JP3060165B2 - 燃料噴射装置のリンク機構 - Google Patents

燃料噴射装置のリンク機構

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JP3060165B2
JP3060165B2 JP9193241A JP19324197A JP3060165B2 JP 3060165 B2 JP3060165 B2 JP 3060165B2 JP 9193241 A JP9193241 A JP 9193241A JP 19324197 A JP19324197 A JP 19324197A JP 3060165 B2 JP3060165 B2 JP 3060165B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、燃料噴射装置の
可動部材間をリンクするために用いられるリンク機構に
関し、一方のリンク部材に互いに平行となる2平面を備
え、他方のリンク部材に前記2平面間に係合すると共に
当接部分が曲面に形成される係合ピンを備えたリンク機
構に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、燃料噴射ポンプのプランジャに
外嵌されて噴射量等を調節するコントロールスリーブ
は、ガバナによってブランジャの軸方向に摺動調節され
るようになっており、最近のものにあっては、特開昭6
1−61959号公報に示されるように、電磁ガバナの
軸端にボールピンを偏心して設け、このボールピンをコ
ントロールスリーブの係合凹部に係合し、ガバナの軸を
回転させることによりコントロールスリーブをプランジ
ャの軸方向に変位させる形式のものが広く用いられてい
る。
【0003】コントロールスリーブの係合凹部には、プ
ランジャの軸方向と直角方向に延びる平行な2平面が形
成され、ボールピンはこの2平面間に係合される構成と
なっており、平面と当接するボールピンの周面は曲面と
なっており、従来においては、この曲面の曲率半径が2
平面間の距離の略半分となっていた。即ち従来のボール
ピンは、ほぼ球形をなしており、あるいは球形の非接触
部分をカッティングした形状をなしていた。
【0004】このようなボールピンを用いたリンク機構
は、各種アクチュエータとこれに連結される部材とのリ
ンク箇所に用いられており、また、ポンプの種類を問わ
ず、分配型燃料噴射ポンプ(VEポンプ、VR型ポン
プ)や列型噴射ポンプ等にも広く利用されているところ
である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ボール
ピンとこれを挟む2平面とは点接触しているので、ボー
ルピンの表面は摩耗しやすく、平面との間のがたつきが
大きくなる。本来、ボールピンと平面との間には、スム
ーズな摺動を確保するために制御精度を損なわない程度
の遊びが設けられているが、ボールピンの摩耗によって
がたつきが大きくなると、噴射制御に大きく影響した
り、電磁ガバナ等の電制品にあっては、予定する噴射状
態を得ようとして自動的に補正しようとするので、ハン
チングを起こすなどの不具合がある。
【0006】ボールピンの摩耗を完全に避けることはで
きないことから、上述の不具合を低減するには、ボール
ピンを大きくして摩耗の進行を抑えたり、ボールピンを
円柱形状として当接箇所を点から線に変更し、ボールピ
ンにかかる力を分散させることも考えられる。しかし、
ボールピンを大きくする構成はリンクの構造上できない
場合が多く、また、円柱形状とすれば、ピンの軸線が僅
かでも傾けばピンのエッジが平面に当たり、このエッジ
部分に摩耗が集中し、かえって摩耗量が多くなってしま
う。
【0007】そこで、この発明においては、従来のボー
ルピンを大きくすることなく、摩耗による噴射制御の経
時的な精度低下を抑えて安定した制御を確保することが
できる燃料噴射装置のリンク機構を提供することを課題
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、この発明にかかる燃料噴射装置のリンク機構は、所
