JP3061738B2 - マルチprf法を用いた測距装置および測距方法 - Google Patents

マルチprf法を用いた測距装置および測距方法

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JP3061738B2 JP6298320A JP29832094A JP3061738B2 JP 3061738 B2 JP3061738 B2 JP 3061738B2 JP 6298320 A JP6298320 A JP 6298320A JP 29832094 A JP29832094 A JP 29832094A JP 3061738 B2 JP3061738 B2 JP 3061738B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は航空機等の高速移動体搭
載のマルチPRF法を用いた測距装置及び測距方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】航空機搭載のパルスドップラレーダ装置
では、ムービング・ターゲット・インディゲータ(以
下、MTIと記す)フィルタのクラッタ抑圧特性を確保
するために、送信信号の繰返周期(以下、PRIと適宜
記す)には限界があり短いものを用いなければならな
い。そのため、一種類の繰返周期の送信信号による測距
では距離を確定できる範囲が著しく狭まる。FMレンジ
ングが適用できない場合には、確定距離の限界を拡大す
るために、互いに繰返周期の異なる複数の送信信号を切
り替えて目標距離を決定するマルチPRF(パルス繰返
周波数)法が用いられる。
【0003】マルチPRF法を用いたレーダ装置として
は、例えば、特願昭55−59361に開示されたもの
がある。以下、図15に示す構成を有するレーダ装置を
例にとり、従来のマルチPRF法を用いた測距装置の構
成を説明する。図中、251は送信機、252は受信
機、253は送受切替器(サーキュレータ)、254は
アンテナ、255は基準信号発生装置、256はMTI
フィルタ、257は距離相関回路、258は信号処理装
置、259は表示装置である。基準信号発生装置255
は送信パルスの繰返周期を決定し、これを送信機251
で変調・増幅し、アンテナ254から目標に向け電波を
発射する。この反射波をアンテナ254で受信し、受信
機252で復調・増幅し、MTIフィルタ256で基準
信号発生装置255で決定する送信パルスの繰返周期に
基づいてフィルタリングすることにより地表面、ウェザ
ー等のクラッタを抑圧する。クラッタ抑圧された受信パ
ルスは距離相関回路257で受信信号から得られる見掛
けの目標距離を求め、信号処理装置258で真の目標距
離を得る。
【0004】次に、図16に示すフローチャートで、従
来のマルチPRF法を用いた測距装置の動作を説明す
る。271は第1の送信パルスの繰返周期であるT1
決定し、この繰返周期で送受信する処理、272は送信
パルスと受信パルスとタイミングから見掛けの目標距離
1 を計測する処理、273は第2の送信パルスの繰返
周期であるT2 を決定し、この繰返周期で送受信する処
理、274は見掛けの目標距離X2 を計測する処理、2
75はX1 、X2 を用いてタイミングを合わせて第1の
受信パルスと第2の受信パルスとの相関信号を算出し、
この相関信号から真の目標距離X0 を算出する処理であ
る。275では受信パルス相関信号のピークの位置から
図17のEの時間差X0 を測定し、これに2と光速cを
乗じることで目標距離を一意に確定する。
【0005】図17は上記文献に示された従来例の動作
を説明する送信信号と受信信号のタイミングチャートで
ある。ここでは簡単のために、互いに繰返周期が異なる
2種類のパルスを用いて目標までの距離を確定する方法
について説明する。図中、Aは繰返周期がT1 である第
1の送信パルス、BはAに対する受信パルス、Cは繰返
周期がT2 である第2の送信パルス、DはBに対する受
信パルス、Eは第1の送信パルスAと第2の送信パルス
Cの相関処理後の送信パルス、Fは第1の受信パルスB
と第2の受信パルスDの相関処理後の受信パルスであ
る。横軸は直接には時間tを示すが、距離は時間tに2
と光速cを乗じることで換算できるため横軸は目標距離
を示すと捕らえることもできる。T1 、T2 には、上記
したようにクラッタ抑圧特性の確保のため、次式に示す
上限がある。 T1 、T2 ≦λ/2v (1) ここで、λは波長、vはレーダ装置のプラットホームの
速度である。図15中基準信号発生装置255で送信パ
ルス(図17中、AまたはC)の繰返周期(=T)を決
定する際や、図16中、ステップ271、273で
1 、T2 を決定する際には、式(1)を満足するよう
にしてクラッタ抑圧特性の確保する。
【0006】次に、マルチPRF法に基づく測距方法の
基本原理を図17を参照して説明する。もし、繰返周期
を切り替えずに、例えばBに示す受信パルスのみで目標
を測距しようとすると、目標の確定距離の限界は2cT
1 となる。航空機搭載のパルスドップラレーダでは式
(1)のλ/2vは測距の最大レンジに比べて一般にか
なり短かく、従って2cT1 は目標の確定距離の限界と
して不十分である。2cT1 を越す目標に対しては、図
中、B1 、B2 ,・・,B5 に示すように、目標エコー
は複数個現れ不確定となる。そこで、繰返周期を切り替
えて、それぞれの繰返周期が他方の繰返周期の整数倍と
ならない(図中、A,Cの関係の)ようにT1 、T2
決定し、それぞれの受信パルスB,Dの相関信号をFの
ように求め、FとEとの時間差X0 から目標距離を確定
する。このときの確定距離の限界は、Eの周期T0 でき
まり、2cT1 に比べ十分に拡大される。
【0007】T1 、T2 をそれぞれ、単位時間Δの整数
倍で次のように示すと、 T1 =Δ・n1 、T2 =Δ・n2 (2) T0 は次式で与えられる。 T0 =Δ・LCM(n1 ,n2 ) (3) ここで、LCM(n1 ,n2 )は整数n1 ,n2 の最小
公倍数を意味する。
【0008】ところが、上記の従来のマルチPRF法の
測距方法では、図17中の受信パルスと送信パルスとの
見掛けの時間差である目標距離X1 ,X2 に誤差e1
2が含まれ、受信パルスB,Dはそれぞれ誤差の分タ
イミングがずれる。誤差e1 ,e2 の方向と大きさによ
っては、図18に示すように、算出した目標距離R0
は数繰返周期分にものぼる大きな誤差(図中、e0 で示
す)が生じてしまう。誤差e1 ,e2 により、BとDの
受信パルスが真の目標距離とは全く離れた位置で一致
し、相関信号のピークがその位置に生ずるからである。
また、受信パルスBとDが誤差のためずれて、Fに相関
信号ピークが現れなくなると、時間差X0 が求められな
いため目標距離が確定できなくなる。また、一般のパル
スドップラレーダでは、送受信アンテナを共有すると共
に、最大探知距離、検出確率を十分に確保するために、
デューティ比(=パルス幅/繰返周期)を高く設定する
ことがあり、この場合は特にエクリプスの影響が大きく
なり、エクリプスを回避するために繰返周期を何度も切
替える必要があり、真の目標距離確定までに観測時間が
多くかかる。また、受信パルスと送信パルスとの見掛け
の時間差を距離ディスクリを用いて計測する場合に、デ
ィスクリの受信ゲートの受信電力が不足すると、繰返周
期を何度も切替える必要があり、真の目標距離確定まで
に観測時間が多くかかる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来のマルチPRF法
を用いた測距装置及び測距方法は以上のように構成され
ており、受信パルスと送信パルスとの見掛けの時間差に
含まれる誤差により、目標の測距結果に大きな誤りが生
じることがあるという課題があった。また、受信パルス
と送信パルスとの見掛けの時間差に含まれる誤差によ
り、目標距離が確定できないことがあるという課題があ
った。また、デューティ比(=パルス幅/繰返周期)を
高くとる場合に、エクリプスの影響が大きいときや、ま
た、距離ディスクリを用いて受信パルスと送信パルスと
の時間差を計測する場合に、受信ゲートの受信電力が不
足するとき繰返周期を何度も切替える必要があり、目標
距離確定までに観測時間がかかるという課題があった。
【0010】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、受信パルスと送信パルスとの見掛
けの時間差に誤差が含まれるときも、目標の測距結果に
大きな誤り発生の少ない測距装置及び測距方法を得るこ
とを目的とする。また、受信パルスと送信パルスとの見
掛けの時間差に誤差が含まれるときも、目標距離を確実
に確定できる度合いを高める測距方法を得ることを目的
とする。また、エクリプスの影響が大きくなるときや、
距離ディスクリの受信ゲートの受信電力が不足するとき
にも、短時間の観測で目標距離を確定できる測距方法を
得ることを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に係わる発明のマルチPRF法を用いた
測距装置は、以下の(a)(b)(c)の構成要素を備
えるようにしたものである。送信信号の繰返周期を整数
j (j=1,2)と単位時間Δとの積で表し(以下、
繰返周期を整数nj で表す)、(a)第1の送信信号の
繰返周期を決定するに際し、第1の送信信号の繰返周期
1 に対して選択可能な第2の送信信号の繰返周期n2
の組の最大公約数GCM(n1 ,n2 )の期待値が高い
順番でn1 を優先使用し、次いで第2の送信信号の繰返
周期を決定するに際し、上記第1の送信信号の繰返周期
として使用したn1 に対して第2の送信信号の繰返周期
2 の組の最大公約数の値が高い順番でn2 を優先使用
する送信手段、(b)上記各送信信号の目標からの反射
波を受信する受信手段、(c)上記第1と第2の送信信
号の反射波である第1と第2の受信信号の相関信号を用
いて目標距離を算出する信号処理手段。
【0012】また、請求項2に係わる発明のマルチPR
F法を用いた測距方法は、以下の(a)(b)(c)の
ステップを備えるようにしたものである。送信信号の繰
返周期を整数nj (j=1,2)と単位時間Δとの積で
表し(以下、繰返周期を整数nj で表す)、(a)第1
の送信信号の繰返周期n1 に対して選択可能な第2の送
信信号の繰返周期n2 の組の最大公約数GCM(n1
