグラインダーで平均粒子径
1ミクロンになるまで湿式磨砕を行った。 D液(公知の顕色剤[BPA]分散液) ビスフェノールA(BPA) 6.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部 水 11.2部 次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。 A液(顕色剤[A−10]分散液) 30.0部 D液(公知の顕色剤[BPA]分散液) 6.0部 B液(染料前駆体[ODB]分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記各塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、このシートをスーパーカレンダーで平滑度
が500〜600秒になるように処理し、塗布量6.0
g/m2 の感熱記録体を得た。
【0042】[比較例1〜6]比較例1〜6は、顕色剤
として、下記の公知の顕色剤、実施例1〜26に示す前
記各種染料前駆体を使用した例である。 (公知の顕色剤) BPA:ビスフェノールA D−8:4−ヒドロキシ−4´−イソプロポキシジフェ
ニルスルホン 実施例1〜26と同様にして、比較例のための感熱記録
体を作製した。実施例56と同様にして、BPA分散液
(D液)を処理し、さらに、D−8分散液(D´液)
を、サンドグラインダーで平均粒子径1ミクロンになる
まで湿式磨砕を行った。 D´液(公知の顕色剤[D−8]分散液) D−8 6.0部 10%ポリビニルアルコール水溶液 18.8部 水 11.2部 次いで下記の割合で分散液を混合して塗液とした。 D液、又はD´液(公知の顕色剤分散液) 36.0部 B液、又はC液(染料前駆体分散液) 9.2部 カオリンクレー(50%分散液) 12.0部 上記各塗液を50g/m2 の基紙の片面に塗布した後、
乾燥を行い、このシートをスーパーカレンダーで平滑度
が500〜600秒になるように処理し、塗布量6.0
g/m2 の感熱記録体を得た。
【0043】<感熱記録体の評価;実施例1〜30、比
較例1〜6>実施例1〜30、比較例1〜6の感熱記録
体について、感熱記録性テストと地色の熱安定性テスト
を行った(表1「実施例1〜22の感熱記録体の記録濃
度及び地色熱安定性」、表2「実施例23〜30の感熱
記録体の記録濃度及び地色熱安定性」、表3「比較例1
〜6の感熱記録体の記録濃度及び地色熱安定性」参
照)。
【0044】[感熱記録性テスト(動的発色濃度)]パ
ーソナルワープロRupo−90FII((株)東芝製)
のプリンターを使用し、印加エネルギー最大で、前記実
施例1〜30及び前記比較例1〜6の感熱記録体に感熱
記録を行った(以下に示す感熱記録は全て同じ条件)。
記録部の記録濃度は、マクベス濃度計(RD−914、
アンバーフィルター使用、以下全て同じ条件)で測定し
た。本発明の化合物を顕色剤に使用した実施例1〜30
の感熱記録体は、前記プリンターにより十分な記録濃度
が得られた。尚、黒発色以外の染料前駆体を用いた実施
例は、記録濃度測定フィルターがアンバーのため、低い
値を示している。
【0045】[地色の熱安定性テスト]ギヤー式老化試
験機((株)東洋精機製作所)を使用し、試験温度10
0℃、120℃、及び140℃、各々30分間の耐熱性
試験を、前記実施例1〜30及び前記比較例1〜6の感
熱記録体に行った。耐熱性試験後、地色の濃度をマクベ
ス濃度計で測定した。この場合、マクベス濃度の値が小
さいほど、地色発色が少なく、地色の熱安定性が高いこ
とになる。本発明の化合物を顕色剤に使用した実施例1
〜30の感熱記録体は、140℃30分後の地色の濃度
で0.4、120℃30分後の地色の濃度で0.2を越
えるものが無いのに対して、比較例1〜6のフェノール
系顕色剤を使用した感熱記録紙は、100℃30分で既
に全てが0.5を越えている。実施例1〜30の感熱記
録体は、140℃30分後でも、記録画像と地色のコン
トラストが高く、極めて高い耐熱安定性を示していると
いえる。
【0046】
【表1】
【表2】
【表3】
【0047】<熱ラミネートテスト;実施例31〜4
3、比較例7〜9>簡易ラミネート装置(MSパウチH
