JP3058386B2 - 光学ヘッド装置及びこれを用いた光ディスク装置 - Google Patents

光学ヘッド装置及びこれを用いた光ディスク装置

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JP3058386B2
JP3058386B2 JP5224367A JP22436793A JP3058386B2 JP 3058386 B2 JP3058386 B2 JP 3058386B2 JP 5224367 A JP5224367 A JP 5224367A JP 22436793 A JP22436793 A JP 22436793A JP 3058386 B2 JP3058386 B2 JP 3058386B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、例えば光ディスクや
光カードなどの光記録媒体に光ビームを照射して情報の
再生を行うための光学ヘッド装置及びこれを用いた光デ
ィスク装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、音声情報や静止画情報をディジ
タル化して記録した、複製技術によって多量に作られる
コンパクトディスク(CD)などの再生専用光ディスク
に適用される再生用の光学ヘッドでは、開口数(NA)
が0.45程度と小さく、コリメータを省略できる有限
系対物レンズを用いることにより、光学素子の数を少な
くして小型化が図られている。有限系対物レンズとは、
光源と対象物面とが結像関係にあるような対物レンズ、
すなわち光源の発光点の像を対象物面(記録媒体の記録
面)上に縮小して結像するような対物レンズをいう。
【0003】一方、より高密度の再生専用光ディスク、
例えば動画情報(ビデオ信号)を記録したビデオディス
クに適用される光学ヘッドでは、ピットの情報を精度よ
く読み取る必要から、開口数が0.55程度とより大き
な対物レンズが用いられる。このように開口数が大きい
対物レンズは、一般に半導体レーザの出射光が一旦コリ
メートされた後に入射されることにより、光ディスク上
に微小スポットを形成するように使用される。このよう
な使用形態での対物レンズは、物点位置が無限遠である
ことから、無限系対物レンズと呼ばれ、上述した有限系
対物レンズとは区別される。開口数が大きい無限系対物
レンズを用いる光学ヘッドは、コリメータなどを必要と
することから、光学系の構成素子数が多くなり、大型化
する傾向がある。
【0004】
【0005】
【0006】
【0007】回折型光学素子を使った光学ヘッドは、従
来では再生信号周波数が比較的低いCDプレーヤに使わ
れていたので、戻り光の影響の問題が顕在化することは
無かったが、ビデオ信号を記録したビデオディスクに適
用される光学ヘッドでは、再生信号周波数がCDの10
倍以上にも及ぶため、戻り光の影響によるレーザ出射光
量の変化ができるだけ小さいことが要求され、十分な配
慮が必要である。また、回折型光学素子の設置位置が光
源に近いため、回折型光学素子の格子間隔が非常に狭く
なり、素子の作製精度を十分に取ることも難しかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、高密
度の再生専用光ディスクに適用される光学ヘッドでは、
ピットの情報を精度よく読み取る必要から、開口数が
0.55程度とより大きな対物レンズが用いられ、半導
体レーザの出射光が一旦コリメートされた後に入射され
ることにより、光ディスク上に微小スポットを形成する
ように、無限系対物レンズとして使用されているが、こ
のような開口数が大きい無限系対物レンズを用いる光学
ヘッドは、コリメータなどを必要とすることから、光学
系の構成素子数が多くなり、大型化する傾向があるとい
う問題点があった。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の光学
ヘッド装置は、光ビームを出射する光源と、前記光源か
ら出射される光ビームを光記録媒体の記録面に集束照射
し、かつ該記録面からの反射光を前記光ビームの進行方
向と逆方向に通過させる開口数が0.55以上、結像倍
率が1/6以下の有限系対物レンズと、前記反射光を検
