JP3058867B2 - 乗員数推定器及び内外気切換ドア制御装置 - Google Patents

乗員数推定器及び内外気切換ドア制御装置

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JP3058867B2
JP3058867B2 JP10375582A JP37558298A JP3058867B2 JP 3058867 B2 JP3058867 B2 JP 3058867B2 JP 10375582 A JP10375582 A JP 10375582A JP 37558298 A JP37558298 A JP 37558298A JP 3058867 B2 JP3058867 B2 JP 3058867B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用空調装置等
における使用に適する車両の乗員数を推定する乗員数推
定器に係り、特に、いわゆるニューラルネットワークを
用いてなるものに関する。
【0002】
【従来の技術】自動車等の車両に搭載され、車室内の空
気調和を図るいわゆる車両用空調装置は、車室内の熱負
荷を決定するための環境因子として、例えば、車外の温
度、車室内の温度、日射量等に加え、場合によって、乗
員の数等を取り込んで、所定の演算式に基づいて車室内
の熱負荷を算出し、その熱負荷に応じてブロアの風量、
エアミックスドアの開度等が決定されるように構成され
てなるものである(例えば特開平61−193919号
公報等参照)。ところで、かかる車両用空調装置におい
て、乗員数を検知する手段としては、例えば、焦電型赤
外線センサや超音波センサを用いて、その出力信号に基
づいて乗員数を判断するものが主流である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな焦電型赤外線センサや超音波センサ等のセンサは、
乗員数の検知専用のものであるため、可能な限りの生産
コストの低減と部品点数の低減が望まれる車両生産の現
状にあっては、乗員数に比して一般的に優先度の高い他
の環境因子を検出するためのセンサ(例えば車室内の温
度を検出するための温度センサ等)に比して、より安価
な乗員検知センサが望まれている。さらに、焦電型赤外
線センサや超音波センサを用いて乗員を検知する場合に
は、センサを個々の乗員の位置へ指向させるためのいわ
ば指向機構のようなものが必要となる。そのため、上述
のようなセンサを用いる場合は、センサ自体のコスト高
と相俟って、この指向機構のコストも加わり車両の高価
格化を招くばかりか、その取り付け位置が限定されるた
めに、部品等の取り付けのいわゆる設置スペースに条件
の多い車両にあっては、ことさら使用しづらいものであ
った。
【0004】本発明は、上記実状に鑑みてなされたもの
で、乗員数の検知のために特別のセンサを用いることな
く、しかも、取り付け位置の制限を必要とせずに車室内
の乗員数の推定値を得ることができる乗員数推定器を提
供するものである。本発明の他の目的は、従来の車両用
空調装置における環境因子や空調機器の動作状態を基に
乗員数の推定値を得ることができる乗員数推定器を提供
することにある。本発明の他の目的は、従来の車両用空
調装置における環境因子や空調機器の動作状態を基に乗
員数の推定値を得ることができる乗員数推定器を用いた
内外気切換ドア制御装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明に係
る乗員数推定器は、車両用空調装置による車室内の空調
状態を設定するために用いられる複数の環境因子と、車
両用空調装置における空調機器の状態とに基づいて車室
内の乗員数の推定値を演算算出する乗員数推定器であっ
て、当該乗員数推定器は、ニューラルネットワークを用
いてなるものである。
【0006】かかる構成においては、車両用空調装置に
よる車室内の空調状態を設定するために用いられる複数
の環境因子と、車両用空調装置における空調機器の状態
とに基づいて、ニューラルネットワークによって乗員数
の推定値が得られるため、従来のような乗員数検知のた
めのセンサが不要となるものである。ニューラルネット
ワークの入力信号となる複数の環境因子や空調機器の状
態はは、車両用空調装置に用いられる信号の一部を流用
すればよく、また、ニューラルネットワークは、マイク
ロコンピュータとソフトウェアとによって実現し得るも
のである。特に、マイクロコンピュータは、車両用空調
装置の制御に用いられるマイクロコンピュータと兼用す
ることで、新たにマイクロコンピュータを設ける必要が
なくなり、従来の乗員数検知のための専用のセンサに代
わり得る安価な乗員数推定器を提供することができるこ
ととなるものである。
【0007】特に、上記構成において、ニューラルネッ
トワークへ入力される複数の環境因子は、室内温度セン
サ値、外気温センサ値、日射センサ値とし、ニューラル
ネットワークへ入力される空調機器の状態は、車室内へ
の吹出しモード、ミックスドア開度、ブロアモータデュ
ーティ比とすると好適である。これらの信号は、乗員数
を推定するにおいて、特に有効なものであるため、信頼
性の高い乗員数の推定値を得ることができることとなる
ものである。
【0008】また、ニューラルネットワークの学習時に
使用する教師信号を0.02から0.98に正規化して入
力するようにすると好適である。これは、シグモイド関
数の値が0〜1の間の値をとり、「0」と「1」とが飽
