JP3062786B2 - スプール弁 - Google Patents

スプール弁

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JP3062786B2
JP3062786B2 JP5313166A JP31316693A JP3062786B2 JP 3062786 B2 JP3062786 B2 JP 3062786B2 JP 5313166 A JP5313166 A JP 5313166A JP 31316693 A JP31316693 A JP 31316693A JP 3062786 B2 JP3062786 B2 JP 3062786B2
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剛 畑田
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、リザーバに通じる解放
室に一端側を臨ませたスプール弁体を摺動可能に嵌合さ
せる摺動孔を有するガイド部材がハウジング本体に嵌
合、固定され、ガイド部材およびハウジング本体間に
は、高液圧源に通じる環状入力室が形成されるとともに
該環状入力室を挟んで一対の環状シール部材が介装さ
れ、ガイド部材には、環状入力室に通じて摺動孔の内面
に開口される入力路と、液圧機器に通じるとともに前記
入力路の摺動孔の内面への開口部に関して前記解放室と
は反対側で摺動孔の内面に開口される出力路とが設けら
れ、スプール弁体には、摺動孔の内面に摺接して出力路
および入力路間の連通・遮断を切換えるとともに入力路
および解放室間を常時遮断するランド部が設けられるス
プール弁に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、かかるスプール弁は、たとえば特
開平3−276853号公報等により既に知られてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなスプール弁
では、環状入力室を両側から挟む一対の環状シール部材
間でガイド部材には高液圧源の高液圧が半径方向内方に
向けて作用している。このため、ガイド部材の肉厚が比
較的薄い場合には、ガイド部材は両環状シール部材間で
半径方向内方に向けてわずかに(数μm)変形する。
【0004】ところが、従来のスプール弁では、図5で
示すように、入力路50′がスプール弁体55の軸線に
対してほぼ直交する方向に延びてガイド部材22′に設
けられており、スプール弁体55がそのランド部55a
で出力路52を入力路50′から遮断した位置に在る状
態で、環状入力室44′の両側の環状シール部材46,
47間の中心位置PC ′がランド部55aに対応する位
置に在るように、環状入力室44′および両環状シール
部材46,47が配設されている。このため、図6
(a)で誇張して示すように、両環状シール部材46,
47間の中心位置P C ′に対応する部分を最大変形部と
してガイド部材22′の内面がわずかに内方に変形する
のに伴って、ガイド部材22′およびランド部55a間
には、両環状シール部材46,47間の中心位置PC
に対応する部分の間隔d′を最も小さくし、前記中心位
置PC ′から解放室56側に離反するにつれて間隔d′
が大きくなる環状の間隙75′が形成されることにな
り、ランド部55aの解放室56側の端部および中心位
置PC ′間で前記間隙75′の液圧は、解放室56側に
向かうにつれて低下する。
【0005】このように、ガイド部材22′とスプール
弁体55のランド部55aとの間に、前記中心位置
C ′から解放室56側に向かうにつれて間隔d′が大
となるようにな環状の間隙75′が形成されている状態
で、スプール弁体55がガイド部材22′の摺動孔30
内でわずかにでも偏心した場合を想定すると、偏心側の
液圧分布が図6(b)の曲線B′で示すものとなり、そ
れとは反対側の液圧分布が曲線A′で示すものとなる。
すなわち偏心側の液圧がそれとは反対側の液圧よりも低
下するので、スプール弁体55の周囲の液圧に不均衡が
生じ、その液圧不均衡に伴う液圧差によってスプール弁
体55には偏心量をより大きくする側の力が作用し、ラ
ンド部55aが摺動孔30の内面に押し付けられること
により所謂液圧ロック現象が生じ、スプール弁体55の
作動が不円滑となる。これはガイド部材22′の変形に
伴って生じるものであるので、ガイド部材22′の変形
を防止すればよいが、そのためには、ガイド部材22′
の肉厚を厚くして剛性を高める必要がある。
【0006】本発明は、かかる事情に鑑みてなされたも
のであり、ガイド部材の肉厚を比較的薄くしたままでガ
イド部材の変形を許容しながら、液圧ロック現象が生じ
るのを回避してスプール弁体の円滑な作動を確保するよ