出するための少なくとも一つの光検出器と、前記対物レ
ンズを通過した後の前記反射光を前記光ビームの進行方
向と異なる方向に偏向して前記光検出器へ導く偏向素子
とを備え、前記光源は、前記有限系対物レンズの最良物
点位置に対して後方に配置されることを特徴とする。
【0013】また、本発明に係る光ディスク装置は、基
板厚が0.6mmの光ディスクと、光ビームを出射する
光源と、前記光源から出射される光ビームを前記光ディ
スクの記録面に集束照射し、かつ該記録面からの反射光
を前記光ビームの進行方向と逆方向に通過させる開口数
が0.55以上、結像倍率が1/6以下の有限系対物レ
ンズと、前記反射光を検出するための少なくとも一つの
光検出器と、前記対物レンズを通過した後の前記反射光
を前記光ビームの進行方向と異なる方向に偏向して前記
光検出器へ導く偏向素子とを備え、前記光源は、前記有
限系対物レンズの最良物点位置に対して後方に配置され
ることを特徴とする。
【0014】一般に、開口数が大きい対物レンズはレン
ズ開口も大きく、焦点距離に比例してレンズ開口が大き
くなる。また、有限系レンズでは結像倍率が大きく(1
に近づく)なるに従って、焦点距離と開口数が一定であ
ってもレンズ開口が大きくなるため、対物レンズの作製
が困難なものとなる。反面、有限系対物レンズは無限系
対物レンズに比べ、同じ焦点距離で作動距離(レンズか
ら対象物までの距離)をより長くできることが知られて
いる。光学ヘッドの使用上、作動距離が一定量確保でき
れば良いとすれば、それだけ焦点距離を短くできること
になる。
【0015】ここで、有限系対物レンズが使われる従来
のCD用光学ヘッドでは、対物レンズの結像倍率が1/
4〜1/5程度であり、レンズ開口は無限系対物レンズ
のそれの1.25〜1.2倍になる。そのため、レンズ
の作製の難易度を表す見掛けの開口数(レンズ開口/焦
点距離)が大きくなり、開口数が大きい対物レンズの使
用は困難であった。
【0016】これに対し、本発明では有限系対物レンズ
において結像倍率を1/6以下と小さくして、レンズ開
口を小さく抑えつつ、有限系対物レンズとしたことによ
る作動距離の増加分を短焦点化に振り分けることによっ
て、開口数が0.55以上の対物レンズに対しても有限
系化を実現している。
【0017】また、有限系対物レンズは設定された物点
位置からのずれで生じる波面収差が大きいが、光源の設
置位置を対物レンズの最良物点位置に対して僅かに後方
に設定することで、光軸が垂直に交わる面内の光源の位
置ずれに対する許容値が大きくなり、光学ヘッドの組み
立て性が向上する。
【0018】さらに、従来の光ディスクの基板の厚さは
1.2mmであり、この基板の厚さが対物レンズの焦点
距離の短焦点化を制限していたが、本発明によれば光デ
ィスクの基板厚を0.6mmと薄くして対物レンズの焦
点距離を短くすることで、光学ヘッドの一層の小型化が
図られる。
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【0024】
【実施例】以下、図面を参照して本発明を再生専用の光
学ヘッド装置に適用した本発明の実施例を説明する。一
般に、音声情報や静止画情報をディジタル化して記録し
た、複製技術によって多量に作られるコンパクトディス
ク(CD)などの再生専用光ディスクに適用される再生
用の光学ヘッドでは、開口数(NA)が0.45程度と
小さく、コリメータを省略できる有限系対物レンズを用
いることにより、光学素子の数を少なくして小型化が図
られている。有限系対物レンズとは、光源と対象物面と
が結像関係にあるような対物レンズ、すなわち光源の発
光点の像を対象物面(記録媒体の記録面)上に縮小して
結像するような対物レンズをいう。
【0025】一方、より高密度の再生専用光ディスク、
例えば動画情報(ビデオ信号)を記録したビデオディス
クに適用される光学ヘッドでは、ピットの情報を精度よ
く読み取る必要から、開口数が0.55程度とより大き
な対物レンズが用いられる。このように開口数が大きい
対物レンズは、一般に半導体レーザの出射光が一旦コリ
メートされた後に入射されることにより、光ディスク上
に微小スポットを形成するように使用される。このよう
な使用形態での対物レンズは、物点位置が無限遠である
ことから、無限系対物レンズと呼ばれ、上述した有限系