和値であることを考慮したもので、このように本来の値
よりも若干小さい範囲とすることで、学習効率の向上と
出力値の安全性の確保が図られることとなるものであ
る。
【0009】さらに、ニューラルネットワークに用いら
れるシグモイド関数を、複数の一次関数の集合による近
似関数とし、当該複数の一次関数は、本来のシグモイド
関数の値と前記近似関数を構成する一次関数により求め
られる近似値との誤差が、所定の範囲となるように、シ
グモイド関数の入力変数の範囲を複数に分割し、かつ、
それぞれの分割範囲におけるそれぞれの一次関数の係数
が設定されてなるものとすると好適である。このような
構成とすることで、正規の関数を記憶する場合に比して
関数を記憶する記憶領域の容量の削減ができ、さらに、
演算時間の短縮が図られることとなるものである。
【0010】また、請求項5記載の発明に係る内外気切
換ドア制御装置は、車両用空調装置における空調ダクト
への内気と外気の導入量を切り換える内外気切換ドアの
制御装置であって、車室外の空気の汚れ具合を検出、判
定する車外空気検出判定手段と、車室内の乗員数を検出
する乗員数検出手段と、前記乗員数検出手段の出力信号
に基づいて乗員数を判定する乗員数判定手段と、前記車
外空気検出判定手段の出力信号と、前記乗員数判定手段
の出力信号に基づいて、前記内外気切換ドアのドア位置
を決定するドア位置決定手段と、前記ドア位置決定手段
の決定結果に基づいて、前記内外気切換ドアを回動する
ドア回動手段と、を具備してなり、前記乗員数検出手段
は、車両用空調装置による車室内の空調状態を設定する
ために用いられる複数の環境因子と、車両用空調装置に
おける空調機器の状態とに基づいて車室内の乗員数の推
定値を演算算出する乗員数推定器からなり、当該乗員数
推定器は、ニューラルネットワークを用いてなるもので
ある。
【0011】かかる構成においては、乗員数に応じて車
室内の換気がなされるように内外気切換ドアのドア位置
が制御されるため、乗員数に応じた適切な量の外気が車
外の空気の汚れ具合を考慮して導入されることとなり、
乗員数に応じた適切な換気が実現されるものである。特
に、乗員数検出手段としてニューラルネットワークを用
いてなる乗員数推定器を用いることで、従来と異なり、
乗員数検知のための専用のセンサが不要となるので、部
品点数の削減、装置価格の低減が図られることとなるも
のである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る乗員数推定器
及び内外気切換ドア制御装置について、図1乃至図11
を参照しつつ説明する。なお、以下に説明する部材、配
置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の
範囲内で種々改変することができるものである。最初
に、この発明の実施の形態における乗員数推定器の基本
的な構成について図1を参照しつつ説明する。本発明の
実施の形態における乗員数推定器Sは、いわゆるニュー
ラルネットワークを用いてなり、車両用空調装置(図示
せず)において用いられるいわゆる複数の環境因子の内
から予め選択された複数の環境因子や空調機器の状態を
表す信号を入力信号とし、これらの入力信号を基に後述
するように車室内の乗員数の推定値を出力するように構
成されてなるものである。ここで、車両用空調装置(図
示せず)において用いられるいわゆる複数の環境因子の
内、この発明の実施の形態における乗員数推定器Sの入
力信号として流用されるものとしては、車室温センサ
値、外気温センサ値、日射センサ値である。さらに、空
調機器の状態を表す入力信号として、吹出しモード、ミ
ックスドア開度、ブロアモータデューティ比が入力され
るようになっている。
【0013】このような乗員数推定器Sは、より具体的
には、例えばいわゆるマイクロコンピュータとソフトウ
ェアとにより実現され得るものである。なお、この乗員
数推定器Sをマイクロコンピュータとソフトウェアとに
より実現する場合において、車両用空調装置に用いる際
には、車両用空調装置において動作制御等を行うために
用いられるマイクロコンピュータを流用するようにすれ
ば、乗員数推定器Sだけのために別個にマイクロコンピ
ュータを設ける必要がなくなり、そのための設置スペー
スが不要となり、構成の簡素化が図られることとなる。
【0014】車室温センサ値は、車室内温度の検出値で
あり、外気温センサ値は、外気温度の検出値であり、日
射センサ値は、車室内への日射量の検出値である。これ
ら各々のセンサ値は、所定の信号形式で入力されるよう
になっているものである。また、吹出しモードは、車両
用空調装置において種々設定される車室内への吹出しモ
ードである。通常、吹出しモードは、複数あるため、そ
の吹出しモードに応じた所定の形式の信号がこの乗員数
推定器Sへ入力されるようにすると好適である。ミック
スドア開度は、車両用空調装置におけるいわゆるエアミ
ックスドアの開度である。通常、ミックスドア開度は、
基準となるドア位置を100%として(例えばエバポレ
ータへの空気の流通を完全に遮断し、導入空気を全てエ
バポレータをバイパスさせるドア位置を100%とし
て)、百分率で表されるものとなっており、乗員数推定
器Sには、その百分率の値が所定の信号形式で入力され
るようにしてある。
【0015】ブロアモータデューティ比は、車両用空調
装置において、いわゆる空調ダクトの上流側に設けられ
るブロアモータ(図示せず)の回転状態を決定するデュ
ーティ比である。すなわち、ここでは、前提として、ブ