2 )の期待値が高い順番でn1 を優先使用して、送信
信号の繰返周期を決定する第1の送受信ステップ、
(b)上記第1の送受信ステップで用いた第1の送信信
号の繰返周期n1 に対して最大公約数GCM(n1 ,n
2 )の値が高い順番でn2 を優先使用して、送信信号の
繰返周期を決定する第2の送受信ステップ、(c)上記
第1と第2の送受信ステップで得られた受信信号の相関
信号を用いて目標距離を算出する信号処理ステップ。
【0013】また、請求項3に係わる発明のマルチPR
F法を用いた測距方法は、以下の(a)(b)(c)の
ステップを備えるようにしたものである。送信信号の繰
返周期を整数nj (j=1,…,J)と単位時間Δとの
積で表し(以下、繰返周期を整数nj で表す)、(a)
第1の送信信号の繰返周期をn1 とする第1の送受信ス
テップ、(b)次いで、第1から第(j−1)の送受信
ステップ(j=2,…,J)に用いた各送信信号の繰返
周期をn1 ,n2 ,…,n(j-1) としてそれらの最小公
倍数をLCM(j-1) で表し、上記LCM(j-1) とnj
最大公約数をGCM(LCM(j-1) ,n2 )と表すと
き、上記GCM(LCM(j-1) ,nj )の値が高い順番
に整数nj を優先使用して、送信信号の繰返周期を決定
する第j(j=2,…,J)の送受信ステップ、(c)
上記第1の送受信ステップから第j(j=2,…,J)
までの各送受信ステップで得られた受信信号の相関信号
を用いて目標距離を算出する信号処理ステップ。
【0014】また、請求項4に係わる発明のマルチPR
F法を用いた測距方法は、以下の(a)(b)(c)の
ステップを備えるようにしたものである。送信信号の繰
返周期を整数nj (j=1,2)と単位時間Δとの積で
表し(以下、繰返周期を整数nj で表す)、繰返周期n
1 ,n2 の最大公約数をGCM(n1 ,n2 )と表し、
(a)第1の送信信号の繰返周期n1 に対して選択可能
な第2の送信信号の繰返周期n2 の組に対して関数[G
CM(n1 ,n2 )/(n1 +n2 )]の期待値が高い
順番でn1 を優先使用して、送信信号の繰返周期を決定
する第1の送受信ステップ、(b)上記第1の送受信ス
テップで用いた第1の送信信号の繰返周期n1 に対して
関数[GCM(n1 ,n2 )/(n1 +n2 )]の値が
高い順番でn2 を優先使用して、送信信号の繰返周期を
決定する第2の送受信ステップ、(c)上記第1と第2
の送受信ステップで得られた受信信号の相関信号を用い
て目標距離を算出する信号処理ステップ。
【0015】また、請求項5に係わる発明のマルチPR
F法を用いた測距方法は、以下の(a)(b)(c)の
ステップを備えるようにしたものである。送信信号の繰
返周期を整数nj (j=1,…,J)と単位時間Δとの
積で表し(以下、繰返周期を整数nj で表す)、(a)
第1の送信信号の繰返周期をn1 を決定し、第1の送信
信号の目標からの反射波である第1の受信信号の目標存
在領域幅σ1 を定め、第1の受信信号の各エコー中心か
ら±σ1 の範囲の第1の目標存在領域を算出する第1の
送受信ステップ、(b)第j(j=2,…,J)の送信
信号の繰返周期をnj を決定し、第jの送信信号の目標
からの反射波である第jの受信信号の目標存在領域幅σ
j を定め、第jの受信信号の各エコー中心から±σj
範囲の第jの目標存在領域を算出するとともに、第1か
ら第(j−1)までの受信信号の目標存在領域と、第j
の受信信号の目標存在領域との相関を求める第jの送受
信ステップ、(c)上記第jの送受信ステップで求めた
相関処理後の第jの目標存在領域が1つの目標存在領域
を示すとき、上記相関信号を用いて目標距離を算出する
信号処理ステップ。
【0016】また、請求項6に係わる発明のマルチPR
F法を用いた測距方法は、以下の(a)(b)(c)の
ステップを備えるようにしたものである。送信パルスの
繰返周期を整数nj (j=1,…,J)と単位時間Δと
の積で表し(以下、繰返周期を整数nj で表す)、 (a)第1の送信パルスの繰返周期をn1 を決定し、第
1の送信パルスの目標からの反射波である第1の受信パ
ルスの目標存在領域幅σ1 を以下の(a1)に示す値と
し、第1の受信パルスの各エコー中心から±σ1 の範囲
の第1の目標存在領域を算出する第1の送受信ステッ
プ、(a1)第1の送信パルスのパルス幅をτ1 、第1
の送信パルスの目標からの反射波である第1の受信パル
スの信号電力対雑音電力比をSNR1 、適当な正の比例
定数をaとして、σ1 を次式とする、 σ1 =a・[τ1 /(SNR1 1/2 ] (b)第j(j=2,…,J)の送信パルスの繰返周期
をnj を決定し、第jの送信パルスの目標からの反射波
である第jの受信パルスの目標存在領域幅σjを以下の
(b1)に示す値とし、第jの受信パルスの各エコー中
心から±σj の範囲の第jの目標存在領域を算出すると
ともに、第1から第(j−1)までの受信パルスの目標
存在領域と、第jの受信パルスの目標存在領域との相関
を求める第jの送受信ステップ、(b1)第jの送信パ
ルスのパルス幅をτj 、第jの送信パルスの目標からの
反射波である第jの受信パルスの信号電力対雑音電力比
をSNRj 、適当な正の比例定数をaとして、σj を次
式とする、 σj =a・[τj /(SNRj 1/2 ] (c)上記第jの送受信ステップで求めた相関処理後の
第jの目標存在領域が1つの目標存在領域を示すとき、
上記相関信号を用いて目標距離を算出する信号処理ステ
ップ。
【0017】また、請求項7に係わる発明のマルチPR
F法を用いた測距方法は、以下の(a)(b)(c)の
ステップを備えるようにしたものである。 (a)繰返周期T1 をもつ第1の送信パルスを用い、上
記送信パルスと目標からの反射波である受信パルスとの
時間差X1 を求める第1の送受信ステップ、 (b)第2の送信パルスの繰返周期をT2 として、以下
の(b1)処理により、エクリプスによる第2の受信パ
ルスの予測損失電力ECm を求め、上記予測損失電力E
m のmについての平均値が小さいものをT2 に優先使
用し、上記送信パルスと受信パルスとの時間差X2 を求
める第2の送受信ステップ、(b1)上記T2 の候補を
TC2 として、mを正整数とし、[X1 +(m−1)T
1 ]のTC2 に関する剰余MBm を求め、MBm からエ
クリプスによる第2の受信パルスの予測損失電力ECm
を求め、上記予測損失電力ECm のmについての平均値
を求める処理、 (c)上記第1と第2の送受信ステップで得られた受信
パルスの相関を求め目標距離を算出する信号処理ステッ
プ。
【0018】また、請求項8に係わる発明のマルチPR
F法を用いた測距方法は、以下の(a)(b)(c)の
ステップを備えるようにしたものである。 (a)繰返周期T1 をもつ第1の送信パルスを用い、上
記送信パルスと目標からの反射波である受信パルスとの
時間差X1 を距離ディスクリを用いて求める第1の送受
信ステップ、 (b)第2の送信パルスの繰返周期をT2 として、以下
の(b1)処理により、距離ディスクリの受信ゲートの
予測受信電力PGm のmについての平均値が大きいもの
をT2 に優先使用し、上記送信パルスと上記送信パルス
の目標からの反射波である受信パルスとの時間差X2
求める第2の送受信ステップ、(b1)上記T2 の候補
をTC2 として、mを正整数とし、[X1 +(m−1)
1 ]のTC2 に関する剰余MBm を求め、MBm から
距離ディスクリの受信ゲートの予測受信電力PGm を求
め、PGm のmについての平均値を求める処理、 (c)上記第1と第2の送受信ステップで得られた受信
パルスの相関を求め目標距離を算出する信号処理ステッ
プ。
【0019】
【作用】以上のように構成された請求項1に係わる発明
の測距装置では、送信手段において、第1と第2の送信
信号の繰返周期の決定に際して、第1と第2の送信信号
の繰返周期の最大公約数が大きくなるように、優先順位
を決めることより、信号処理手段において真の目標距離
のタイミング以外で相関が生じにくく、測定誤差に対す
る許容量が増し、測距結果に大きな誤りを生じにくくす
ることができる。
【0020】また、請求項2に係わる発明の測定方法で
は、第1と第2の送受信ステップにおいて、第1と第2
の送信信号の繰返周期の決定に際して、第1と第2の送
信信号の繰返周期の最大公約数が大きくなるように、優
先順位を決めることより、測距の際に、真の目標距離の
タイミング以外で相関が生じにくくなり、測定誤差に対
する許容度が増し、測距結果に大きな誤りを生じにくく
することができる。
【0021】また、請求項3に係わる発明の測定方法で
は、第1の送受信ステップにおいて、第1の送信信号の
繰返周期をn1 に決めたとき、第j(j=2,…,J)
の送受信ステップでは、第1から第(j−1)の送受信
ステップ(j=2,…,J)において用いた各送信信号
の繰返周期をn1 ,n2 ,…,n(j-1) として、それら
の最小公倍数をLCM(j-1) で表し、上記LCM(j-1)
とnj の最大公約数をGCM(LCM(j-1) ,n2 )と
表すとき、上記GCM(LCM(j-1) ,nj )の値が高
い順番に整数nj を優先使用して、第jの送信信号の繰
返周期を決定するようにステップを構成したことによ
り、測距の際に、真の目標距離のタイミング以外で相関
が生じにくくなり、測定誤差に対する許容度が増し、測
距結果に大きな誤りを生じにくくすることができる。
【0022】また、請求項4に係わる発明の測定方法で
は、繰返周期n1 ,n2 の最大公約数をGCM(n1
2 )と表して、第1の送受信ステップにおいて、第1
の送信信号の繰返周期n1 候補に対して選択可能な第2
の送信信号の繰返周期n2 の各組に対して関数[GCM
(n1 ,n2 )/(n1 +n2 )]の期待値が高い順番
でn1 を優先使用して、第1の送信信号の繰返周期を決
定すようにし、第2の送受信ステップにおいて、上記第
1の送受信ステップで用いた第1の送信信号の繰返周期
1 に対して関数[GCM(n1 ,n2 )/(n1 +n
2 )]の値が高い順番でn2 を優先使用して、第2の送
信信号の繰返周期を決定するようにステップを構成した
ことにより、測距の際に、真の目標距離のタイミング以
外で相関が生じにくくなり、測定誤差に対する許容度が
増し、測距結果に大きな誤りを生じにくくすることがで
きる。
【0023】また、請求項5に係わる発明の測定方法で