定の間隔をあけて互いに平行となる2平面を有する第1
の可動部材と、前記2平面間に摺接自在に係合された係
合ピンを有する第2の可動部材とを備え、前記係合ピン
は、その軸線が前記2平面に対して平行に形成されると
共に前記2平面と当接する部分が曲面に形成され、一方
の可動部材の運動を他方の可動部材に伝達する際に前記
2平面と当接する部分が周方向で変位するものにおい
て、前記係合ピンの曲面を周方向で軸線からの距離が等
しくなるようにし、軸方向で曲率半径が前記2平面間の
距離の1/2よりも大きく設定されることを特徴として
いる(請求項1)。
【0009】第1及び第2の可動部材によって構成され
るリンク機構としては、VE型噴射ポンプやVR型噴射
ポンプのコントロールスリーブに係合凹部を形成し、ガ
バナに設けられたボールピンをこの凹部に係合させるリ
ンク箇所、VR型噴射ポンプのカムリングとコントロー
ルスリーブとを所定の位相関係をもって連動させるリン
ク箇所、列型噴射ポンプのプリストロークを制御するタ
イミングロッドとこのタイミングロッドを回動させるア
クチュエータとのリンク箇所、列型噴射ポンプの有効ス
トロークを調節する噴射量調節用ロツドとこのロッドを
進退させるアクチュエータとのリンク箇所等において予
定される。
【0010】第1の可動部材の互いに平行する2平面と
は、係合ピンを覆うような平面を有する凹部や溝の内壁
であっても、係合ピンが係合される孔の内面であっても
よく、板状部材に設けられた矩形状の切り欠きの内周に
よって構成されるものであってもよい。
【0011】したがって、係合ピンと2平面とは、係合
ピンの曲面の軸方向での曲率半径が球面よりも大きく設
定されることから、当接個所での僅かな変形や摩耗によ
って生じる当接面積が球面の場合よりも大きくなり、摩
耗による径方向の寸法変化を小さくすることができる。
【0012】摩耗を抑えるためには、曲率半径を大きく
すればよいが、大きくすればするほど係合ピンは円柱形
状に近くなり、平面と係合ピンのエッジとがぶつかり合
うエッジ当たりを誘発してしまう。このため、経時的な
摩耗による径方向の寸法変化を小さくすると共にエッジ
当たりを避けることができる曲率半径を決定する必要が
あり、好ましくは、2平面間の距離の3/2倍から10
/2倍の範囲内で設定されることが望ましい(請求項
2)。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面により説明する。図1において、VR型燃料噴射ポン
プの主要部が示され、この燃料噴射ポンプ1は、図示し
ないフィードポンプを介してチャンバ2内に燃料が導か
れ、このチャンバ2をよぎるように分配部材3が配さ
れ、ポンプハウジング4に固装されたバレル5に分配部
材3の先端部が回転自在に挿入されている。この分配部
材3は、基端部3aがカップリングを介して駆動軸6に
連結されており、機関と同期して回転のみが許されるよ
うになっている。また、分配部材3の基端部3aには、
径方向(放射方向)にプランジャ7が摺動自在に挿入さ
れている。
【0014】この実施例においては、同一平面上に例え
ば180度の間隔をおいて2つのプランジャ7が設けら
れており、それぞれのプランジャ7の先端は、分配部材
3の基端部中央に設けられた圧縮室8を閉塞するように
臨み、該プランジャ7の基端は、シュー9及びローラ1
0を介してリング状のカムリング11の内面を摺接する
ようになっている。このカムリング11は、分配部材3
の周囲に同心状に設けられると共に、機関の気筒数に対
応したカムローブが内側に形成され、分配部材3が回転
すると、各プランジャ7が分配部材3の径方向(放射方
向)に往復動し、圧縮室8の容積を可変するようになっ
ている。
【0015】分配部材3には、その軸方向に形成されて
圧縮室8に通じる縦孔12、この縦孔12に連通し、分
配部材3の周面に開口する流出入ポート13、及び、バ
レル5やポンプハウジング4に形成された分配通路14
と前記縦孔12とを連通可能にする分配ポート15が形
成されている。そして、分配部材2には、チャンバ内に
配されたコントロールスリーブ16が流出入ポート13