うにしたスプール弁を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、リザーバに通じる解放室に一端側を臨ま
せたスプール弁体を摺動可能に嵌合させる摺動孔を有す
るガイド部材がハウジング本体に嵌合、固定され、ガイ
ド部材およびハウジング本体間には、高液圧源に通じる
環状入力室が形成されるとともに該環状入力室を挟んで
一対の環状シール部材が介装され、ガイド部材には、環
状入力室に通じて摺動孔の内面に開口される入力路と、
液圧機器に通じるとともに前記入力路の摺動孔の内面へ
の開口部に関して前記解放室とは反対側で摺動孔の内面
に開口される出力路とが設けられ、スプール弁体には、
摺動孔の内面に摺接して出力路および入力路間の連通・
遮断を切換えるランド部が設けられるスプール弁におい
て、出力路を入力路から遮断した位置に在るランド部の
解放室側端部よりも解放室側にずれた位置に、環状入力
室を両側から挟む一対の環状シール部材間の中心位置が
設定されることを特徴とする。
【0008】
【実施例】以下、図面により本発明の一実施例について
説明する。
【0009】図1ないし図4は本発明の一実施例を示す
ものであり、図1はスプール弁の全体縦断面図、図2は
図1の要部拡大図、図3はスプール弁体の斜視図、図4
はスプール弁体およびガイド部材間の間隙での液圧不均
衡現象を説明するための図である。
【0010】先ず図1において、高液圧源3から出力さ
れる液圧は液圧制御装置4により制御されてたとえば車
輪ブレーキ等の液圧機器5に与えられるものであり、液
圧制御装置4は、リニアソレノイド6と、該リニアソレ
ノイド6で駆動されるスプール弁7とで構成される。
【0011】リニアソレノイド6のインナーハウジング
8は、ヨーク9および固定コア10に非磁性筒体11の
両端が液密に嵌合、連結されて成る。またアウターハウ
ジング12は、一端が固定コア10に係合される磁性筒
体13の他端がヨーク9にかしめ結合されて成る。
【0012】ヨーク9には可動コア14が摺動自在に嵌
合されており、該可動コア14に中間部が固定されるプ
ランジャ15の一端が摺動軸受16を介してヨーク9で
支承され、またプランジャ15の他端は、固定コア10
を移動自在に貫通するとともに該固定コア10に装着さ
れた摺動軸受17で摺動自在に支承される。
【0013】ヨーク9および固定コア10には、半径方
向外方に張出す鍔部9a,10aがそれぞれ一体に設け
られており、両鍔部9a,10a間には、ボビン18に
巻装されたコイル19がインナーハウジング8を囲繞し
て配置される。
【0014】スプール弁7のハウジング20は、矩形の
ブロック状に形成されるハウジング本体21に、円筒状
のガイド部材22が嵌合、固定されて成るものである。
而してハウジング本体21には、その一端側から順に、
第1ねじ孔24と、第1ねじ孔24よりも小径の第2ね
じ孔25と、第2ねじ孔25よりも小径の第1取付孔2
6と、第1取付孔26よりも小径である有底の第2取付
孔27とが同軸に穿設されており、リニアソレノイド6
は、その固定コア10の一部を第1ねじ孔24に螺合す
ることにより、ハウジング本体21に結合され、固定コ
ア10の外面には第1ねじ孔24の開口端に接触する環
状のシール部材28が装着される。
【0015】図2を併せて参照して、ガイド部材22
は、耐摩耗性に優れた材料により基本的に円筒状に形成
されるものであり、このガイド部材22には、摺動孔3
0と、該摺動孔30との間に段差状のストッパ面31を
形成して摺動孔30に同軸に連なる大径孔32とが設け
られる。またガイド部材22の一端には、ガイド部材2
2の第1および第2取付孔26,27に対する挿脱作業
を容易とするために、図示しない治具を連結するための
ねじ軸部22aが同軸に突設され、ガイド部材22の他
端には支持筒部22bが同軸に突設される。
【0016】円筒状であるガイド部材22の他端側はプ
ラグ29で閉塞されるものであり、このプラグ29は、
大径孔32に嵌合される有底円筒状の隔壁部29aの開
口端に半径方向外方に張出す鍔部29bが一体に設けら
れて成り、隔壁部29aは鍔部29bが支持筒部22b
に当接するまでガイド部材22の大径孔32に嵌合され
る。しかも隔壁部29aの外面には大径孔32の内面に
接触する環状のシール部材33が嵌着される。このよう
にプラグ29を嵌合させた状態に在るガイド部材22が
第1および第2取付孔26,27に嵌合される。しかも
ガイド部材22の一端には、第2ねじ孔25に螺合され
るロックナット34が当接されており、第2取付孔27
の閉塞端にプラグ29が当接するまでロックナット34
を締付けることにより、ガイド部材22がハウジング本
体21に嵌合、固定されることになる。
【0017】リニアソレノイド6およびガイド部材22
をハウジング本体21に固定した状態で、リニアソレノ