は、第1の送受信ステップにおいて、第1の送信信号の
繰返周期をn1 を決定し、第1の送信信号と第1の受信
信号との時間差測定誤差の大きさの上限値をσ1 とし
て、第1の受信信号の各エコー中心から±σ1 の範囲の
第1の目標存在領域を算出する。同様に、第jの送受信
ステップにおいて、第j(j=2,…,J)の送信信号
の繰返周期をnj を決定し、第jの送信信号と第jの受
信信号との時間差測定誤差の大きさの上限値をσj とし
て、第jの受信信号の各エコー中心から±σj の範囲の
信号を第jの目標存在領域を算出するとともに、第1か
ら第jまでの受信信号の目標存在領域の相関をとり、上
記相関処理後の目標存在領域が1つに絞り込まれた時、
上記相関信号のピークを用いて目標距離を算出するよう
にステップを構成したことにより、受信信号のタイミン
グに測定誤差があっても、マージンσj のため、相関信
号のピークの消失が起りにくく、目標距離を確実に算出
することができる。
【0024】また、請求項6に係わる発明の測定方法で
は、第1の送受信ステップにおいて、第1の送信パルス
の繰返周期n1 を決め、第1の送信パルスと第1の受信
パルスとの時間差測定誤差の大きさの上限値を、第1の
送信パルスのパルス幅をτ1 、第1の受信パルスの信号
電力対雑音電力比をSNR1 、jによらない所定の比例
定数をaとして次式とし、第1の受信パルスの各エコー
中心から±σ1 の範囲の第1の目標存在領域を算出す
る。 σ1 =a・[τ1 /(SNR1 1/2 ] 同様に、第jの送受信ステップにおいて、第j(j=
2,…,J)の送信パルスの繰返周期nj を決め、第j
の送信パルスと第jの受信パルスとの時間差測定誤差の
大きさの上限値を次式とし、第jの受信パルスの各エコ
ー中心から±σjの範囲の第jの目標存在領域を算出す
る。 σj =a・[τj /(SNRj 1/2 ] さらに、第1から第jまでの受信パルスの目標存在領域
の相関をとり、上記相関処理後の目標存在領域が1つに
絞り込まれた時、上記相関信号のピークを用いて目標距
離を算出するようにステップを構成したことにより、受
信パルスのタイミングに測定誤差があっても、マージン
σj のため、相関信号のピークの消失が起りにくく、目
標距離を確実に算出することができる。
【0025】また、請求項7に係わる発明の測定方法で
は、第2の送信パルスの繰返周期T2 の候補をTC2
して、第2の送信パルスを送信する前に、上記第1の受
信パルスの各エコー中心時刻Bm を求め、Bm のTC2
に関する剰余MBm を求め、MBm からエクリプスによ
る第2の受信パルスの損失電力ECm を求め、ECm
mについてに平均を求め、このECm の平均値が小さい
TC2 を優先して第2の送信パルスの繰返周期T2 に用
いるようにステップを構成し、第2の受信パルス受信時
にエクリプスの期待値を小さくしたことにより、受信電
力の損失が少なくなり、第2の送信パルスの繰返周期T
2 を切替える回数が減るので、より短時間の観測で目標
距離を確定できる。
【0026】また、請求項8に係わる発明の測定方法で
は、第2の送信パルスの繰返周期T2 の候補をTC2
して、第2の送信パルスを送信する前に、上記第1の受
信パルスの各エコー中心時刻Bm を求め、Bm のTC2
に関する剰余MBm を求め、MBm から距離ディスクリ
の受信ゲートの受信電力PGm を求め、PGm のmにつ
いてに平均を求め、このPGm の平均値が大きいTC2
を優先して第2の送信パルスの繰返周期T2 に用いるよ
うにステップを構成し、第2の受信パルス受信時に、ゲ
ート受信電力の期待値を大きくしたことにより、第2の
送信パルスの繰返周期T2 を切替える回数が減るので、
より短時間の観測で目標距離を確定できる。
【0027】
【実施例】
実施例1.本発明の実施例1を図を参照して説明する。
図1は本発明の実施例1を示すマルチPRF法を用いた
測距装置の構成図である。図において、251は送信
機、252は受信機、253は送受切替器(サーキュレ
ータ)、254はアンテナ、256はMTIフィルタ、
257は距離相関回路、258は信号処理装置、259
は表示装置、1601は基準信号発生器、1602はP
RI参照テーブルである。基準信号発生器1601は送
信パルスの繰返周期を決定し、これを送信機251で変
調・増幅し、アンテナ254から目標に向け電波を発射
する。この反射波をアンテナ254で受信し、受信機2
52で復調・増幅し、MTIフィルタ256で基準信号
発生器1601で決定する送信パルスの繰返周期に基づ
いてフィルタリングすることにより地表面、ウェザー等
のクラッタを抑圧する。クラッタ抑圧された受信パルス
は距離相関回路257で受信信号から得られる見掛けの
目標距離X1 ,X2 を求め、信号処理装置258で真の
目標距離X0 を得る。上記の基準信号発生器1601は
PRI参照テーブル1602を有し、PRI参照テーブ
ル1602は、送信パルス繰返周期の切替える優先順位
を示したテーブルであり、基準信号発生器1601はこ
のテーブルを参照して逐次送信パルスの繰返周期を決定
する。ここで、251,253,254,1601,1
602で送信手段、252,253,254,256で
受信手段、257,258,259で信号処理手段を構
成している。
【0028】実施例2.図2は本発明の実施例2を示す
マルチPRF法を用いた測距方法を示すフローチャート
である。図2のフローチャートにおいて、先ず、411
で整数i1 を最小値Imin にセットし、412で1次元
テーブルN1 からi1 番目の整数値N1 (i1 )を取り
出し、これに単位時間Δを乗じた値を第1の送信パルス
繰返周期であるT1 にセットし、413でプラットホー
ムの現在の飛行速度vを参照してT1 がクラッタ抑圧の
条件(1)を満足するか確認し、212で繰返周期がT
1 であるパルスを送信し、213で受信し受信信号波形
を記憶し、214で受信電力の有無を判断し、414で
整数i1 をインクリメントし、216で見掛けの目標距
離X1 (図17中、B参照)を計測し、417で整数i
1 を記憶する。421,423,222,223,22
4,424,226,427は、それぞれ411,41
3,212,213,214,414,216,417
に準じて、見掛けの目標距離X2 (図17中、D参照)
を計測し記憶する処理ステップである。422は2次元
テーブルN2 からi1 行目i2 番目の整数値N
2 (i1 ,i2)を取り出し、これに単位時間Δを乗じ
た値を第2の送信パルス繰返周期であるT2 にセットす
る処理ステップである。201で記憶した第1の受信パ
ルス(図17中、B参照)と第2の受信パルス(図17
中、D参照)の相関信号(図17中、F参照)を算出
し、202で受信パルス相関信号から目標距離を算出す
る。412,422で参照する1次元テーブルN1 、2
次元テーブルN2 は、予め作成しておく。以上の処理ス
テップにおいて、411,412,413,212,2
13,214,414,216,417が、第1の送信
パルスの繰返周期であるT1 を決定し、このT1 の繰返
周期で送受信する第1の送受信ステップであり、42
1,422,423,222,223,224,42
4,226,427が、第2の送信パルスの繰返周期で
あるT2 を決定し、この繰返周期で送受信する第2の送
受信ステップであり、201,202が、上記X1 ,X
2 を用いて真の目標距離X0 を算出する信号処理ステッ
プである(図16参照)。
【0029】図3は、本発明の実施例2を示すマルチP
RF法を用いた測距方法において参照するテーブル
1 、テーブルN2 を作成するフローチャートの例を示
す。ここで得るテーブルN1 、テーブルN2 は図1の実
施例1のマルチPRF法を用いた測距装置のPRI参照
テーブル1602においても用いるものである。図3に
おいて、先ず、502は一次元テーブルN1 のi1 番目
の要素N1 (i1 )に整数値i1 をセットし、504は
二次元テーブルN2 のi1 行目i2 番目の要素N2 (i
1 、i2 )に整数値i2 をセットし、505はi1 、i
2 の最小公倍数(LCM)を算出し、この値にΔを乗じ
た値をT0 にセットする処理である。506はT0
(c/2)を乗じ、最低限確保したい目標確定距離の限
界Rlim と比較し、507はi1 、i2 の最大公約数
(GCM)を算出し、この値を二次元配列Fのi1 行目
2 番目の要素F(i1 、i2 )にセットする処理、5
08は二次元配列F(i1 、i2 )に0をセットする処
理、509、512はそれぞれi2 、i1 が最大値I
max に達したか判断する処理、510はテーブルN2
各行それぞれ、対応するF(i1 、i2 )の大きさを比
較して、Fが大きい順番で要素N2 (i1 、i2 )をソ
ートする処理、511は配列Fの各行それぞれ、要素F
(i1 、i2 )のi2 についての平均値を求め、これを
一次元配列Gのi1 番目の要素G(i1 )にセットする
処理、513はG(i1 )の大きさを比較して、Gが大
きい順番でテーブルN1 の要素N1 (i1 )をソートす
る処理、514はG(i1 )の大きさを比較して、Gが
大きい順番にテーブルN2 の行N2 (i1 、i2 )を行
単位でソートする処理である。ここで、Imin ,Imax
は、i1 ,i2 に用いることができる整数のそれぞれ下
限、上限である。
【0030】次に、図3に従ってテーブルN1 、テーブ
ルN2 を作成する過程を、Imin =8,Imax =10,
lim /(Δc/2)=33.5とした数値例につい
て、表1〜表7を参照して説明する。表1は、図3中、
502処理後の1次元テーブルN1 (i1 )を示す。表
2は、図3中、504処理後の2次元テーブルN2 (i
1 ,i2 )を示す。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】表3は、図3中、505処理におけるLC
M(i1 ,i2 )の値を示す。表4は、図3中、509
処理後の2次元配列F(i1 ,i2 )を示す。
【0034】
【表3】
【0035】
【表4】
【0036】表5は、図3中、510処理後の2次元テ
ーブルN2 (i1 ,i2 )を示す。
【0037】
【表5】
【0038】表6は、図3中、511処理後の1次元配
列G(i1 )を示す。表7は、図3中、513処理後の
1次元テーブルN1 (i1 )を示す。表8は、図3中、