を覆うように摺動自在に外挿されている。
【0016】コントロールスリーブ16の上部には、図
2にも示されるように、分配部材3の軸線に対して直角
方向に延びる係合凹部17が形成され、下端部に分配部
材3の軸線に対して平行に延びる縦溝18が形成されて
いる。また、コントロールスリーブ16には、分配部材
3の流出入ポート13と連通可能な図示しない吸入・カ
ットオフ孔が形成されている。
【0017】このコントロールスリーブ16は、エレク
トリックガバナ20のシャフト21の先端に偏心して設
けられた係合ピン22が係合凹部17に係合されてお
り、外部からの信号によってシャフト21が回転する
と、分配部材3の軸方向に変位するようになっている。
コントロールスリーブ16の係合凹部17は、係合ピン
22の直径と略等しい幅で平行となる2つの平面17a
を有し、係合ピン22は、予定した遊びをもってこの2
平面17aと当接するよう係合されている。
【0018】カムリング11には、それより下方に設け
られたタイマ装置のタイマピストン23と連結するスラ
イドピン24が一体に形成され、下部内周縁にカムリン
グ11の回転中心に向かって延びる係止片25がネジ等
によって固定されている。タイマピストン23は、ハウ
ジングに形成されたシリンダ26に摺動自在に収納され
ており、タイマピストン23の直進動をカムリング11
の回転動に変換し、噴射時期を変更するようになってい
る。
【0019】タイマピストン23の一端には、チャンバ
内の高圧燃料が導入される高圧室が、また他端には、フ
ィードポンプの吸入経路と連通する低圧室が形成され、
低圧室には、タイマスプリングが弾装されてタイマピス
トン23を常時高圧室側へ付勢している。したがって、
タイマピストン23は、タイマスプリングのスプリング
圧と高圧室内の油圧とが釣り合った位置で停止し、高圧
室圧が高くなると、タイマピストン23がタイマスプリ
ングに抗して低圧室側へ移動し、カムリング11が噴射
時期を進角する方向に回動せしめられ、噴射時期が早く
なる。また、高圧室圧が低くなると、タイマピストン2
3が高圧室側へ移動し、カムリング11が噴射時期を遅
角する方向に回動せしめられ、噴射時期が遅くなる。
尚、高圧室の圧力は、要求されるタイマ進角が得られる
ようタイミングコントロールバルブ(TCV)で調節さ
れるようになっている。
【0020】前述したコントロールスリーブ16の下方
には、バレル5に回動自在に保持されたリンク部材27
が設けられ、このリンク部材27によりカムリング11
とコントロールスリーブ16とが連結されている。この
リンク部材27は、バレル5に軸支されて分配部材3と
平行に延びる基軸部28と、この基軸部28のカムリン
グ側の一端部から径方向に延びる第1アーム部29と、
基軸部28の中程から径方向に延びる第2アーム部30
とから構成されている。第1のアーム部29は、その先
端に基軸部28の軸線と平行に突出する係合ピン31が
設けられ、この係合ピン31は、係止片25の切り欠き
凹部32に係合されている。
【0021】この切り欠き凹部32は、カムリング11
の径方向に沿って切り欠かれ、係合ピン31の直径と略
等しい幅で径方向に延びる平行な2つの平面32aを有
しており、係合ピン31は、予定した遊びをもってこの
2平面32aと当接するよう係合されている。
【0022】また、第2のアーム部30は、基軸部28
に固く外嵌されて基軸部28が回転するとこれと一体に
回転するようになっており、第1アーム部29と同方向
に延設された端部に基軸部28の軸線と平行に延びる係
合ピン33が設けられ、この係合ピン33がコントロー
ルスリーブ16の縦溝18に係合されている。この第2
アーム部30が係合する縦溝18も、係合ピン33の直
径と略等しい幅に形成されて軸線と平行に延びる2つの
平面18aを内側に有し、係合ピン33は、所定の遊び
をもってこの2平面18aと当接するようになってい
る。
【0023】上述したエレクトリックガバナ20とコン
トロールスリーブ16とのリンク機構や、カムリング1
1とコントロールスリーブ16とのリンク機構で用いら
れる係合ピン22、31、33は、図3にも示されるよ