ロアモータは、いわゆるデューティ比制御されるものと
している。デューティ比制御は、ブロアモータの回転状
態を設定するに当り、パルス信号を所定の繰り返し周期
でブロアモータの駆動回路(図示せず)入力するように
し、パルス信号の幅を変える、換言すれば、繰り返し周
期に対するパルス信号の幅を変える、すなわちデューテ
ィ比を変えることで、ブロアモータの回転数を変えるよ
うにした公知・周知のモータ制御方法である。この発明
の実施の形態においては、このブロアモータデューティ
比を所定の信号形式で乗員数推定器Sへ入力するように
してある。
【0016】乗員数推定器Sを構成するニューラルネッ
トワーク自体は、公知・周知の構成によるもので、図2
には、この発明の実施の形態におけるニューラルネット
ワークの構成例が示されており、以下、同図を参照しつ
つこの発明の実施の形態におけるニューラルネットワー
クについて説明する。ニューラルネットワークは、入力
層、隠れ層及び出力層を有してなるもので、入力層に
は、上述したような入力信号が印加されるものである。
このニューラルネットワークにおいては、下記するよう
なシグモイド関数が用いられるようになっている。
【0017】 yj=1/{1+exp(−|xj|)}・・・(式1)
【0018】ここで、xjは、層iへの各々の入力信号
ViにウェイトWijを乗じた値からバイアスbjを減じた
(xj=Σ(Vi×Wij)−bj)もので、yjは、層iか
らの出力信号(層jへの入力信号)である。なお、この
シグモイド関数は、図3に示されたように、−∞〜+∞
の入力変数xの変化に対して、0〜1の範囲でyの値が
定まるようになっているものである。
【0019】本発明の実施の形態における乗員数推定器
Sは、ニューラルネットワークの学習時の教師信号とし
て、種々の乗員数と各々の乗員数における各入力信号の
種々の値を用いる。すなわち、例えば、乗員数推定器S
を用いる車両の最大乗員数が4名である場合、まず、乗
員数一名の場合において、室内温センサ値、外気温セン
サ値等の乗員推定器 の入力信号となる各々の信号につ
いて種々のデータを取得する。そして、その取得した室
内温センサ値等の種々のデータを乗員数推定器Sへ入力
し、その際に出力される乗員数推定値が1となるように
ウェイトWijやバイアスbjを学習によって求める。そ
して、乗員数2、乗員数3、乗員数4の各々の場合にお
いても同様に各々の入力信号についての取得したデータ
を乗員数推定器Sへ入力し、学習により乗員数推定値が
対応する乗員数となるようにウェイトWijやバイアスb
jを求める。そして、このようにして求められたウェイ
トWijやバイアスbjを乗員数推定器Sに設定して、乗
員数推定器Sとして実際に用いることができることとな
る。
【0020】ここで、ニューラルネットワークへの各々
の入力信号は、実際には、計測されたデータの最小値か
ら最大値までを「0」から「1」へ正規化し、各々の入
力信号のウェイトWijを同じ基準で評価できるようにし
ている。一方、教師信号は、先に述べたシグモイド関数
の出力特性が「0」及び「1」がそれぞれ飽和出力値で
あることを考慮し、計測データの最小値から最大値を
「0.02」から「0.98」に正規化して用いるように
している。これは、上述したシグモイド関数をニューロ
ンの入力関数としているニューラルネットワークにおけ
る学習においては、学習効率及び安全性を考慮すると、
上述のように教師信号を「0」から「1」に正規化する
よりも、若干狭い範囲の「0.02」から「0.98」に
正規化した方が学習効率及び安全性が向上するだけでな
く、収束速度も速くなるためである。
【0021】次に、第2の発明の実施の形態について図
4及び図5を参照しつつ説明する。この第2の発明の実
施の形態における乗員数推定器Sにおいて、その入出力
信号は、先に図1に示されたと同様のものであるが、ニ
ューラルネットワークで用いられるシグモイド関数が異
なるものである。すなわち、第1の実施の形態における
乗員数推定器Sにおいては、式1で示されたシグモイド
関数を用いるようにしたものであったのに対し、この第
2の発明の実施の形態における乗員数推定器Sでは、式
1で示されたシグモイド関数の直線近似関数を用いるよ
うにした点が異なるものである。すなわち、第1の発明
の実施の形態におけるシグモイド関数は、先に式1に示
されたように指数関数を含む式であるが、この第2の発
明の実施の形態においては、このシグモイド関数を適宜
な間隔で直線近似し、複数の一次関数により表してい
る。このように複数の一次関数でシグモイド関数を表す
ことで、このシグモイド関数を記憶するためのメモリ容
量が低減されると共に、演算時間が短縮されることとな
るものである。
【0022】例えば、式1に示されたシグモイド関数
を、8ビットのいわゆる組込み型マイクロコンピュータ
において記憶させる場合、関数値を高い精度とするた
め、指数関数と、いわゆる浮動少数演算ライブラリと称
される公知・周知のソフトウェアが必要となり、記憶素
子(例えばROM)の容量や演算時間が大となってしま
う。一方、一次関数は、除算を含んでいないため浮動少
数点演算の必要がなく、整数演算を用いても演算精度を
維持することができ、そのため、いわゆるROM等の記
憶素子の記憶容量や演算時間が小さくなるというメリッ
トがある。
【0023】このような直線近似されたシグモイド関数
の一具体例が図4に示されている。この図4に示された
言わば近似関数は、式1のシグモイド関数を基準とした
