JP3061801U - アウタ―ロ―タ形磁石式回転機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ネジを使用しないで、ステータコアの取付け
を行えるアウターロータ形磁石式回転機を得る。 【解決手段】 ステータコア１に巻線２を巻装したステ
ータ３と、このステータ３の外周を包囲しているロータ
ヨーク４の筒部４ａの内周に永久磁石５を支持させてい
るロータ６と、ステータコア１を外周に固定している筒
状のボス７と、ロータヨーク４の底部４ｂの中心に取付
けていてボス７の内周を軸受８を介して回転自在に貫通
している回転軸９と、ロータヨーク４の開口端側で回転
軸９を回転自在に貫通させてボス７の端部に一体に設け
たステータ取付けプレート１０とを備えている。ボス７
の外周に対するステータコア１の固定は、ステータコア
１がボス７から脱出する側でステータコア１とボス７と
の嵌合部分に沿って設けた環状溝２４に圧入して塑性変
形させた固定リング２５により行っている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、例えばアウターロータ形磁石式交流発電機の如きアウターロータ形 磁石式回転機に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

図４は、従来のアウターロータ形磁石式回転機の一種であるアウターロータ形 磁石式交流発電機の縦断面図を示したものである。

【０００３】 このアウターロータ形磁石式交流発電機は、環状のステータコア１の外周の各 突極１ａに発電巻線２を巻装したステータ３と、該ステータ３の外周をロータヨ ーク４の筒部４ａが包囲していて該筒部４ａの内周に永久磁石５が支持されてい るロータ６と、環状のステータコア１を外周に固定している筒状のボス７と、ロ ータヨーク４の底部４ｂの中心に取付けられていてボス７の内周を軸受８を介し て回転自在に貫通している回転軸９と、ロータヨーク４の開口端側で回転軸９に 直交する向きで且つ該回転軸９を回転自在に貫通させてボス７の端部に一体に設 けられているステータ取付けプレート１０と、ロータヨーク４の筒部４ａ内に回 転軸９の方向に冷却風が通り抜けるようにステータ取付けプレート１０とロータ ヨーク４とにそれぞれ周方向に所定間隔で設けられたで通風口１１ａ，１１ｂと 、各通風口１１ａ，１１ｂを経てロータヨーク４の筒部４ａ内を冷却風が通り抜 けるようにロータヨーク４の内周部に複数の羽根１２を固定して設けたファン１ ３と、ロータヨーク４の底部４ｂ側でその外に突出されているボルト構造の回転 軸９にその頭部９ａを利用して固定されているプーリ１４とを備えた構造になっ ている。

【０００４】 ステータコア１は、複数本のネジ１５でステータ取付けプレート１０に固定さ れている。各軸受８は、複数のカラー１６で回転軸９の外周に位置決めされてい る。ボルト構造の回転軸９の先端は、ステータ取付けプレート１０の凹部１７内 に突出していて平ワッシャ１８，バネワッシャ１９を介してヘキサゴンナット２ ０で締結されている。ステータ取付けプレート１０は、ロータヨーク４の筒部４ ａの外周を包囲する筒部１０ａと、ロータヨーク４の筒部４ａの開口端側で筒部 １０ａの一端を塞ぐ底部１０ｂと、筒部１０ａの外周に突設された取付け部１０ ｃとを備えた構造になっている。底部１０ｂには、複数の通風口１１ａが放射状 に設けられている。他方の通風口１１ｂは、ロータヨーク４の底部４ｂ寄りの筒 部４ａの末端にそれぞれ設けられている。

【０００５】 このようなアウターロータ形磁石式交流発電機では、ロータヨーク４の回転に つれてファン１３が回転し、このファン１３の回転による送風作用により、ステ ータ取付けプレート１０に設けられた通風口１１ａから外気を吸い込んで、この 外気をロータヨーク４の筒部４ａ内に回転軸９に沿って各突極１ａ間の隙間を通 し、これによりステータ３及び永久磁石５を冷却し、筒部４ａ内を通り抜けた排 気をロータヨーク４の通風口１１ｂは、底部４ｂ寄りの筒部４ａの末端の通風口 １１ｂから外部に排出する。かかる状態で、ステータコア１の各発電巻線２から 発電をして出力する。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、このような構造の従来のアウターロータ形磁石式回転機では、 ステータ３のステータ取付けプレート１０に対する取付けは、ステータコア１を 貫通する複数本のネジ１５をステータ取付けプレート１０に螺合することにより 行っていたので、下記のような問題点があった。