対物レンズとは区別される。開口数が大きい無限系対物
レンズを用いる光学ヘッドは、コリメータなどを必要と
することから、光学系の構成素子数が多くなり、大型化
する傾向がある。
【0026】そこで、本実施例は光ビームの照射により
少なくとも情報の再生を行うための光学ヘッド装置にお
いて、開口数が大きな対物レンズを有限系対物レンズと
して実現することを可能にして、高密度に情報が記録さ
れた光記録媒体からの情報再生を良好に行うことがで
き、しかも小型化が容易な光学ヘッド装置を提供するも
のであり、光ビームを出射する光源と、前記光源から出
射される光ビームを光記録媒体の記録面に集束照射し、
かつ該記録面からの反射光を前記光ビームの進行方向と
逆方向に通過させる対物レンズと、前記反射光を検出す
るための少なくとも一つの光検出器と、前記対物レンズ
を通過した後の前記反射光を前記光ビームの進行方向と
異なる方向に偏向して前記光検出器へ導く偏向素子とを
備え、前記対物レンズは、開口数が0.55以上、結像
倍率が1/6以下の有限系対物レンズであることを特徴
とする。
【0027】本実施例の光学ヘッド装置による利点は、
次の通りである。一般に、開口数が大きい対物レンズは
レンズ開口も大きく、焦点距離に比例してレンズ開口が
大きくなる。また、有限系レンズでは結像倍率が大きく
(1に近づく)なるに従って、焦点距離と開口数が一定
であってもレンズ開口が大きくなるため、対物レンズの
作製が困難なものとなる。反面、有限系対物レンズは無
限系対物レンズに比べ、同じ焦点距離で作動距離(レン
ズから対象物までの距離)をより長くできることが知ら
れている。光学ヘッドの使用上、作動距離が一定量確保
できれば良いとすれば、それだけ焦点距離を短くできる
ことになる。
【0028】ここで、有限系対物レンズが使われる従来
のCD用光学ヘッドでは、対物レンズの結像倍率が1/
4〜1/5程度であり、レンズ開口は無限系対物レンズ
のそれの1.25〜1.2倍になる。そのため、レンズ
の作製の難易度を表す見掛けの開口数(レンズ開口/焦
点距離)が大きくなり、開口数が大きい対物レンズの使
用は困難であった。
【0029】本実施例では、有限系対物レンズにおいて
結像倍率を1/6以下、好ましくは1/6〜1/7と小
さくして、レンズ開口を小さく抑えつつ、有限系対物レ
ンズとしたことによる作動距離の増加分を短焦点化に振
り分けることによって、開口数が0.55以上の対物レ
ンズに対しても有限系化を実現している。
【0030】また、有限系対物レンズは設定された物点
位置からのずれで生じる波面収差が大きいが、光源の設
置位置を対物レンズの最良物点位置に対して僅かに後方
に設定することで、光軸が垂直に交わる面内の光源の位
置ずれに対する許容値が大きくなり、光学ヘッドの組み
立て性が向上する。
【0031】さらに、従来の光ディスクの基板の厚さは
1.2mmであり、この基板の厚さが対物レンズの焦点
距離の短焦点化を制限していたが、本実施例によると光
記録媒体の基板厚を薄くして対物レンズの焦点距離を短
くすると、光学ヘッドの一層の小型化が図られる。
【0032】図1は、本実施例に係る光学ヘッド装置の
構成を示したものであり、光学ユニット41、アクチュ
エータ42、増幅器43、演算回路44およびアクチュ
エータ駆動回路45を備えている。光学ユニット41
は、光源46、ホログラフィック素子47、対物レンズ
48、光検出器49、フォーカス駆動コイル50および
トラッキング駆動コイル51により構成される。この光
学ユニット41に対向して、光学的に情報が記録されて
いる記録媒体、例えばビデオディスクのような光ディス
ク52が配置される。
【0033】光源46は例えば半導体レーザであり、こ
の光源46から出射した光ビームはホログラフィック素
子47を透過して対物レンズ48に導かれ、光ディスク
52上、すなわち記録面に微小スポットを形成する。光
ディスク52の記録面で反射した光は、対物レンズ48
を経て偏向素子であるホログラフィック素子47に入射
し、回折を受けて入射光ビームと異なる方向に偏向され
る。ホログラフィック素子47で回折した光ビームは、
光検出器49で検出される。
【0034】光検出器49の出力信号は、増幅器43で
適当なレベルまで増幅された後、演算回路44に入力さ