514処理後の2次元テーブルN2 (i1 ,i2 )を示
す。
【0039】
【表6】
【0040】
【表7】
【0041】
【表8】
【0042】図3において、506で、N1 、N2 で決
まる確定できる目標距離が、最低限界Rlim を確保でき
るかどうかの判断であり、確保できる場合は507でF
(i1 ,i2 )にN1 とN2 の最大公約数(GCM)を
与え、確保できない場合は508でF(i1,i2 )を
0と与える。従って、二次元配列F(i1 ,i2 )は表
4に示す値になる。二次元テーブルN2 (i1 ,i2
は、図5中、510の処理により、各行ごとに要素N2
(i1 ,i2 )がF(i1 ,i2 )の大きさの順にソー
トされるため、表2から表5に示す順番に変わる。例え
ば、i1 =8の行は、表2では、 N2 (8,8)=8,N2 (8,9)=9,N2 (8,
10)=10 となっているが、表4では、 F(8,8)=0,F(8,9)=1,F(8,10)
=2 であるから、表5では、 N2 (8,8)=10,N2 (8,9)=9,N
2 (8,10)=(用いない) と順番が変わる。従って、この順番(表5に示すテーブ
ルN2 の行方向の順番)は、対応するN1 に対し、確定
できる目標距離の最低限界Rlim を確保するN1 とN2
の組合せの中で、最大公約数(GCM)が大きい順番に
なっている。表6は、表4の行方向の平均値を示してい
る。例えばi1 =9の行は、表4では、 F(9,8)=1,F(9,9)=0,F(9,10)
=1 であるから、G(9)=0.66となる。図5中、51
3の処理により、N1 (i1 )は、G(i1 )の大きさ
の順にソートされるため、表1から表6に示す順番に変
わる。従って、表6に示すテーブルN1 の順番は、最大
公約数(GCM)の期待値が大きな順番になっている。
514の処理は、513のテーブルN1 の順番変更処理
に合わせて、テーブルN2 のi1 の順番を変更するもの
である。この数値例では、513でテーブルN1 のN1
(9)とN1 (10)とを交換したから、テーブルN2
はi1 =9の行N2 (9,i2 )とi1 =10の行N2
(10,i2 )とを交換して表8に示すように変更され
る。表7がテーブルN1 の最終結果で、表8がテーブル
2 の最終結果である。
【0043】次に、実施例2を示すマルチPRF法を用
いた測距方法の概要について図2,3を参照して説明す
る。412により第1の送信パルス繰返周期であるT1
が決定されるが、414によりi1 がインクリメントさ
れるに従って、図5で予め作成したテーブルN1 の順番
で繰返周期であるT1 が切り替えられる。従って、21
6で見掛けの目標距離X1 を計測する際に使用される第
1の受信パルスには、クラッタ抑圧可能でなおかつ受信
電力が確保される繰返周期の中で、n1 とn2 の最大公
約数(GCM)の期待値が最も高い繰返周期が使用され
る。同様に、422により第2の送信パルス繰返周期で
あるT2 が決定されるが、414によりi2 がインクリ
メントされるに従って、図5で予め作成したテーブルN
2 の第i1 行目の順番で繰返周期が切り替えられる。こ
の行選択番号i1 は417で記憶された値である。従っ
て、226で見掛けの目標距離X2 を計測する際に使用
される第2の受信パルスには、クラッタ抑圧可能でなお
かつ受信電力が確保される繰返周期の中で、第1の受信
パルスで用いられたn1 に対し、最もn1 とn2 の最大
公約数(GCM)が最も高い繰返周期が使用される。す
なわち、実施例のマルチPRF法では、測距に用いられ
る2パルスの繰返周期を決定するn1 とn2 は、与えら
れ条件を満足する組合せの中で、その最大公約数(GC
M)が最も高くなるものが用いられる。
【0044】次に、n1 とn2 の最大公約数(GCM)
を高くすると、測距結果に大きな誤りが生じにくくなる
ことについて説明する。図17では、真の目標距離上で
受信パルス1のB4 と受信パルス2のD3 のタイミング
が一致し、他の受信パルスの組合せ、B1 とD1 、B2
とD1 、B2 とD2 、B3 とD2 、B5 とD4 、B1
4 では相関がないことが、正しい測距結果を得る条件
である。図18では測定誤差e1 ,e2 のためB2とD
1のタイミングが一致してしまい、測距結果に大きな誤
りを生じた。逆に、受信パルスの組合せ、B1 とD1
2 とD1 、B2 とD2 、B3 とD2 、B5 とD4 、B
1 とD4 の間の時間差が大きい程、目標測距結果は誤り
くくなる。
【0045】受信パルス1のBi(i=1,2,・・,
5)とt=0にある送信パルスとの時間差X1iは、見掛
けの目標距離X1 、繰返周期としてT1 を用い、次式で
表される。 X1i=X1 +(i−1)T1 (4) 同様に、受信パルス2のDj(j=1,2,・・,4)
の時間差X2jは、次式で表される。 X2j=X2 +(j−1)T2 (5) マルチPRF法の測距原理はタイミングが互いに一致す
るパルスを探すことであるから、 X1i=X2j 即ち、 X1 +(i−1)T1 =X2 +(j−1)T2(6) を満足するiまたはjを求め、このiまたはjを式
(4)または式(5)に代入して得られるX1iまたはX
2jを目標距離とすることと等価である。ここで式(6)
の両辺のT2 に関する剰余をとると、jが消去され式
(6)は次式にかわる。 X2 =MBi (7) MBi =MOD[X1 +(i−1)T1 ,T2 ] (i=1,2,・・,5) (8) MOD[*,T2 ]はT2 に関する剰余を意味する。即
ち、受信パルスB1 とD1 、B2 とD1 、B2 とD2
3 とD2 、B5 とD4 、B1 とD4 の時間差がより大
きいことは、MBi (i=1,2,・・,5)の互いの
間隔が広いことと等価となる。従って、MBi の互いの
間隔が広いことは、目標測距結果に大きな誤りを生じに
くくすることと等価になる。
【0046】式(8)で定義されるMBi の位置は、図
4中、Gに示される。図4からも明らかなように、MB
i の互いの間隔は等間隔となり、これをδで示す。δは
図4の例では、 δ=MB1 −MB2=MB5 −MB2 =MB4 −MB5
MB3 −MB4 =(MB2 +T2 )−MB3 である。MBi の個数は、図4中、B,CよりT0 /T
1 であり、MBi は区間0〜T2 をδで等分する。従っ
て、MBi の互いの間隔δは次式で与えられる。 δ=T2 /(T0 /T1 ) (9) 今、互いに素である整数k1 、k2 を用いてT0
1 ,T2 を表すと、式(2),(3)から以下の関係
式が成り立つ。 ここで、LCM(n1 ,n2 )は整数n1 ,n2 の最小
公倍数、GCM(n1,n2 )は整数n1 ,n2 の最大
公約数を意味する。従って、式(9)に式(10),
(11)を代入すると、 δ=GCM(n1 ,n2 ) (12) が成り立つ。即ち、MBi の互いの間隔は第1の送信パ
ルスと第2の送信パルスの最大公約数で与えられる。
【0047】以上説明したように、本実施例では第1の
送信パルスと第2の送信パルスの最大公約数が可能な限
り高い値になるような繰返周期が用いられるようにした
ため、目標測距結果に大きな誤りが生じにくくなる。本
実施例ではテーブルN1 ,N2 を予め作成するが、リア
ルタイムで計算して作成してもよい。
【0048】また、本実施例では第2の送信パルスの繰
返周期と共に第1の送信パルスの繰返周期も第1と第2
繰返周期の最大公約数の期待値が高い順番に優先使用す
るように定めたが、単に第2の送信パルスの繰返周期の
みの選択順序を定める場合でも、同様な効果が期待され
る。
【0049】以上、本実施例2ではマルチPRF法を用
いた測距方法として、互いに異なる2種類のPRFを用
いる場合について説明したが、3種類以上のPRFを用
いる場合も同様な繰返周期の選択方法をとることができ
る。例えば、3種類のPRFを用いる場合であれば、第
3の繰返周期の選択法として以下の式を用い、δ3が大
きい順番に第3の送信パルスの繰返周期であるT3(=
Δ・n3 )を決定することにより、受信パルスの送信パ
ルスとの見掛けの時間差に誤差を含むときも、測距結果
に大きな誤りが生じにくくなるという効果がある。 δ3=GCM(LCM(n1 ,n2 ),n3 ) ここで、LCM(n1 ,n2 )は整数n1 ,n2 の最小
公倍数、GCM(n1,n2 )は整数n1 ,n2 の最大
公約数を意味する。
【0050】さらに、一般に、J種類(j=1,2,・
・,J)のPRFを用いる場合であれば、第Jの繰返周
期の選択法として以下の式を用い、δJが大きい順番に
第Jの送信パルスの繰返周期であるTJ (=Δ・nJ
を決定することにより、受信パルスの送信パルスとの見
掛けの時間差に誤差を含むときも、測距結果に大きな誤
りが生じにくくなるという効果がある。 δJ=GCM(LCM(J-1) ,nJ ) ここで、LCM(J-1) は整数n1 ,n2 ,・・,n(J-1)
の最小公倍数、GCM(n1 ,n2 )は整数n1 ,n2
の最大公約数を意味する。
【0051】実施例3.本発明の実施例3を図を参照し
て説明する。図5は、本発明の実施例3を示すマルチP
RF法を用いた測距方法において、参照するテーブルN
1 、テーブルN2 を作成するフローチャートの例を示
す。本実施例3は、先の実施例2と比べて、繰返周期を
変えても最大探知距離、検出確率が変わらないよう、デ
ューティ比(=パルス幅/繰返周期)を繰返周期に依存
しないように一定に保ち、見掛けの目標距離Xj を距離
ディスクリを用いて計測するパルスドップラーレーダに
おける測距方法である。図5中、707はi1 ,i2
最大公約数(GCM)を算出し、この値を(i1
2 )で除した値を、2次元配列Fのi1 行目i2 番目
の要素F(i1 ,i 2 )にセットする処理である。図
中、図3と同一ステップには同一符号を付し説明を省略
する。従って、図5により求まるテーブルN1 ,N
2 は、 GCM(n1 ,n2 )/(n1 +n2 ) の期待値が大きい順番になっている。
【0052】デューティ比をD、第jの送信パルスのパ
ルス幅をτj 、第jの送信パルスの繰返周期をTj で示
すと、τj は次式で与えられる。 τj =D・Tj (13)
【0053】実施例2を示す図2のマルチPRF法を用
いた測距方法を示すフローチャートにおける見掛けの目
標距離X1 ,X2 を計測するステップ216、226
を、距離ディスクリを用いて行う場合は、例えば、D.K.