うに、いずれの場合も当接する平面17a、18a、3
2aに対して軸線が平行になっており、平面17a、1
8a、32aと当接する箇所が周方向に変位するように
なっている。これら係合ピン22、31、33は、いず
れも周方向で軸線からの距離が等しく、軸方向で軸線か
らの距離が両端部で小さくなる樽型の形状をなしてお
り、軸方向の曲率半径(=R)が2平面間の距離の1/
2(=r)よりも大きくなっており、本形態にあって
は、各リンク部材がスチールで構成され、2平面間の距
離が6mm、係合ピン22、31、33の軸方向の曲率
半径がr(=3mm)の約7倍(R≒7r)に設定され
ている。
【0024】上記構成において、分配部材3が回転する
と、プランジャ7がカムリング11によって分配部材3
の径方向に往復動し、プランジャ7がカムリング11の
中心から遠ざかる方向へ移動する吸入工程にあっては、
流出入ポート13とコントロールスリーブ16の吸入・
カットオフ孔とが整合し、チャンバ2内の燃料が圧縮室
8に吸入される。その後、プランジャ7がカムリング1
1の中心に向かって移動する圧送工程に入ると、流出入
ポート13とチャンバ2との連通が断たれ、分配ポート
15と分配通路14の1つとが整合し、圧縮された燃料
がこの分配通路14を介して送出弁へ吐出されるように
なっている。尚、送出弁から送出された燃料は、図示し
ない噴射管を介して噴射ノズルへ送られ、この噴射ノズ
ルから機関の気筒内へ噴射するようになっている。そし
て、圧送工程の途中で、次の流出入ポート13がコント
ロールスリーブ16の吸入・カットオフ孔を介してチャ
ンバ2に連通すると、圧縮された燃料がチャンバ2に一
気に流出し、噴射が終了する。
【0025】流出入ポート13とチャンバ2とが連通す
るタイミング、即ち噴射終わりは、エレクトリックガバ
ナ20によってコントロールスリーブ16を分配部材3
の軸方向に変位させることによって制御することができ
る。したがって、係合ピン22が摩耗して係合凹部17
の内面17aとのがたつきが大きくなると、噴射終わり
の制御、即ち噴射量の制御が安定しなくなるわけである
が、係合ピン22の周面は、軸方向での曲率半径が大き
く設定されているので、当接箇所が僅かに変形したり、
僅かに摩耗した場合には、図3の破線で示される球面体
の場合よりも係合ピン22と2平面17aとの接触面積
が大きくなり、係合ピンにかかる面圧を小さくして摩耗
による係合ピンの寸法変化を従来よりも小さくすること
ができる。
【0026】したがって、各リンク箇所でのがたつきが
経時的に大きくなるのを抑え、エレクトリックガバナ2
0とコントロールスリーブ16とのリンク構造において
は、噴射量の安定した制御を維持することが可能とな
り、カムリング11とコントロールスリーブ16とのリ
ンク構造においては、噴射時期制御の経時的なずれを抑
えることができる。
【0027】上述したR≒7rの構成においては、各種
耐久試験(リンク機構自体の耐久試験、噴射ポンプ単体
による耐久試験、車両への噴射ポンプの搭載による実車
耐久試験等)の結果、係合ピンの摩耗量が従来用いられ
た球面の係合ピンに比べて1/3以下となったことが確
かめられており、長年の使用にも十分に許容しうる安定
した噴射制御を実現することが可能となる。摩耗による
影響を低減するには、理屈の上では曲率半径が2平面間
の距離の半分よりも大きくすればよいものであるが、耐
久試験の結果等を総合的に考慮した実用的な範囲として
は、R≧3rであることが好ましい。
【0028】曲率半径を大きくすればするほど摩耗を低
減する効果はあるが、リンク機構には多少の遊びを持た
せてあることから、曲率半径を大きくすると係合ピンの
エッジが平面に当たることが懸念される。このエッジ当
たりは、Rが16r以上のものについて確認されてお
り、実際には経時的な摩耗を見越してRを設定する必要
があることから、エッジ当たりを避けることができる実
用的な範囲としてR≦10rとすることが好ましい。結
局、摩耗の低減とエッジ当たりの回避とを両立しうる最
適な範囲が予定されるのであれば、Rをrの3倍から1
0倍の範囲内とすることが望ましいとの知見を得てい