れる。この演算回路44で光検出器43の出力信号に演
算が施されることにより、フォーカス誤差信号(S
f)、トラッキング誤差信号(St)および再生情報信
号(Si)が生成される。
【0035】ここで、ホログラフィック素子47と光検
出器49の構成は、特願平3−244413「光学ヘッ
ド装置」に詳細に述べられているものと同様な原理に基
づくものである。全体の動作を分かり易くするために、
この部分について説明を加える。
【0036】図2に、ホログラフィック素子47と光検
出器49の関係を示す。ホログラフィック素子47は、
トラックと同一方向の領域分割線47Cによって2つの
領域47A,47Bに分割されている。これらの領域4
7A,47Bにおいては、焦点誤差検出に必要な光ビー
ムの形状変化を生じさせるために、一方は糸巻き状に、
他方は樽形状にそれぞれ等間隔な格子を変形させた格子
形状のホログラムが形成されている。また、領域47
A,47Bのそれぞれの回折光が光検出器49の受光面
上で分離されるように、領域47Aと領域47Bとで平
均的な格子間隔を異ならせている。これにより、領域4
7Aからの回折光53Aは光検出器49の受光面49a
と49bにまたがった領域に集光し、領域47Bからの
回折光53Bは光検出器49の受光面49cと49dに
またがった領域に集光する。
【0037】ここで、光検出器49の受光面49a,4
9b,49c,49dにそれぞれ対応する増幅器43の
出力信号を49A,49B,49C,49としたとき、
フォーカス誤差信号Sf、トラッキング誤差信号Stお
よび再生情報信号Siは、演算回路10において次式の
演算により得られる。
【0038】Sf=(49A−49B)+(49C−4
9D) St=(49A+49B)−(49C+49D) Si=(49A+49B+49C+49D) フォーカス誤差信号Sfとトラッキング誤差信号St
は、アクチュエータ駆動回路45を介してフォーカス駆
動コイル50およびトラッキング駆動コイル51に加え
られて光学ユニット41を動かし、光ディスク52上の
光スポットの位置を光軸方向とトラッキング方向に制御
する。
【0039】図3(a)(b)に、本実施例における対
物レンズ48と従来の再生専用光学ヘッド装置における
対物レンズの光学特性をそれぞれ示す。これらは、いず
れも有限系対物レンズである。従来の光ディスク装置に
おける有限系対物レンズは結像倍率が1/4程度である
ため、レンズ開口が無限系対物レンズのそれの1.25
倍となる。例えば、CD用光学ヘッド装置における有限
系対物レンズは開口数が0.45なので、結像倍率を考
慮した見掛けの開口数は0.56となる。
【0040】一方、情報記録密度が高い光ディスク、例
えばNTSCなどの標準TV方式対応のビデオディス
ク、あるいは最近実用化されているMUSEなどの高精
細TV方式対応のビデオディスクから情報を正しく再生
するには、光ディスク上の光スポットを一層微小に集光
しなくてはならない。このため、光源の波長を短くした
り、対物レンズの開口数を高くしたりすることが要求さ
れる。無限系対物レンズでは、開口数が0.55程度の
ものが十分実用レベルにあり、ビデオディスク用光学ヘ
ッド装置では、このような開口数の無限系対物レンズが
使用されていることは前述の通りである。しかし、開口
数0.55の対物レンズを有限系で実現しようとする
と、通常の結像倍率(1/4〜1/5程度)では、見掛
けの開口数が0.69程度と非常に大きくなってしま
い、実現は甚だ困難となる。
【0041】これに対し、本実施例では対物レンズ48
の結像倍率を小さくすることで見掛けの開口数の増大を
防ぎ、レンズの作製可能なレベルに抑えて高い開口数の
対物レンズを有限系で実現している。例えば、対物レン
ズ48の結像倍率を1/7とすると、開口数が0.55
のレンズであっても見掛けの開口数は0.63と、一割
程度の増大に止めることができ、現在の技術で比較的容
易に実現できるレベルとなる。
【0042】さらに、対物レンズ48の焦点距離を小さ
くすると、同じ開口数であってもレンズ開口が小さくな
り、その作製が容易になる。しかし、光ディスク52の
面振れに対して対物レンズ48の光軸方向の位置制御に
異常があっても、対物レンズ48と光ディスク52が接
触しないように、対物レンズ48の作動距離(この場合