BARTON: “MODERN RADAR SYSTEM ANALYSIS”,ARTECH HO
USE,pp.379-383(1988)に示されているように、Xj の計
測誤差ej の大きさの期待値<|ej |>はパルス幅τ
j に比例する。従って、<ej >は比例定数Aeを用い
て、 <|ej |>=Ae・Tj (14) と表される。式2に定義したようにTj =Δ・nj であ
るから、第1の受信パルスにかかる計測誤差e1 と第2
の受信パルスにかかる計測誤差e2 の和の期待値は、次
式で与えられる。 <|e1 +e2 |> ≦ Δ・(n1 +n2 )(15) 即ち、送信パルスの繰返周期を大きくすると、最大公約
数も大きくなる傾向にあるが、受信パルスの送信パルス
との見掛けの時間差に含まれる誤差も増加する。そこ
で、本実施例3では、誤差の大きさ(n1 +n2 )に対
して、第1と第2の送信パルスの繰返周期の最大公約数
GCM(n1 ,n2 )を高い値にすると、目標測距結果
に大きな誤りが生じにくくなる。従って、本実施例3で
は評価関数である次式が、可能な限り高い値をとる繰返
周期を用いるようすることにより、目標測距結果に大き
な誤りが生じにくくなる。 GCM(n1 ,n2 )/(n1 +n2
【0054】実施例4.図6,図7は本発明の実施例4
を示すマルチPRF法を用いた測距方法のフローチャー
トである。図7は図6の続きである。この実施例では互
いに異なる3種類の送信信号の繰返周期を有するマルチ
PRF法を用いた測距方法を例として説明する。図6,
図7のフローチャートにおいて、先ず、411から21
6まで、実施例2の図2において説明に準じて第1の送
信パルスの繰返周期T1 に基づき、見掛けの目標距離X
1 を計測する処理ステップである。813で第1の受信
パルスの目標存在領域幅σ1 を計算し、814で216
で計測した見掛けの目標距離X1 と813で算出した目
標存在領域幅σ1 とを用いて、第1の受信パルスによる
目標存在領域を算出する。次いで、421から226ま
で、実施例2の図2の説明に準じて第2の送信パルスの
繰返周期T2 に基づき、見掛けの目標距離X2 を計測す
る処理ステップである。823で第2の受信パルスの目
標存在領域幅σ2 を計算し、824で226で計測した
見掛けの目標距離X2 と823で算出した目標存在領域
幅σ2 とを用いて、第2の受信パルスによる目標存在領
域を算出する。第2の受信による目標存在領域を算出
し、次いで、431から236まで、実施例2の図2に
おいて説明に準じて第3の送信パルスの繰返周期T3に
基づき、見掛けの目標距離X3を計測する処理ステップ
である。833で第3の受信パルスの目標存在領域幅σ
3 を計算し、834で236で計測した見掛けの目標距
離X3 と833で算出した目標存在領域幅σ3 とを用い
て、第3の受信パルスによる目標存在領域を算出する。
801で上記第1の受信による目標存在領域と第2の受
信による目標存在領域との相関信号を計算し、802で
直前までの目標存在領域と第3の受信による目標存在領
域と相関信号を計算して新たな目標存在領域を求め、8
03で801または802における相関計算後の目標存
在領域が一領域に絞られたか否かを判断し、804で目
標存在領域の中心位置を求める処理である。図中、図2
のフローチャートと同一ステップは同一符号を付し説明
を省略する。なお、上記の812,822,832はそ
れぞれは第1と第2と第3の送信パルスの繰返周期を決
定する処理ステップであるが、ここで参照するテーブル
1,N2 ,N3 は、実施例2で求めたものと同一のも
のでも、その他簡単に、例えばN1 (i1 )=i1 ,N
2 (i2 )=i2 ,N3 (i3 )=i3 としたものでも
よい。
【0055】次に、本実施例4の図6,7に示すマルチ
PRF法を用いた測距方法を図8に示すタイミングチャ
ートを参照して説明する。図6のステップ216で第1
の受信パルスの見掛けの目標距離X1 を求めることによ
り、図8中、Bに示すB1 ,B2 ,・・,B5 のタイミ
ングが定まる。図6のステップ813で求める第1の受
信パルスによる目標存在領域幅σ1 は、受信パルスのタ
イミングの測定誤差e1 に対し、 σ1 >|e1 の最大値| (16) となるように与えられる。σ1 はパルス幅τ1 とは一般
に異なる値である。図6のステップ814で求める第1
の受信パルスによる目標存在領域は、受信パルスのタイ
ミングBj (j=1,2,・・,5)を中心とした±σ
1 の区間とする。即ち、第1の受信パルスによる目標存
在領域は、図8中、Bのハッチした部分に示すように、 Bj −σ1 ≦t≦Bj +σ1 (j=1,2,・・,5) (17) の複数区間である。同様に、図7のステップ823,8
24においても同様な処理で、図8中、Dのハッチした
部分に示すように、目標存在領域幅σ2 を持った第2の
受信パルスによる目標存在領域を算出する。801で上
記第1と第2の受信パルスによる目標存在領域の相関を
求めることにより、相関処理後の目標存在領域は図8
中、Fに示すように絞られる。以上のように、目標存在
領域が受信パルスのタイミング測定誤差e1 ,e2 より
広い幅を持つため、真の目標距離上(図8中、Fにおけ
るF3)では相関信号ピークが失せることはなくなる。
一方、図8中、FにおけるF1,F2,F4に示すよう
に、真の目標距離以外のタイミングでも相関信号はピー
クを持つ場合があるが、図7の834で、新たに第3の
受信パルスによる目標存在領域(図8中、Hに示す)を
算出し、802で図8中、Fと図8中、Hの相関を求め
ることにより、図8中、Iに示すように、目標存在領域
を1箇所に絞り込むことができる。もし、1箇所に絞り
込むことができない場合には、第3の送信パルスの繰返
周期であるT3 を切り替えて、目標存在領域が1箇所に
なるまで第3の受信パルスによる目標存在領域との相関
処理を行う。804で1箇所に絞り込まれた目標存在領
域の中心点を求めて、これを目標距離の推定値R0 とす
る。
【0056】以上説明したように実施例4の測距方法で
は、受信パルスのタイミングを計測する際に誤差が存在
しても、目標存在領域が幅を持つため、真の目標距離近
傍で相関信号がピークを失うことはなく、目標距離を確
実に確定できる。本実施例4では、パルス幅τに対して
目標存在領域幅σが大きい場合について説明したが、逆
に、パルス幅τに対して目標存在領域幅σが小さい場合
は、真の目標と関係のないタイミングに相関信号のピー
クが現れにくく、短時間に真の目標が絞られ、捜索時間
が短縮される。
【0057】実施例5.図6,図7は本発明の実施例4
を示すマルチPRF法を用いた測距方法のフローチャー
トである。本発明は、図6,図7の見掛けの目標距離X
j を計測する処理216,226を距離ディスクリを用
いて行う測距方法である。見掛けの目標距離Xj を距離
ディスクリによる計測の際の測定誤差の絶対値の期待値
<|ej |>は、例えば、D.K.BARTON: “MODERN RADAR
SYSTEM ANALYSIS”,pp.379-383 ,ARTECH HOUSE(1988)
の文献に示されているように、次式で与えられる。 <|ej |>=τj /(SNR)1/2 (18) τj はパルス幅、SNRは信号対雑音電力比である。そ
こで式(16)に基づき、第jの受信による目標存在領
域幅σj を次式のように決定する。 σj =a・τj /(SNR)1/2 (19) ここで、aはjに依存しない比例定数で、測定誤差はガ
ウス分布であるから、a=2.0とすると、おおよそ9
6%の確率で式(16)が成立する。従って、真の目標
距離近傍で相関信号のピークを失うことが極めて小な
く、目標距離が確定できない度合いは極めて小さくな
る。
【0058】本実施例5は、図6,図7のフローチャー
トにおいて、ステップ813の処理が、ステップ214
で計測される信号対雑音電力比(SNR)と、ステップ
812で決定される繰返周期であるT1 から求められる
パルス幅τ1 とを用いて、第1の受信による目標存在領
域幅σを次式によりと算出する。 σ1 =a・τ1 /(SNR)1/2 同様に、ステップ823、833が目標存在領域幅σを
それぞれ σ2 =a・τ2 /(SNR)1/2 σ3 =a・τ3 /(SNR)1/2 と算出する。SNRは見掛けの目標距離Xj と繰返周期
であるTj によって変化するから処理214で逐次算出
する。
【0059】以上説明したように本実施例5の測距方法
では、実施例4の測距方法と同様に受信パルスのタイミ
ングを計測する際に誤差が存在しても、目標存在領域が
幅を持つため、真の目標距離近傍で相関信号がピークを
失うことは少なく、目標距離を確定できないという度合
いは極めて少なくなる。なお、上記実施例5では、式
(19)の定数aをa=2.0としたが、他の正定数の
場合も、所定の確率で同様の効果がある。
【0060】実施例6.図9は本発明の実施例6を示す
マルチPRF法を用いた測距方法のフローチャートであ
り、送受信アンテナを共有するパルスドップラレーダに
おける測距方法を示す。図9において、先ず、411か
ら417までのステップは、実施例2の図2において説
明した第1の送信パルスの繰返周期T1 に基づき、見掛
けの目標距離X1 を計測し、記憶するステップに準じて
いる。1012でテーブルN1 を参照してこれに時間単
位Δを乗じた値を第1の送信パルスの繰返周期とし、1
001でエクリプスの期待値に基づいてテーブルN2
作成し、1022でテーブルN2 を参照してこれに時間
単位Δを乗じた値を第2の送信パルスの繰返周期とする
処理である。ここで、図2と同一ステップは同一符号を
付し説明を省略する。
【0061】図11は図9のステップ1001において
テーブルN2 を作成する例を示すフローチャートであ
る。図11において、先ず、1201で1次元テーブル
2 のi2 番目の要素N2 (i2 )に整数値i2 をセッ
トし、1202でN2 (i2 )に時間単位Δを乗じた値
をT2 にセットし、T2 をディューティ比Dで除した値
をτ2 にセットし、1203で1次元配列E(i2 )に
0をセットし、1204でmに1をセットし、1205
で1202でセットしたT2 と、図9の1012でセッ
トしたT1 と、図9の216で計測したX1 と、を用い
て、MBm を MBm =MOD[X1 +(m−1)T1 ,T2 ] とセットする処理である。1206で1202でセット