イド6の固定コア10およびガイド部材22間には、第
1解放室35が形成され、この第1解放室35は、ハウ
ジング本体21に設けられる解放ポート36を介してリ
ザーバ37に連通される。またハウジング本体21に
は、高液圧源3に通じる入力ポート39と、液圧機器5
に通じる出力ポート40とが設けられる。
【0018】ガイド部材22およびハウジング本体21
間には、環状室43と、入力ポート39に通じる環状入
力室44とが軸方向に間隔をあけた位置に形成されてお
り、ガイド部材22の外面には、ハウジング本体21に
おける第1取付孔26の内面に接触して環状室43の両
側をシールする環状シール部材45,46と、環状入力
室44の両側を前記環状シール部材46とともにシール
すべくハウジング本体21における第2取付孔27の内
面に接触する環状シール部材47とが装着される。
【0019】ガイド部材22には、第1解放室35に通
じる解放路48が設けられ、該解放路48は、摺動孔3
0の内面に設けられた解放用環状溝49により摺動孔3
0の内面に開口される。またガイド部材22には、環状
入力室44に通じる入力路50が設けられ、該入力路5
0は、摺動孔30の内面に設けられた入力用環状溝51
により摺動孔30の内面に開口される。さらに前記両環
状溝49,51間の中央部で摺動孔30の内面には、ガ
イド部材22の半径方向に延びる出力路52の内端が開
口されており、該出力路52の外端は環状室43に連通
される。しかも出力路52の途中には、ガイド部材22
の軸方向に延びる通路53が連通されており、該通路5
3は出力ポート40に連通される。
【0020】図3を併せて参照して、前記摺動孔30に
は、該摺動孔30の内面に摺接して出力路52および入
力路50すなわち入力用環状溝51間の連通・遮断を切
換える第1ランド部55aと、摺動孔30の内面に摺接
して出力路52および解放路48すなわち解放用環状溝
49間の連通・遮断を切換える第2ランド部55bとが
軸方向に間隔をあけて備えるスプール弁体55が摺動可
能に嵌合される。該スプール弁体55の一端は、ガイド
部材22およびプラグ29間に形成される第2解放室5
6に臨むものであり、プラグ29における隔壁部29a
の中央部を液密にかつ摺動自在に貫通する小径の反力ピ
ストン57がスプール弁体55の一端側に同軸に当接さ
れる。而して入力用環状溝51および第2解放室56間
は前記第1ランド部55aにより常時遮断されている。
またスプール弁体55の他端は第1解放室35に臨むも
のであり、スプール弁体55の他端には、リニアソレノ
イド6のプランジャ15が同軸に当接される。しかも第
2解放室56は、スプール弁体55に設けられた連通路
58を介して第1解放室35に連通されるものであり、
第2解放室56はリザーバ37に連なることになる。
【0021】スプール弁体55の一端側には、大径孔3
2および摺動孔30間のストッパ面31に当接し得るフ
ランジ60が半径方向外方に張出して設けられており、
フランジ60がストッパ面31に当接することにより、
スプール弁体55のリニアソレノイド6側への移動端が
規制される。
【0022】第1および第2ランド部55a,55b間
でスプール弁体55の外周には、出力路52に常時連通
する環状の凹部61と、スプール弁体55の軸方向に沿
う凹部61の一側で周方向に間隔をあけた複数個所たと
えば4個所で凹部61に連なる円形凹部62と、スプー
ル弁体55の軸方向に沿う凹部61の他側で周方向に間
隔をあけた複数個所たとえば4個所で凹部61に連なる
円形凹部63とが設けられており、スプール弁体55が
そのフランジ60をストッパ面31に当接させた位置に
あるときには出力路52が凹部61および円形凹部63
を介して解放用環状溝49に連通し、またスプール弁体
55がそのフランジ60をストッパ面31から離反させ
た位置にあるときには出力路52が凹部61および円形
凹部62を介して入力用環状溝51に連通する。
【0023】ところで、第1ランド部55aの第2解放
室56側端部およびフランジ60間でスプール弁体55
の外周には、フランジ60がストッパ面31に当接した
状態で、摺動孔30の内面との間に環状の液溜を形成す
る環状凹部64が設けられる。而してフランジ60に
は、前記環状凹部64を第2解放室56に連通させる通
路60aが周方向複数個所たとえば4個所を切欠くこと
により形成される。
【0024】第2解放室56内には、プラグ29および
フランジ60間に縮設されるコイル状の第1戻しばね6
5が収納されており、スプール弁体55は、この第1戻
しばね65のばね力によりフランジ60をストッパ面3
1に当接させる方向に付勢される。
【0025】反力ピストン57は、スプール弁体55に
比べて小径に形成されており、その一端がスプール弁体
55に同軸に当接される。また反力ピストン57の他端
