JP3059939B2 - ネジの緩み防止装置 - Google Patents

ネジの緩み防止装置

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JP3059939B2 JP8297131A JP29713196A JP3059939B2 JP 3059939 B2 JP3059939 B2 JP 3059939B2 JP 8297131 A JP8297131 A JP 8297131A JP 29713196 A JP29713196 A JP 29713196A JP 3059939 B2 JP3059939 B2 JP 3059939B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、互いにねじ合わさ
れる雄ネジ部材と雌ネジ部材との相対的な緩みを防止す
る装置に関する。
【0002】
【従来の技術と発明が解決しようとする課題】互いにね
じ合わされる雄ネジ部材と雌ネジ部材との相対的な緩み
を防止するため、両ネジ部材の間にバネ座金を介在させ
ることが行われているが、必ずしも充分な緩み止め効果
を奏することはできない。
【0003】また、ロックナットを用いることで充分な
緩み止め効果を奏することはできる。しかし、ロックナ
ットを使用するには雄ネジ部材を雌ネジ部材から突出さ
せる必要があるため、使用できない場合がある。
【0004】本発明は、上記問題を解決することのでき
るネジの緩み防止装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、互いにねじ合
わされる雄ネジ部材と雌ネジ部材との相対的な緩みを防
止する装置であって、ねじ合わせ状態の両ネジ部材の中
の一方と、ねじ合わせの緩み方向に同行して他方に対し
て相対回転可能なカム面と、ねじ合わせ状態の両ネジ部
材の中の他方と、ねじ合わせの緩み方向に同行して一方
に対して相対回転可能なカム受け部とを備え、そのカム
面とカム受け部とは両ネジ部材のねじ合わせ状態におい
て雄ネジ部材の軸方向から互いに押し付けられ、そのカ
ム面は、そのねじ合わせの緩み時において、そのカム受
け部を雄ネジ部材の軸方向に案内可能な形状を有し、こ
のカム面の案内によるカム受け部の軸方向移動距離は、
両ネジ部材のリードに対応する相対的な軸方向移動距離
よりも大きくされていることを一つの特徴とする。
【0006】本発明の構成によれば、雄ネジ部材と雌ネ
ジ部材とが緩み方向に相対回転すると、カム面とカム受
け部の中の一方は雄ネジ部材と雌ネジ部材の中の一方
と、カム面とカム受け部の中の他方は雄ネジ部材と雌ネ
ジ部材の中の他方と、それぞれ同行回転する。これによ
り、そのカム面とカム受け部は相対回転し、この相対回
転により、カム面はカム受け部を雄ネジ部材の軸方向に
案内する。このカム面の案内によるカム受け部の軸方向
移動距離は両ネジ部材のリードに対応する相対的な軸方
向移動距離よりも大きく、そのカム面とカム受け部とは
両ネジ部材のねじ合わせ状態において雄ネジ部材の軸方
向から互いに押し付けられているので、両ネジ部材のね
じ合わ部に軸方向力が作用する。その軸方向力により両
ネジ部材の緩み方向への相対回転を防止できる。
【0007】本発明において、その雄ネジ部材と雌ネジ
部材の中の一方と同行回転可能な押し付け部と、その雄
ネジ部材が挿通されるワッシャとを備え、その押し付け
部とワッシャの中の一方に前記カム面が形成され、他方
に前記カム受け部が形成され、そのワッシャは、その雄
ネジ部材と雌ネジ部材との間に押し付け部を介して挟み
込まれることで軸方向に弾性的に圧縮変形可能とされる
と共に、その変形に基づく弾力により、その雄ネジ部材
と雌ネジ部材の中の他方側にねじ合わせの緩み時に相対