したT2 とτ2 とを用いて、受信タイミングMBm にお
けるエクリプス値Ec(MBm )を計算し、1207で
1206で求めたEc(MBm )をE(i2 )に加算
し、1208で整数mが、505で求めたT0 を図9の
1012でセットしたT1で除した値に達したかどうか
を判断し、1209で整数mをインクリメントし、12
10でE(i2 )を(T0 /T1 )で除算し、1211
でE(i2 )に十分大きな値をセットし、1212でE
(i2 )の大きさを比較してEが小さい順番にN2 (i
2 )をソートする処理である。ここで、Imin ,Imax
はi2 に用いることができる整数のそれぞれ下限、上限
である。図中、図3と同一ステップには同一符号を付し
説明を省略する。
【0062】図11に示したテーブルN2 を作成する例
について図10を参照して説明する。送受信アンテナを
共有するパルスドップラレーダでは、送信信号の漏れ込
みによる受信機の損傷を防止するため、送信時には受信
機を遮断している。このため、送信時に目標からのエコ
ーがアンテナに受信されても、送信パルスに切断され、
受信電力の損失が起こる。このことをエクリプスと言
う。エクリプスによる受信損失電力Ec(X)は、受信
パルスの見掛けの目標位置Xの関数で、繰返周期、パル
ス幅τが与えられれば図10中、Jに示すように一意に
決定される。いま、繰返周期がT2 の第2の送信パルス
を送信したと仮定する。このときの第1の受信パルスが
見掛けの位置がX1 であれば、エクリプスによる受信損
失電力Ecの期待値<Ec>は次式で与えられる。
【0063】
【数1】
【0064】ここで、MBm は式(8)に定義される第
1の受信パルス位置のT2 に関する剰余であり、k2
MBm の個数で、式(11)に定義されるT0 を用い、 k2 =T0 /T1 (21) で与えられる整数である。式(20)の導出を図4を参
照して説明する。第1の受信パルスが見掛けの位置がX
1 であれば、目標位置は必ず、 Bm =X1 +(m−1)T1 (m=1,2,・・,5) のいずれかに存在する。このとき、第2の受信パルスの
見掛けの位置X2 は、区間0≦t≦T2 にあるから、B
m のT2 についての剰余、即ちMBm のいずれかと一致
する。例えば、目標位置がB4 にあった場合は、図4
中、Dに示すように、X2 はMB4 で与えられる。つま
り、第2の受信パルスの見掛けの位置X2 は、MB1
MB2 ,・・,MB5 以外の値を取り得ない。従って、
第2の受信パルスのエクリプスによる受信損失電力Ec
の値は、Ec(MB1 ),Ec(MB2 ),・・,Ec
(MB5 )のいずれか一個の値になる。MB1 ,M
2 ,・・,MB5 がX2 である確率は等しいから、期
待値<Ec>は式(20)で与えられる。第2の送信パ
ルスの繰返周期であるT2 を変えれば、MBm の値も変
わるため、<Ec>も変わってくる。
【0065】図11を参照して、繰返周期がT1 の第1
の送信パルスを送信して、第1の受信パルスが見掛けの
目標位置X1 に現れたとき、第2の送信パルスにどのよ
うな繰返周期のT2 を用いれば最もエクリプスによる受
信損失電力Ecの期待値<Ec>が小さくなるかを説明
する。1201,1202で第2の送信パルスの候補と
なる繰返周期であるT2 の値を求め、1205でMBm
を求め、1206でT2 ,τ2 からエクリプスEc(M
m )を求める。エクリプス関数Ec(X2 )は、例え
ば図10中、Jに示すように、
【0066】
【数2】
【0067】で与えられる。1207で式(20)のΣ
Ec(MBm )を求め、1210でΣEc(MBm )を
2 で除す。1205,1206,1207,120
8,1209,1210の処理が、式(20)の演算を
おこない損失電力の期待値<Ec>を求める。505,
506,1211は、確定できる目標距離の最低限界R
min を確保できないT2 を排除する処理である。121
2でN2 (i2 )はE(i2 )の小さい順序でソートさ
れるため、テーブルN2 (i2 )の順番はエクリプスに
よる受信損失電力の期待値<Ec>が小さい順番に変わ
る。
【0068】図9に示したマルチ繰返周期を用いた測距
方法について説明する。ステップ1022で第2の送信
パルス繰返周期であるT2 が決定されるが、ステップ4
24でi2 がインクリメントされるに従って、図11で
算出するテーブルN2 の順番で繰返周期のT2 が切替え
られる。従って、222で送信される第2のパルスの繰
返周期は、エクリプスによる受信損失電力の期待値<E
c>が最も小さい繰返周期から使用される。従って、本
発明による測距方法によれば、第2の送信パルスを送信
する時にはエクリプスの起こりにくい繰返周期から使用
するため、第2の送信パルスの繰返周期を切替える回数
が少なくてよく、目標距離確定までの観測時間を短縮す
ることができる。
【0069】ステップ1012は第1の送信パルスの繰
返周期を決定する処理であるが、参照するテーブルN1
は図2で参照するものに限らず、例えば簡単にN1 (i
1 )=i1 としたものでもよい。また、エクリプスによ
る受信損失電力Ecを計算する際に、第2の受信パルス
の見掛けの位置X2 を、第1の受信パルス位置Bm のT
2 についての剰余、即ちMBm から求めたが、直接第1
の受信パルス位置Bm から換算してもよい。また、12
02でパルス幅τ2 を決める際に、ディューティ比Dを
固定しているが、Dはパルス毎に変化するものであって
もよい。実施例の説明では、図9に示したように2種類
の繰返周期のパルスを用いて測距を完了する場合を示し
たが、図6,図7に示すように3種類の繰返周期のパル
スを用いて測距を完了する場合にも、第2のみならず、
同様な方法で第3以降の送信パルスに用いる繰返周期の
使用順序を変えて、第3以降の受信パルスのエクリプス
による受信損失電力の期待値を小さくすることによって
も、目標距離確定までの観測時間を短縮することができ
る。
【0070】実施例7.図12は本発明の実施例7を示
すマルチPRF法を用いた測距方法のフローチャートで
あり、見掛けの目標距離Xm を計測する際に距離ディス
クリを用いる測距方法を示す。図中、1301はゲート
受信電力の期待値をもとにテーブルN2 を作成する処理
である。図2、図9と同一ステップには同一符号を付し
説明を省略する。
【0071】図14は、図12のステップ1301にお
いてテーブルN2 を作成する例を示すフローチャートで
ある。図14のフローチャートにおいて、先ず、150
6で1202でセットしたT2 とτ2 とを用いて、受信
位置MBm におけるゲート受信電力Pg(MBm )を計
算し、1507で1506で求めたPg(MBm )をE
(i2 )に加える処理、1511でE(i2 )に0をセ
ットし、1512でE(i2 )の大きさを比較して、E
が大きい順番にN2 (i2 )を同時にソートする処理で
ある。図中、図3、図11と同一ステップには同一符号
を付し説明を省略する。
【0072】図14に示したテーブルN2 を作成する例
について図13を参照して説明する。距離ディスクリの
受信ゲートは、例えば、図13中、Gに示されるような
第2の送信パルス繰返周期のT2 と同期したタイミング
に開かれる。従って、目標からのエコーがアンテナに受
信されても、受信パルス位置と受信ゲートとのタイミン
グのずれのために受信電力の損失が起こる。受信ゲート
で捕らえられる受信電力Pg(X)は、受信パルスの見
掛けの目標位置Xの関数で、繰返周期、パルス幅τが与
えられれば、図13中、Kに示すように一意に決定され
る。今、繰返周期のT2 で第2の送信パルスを送信した
と仮定する。このときの第1の受信パルスが見掛けの位
置がX1 であれば、ゲート受信電力Pgの期待値<Pg
>は次式で与えられる。
【0073】
【数3】
【0074】ここで、MBm は式(8)に定義される第
1の受信パルス位置のT2 に関する剰余であり、k2
MBm の個数で、式(21)で与えられる。式(23)
の導出を説明する。第1の受信パルスが見掛けの位置が
1 であれば、第2の受信パルスの見掛けの位置X
2 は、MB1 ,MB2 ,・・,MB5 以外の値を取り得
ない。従って、ゲート受信電力Pgの値は、Pg(MB
1 ),Pg(MB2 ),・・,Pg(MB5 )のいずれ
か一個の値になるから、期待値<Pg>は式(23)で
与えられる。第2の送信パルスの繰返周期のT2 が変わ
れば、MBm の値も変わるため、<Pg>も変わってく
る。
【0075】図14を参照して、繰返周期がT1 の第1
の送信パルスを送信して第1の受信パルスが見掛けの目
標位置X1 に現れたとき、第2の送信パルスにどのよう
な繰返周期のT2 を用いれば最もゲート受信電力Pgの
期待値<Pg>が高くなるかを説明する。以下の説明で
は受信ゲートの中心位置をTgで、ゲート幅をパルス幅
τgで表す。1506でT2 ,τ2 からゲート受信電力
Pg(MBm )を求めるが、ゲート受信電力Pgは、例
えば図13中、Kに示すように、
【0076】
【数4】
【0077】で与えられる。1205,1506,15
07,1208,1209,1210の処理が、式(2
3)の演算をおこないゲート受信電力Pgの期待値<P
g>を求める。1512でN2 (i2 )はE(i2 )の
大きな順序でソートされるため、テーブルN2 (i2
の順番はゲート受信電力Pgの期待値<Pg>が大きな
順番に変わる。
【0078】本実施例6のマルチ繰返周期法を用いた測
距方法を図12を参照して説明する。先ず、1322で
第2の送信パルス繰返周期であるT2 を決めるが、42
4によりi2 がインクリメントされるに従って、図14
で作成するテーブルN2 の順番で繰返周期のT2 を切替
える。従って、222で送信される第2のパルスの繰返
周期は、ゲート受信電力Pgの期待値<Pg>が最も大
きい繰返周期から使用される。従って、本実施例の測距
方法によれば、第2のパルス送信時にはゲート受信電力
が統計的に高い繰返周期から用いるため、第2の送信パ
ルスの繰返周期を切替える回数が少なくなり、目標距離
確定までの観測時間を短縮することができる。
【0079】1012は第1の繰返周期を決定する処理
であるが、参照テーブルN1 は図3で作成するものに限
るものでなく、例えば簡単にN1 (i1 )=i1 とした
ものでもよい。また、ゲート受信電力Pgを計算する際
に、第2の受信パルスの見掛けの位置X2 を、第1の受