は、第2解放室56との間に隔壁部29aを介在させる
ようにしてハウジング本体21およびガイド部材22間
に形成されるとともに出力ポート40に通じる反力室6
6に臨むものであり、反力ピストン57の他端に嵌合さ
れるリテーナ67と、プラグ29における隔壁部29a
の開口端内面に嵌着される止め輪68との間に、コイル
状の第2戻しばね69が縮設される。したがって、反力
ピストン57、すなわち反力ピストン57に同軸に当接
しているスプール弁体55は、第2戻しばね69のばね
力によってもフランジ60をストッパ面31に当接させ
る方向に付勢される。
【0026】リニアソレノイド6は、コイル19への入
力電気量に応じた軸方向電磁力を可動コア14すなわち
プランジャ15に与えるものであり、該プランジャ15
がスプール弁7のスプール弁体55に同軸に当接されて
いることにより、スプール弁体55は、リニアソレノイ
ド6からの前記軸方向電磁力で出力ポート40すなわち
出力路52を入力用環状溝51すなわち入力ポート39
に連通する方向に押圧されることになる。一方、スプー
ル弁体55には、相互に並列な第1および第2戻しばね
65,69により前記軸方向電磁力に対抗するばね力が
与えられるとともに、反力室66すなわち出力ポート4
0の液圧が反力ピストン57に作用することにより反力
ピストン57からの反力が前記軸方向推力に対抗して与
えられることになる。このようにして、スプール弁体5
5は、リニアソレノイド6からの軸方向電磁力と、第1
および第2戻しばね65,69のばね力ならびに反力ピ
ストン57からの反力とが均衡するように、出力ポート
40を解放ポート36に連通させる位置と、出力ポート
40を入力ポート39に連通させる位置との間で摺動孔
30内を移動し、これにより出力ポート40から液圧機
器5には、コイル19への入力電気量に応じた制動液圧
が作用することになる。
【0027】ところで、ガイド部材22およびハウジン
グ本体21間に形成される環状入力室44、ならびに該
環状入力室44を挟んでガイド部材22およびハウジン
グ本体21間に介装される一対の環状シール部材46,
47は、図2で示すように、スプール弁体55が第1ラ
ンド部55aにより出力路52を入力路50から遮断し
た位置に在る状態で、第1ランド部55aの第2解放室
56側端部から第2解放室56側にオフセット量δだけ
ずれた位置に、両環状シール部材46,47間の中心位
置PC が位置するように配設される。而して環状入力室
44および両環状シール部材46,47のそのような配
置を達成するために、入力路50は、ガイド部材22の
軸線と直交する方向に対して傾斜した斜めの軸線を有し
てガイド部材22に穿設される。
【0028】次にこの実施例の作用について説明する
と、コイル19が励磁されたときには、可動コア14が
固定コア10側に吸引され、スプール弁体55が出力路
52を入力用環状溝51に連通させることにより、高液
圧源3からの液圧が出力ポート40から液圧機器5に作
用することになる。この際、リニアソレノイド6は、入
力電気量に応じた軸方向電磁力をプランジャ15すなわ
ちスプール弁体55に与えるものであり、反力室66す
なわち出力ポート40の液圧が反力ピストン57に作用
するのに応じた反力ピストン57からの反力が前記プラ
ンジャ15からの推力に対抗してスプール弁体55に作
用する。したがって反力室66すなわち出力ポート40
の液圧は、コイル19への入力電気量に対応したものと
なる。
【0029】このような液圧制御装置4において、スプ
ール弁体55とは別体であって該スプール弁体55の一
端に同軸に当接される反力ピストン57が隔壁部29a
に摺動自在に嵌合され、反力ピストン57の端部を臨ま
せる反力室66が出力ポート40に連通されるので、反
力ピストン57からスプール弁体55に作用する反力
は、該反力ピストン57が比較的小径であって受圧面積
が小さいことによって比較的小さいものとなり、したが
ってリニアソレノイド6で発生する電磁力を小さく抑え
ることができ、それによってリニアソレノイド6の小型
化を図ることができる。
【0030】ところで、スプール弁体55が第1ランド
部55aにより出力路52を入力路50から遮断した位
置に在るときにも、環状入力室44には高液圧源3から
高液圧が作用しているが、第1ランド部55aの第2解
放室56側端部から第2解放室56側にオフセット量δ
だけずれた位置に両環状シール部材46,47間の中心
位置PC が配置されていることにより、スプール弁体5
5の液圧ロックが防止される。
【0031】すなわち図4(a)で誇張して示すよう
に、環状入力室55に高液圧が作用するのに伴って前記
中心位置PC に対応する部分を最大変形部としてガイド
部材22の内面がわずかに内方に変形するので、ガイド
部材22および第1ランド部55a間には、中心位置P