誤差が、例えば±0.005以内となるように変数xの
範囲を17区分として、それぞれの区分において式1の
シグモイド関数が一次関数(y=ai・x+bi;但し、
i=1〜17)として表されるようにしたものである。
この第2の発明の実施の形態においては、この図4に示
された直線近似されたシグモイド関数をROM等の記憶
素子に記憶させておき用いるようにしてある。図5に
は、式1に示されたシグモイド関数と、図4に示された
直線近似されたシグモイド関数との誤差を求めた結果が
示されている。これによれば、式1に示されたシグモイ
ド関数と直線近似されたシグモイド関数との誤差の大き
さは、全入力範囲において±0.005以内となってい
ることが確認できる。
【0024】なお、図4に示された例では、シグモイド
関数を、誤差が±0.005以内となるように17本の
直線で近似したが、これに限定される必要はないもので
ある。実用的観点からは、誤差が0.03以内(±3%
以内)であれば特に問題が生ずることはないので、その
誤差の範囲であれば近似に用いる直線の本数も適宜設定
し得るものである。また、近似は必ずしも折れ線である
必要はなく、直線数(入力範囲の分割数)を少なくし、
演算速度を速めるという観点からは、むしろ不連続とし
た方がよい場合もある。さらに、上述した発明の実施の
形態においては、いわゆる対数型のシグモイド関数を用
いたが、必ずしも対数型である必要はなく、下記する式
2で示されるようなtanh型のシグモイド関数を用い
てもよく、さらには、他の型のシグモイド関数を用いて
もよいことは勿論である。
【0025】 yj={tanh(xj)+1}/2・・・(式2)
【0026】またさらに、上述した発明の実施の形態に
おける乗員数推定器Sの入力信号は、乗員数推定を行う
上で、乗員数推定値に比較的影響の大きいものという観
点で選択されたものであるが、これらの入力信号に限定
される必要がないことは勿論であり、必要とされる推定
値の精度等を勘案して、入力信号の種類、数等は種々設
定してよいものである。
【0027】次に、上述した乗員数推定器の応用例につ
いて図6乃至図11を参照しつつ説明する。この応用例
は、いわゆる車両用空調装置における内外気切換ドア制
御装置に乗員数推定器を用いたものである。最初に、図
6を参照しつつこの応用例における内外気切換ドア制御
装置S1の構成について説明する。この図6に示された
構成は、車両用空調装置に適用する場合のものであっ
て、特に、内外気切換ドア4とその近傍周辺の構成が示
されており、以下、同図を参照しつつその構成について
説明する。車両用空調装置は、空調ダクト1の最上流端
が、外気導入口2と、内気導入口3とに分岐されてお
り、この分岐部分には空調ダクト1へ導入する空気を選
択するための内外気切換ドア4が設けられている。
【0028】内外気切換ドア4は、アクチュエータ5に
より、その位置が変えられるようになっており、アクチ
ュエータ5は、後述するコントロールユニット(図6に
おいては「C/U」と表記)7により動作制御されるよ
うになっているものである。さらに、空調ダクト1の後
流側には、ブロアモータ6の他、図示されないエバポレ
ータ、ヒータコアが順次配置されており、空調ダクト1
の後端側は、車室内に複数に分岐されて開口すると共
に、その複数の開口部分には、それぞれ図示されないモ
ード吹き出しドアが設けられている。そして、これら複
数のモード吹き出しドアは、コントロールユニット7に
より、そのドア位置が制御されることで、車室内への空
気の吹き出し状態が設定されるようになっている。
【0029】コントロールユニット7は、車両の環境条
件を検出するための種々のセンサからの検出信号を入力
し、その入力信号を基に車室内のいわゆる熱負荷を算定
し、その熱負荷に応じて空調状態を適宜設定するべく、
内外気切換ドア4のドア位置や、ブロアモータ6の風量
等を制御するようになっているものである。なお、コン
トロールユニット7は、ブロアモータ駆動回路8を介し
てブロアモータ6の駆動を制御するようになっている。
ここで、種々のセンサとしては、例えば、エバポレータ
(図示せず)を通過する空気の温度を実質的に検出する
エバポレータ温度センサ11、車外の空気の温度を検出
する外気温センサ12、車室内への日射量を検出する日
射センサ13、車室内の温度を検出する室内温センサ1
4、内外気切換ドア4のドア位置を検出する開度センサ
15などを、車両用空調装置において一般に用いられる
代表的なものとして挙げることができる。勿論、これら
に限定される必要はないものである。この発明の実施の
形態においては、上述したセンサに加えて、後述するよ
うに乗員数の推定値を出力する乗員数推定器16及び車
室外の空気の汚れを判定するためのガスセンサ17がそ
れぞれ設けられており、コントロールユニット7にはこ
れらの出力信号も入力されるようになっている。
【0030】乗員数検出手段としての乗員数推定器16
は、先に説明した構成を有してなるもので、既に学習が
なされており、室内温センサ14等の検出信号を基に、
車室内の乗員数の推定値を出力するように構成されてな
るものである。その入力信号は、コントロールユニット
7から入力されるようになっており、具体的には、例え
ば、先に図1及び図2で示されたように室内温センサ
値、外気温センサ値、日射センサ値である。さらに、空
調機器の状態を表す入力信号として、吹出しモード、ミ
ックスドア開度、ブロアモータデューティ比が入力され
るようになっている。これらの信号は、コントロールユ