【０００７】 （ａ）ステータ３の巻線スペースが狭く、小型化が難しい。

【０００８】 （ｂ）ステータ取付けプレート１０にネジ孔あけ加工を要し、加工に２工程が必 要。

【０００９】 （ｃ）ステータコア１のステータ取付けプレート１０に対する取付けが、複数本 のネジ１５により行われていたので、取付けの自動化が難しい。

【００１０】 （ｄ）前述した（ｂ）（ｃ）によりコストがかかる。

【００１１】 本考案の目的は、ネジを使用しないで、ステータコアの取付けを行えるアウタ ーロータ形磁石式回転機を提供することにある。

【００１２】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ステータコアに巻線を巻装したステータと、該ステータの外周を包 囲しているロータヨークの筒部の内周に永久磁石が支持されているロータと、ス テータコアを外周に固定している筒状のボスと、ロータヨークの底部の中心に取 付けられていてボスの内周を軸受を介して回転自在に貫通している回転軸と、ロ ータヨークの開口端側で回転軸に直交する向きで且つ該回転軸を回転自在に貫通 させてボスの端部に一体に設けられているステータ取付けプレートとを備えたア ウターロータ形磁石式回転機を改良するものである。

【００１３】 本考案に係るアウターロータ形磁石式回転機においては、ボスの外周に対する ステータコアの固定は、ステータコアがボスから脱出する側でステータコアとボ スとの嵌合部分に沿って設けられた環状溝に圧入されて塑性変形された固定リン グにより行われていることを特徴とする。

【００１４】 このように固定リングを塑性変形させてボスの外周にステータコアを固定する と、ネジを使用しないでステータコアの取付けを行うことができる。このように ネジを使用しないと、組立ての自動化が可能になる。

【００１５】 本考案では、ステータコアとボスとの嵌合部分には、回転軸の長手方向に沿っ た凹凸嵌合い部が設けられていることが好ましい。このようにステータコアとボ スとの嵌合部分に凹凸嵌合い部を設けると、ステータコアのボスに対する回り止 めを確実に行わせることができる。

【００１６】

【考案の実施の形態】

図１乃至図３（Ａ）〜（Ｃ）は本考案に係るアウターロータ形磁石式回転機を アウターロータ形磁石式交流発電機に適用した実施の形態の一例を示したもので 、図１は本例のアウターロータ形磁石式交流発電機の縦断面図、図２（Ａ）（Ｂ ）は本例のアウターロータ形磁石式交流発電機で用いているステータの平面図及 び縦断面図、図３（Ａ）〜（Ｃ）は本例のアウターロータ形磁石式交流発電機で 用いているボス及びこれに一体のステータ取付けプレートの平面図，縦断面図及 び（Ｂ）のＣ部拡大図である。なお、前述した図４と対応する部分には、同一符 号を付けて示している。

【００１７】 本例のアウターロータ形磁石式交流発電機では、ステータコア１の内周の１箇 所に１条の突状部２１が軸線方向に沿って突設されている。突状部２１は、ステ ータコア１の軸線方向の全長より一端側で少し短く突設されている。ボス７は、 ステータコア１側が大径部７ａ，その次が中径部７ｂ，その次が小径部７ｃとな っている。ボス７の中径部７ｂの外周には、ステータコア１の突状部２１を嵌合 させる凹状部２２が軸線方向に沿って１条設けられている。凹状部２２の端部に 隣接させてボス７の小径部７ｃの外周には溝２３が設けられている。ボス７に対 するステータコア１の固定は、ステータコア１の内周の突状部２１をボス７の外 周の凹状部２２に嵌めて、ステータコア１をボス７の外周に嵌合し、ステータコ ア１がボス７から脱出する側でステータコア１とボス７との嵌合部分に沿って設 けられている環状溝２４に固定リング２５を圧入して塑性変形させ、該固定リン グ２５の内周の一部を小径部７ｃの外周の溝２３に圧入することにより行われて いる。突状部２１と凹状部２２との嵌合せにより凹凸嵌合い部２６が形成されて いる。