回転しないように食い込み可能とされているのが好まし
い。これにより、雄ネジ部材と雌ネジ部材とをねじ合わ
せ、その雄ネジ部材と雌ネジ部材の中の一方と同行回転
する押し付け部を介してワッシャを弾性的に圧縮変形さ
せることで、そのワッシャを雄ネジ部材と雌ネジ部材の
中の他方側にねじ合わせの緩み時に同行回転可能に食い
込ませることができる。その押し付け部とワッシャの中
の一方にカム面が、他方にカム受け部が形成されるの
で、カム面とカム受け部の中の一方は雄ネジ部材と雌ネ
ジ部材の中の一方と、カム面とカム受け部の中の他方は
雄ネジ部材と雌ネジ部材の中の他方と、ねじ合わせの緩
み時にそれぞれ同行回転する。すなわち、カム面とカム
受け部とが形成されている押し付け部とワッシャを設け
るだけで、ネジの緩みを防止できる。
【0008】また、本発明において、その雄ネジ部材が
挿通される一対のワッシャを備え、一方のワッシャに前
記カム面が形成され、他方のワッシャに前記カム受け部
が形成され、各ワッシャは、その雄ネジ部材と雌ネジ部
材との間に挟み込まれることで軸方向に弾性的に圧縮変
形可能なスプリングワッシャとされ、一方のワッシャ
は、その変形に基づく弾力により、雄ネジ部材側にねじ
合わせの緩み時に相対回転しないように食い込み可能と
され、他方のワッシャは、その変形に基づく弾力によ
り、雌ネジ部材側にねじ合わせの緩み時に相対回転しな
いように食い込み可能とされているのが好ましい。これ
により、雄ネジ部材と雌ネジ部材とをねじ合わせ、一対
のワッシャを弾性的に圧縮変形させることで、雄ネジ部
材と雌ネジ部材の中の一方側に一方のワッシャを他方側
に他方のワッシャを食い込ませることができる。両ワッ
シャの一方にカム面が、他方にカム受け部が形成される
ので、カム面とカム受け部の中の一方は雄ネジ部材と雌
ネジ部材の中の一方と、カム面とカム受け部の中の他方
は雄ネジ部材と雌ネジ部材の中の他方と、ねじ合わせの
緩み時に同行回転する。すなわち、カム面とカム受け部
とが形成されている一対のワッシャを設けるだけで、ネ
ジの緩みを防止できる。
【0009】本発明のネジの緩み防止装置は、その雄ネ
ジ部材が挿通されると共に、その雄ネジ部材と雌ネジ部
材との間に挟み込まれるワッシャを備え、そのワッシャ
の厚さは、径方向一端から他端に向かうに従い漸次薄く
なるものとされ、そのワッシャの一端の厚さと他端の厚
さとの差は、その雄ネジ部材のネジ山を雌ねじ部材のネ
ジ溝に、径方向一端側では軸方向一端側に押し付け、径
方向他端側では軸方向他端側に押し付け可能に設定され
ていることを一つの特徴とする。この構成によれば、雄
ネジ部材を雌ねじ部材にねじ込むと、そのワッシャの厚
さが径方向一端から他端に向かうに従い漸次薄いことに
より、雄ネジ部材を曲げようとする力が作用する。その
力により、雄ネジ部材のネジ山が雌ねじ部材のネジ溝
に、径方向一端側では軸方向一端側に押し付けられ、径
方向他端側では軸方向他端側に押し付けられるので、両
ネジ部材の緩みを防止できる。また、その雄ネジ部材を
雌ねじ部材に対して軸方向変位させようとする力が作用
する場合は、その雌ねじ部材の内周端部が雄ネジ部材に
径方向から押し付けられ、その軸方向変位を阻止するこ
とができる。そのワッシャはスプリングワッシャとさ
れ、各ネジ部材側にねじ合わせの緩み時に相対回転しな
いように食い込み可能となるように、そのワッシャの厚
さは割り溝の形成部において最も厚くされているのが好
ましい。これにより、そのワッシャの変形に基づく弾力
によっても、雄ネジ部材のネジ山を雌ねじ部材のネジ溝
に押し付けることができる。さらに、そのワッシャは割
り溝の形成部における各対向端部の軸方向一端がねじ合
わせの緩み時に相対回転しないようにネジ部材側に食い
込む。これにより、確実にネジの緩みを防止できる。さ