ニット7を介して乗員数推定器16へ入力されるように
なっている(図6参照)。
【0031】室内温センサ値は、室内温センサ14の検
出値であり、外気温センサ値は、外気温センサ12の検
出値であり、日射センサ値は、車室内への日射量を検出
する日射センサ13の検出値である。これら各々のセン
サ値は、所定の信号形式で入力されるようになっている
ものである。また、吹出しモードは、コントロールユニ
ット7により種々設定される車室内への吹出しモードで
ある。通常、吹出しモードは、複数あるため、その吹出
しモードに応じた所定の形式の信号がこの乗員数推定器
16へ入力されるようにすると好適である。ミックスド
ア開度は、図示されないエアミックスドアの開度であ
る。通常、ミックスドア開度は、基準となるドア位置を
100%として(例えばエバポレータへの空気の流通を
完全に遮断し、導入空気を全てエバポレータをバイパス
させるドア位置を100%として)、百分率で表される
ものとなっており、乗員数推定器16には、その百分率
の値が所定の信号形式で入力されるようにしてある。
【0032】ブロアモータデューティ比は、ブロアモー
タ6の回転状態を決定するデューティ比である。すなわ
ち、ここでは、前提として、ブロアモータ6は、いわゆ
るデューティ比制御されるものとしている。デューティ
比制御は、ブロアモータ6の回転状態を設定するに当た
り、パルス信号を所定の繰り返し周期でブロアモータ駆
動回路8へ入力するようにし、パルス信号の幅を変え
る、換言すれば、繰り返し周期に対するパルス信号の幅
を変える、すなわちデューティ比を変えることで、ブロ
アモータ6の回転数を変えるようにした公知・周知のモ
ータ制御方法である。この発明の実施の形態において
は、このブロアモータデューティ比を所定の信号形式で
乗員数推定器16へ入力するようにしてある。
【0033】ガスセンサ17は、例えば、図7に示され
たように車両の前側のバンパー付近に設けられるのが好
適であり、検出対象ガスとしては、NOx(窒素酸化
物)、HC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)などのい
ずれか一つを、または可能であれば複数のガスに対して
検知能力を有するものが好適である。そして、このガス
センサ17の出力特性は、例えば、車室外の空気の汚れ
が大きい、換言すれば、検知対象のガス濃度が高いほ
ど、出力電圧が大となるようになっており、特に、図8
に示されたように検出されるガス濃度(外気の汚れ具
合)と出力電圧とが比例関係にあるものが好適である。
【0034】次に、かかる構成における内外気切換ドア
4のコントロールユニット7による動作制御について図
9乃至図11を参照しつつ説明する。なお、乗員数推定
器16は、既にいわゆる学習がなされているものとす
る。コントロールユニット7による動作が開始される
と、まず、乗員数推定器16により入力信号に基づいて
乗員数推定値が演算算出され(図9のステップ100参
照)、データとしてコントロールユニット7へ入力され
ることとなる(図9のステップ200参照)。そして、
乗員数推定器16により得られた乗員数推定値に基づい
て乗員数が判断されることとなる(図9のステップ30
0参照)。
【0035】次に、ガスセンサ17の出力信号がデータ
としてコントロールユニット7に入力され(図9のステ
ップ400参照)、その出力信号のレベルによって車室
外の空気の汚れ具合の判定が行われることとなる(図9
のステップ500参照)。ここで、コントロールユニッ
ト7によって判断される車室外の空気の汚れ具合は、例
えば、ガスセンサ17の出力レベルに対して図10に一
例が示されたように状態1から状態4までの4つの状態
に区分して判断されるように予め判定基準が設定されて
いる。この図10に示された例の場合、ガスセンサ17
の出力電圧が上昇してゆく場合の状態判断基準と、ガス
センサ17の出力電圧が下降してゆく場合の状態判断基
準との間には、安定した判断を得るためにいわゆる所定
電圧幅のヒステリシスが設定されたものとなっている。
具体的には、ガスセンサ17の出力電圧が比較的低いレ
ベルから上昇してゆく場合において、まず、ガスセンサ
17の出力電圧が零vから所定電圧Vu1を超えるまでの
間は、状態1と判断され、所定電圧Vu1を超え所定電圧
Vu2(Vu1<Vu2)を超えるまでの間は、状態2と判断
され、さらに、所定電圧Vu2を超えて所定電圧Vu3(V
u2<Vu3)を超えるまでの間は、状態3と判断され、最
後に所定電圧Vu3を超えると状態4と判断されるように
予め設定されている(図10参照)。
【0036】また一方、ガスセンサ17の出力電圧が上
述した状態4を生じさせるレベルから低下してゆく場合
においては、まず、ガスセンサ17の出力電圧が所定電
圧Vd3を下回るまでは、状態4と判断され、所定電圧V
d3を下回り所定電圧Vd2(Vd3>Vd2)を下回るまでの
間は、状態3と判定され、さらに、所定電圧Vd2を下回
り所定電圧Vd1(Vd2>Vd1)を下回るまでは、状態2
と判断され、最後に所定電圧Vd1を下回ると、状態1と
判断されるように予め設定されている(図10参照)。
ここで、各々の状態判断におけるヒステリシスVhの大
きさ、すなわち、(Vu1−Vd1)、(Vu2−Vd2)、(Vu3
−Vd3)の大きさは、共に等しく設定されている。な
お、この各々のヒステリシスVhの大きさは、必ずしも
等しくある必要はなく別々の大きさに設定してもよいも
のである。また、車室外の空気の汚れ具合は、状態4が