−140(株)明光商会)、及びラミネートフィルム
(MSパウチフィルムMP10−6095)を使用し
た。前記記載の条件で感熱記録を既に行った実施例1、
4、6〜8、12、13、21〜23、28〜30、あ
るいは比較例1、2、4の感熱記録体を、前記ラミネー
トフィルムに挟んで、送り速度20mm/secで、感
熱記録部を有するラミネートされた感熱記録体を作製し
た(実施例31〜43、比較例7〜9)。熱ラミネート
処理後、ラミネートされた感熱記録体のラミネートフィ
ルム越しに、前記の感熱記録による発色部、及び地色部
を、マクベス濃度計で測定した(フィルム越しに測定す
るため高い値となる)。地色に関しては、マクベス濃度
値が小さいほど地色が安定していることを示している。
ラミネートされた感熱記録体の感熱記録による発色部と
地色のコントラストを以下のように評価した。 ○……地色の発色が無い、殆ど無い(熱ラミネート可
能) ×……地色の著しい発色がある 前記コントラスト評価が×のラミネートされた感熱記録
体は、読取りが困難であり、実質上、熱ラミネートは不
可能であった(比較例7〜9)。一方、実施例31〜4
3に関しては、発色部と地色のコントラスト評価は良好
(○)であり、熱ラミネートが可能であった。
【0048】
【表4】
【0049】
【発明の効果】以上に示すごとく、前記一般式(1)で
表すことのできる化合物を顕色剤として使用した本発明
の感熱記録体は、120〜140℃程度の温度環境まで
は、地色のかぶりがほとんどないにもかかわらず、サー
マルヘッド等の感熱記録装置により、実用に足りる画像
記録濃度を得ることができる。従って、本発明の効果と
して次の諸点が挙げられる。 (1)これまで使用できなかった過酷な温度条件下(例
えば90〜140℃)で感熱記録体を使用することがで
きる。 (2)ラミネーターにより、記録済みの感熱記録体に熱
ラミネートが行えるので感熱記録カードを容易に作るこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 早坂 英樹 東京都北区王子5丁目21番1号 日本製 紙株式会社 中央研究所内 (72)発明者 南 敏明 東京都新宿区上落合1丁目30番6号 日 本製紙株式会社 商品開発研究所内 (56)参考文献 特開 平8−67665(JP,A) 特開 平8−282123(JP,A) 特開 平8−310134(JP,A) 特開 平8−295078(JP,A) 特開 平8−142524(JP,A) 特開 平8−142523(JP,A) 特開 平8−290672(JP,A) 特開 平8−132739(JP,A) 特開 平8−25810(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B41M 5/28 - 5/34 CA(STN) REGISTRY(STN)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体上に、無色ないし淡色の染料前駆
    体と、該染料前駆体と反応して発色させる顕色剤とが主
    成分として含有されている記録層を設けた感熱記録体に
    おいて、前記顕色剤が下記一般式(1)で示される少な
    くとも1種の化合物を含むことを特徴とする感熱記録
    体。 【化1】 (式中、Xは、酸素原子あるいは硫黄原子を表す。Y
    は、炭素数1〜6の低級アルキル基、又は電子吸引性基
    を表し、mは、0〜3の整数を表す。Zは、炭素数1〜
    6の低級アルキル基、又は電子吸引性基を表し、nは、
    0〜4の整数を表す。)
  2. 【請求項2】 支持体上に、無色ないし淡色の染料前駆
    体と、該染料前駆体と反応して発色させる顕色剤とが主
    成分として含有されている記録層を設けた感熱記録体に
    おいて、前記顕色剤が下記一般式(2)で示される少な
    くとも1種の化合物を含むことを特徴とする感熱記録
    体。 【化2】 (式中、Yは、炭素数1〜6の低級アルキル基、又は電
    子吸引性基を表し、mは、0〜3の整数を表す。)
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