は、対物レンズ48の光ディスク52側端面と光ディス
ク52の表面との間の距離)を一定値以上確保する必要
があるため、対物レンズ48の焦点距離を無制限に短く
することはできない。他方、光ディスク52の表面に対
するごみの付着や傷の発生に対して情報が破壊されるこ
とを防ぐために、光ディスク52では透明基板の裏面側
(光ビーム入射側と反対側の面)に記録面が設定され、
ここにビデオ信号などの情報が記録されている。従っ
て、機械強度の確保や、反りの対策として光ディスク5
2の基板を厚くすると、対物レンズ48から光ディスク
52の表面までの距離が長くなるので、一定値以上の作
動距離を確保するには、対物レンズ48として長い焦点
距離のものが必要となる。
【0043】このような点を考慮して、本実施例では主
たる目的である光学ヘッド装置のさらなる小型化のため
に、光ディスク52の基板の厚さを従来よりも薄くす
る。すなわち、従来の光ディスクの基板の厚さは通常、
1.2mmであり、例えば作動距離を1mm確保するに
は対物レンズの焦点距離は3mm程度であった。基板の
厚さを0.6mmとすると、同じ作動距離を確保しても
対物レンズの焦点距離は2.3mm程度まで短くするこ
とができる。また、有限系対物レンズは焦点距離が同じ
であれば、無限系対物レンズより作動距離が長くなるの
で、作動距離を一定値確保すれば良いものとすると、焦
点距離をさらに短くすることができる。
【0044】また、対物レンズ48の結像倍率を先に例
示した1/7とすると、焦点距離は2mm程度まで短焦
点にすることができる。従って、図3(b)に示した従
来例と比較すると焦点距離を2/3にできるので、光学
ユニット41の長さも2/3とすることができ、光学ヘ
ッド装置の一層の小型化を実現できる。
【0045】一般的に、高い開口数の有限系対物レンズ
は、物点(すなわち光源)の設置位置のずれに対して、
波面収差の発生量が大きい。しかし、本実施例では対物
レンズ48の結像倍率を小さくしたことにより、光軸方
向の位置ずれ許容量は大きくなっている。一方、有限系
対物レンズの最良物点位置に対して光軸方向に物点位置
を僅かずらせると、光軸に垂直な平面内の物点の位置ず
れ許容値を大きくすることができる。図4(a)(b)
に、その様子を示す。光軸をZ軸とすると、図の横軸は
X(Y)軸方向の移動量で、縦軸は波面収差量λRMS で
ある。
【0046】図4から理解されるように、物点位置が最
良物点位置であるときは、X軸およびY軸方向のずれに
よる波面収差の発生は大きい。これに対し、物点位置が
最良物点位置からZ軸方向に、対物レンズ48から遠ざ
かる方向に多少シフトすると、X軸およびY軸方向のい
ずれの方向においても、波面収差はZ=0の時の値より
小さくなる。
【0047】上述したように、本実施例によれば対物レ
ンズ48の結像倍率を小さくすると共に、最低限の作動
距離を確保するに必要な焦点距離の有限系対物レンズに
より高開口数化を実現して、光学ヘッド装置の光学系の
簡素化・小型化を実現することができる。
【0048】また、光ディスク基板を薄板化すれば、有
限系対物レンズの一層の短焦点化が可能となり、光学ヘ
ッドのさらなる小型化を実現できる。さらに、本実施例
では単なる小型化のみでなく、信頼性の向上を図ること
もできる。すなわち、有限系対物レンズにおける最良物
点位置に対して物点位置を僅かに後方にずらすことで、
光軸に対して垂直な平面上の物点、つまり光源点の設置
精度許容値を大きくでき、これにより光学ヘッド装置の
組み立てをより容易にすることが可能となる。
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
【0053】
【0054】
【0055】
【0056】
【0057】
【0058】
【0059】
【0060】
【0061】
【0062】
【0063】
【0064】
【0065】
【0066】
【0067】
【0068】
【0069】
【0070】
【0071】
【0072】
【0073】
【0074】
【0075】
【0076】
【0077】
【0078】
【0079】
【0080】
【0081】
【0082】
【0083】
【0084】
【0085】
【0086】
【0087】
【0088】
【0089】
【0090】
【0091】