らに、そのワッシャに、ねじ合わせの緩み時に各ネジ部
材側に食い込む部分が、その食い込みの反力により周方
向に変形するように、切欠が形成されているのが好まし
い。これにより、そのワッシャの割り溝の形成部におけ
る各対向端部の軸方向他端を、その変形に対向しようと
する応力により、より確実にネジ部材側に食い込ませる
ことができる。
【0010】
【発明の実施の形態】図1〜図3に示す第1実施形態の
ネジの緩み防止装置は、ボルト(雄ネジ部材)1により
取り付け部材4を雌ネジ3aを有する構造部材で例示さ
れる雌ねじ部材3に固定する場合において、そのボルト
1と雌ねじ部材3との相対的な緩みを防止するものであ
る。なお、その取り付け部材4は、その固定状態におい
て例えば別の位置においてもボルトと雌ネジとを介して
固定されることで雌ねじ部材3に一体化される。
【0011】そのボルト1は、外周が6角形に沿う頭部
1aと、雄ネジ1bとを有する。その取り付け部材4は
雄ネジ1bの通孔4aを有する。その雄ネジ1bと雌ネ
ジ3aとは本実施形態では右ネジとされている。その雄
ネジ1bは押し付け部5とワッシャ6とに挿通される。
【0012】その押し付け部5は円筒状で、その一端面
面にボルト1の頭部1aが嵌め合わされる溝5aが形成
され、これにより、そのボルト1と押し付け部5とは同
行回転可能とされている。
【0013】そのワッシャ6は、円筒状部7と、外周が
四角形に沿うプレート部8とを有し、そのプレート部8
の一端面に円筒状部7の他端面側が溶接されている。そ
の円筒状部7の一端面に、周方向に沿って反時計回りに
進むに従い円筒状部7の高さが漸次高くなるカム面10
と、その円筒状部7の高さが最も低いカム面10の一端
において軸方向に沿う接合面11とが形成されている。
そのプレート部8は、例えばバネ鋼により形成され、そ
の四隅部は他端面側に折り曲げられた食い込み部12と
されている。これにより、そのワッシャ6は、ボルト1
の頭部1aと雌ねじ部材3との間に押し付け部5と取り
付け部材4とを介して挟み込まれると、各食い込み部1
2が弾性変形することにより、軸方向に弾性的に圧縮変
形する。また、各食い込み部12それぞれにおいて、プ
レート部8の外周に沿う直交部分12a、12bそれぞ
れの長さは、反時計回りに進んだ場合の前方側の部分1
2aの方が後方側の部分12bの部分よりも短くされて
いる。これにより、その変形に基づく弾力により、各食
い込み部12の先端12′は、雌ねじ部材3側の取り付
け部材4に、ねじ合わせの締め込み時に相対回転し、ね
じ合わせの緩み時に相対回転しないように食い込む。そ
の食い込みにより、そのカム面10は、ねじ合わせ状態
の雌ねじ部材3とねじ合わせの緩み方向に同行してボル
ト1に対して相対回転可能とされている。
【0014】上記押し付け部5の他端面は、上記ワッシ
ャ6の円筒状部7の一端面に対向し、上記上記カム面1
0に接合可能なカム受け部15と、上記接合面11に接
合可能な接合面16とを有する。これにより、そのカム
受け部15はボルト1とねじ合わせの緩み方向に同行し
て雌ねじ部材3に対して相対回転可能とされる。また、
ボルト1を雌ねじ部材3にねじ合わせると、そのねじ合
わせ状態においてカム面10とカム受け部15とはボル
ト1の軸方向から互いに押し付けられる。
【0015】上記のようにカム面10は、周方向に沿っ
て反時計回りに進むに従い円筒状部7の高さが漸次高く
なるように形成されているので、ボルト1と雌ねじ部材
3との緩み時において、そのカム受け部15をボルト1
の軸方向(図3において上方)に案内する。このカム面
10の案内によるカム受け部15の軸方向移動距離が、
ボルト1の雄ネジ1bと雌ねじ部材3の雌ネジ3aのリ
ードに対応するボルト1と雌ねじ部材3の相対的な軸方