C に対応する部分の間隔dを最も小さくし、前記中心位
置PC から離反するにつれて間隔dが大きくなる環状の
間隙75が形成されることになる。しかるに、中心位置
C は、第1ランド部55aの第2解放室56側の端部
よりも第2解放室56側にずれた位置にあり、入力路5
0の摺動孔30への開口端すなわち入力用環状溝51は
第1ランド部55aの中間部に対応する位置にあるの
で、間隙75の液圧は入力用環状溝51から第1ランド
部55aの第2解放室56側の端部側に向かうにつれて
低くなることになる。このような状態でスプール弁体5
5がガイド部材22の摺動孔30内でわずかにでも偏心
した場合を想定すると、入力用環状溝51に対応する部
分と第1ランド部55aの第2解放室56側の端部との
間では、偏心によって間隔dが小さくなった側の液圧分
布が図6(b)の曲線Bで示すものとなり、それとは反
対側の液圧分布が曲線Aで示すものとなる。すなわち偏
心によって間隔dが小さくなった側の液圧がそれとは反
対側の液圧よりも増大するので、スプール弁体55の周
囲の液圧に不均衡が生じ、その液圧不均衡に伴う液圧差
によってスプール弁体55には偏心量をより小さくする
側の力が作用し、第1ランド部55aが摺動孔30の内
面に押し付けられることによる所謂液圧ロック現象が生
じることはなく、むしろ偏心を抑える効果が得られるこ
とになる。したがってガイド部材22の肉厚を薄くして
変形を許容していても、スプール弁体55の液圧ロック
を防止し、円滑な摺動作動を確保することが可能とな
る。
【0032】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、特許請求の
範囲に記載された本発明を逸脱することなく種々の小設
計変更を行なうことが可能である。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、出力路を
入力路から遮断した位置に在るランド部の解放室側端部
よりも解放室側にずれた位置に、環状入力室を両側から
挟む一対の環状シール部材間の中心位置が設定されるの
で、ガイド部材の肉厚を薄くしてわずかな変形を許容し
つつ液圧ロック現象が生じることを防止し、スプール弁
体の円滑な作動を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】スプール弁の全体縦断面図である。
【図2】図1の要部拡大図である。
【図3】スプール弁体の斜視図である。
【図4】スプール弁体およびガイド部材間の間隙での液
圧不均衡現象を説明するための図である。
【図5】従来技術の要部縦断面図である。
【図6】従来技術におけるスプール弁体およびガイド部
材間の間隙での液圧不均衡現象を説明するための図であ
る。
【符号の説明】
3 高液圧源 5 液圧機器 7 スプール弁 21 ハウジング本体 22 ガイド部材 30 摺動孔 37 リザーバ 44 環状入力室 46,47 環状シール部材 50 入力路 52 出力路 55 スプール弁体 55a ランド部 56 解放室 PC 中心位置

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リザーバ(37)に通じる解放室(5
    6)に一端側を臨ませたスプール弁体(55)を摺動可
    能に嵌合させる摺動孔(30)を有するガイド部材(2
    2)がハウジング本体(21)に嵌合、固定され、ガイ
    ド部材(22)およびハウジング本体(21)間には、
    高液圧源(3)に通じる環状入力室(44)が形成され
    るとともに該環状入力室(44)を挟んで一対の環状シ
    ール部材(46,47)が介装され、ガイド部材(2
    2)には、環状入力室(44)に通じて摺動孔(30)
    の内面に開口される入力路(50)と、液圧機器(5)
    に通じるとともに前記入力路(50)の摺動孔(30)
    の内面への開口部に関して前記解放室(56)とは反対
    側で摺動孔(30)の内面に開口される出力路(52)
    とが設けられ、スプール弁体(55)には、摺動孔(3
    0)の内面に摺接して出力路(52)および入力路(5
    0)間の連通・遮断を切換えるとともに入力路(50)
    および解放室(56)間を常時遮断するランド部(55
    a)が設けられるスプール弁において、出力路(52)
    を入力路(50)から遮断した位置に在るランド部(5
    5a)の解放室(56)側端部よりも解放室(56)側
    にずれた位置に、環状入力室(44)を両側から挟む一
    対の環状シール部材(46,47)間の中心位置
    (PC )が設定されることを特徴とするスプール弁。
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