る。
【0029】尚、上述のような係合ピンを2平面間で係
合するリンク構成は、VR型噴射ポンプに特有のもので
はなく、VEポンプや列型噴射ポンプ等においても多用
されており、列型噴射ポンプの例が図4乃至図6に示さ
れている。
【0030】列型噴射ポンプ40は、ポンプ本体41に
縦孔42が形成され、この縦孔42に設けられたプラン
ジヤバレル43にプランジヤ44が摺動自在に挿入され
ている。このプランジヤ44の上端は、前記本体41に
固装された弁ハウジング45に挿入され、この弁ハウジ
ング45内には送出弁46が設けられ、プランジヤ44
と送出弁46との間に高圧室47が構成され、さらに送
出弁46の上方で前記本体41には燃料出口48が形成
されている。そして、プランジヤ44の下端は、カム軸
49に形成されたカム50にタペツト51を介して当接
している。カム50は例えば接線カムから成り、戻しス
プリング52と協働してプランジヤ44をカム50の輪
郭に沿つて往復動させるようになつている。
【0031】また、プランジヤ44にはフェース部53
が形成され、このフェース部53は、プランジヤバレル
43に外嵌された回動スリ−ブ54に係合している。こ
の回動スリ−ブ54のフランジ部には係合ピン55が固
着され、この係合ピン55を噴射量調節用ロツド56に
形成された切り欠き57に係合し(図6(b)にも示
す)、この噴射量調節用ロツド56の動きに応じてプラ
ンジヤ44が回動し、プランジヤ44と下記する制御ス
リ−ブ58との周方向の相対位置を変えることができる
ようになつている。
【0032】制御スリ−ブ58は、本体41に形成され
た燃料入口(図示せず)に通じる燃料溜り59でプラン
ジヤ44に摺動自在に外嵌されている。また、前記本体
41には、タイミングロツド60が挿入され、このタイ
ミングロツド60を制御スリーブ58に係合し、制御ス
リーブ58を上下動できるようにしてある。
【0033】上記制御スリ−ブ58にはスピルポ−ト6
3が形成され、プランジヤ44には、高圧室47と燃料
溜り59とを連通する燃料通路64がプランジヤ44の
軸方向及び半径方向に形成され、吸入ポ−ト65をもつ
て燃料溜り59に開口している。また、プランジヤ44
の外周にはリ−ド66が斜めに形成されている。このリ
−ド66はプランジヤ44に形成された縦溝67を介し
て吸入ポ−ト65に接続されている。
【0034】上記構成において、カム軸49が内燃機関
からのトルクを受けて回転すると、プランジヤ44がカ
ム50の輪郭曲線に沿つて往復動する。プランジヤ44
が下死点から上昇する当初にあつては、高圧室47がプ
ランジヤ44の燃料通路64及び吸入ポ−ト65を介し
て燃料溜り59と連通しているので燃料の圧送は行われ
ない。そして、プランジヤ44が上昇して吸入ポ−ト6
5が制御スリ−ブ58の下端縁により閉じられると(こ
の時のプランジヤ4の位置が圧送始めである。)、高圧
室47内の燃料が閉じ込められ、その圧力が上昇し、送
出弁46を開いて実際の燃料の圧送を開始する。プラン
ジヤ44の下死点から圧送始めまでの距離がプリストロ
−クであり、このプリストロ−クは、制御スリ−ブ58
の上下位置を変えることにより調節される。
【0035】そして、さらにプランジヤ44が上昇する
と、プランジヤ44のリ−ド66が制御スリ−ブ58の
スピルポ−ト63に接続され(この時のプランジヤ4の
位置が圧送終わりである。)、高圧室47が燃料通路6
4、吸入ポ−ト65、縦溝67、リ−ド66及びスピル
ポ−ト63を介して燃料溜り59と連通し、高圧室47
の燃料が燃料溜り59に還流し、該高圧室47の燃料の
圧力が急激に低下し、燃料の圧送を終了する。圧送始め
から圧送終わりまでのプランジヤ44の距離が有効スト
ロ−クであり、この有効ストロ−クは、プランジヤ44
の回動方向位置を変えることにより調節される。
【0036】前記タイミングロッド60は、プランジャ
44の軸線と直角をなす方向に延びてポンプ本体41に
回動自在に支持されており、タイミングロッド60と制
御スリーブ58との係合は、タイミングロッド60に径
方向へ突出する係合ピン61を固定し、この係合ピン6