向移動距離よりも大きくなるように、そのカム面10の
形状が設定されている。
【0016】上記構成によれば、ボルト1と雌ねじ部材
3とをねじ合わせ、押し付け部5を介してワッシャ6を
弾性的に圧縮変形させることで、そのワッシャ6を雌ね
じ部材3側の取り付け部材4に、ねじ合わせの緩み時に
同行回転可能に食い込ませることができる。そのボルト
1と雌ねじ部材3とが緩み方向に相対回転すると、ワッ
シャ6に形成されたカム面10が雌ねじ部材3と、押し
付け部5に形成されたカム受け部15がボルト1と、そ
れぞれ同行回転する。これにより、カム面10とカム受
け部15は相対回転し、この相対回転により、カム面1
0はカム受け部15をボルト1の軸方向に案内する。こ
のカム面10の案内によるカム受け部15の軸方向移動
距離は、雄ネジ1bと雌ネジ3aのリードに対応する相
対的なボルト1と雌ねじ部材3の軸方向移動距離よりも
大きく、そのカム面10とカム受け部15とはボルト1
と雌ねじ部材3のねじ合わせ状態においてボルト1の軸
方向から互いに押し付けられているので、ボルト1と雌
ねじ部材3のねじ合わ部に軸方向の引っ張り力が作用す
る。その軸方向力によりボルト1と雌ねじ部材3の緩み
方向への相対回転を防止できる。また、その緩み防止を
押し付け部5とワッシャ6を設けるだけで行える。
【0017】なお、上記実施形態におけるボルト1にか
えて、雄ネジ部材として、図4の(1)、(2)に示す
ような第2実施形態の六角孔20′付ボルト20を用い
てもよい。この場合、そのボルト20の頭部20aに、
雄ネジ20bの軸方向に対して傾斜する一対の傾斜面2
0″を、押し付け部5の溝5aに当接可能に設けること
で、押し付け部5と同行回転可能にする。
【0018】また、上記実施形態におけるボルト1と押
し付け部5とに代えて、図5に示すような第3実施形態
の六角孔30′付ボルト30を用いてもよい。この場
合、そのボルト30の頭部30aに、上記実施形態と同
様のカム受け部15が形成された押し付け部5′が一体
的に形成されている。
【0019】また、上記実施形態では、雄ネジ部材とし
て頭部1a付のボルト1を示し、雌ねじ部材3として雌
ネジ3aを有する構造部材を例示したが、図6の第4実
施形態に示すように、雄ネジ部材として植え込みボルト
40aを有する構造部材40に、雌ねじ部材としてナッ
ト41をねじ合わせる場合に、本発明を適用できる。こ
の場合、押し付け部5はナット41と同行回転するもの
とされ、ワッシャ6は雄ネジ部材40側である取り付け
部材4にねじ合わせの緩み時に相対回転しないように食
い込み可能とされる。他は上記実施形態と同様で、同一
部分は同一符号で示す。
【0020】図7の(1)、(2)、(3)、図8の
(1)、(2)に示す第5実施形態のネジの緩み防止装
置は、第1実施形態と同様に、ボルト(雄ネジ部材)1
により取り付け部材4を雌ネジ3aを有する構造部材で
例示される雌ねじ部材3に固定する場合において、その
ボルト1と雌ねじ部材3との相対的な緩みを防止するも
のである。
【0021】そのボルト1は、外周が6角形に沿う頭部
1aと、雄ネジ1bとを有する。その取り付け部材4は
雄ネジ1bの通孔4aを有する。その雄ネジ1bと雌ネ
ジ3aとは本実施形態では右ネジとされている。その雄
ネジ1bは一対のワッシャ50、51に挿通される。
【0022】各ワッシャ50、51は、割り溝を有する
互いに同一サイズのスプリングワッシャで、軸方向に並
列することで互いに接合される。一方のワッシャ50は
ボルト1の頭部1aに接合され、その厚さが周方向に沿
って時計回りに進むに従い次第に高くなるように配置さ
れる。他方のワッシャ51は取り付け部材4に接合さ
れ、その厚さが周方向に沿って反時計回りに進むに従い
次第に高くなるように配置される。
