JP3062784U

JP3062784U - 耐摩耗性の異なるゴムをトレッド部に用いたタイヤ

Info

Publication number: JP3062784U
Application number: JP1997011403U
Authority: JP
Inventors: 進中里
Original assignee: 進中里
Priority date: 1997-11-21
Filing date: 1997-11-21
Publication date: 1999-10-15
Anticipated expiration: 2003-11-21

Abstract

(57)【要約】【目的】従来タイヤは、トレッド部表面（接地面）が、
摩耗してくると路面抵抗力が低下して危険となった。特
に冬用タイヤでは、スパイク・タイヤの使用禁止（一部
特例措置あり）に伴い路面抵抗力の高いものが必要とな
っている。本考案では、表面摩耗が進んでも、路面抵抗
力が劣化しないことを、目的とした。【構成】耐摩耗性の異なるゴム、すなわち異質の複数の
ゴムを交互に構成させ、タイヤのトレッド部に用いるこ
とにより、トレッド部表面（接地面）の表面摩耗に摩耗
差が生じ、トレッド部表面（接地面）が常に凹凸とな
り、走行中や停止時の滑りを防ぎ、牽引力を増大させる
と共に熱の発散を良くする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

タイヤ特にスタッドレス・タイヤにおいて、耐摩耗性の異なるゴム、すなわち異質の複数のゴムを交互に構成させ、トレッド部に用いることにより、トレッド部表面（接地面）の表面摩耗に摩耗差が生じ、トレッド部表面（接地面）が常に凹凸となり、走行中または停止時の滑りを防ぎ、牽引力を増大させると共に熱の発散をよくする。また、靴のゴム底、靴の踵、ゴム・タイル、搬送用ゴム・ローラーなど滑り防止を目的としたゴム製品等に利用できる。

【０００２】

【従来の技術】

タイヤ特に冬用タイヤであるスタッドレス・タイヤは、スパイク・タイヤが粉塵による社会問題で使用禁止（一部特例措置あり）となった現在も、まだ性能においてスパイク・タイヤと同等のレベルまで達していない。それは、従来タイヤの性能向上を求めるためにタイヤのトレッド部表面（接地面）に深く大きな凹凸とサイプを刻み、その刻んだパターン形状を変化させること、およびトレッド部のゴムは同一または添加物や気泡を混入することにより性能の向上を求めてきた。しかし、トレッド部表面（接地面）に刻んだ凹凸が摩耗してくると、タイヤとしての性能は劣化して危険をともなった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

タイヤ特に冬用タイヤは、スパイク・タイヤと同等の性能を持つものが無く路面抵抗力が低いため危険である。これは従来のタイヤがトレッド部を同一のゴム質で形成しているために性能には限界があり、タイヤの性能はトレッド部表面に刻まれた凹凸やサイプの形状により左右され、添加物や気泡等を混入しても、トレッド部表面の凹凸の摩耗による性能の低下は避けられなかった。凹凸が摩耗すると、路面抵抗が低下し走行中や停止時の滑りが増大し、牽引力の低下、および熱の発散率が低下して危険となった。スパイク・タイヤのように粉塵による問題を起こさず、路面抵抗力が大きいタイヤが早急に求められている。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

舗装路面を削ることなくあらゆる路面状態においても、路面抵抗を大きく保ち、タイヤのトレッド部表面（接地面）の凹凸が摩耗しても、本来の性能を維持するために凹凸の深さや刻む形状やサイプをかえるだけで無くトレッド部のゴムを耐摩耗性の異なる異質で複数のゴムを交互に構成させた組み合わせにする。耐摩耗性の異なるゴムの構成であるため、各々のゴムに摩耗差が生じ、常にトレッド部表面には凹凸が形成される。形成された凹凸によりタイヤは路面抵抗力が増大するため性能は向上する。

【０００５】

【作用】

タイヤのトレッド部のゴムを耐摩耗性の異なるゴム、すなわち異質の複数のゴムを交互に構成することにより、各々のゴムに摩耗差が生じる、これは摩耗性の早いゴムが先に摩耗し、摩耗性の遅いゴムが後から摩耗するため、タイヤの接地面であるトレッド部表面には常に凹凸が形成される。本考案を従来のタイヤ技術に付加することにより、路面抵抗力が増大するため、タイヤの性能を向上させ安全性を高める。本考案において、滑り防止と牽引力はトレッド部表面（接地面）の摩耗がすすむと摩耗性において（１）は（２）よりも摩耗が遅いため、常に（１）は鈍角をもって摩耗していく、このため接地面には細かな波形の凹凸が形成され接地面積が拡大する。また、熱の発散については、表面積が拡大するため効率は良くなる。特に冬用タイヤでは、摩耗性の遅いゴムを硬質ゴムにして、摩耗性の早いゴムを軟質ゴムにすることにより、硬質ゴムは鈍角に摩耗し、軟質ゴムは鋭角に摩耗するため、硬質ゴムはスパイクピンと同じ働きをする。本考案と従来の技術を組み合わせることにより、タイヤの性能は向上する。

【０００６】

【実施例】

タイヤ、スタッドレス・タイヤ、靴底、靴の踵、ゴム・タイル、搬送用ローラー、ゴム・ベルト、その他滑り防止を目的とした、ゴム製品

【０００７】

【考案の効果】

本考案は、タイヤのトレッド部表面（接地面）の凹凸が摩耗しても、耐摩耗性の異なるゴム、すなわち異質の複数のゴムでトレッド部を形成しているため、常に摩耗性の早いゴムと摩耗性の遅いゴムで摩耗形状が異なる。このため摩耗性の遅いゴムは鈍角に摩耗し、摩耗性の早いゴムは波形もしくは鋭角に摩耗するために、摩耗が進んでも常に接地面には、波形の凹凸が形成され、路面抵抗力は低下せず性能を維持できる。特に冬用タイヤでは、摩耗性の遅い硬質ゴムを組み合わせることにより、走行中や停止時の滑り防止、牽引力、熱の発散率等が向上し、安全性が高まると思われる。

【図面の簡単な説明】

【図１】タイヤのトレッド部を示した、断面拡大図であ
る。トレッド部表面が摩耗後（走行後）における、無負
荷状態を示す。

【図２】タイヤのトレッド部を示した、断面拡大図であ
る。トレッド部表面が摩耗前（初期）における、無負荷
状態を示す。

【図３】タイヤのトレッド部を示した、断面拡大図であ
る。トレッド部表面が摩耗前（初期）における、回転時
（走行中）の無負荷状態を示す。

【符号の説明】

１．トレッド部のゴム、図においては、摩耗性が一番遅
いゴムである。２．トレッド部のゴム、図においては、摩耗性が（１）
よりも早く、（３）よりも遅いゴムである。３．トレッド部のゴム、図においては、摩耗性が一番早
いゴムである。４．サイプ。５．進行方向。６．回転方向。７．負荷方向。

【手続補正書】

【提出日】平成１０年６月２９日

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】実用新案登録請求の範囲

【補正方法】変更

【補正内容】

【実用新案登録請求の範囲】

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】耐摩耗性の異なるゴム、すなわち異質の複
数のゴムを交互に構成させ（１）、（２）、（３）のよ
うにトレッド部に用いたタイヤ。耐摩耗性の異なるゴム
は２種類、またはそれ以上を用い、配列は自由な組み合
わせで（１）、（２）、（３）が逆の配列もある。