1を制御スリーブ58の周面に形成された係合凹部62
に係合する構成となっている。係合ピン61の係合凹部
62との当接部分は球面をなしており、タイミングロッ
ド60が回動するとこのロッドの軸線を中心として係合
ピン61も回動し、制御スリーブ58をプランジャ44
の軸方向に変位するようになっている。
【0037】タイミングロッド60の一端部は、ポンプ
本体61から突出しており、この突出した端部に、図5
にも示されるように、U字形状をなすU字リンク70が
固定されている。このU字リンク70の内側には、平行
に対峙する2つの面70aが形成されており、この2平
面間にプリストアクチュエータ71の出力軸72の先端
に偏心して設けられた係合ピン73が係合されている。
この係合ピン73は、U字リンク70の溝幅と略等しく
形成されており、プリストアクチュエータ71の駆動に
よって出力軸72が回動すると、出力軸72の軸線を中
心として係合ピン73が回動し、U字リンク70を回動
せしめてこのU字リンク70の回動角だけタイミングロ
ッド60が回動されるようになっている。。
【0038】また、ポンプ本体41には、図6(a)で
示される電磁ガバナ74が装着され、この電磁ガバナ7
4によって噴射量調節用ロツド56の進退量が調節され
るようになっている。この噴射量調節用ロツド56は、
プランジャ44の軸線と直角をなす方向に延びて電磁ガ
バナ74のケーシング75内に突出しており、ケーシン
グ75に形成された支持部76に回動自在に固定された
リンク部材77を介してリニアアクチュエータ78の可
動体79に連結されている。
【0039】即ち、リニアアクチュエータ78は、ケー
シング内に固定され、筒状磁石80の内側にコイル81
を巻設した可動体79が上下動可能に配置され、コイル
81への通電により可動体79の移動量を調節するよう
になっている。また、リンク部材77は、一体に形成さ
れた2つの腕82、83を有し、一方の腕82の自由端
に設けられた係合ピン84が可動体79に形成された水
平方向に延びる長孔85に係合され、他方の腕83の自
由端に形成された係合ピン86が噴射量調節用ロツド5
6の端部に形成された長溝87に係合されている。
【0040】長孔85や長溝87には、予定した遊びを
もって係合ピン84、86を係合する平行な平面が内側
に形成され、係合ピン84、86はリンク部材77の回
転に伴ってこの平面に案内されながら移動するようにな
っている。したがって、可動体79が上下動すると、リ
ンク部材77が回動し、噴射量調節用ロツド56が水平
方向に進退する。
【0041】上述したプリストロ−クの制御を司るプリ
ストアクチュエータ71とタイミングロッド60とのリ
ンク機構、及び有効ストロークの制御を司るリニアアク
チュエータ78と噴射量調節用ロツド56とのリンク機
構で用いられる係合ピン73、84、86は、2平面と
接する前述した図3にも示される形状をなしており、平
面との当接箇所が、係合ピンの周方向に変位するように
なっている。この構成例においては、各リンク部材がス
チールで構成され、プリストアクチュエータ71とタイ
ミングロッド60とのリンク部分で溝幅(Uリンク70
の2平面間の距離)が6mm、係合ピン73の軸方向の
曲率半径がR≒7rに設定され、リニアアクチュエータ
78と噴射量調節用ロツド56とを連結する2個所のリ
ンク部分で2平面間の距離(長孔85及び長溝87の
幅)が5mm、係合ピン84、86の軸方向の曲率半径
がR=4rに設定されている。
【0042】このような構成においても、係合ピン7
3、84、86の経時的な摩耗によって各リンク箇所で
のがたつきが大きくなることはなく、安定したストロー
ク制御を行うことができ、また係合ピンのエッジ当たり
もなく、耐久性の向上を図ると共に高い制御精度を維持
することが可能となる。
【0043】尚、上述した係合ピンの形状は、リンク機
構の動きに関わらず係合ピンの軸線が2平面と平行にな
るリンク構造、即ち、係合ピンの平面との摺接箇所が軸
線を中心とする周方向に変位するリンク構造において適
用されるものであり、特に摩耗による影響が大きいリン
ク箇所で有効となるが、摩耗による影響が少ない箇所に