【0092】
【0093】
【0094】
【発明の効果】本発明によれば、対物レンズとして開口
数が0.55以上、結像倍率が1/6以下の有限系対物
レンズを用いることにより、開口数が大きな対物レンズ
を有限系対物レンズとして実現することを可能にして、
高密度に情報が記録された光記録媒体からの情報再生を
良好に行うことができ、しかも小型化が容易な光学ヘッ
ド装置及びこれを用いた光ディスク装置を提供すること
ができる。
【0095】また、有限系対物レンズは設定された物点
位置からのずれで生じる波面収差が大きいが、光源の設
置位置を対物レンズの最良物点位置に対して僅かに後方
に設定することで、光軸が垂直に交わる面内の光源の位
置ずれに対する許容値が大きくなり、光学ヘッドの組み
立て性が向上する。さらに、光ディスクの基板厚を0.
6mmと薄くして対物レンズの焦点距離をより短くする
ことで、光学ヘッドの一層の小型化を図ることができ
る。
【0096】また、本発明によれば光源から出射される
光ビームを透過させて対物レンズへ導き、対物レンズを
通過した後の反射光の一部を該光ビームの進行方向と異
なる方向に回折させて光検出器へ導く回折型光学素子の
反射光に対する回折効率および透過率を光源への戻り光
の光量が光検出器に入射する反射光の光量以下となるよ
うに設定することにより、戻り光の光量を大きく低減で
き、戻り光に起因する光源の光出力の変化を低減するこ
とが可能となり、再生情報信号のS/Nを高くすること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る光学ヘッド装置の要部構
成を示す図。
【図2】図1におけるホログラフィック素子と光検出器
の関係を示す図。
【図3】同実施例および従来例における対物レンズの光
学特性を説明するための図。
【図4】同実施例における対物レンズの物点位置に関す
る光学特性を示す図。
【符号の説明】
41…光学ユニット 42…アクチュエータ 43…増幅器 44…演算回路 45…アクチュエータ駆動回路 46…光源 47…ホログラフィック素子 48…対物レンズ 49…光検出器 50…フォーカス駆動コイル 51…トラッキング駆動コイル
フロントページの続き (72)発明者 本宮 佳典 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1番地 株式会社東芝研究開発センター内 (56)参考文献 特開 昭56−41(JP,A) 特開 平2−185722(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 7/135

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光ビームを出射する光源と、 前記光源から出射される光ビームを光記録媒体の記録面
    に集束照射し、かつ該記録面からの反射光を前記光ビー
    ムの進行方向と逆方向に通過させる開口数が0.55以
    上、結像倍率が1/6以下の有限系対物レンズと、 前記反射光を検出するための少なくとも一つの光検出器
    と、 前記対物レンズを通過した後の前記反射光を前記光ビー
    ムの進行方向と異なる方向に偏向して前記光検出器へ導
    く偏向素子とを備え、 前記光源は、前記有限系対物レンズの最良物点位置に対
    して後方に配置されることを特徴とする光学ヘッド装
    置。
  2. 【請求項2】基板厚が0.6mmの光ディスクと、 光ビームを出射する光源と、 前記光源から出射される光ビームを前記光ディスクの記
    録面に集束照射し、かつ該記録面からの反射光を前記光
    ビームの進行方向と逆方向に通過させる開口数が0.5
    5以上、結像倍率が1/6以下の有限系対物レンズと、 前記反射光を検出するための少なくとも一つの光検出器
    と、 前記対物レンズを通過した後の前記反射光を前記光ビー
    ムの進行方向と異なる方向に偏向して前記光検出器へ導
    く偏向素子とを備え、 前記光源は、前記有限系対物レンズの最良物点位置に対
    して後方に配置されることを特徴とする光ディスク装
    置。
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