信パルス位置Bm のT2 についての剰余、即ちMBm
ら求めたが、直接Bm から換算してもよい。実施例の説
明では、図12に示したように2種類の繰返周期のパル
スを用いて測距を完了する場合を示したが、図6,図7
のように3種類の繰返周期のパルスを用いて測距を完了
する場合にも、同様な方法で第3以降の送信パルスに用
いる繰返周期の使用順序を変えて、第2のみならず、第
3以降の受信パルスのゲート受信電力の期待値を高くす
ることにより、目標距離確定までの観測時間を短縮する
ことが可能である。
【0080】
【発明の効果】以上のように、請求項1に係わる発明に
よれば、送信手段において、第1と第2の送信信号の繰
返周期の決定に際して、第1と第2の送信信号の繰返周
期の最大公約数が大きな値になるように、優先順位を決
めることより、信号処理手段において真の目標距離のタ
イミング以外で相関が生じにくく、測定誤差に対する許
容量が増し、測距結果に大きな誤りの発生が少ないマル
チPRF法を用いた測距装置を得ることができる。
【0081】また、請求項2に係わる発明によれば、第
1と第2の送受信ステップでは、第1と第2の送信信号
の繰返周期の決定に際して、第1と第2の送信信号の繰
返周期の最大公約数が大きな値になるように、優先順位
を決めるようにステップを構成し、測距の際に、真の目
標距離のタイミング以外で相関が生じにくくなり、測定
誤差に対する許容度が増し、測距結果に大きな誤りの発
生が少ないマルチPRF法を用いた測距方法を得ること
ができる。
【0082】また、請求項3に係わる発明によれば、第
1の送受信ステップにおいて、第1の送信信号の繰返周
期をn1 に決めたとき、第j(j=2,…,J)の送受
信ステップでは、第1から第(j−1)の送受信ステッ
プ(j=2,…,J)において用いた各送信信号の繰返
周期をn1 ,n2 ,…,n(j-1) として、それらの最小
公倍数をLCM(j-1) で表し、上記LCM(j-1) とnj
の最大公約数をGCM(LCM(j-1) ,n2 )と表すと
き、上記GCM(LCM(j-1) ,nj )の値が高い順番
に整数nj を優先使用して、第jの送信信号の繰返周期
を決定するようにステップを構成し、測距の際に、真の
目標距離のタイミング以外で相関が生じにくくなり、測
定誤差に対する許容度が増し、測距結果に大きな誤りの
発生が少ないマルチPRF法を用いた測距方法を得るこ
とができる。
【0083】また、請求項4に係わる発明によれば、繰
返周期n1 ,n2 の最大公約数をGCM(n1 ,n2
と表して、第1の送受信ステップでは、第1の送信信号
の繰返周期n1 候補に対して選択可能な第2の送信信号
の繰返周期n2 の各組に対して関数[GCM(n1 ,n
2 )/(n1 +n2 )]の期待値が高い順番でn1 を優
先使用して、次いで、第2の送受信ステップでは、上記
第1の送受信ステップで用いた第1の送信信号の繰返周
期n1 に対して関数[GCM(n1 ,n2 )/(n1
2 )]の値が高い順番でn2 を優先使用して、それぞ
れ第1と第2の送信信号の繰返周期を決定するようにス
テップを構成し、測距の際に、真の目標距離のタイミン
グ以外で相関が生じにくくなり、測定誤差に対する許容
度が増し、測距結果に大きな誤りの発生が少ないマルチ
PRF法を用いた測距方法を得ることができる。
【0084】また、請求項5に係わる発明によれば、第
1の送受信ステップでは、第1の送信信号の繰返周期を
1 を決め、第1の送信信号と第1の受信信号との時間
差測定誤差の大きさの上限値をσ1 として、第1の受信
信号の各エコー中心から±σ1 の範囲の第1の目標存在
領域を算出し、次いで、第jの送受信ステップでは、第
j(j=2,…,J)の送信信号の繰返周期をnj を決
定し、第jの送信信号と第jの受信信号との時間差測定
誤差の大きさの上限値をσj として、第jの受信信号の
各エコー中心から±σj の範囲の信号を第jの目標存在
領域を算出するとともに、第1から第jまでの受信信号
の目標存在領域の相関をとり、上記相関処理後の目標存
在領域が1つに絞り込まれた時、上記相関信号を用いて
目標距離を算出するようにステップを構成し、測距の際
に、受信信号のタイミングに測定誤差があっても、マー
ジンσj のため、相関信号のピークの消失が起りにく
く、目標距離を確実に算出することができるマルチPR
F法を用いた測距方法を得ることができる。
【0085】また、請求項6に係わる発明によれば、第
1の送受信ステップでは、第1の送信パルスの繰返周期
1 を決め、第1の送信パルスと第1の受信パルスとの
時間差測定誤差の大きさの上限値を、第1の送信パルス
のパルス幅τ1 、第1の受信パルスの信号電力対雑音電
力比SNR1 、jによらない所定の比例定数aを用いた
次式とし、第1の受信パルスの各エコー中心から±σ1
の範囲の第1の目標存在領域を算出し、 σ1 =a・[τ1 /(SNR1 1/2 ] 同様に、第jの送受信ステップでは、第j(j=2,
…,J)の送信パルスの繰返周期nj を決め、第jの送
信パルスと第jの受信パルスとの時間差測定誤差の大き
さの上限値を次式とし、第jの受信パルスの各エコー中
心から±σj の範囲の第jの目標存在領域を算出する。 σj =a・[τj /(SNRj 1/2 ] さらに、第1から第jまでの受信パルスの目標存在領域
の相関をとり、上記相関処理後の目標存在領域が1つに
絞り込まれた時、上記相関信号のピークを用いて目標距
離を算出するようにステップを構成し、受信パルスのタ
イミングに測定誤差があっても、マージンσj のため、
相関信号のピークの消失が起りにくく、目標距離を確実
に算出することができるマルチPRF法を用いた測距方
法を得ることができる。
【0086】また、請求項7に係わる発明によれば、第
2の送信パルスの繰返周期T2 の候補をTC2 として、
第2の送信パルスを送信する前に、上記第1の受信パル
スの各エコー中心時刻Bm を求め、Bm のTC2 に関す
る剰余MBm を求め、MBmからエクリプスによる第2
の受信パルスの損失電力ECm を求め、ECm のmにつ
いてに平均を求め、このECm の平均値が小さいTC2
を優先して第2の送信パルスの繰返周期T2 に用いるよ
うにステップを構成し、第2の受信パルスの受信時にエ
クリプスの期待値を小さくしたことにより、第2の送信
パルスの繰返周期T2 を切替える回数が減るので、より
短時間の観測で目標距離を確定できるマルチPRF法を
用いた測距方法を得ることができる。
【0087】また、請求項8に係わる発明によれば、第
2の送信パルスの繰返周期T2 の候補をTC2 として、
第2の送信パルスを送信する前に、上記第1の受信パル
スの各エコー中心時刻Bm を求め、Bm のTC2 に関す
る剰余MBm を求め、MBmから距離ディスクリの受信
ゲートの受信電力PGm を求め、PGm のmについてに
平均を求め、このPGm の平均値が大きいTC2 を優先
して第2の送信パルスの繰返周期T2 に用いるようにス
テップを構成し、第2の受信パルスの受信時にゲート受
信電力の期待値を大きくしたことにより、第2の送信パ
ルスの繰返周期T2 を切替える回数が減るので、より短
時間の観測で目標距離を確定できるマルチPRF法を用
いた測距方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示すマルチPRF法を用い
た測距装置の構成図である。
【図2】本発明の実施例2を示すマルチPRF法を用い
た測距方法を示すフローチャートである。
【図3】実施例2において参照する参照テーブルを作成
する例を示すフローチャートである。
【図4】実施例2において最大公約数を高くとると誤差
許容度が増すことを説明する図である。
【図5】実施例3に用いる参照する参照テーブルを作成
する例を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施例4,5を示すマルチPRF法を
用いた測距方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施例4,5を示すマルチPRF法を
用いた測距方法を示すフローチャートである。(図6の
続き)
【図8】本発明の実施例4,5を示すマルチPRF法を
用いた測距方法を説明するタイミングチャートである。
【図9】本発明の実施例6を示すマルチPRF法を用い
た測距方法を示すフローチャートである。
【図10】実施例6においてエクリプスの影響を小さく
すると距離確定までの観測時間を短くできることを説明
する図である。
【図11】図9のステップ1001の処理の一例を示す
フローチャートである。
【図12】本発明の実施例7を示すマルチPRF法を用
いた測距方法を示すフローチャートである。
【図13】実施例7において距離ディスクリで用いる受
信ゲートの受信電力を大きくすると距離確定までの観測
時間を短くできることを説明する図である。
【図14】図12のステップ1301の処理の一例を示
すフローチャートである。
【図15】従来のマルチPRF法を用いた測距装置を示
す構成図である。
【図16】マルチPRF法を用いた測距方法を示す概略
フローチャートである。
【図17】マルチPRF法を用いた測距方法の原理を説
明するタイミングチャートである。
【図18】従来のマルチPRF法を用いた測距方法の測
定誤差と測距誤りについて説明するタイミングチャート
である。
【符号の説明】
251 送信機 252 受信機 253 送受切替器 254 アンテナ 256 MTIフィルタ 257 距離相関回路 258 信号処理装置 1601 基準信号発生器 1602 PRI参照テーブル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岡村 敦 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株 式会社 電子システム研究所内 (72)発明者 桐本 哲郎 鎌倉市大船五丁目1番1号 三菱電機株 式会社 電子システム研究所内 (72)発明者 尾崎 敏樹 鎌倉市上町屋325番地 三菱電機株式会 社 鎌倉製作所内 (56)参考文献 特開 昭55−5936(JP,A) 特開 昭59−193378(JP,A) 特開 平3−105276(JP,A) 特開 平4−49887(JP,A) 特開 平6−317653(JP,A) 特開 平3−78682(JP,A) 特開 平1−187480(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01S 7/00 - 7/42 G01S 13/00 - 13/95