も同様に利用できる。例えば、図4及び図6(b)に示
されるような噴射量調節用ロツド56の切り欠き57と
回動スリーブ54の係合ピン55とのリンクにおいても
同様の構成とすることが可能である。
【0044】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
係合ピンの軸方向の曲率半径を係合ピンが係合する2平
面間の距離の1/2よりも大きくしたので、経時的な摩
耗による径方向の寸法変化を従来の係合ピンよりも小さ
くすることができ、摩耗による噴射量や噴射時期等の変
動を抑え、噴射制御を安定させることができる。
【0045】また、係合ピンの周面形状は変更されるも
のの、係合ピンの大きさを変更するものではないので、
従前のリンク機構と互換性を持たせることができ、ま
た、係合ピンは通常砥石で研磨して成形されるので、砥
石形状の曲率半径を大きくするだけで対応することがで
き、従前の製造工程を変更する必要もなくなる。
【0046】特に、係合ピンの軸方向の曲率半径を2平
面間の距離の3/2〜10/2倍とすることにより、摩
耗の低減とエッジ当たりの回避を両立させることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明にかかるリンク機構が用いられ
るVR型燃料噴射ポンプの要部を示す断面図である。
【図2】図2は、図1の分配型燃料噴射ポンプで用いら
れるリンク箇所を示す斜視図である。
【図3】図3は、2平面間に係合される係合ピンを示す
説明図である。
【図4】図4は、本発明にかかるリンク機構が用いられ
る列型燃料噴射ポンプを示す断面図である。
【図5】図5は、図4に示す制御スリーブを制御するプ
リストアクチュエータとタイミングロッドとのリンク機
構を示す図である。
【図6】図6(a)は、図4に示す回動スリーブを制御
するリニアアクチュエータと噴射量調節用ロツド16と
のリンク機構を示し、図6(b)は、噴射量調節用ロツ
ド16の切り欠きに回動スリーブの係合ピン15が係合
されている状態を示す斜視図である。
【符号の説明】
11 カムリング 16 コントロールスリーブ 17 係合凹部 18 縦溝 20 エレクトリックガバナ 22、31、33、55、73、84、86 係合ピン 25 係止片 32 切り欠き凹部 56 噴射量調節用ロツド 57 切り欠き 60 タイミングロッド 70 Uリンク 71 プリストアクチュエータ 77 リンク部材 78 リニアアクチュエータ 79 可動体 85 長孔 87 長溝
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI F02M 59/28 F02M 59/28 G (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02D 1/02 F02M 41/14 F02M 59/28

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の間隔をあけて互いに平行となる2
    平面を有する第1の可動部材と、前記2平面間に摺接自
    在に係合された係合ピンを有する第2の可動部材とを備
    え、前記係合ピンは、その軸線が前記2平面に対して平
    行に形成されると共に前記2平面と当接する部分が曲面
    に形成され、一方の可動部材の運動を他方の可動部材に
    伝達する際に前記2平面と当接する部分が周方向で変位
    する燃料噴射装置のリンク機構において、 前記係合ピンの曲面は、前記周方向で軸線からの距離が
    等しく形成され、軸方向で曲率半径が前記2平面間の距
    離の1/2よりも大きく設定されていることを特徴とす
    る燃料噴射装置のリンク機構。
  2. 【請求項2】 前記軸方向の曲率半径は、前記2平面間
    の距離の3/2倍から10/2倍の範囲内に設定される
    ことを特徴とする請求項1記載の燃料噴射装置のリンク
    機構。
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