【0023】その他方のワッシャ51は、軸方向一端面
が一方のワッシャ50に接合するカム面10とされ、そ
の厚さの最も大きくなる部分の周方向一端面が接合面1
1とされ、その接合面11と軸方向他端面との交差部が
食い込み部12とされている。これにより、その他方の
ワッシャ51は、ボルト1の頭部1aと雌ねじ部材3と
の間に一方のワッシャ50と取り付け部材4とを介して
挟み込まれると、軸方向に弾性的に圧縮変形する。その
変形に基づく弾力により、その食い込み部12は、雌ね
じ部材3側の取り付け部材4に、ねじ合わせの締め込み
時に相対回転し、ねじ合わせの緩み時に相対回転しない
ように食い込む。この食い込みにより、そのカム面10
は、ねじ合わせ状態の雌ねじ部材3とねじ合わせの緩み
方向に同行してボルト1に対して相対回転可能とされて
いる。
【0024】その一方のワッシャ50は、軸方向他端面
が他方のワッシャ51の一端面に対向する上記カム面1
0に接合可能なカム受け部15とされ、その厚さの最も
大きくなる部分の周方向一端面が上記接合面11に接合
可能な接合面16とされ、その接合面16と軸方向一端
面との交差部が食い込み部72とされている。これによ
り、その一方のワッシャ50は、ボルト1の頭部1aと
雌ねじ部材3との間に他方のワッシャ51と取り付け部
材4とを介して挟み込まれると、軸方向に弾性的に圧縮
変形する。その変形に基づく弾力により、その食い込み
部72は、ボルト1の頭部1aに、ねじ合わせの締め込
み時に相対回転し、ねじ合わせの緩み時に相対回転しな
いように食い込む。この食い込みにより、そのカム受け
部15は、ねじ合わせ状態のボルト1とねじ合わせの緩
み方向に同行して雌ねじ部材3に対して相対回転可能と
されている。また、ボルト1を雌ねじ部材3にねじ合わ
せると、そのねじ合わせ状態においてカム面10とカム
受け部15とはボルト1の軸方向から互いに押し付けら
れる。
【0025】上記のようにカム面10は、その厚さが周
方向に沿って反時計回りに進むに従い次第に高くなる他
方のワッシャ51の一端面により構成されているので、
ボルト1と雌ねじ部材3との緩み時において、そのカム
受け部15をボルト1の軸方向に案内する。このカム面
10の案内によるカム受け部15の軸方向移動距離が、
ボルト1の雄ネジ1bと雌ねじ部材3の雌ネジ3aのリ
ードに対応するボルト1と雌ねじ部材3の相対的な軸方
向移動距離よりも大きくなるように、そのカム面10の
形状が設定されている。
【0026】上記構成によれば、一方のワッシャ50を
ボルト1に、他方のワッシャ51を雌ねじ部材3側の取
り付け部材4に食い込ませることができる。その他方の
ワッシャ51にカム面10が、一方のワッシャ50にカ
ム受け部15が形成されるので、カム面10は雌ねじ部
材3と、カム受け部15はボルト1と、ねじ合わせの緩
み時に同行回転する。これにより、カム面10とカム受
け部15は相対回転し、この相対回転により、カム面1
0はカム受け部15をボルト1の軸方向に案内する。こ
のカム面10の案内によるカム受け部15の軸方向移動
距離は、雄ネジ1bと雌ネジ3aのリードに対応する相
対的なボルト1と雌ねじ部材3の軸方向移動距離よりも
大きく、そのカム面10とカム受け部15とはボルト1
と雌ねじ部材3のねじ合わせ状態においてボルト1の軸
方向から互いに押し付けられているので、ボルト1と雌
ねじ部材3のねじ合わ部に軸方向力が作用する。その軸
方向力によりボルト1と雌ねじ部材3の緩み方向への相
対回転を防止できる。また、その緩み防止を一対のワッ
シャ50、51を設けるだけで行える。
【0027】上記第5実施形態における各ワッシャ5
0、51に代えて、図9の(1)、(2)の第6実施形
態に示すように、軸方向端面の一部が凹曲面58とされ