最も悪く(換言すれば検知対象のガス濃度が最大の状
態)、以下順に予め定めた汚れの程度(換言すればガス
濃度)で車室外の空気の汚れ具合が低下してゆくものと
して設定されている。なお、この各々の状態1乃至状態
4の基準は、特定のものに限定される必要はなく、任意
に設定されてよいものである。
【0037】上述のようにして状態判断がなされた後
は、その判断された状態と、先の乗員数判断処理(図9
のステップ300参照)によって判断された乗員数とに
基づくドア位置の決定処理が行われることとなる(図9
のステップ600参照)。すなわち、この発明の実施の
形態においては、車室外の空気の汚れ具合と、乗員数と
に応じて、内外気切換ドア4のドア位置を決定するよう
にしてあり、そのため、コントロールユニット7の所定
の記憶領域(図示せず)には、車室外の空気の汚れ具合
を示す状態1乃至状態4と乗員数とで所定の内外気切換
ドア4のドア位置が決定されるようにいわゆる変換表が
予め記憶されている。図11には、そのような変換表の
一例が示されており、以下、同図を参照しつつドア位置
決定について説明すれば、まず、車室外の空気の汚れ具
合が状態1であると判断されている場合には、外気の汚
れ具合は、乗員の健康に何等を支障をきたす状態ではな
いので、乗員数に拘わらず、内外気切換ドア4のドア位
置は、外気のみを導入する位置に設定されることとなる
(図11参照)。すなわち、この場合、内外気切換ドア
4は、そのドア位置を図6で言えば、内気導入口3を完
全に閉じる位置とされることとなる。なお、図11にお
いて「100%FRE」との表記は、内外気切換ドア4
が、外気のみを導入する位置、すなわち、内気導入口3
を完全に閉じる位置であることを意味するものとする。
【0038】次に、車室外の空気の汚れ具合が状態2で
あると判断されている場合には、内外気切換ドア4の位
置は、乗員数に応じて決定されることとなる(図11参
照)。すなわち、まず、乗員数が1名であると判断され
ている場合には、内外気切換ドア4は、内気と外気をそ
れぞれ50%ずつ取り込む位置、換言すれば、外気導入
口2のドア位置と内気導入口3のドア位置との丁度中間
位置に設定されるようになっている(図6及び図11参
照)。なお、図11において「50%FRE」との表記
は、内外気切換ドア4が、外気及び内気を上述のように
それぞれ50%ずつ導入する位置であることを意味する
ものとする。
【0039】また、車室外の空気の汚れ具合が状態2で
あると判断されている場合であって、かつ、乗員数が2
名と判断されている場合には、内外気切換ドア4は、先
の乗員数が1名と判断されている場合に比して外気導入
量が3%増える位置、すなわち、外気導入量が53%と
なる位置(図11においては「53%FRE」と表
記)、換言すれば、外気導入口2が53%開かれた位置
に設定されるようになっている(図6及び図11参
照)。さらに換言すれば、この場合、内外気切換ドア4
は、空調ダクト1内への外気と内気との導入空気量の割
合が、外気は53%の量、内気は残りの47%の量とな
る位置に設定されるようになっている。以下、同様にし
て、車室外の空気の汚れ具合が状態2であると判断され
ている場合であって、かつ、乗員数が3名と判断されて
いる場合には、先の乗員数が2名と判断されている場合
に比して外気導入量がさらに3%増える位置、すなわ
ち、内外気切換ドア4は、外気導入量が56%となる位
置(図11においては「56%」と表記)に、さらに、
車室外の空気の汚れ具合が状態2であると判断されてい
る場合であって、かつ、乗員数が4名と判断されている
場合には、先の乗員数が3名と判断されている場合に比
して外気導入量がさらに3%増える位置、すなわち、内
外気切換ドア4は、外気導入量が59%となる位置(図
11においては「59%」と表記)に、それぞれ設定さ
れるようになっている。
【0040】次に、車室外の空気の汚れ具合が状態3で
あると判断されている場合の内外気切換ドア4のドア位
置の決定について説明する。まず、乗員数が1名と判断
されている場合には、内外気切換ドア4は、外気導入量
が30%となる位置に設定されるようになっている(図
11においては「30%FRE」と表記)。換言すれ
ば、外気導入口2が30%開かれる位置に設定されるよ
うになっている(図6及び図11参照)。さらに換言す
れば、この場合、内外気切換ドア4は、空調ダクト1内
への外気と内気の導入量の割合が、外気が30%、内気
が70%となる位置に設定されるようになっている。以
下、乗員数が2名と判断されている場合には、先の乗員
数が1名と判断されている場合に比して外気導入量が5
%増える位置、すなわち、内外気切換ドア4は、外気導
入量が35%となる位置(図11においては「35%F
RE」と表記)に、また、乗員が3名であると判断され
ている場合には、乗員数が2名と判断されている場合に
比して外気導入量がさらに5%増える位置、すなわち、
内外気切換ドア4は、外気導入量が40%となる位置
(図11においては「40%FRE」と表記)に、最後
に、乗員数が4名と判断されている場合には、乗員数が
3名と判断されている場合に比して外気導入量がさらに
5%増える位置、すなわち、内外気切換ドア4は、外気
導入量が45%となる位置(図11においては「45%
FRE」と表記)に、それぞれ設定されるようになって
いる。
【0041】最後に、車室外の空気の汚れ具合が状態4
であると判断されている場合の内外気切換ドア4のドア
位置の決定について説明する。この場合、乗員数の増加