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)(b)(c)の構成要素を
    備えたことを特徴とするマルチPRF法を用いた測距装
    置、 送信信号の繰返周期を整数nj (j=1,2)と単位時
    間Δとの積で表し(以下、繰返周期を整数nj で表
    す)、 (a)第1の送信信号の繰返周期を決定するに際し、第
    1の送信信号の繰返周期n1 に対して選択可能な第2の
    送信信号の繰返周期n2 の組の最大公約数GCM
    (n1 ,n2 )の期待値が高い順番でn1 を優先使用
    し、次いで第2の送信信号の繰返周期を決定するに際
    し、上記第1の送信信号の繰返周期として使用したn1
    に対して第2の送信信号の繰返周期n2 の組の最大公約
    数の値が高い順番でn2 を優先使用する送信手段、 (b)上記各送信信号の目標からの反射波を受信する受
    信手段、 (c)上記第1と第2の送信信号の反射波である第1と
    第2の受信信号の相関信号を用いて目標距離を算出する
    信号処理手段。
  2. 【請求項2】 以下の(a)(b)(c)のステップを
    備えたことを特徴とするマルチPRF法を用いた測距方
    法、 送信信号の繰返周期を整数nj (j=1,2)と単位時
    間Δとの積で表し(以下、繰返周期を整数nj で表
    す)、 (a)第1の送信信号の繰返周期n1 に対して選択可能
    な第2の送信信号の繰返周期n2 の組の最大公約数GC
    M(n1 ,n2 )の期待値が高い順番でn1 を優先使用
    して、送信信号の繰返周期を決定する第1の送受信ステ
    ップ、 (b)上記第1の送受信ステップで用いた第1の送信信
    号の繰返周期n1 に対して最大公約数GCM(n1 ,n
    2 )の値が高い順番でn2 を優先使用して、送信信号の
    繰返周期を決定する第2の送受信ステップ、 (c)上記第1と第2の送受信ステップで得られた受信
    信号の相関信号を用いて目標距離を算出する信号処理ス
    テップ。
  3. 【請求項3】 以下の(a)(b)(c)のステップを
    備えたことを特徴とするマルチPRF法を用いた測距方
    法、 送信信号の繰返周期を整数nj (j=1,…,J)と単
    位時間Δとの積で表し(以下、繰返周期を整数nj で表
    す)、 (a)第1の送信信号の繰返周期をn1 とする第1の送
    受信ステップ、 (b)次いで、第1から第(j−1)の送受信ステップ
    (j=2,…,J)に用いた各送信信号の繰返周期をn
    1 ,n2 ,…,n(j-1) としてそれらの最小公倍数をL
    CM(j-1) で表し、上記LCM(j-1) とnj の最大公約
    数をGCM(LCM(j-1) ,n2 )と表すとき、上記G
    CM(LCM(j-1) ,nj )の値が高い順番に整数nj
    を優先使用して、送信信号の繰返周期を決定する第j
    (j=2,…,J)の送受信ステップ、 (c)上記第1の送受信ステップから第j(j=2,
    …,J)までの各送受信ステップで得られた受信信号の
    相関信号を用いて目標距離を算出する信号処理ステッ
    プ。
  4. 【請求項4】 以下の(a)(b)(c)のステップを
    備えたことを特徴とするマルチPRF法を用いた測距方
    法、 送信信号の繰返周期を整数nj (j=1,2)と単位時
    間Δとの積で表し(以下、繰返周期を整数nj で表
    す)、繰返周期n1 ,n2 の最大公約数をGCM
    (n1 ,n2 )と表し、 (a)第1の送信信号の繰返周期n1 に対して選択可能
    な第2の送信信号の繰返周期n2 の組に対して関数[G
    CM(n1 ,n2 )/(n1 +n2 )]の期待値が高い
    順番でn1 を優先使用して、送信信号の繰返周期を決定
    する第1の送受信ステップ、 (b)上記第1の送受信ステップで用いた第1の送信信
    号の繰返周期n1 に対して関数[GCM(n1 ,n2
    /(n1 +n2 )]の値が高い順番でn2 を優先使用し
    て、送信信号の繰返周期を決定する第2の送受信ステッ
    プ、 (c)上記第1と第2の送受信ステップで得られた受信
    信号の相関信号を用いて目標距離を算出する信号処理ス
    テップ。
  5. 【請求項5】 以下の(a)(b)(c)のステップを
    備えたことを特徴とするマルチPRF法を用いた測距方
    法、 送信信号の繰返周期を整数nj (j=1,…,J)と単
    位時間Δとの積で表し(以下、繰返周期を整数nj で表
    す)、 (a)第1の送信信号の繰返周期をn1 を決定し、第1
    の送信信号の目標からの反射波である第1の受信信号の
    目標存在領域幅σ1 を定め、第1の受信信号の各エコー
    中心から±σ1 の範囲の第1の目標存在領域を算出する
    第1の送受信ステップ、 (b)第j(j=2,…,J)の送信信号の繰返周期を
    j を決定し、第jの送信信号の目標からの反射波であ
    る第jの受信信号の目標存在領域幅σj を定め、第jの
    受信信号の各エコー中心から±σj の範囲の第jの目標
    存在領域を算出するとともに、 第1から第(j−1)までの受信信号の目標存在領域
    と、第jの受信信号の目標存在領域との相関を求める第
    jの送受信ステップ、 (c)上記第jの送受信ステップで求めた相関処理後の
    第jの目標存在領域が1つの目標存在領域を示すとき、
    上記相関信号を用いて目標距離を算出する信号処理ステ
    ップ。
  6. 【請求項6】 以下の(a)(b)(c)のステップを
    備えたことを特徴とするマルチPRF法を用いた測距方
    法、 送信パルスの繰返周期を整数nj (j=1,…,J)と
    単位時間Δとの積で表し(以下、繰返周期を整数nj
    表す)、 (a)第1の送信パルスの繰返周期をn1 を決定し、第
    1の送信パルスの目標からの反射波である第1の受信パ
    ルスの目標存在領域幅σ1 を以下の(a1)に示す値と
    し、第1の受信パルスの各エコー中心から±σ1 の範囲
    の第1の目標存在領域を算出する第1の送受信ステッ
    プ、 (a1)第1の送信パルスのパルス幅をτ1 、第1の送
    信パルスの目標からの反射波である第1の受信パルスの
    信号電力対雑音電力比をSNR1 、適当な正の比例定数
    をaとして、σ1 を次式とする、 σ1 =a・[τ1 /(SNR1 1/2 ] (b)第j(j=2,…,J)の送信パルスの繰返周期
    をnj を決定し、第jの送信パルスの目標からの反射波
    である第jの受信パルスの目標存在領域幅σjを以下の
    (b1)に示す値とし、第jの受信パルスの各エコー中
    心から±σj の範囲の第jの目標存在領域を算出すると
    ともに、 第1から第(j−1)までの受信パルスの目標存在領域
    と第jの受信パルスの目標存在領域との相関を求める第
    jの送受信ステップ、 (b1)第jの送信パルスのパルス幅をτj 、第jの送
    信パルスの目標からの反射波である第jの受信パルスの
    信号電力対雑音電力比をSNRj 、適当な正の比例定数
    をaとして、σj を次式とする、 σj =a・[τj /(SNRj 1/2 ] (c)上記第jの送受信ステップで求めた相関処理後の
    第jの目標存在領域が1つの目標存在領域を示すとき、
    上記相関信号を用いて目標距離を算出する信号処理ステ
    ップ。
  7. 【請求項7】 以下の(a)(b)(c)のステップを
    備えたことを特徴とするマルチPRF法を用いた測距方
    法、 (a)繰返周期T1 をもつ第1の送信パルスを用い、上
    記送信パルスと目標からの反射波である受信パルスとの
    時間差X1 を求める第1の送受信ステップ、 (b)第2の送信パルスの繰返周期をT2 として、以下
    の(b1)処理により、エクリプスによる第2の受信パ
    ルスの予測損失電力ECm を求め、上記予測損失電力E
    m のmについての平均値が小さいものをT2 に優先使
    用し、上記送信パルスと受信パルスとの時間差X2 を求
    める第2の送受信ステップ、 (b1)上記T2 の候補をTC2 として、mを正整数と
    し、 [X1 +(m−1)T1 ]のTC2 に関する剰余MBm
    を求め、MBm からエクリプスによる第2の受信パルス
    の予測損失電力ECm を求め、上記予測損失電力ECm
    のmについての平均値を求める処理、 (c)上記第1と第2の送受信ステップで得られた受信
    パルスの相関を求め目標距離を算出する信号処理ステッ
    プ。
  8. 【請求項8】 以下の(a)(b)(c)のステップを
    備えたことを特徴とするマルチPRF法を用いた測距方
    法、 (a)繰返周期T1 をもつ第1の送信パルスを用い、上
    記送信パルスと目標からの反射波である受信パルスとの
    時間差X1 を距離ディスクリを用いて求める第1の送受
    信ステップ、 (b)第2の送信パルスの繰返周期をT2 として、以下
    の(b1)処理により、距離ディスクリの受信ゲートの
    予測受信電力PGm のmについての平均値が大きいもの
    をT2 に優先使用し、上記送信パルスと上記送信パルス
    の目標からの反射波である受信パルスとの時間差X2
    求める第2の送受信ステップ、 (b1)上記T2 の候補をTC2 として、mを正整数と
    し、 [X1 +(m−1)T1 ]のTC2 に関する剰余MBm
    を求め、MBm から距離ディスクリの受信ゲートの予測
    受信電力PGm を求め、PGm のmについての平均値を
    求める処理、 (c)上記第1と第2の送受信ステップで得られた受信
    パルスの相関を求め目標距離を算出する信号処理ステッ
    プ。
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