たワッシャ50、51を用い、その凹曲面58と接合面
11、16とで食い込み部12、72を構成してもよ
い。他の構成は第5実施形態と同様であって、同一部分
は同一符号で示す。
【0028】また、上記実施形態においては、雌ねじ部
材3あるいは雄ネジ部材40は、一方が構造部材のよう
なそれ自体は回転することがなく、他方のみが回転する
ことで緩みを生じるものとしたが、図10の第7実施形
態や図11の第8実施形態に示すように、雄ネジ部材が
ボルト1であり、雌ねじ部材3′がナットであって、共
にそれ自体が回転することで緩みを生じる場合は、本発
明の緩み止め装置を2組用いて緩み止めを行ってもよ
い。この場合、ボルト1とナット3′により2部材4、
4′を挟み込む。第7実施形態の他の構成は第1実施形
態と同様で、第8実施形態の他の構成は第5実施形態と
同様であって、同一部分は同一符号で示す。
【0029】図12の(1)、(2)に示す第9実施形
態のネジの緩み防止装置は、ボルト(雄ネジ部材)10
1とナット(雌ねじ部材)102とにより2つの板状部
材103、104を連結する場合において、そのボルト
101とナット102の相対的な緩みを防止するもので
ある。そのボルト101とナット102とは本実施形態
では右ネジとされている。
【0030】そのボルト101は、外周が6角形に沿う
頭部101′と、雄ネジ101″とを有し、その雄ネジ
101″は板状部材103、104のバカ孔に挿通され
る。その雄ネジ101″はワッシャ106に挿通され
る。そのワッシャ106は、そのボルト101がナット
102にねじ込まれることで、板状部材103、104
を介して、そのボルト101とナット102との間に挟
み込まれる。
【0031】そのワッシャ106の厚さは、径方向一端
から他端に向かうに従い(図において左方から右方に向
かうに従い)漸次薄くなるものとされている。そのワッ
シャ106の一端の最大厚さt1と他端の最少厚さt2
との差は、そのボルト101のネジ山101aをナット
102のネジ溝102aに、径方向一端側(図2におい
て左方側)では軸方向一端側(図において下方側)に押
し付け、径方向他端側では軸方向他端側に押し付け可能
に設定されている。すなわち、その最大厚さt1と最少
厚さt2との差は、そのボルト101のネジ山101a
とナット102のネジ溝102aとの間のクリアランス
の軸方向寸法よりも大きくされ、好ましくは、その厚さ
の差はクリアランスの軸方向寸法の1.5倍以上とされ
る。
【0032】この構成によれば、ボルト101をナット
102にねじ込むと、そのワッシャ106の厚さが径方
向一端から他端に向かうに従い漸次薄いことにより、ボ
ルト101を曲げようとする力が作用する。その力によ
り、ボルト101のネジ山101aがナット102のネ
ジ溝102aに、径方向一端側では軸方向一端側に押し
付けられ、径方向他端側では軸方向他端側に押し付けら
れるので、ボルト101とナット102の緩みを防止で
きる。また、図12の(3)に示すように、仮にボルト
101とナット102とからネジ山とネジ溝とをなくし
たとしても、ボルト101に軸方向力Fが作用すると、
そのナット102の内周端部102cがボルト101に
径方向から押し付けられ、その軸方向変位を阻止するこ
とができる。これにより、この構成はボルトやナットに
軸方向力が作用する構造に用いるのに適したものであ
り、例えば、つり上げ装置や引っ張り装置等において、
そのつり上げ力や引っ張り力が作用する部材をネジによ
り別部材に連結する場合に用いるのに適する。
【0033】図13の(1)、(2)は第10実施形態
を示す。上記第9実施形態との相違は、上記ワッシャ1
06に代えてスプリングワッシャ111が用いられてい
る点にある。これにより、そのボルト101のナット1