に伴い内外気切換ドア4位置は、外気導入量が10%ず
つ増える方向(換言すれば、内気導入口3へ接近する方
向)へそのドア位置が変えられるようになっている。す
なわち、乗員数が1名であると判断されている場合に
は、内外気切換ドア4は、外気導入量が10%となる位
置(図11においては「10%FRE」と表記)に設定
されるようになっており。また、乗員数が2名であると
判断されている場合には、内外気切換ドア4は、外気導
入量が20%となる位置(図11においては「20%F
RE」と表記)に設定されるようになっている。さら
に、乗員数が3名であると判断されている場合には、内
外気切換ドア4は、外気導入量が30%となる位置(図
11においては「30%FRE」と表記)に設定される
ようになっており、乗員数が4名であると判断されてい
る場合には、内外気切換ドア4は、外気導入量が40%
となる位置(図11においては「40%FRE」と表
記)に設定されるようになっている。
【0042】ここで、状態4は、車室外の空気の汚れ具
合が最も悪い状態であるが、このような状態にも拘わら
ず乗員数が4名の場合に、内外気切換ドア4を「40%
FRE」の位置に設定するのは、車室外の空気の汚れ具
合がかかる状態であっても、その外気が直接導入される
訳ではないためである。すなわち、空調ダクト1の図示
されない車室内への吹き出し口の部分には、フィルタ
(図示せず)が設けられており、外気に含まれる塵埃等
の除去がなされるようになっている。また、車室内への
外気導入量は、内外気切換ドア4の位置に加えて、ブロ
アモータ6の風量や、ミックスドア(図示せず)のドア
位置等によっても変化するものである。
【0043】そして、車室外の空気の汚れ具合が最悪の
場合であっても、上述のような諸条件を考慮すると、車
内換気のためにある程度の量の外気導入を行うことは可
能である。図11に示された内外気切換ドア4のドア位
置は、かかる観点から設定されたドア位置の一例であ
り、特に、状態4で、かつ、乗員4名の場合における内
外気切換ドア4のドア位置は、車室外の空気の汚れ具合
が最悪で、しかも車室内の乗員数が最大の状態にあって
も、この程度のドア位置での外気導入は、乗員の健康等
に不都合をきたすものではないという観点から定められ
たものである。上述のようにしてドア位置が決定された
後は、その決定されたドア位置に対応してコントロール
ユニット7からアクチュエータ5に対して制御信号が出
力されて内外気切換ドア4は、アクチュエータ5により
所定のドア位置へ回動されることとなる(図9のステッ
プ700参照)。
【0044】上述した構成においては、コントロールユ
ニット7による図9におけるステップ600の実行によ
り、ドア位置決定手段が、アクチュエータ5及びコント
ロールユニット7による図9におけるステップ700の
実行により、ドア回動手段が、それぞれ実現されたもの
となっている。また、コントロールユニット7による図
9におけるステップ300の実行により、乗員数判定手
段が実現されたものとなっている。また、ガスセンサ1
7とコントロールユニット7による図9におけるステッ
プ400,500の実行により車外空気検出手段が実現
されたものとなっている。なお、車外空気検出手段は、
車室外の空気の汚れ具合を検出する車外空気検出手段と
してのガスセンサ17と、車外空気検出手段の検出結果
に基づいて車室外の空気の汚れ具合を判定する汚れ判定
手段とからなり、汚れ判定手段は、コントロールユニッ
ト7による図9におけるステップ400,500の実行
により実現されると捉えてもよいものである。
【0045】
【発明の効果】以上、述べたように、請求項1乃至請求
項4記載の発明によれば、ニューラルネットワークを用
いて車両用空調装置において用いられる複数の環境因子
を基に、車室内の乗員数が把握できるような構成とした
ので、車両用空調装置における既存の複数の環境因子を
流用することができ、従来の乗員数の検知専用のセンサ
に代わって乗員数の推定値を得ることができる乗員数推
定器を提供することができる。また、従来のような専用
の乗員数検知のためのセンサと異なり、取り付け位置の
制限を必要とせず、使い勝手がよいものである。さら
に、車両用空調装置に用いられるマクロコンピュータを
流用する場合には、別個にマイクロコンピュータを設け
る必要がなくなり、そのため、設置スペースが不要とな
り、構成の簡素化が図られるばかりか、さらなる装置価
格の低減を図ることができるという効果を奏するもので
ある。またさらに、請求項5乃至請求項8記載の発明に
よれば、車外の空気の汚れを考慮しつつ、乗員数に応じ
て適切な換気がなされるように構成することにより、乗
員数に応じた適切な量の外気が導入されるので、車室内
の二酸化炭素濃度が不用意に高くなり、乗員に不快感を
起こさせるようなことが確実に回避されるという効果を
奏するものである。特に、ニューラルネットワークによ
る乗員数推定器を用いることで、上述の効果に加えて、
従来と異なり、乗員数検知のための専用のセンサが不要
となるので、部品点数の削減、コストの低減を図ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態における乗員数推定器の構
成を示す構成図である。
【図2】乗員数推定器を構成するニューラルネットワー
クの構成を示す構成図である。
【図3】第1の発明の実施の形態において用いられるニ
ューラルネットワークに使用される対数型のシグモイド
関数を示す特性線図である。
【図4】第2の発明の実施の形態において用いられる直