【００１８】 このように固定リング２５を塑性変形させてボス７の外周にステータコア１を 固定すると、ネジを使用しないでステータコア１の取付けを行うことができる。 このようにネジを使用しないと、組立ての自動化が可能になる。また、ステータ コア１とボス７との嵌合部分には、回転軸９の長手方向に沿った凹凸嵌合い部２ ６が設けられているので、ステータコア１のボス７に対する回り止めを確実に行 わせることができる。

【００１９】 上記例では、ステータコア１の内周に突状部２１を突設し、ボス７の外周に凹 状部２２を設けたが、その代わりにステータコア１の内周に凹状部２２を設け、 ボス７の外周に突状部２１を突設してもよい。

【００２０】 上記例では、本考案をアウターロータ形磁石式交流発電機に適用した例につい て説明したが、本考案はこれに限定されるものではなく、アウターロータ形電動 機にも同様に適用することができる。

【００２１】

【考案の効果】

本考案に係るアウターロータ形磁石式回転機においては、ボスの外周に対する ステータコアの固定が、ステータコアがボスから脱出する側でステータコアとボ スとの嵌合部分に沿って設けられた環状溝に圧入されて塑性変形された固定リン グにより行われているので、ネジを使用しないでステータコアの取付けを行うこ とができ、このため組立ての自動化が可能になる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係るアウターロータ形磁石式回転機に
おける実施の形態の一例を示す縦断面図である。

【図２】（Ａ）（Ｂ）は本例のアウターロータ形磁石式
交流発電機で用いているステータの平面図及び縦断面図
である。

【図３】（Ａ）は本例のアウターロータ形磁石式交流発
電機で用いているボス及びこれに一体のステータ取付け
プレートの平面図、（Ｂ）は縦断面図、（Ｃ）は（Ｂ）
のＣ部拡大図である。

【図４】従来のアウターロータ形磁石式回転機の一種で
あるアウターロータ形磁石式交流発電機の縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１ ステータコア １ａ 突極 ２ 発電巻線 ３ ステータ ４ ロータヨーク ４ａ 筒部 ４ｂ 底部 ５ 永久磁石 ６ ロータ ７ ボス ８ 軸受 ９ 回転軸 ９ａ 頭部 １０ ステータ取付けプレート １１ａ，１１ｂ 通風口 １２ 羽根 １３ ファン １４ プーリ １５ ネジ １６ カラー １７ 凹部 １８ 平ワッシャ １９ バネワッシャ ２０ ヘキサゴンナット ２１ 突状部 ２２ 凹状部 ２３ 溝 ２４ 環状溝 ２５ 固定リング ２６ 凹凸嵌合い部

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ステータコアに巻線を巻装したステータ
   と、該ステータの外周を包囲しているロータヨークの筒
   部の内周に永久磁石が支持されているロータと、前記ス
   テータコアを外周に固定している筒状のボスと、前記ロ
   ータヨークの底部の中心に取付けられていて前記ボスの
   内周を軸受を介して回転自在に貫通している回転軸と、
   前記ロータヨークの開口端側で前記回転軸に直交する向
   きで且つ該回転軸を回転自在に貫通させて前記ボスの端
   部に一体に設けられているステータ取付けプレートとを
   備えたアウターロータ形磁石式回転機において、 前記ボスの外周に対する前記ステータコアの固定は、前
   記ステータコアが前記ボスから脱出する側で前記ステー
   タコアと前記ボスとの嵌合部分に沿って設けられた環状
   溝に圧入されて塑性変形された固定リングにより行われ
   ていることを特徴とするアウターロータ形磁石式回転
   機。
2. 【請求項２】 前記ステータコアと前記ボスとの嵌合部
   分には、前記回転軸の長手方向に沿った凹凸嵌合い部が
   設けられていることを特徴とする請求項１に記載のアウ
   ターロータ形磁石式回転機。