02へのねじ込みによるワッシャ111の軸方向変形に
基づく弾力によっても、ボルト101のネジ山101a
をナット102のネジ溝102aに押し付けることがで
きる。さらに、そのワッシャ111の厚さは割り溝11
2の形成部において最も厚くされている。これにより、
そのワッシャ111は、ナット102とボルト101側
である一方の板状部材103とに、ねじ合わせの緩み時
に相対回転しないように食い込み可能となる。すなわ
ち、そのワッシャ111は割り溝112の形成部におけ
る各対向端部の軸方向一端111a、111bがねじ合
わせの緩み時に相対回転しないように、ナット102と
ボルト101側である一方の板状部材103に食い込
む。これにより、確実にボルト101とナット102の
緩みを防止できる。なお、ボルト101をナット102
にねじ込む時に、割り溝112の形成部における各対向
端部の軸方向他端111c、111dがナット102と
板状部材103に食い込まないように、その他端111
c、111dは面取り部とされている。なお、その面取
り部とすることに代えて凸曲面とされてもよい。他は上
記実施形態と同様で、同一部分は同一符号で示す。
【0034】図14の(1)、(2)は第11実施形態
を示す。上記第10実施形態との相違は、スプリングワ
ッシャ111に、ねじ合わせの緩み時にナット102と
板状部材103に食い込む部分111a、111bが、
図において矢印pで示すように、その食い込みの反力に
より周方向に沿って変形するように、切欠120が形成
されている点にある。これにより、そのワッシャ121
の割り溝112の形成部における各対向端部の軸方向一
端111a、111bを、その変形に対向しようとする
応力により、より確実にナット102と板状部材103
に食い込ませることができる。他は上記実施形態と同様
で、同一部分は同一符号で示す。
【0035】
【発明の効果】本発明によれば、互いにねじ合わされる
雄ネジ部材と雌ネジ部材との相対的な緩みを、ロックナ
ットが使用できない場合でも確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のネジの緩み防止装置の
構成説明用斜視図
【図2】本発明の第1実施形態のネジの緩み防止装置の
ねじ合わせ前の状態の側面図
【図3】本発明の第1実施形態のネジの緩み防止装置の
ねじ合わせ後の状態の側面図
【図4】本発明の第2実施形態のネジの緩み防止装置の
ボルトの(1)は斜視図、(2)は一部破断側面図
【図5】本発明の第3実施形態のネジの緩み防止装置の
ボルトの斜視図
【図6】本発明の第4実施形態のネジの緩み防止装置の
側面図
【図7】本発明の第5実施形態のネジの緩み防止装置の
(1)は構成説明用側面図、(2)はねじ合わ状態の側
面図、(3)はねじ合わ状態での両ワッシャの展開図
【図8】本発明の第5実施形態のネジの緩み防止装置の
ワッシャの(1)は斜視図、(2)は側面図
【図9】本発明の第6実施形態のネジの緩み防止装置の
(1)は側面図、(2)はねじ合わ状態での両ワッシャ
の展開図
【図10】本発明の第7実施形態のネジの緩み防止装置
の側面図
【図11】本発明の第8実施形態のネジの緩み防止装置
の側面図
【図12】本発明の第9実施形態のネジの緩み防止装置
の(1)は構成説明用断面図、(2)はナットの斜視図
図、(3)は作用説明図
【図13】本発明の第10実施形態のネジの緩み防止装
置の(1)はナットの斜視図、(2)は部分側面図
【図14】本発明の第11実施形態のネジの緩み防止装
置の(1)はナットの斜視図、(2)は部分側面図
【符号の説明】
1、101 ボルト(雄ネジ部材) 3 雌ねじ部材 5 押し付け部 6 ワッシャ 10 カム面 15 カム受け部 50、51、106、111、121 ワッシャ 102 ナット