線近似されたシグモイド関数を示す特性線図である。
【図5】本来のシグモイド関数と直線近似されたシグモ
イド関数との誤差を示す特性線図である。
【図6】乗員数推定器を用いた内外気切換ドア制御装置
の構成例を示す構成図である。
【図7】ガスセンサの取り付け位置の一例を示す模式図
である。
【図8】ガスセンサの出力特性の一例を示す特性線図で
ある。
【図9】図6に示された内外気切換ドア制御装置による
動作制御の手順を示すフローチャートである。
【図10】ガスセンサの出力と車室外の空気の汚れ具合
との関係を示す特性線図である。
【図11】車室外の空気の汚れ具合と乗員数とに基づく
内外気切換ドアのドア位置の決定例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
S…乗員数推定器 1…空調ダクト 2…外気導入口 3…内気導入口 4…内外気切換ドア 7…コントロールユニット 5…アクチュエータ 16…乗員推定器(応用例) 17…ガスセンサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60H 1/00 101 B60H 1/00 103

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両用空調装置による車室内の空調状態
    を設定するために用いられる複数の環境因子と、車両用
    空調装置における空調機器の状態とに基づいて車室内の
    乗員数の推定値を演算算出する乗員数推定器であって、 当該乗員数推定器は、ニューラルネットワークを用いて
    なることを特徴とする乗員数推定器。
  2. 【請求項2】 ニューラルネットワークへ入力される複
    数の環境因子は、室内温度センサ値、外気温センサ値、
    日射センサ値であり、 ニューラルネットワークへ入力される空調機器の状態
    は、車室内への吹出しモード、ミックスドア開度、ブロ
    アモータデューティ比であることを特徴とする請求項1
    記載の乗員数推定器。
  3. 【請求項3】 ニューラルネットワークの学習時に使用
    する教師信号を0.02から0.98に正規化して入力す
    るようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2記
    載の乗員数推定器。
  4. 【請求項4】 ニューラルネットワークに用いられるシ
    グモイド関数を、複数の一次関数の集合による近似関数
    とし、当該複数の一次関数は、本来のシグモイド関数の
    値と前記近似関数を構成する一次関数により求められる
    近似値との誤差が、所定の範囲となるように、シグモイ
    ド関数の入力変数の範囲を複数に分割し、かつ、それぞ
    れの分割範囲におけるそれぞれの一次関数の係数が設定
    されてなるものであることを特徴とする請求項1、請求
    項2又は請求項3記載の乗員数推定器。
  5. 【請求項5】 車両用空調装置における空調ダクトへの
    内気と外気の導入量を切り換える内外気切換ドアの制御
    装置であって、 車室外の空気の汚れ具合を検出、判定する車外空気検出
    判定手段と、 車室内の乗員数を検出する乗員数検出手段と、 前記乗員数検出手段の出力信号に基づいて乗員数を判定
    する乗員数判定手段と、 前記車外空気検出判定手段の出力信号と、前記乗員数判
    定手段の出力信号に基づいて、前記内外気切換ドアのド
    ア位置を決定するドア位置決定手段と、 前記ドア位置決定手段の決定結果に基づいて、前記内外
    気切換ドアを回動するドア回動手段と、 を具備してなり、 前記乗員数検出手段は、車両用空調装置による車室内の
    空調状態を設定するために用いられる複数の環境因子
    と、車両用空調装置における空調機器の状態とに基づい
    て車室内の乗員数の推定値を演算算出する乗員数推定器
    からなり、 当該乗員数推定器は、ニューラルネットワークを用いて
    なることを特徴とする内外気切換ドア制御装置。
  6. 【請求項6】 ニューラルネットワークへ入力される複
    数の環境因子は、室内温度センサ値、外気温センサ値、
    日射センサ値であり、 ニューラルネットワークへ入力される空調機器の状態
    は、車室内への吹出しモード、ミックスドア開度、ブロ
    アモータデューティ比であることを特徴とする請求項5
    記載の内外気切換ドア制御装置。
  7. 【請求項7】 ニューラルネットワークの学習時に使用
    する教師信号を0.02から0.98に正規化して入力す
    るようにしたことを特徴とする請求項5又は請求項6記
    載の内外気切換ドア制御装置。
  8. 【請求項8】 ニューラルネットワークに用いられるシ
    グモイド関数を、複数の一次関数の集合による近似関数
    とし、当該複数の一次関数は、本来のシグモイド関数の
    値と前記近似関数を構成する一次関数により求められる
    近似値との誤差が、所定の範囲となるように、シグモイ
    ド関数の入力変数の範囲を複数に分割し、かつ、それぞ
    れの分割範囲におけるそれぞれの一次関数の係数が設定
    されてなるものであることを特徴とする請求項5、請求
    項6又は請求項7記載の内外気切換ドア制御装置。
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