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 互いにねじ合わされる雄ネジ部材と雌ネ
    ジ部材との相対的な緩みを防止する装置であって、 ねじ合わせ状態の両ネジ部材の中の一方と、ねじ合わせ
    の緩み方向に同行して他方に対して相対回転可能なカム
    面と、 ねじ合わせ状態の両ネジ部材の中の他方と、ねじ合わせ
    の緩み方向に同行して一方に対して相対回転可能なカム
    受け部とを備え、 そのカム面とカム受け部とは両ネジ部材のねじ合わせ状
    態において雄ネジ部材の軸方向から互いに押し付けら
    れ、 そのカム面は、そのねじ合わせの緩み時において、その
    カム受け部を雄ネジ部材の軸方向に案内可能な形状を有
    し、このカム面の案内によるカム受け部の軸方向移動距
    離は、両ネジ部材のリードに対応する相対的な軸方向移
    動距離よりも大きくされているネジの緩み防止装置。
  2. 【請求項2】 その雄ネジ部材と雌ネジ部材の中の一方
    と同行回転可能な押し付け部と、 その雄ネジ部材が挿通されるワッシャとを備え、 その押し付け部とワッシャの中の一方に前記カム面が形
    成され、他方に前記カム受け部が形成され、 そのワッシャは、その雄ネジ部材と雌ネジ部材との間に
    押し付け部を介して挟み込まれることで軸方向に弾性的
    に圧縮変形可能とされると共に、その変形に基づく弾力
    により、その雄ネジ部材と雌ネジ部材の中の他方側にね
    じ合わせの緩み時に相対回転しないように食い込み可能
    とされている請求項1に記載のネジの緩み防止装置。
  3. 【請求項3】 その雄ネジ部材が挿通される一対のワッ
    シャを備え、 両ワッシャの一方に前記カム面が形成され、他方に前記
    カム受け部が形成され、 各ワッシャは、その雄ネジ部材と雌ネジ部材との間に挟
    み込まれることで軸方向に弾性的に圧縮変形可能なスプ
    リングワッシャとされ、 一方のワッシャは、その変形に基づく弾力により、雄ネ
    ジ部材側にねじ合わせの緩み時に相対回転しないように
    食い込み可能とされ、 他方のワッシャは、その変形に基づく弾力により、雌ネ
    ジ部材側にねじ合わせの緩み時に相対回転しないように
    食い込み可能とされている請求項1に記載のネジの緩み
    防止装置。
  4. 【請求項4】 互いにねじ合わされる雄ネジ部材と雌ネ
    ジ部材との相対的な緩みを防止する装置であって、 その雄ネジ部材が挿通されると共に、その雄ネジ部材と
    雌ネジ部材との間に挟み込まれるワッシャを備え、 そのワッシャの厚さは、径方向一端から他端に向かうに
    従い漸次薄くなるものとされ、 そのワッシャの一端の厚さと他端の厚さとの差は、その
    雄ネジ部材のネジ山を雌ねじ部材のネジ溝に、径方向一
    端側では軸方向一端側に押し付け、径方向他端側では軸
    方向他端側に押し付け可能に設定されているネジの緩み
    防止装置。
  5. 【請求項5】 そのワッシャはスプリングワッシャとさ
    れ、各ネジ部材側にねじ合わせの緩み時に相対回転しな
    いように食い込み可能となるように、そのワッシャの厚
    さは割り溝の形成部において最も厚くされている請求項
    4に記載のネジの緩み防止装置。
  6. 【請求項6】 そのワッシャに、ねじ合わせの緩み時に
    各ネジ部材側に食い込む部分が、その食い込みの反力に
    より周方向に変形するように、切欠が形成されている請
    求項5に記載のネジの緩み防止装置。
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